JP2009210017A - 継手リンクユニット付き無給油チェーン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チェーン本体110と継手リンクユニット120とからなり、ブシュ112と継手ピン121および連結ピン115との間に潤滑油を封入し、ブシュ突出端部112aが、圧入プレート122および遊嵌プレート123に形成されたブシュ軸支用環状凹部122a、123aでそれぞれ囲繞支持され、シール環状体130が遊嵌プレート123のブシュ軸支用環状凹部123aとブシュ突出端部112aの対向面間に介在した状態で継手ピン121の外周面に圧嵌される継手リンクユニット付き無給油チェーン100。
【選択図】図1
Description
また、本発明の継手リンクユニット付き無給油チェーンで言うところの「圧印加工」とは、材料を部分的に圧縮することで圧縮部分の強度を向上させる加工を意味している。
ここで、図1は、本発明の第1実施例である継手リンクユニット付き無給油チェーンの全体概要図であり、図2は、図1に示す継手リンクユニット付き無給油チェーンの分解組み付け図であり、図3は、図1に示す継手リンクユニット付き無給油チェーンの断面図であり、図4は、継手リンクユニットの変形例を示す斜視図であり、図5は、シール環状体の変形例を示す断面図である。
チェーン本体110は、図1および図2に示すように、ローラ111を外嵌した前後一対のブシュ112の両端部を左右一対の内プレート113のブシュ圧入孔に圧入嵌合してなる内リンク114と、ブシュ112内にそれぞれ貫通する前後一対の連結ピン115の両端部を左右一対の外プレート116のピン圧入孔に圧入嵌合してなる外リンク117とが、チェーン長手方向に交互に連結されることで構成されている。
また、継手リンクユニット120は、図1乃至図3に示すように、チェーン本体110の両端に位置するブシュ112内にそれぞれ貫通する前後一対の継手ピン121と、継手ピン121の基端部を前後一対の継手ピン圧入孔に圧入嵌合する圧入プレート122と、継手ピン121の先端部を前後一対の継手ピン孔に遊嵌する遊嵌プレート123と、遊嵌プレート123の外側面から突出した継手ピン121の先端部に形成されたクリップ嵌着用溝部に嵌着されて継手ピン121の先端部を遊嵌プレート123の外側面に位置決めして締結する締結手段124としてのクリップとから構成されている。
なお、前述した遊嵌プレート123は、一般に継手プレートと称されている。
そして、チェーン本体110のブシュ112の内周面とチェーン本体110の連結ピン115の外周面との間、および、チェーン本体110のブシュ112の内周面と継手リンクユニット120の継手ピン121の外周面との間には、潤滑油が封入されている。
まず、図1および図2に示すように、チェーン本体110の外プレート116は、内側面を凹陥させて、すなわち、凹ませて陥らせてオフセット状態で外側面に膨出させたブシュ軸支用環状凹部116aを備えており、このブシュ軸支用環状凹部116aが、チェーン本体110の内プレート113の外側面から一部突出したブシュ突出端部112aを囲繞支持している。
また、図1乃至図3に示すように、継手リンクユニット120の圧入プレート122および遊嵌プレート123は、内側面を凹陥させてオフセット状態で外側面に膨出させたブシュ軸支用環状凹部122a、123aをそれぞれ備えており、このブシュ軸支用環状凹部122a、123aが、前述したチェーン本体110の両端に位置する内プレート113の外側面から一部突出したブシュ突出端部112aを囲繞支持している。
このシール環状体130と遊嵌プレート123のブシュ軸支用環状凹部123aの座面との間には隙間が設けられており、また、シール環状体130とブシュ突出端部112aとの間には隙間が設けられている。
また、チェーン進行方向に引張力を受けるチェーン稼動時、すなわち、内リンク114が継手リンクユニット120に対してチェーン進行方向に偏在した際に、ブシュ112の内周面と継手ピン121の外周面とが接触して、シール環状体130の外周面と遊嵌プレート123のブシュ軸支用環状凹部123aの内周面とが相互に接触することを完全に回避できるように設計されている。
なお、本発明の継手リンクユニット付き無給油チェーン100で言うところの「圧印加工」とは、材料を部分的に圧縮することで圧縮部分の強度を向上させる加工を意味している。
したがって、このようなブシュ突出端部112aとブシュ軸支用環状凹部122a、123aとの間に生じた潤滑油の漏出径路が複雑に屈曲して油溜り機能を発揮する油溜り用ラビリンス構造L1となって、チェーン稼動時の周回走行によって生じる遠心力などに起因してブシュ112と継手ピン121との間に封入された潤滑油が内プレート113の外側面と圧入プレート122および遊嵌プレート123の内側面との間から外部漏出することを抑制するとともに外部塵埃の侵入を抑制するので、チェーン本体110のブシュ112の内周面と継手リンクユニット120の継手ピン121の外周面との間で生じがちな摩耗損傷を低減してチェーン摩耗伸びを長期に亘って防止できる。
したがって、ブシュ軸支用環状凹部122a、123aの断面係数とそれ以外のプレート部分の断面係数とが同程度となるので、ブシュ軸支用環状凹部122a、123aを形成することによる圧入プレート122および遊嵌プレート123の強度低下を抑制でき、また、圧入プレート122および遊嵌プレート123のプレス打ち抜き加工を行う際に、圧入プレート122および遊嵌プレート123の内側面を凹陥させて外側面へ膨出させる形状の金型を用いるだけで、圧入プレート122および遊嵌プレート123の打ち抜き加工とブシュ軸支用環状凹部122a、123aの形成加工とを同時に行うことができるので、圧入プレート122および遊嵌プレート123の打ち抜き加工とは別途にブシュ軸支用環状凹部122a、123aを形成する研削やミーリングなどの機械加工を圧入プレート122および遊嵌プレート123に施す必要がなく、チェーンの製造負担を軽減できる。
したがって、このようなブシュ突出端部112aとブシュ軸支用環状凹部116aとの間に生じた潤滑油の漏出径路が複雑に屈曲して油溜り機能を発揮する油溜り用ラビリンス構造L3となって、チェーン稼動時の周回走行によって生じる遠心力などに起因してブシュ112と連結ピン115との間に封入された潤滑油が内プレート113の外側面と外プレート116の内側面との間から外部漏出することを抑制するとともに外部塵埃の侵入を抑制するので、チェーン本体110のブシュ112の内周面とチェーン本体110の連結ピン115の外周面との間で生じがちな摩耗損傷を低減してチェーンの摩耗伸びを長期に亘って防止できる。
したがって、ブシュ軸支用環状凹部116aの断面係数とそれ以外のプレート部分の断面係数とが同程度となるので、ブシュ軸支用環状凹部116aを形成することによる外プレート116の強度低下を抑制でき、また、外プレート116のプレス打ち抜き加工を行う際に、外プレート116の内側面を凹陥させて外側面へ膨出させる形状の金型を用いるだけで、外プレート116の打ち抜き加工とブシュ軸支用環状凹部116aの形成加工とを同時に行うことができるので、外プレート116の打ち抜き加工とは別途にブシュ軸支用環状凹部116aを形成する研削やミーリングなどの機械加工を外プレート116に施す必要がなく、チェーンの製造負担を軽減できる。
したがって、チェーン引張力が継手ピン121を介して遊嵌プレート123に作用した際に疲労破壊を生じがちな継手ピン孔の周囲の疲労強さを向上できるので、長期にわたってチェーン寿命を維持できるなど、その効果は甚大である。
まず、本発明の第2実施例である継手リンクユニット付き無給油チェーン200は、図6および図7に示すように、チェーン本体210と、このチェーン本体210の両端を相互に連結する継手リンクユニット220とから構成されている。
チェーン本体210は、図6および図7に示すように、ローラ211を外嵌した前後一対のブシュ212の両端部を左右一対の内プレート213のブシュ圧入孔に圧入嵌合してなる内リンク214と、ブシュ212内にそれぞれ貫通する前後一対の連結ピン215の両端部を左右一対の外プレート216のピン圧入孔に圧入嵌合してなる外リンク217とが、チェーン長手方向に交互に連結されることで構成されている。
また、継手リンクユニット220は、図6および図7に示すように、チェーン本体210の両端に位置するブシュ212内にそれぞれ貫通する前後一対の継手ピン221と、継手ピン221の基端部を前後一対の継手ピン圧入孔に圧入嵌合する圧入プレート222と、継手ピン221の先端部を前後一対の継手ピン孔に遊嵌する遊嵌プレート223と、遊嵌プレート223の外側面から突出した継手ピン221の先端部に形成されたクリップ嵌着用溝部に嵌着されて継手ピン221の先端部を遊嵌プレート223の外側面に位置決めして締結する締結手段224としてのクリップとから構成されている。
なお、前述した遊嵌プレート223は、一般に継手プレートと称されている。
そして、チェーン本体210のブシュ212の内周面とチェーン本体210の連結ピン215の外周面との間、および、チェーン本体210のブシュ212の内周面と継手リンクユニット220の継手ピン221の外周面との間には、潤滑油が封入されている。
まず、図6および図7に示すように、チェーン本体210の外プレート216は、内側面を凹陥させて、すなわち、凹ませて陥らせてオフセット状態で外側面に膨出させたブシュ軸支用環状凹部216aを備えており、このブシュ軸支用環状凹部216aが、チェーン本体210の内プレート213の外側面から一部突出したブシュ突出端部212aを囲繞支持している。
また、図6および図7に示すように、継手リンクユニット220の圧入プレート222および遊嵌プレート223は、内側面を凹陥させてオフセット状態で外側面に膨出させたブシュ軸支用環状凹部222a、223aをそれぞれ備えており、このブシュ軸支用環状凹部222a、223aが、前述したチェーン本体210の両端に位置する内プレート213の外側面から一部突出したブシュ突出端部212aを囲繞支持している。
このシール環状体230と遊嵌プレート223のブシュ軸支用環状凹部223aの座面との間には隙間が設けられており、また、シール環状体230とブシュ突出端部212aとの間には隙間が設けられている。
また、チェーン進行方向に引張力を受けるチェーン稼動時、すなわち、内リンク214が継手リンクユニット220に対してチェーン進行方向に偏在した際に、ブシュ212の内周面と継手ピン221の外周面とが接触して、シール環状体230の外周面と遊嵌プレート223のブシュ軸支用環状凹部223aの内周面とが相互に接触することを完全に阻止できるように設計されている。
なお、本発明の継手リンクユニット付き無給油チェーン200で言うところの「圧印加工」とは、材料を部分的に圧縮することで圧縮部分の強度を向上させる加工を意味している。
したがって、このようなブシュ突出端部212aとブシュ軸支用環状凹部222a、223aとの間に生じた潤滑油の漏出径路が複雑に屈曲して油溜り機能を発揮する油溜り用ラビリンス構造L1となって、チェーン稼動時の周回走行によって生じる遠心力などに起因してブシュ212と継手ピン221との間に封入された潤滑油が内プレート213の外側面と圧入プレート222および遊嵌プレート223の内側面との間から外部漏出することを抑制するとともに外部塵埃の侵入を抑制するので、チェーン本体210のブシュ212の内周面と継手リンクユニット220の継手ピン221の外周面との間で生じがちな摩耗損傷を低減してチェーン摩耗伸びを長期に亘って防止できる。
したがって、ブシュ軸支用環状凹部222a、223aの断面係数とそれ以外のプレート部分の断面係数とが同程度となるので、ブシュ軸支用環状凹部222a、223aを形成することによる圧入プレート222および遊嵌プレート223の強度低下を抑制でき、また、圧入プレート222および遊嵌プレート223のプレス打ち抜き加工を行う際に、圧入プレート222および遊嵌プレート223の内側面を凹陥させて外側面へ膨出させる形状の金型を用いるだけで、圧入プレート222および遊嵌プレート223の打ち抜き加工とブシュ軸支用環状凹部222a、223aの形成加工とを同時に行うことができるので、圧入プレート222および遊嵌プレート223の打ち抜き加工とは別途にブシュ軸支用環状凹部222a、223aを形成する研削やミーリングなどの機械加工を圧入プレート222および遊嵌プレート223に施す必要がなく、チェーンの製造負担を軽減できる。
したがって、このようなブシュ突出端部212aとブシュ軸支用環状凹部216aとの間に生じた潤滑油の漏出径路が複雑に屈曲して油溜り機能を発揮する油溜り用ラビリンス構造L3となって、チェーン稼動時の周回走行によって生じる遠心力などに起因してブシュ212と連結ピン215との間に封入された潤滑油が内プレート213の外側面と外プレート216の内側面との間から外部漏出することを抑制するとともに外部塵埃の侵入を抑制するので、チェーン本体210のブシュ212の内周面とチェーン本体210の連結ピン215の外周面との間で生じがちな摩耗損傷を低減してチェーンの摩耗伸びを長期に亘って防止できる。
したがって、ブシュ軸支用環状凹部216aの断面係数とそれ以外のプレート部分の断面係数とが同程度となるので、ブシュ軸支用環状凹部216aを形成することによる外プレート216の強度低下を抑制でき、また、外プレート216のプレス打ち抜き加工を行う際に、外プレート216の内側面を凹陥させて外側面へ膨出させる形状の金型を用いるだけで、外プレート216の打ち抜き加工とブシュ軸支用環状凹部216aの形成加工とを同時に行うことができるので、外プレート216の打ち抜き加工とは別途にブシュ軸支用環状凹部216aを形成する研削やミーリングなどの機械加工を外プレート216に施す必要がなく、チェーンの製造負担を軽減できる。
したがって、チェーン引張力が継手ピン221を介して遊嵌プレート223に作用した際に疲労破壊を生じがちな継手ピン孔の周囲の疲労強さを向上できるので、長期にわたってチェーン寿命を維持できる。
したがって、このような継手ピン221と遊嵌プレート223との間に生じた潤滑油の漏出径路が複雑に屈曲して、遊嵌プレート223の継手ピン孔の内周面と継手ピン221の外周面との間からブシュ212の内周面と継手ピン221の外周面との間までの潤滑油の漏出径路および外部塵埃の侵入径路がより複雑な構造を呈するので、油溜り用ラビリンス構造L2による潤滑油の外部漏出の阻止効果および外部塵埃の内部侵入の阻止効果をより一層向上できるなど、その効果は甚大である。
110、 210 ・・・ チェーン本体
111、 211 ・・・ ローラ
112、 212 ・・・ ブシュ
112a、212a ・・・ ブシュ突出端部
113、 213 ・・・ 内プレート
114、 214 ・・・ 内リンク
115、 215 ・・・ 連結ピン
116、 216 ・・・ 外プレート
116a、216a ・・・ ブシュ軸支用環状凹部
117、 217 ・・・ 外リンク
120、 220 ・・・ 継手リンクユニット
121、 221 ・・・ 継手ピン
122、 222 ・・・ 圧入プレート
122a、222a ・・・ ブシュ軸支用環状凹部
123、 223 ・・・ 遊嵌プレート
123a、223a ・・・ ブシュ軸支用環状凹部
123b、223b ・・・ 環状圧印部
124、 224 ・・・ 締結手段
130、 230 ・・・ シール環状体
221a ・・・ プレート遊嵌用小径段部
L1、L2、L3 ・・・ 油溜り用ラビリンス構造
Claims (4)
- 前後一対のブシュの両端部を左右一対の内プレートのブシュ圧入孔に圧入嵌合してなる内リンクと前記ブシュ内にそれぞれ貫通する前後一対の連結ピンの両端部を左右一対の外プレートのピン圧入孔に圧入嵌合してなる外リンクとがチェーン長手方向に交互に連結されたチェーン本体と、該チェーン本体の両端に位置するブシュ内にそれぞれ貫通する前後一対の継手ピンと該継手ピンの基端部を前後一対の継手ピン圧入孔に圧入嵌合する圧入プレートと前記継手ピンの先端部を前後一対の継手ピン孔に遊嵌する遊嵌プレートと該遊嵌プレートの外側面から突出した継手ピンの先端部を遊嵌プレートの外側面に位置決めして締結する締結手段とで構成されて前記チェーン本体の両端を相互に連結する継手リンクユニットとからなり、前記ブシュの内周面と継手ピンおよび連結ピンの外周面との間に潤滑油を封入してなる継手リンクユニット付き無給油チェーンにおいて、
前記チェーン本体の両端に位置する内プレートの外側面から一部突出したブシュ突出端部が、前記継手リンクユニットの圧入プレートおよび遊嵌プレートの内側面を凹陥させてオフセット状態で外側面に膨出させたブシュ軸支用環状凹部によりそれぞれ囲繞支持されているとともに、
前記遊嵌プレートの継手ピン孔の内周面と継手ピンの外周面との間からの潤滑油の外部漏出を阻止するシール環状体が、前記遊嵌プレートのブシュ軸支用環状凹部とブシュ突出端部の対向面間に介在した状態で継手ピンの外周面に圧嵌されていることを特徴とする継手リンクユニット付き無給油チェーン。 - 前記遊嵌プレートが、圧印加工により形成された環状圧印部を継手ピン孔の周囲に有していることを特徴とする請求項1記載の継手リンクユニット付き無給油チェーン。
- 前記遊嵌プレートが、前記継手ピンの先端部に形成されたプレート遊嵌用小径段部に遊嵌されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の継手リンクユニット付き無給油チェーン。
- 前記チェーン本体の内プレートの外側面から一部突出したブシュ突出端部が、前記チェーン本体の外プレートの内側面を凹陥させてオフセット状態で外側面に膨出させたブシュ軸支用環状凹部によりそれぞれ囲繞支持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の継手リンクユニット付き無給油チェーン。
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