JP2009203464A - 熱可塑性エラストマー組成物および複合成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形体の寸法安定性に優れる熱可塑性エラストマー組成物および該熱可塑性エラストマー組成物とポリオレフィン系樹脂とが熱融着した複合成形体を提供すること。
【解決手段】下記成分(A)〜(D)の総量を100重量部として、成分(A)を5〜25重量部と、成分(B)を10〜70重量部と、成分(C)を3〜25重量部と、成分(D)を10〜70重量部とが、架橋剤の存在下で動的熱処理されてなり、下記成分(E)が1〜20重量部混合されてなる熱可塑性エラストマー組成物。
(A)ポリプロピレン系樹脂
(B)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(C)ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重体の水素添加物
(D)鉱物油系軟化剤
(E)アスペクト比が2以上の無機フィラー
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー組成物および該熱可塑性エラストマー組成物とポリオレフィン系樹脂とが熱融着した複合成形体に関するものである。
熱可塑性エラストマー組成物は、柔軟性および弾性回復性に優れ、また、通常の熱可塑性樹脂の成形機で成形が可能であり、かつ、成形工程に加硫工程を必要としないという特徴を有するため、自動車部品、電気部品、雑貨等の種々の用途、特に、パッキン、シール材、ガスケット等に好適に用いられている。そして、これらの用途に使用される成形体としては、熱可塑性エラストマー組成物単独からなる成形体のほか、熱可塑性エラストマー組成物からなる軟質部材とポリオレフィン系樹脂等からなる硬質部材とを有する複合成形体が用いられている。
例えば、特許文献1には、ポリプロピレン系樹脂とエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体ゴムとスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体と鉱物油系軟化剤とを、有機過酸化物の存在下で動的熱処理してなる熱可塑性エラストマー組成物、および、該熱可塑性エラストマー組成物からなるシール材が提案されている。また、特許文献2には、ポリプロピレン系樹脂とエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体ゴムとスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物と鉱物油系軟化剤とを、有機過酸化物の存在下で部分的に動的熱処理してなる熱可塑性エラストマー組成物、および、該熱可塑性エラストマー組成物とポリプロピレン系樹脂とが熱融着した複合成形体が提案されている。
特開2001−279052号公報 特開平9−316286号公報
しかしながら、従来の熱可塑性エラストマー組成物は、成形後あるいは成形体を高温で使用した際に成形体が収縮することがあり、成形体の収縮率が大きいときには、シール材として使用した場合に、シール機能が低下することや、他の部品に嵌め込むガスケットとして使用した場合には、過度の応力がガスケットにかかった状態となるので、ガスケットの耐久性が低下することがあり、また、ポリオレフィン系樹脂との複合成形体とした場合には、複合成形体に反り等の変形が生じることがあり、従来の熱可塑性エラストマー組成物は、成形体の寸法安定性において必ずしも満足のゆくものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、成形体の寸法安定性に優れる熱可塑性エラストマー組成物および該熱可塑性エラストマー組成物とポリオレフィン系樹脂とが熱融着した複合成形体を提供することにある。
すなわち、本発明の第一は、下記成分(A)〜(D)の総量を100重量部として、成分(A)を5〜25重量部と、成分(B)を10〜70重量部と、成分(C)を3〜25重量部と、成分(D)を10〜70重量部とが、架橋剤の存在下で動的熱処理されてなり、下記成分(E)が1〜20重量部混合されてなる熱可塑性エラストマー組成物にかかるものである。
(A)ポリプロピレン系樹脂
(B)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(C)ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重体の水素添加物
(D)鉱物油系軟化剤
(E)アスペクト比が2以上の無機フィラー
本発明の第二は、上記熱可塑性エラストマー組成物とポリオレフィン系樹脂とが熱融着した複合成形体にかかるものである。
本発明により、成形体の寸法安定性に優れる熱可塑性エラストマー組成物および該熱可塑性エラストマー組成物とポリオレフィン系樹脂とが熱融着した複合成形体を提供することができる。
本発明に用いられる成分(A)は、ポリプロピレン系樹脂である。ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、又は、プロピレンと炭素数が2個以上のα−オレフィンとの共重合体が好ましく、プロピレンと炭素数が2〜10のα−オレフィン(ただし、プロピレンを除く)との共重合体がより好ましく、共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。炭素数が2個以上のα−オレフィンとしては、たとえば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどがあげられ、好ましくは、エチレンである。
ポリプロピレン系樹脂としては、炭素数が2個以上のα−オレフィンに基づく単量体単位の含有量が、ポリプロピレン系樹脂100重量%に対し、50重量%未満であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、通常、0.1〜300g/10分であり、加工性を高める観点から、好ましくは0.1〜150g/10分である。ここでMFRは、JIS K7210にしたがって、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
本発明に用いられる成分(B)は、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムである。エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムとしては、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムをあげることができる。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムにおけるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、好ましくは、炭素数3〜10のα−オレフィンであり、より好ましくは、プロピレン、1−ブテン、1−オクテンである。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムにおいて、α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量は、通常、10〜50重量%であり、好ましくは10重量%以上50重量%未満であり、柔軟性および機械的強度を高める観点から、より好ましくは20〜40重量%である。ただし、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムを100重量%とする。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムにおいて、エチレンに基づく単量体単位の含有量は、好ましくは50重量%以上である。ただし、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムを100重量%とする。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムにおける非共役ジエンとしては、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;シクロへキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリテン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエン等のトリエンがあげられ、好ましくは、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンである。
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを用いる場合、非共役ジエンに基づく単量体単位の含有量は、ヨウ素価として、通常5〜40である。
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムの100℃のムーニー粘度(ML1+4100℃)は、機械的強度ならびに成形体の機械的強度を高める観点から、好ましくは10〜350であり、より好ましくは30〜200である。ここで、100℃のムーニー粘度は、JIS K6300に従って測定される。
成分(B)としては、後述の成分(D)を含有する油展ゴムを用いてもよい。また、成分(B)としては、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムとエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムの混合物であってもよく、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを含むことが好ましい。
本発明に用いられる成分(C)は、ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体を水素添加処理した化合物である。ビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレンなどがあげられ、好ましくは、スチレンである。
ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体の共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエンなどがあげられ、好ましくは、ブタジエン、イソプレンである。
ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体は、構造が異なる2つのブロックからなるもの、または3つ以上のブロックから構成されるものがある。2つのブロックから構成されるものとしては、たとえば、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−イソプレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、3つ以上のブロックから構成されるものとしては、たとえば、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−イソプレン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン・イソプレン共重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−スチレン・ブタジエン共重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体等があげられ、かかる共重合体においてスチレン・ブタジエン共重合体ブロックはスチレンとブタジエンとがランダムに共重合した構造のブロックであってもよいし、スチレン単位の含有量が徐々に減少又は増加するテーパー状の構造のブロックであってもよい。
ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物の水素添加率、すなわち、水素添加前のブロック共重合体における共役ジエン化合物に基づく単量体単位の二重結合の量を100%として、当該二重結合のうち、ブロック共重合体の水素添加によって、水素添加された二重結合の量は、耐熱性、耐候性を高める観点から、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上である。
ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物のビニル芳香族化合物に基づく単量体単位の含有量は、通常、5〜40重量%であり、柔軟性、耐傷付性を高める観点から、好ましくは10〜35重量%である。ただし、ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物を100重量%とする。ここでビニル芳香族化合物に基づく単量体単位の含有量は、プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)法によって測定される。
ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物の重量平均分子量は、通常、10万以上であり、熱可塑性エラストマー組成物のベトツキを低減する観点から、好ましくは15万以上である。ここで重量平均分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量であり、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により測定される。
本発明に用いられる成分(D)は、鉱物油系軟化剤である。鉱物油系軟化剤としては、アロマ系鉱物油(aromatic mineral oil)、ナフテン系鉱物油(naphthenic mineral oil)、パラフィン系鉱物油(paraffinic mineral oil)などがあげられ、好ましくは、パラフィン系鉱物油である。
本発明に用いられる成分(E)は、無機フィラーである。無機フィラーとしては、タルク、マイカ、カオリン、以下針状の、ガラス繊維、炭素繊維、ワラストナイト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、ホウ酸アルミニウム等があげられる。これらの無機フィラーは、界面活性剤、カップリング剤、金属石鹸等で表面処理を施したものを使用することができる。表面処理した無機フィラーは成形品の成形外観や機械的強度バランス、寸法安定性等をより一層向上させるのに有効である。
無機フィラーのアスペクト比は、2以上であり、好ましくは3以上であり、より好ましくは5以上、更に好ましくは10以上である。アスペクト比が小さすぎると、熱可塑性エラストマー組成物の成形後あるいは高温使用時の成形体の寸法安定性が低下することがある。ここで、無機フィラーのアスペクト比は、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡等により無機フィラーを観察し、その長辺と短辺の比率から求められる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)〜(D)の総量を100重量部として、成分(A)を5〜25重量部と、成分(B)を10〜70重量部と、成分(C)を3〜25重量部と、成分(D)を10〜70重量部とが、架橋剤の存在下で動的熱処理されてなり、成分(E)が1〜20重量部混合されてなるものである。なお、本発明における「動的熱処理」とは、溶融混練を行うことを指す。
成分(A)成分の混合量が過少であると、流動性、耐熱性が低下すること、また複合成形体にしたとき熱融着の強度が低下することがあり、成分(A)の混合量が過多であると、柔軟性、圧縮永久歪などゴム的特性が低下することがある。成分(B)の混合量が過少であると、圧縮永久歪などのゴム的特性が低下することがあり、成分(B)の混合量が過多であると、流動性が低下することがある。成分(C)の混合量が過少であると、耐ベタツキ性、耐傷付き性が低下することがあり、成分(C)の混合量が過多であると、流動性、耐熱性が低下することがある。成分(D)の混合量が過少であると、柔軟性、流動性が低下することがあり、成分(D)の混合量が過多であると、機械的強度、耐ベタツキ性が低下することがある。成分(E)の混合量が過少であると、熱可塑性エラストマー組成物の成形後および高温使用時の成形体の寸法安定性が低下することがあり、成分(E)の混合量が過多であると、柔軟性、流動性が低下すること、複合成形体にしたときの熱融着の強度が低下することがある。
動的熱処理の際に用いる架橋剤は、成分(B)のエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムを架橋することができるものであればよく、有機過酸化物、フェノール樹脂架橋剤、硫黄系架橋剤などを用いることができ、好ましくは、有機過酸化物である。
有機過酸化物としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン、ジクミルパーオキシドなどをあげることができる。臭気を低減する観点、動的熱処理の操作性を高める観点から、好ましくは、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3である。
動的熱処理に用いる架橋剤の量は、耐圧縮永久歪性および経済性を高める観点から、成分(A)〜(D)の合計量100重量部あたり、好ましくは0.005〜2重量部であり、より好ましくは0.01〜0.6重量部である。
動的熱処理には、必要に応じて架橋助剤を併用してもよい。該架橋助剤としては、たとえばN,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド、p−キノンジオキシム、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等があげられる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、必須の成分である(A)〜(E)に加えて、酸化防止剤(フェノール系、イオウ系、燐系、ラクトン系、ビタミン系等)、耐候安定剤、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、アニリド系、ベンゾフェノン系等)、熱安定剤、光安定剤(ヒンダードアミン系、ベンゾエート系等)、滑剤(脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、シリコーンオイル、ワックス等)、帯電防止剤(脂肪酸エステル、アルキルアミン誘導体、脂肪族スルホン酸塩等)、顔料等が混合されていてもよい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物が、重合体の劣化を促進させる金属(銅、鉄など)と接触する用途に用いられる場合には、必須の成分である成分(A)〜成分(E)に加えて、銅害防止剤(成分(F))が、本発明の熱可塑性エラストマー組成物に混合されていることが好ましい。
成分(F)の銅害防止剤としては、ヒドラジド系化合物、サリチル酸誘導体、シュウ酸誘導体等があげられる。ヒドラジド系化合物としては、2’,3−ビス[[3−[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド、イソフタル酸ビス(2−フェノキシプロピオニルヒドラジド)、オキサリル−ビス−ベンジリデン−ヒドラジド等があげられる。サリチル酸誘導体としては、N−ホルミル−N’−サリチロイルヒドラジン、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール等があげられる。また、シュウ酸誘導体としては、2,2−オキサミドビス−[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロオキシフェニル)プロピオネート]があげられる。
成分(F)の混合量は、銅害防止性を高めるという観点から、成分(A)〜(D)の合計量100重量部あたり、好ましくは0.01〜3重量部であり、より好ましくは0.05〜2.5重量部であり、更に好ましくは0.1〜2重量部である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物のデュロメーターA硬度は、機械的強度、柔軟性およびゴム的特性を高める観点から、好ましくは10〜90であり、より好ましくは10〜55であり、更に好ましくは20〜55である。ここでデュロメーターA硬度は、JIS K7215に従い測定される。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を製造する方法としては、成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)が架橋剤の存在下で動的熱処理されてなり、かつ、成分(E)が混合される方法であればよい。
成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)を架橋剤の存在下で動的熱処理する方法、および、各成分を混合する方法としては、二軸押出機、バンバリーミキサーなどによる溶融混練をあげることができる。バンバリーミキサーを用いる場合は、通常、150℃〜300℃で、1〜30分、混練を行なう。二軸押出機を用いる場合は、通常、180℃〜300℃で、数十秒から数分、混練を行なう。
成分(D)の混合においては、その全量を一度に混合してもよいが、次の(i)、(ii)、(iii)等の中から選ばれる複数の方法により、多段階で混合することが好ましい。
(i)架橋剤の存在下での動的熱処理前に、成分(D)を成分(B)に混合する。
(ii)架橋剤の存在下での動的熱処理前に、成分(D)を成分(C)に混合する。
(iii)架橋剤の存在下での動的熱処理の際に、成分(D)を混合する。
成分(E)は、成分(A)、(B)、(C)および(D)が架橋剤の存在下で動的熱処理される前、動的熱処理される際、あるいは動的熱処理された後のいずれに混合されてもよいが、熱可塑性エラストマー組成物の成形後および高温使用時の成形体の寸法安定性をより高める観点から、成分(A)、(B)、(C)および(D)が架橋剤の存在下で動的熱処理された後に混合されることが好ましい。
成分(F)が用いられる場合、成分(A)、(B)、(C)および(D)が架橋剤の存在下で動的熱処理された後に、成分(F)が混合されることが好ましく、成分(A)、(B)、(C)および(D)が架橋剤の存在下で動的熱処理された後、成分(E)と同時に、あるいは、成分(E)が混合された後に、成分(F)が混合されることがより好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成形後の成形体の収縮率、成形体を高温で使用時の成形体の収縮率が低く、成形体の寸法安定性に優れる。そのため、ポリオレフィン系樹脂と熱融着させる複合成形体用に好適に用いられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等があげられる。
ポリエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等をあげることができる。エチレン単独重合体としては、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等があげられる。エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体等があげられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等があげられる。
ポリオレフィン系樹脂は、1種類で使用してもよく、2種類以上の混合物として使用してもよい。また、ガラス繊維、タルク等の無機フィラーで強化し、剛性を高めたものであってもよい。ポリオレフィン系樹脂としては、好ましくは、ポリプロピレン系樹脂であり、より好ましくは、無機フィラーで強化されたポリプロピレン系樹脂である。
複合成形体の成形法としては、公知の方法、例えば、Tダイラミネート成形法、共押出成形法、多層ブロー成形法、射出成形法(インサート射出成形法、二色射出成形法(金型回転式、コアバック式)、サンドイッチ射出成形法、インジェクション・プレス成形法等)等の各種成形法をあげることができる。射出成形の場合、ポリオレフィン系樹脂、本発明の熱可塑性エラストマー組成物、何れから先に成形してもよい。成形法としては、好ましくは射出成形法であり、より好ましくは二色射出成形法である。複合成形体の好ましい具体例として、芯材層がポリオレフィン系樹脂で、表皮層が本発明の熱可塑性エラストマー組成物からなる二色射出成形された成形体をあげることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を用いた成形体は、各種工業部品として使用することができる。自動車部品用途では、フードサイドなどのボンネット内部品;サイドモール、プロテクター等の自動車外装部品;エアコン・ダンパーシール、ボディシール、ウェザストリップのようなシール部品;センターコンソールボックス、グローボックス、アームレスト、アシストグリップ等の自動車内装部品などに用いることができる。例えば、無機フィラーで強化した高い剛性のポリプロピレン樹脂と本発明の熱可塑性エラストマー組成物が二色成形された複合成形体は、自動車用シール部品として好適に用いられる。
また、家電用途では、ハウジング、各種カバー部品などに、建材用途では、建築ガスケット、目地材などに使用することができる。
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
物性評価方法および用いた原料は次のとおりである。
[I.物性評価方法]
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
実施例および比較例で得られた組成物は、温度230℃、荷重49Nの条件で、ポリプロピレン系樹脂は、温度230℃、荷重21.18Nの条件で、JIS K7210に従って測定した。
(2)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)
JIS K6300に従って、試験温度100℃で測定した。
(3)エチレン単位の含有量
赤外分光法により測定を行った。
(4)ヨウ素価
油展エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム中のオイルを溶媒で抽出し、得られたエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴムを熱プレス機により圧縮成形して、厚み0.5mmのフィルムを成形した。該フィルムを測定試料として、赤外分光計により、5−エチリデン−2−ノルボルネン由来のピーク(波数1688cm-1)からゴム中の二重結合のモル量を算出し、ヨウ素価に換算した。
(5)スチレン単位の含有量
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物のスチレン単位の含有量は、プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)法により測定を行った。
(6)重量平均分子量
ゲル・パ−ミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(8)により測定し求めた。
(1)装置:Water製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
(7)アスペクト比
無機フィラーを金蒸着した後、走査型電子顕微鏡により撮影し、得られた画像から無機フィラー1粒子毎のアスペクト比を計測し、30粒子の数平均値を求めた。
(8)比重
熱可塑性エラストマー組成物の平板から試験片を切り出し、JIS K7112に従って測定した。
(9)硬度
JIS K7215に従い、熱可塑性エラストマー組成物の平板から試験片を打ち抜き、デュロメーターA硬度を測定した。
(10)引張物性
JIS K6251に従い、熱可塑性エラストマー組成物の平板をJIS 3号ダンベルで打ち抜いた試験片を用い、引張速度200mm/分の条件で引張試験を実施し、100%伸張応力、引張破断応力および引張破断伸びを求めた。
(11)圧縮永久歪
JIS K6262に従い、70℃、22時間の条件で測定した。
(12)成形収縮率
熱可塑性エラストマー組成物の平板を成形後、温度23℃、湿度50%の恒温恒湿室で、24時間保管し、保管後の平板の寸法を測定して、金型寸法に対する成形収縮率を求めた。
(13)加熱収縮率
熱可塑性エラストマー組成物の平板を80℃のオーブンで24時間保管し、次に、温度23℃、湿度50%の恒温恒湿室で2時間状態調整した。状態調整後の平板の寸法を測定して、80℃のオーブンで保管する前の平板の寸法に対する収縮率を求めた。
(14)耐銅害性
熱可塑性エラストマー組成物の平板から、打抜刃により打ち抜いて調製されたJIS K6251 1号形状の試験片を用いて、次に記載の初期引張破断伸びと銅粉処理後の引張破断伸びとを測定し、初期引張破断伸びに対する銅粉処理後の引張破断伸びの割合(伸び保持率)を求めた。
(初期引張破断伸び)
試験片を用いて、23℃、湿度50%RHの状態で、試験速度200mm/分の条件で引張試験を実施し、引張破断伸びを求め、該引張破断伸びを初期引張伸びとした。
(銅粉処理後の引張破断伸び)
試験片の片面の標線間長さ40mmの中央の長さ20mmおよび標線間の試験片幅10mmの中央の幅5mmの領域に、粒子経約60μmの銅粉0.03gを略均一の厚さで添着した試験片を120℃のオーブン中で100時間熱処理し、熱処理後、試験片表面から銅粉を取り除いた。銅粉を取り除いた試験片を用いて、試験速度200mm/分の条件で引張試験を実施し、引張破断伸びを求め、該引張破断伸びを銅粉処理後の引張破断伸びとした。
(14)接着性
複合成形体から、ポリオレフィン系樹脂材の長さが75mm、熱可塑性エラストマー組成物材の長さが75mmとなるように、長さ150mm、幅25mm、厚み3mmの短冊状試験片を切り出した。短冊状試験片を、低温(−30℃、168時間)、常温、高温(80℃、168時間)の各々の条件で状態調整を行なった後、引張速度500mm/分で引張試験を行い、ポリオレフィン系樹脂材と熱可塑性エラストマー組成物材との剥離強度を測定した。
[II.原料]
(1)ポリプロピレン系樹脂
A−1:ポリプロピレン
(住友化学(株)製 商品名ノーブレンD101、MFR=0.5g/10分)
(2)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
B−1:油展エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム
(ムーニー粘度(ML1+4100℃)=46、エチレン含量=65%、ヨウ素価=20、
ゴム/伸展油=100重量部/100重量部)
(3)ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物
C−1:スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物
(クレイトンポリマージャパン(株)製 商品名クレイトンG1651、
スチレン含量33重量%、重量平均分子量32万)
(4)鉱物油系軟化剤
D−1:パラフィン系鉱物油(出光興産(株)製 商品名 ダイアナプロセスオイルPW-90)
(5)無機フィラー
E−1:塩基性硫酸マグネシウム繊維
(宇部マテリアルズ(株)製 商品名モスハイジ、アスペクト比=30)
E−2MB:タルク(アスペクト比=3)80重量%含有マスターバッチ
E−3MB:炭酸カルシウム(アスペクト比=1)80重量%含有マスターバッチ
(6)架橋剤
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(化薬アクゾ(株)製 商品名カヤブチルYD)
(7)架橋助剤
N,N'−m−フェニレンビスマレイミド(住友化学(株)製 商品名スミファインBM)
(8)添加剤
酸化防止剤:テトラキス[メチレン−3(3’、5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン(住友化学(株)製 商品名スミライザーBP101)
光安定剤 :2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(住友化学(株)製 商品名スミソーブ300)
滑剤 :オレイン酸アミド(ライオン・アクゾ(株)製 商品名アーモスリップCPH)
銅害防止剤 :2’、3−ビス[[3−[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製 商品名イルガノックスMD1024)
実施例1
[熱可塑性エラストマー組成物の調製]
工程(1)として、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムB−1を52重量部、バンバリーミキサーに投入して、約1分間混練し、次いで、ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物C−1を5重量部と、鉱物油系軟化剤D−1を18重量部とを、バンバリーミキサーに追加投入して、約2分間混練した。
工程(2)として、工程(1)後のバンバリーミキサーに、ポリプロピレン系樹脂A−1を10重量部と、鉱物油系軟化剤D−1を15重量部と、架橋剤0.2重量部と、架橋助剤0.4重量部と、無機フィラーE−1を5重量部とを、バンバリーミキサーに追加投入して、樹脂温度が180℃に達してから約7分間混練した。
工程(3)として、工程(2)後のバンバリーミキサーに、酸化防止剤0.2重量物と、光安定剤0.2重量部と、滑剤0.5重量部とを追加投入し、約3分間混練し、混練物をバンバリーミキサーの下部に設置された押出機によりペレット状に成形し、熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物の物性の評価結果を表1に示す。
[平板の調製]
射出成形機(東芝機械(株)製IS100-EN 型締力100ton)を用い、シリンダー温度220℃、金型温度50℃の条件で、得られた熱可塑性エラストマー組成物を射出成形して、厚さ2mm×縦150mm×横90mmの平板を作成した。得られた平板を用いた物性の評価結果を表1に示す。
[複合成形体の調製]
ポリオレフィン系樹脂と得られた熱可塑性エラストマー組成物とを二色射出成形することにより、ポリオレフィン系樹脂と熱可塑性エラストマー組成物とが側面で熱融着した厚み3mmの平板を調製した。ポリオレフィン系樹脂としては、マイカあるいはタルクを含有するポリプロピレン系樹脂を用いた。得られた複合成形体の接着性の評価結果を表2に示す。
実施例2
工程(3)において、更に銅害防止剤を0.2重量部投入する以外は、実施例1と同様に熱可塑性エラストマー組成物の調製を行った。得られた熱可塑性エラストマー組成物の物性の評価結果を表1に示す。
実施例3
工程(2)において、無機フィラーE−1の投入量を10重量部とする以外は、実施例1と同様に熱可塑性エラストマー組成物および平板の調製を行った。得られた熱可塑性エラストマー組成物および平板の物性の評価結果を表1に示す。
比較例1
工程(2)において、無機フィラーE−1を投入しなかった以外は、実施例1と同様に熱可塑性エラストマー組成物および平板の調製を行った。得られた熱可塑性エラストマー組成物および平板の物性の評価結果を表1に示す。
実施例4
工程(1)として、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムB−1を51重量部、バンバリーミキサーに投入して、約1分間混練し、次いで、ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物C−1を5重量部と、鉱物油系軟化剤D−1を18重量部とを、バンバリーミキサーに追加投入して、約2分間混練した。
工程(2)として、工程(1)後のバンバリーミキサーに、ポリプロピレン系樹脂A−1を11重量部と、鉱物油系軟化剤D−1を15重量部と、架橋剤0.2重量部と、架橋助剤0.4重量部とを、バンバリーミキサーに追加投入して、樹脂温度が180℃に達してから約7分間混練した。
工程(3)として、工程(2)後のバンバリーミキサーに、酸化防止剤0.2重量物と、光安定剤0.2重量部と、滑剤0.5重量部と、無機フィラーE−2MBを2.5重量部(無機フィラーとして、2重量部。)とを追加投入し、約3分間混練し、混練物をバンバリーミキサーの下部に設置された押出機によりペレット状に成形し、熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物の物性の評価結果を表3に示す。
[平板の調製]
実施例1と同様にして、得られた熱可塑性エラストマー組成物を平板に作成した。得られた平板を用いた物性の評価結果を表3に示す。
[複合成形体の調製]
実施例1と同様にして、ポリオレフィン系樹脂と熱可塑性エラストマー組成物とが側面で融着した厚み3mmの平板を調製した。得られた複合成形体の接着性の評価結果を表2に示す。
実施例5
工程(3)において、無機フィラーE−2MBの投入量を11.25重量部(無機フィラーとして、9重量部。)とし、更に無機フィラーE−3MBを6.25重量部(無機フィラーとして、5重量部。)投入する以外は、実施例4と同様に熱可塑性エラストマー組成物の調製を行った。得られた熱可塑性エラストマー組成物の物性の評価結果を表3に示す。
実施例6
工程(3)において、更に銅害防止剤を0.2重量部投入する以外は、実施例5と同様に熱可塑性エラストマー組成物の調製を行った。得られた熱可塑性エラストマー組成物の物性の評価結果を表3に示す。
比較例2
工程(2)において、無機フィラーE−1を投入せず、工程(3)において、更に無機フィラーE−3MBを6.25重量部(無機フィラーとして、5重量部。)投入した以外は、実施例1と同様に熱可塑性エラストマー組成物および平板の調製を行った。得られた熱可塑性エラストマー組成物および平板の物性の評価結果を表3に示す。
比較例3
工程(2)において、無機フィラーE−1を投入せず、工程(3)において、更に無機フィラーE−3MBを12.5重量部(無機フィラーとして、10重量部。)投入した以外は、実施例1と同様に熱可塑性エラストマー組成物および平板の調製を行った。得られた熱可塑性エラストマー組成物および平板の物性の評価結果を表3に示す。
Figure 2009203464
Figure 2009203464
Figure 2009203464

Claims (5)

  1. 下記成分(A)〜(D)の総量を100重量部として、成分(A)を5〜25重量部と、成分(B)を10〜70重量部と、成分(C)を3〜25重量部と、成分(D)を10〜70重量部とが、架橋剤の存在下で動的熱処理されてなり、下記成分(E)が1〜20重量部混合されてなる熱可塑性エラストマー組成物。
    (A)ポリプロピレン系樹脂
    (B)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
    (C)ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重体の水素添加物
    (D)鉱物油系軟化剤
    (E)アスペクト比が2以上の無機フィラー
  2. 成分(A)〜(D)の総量を100重量部として、下記成分(F)が0.01〜3重量部混合されてなる請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
    (F)銅害防止剤
  3. 成分(A)、(B)、(C)および(D)が架橋剤の存在下で動的熱処理された後に成分(E)が混合されてなる請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. デュロメーターA硬度が10〜55である請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物とポリオレフィン系樹脂とが熱融着した複合成形体。
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