JP3254800B2 - オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物

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JP3254800B2 JP07718393A JP7718393A JP3254800B2 JP 3254800 B2 JP3254800 B2 JP 3254800B2 JP 07718393 A JP07718393 A JP 07718393A JP 7718393 A JP7718393 A JP 7718393A JP 3254800 B2 JP3254800 B2 JP 3254800B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物に関する。更に詳しくは、耐熱性、
機械的性質に優れ、加硫ゴム代替が可能なオレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマー(以下、「TP
E」と言う。)は加硫工程が不要であり、通常の熱可塑
性樹脂の成形機で加工が可能と言う特徴をいかして、自
動車部品、家電部品或いは雑貨等を始めとする広い分野
において用途が開発されてきている。この中でオレフィ
ン系TPE組成物は、特開昭48-26838号公報等により公
知である。しかし、この組成物は加硫ゴム代替分野に対
しては柔軟性、引張り破断強度、破断伸びや圧縮永久歪
み等の点で加硫ゴムより劣るため、用途に限界がある。
これらの性能を改良する為、鉱物油系軟化剤やペルオキ
シド非架橋型炭化水素系ゴム状物質の添加による柔軟性
の付与や、架橋助剤を併用して架橋度を高め圧縮永久歪
みを改良する試みが種々なされている。(例えば、特公
昭56-15740号公報等)。
【0003】然しながら、これらの組成物では、仮に架
橋度を高めて圧縮永久歪みを改良したとしても、そのた
めに柔軟性、耐熱性の低下や引張試験における破断強度
や破断伸びの低下あるいは組成物表面への軟化剤のブリ
ード等が起こり、物性バランスの優れたオレフィン系T
PE組成物を得ることは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】斯かる現状において本
願発明が解決すべき課題は、オレフィン系TPE、特に
低硬度(ショアーA硬度で90以下)のオレフィン系T
PEにおいて、柔軟性、耐熱性、機械的特性(特に引張
り破断強度、破断伸び、圧縮永久歪み)で加硫ゴム代替
が可能で、ブロー成形性、押出成形性又は射出成形性等
の良好なオレフィン系TPE組成物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記従来法
の欠点を克服するために鋭意研究を重ねた結果、予め特
定の鉱物油系軟化剤を含有させた油展オレフィン系共重
合体軟化剤を含有させた特定の油展オレフィン系共重合
体ゴムとプロピレン系重合体樹脂を用い、これらを含有
する混合物を部分架橋してなる組成物が柔軟性、耐熱
性、機械的特性に優れていることを見出し、本発明を完
成するに至った。即ち本発明は、100℃ムーニー粘度
(ML1+4 100℃)が120〜350であるエチレン
−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムと非共役ジエ
ン成分を含有しないエチレン−プロピレン共重合体ゴム
の合計100重量部当たり、鉱物油系軟化剤を20〜1
50重量部含有する油展オレフィン系共重合体ゴム
(A)40〜95重量%とプロピレン系重合体樹脂
(B)5〜60重量%とからなる混合物を部分架橋して
なることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物に関
するものである。以下本発明につき具体的に詳述する。
【0006】本発明において油展オレフィン系共重合体
ゴム(A)としては、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン共重合体ゴム(以下、「EPDM」という。)と非
共役ジエン成分を含有しないエチレン−プロピレン共重
合体ゴム(以下、「EPM」という。)の混合物が使用
される。EPDMの非共役ジエンとしては、ジシクロペ
ンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエ
ン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等
があるが、特にエチリデンノルボルネンが好ましい。
【0007】より好ましい具体的な例としては、プロピ
レン含有量が10〜55重量%、好ましくは20〜40
重量%のEPM、およびプロピレン含有量が10〜55
重量%、好ましくは20〜40重量%、エチリデンノル
ボルネン等の非共役ジエン含有量が1〜30重量%、好
ましくは3〜20重量%のEPDMであり、且つこれら
の100℃ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が、12
0〜350、好ましくは140〜300である。プロピ
レン含有量が10重量%より少ないと柔軟性が失われ、
55重量%より多いと機械的特性が低下する傾向にあ
る。EPDMの場合、エチリデンノルボルネンに代表さ
れる非共役ジエンの含有量が1%より少ないと機械的特
性が低下し、30重量%より多いと射出成形性が低下す
る傾向にある。100℃ムーニー粘度(ML1+4 100
℃)が、120より低いと機械的特性が失われ、350
より高いと成形品の外観が損なわれる。然るに、ムーニ
ー粘度が120〜350のEPDM/EPM(以下、
「EPR」という。)を用いると機械的特性が大きく、
引張破断強度や破断伸びを飛躍的に向上させ、又架橋効
率が高くなることで、機械的性質、特に強度、耐熱性、
圧縮永久歪みの向上をもたらす。EPRは公知の方法で
製造されたものを用いることが出来る。EPDM/EP
Mの配合割合は重量で95/5〜5/95が好ましく、
より好ましくは80/20〜20/80である。
【0008】次に、本発明で使用される鉱物油系軟化剤
とは、加工性の改良や機械的特性を改良する目的で配合
される高沸点の石油留分でパラフィン系、ナフテン系又
は芳香族系等があるが、パラフィン系が好ましく用いら
れる。芳香族成分が多くなると汚染性が強くなり、透明
製品或は明色製品を目的とする用途に限界を生じ、好ま
しくない。
【0009】油展オレフィン系共重合体ゴム(A)は、
EPR100重量部あたり鉱物油系軟化剤を20〜15
0重量部、好ましくは30〜120重量部含有するもの
である。20重量部より少ないとオレフィン系TPE組
成物の流動性が低下し、特に押出加工性と射出成形性が
損なわれる。一方、150重量部より多くなると可塑性
が著しく増加して加工性が悪くなり、その上、製品の物
性などの性能が低下するので好ましくない。そして、油
展オレフィン系共重合体ゴム(A)の100℃ムーニー
粘度(ML 1+4 100℃)は、好ましくは30〜10
0、より好ましくは40〜90である。30より低いと
機械的特性が失われ、100より高いと成形加工が困難
になる傾向にある。
【0010】EPDMを例に、油展の意義について述べ
る。ムーニー粘度が120〜350のEPDMを用いて
鉱物油系軟化剤を大量に配合すると、柔軟性の確保と流
動性の向上による加工性の改良、及び機械的特性の改良
を同時に満足させることの可能なオレフィン系TPE組
成物を得ることが出来る。一般にオレフィン系TPE組
成物には流動性向上剤として鉱物油系軟化剤が用いられ
ているが、本研究者らの研究によれば、油展EPDMを
用いない場合にはEPDMの粘度には関係なく、EPD
M100重量部当たり鉱物油系軟化剤を40重量部以上
配合すると、TPE組成物表面に軟化剤のブリードが発
生し、製品の汚染、粘着等がみられて好ましくない。然
し、100℃ムーニー粘度が120〜350のEPDM
100重量部当たり20〜150重量部の鉱物油系軟化
剤を予め配合した油展EPDMを用いると、軟化剤のブ
リードがなく、製品の汚染や粘着が認められず、かつ破
断強度、破断伸び、圧縮永久歪みなどの物性の秀れたT
PE組成物を得ることが出来る。この鉱物油系軟化剤の
配合比が大きいにもかかわらず、軟化剤のブリードが認
められないのは、ムーニー粘度の高いEPDMを用いる
と鉱物油系軟化剤の許容油展量の上限が上昇すること、
予め好適に加えられた軟化剤がEPDMの中に均一分散
する為等と考えられる。
【0011】EPDMの油展方法は公知の方法が用いら
れる。例えば、ロールやバンバリーミキサーのような装
置を用い、EPDMと鉱物油系軟化剤を機械的に混練す
る方法で油展する方法、あるいはEPDM溶液に所定量
の鉱物油系軟化剤を添加し、その後、スチームストリッ
ピング等の方法により脱溶媒して得る方法などがある。
このうち好ましい油展方法としてはEPDM溶液を用い
る方法であり、EPDM溶液は重合で得られるEPDM
溶液を用いる方が、操作が容易である。
【0012】本発明において使用されるプロピレン系重
合体樹脂(B)は、ポリプロピレン又はプロピレンと炭
素数が2以上のα−オレフィンとの共重合体樹脂が好ま
しい。炭素数が2以上のα−オレフィンの具体例として
はエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−
1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、3−メチル−
1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテ
ン等がある。これら重合体樹脂のメルトフローレートは
0.1〜100g/10分が好ましく、より好ましくは
0.5〜50g/10分の範囲である。メルトフローレー
トが 0.1g/10分より小さくても100g/10分よ
り大きくても加工性に問題点が生じてくる。 又、本発
明によるオレフィン系TPE組成物中のプロピレン系重
合体樹脂(B)の量が5重量%より少ないと流動性が低
下して成形品の外観不良を招き、60重量%より多いと
柔軟性がなくなる。
【0013】油展オレフィン系共重合体ゴム(A)及び
プロピレン系重合体樹脂(B)からなる混合物を部分架
橋するには有機過酸化物を用いるのが好ましく、該有機
過酸化物としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、
1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,5,
5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ
クミルパーオキシド等がある。これらの中では臭気性、
スコーチ性の点で特に2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
【0014】有機過酸化物の添加量は油展オレフィン系
共重合体ゴム(A)とプロピレン系重合体樹脂(B)の
合計100重量部に対して 0.005〜2.0 重量部、好まし
くは0.01〜 0.6重量部の範囲で選ぶことが出来る。 0.0
05重量部未満では架橋反応の効果が小さく、 2.0重量部
を超えると反応の制御が難しく、又経済的にも有利では
ない。
【0015】本発明の組成物を製造する際、有機過酸化
物による部分架橋時に架橋助剤として、N,N’−m−
フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミ
ド、P−キノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニ
ルグアニジン、トリメチロールプロパン、ジビニルベン
ゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多
官能性化合物を配合することが出来る。このような化合
物の配合により、均一且つ緩和な架橋反応が起こり、機
械的特性を向上させることが可能である。
【0016】該架橋助剤の添加量は油展オレフィン系共
重合体ゴム(A)とプロピレン系重合体樹脂(B)の合
計100重量部に対して、0.01〜4.0 重量部の範囲で選
ぶことが出来る。好ましくは0.05〜2.0 重量部である。
0.01重量部未満では効果が現れ難く、4重量部超えるこ
とは経済的に有利ではない。
【0017】油展オレフィン系共重合体ゴム(A)及び
プロピレン系重合体樹脂(B)からなる混合物を部分架
橋してTPE組成物を得る具体的製法につき以下説明す
る。油展オレフィン系共重合体ゴム(A)、プロピレン
系重合体樹脂(B)、及び有機過酸化物、必要に応じ更
に架橋助剤等を特定の割合で混合し、動的に熱処理す
る。即ち溶融して混練する。混合混練装置としては従来
より公知の非開放型バンバリーミキサー、二軸押出機等
が用いられる。混練温度は150℃〜300℃で1〜3
0分位行えばよい。この組成物の製造において必要によ
り、無機充填剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、着
色剤等の副資材を配合することが出来る。
【0018】更に詳しくは、油展オレフィン系共重合体
ゴム(A)、プロピレン系重合体樹脂(B)、必要によ
り更に架橋助剤や前記副資材を所定の割合で配合し、非
解放型混練機のバンバリーミキサー等を用いて150〜
250℃の温度範囲で充分混練均一化を図った後、得ら
れた組成物と有機過酸化物とをタンブラー又はスーパー
ミキサー等の密閉式混合機で充分にブレンドする。次い
で、このブレンド物を強混練力の得られる二軸連続押出
機等を用いて、200〜300℃で動的に熱処理するこ
とにより、部分架橋してなる熱可塑性エラストマー組成
物を得ることが出来る。
【0019】前記副資材としては、例えば、帯電防止剤
の具体例として、以下のようなものがある。すなわち、
(イ)第一級アミン塩、第三級アミン、第四級アンモニ
ウム化合物、ピリジン誘導体等のカチオン系のもの、
(ロ)硫酸化油、石ケン、硫酸化エステル油、硫酸化ア
ミド油、オレフィンの硫酸エステル塩類、脂肪アルコー
ル硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エ
チルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、コハク酸エステルスル
ホン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン系のもの、
(ハ)多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪ア
ルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレ
ンオキサイド付加物、脂肪酸アミノまたは脂肪酸アミド
のエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエ
チレンオキサイド付加物、アルキルナフトールのエチレ
ンオキサイド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エ
ステルのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリ
コール等の非イオン系のもの、(ニ)カルボン酸誘導
体、イミダゾリン誘導体等の両性系のものが一般に使用
可能であるが、特に非イオン系、中でもポリオキシエチ
レンアルキルアミンやポリオキシエチレンアルキルアミ
ドないしそれらの脂肪酸エステル、グリセリンの脂肪酸
エステル等が好ましい。
【0020】上記の帯電防止剤は、単一の種類のものを
用いても、2種以上の混合物を用いても良い。また、そ
の配合量は本発明による熱可塑性エラストマー組成物1
00重量部に対し、好ましくは約0.03〜2重量部、より
好ましくは約0.04〜1重量部である。配合割合をこれ以
上にすると、表面への滲出、熱可塑性エラストマー組成
物の物性低下等がおこり、好ましくない。この帯電防止
剤の添加により、柔軟性を有し、かつ、ベタツキ感のな
い成形品が得られる。また、ベタツキ感及び軟化剤のブ
リードがなくなることによる埃等の付着が減少すると同
時に、帯電防止剤本来の働きである帯電性が減少し、帯
電による埃の付着も減少する。
【0021】一方、成形品表面の性状として、滑り性が
望まれる場合もあるが、これに対しては高級脂肪酸アミ
ドを使用することができる。該高級脂肪酸アミドの具体
例としては、ラウリン酸アミド、バルミチン酸アミド、
ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミドなどの飽和脂肪
酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ブライ
ジン酸アミド、エライジン酸アミドなどの不飽和脂肪酸
アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビ
スオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミ
ド、エチレンビスオレイン酸アミドなどのビス脂肪酸ア
ミドなどが用いられる。特に好ましい高級脂肪酸アミド
としては、融点が約70℃から110℃の化合物であ
る。上記の高級脂肪酸アミドの配合量は、本発明による
熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対し、好ま
しくは約0.03〜2重量部、より好ましくは約0.04〜1重
量部である。配合割合をこれ以上にすると、表面への高
級脂肪酸アミドの滲出、熱可塑性エラストマー組成物の
物性低下等がおこり、好ましくない。
【0022】前記副資材は本発明によるエラストマー組
成物を製造するいかなる段階においても、加工時又は加
工後の製品の使用時においても配合することが可能であ
る。
【0023】本発明による熱可塑性エラストマー組成物
にあってはその強度およびゴム的性質を損わない範囲で
無機充填剤、例えば炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウ
ム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、ケイソウ土、
雲母粉、アスベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸ア
ルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラス繊維、ガ
ラス球、シラスバルーン、カーボン繊維等あるいは着色
剤、例えばカーボンブラック、酸化チタン、亜鉛筆、べ
んがら、群青、紺青、アゾ顔料、ニトロソ顔料、レーキ
顔料、フタロシアニン顔料等を配合することができる。
【0024】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
通常の熱可塑性樹脂で使用されている装置で成形でき、
押出成形、カレンダー成形やとくに射出成形に適してい
る。本発明の熱可塑性エラストマーは耐熱性、耐候性、
高強度かつ柔軟性および反撥弾性等のゴム性質が優れ、
更には流動性が良好であるため、大型肉厚製品としての
素材として良好であり、フローマークやひけのない外観
の良好な製品が得られる。
【0025】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の用
途としては、ボデイパネル、バンパー部品、サイドシー
ルド、ステアリングホイール等の自動車部品、靴底、サ
ンダル等の履物、電線被覆、コネクター、キャッププラ
グ等の電気部品、ゴルフクラブグリップ、野球バットグ
リップ、水泳用フイン、水中眼鏡等のレジャー用品、ガ
スケット、防水布、ガーデンホース、ベルト等の製品が
考えられる。本発明の熱可塑性エラストマーは、とくに
バンパー部品の如き大型肉厚製品の用途に適している。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明の内容を具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定され
るものではない。尚、これらの実施例および比較例にお
けるシート成形加工及び物性測定に用いた試験方法は以
下の通りである。 (1)ムーニー粘度(ML1+4 100℃):ASTM
D−927−57Tに準拠した。EPDMについて数1
で算出した。
【0027】
【数1】 log(ML1 /ML2 )=0.0066(△PHR) ML1 :EPDMのムーニー粘度 ML2 :油展EPDMのムーニー粘度 △PHR:EPDM 100重量部当たりの油展量
【0028】(2)硬度:ASTM D−2240に準
拠した。(Aタイプ、瞬間値) (3)破断点応力:JIS K−6301に準拠した。
(JIS−3号ダンベル、引張り速度200mm/mi
n) (4)破断点伸び:同上 (5)圧縮永久歪み:JIS K−6301に準拠し
た。(70℃、22Hr、圧縮率25%)
【0029】(6)射出成形性:東芝機械社製IS10
0EN−3A型射出成形機使用。 成形温度220℃、金型温度50℃、射出10秒、冷却
30秒。 金型形状150mm×90mm×2mmピンゲート使用。 フローマーク、ひけの有無について観察した。判定ラン
クは以下の通り。 フローマーク、ひけについて ○:なし。 △:ごく限られた範囲にのみ見られる。 ×:全面にわたり見られる。
【0030】(7)オイルブリード性:射出成形品を7
0℃オーブン中に1時間放置し、成形品表面にブリード
するオイルを目視にて観察。判定ランクは以下の通り。 ○:ブリードは全くなし。 △:ブリードがわずか有り。 ×:ブリード有り。
【0031】実施例1 EPDM(ML1+4 100℃=242、プロピレン含量
=28重量%、ヨウ素価=12)の5重量%ヘキサン溶
液中に、EPDM100重量部当り鉱物油系軟化剤(出
光興産、ダイアナプロセスオイルPW−380)100
重量部を添加し、その後スチームストリッピングで脱溶
媒した油展EPDM(ML1+4 100℃=53)46重
量部、EPM(ML1+4 100℃=43、プロピレン含
量=53重量%)31重量部、ビスタネックスMML−
100(ポリイソブチレン、エッソ化学社製)8重量
部、ポリプロピレン(MFR=12g/10分、住友ノ
ーブレンFL8013)15重量部、およびスミライザ
ーBM(N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、住
友化学社製) 0.5重量部をバンバリーミキサーで170
〜200℃×7分間混練した後、押出機を用いてペレッ
ト状マスターバッチを作製した。次いで、マスターバッ
チ100重量部当り 0.1重量部の2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパ−オキシ)ヘキサン(以下、
「有機過酸化物」と記す。)をベンジュルミキサーを用
いて均一ブレンド操作を10分間行った。このブレンド
物を強混練力の得られる2軸混練押出機を用いて、22
0℃±10℃で70秒間動的熱処理を行い、部分架橋し
てなる熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた組
成物の物性及び成形性評価などを行った。硬度、引張試
験、圧縮永久歪みの物性測定には射出成形で得た2mm厚
のプレートを用いた。評価結果は表1に示す。
【0032】比較例1 実施例1においてマスターバッチを製造する際、油展E
PDM46重量部をJSR EP−24(ML1+4 10
0℃=70、プロピレン含量=44重量%、ヨウ素価=
12のEPDM、日本合成ゴム社製)23重量部および
鉱物油系軟化剤PW−380 23重量部に代えた他は
実施例1と同様に実施した。評価結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、オ
イルブリードが極めて少なく、耐熱性、機械的性質、圧
縮永久歪み、外観等に優れた熱可塑性エラストマー組成
物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−28232(JP,A) 特開 平1−103639(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】100℃ムーニー粘度(ML1+4 100
    ℃)が120〜350であるエチレン−プロピレン−非
    共役ジエン共重合体ゴムと非共役ジエン成分を含有しな
    いエチレン−プロピレン共重合体ゴムの合計100重量
    部当たり、鉱物油系軟化剤を20〜150重量部含有す
    る油展オレフィン系共重合体ゴム(A)40〜95重量
    %とプロピレン系重合体樹脂(B)5〜60重量%から
    なる混合物を部分架橋してなることを特徴とするオレフ
    ィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重
    合体ゴムが、プロピレン含有量が10〜55重量%、エ
    チリデンノルボルネン含有量が1〜30重量%のエチレ
    ン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体ゴム
    である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】油展オレフィン系共重合体ゴム(A)の1
    00℃ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が、30〜1
    00である請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】プロピレン系重合体樹脂(B)が、ポリプ
    ロピレン又はプロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂
    である請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】鉱物油系軟化剤が、パラフィン系軟化剤で
    ある請求項1記載の組成物。
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