JP2009203556A - 非晶質炭素被膜の製造方法及び非晶質炭素被覆摺動部品 - Google Patents

非晶質炭素被膜の製造方法及び非晶質炭素被覆摺動部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2009203556A
JP2009203556A JP2009138126A JP2009138126A JP2009203556A JP 2009203556 A JP2009203556 A JP 2009203556A JP 2009138126 A JP2009138126 A JP 2009138126A JP 2009138126 A JP2009138126 A JP 2009138126A JP 2009203556 A JP2009203556 A JP 2009203556A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amorphous carbon
metal
carbon film
hydrogen
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009138126A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5077293B2 (ja
Inventor
Yoshinori Irie
美紀 入江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2009138126A priority Critical patent/JP5077293B2/ja
Publication of JP2009203556A publication Critical patent/JP2009203556A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5077293B2 publication Critical patent/JP5077293B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】 内燃機関の燃費を向上すべく、耐摩耗性、密着性及び耐焼き付き性に優れ、摩擦係数が低い非晶質炭素被膜を表面に被覆した摺動部品を提供する。
【解決手段】 Cr、Mo、及びWからなる群から選択される少なくとも1種類の添加金属と炭素と水素とからなる非晶質炭素被膜を、固体カーボンのターゲット10a、10bと炭化水素ガスとを併用することによって少なくとも表面の一部に形成した内燃機関の摺動部品であって、該非晶質炭素被膜を構成する添加金属と炭素と水素の合計に対する水素の含有率が5〜25原子%であり、且つ前記非晶質炭素被膜中の添加金属と炭素の合計に対する添加金属の割合が0.01〜30原子%であり、該非晶質炭素被膜は水素を含まない非晶質炭素被膜とは接していない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、摩擦係数が低く、耐摩耗性及び耐焼き付き性に優れた非晶質炭素被膜で被覆した摺動部品、特に自動車などの内燃機関用摺動部品に関する。
近年、環境問題や省エネ問題などの観点から、自動車の排ガス・燃費改善の重要性が増していることに伴って、内燃機関の摺動部品に対する摩擦低減の要求がますます高まっている。特にカム・フォロア部やシム・タペット部など、動弁系での摩擦を低減することは、自動車全体の燃費向上、排出ガスの低減に多大な効果がある。
従来から、内燃機関の摺動部品の構成材料は、例えばカム・フォロア部においては、カムには鉄基高クロム合金などの焼結合金が、及びフォロアにはSCM415などの浸炭焼入れ鋼が用いられている。しかしながら、これらの材料は摩擦係数が高く、エンジンオイル下でも摩擦抵抗が大きいため、その摩擦抵抗の低減が強く望まれている。
摺動部品の摩擦抵抗を低減させる方法の一つとして、摺動部品表面に材料自体の摩擦抵抗が低い非晶質炭素被膜を被覆する方法がある。例えば、特開2000−327484公報には、カムと摺動するタペットの摺動面に非晶質炭素被膜を形成し、摩擦損失を抑えて燃費を向上させることが記載されている。
ここで非晶質炭素被膜とは、非晶質の炭素膜又は水素化炭素膜であり、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、カーボン硬質膜、a−C、a−C:H、i−C等とも称されている。非晶質炭素被膜は、高硬度で平面平滑性に優れ、摩擦係数が低いという優れた特徴を有している。また、非晶質炭素被膜の形成法としては、CHなどの炭化水素系ガスを用いたプラズマCVD法や、スパッタ蒸着法、イオンプレーティング法、真空アーク蒸着法などが用いられている。
摺動部品表面に形成した非晶質炭素被膜をについて、更に耐摩耗性や密着力の向上を図るため、非晶質炭素被膜中にW、Mo、Siなどの金属元素を添加することが提案されている。例えば、特開2000−120870公報、特開平5−179451公報、特開平11−315924公報、特開平11−172413公報、特開昭58−181775公報などに、添加金属を含む非晶質炭素被膜の形成方法が記載されている。
しかしながら、これらの公報に記載の方法によって得られた添加金属を含む非晶質炭素被膜は、主に耐摩耗性の向上を意図したものであった。そのため、非晶質炭素被膜自体の摩擦係数は添加金属を含まない被膜とほとんど変わりがなく、特に内燃機関の摺動部品としての用途においては、満足すべき摩擦抵抗の低減を得ることは困難であった。また、特開昭58−181775公報記載の方法による非晶質炭素被膜は、膜中に水素を含まないため膜質が脆く、密着性が低下すると共に、摩擦係数及び耐摩耗性も劣ったものであった。
特開2000−327484公報 特開2000−120870公報 特開平5−179451公報 特開平11−315924公報 特開平11−172413公報 特開昭58−181775公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性、密着性及び耐焼き付き性に優れると同時に、摩擦係数を低減させた非晶質炭素被膜の製造方法、並びにこの非晶質炭素被膜を表面に設けることによって、十分な摩擦抵抗の低減を図ることができ、特に内燃機関用摺動部品として燃費向上に有効な、非晶質炭素被覆摺動部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明が提供する非晶質炭素被覆摺動部品は、Cr、Mo、及びWからなる群から選択される少なくとも1種類の添加金属と炭素と水素とからなる非晶質炭素被膜を、固体カーボンのターゲットと炭化水素ガスとを併用することによって少なくとも表面の一部に形成した内燃機関の摺動部品であって、該非晶質炭素被膜を構成する添加金属と炭素と水素の合計に対する水素の含有率が5〜25原子%であり、且つ前記非晶質炭素被膜中の添加金属と炭素の合計に対する添加金属の割合が0.01〜30原子%であり、該非晶質炭素被膜は水素を含まない非晶質炭素被膜とは接していないことを特徴とする。前記非晶質炭素被膜は、基材に直接形成されていることが好ましい。
また、本発明が提供する非晶質炭素被膜の製造方法は、真空槽内のカソードに固体カーボンのターゲットと添加金属からなる金属ターゲットとを配置し、これらのターゲットをスパッタリングしながら、同時に炭化水素ガスと不活性ガスを真空槽内に導入することにより、アノードに配置した基材上に添加金属と炭素と水素とからなる非晶質炭素被膜を形成することを特徴とする。この非晶質炭素被膜の製造方法では、前記スパッタリングにおいて、スパッタ源電力又は基板バイアス電圧として供給する電力がパルス化した直流電力であることが好ましい。
上記本発明の非晶質炭素被膜の製造方法においては、前記非晶質炭素被膜を構成する添加金属と炭素と水素の合計に対する水素の含有率を5〜25原子%とし、及び/又は前記非晶質炭素被膜中の添加金属と炭素の合計に対する添加金属の割合を0.01〜30原子%とすることが好ましい。
また、上記本発明の非晶質炭素被膜の製造方法においては、前記添加金属がIVa、Va、VIa族及びSiから選ばれた少なくとも1種からなることが好ましい。更に、前記基材が内燃機関用摺動部品であることが好ましい。
本発明は、また、上記した本発明方法により形成された非晶質炭素被膜を少なくとも表面の一部に有することを特徴とする非晶質炭素被覆摺動部品を提供するものである。
また、本発明は、少なくとも表面の一部に添加金属と炭素と水素とからなる非晶質炭素被膜を形成した摺動部品であって、該非晶質炭素被膜を構成する添加金属と炭素と水素の合計に対する水素の含有率が5〜25原子%であり、及び/又は前記非晶質炭素被膜中の添加金属と炭素の合計に対する添加金属の割合が0.01〜30原子%であることを特徴とする非晶質炭素被覆摺動部品を提供するものである。
上記本発明の非晶質炭素被覆摺動部品において、前記添加金属は、IVa、Va、VIa族及びSiから選ばれた少なくとも1種からなることが好ましい。また、本発明の非晶質炭素被覆摺動部品は、内燃機関用摺動部品であることが特に好ましい。
本発明によれば、添加金属と炭素と水素とからなる非晶質炭素被膜で、耐摩耗性、密着性及び耐焼き付き性に優れると同時に、摩擦係数を低減させた非晶質炭素被膜を形成することができる。従って、この非晶質炭素被膜を表面に形成した本発明に係わる非晶質炭素被覆摺動部品は、十分な摩擦抵抗の低減を図ることができ、特に自動車の動弁系などの内燃機関用摺動部品においては、摩擦の低減による燃費の向上に有効である。
実施例で用いたスパッタ蒸着装置を示す概略図である。
非晶質炭素被膜は、IVa、Va、VIa族及びSiなどの金属元素を添加することにより、炭素と水素のみからなる非晶質炭素被膜に比べて、耐摩耗性や密着性が向上することが知られている。しかし、その摩擦係数をより一層低下させるためには添加金属量を少なくする必要があるが、従来の方法では金属添加した非晶質炭素被膜が軟質になってしまうため、摩擦係数を低下させることは困難であった。
即ち、上述した特開2000−120870公報、特開平5−179451公報、特開平11−315924公報、特開平11−172413公報、特開昭58−181775公報などに記載の従来方法は、炭化水素ガスを導入した雰囲気中で金属ターゲットをスパッタリングすることにより、金属添加した非晶質炭素被膜を形成している。これらの方法において被膜中の添加金属量を減少させるには、炭化水素ガスの分圧を増加させるか、又は金属ターゲットへの印加電力を低下させることが必要であった。
しかしながら、炭化水素ガスの分圧を増加させると、非晶質炭素被膜中の水素含有率が増加する。また、金属ターゲットの印加電力を低下させた場合には、装置内に発生するプラズマ密度が減少し、炭化水素の分解が抑制されるため、やはり膜中の水素含有率が増加する。その結果、いずれの場合も非晶質炭素被膜が軟質化し、摩擦係数の大幅な低減を得ることはできなかった。
一方、本発明においては、スパッタ蒸着法を用いて金属添加した非晶質炭素被膜を成膜するが、添加金属からなる金属ターゲットと共に、固体カーボンのターゲットを併用する。また、その雰囲気ガスについても、メタン(CH)やエチレン(C)などの炭化水素ガスと共に、Ar又は窒素などの不活性ガスを併用する。炭化水素ガスを用いず、Arなどの不活性ガスのみを用いた場合には、得られる非晶質炭素被膜の膜質が脆くなり、被膜硬度及び摺動特性ともに劣るものとなる。
また、非晶質炭素被膜に添加する添加金属としては、従来から耐摩耗性や密着性の向上のために非晶質炭素被膜に添加されている金属、例えばIVa、Va、VIa族及びSiなどを使用できる。特にシムやタペットなどの内燃機関用の摺動部品に形成する非晶質炭素被膜の場合には、添加金属としてCr、Mo、W、及びTiから選ばれた少なくとも1種が好ましい。
尚、スパッタ蒸着法は、不活性ガスのArなどをプラズマ下で正イオン化し、負に帯電させたターゲット上に衝突させてターゲット表面の原子をたたき出し、基板上に付着させて薄膜を形成する方法である。スパッタ蒸着法には、印加電力として高周波(RE)を利用する方法、直流(DC)を利用する方法、パルス直流電圧を利用する方法などがあるが、いかなる印加電力を用いても良く、中でもスパッタ源電力又は基板バイアス電圧として供給する電力がパルス化した直流電力であるパルス直流電圧を用いる方法が望ましい。また、ターゲット背面に設置する磁場も、平衡型や非平衡型など各種存在するが、いかなる磁場を用いても良く、中でも非平衡型を用いることが望ましい。
このような本発明の方法によれば、固体カーボンのターゲットを用いず金属ターゲットのみをスパッタリングする従来の方法に比べて、金属添加した非晶質炭素被膜、即ち添加金属と炭素と水素とからなる非晶質炭素被膜について、優れた耐摩耗性と密着性が得られるだけでなく、その摩擦係数を更に大幅に低減させることができる。この非晶質炭素薄膜の摩擦係数の低減は、添加金属量を少なくしても水素含有率が増加せず、被膜が硬質化するためと考えられる。
例えば、炭化水素ガス分圧を増加させて金属含有率を減少させる場合、固体カーボンのターゲットに印加する電力を適宜増加することにより、固体カーボンからスパッタリングされる炭素を増加させることができるため、被膜中の水素量の増加を抑えることができる。また、金属ターゲットの印加電力を減少させる場合にも、固体カーボンに印加する電力を適宜増加させることで発生するプラズマ密度の減少を抑えることができるため、炭化水素の分解が抑制されることはなく、被膜中の水素含有率が増加することはない。
また、本発明の非晶質炭素被膜は、基材への密着力が更に向上し、耐摩耗性にも優れているうえ、特にエンジンオイル下での摩擦抵抗が小さくなり、自動車などの内燃機関においては燃費の向上を図ることができる。このように密着力が向上するのは被膜の内部応力が緩和されるためであり、エンジンオイル下での摩擦抵抗の低下は潤滑油との相互作用が大きくなり、油膜が形成されやすくなるためである。
本発明の非晶質炭素被膜は、IVa、Va、VIa族及びSiなどの添加金属元素と、炭素及び水素からなる。添加金属元素は、炭素と反応して結晶物質を形成している場合、非晶質炭素の中に完全に固溶している場合、金属のクラスターとして存在している場合がある。例えば、X線光電子分光法において金属と炭素の結合エネルギーの位置にピークが観測されるが、X線回析法では回析ピークが観察されない場合(固溶状態と判断)や、X線光電子分光法において金属と炭素の結合エネルギーの位置にピークが観測され、X線回析法でも何らかの回析ピークが観察されない場合(結晶質化合物の状態と判断)、また、X線光電子分光法において金属同士の結合エネルギーの位置のみにピークが観測される場合(金属クラスターの状態と判断)が存在している。これら存在状態は、いずれか単一の場合も、複数の状態が混在する場合もある。
非晶質炭素被膜の水素含有率、即ち被膜を構成する添加金属と炭素と水素の合計に対する水素の含有率(=水素原子数/(水素原子数+炭素原子数+金属原子数))は、5〜50原子%の範囲が好ましく、特に5〜25原子%の範囲において摩擦係数の顕著な低減が得られる。この原因は明らかではないが、水素含有率が低下すると非晶質炭素被膜が硬質化し、摺動時の変形が抑えられて固体接触面積が減少することや、エンジンオイルとの相互作用が大きくなり油膜厚さが増加していることなどが予想される。尚、このように非晶質炭素被膜の水素含有率を低下させる場合、上述したように固体カーボンのターゲットを用いる本発明の方法は極めて有効である。
また、非晶質炭素被膜中における添加金属の割合、即ち添加金属と炭素の合計に対する添加金属の割合(=金属原子数/(金属原子数+炭素原子数))としては、0.01〜30原子%の範囲が好ましく、1〜20原子%の範囲が更に好ましい。添加金属の割合が0.01原子%未満では、耐摩耗性及び密着性について、添加金属を含有していない場合と同様の効果しか得られない。また、添加金属の割合が30原子%を超えると、金属炭化物のようなセラミック的な性質を示すようになり、非晶質炭素被膜の摩擦係数が増加する。
特に、本発明の非晶質炭素被膜では、添加金属と炭素と水素の合計に対する水素の含有率が5〜25原子%であり、且つ添加金属と炭素の合計に対する添加金属の割合が0.01〜30原子%であることが好ましく、このような非晶質炭素被膜は内燃機関用などの摺動部品用として好適である。尚、非晶質炭素被膜の膜厚については、一般的に摺動部品用として通常用いられている範囲で良いが、具体的には0.01〜5.0μm程度が好ましい。膜厚の測定は、被膜断面を二次電子顕微鏡又は透過電子顕微鏡により観察することで求めることができる。
本発明の非晶質炭素被膜を形成する基材は特に限定されないが、実用的には摺動部品が特に有効である。摺動部品の材質としては、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミ、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素などのセラミックスや、高速度鋼、ステンレス鋼、SKDなどの鉄系合金、アルミニウム合金、鉄系焼結体、タングステンカーバイト系金属の超硬合金などを用いることができる。特に、内燃機関の摺動部品、例えばシムやタペット、カムやフォロアなどの動弁系の摺動部品への適用が有効である。
また、非晶質炭素被膜は、摺動部品の表面の少なくとも一部に、具体的には相手部材と摺動する最表面層として形成することが望ましい。最表面層とは、摺動部品として用いた場合、被膜と相手部材が摺動時に接触する表面部分である。即ち、何らかの目的で非晶質炭素被膜の上に生産時にいかなる被覆層を形成したとしても、摺動時にこれらの被覆層が摩耗し、非晶質炭素被膜が表面に露出して相手材と接触する場合には、この非晶質炭素被膜が最表面層である。
図1に示すスパッタ蒸着装置を用いて、SCM415からなる基材に非晶質炭素被膜を形成する。このスパッタ蒸着装置は、非平衡マグネトロンスパッタ方式であり、真空槽1内にはカソードである3つのターゲット保持部2a、2b、2cと、アノードである1つの回転テーブル3とが位置されている。各ターゲット保持部2a、2b、2cには、それぞれパルス直流電源4a、4b、4cが接続されている。また、回転テーブル3には、負バイアスを印加するためのパルス直流電源5が接続してある。真空槽1には、炭化水素ガスと不活性ガスのガス導入口6と、ガス排気口7とが設けてある。
基板上に非晶質炭素被膜を形成するには、まず、基材9をアセトン中で10分以上超音波洗浄した後、回転テーブル3上のホルダー8にセットする。また、ターゲット保持部2a、2cに固体カーボンターゲット10a、10bをセットし、ターゲット保持部2bには添加金属からなる金属ターゲット11をセットする。続いて、真空槽1内を圧力0.01Pa以下になるまでガス排気口7から排気する。尚、図1の装置では2つの固体カーボンターゲットと1つの金属ターゲットを使用したが、これらのターゲットの数は任意に定めることができる。
真空排気した真空槽1内にガス導入口6からArガスを導入して、真空槽1内を0.2〜2Paの圧力にする。その後、パルス直流電源5より−800Vの電圧を回転テーブル3に印加してグロー放電によりプラズマを発生させ、プラズマ中の正に帯電したArイオンのイオンボンバードメントにより、基板8をエッチングして清浄化する。この処理を10分間行った後、回転テーブル3への負バイアスの印加を停止し、ガスをガス排気口7から真空排気して、真空槽1内を0.01以下の圧力にする。
その後、真空槽1内にCガスとArガスをガス導入口6から導入し、真空槽1内の圧力を0.1〜1Paにする。その際のCとArの比は、C/Ar=0.1〜0.5である。次に、基板バイアス電圧としてアノードである回転テーブル3に−50〜−800Vのパルス直流電圧を印加しながら、スパッタ源電力としてカソードであるターゲット保持部2a、2cに400〜4000Wのパルス直流電力を印加して固体カーボンターゲット10a、10bをスパッタリングし、同時にターゲット保持部2bには50〜1000Wのパルス直流電力を印加して金属ターゲット11をスパッタリングすることにより、基板9上に非晶質炭素被膜を形成する。尚、パルス周波数は25kHzであり、回転テーブル3は1〜10rpmの速度で回転させる。
上記の方法に従い、それぞれCr、Mo、W、Tiからなる金属ターゲット11を用いることにより、SCM415からなる基板8上に各添加金属を含む非晶質炭素被膜を形成した。その際、成膜条件を制御することにより、得られる非晶質炭素被膜中の添加金属含有率及び水素含有率を変えた複数の試料1−1〜11(添加金属Cr)、試料2−1〜11(添加金属Mo)、試料3−1〜11(添加金属W)、及び試料4−1〜11(添加金属Ti)を作製した。尚、これら全ての試料において、非晶質炭素被膜の膜厚は0.8μmとした。
比較例として、上記実施例と同じ装置を用いて同様の手法により、非晶質炭素膜を形成した。即ち、添加金属ごとに、固体カーボンのターゲットを用いない以外は上記と同様に成膜した試料1−12(添加金属Cr)、試料2−12(添加金属Mo)、試料3−12(添加金属W)、及び試料4−12(添加金属Ti)を作製した。また、炭化水素ガスを導入しない以外は上記と同様に成膜した試料1−13(添加金属Cr)、試料2−13(添加金属Mo)、試料3−13(添加金属W)、及び試料4−13(添加金属Ti)も作製した。
参考のために、添加金属がCrである被膜については、更に試料1−14として、炭化水素ガスを導入せず、金属ターゲットも用いない以外は上記と同様に成膜した。更に、いずれの非晶質炭素膜も形成せず、SCM415からなる基材そのものを試料1−15とした。
上記した本発明の実施例による各試料、並びに比較例の各試料について、非晶質炭素被膜中の添加金属の含有率と水素含有率を、下記表1〜4にそれぞれ示した。尚、表1は添加金属がCr、表2はMo、表3はW、及び表4はTiの場合である。
Figure 2009203556
Figure 2009203556
Figure 2009203556
Figure 2009203556
これらの各試料について、非晶質炭素被膜の基材に対する密着性をロックウエル剥離試験及び打撃試験により評価した。ロックウエル剥離試験には、ロックウエルCスケール硬度測定用のダイヤモンド圧子を用い、試験荷重150kgfで被膜表面から圧子を押し付けて、形成された圧痕まわりの剥離状況を光学顕微鏡で観察した。打撃試験は、直径1インチのタングステンカーバイト系超硬合金製球を用い、試料の被膜表面に対して仕事量10Jで200回打撃を加え、打痕及びその周辺の剥離状況を光学顕微鏡で観察した。両試験とも測定は各試料につき5回行って平均値を求め、剥離面積が最大のものを1とし、全く剥離のないものを5とし、数字の増加にともなって剥離面積が減少する5段階評価を行った。
次に、摺動試験により摩擦係数の測定並びに被膜摩耗量の測定を行った。摺動試験は、CSEM製のピンオンディスク試験機を用い、相手材としてSUJ2ボール(直径6mm)を使用した。試験条件は、大気中における乾式で、摺動半径4mm、回転数500rpm、荷重10N、総回転数20000回とした。このピンオンディスク摺動試験により、非晶質炭素被膜の摩擦係数を求めると共に、試験後の被膜の摩耗痕を表面粗さ計(東京精密製)により測定して、摩耗断面積を算出し、これを被膜摩耗量とした。
更に、上記の各試料と同じ条件で、エンジン部品のカム摺動面に非晶質炭素被膜を形成した。得られた各試料(成膜条件が表1〜4の各試料と同じものは同一の試料番号とした)についてモータリング試験を行い、摩擦係数を計測した。このときの試験条件は、カムの回転数250rpm、セット荷重40kg、エンジンオイル潤滑、オイル温度80℃、オイル流量0.5cc/min、回転時間3時間とした。
上記の密着性試験、ピンオンディスク試験、及びモータリング試験による評価結果を、添加金属ごとに下記表5〜8にまとめて示した。即ち、非晶質炭素被膜中に含まれる添加金属がCrである各試料を表5に、Moの各試料を表6に、Wの各試料を表7に、及びTiの各試料を表8にそれぞれ示した。尚、参考のために、比較例の試料1−14及び試料1−15についても、表5〜8にそれぞれ付記した。
Figure 2009203556
Figure 2009203556
Figure 2009203556
Figure 2009203556
上記の結果から分るように、本発明の実施例による各試料、即ち試料1−1〜11、試料2−1〜11、試料3−1〜11、及び試料4−1〜11においては、非晶質炭素被膜の摩擦係数が大幅に低減されていること、特にエンジンオイル下での摩擦係数が大幅に低減されていることが分る。特に水素含有率5〜25原子%で且つ金属含有率0.01〜30原子%の範囲において、摩擦係数及び耐摩耗性の両方共に優れている。しかも、基材に対する密着性にも優れ、特に水素含有率が5〜25原子%及び金属含有率0.01〜30原子%の範囲の試料では、全く剥離が認められなかった。
一方、比較例の各試料においては、固体カーボンのターゲットを用いずに成膜した試料1−12、試料2−12、試料3−12、及び試料4−12の各非晶質炭素被膜は、密着力が極めて低く且つ摩擦係数も高かった。また、炭化水素ガスを導入せずに成膜した試料1−13、試料2−13、試料3−13、及び試料4−13の各非晶質炭素被膜では、摩擦係数が高く且つ被膜摩耗量が多かった。また、炭化水素ガスを導入せず且つ金属ターゲットを用いなかったため、被膜内に添加金属及び水素を含まない試料1−14では、摩擦係数が高く、耐摩耗性も低く、密着性が低くなることが分った。更に、非晶質炭素被膜を形成していない基材(SCM415)からなる試料1−15の場合、摩耗量が極端に大きいうえ、摩擦係数も極めて高くなっている。
1 真空槽
2a、2b、2c ターゲット保持部
3 回転テーブル
4a、4b、4c、5 パルス直流電源
8 ホルダー
9 基板
10a、10b 固体カーボンターゲット
11 金属ターゲット

Claims (2)

  1. Cr、Mo、及びWからなる群から選択される少なくとも1種類の添加金属と炭素と水素とからなる非晶質炭素被膜を、固体カーボンのターゲットと炭化水素ガスとを併用することによって少なくとも表面の一部に形成した内燃機関の摺動部品であって、該非晶質炭素被膜を構成する添加金属と炭素と水素の合計に対する水素の含有率が5〜25原子%であり、且つ前記非晶質炭素被膜中の添加金属と炭素の合計に対する添加金属の割合が0.01〜30原子%であり、該非晶質炭素被膜は水素を含まない非晶質炭素被膜とは接していないことを特徴とする非晶質炭素被覆摺動部品。
  2. 前記非晶質炭素被膜が基材に直接形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の非晶質炭素被覆摺動部品。
JP2009138126A 2001-12-17 2009-06-09 非晶質炭素被膜の製造方法及び非晶質炭素被覆摺動部品 Expired - Lifetime JP5077293B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009138126A JP5077293B2 (ja) 2001-12-17 2009-06-09 非晶質炭素被膜の製造方法及び非晶質炭素被覆摺動部品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001382816 2001-12-17
JP2001382816 2001-12-17
JP2009138126A JP5077293B2 (ja) 2001-12-17 2009-06-09 非晶質炭素被膜の製造方法及び非晶質炭素被覆摺動部品

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002357487A Division JP4360082B2 (ja) 2001-12-17 2002-12-10 非晶質炭素被膜の製造方法及び非晶質炭素被覆摺動部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009203556A true JP2009203556A (ja) 2009-09-10
JP5077293B2 JP5077293B2 (ja) 2012-11-21

Family

ID=41146101

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009138126A Expired - Lifetime JP5077293B2 (ja) 2001-12-17 2009-06-09 非晶質炭素被膜の製造方法及び非晶質炭素被覆摺動部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5077293B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014105372A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 Toyota Motor Corp 摺動部材
US20140329070A1 (en) * 2011-12-12 2014-11-06 High Tech Coatings Gmbh Carbon-based coating
KR20150119411A (ko) * 2013-03-22 2015-10-23 니탄 밸브 가부시키가이샤 Dlc 피복막 및 피복 밸브 리프터
US20160245407A1 (en) * 2013-09-30 2016-08-25 Kabushiki Kaisha Riken Piston ring
JP2017021908A (ja) * 2015-07-07 2017-01-26 日産自動車株式会社 燃料電池用導電部材の製造方法
JP2020504230A (ja) * 2017-11-28 2020-02-06 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated フレキシブル基板を被覆するための堆積装置、フレキシブル基板を被覆する方法、及び被覆を有するフレキシブル基板

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06212429A (ja) * 1992-07-02 1994-08-02 Sumitomo Electric Ind Ltd 硬質炭素膜
JPH11224416A (ja) * 1996-03-06 1999-08-17 Nec Corp 磁気ヘッドとその製造方法
JPH11280680A (ja) * 1998-03-30 1999-10-15 Sanyo Electric Co Ltd 硬質炭素被膜が形成された回転圧縮機
JPH11315924A (ja) * 1998-02-24 1999-11-16 Teikoku Piston Ring Co Ltd 組合せオイルリングのスペ―サエキスパンダ及び組合せオイルリング
JP2000120869A (ja) * 1998-10-15 2000-04-28 Teikoku Piston Ring Co Ltd 摺動部材及びその製造方法
JP2000178737A (ja) * 1998-12-15 2000-06-27 Tdk Corp ダイヤモンド状炭素膜を被覆した部材
JP2000268357A (ja) * 1999-03-12 2000-09-29 Hitachi Ltd 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置
JP2003027214A (ja) * 2001-07-17 2003-01-29 Sumitomo Electric Ind Ltd 非晶質炭素被膜と非晶質炭素被膜の製造方法および非晶質炭素被膜の被覆部材

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06212429A (ja) * 1992-07-02 1994-08-02 Sumitomo Electric Ind Ltd 硬質炭素膜
JPH11224416A (ja) * 1996-03-06 1999-08-17 Nec Corp 磁気ヘッドとその製造方法
JPH11315924A (ja) * 1998-02-24 1999-11-16 Teikoku Piston Ring Co Ltd 組合せオイルリングのスペ―サエキスパンダ及び組合せオイルリング
JPH11280680A (ja) * 1998-03-30 1999-10-15 Sanyo Electric Co Ltd 硬質炭素被膜が形成された回転圧縮機
JP2000120869A (ja) * 1998-10-15 2000-04-28 Teikoku Piston Ring Co Ltd 摺動部材及びその製造方法
JP2000178737A (ja) * 1998-12-15 2000-06-27 Tdk Corp ダイヤモンド状炭素膜を被覆した部材
JP2000268357A (ja) * 1999-03-12 2000-09-29 Hitachi Ltd 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置
JP2003027214A (ja) * 2001-07-17 2003-01-29 Sumitomo Electric Ind Ltd 非晶質炭素被膜と非晶質炭素被膜の製造方法および非晶質炭素被膜の被覆部材

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140329070A1 (en) * 2011-12-12 2014-11-06 High Tech Coatings Gmbh Carbon-based coating
US9631270B2 (en) * 2011-12-12 2017-04-25 High Tech Coatings Gmbh Carbon-based coating
JP2014105372A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 Toyota Motor Corp 摺動部材
KR20150119411A (ko) * 2013-03-22 2015-10-23 니탄 밸브 가부시키가이샤 Dlc 피복막 및 피복 밸브 리프터
KR101632345B1 (ko) * 2013-03-22 2016-06-21 니탄 밸브 가부시키가이샤 Dlc 피복막 및 피복 밸브 리프터
US20160245407A1 (en) * 2013-09-30 2016-08-25 Kabushiki Kaisha Riken Piston ring
US10100929B2 (en) * 2013-09-30 2018-10-16 Kabushiki Kaisha Riken Piston ring
JP2017021908A (ja) * 2015-07-07 2017-01-26 日産自動車株式会社 燃料電池用導電部材の製造方法
JP2020504230A (ja) * 2017-11-28 2020-02-06 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated フレキシブル基板を被覆するための堆積装置、フレキシブル基板を被覆する方法、及び被覆を有するフレキシブル基板

Also Published As

Publication number Publication date
JP5077293B2 (ja) 2012-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8202615B2 (en) Nitrogen-containing amorphous carbon-type film, amorphous carbon-type lamination film, and sliding member
JP4360082B2 (ja) 非晶質炭素被膜の製造方法及び非晶質炭素被覆摺動部品
JP5077293B2 (ja) 非晶質炭素被膜の製造方法及び非晶質炭素被覆摺動部品
JP4331292B2 (ja) 低摩耗性と優れた密着性を有する複合ダイヤモンドライクカーボン皮膜
JP4793531B2 (ja) 非晶質炭素被膜と非晶質炭素被膜の製造方法および非晶質炭素被膜の被覆部材
JPH0578821A (ja) ピストンリング及びその製造法
JP4683177B2 (ja) 非晶質炭素被膜と非晶質炭素被膜の製造方法および非晶質炭素被膜の被覆部材
WO2018235750A1 (ja) 摺動部材及び被覆膜
JP2016502591A (ja) コーティングを有するコンポーネントおよびその製造方法
JP2004169137A (ja) 摺動部材
US20050214540A1 (en) Low friction, high durability ringless piston and piston sleeve
JP4449187B2 (ja) 薄膜形成方法
JP2004043867A (ja) 炭素膜被覆物品及びその製造方法
JP2006250348A (ja) 摺動部材
WO2017130587A1 (ja) 摺動部材及びその製造方法
JP4720052B2 (ja) 非晶質炭素被膜の形成装置及び形成方法
JPH0931628A (ja) 摺動部材およびその製造方法
JP2004269991A (ja) 異なる環境において耐摩耗性に優れたダイアモンドライクカーボン多層膜
JPH10237627A (ja) 硬質炭素膜被覆部材
JP2013087325A (ja) 硬質炭素膜及びその形成方法
JPH10226874A (ja) 硬質炭素膜及びその被覆部材
JP2002348668A (ja) 非晶質硬質炭素膜及びその製造方法
JP2001107220A (ja) 硬質炭素膜を被覆した機械部品及びその製造方法
JP4374154B2 (ja) ピストンリング
JP4380377B2 (ja) カーボン系膜形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090609

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090623

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120813

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5077293

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term