JP2009201380A - サンドクリーム用油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】MCTのもつ栄養特性を保持しつつ、旨味性、食味性及び口融けに優れ、かつ、製造時における取り扱いが容易であるサンドクリーム用油脂組成物の提供。
【解決手段】サンドクリーム用油脂組成物であって、ラウリン系油脂及びパーム系油脂との混合油脂を、エステル交換して得られる油脂と、中鎖脂肪酸トリグリセリドと、及びラウリン系油脂とを含んでなる、サンドクリーム用油脂組成物により達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、サンドクリーム用油脂組成物に関する。
お菓子のクッキー及びビスケット等の焼製品に挟まれるクリーム(センタークリーム及びサンドクリーム)は、その商品特性から、硬さ(保形性)が要求される。例えば、ピーナッツペースト等の液状油脂を含むものを配合する場合は、従来、在る程度の硬さを保持するため、トランス脂肪酸含量の高い部分水素添加油からなるショートニングを使用することが一般的であった(特許文献1:特許公開平5−276866)。
しかしながら、部分水素添加油に含まれるトランス脂肪酸と心疾患の因果関係が明らかにされ、部分水素添加油の使用を控える要望が高まっている。部分水素添加油の替わりとしては、パーム油等への置き換えが考えられるが、部分水素添加油の機能を十分に代替できていないのが現状である。
他方、近年、健康志向ブームから、動物の体に脂肪が付きにくい油脂、とりわけ、様々な中鎖脂肪酸由来のトリグリセリドが開発されている。例えば、ヤシ油やパーム核油等の植物性油脂に由来する中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)は、体内での消化吸収が極めて早く、エネルギーと成り易い栄養特性を持つことが知られており、ここ数年では、従来のエネルギー補給のための油剤としてだけではなく、低カロリーの冷菓等種々の油性食品に使用される様になっている(特許文献2:特許公開平11−98952)。
従って、現在、トランス脂肪酸を排除するために部分水素添加油を使用せずに、かつ、食味性、口融けに優れ、他方、製造及び取り扱い容易な、サンドクリーム用油脂組成物の開発が要求されている。
特許公開平5−276866 特許公開平11−98952
本発明者等は、本発明時において、少なくとも三種の油脂を特定の配合量で組み合わせることにより、MCTのもつ栄養特性を保持しつつ、また、食味性及び口融けに優れ、かつ、製造時における取り扱いが容易である、サンドクリーム用油脂組成物が得られるとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
従って、本発明は、第1の油脂と、中鎖脂肪酸トリグリセリドと、及びラウリン系油脂とを含んでなる、サンドクリーム用油脂組成物であって、
第1の油脂が、ラウリン系油脂及びパーム系油脂の混合油脂をエステル交換して得られてなるものであり、及び、
前記サンドクリーム用油脂組成物の全量に対して、
第1の油脂の配合量が10質量%以上30質量%以下であり、
中鎖脂肪酸トリグリセリドの配合量が20質量%以上60質量%以下であり、及び
ラウリン系油脂の配合量が10質量%以上70質量%以下であるものである、サンドクリーム用油脂組成物である。
本発明によれば、三種の油脂を混合することにより、粘性の少ない液状のMCTをサンドクリーム中に安定的に配合できると倶に、サンドクリーム自体の保形性及び作業性を高い次元において達成することができる。また、本発明によれば、MCTのもつ栄養特性を保持しつつ、安全で健康によく、かつ、食味性及び口融けに優れた、サンドクリーム用油脂組成物を提供することができる。
定義・分析
本発明において、油脂中の構成脂肪酸の分析は、AOCS Ce1f−96に準じて行うことができる。
I.サンドクリーム用油脂組成物
本発明によるサンドクリームとは、食品に用いられるものであり、かつ、特に限定されるものではないが、食品(パン、パイ、シュー、デニッシュ等)の内側に包含又は、複数の食品(クッキー、ビスケット等)に挟持されるクリームとして使用されるものをいう。
1.第1の油脂
本発明にあって、第1の油脂は、ラウリン系油脂及びパーム系油脂との混合油脂を、エステル交換して得られる油脂が用いられる。また、本発明にあっては、第1の油脂として、エステル交換と水素添加を行った油脂も用いることが可能である。ラウリン系油脂及びパーム系油脂との混合油脂を水素添加した後に、エステル交換をして得られた油脂、或いは、ラウリン系油脂及びパーム系油脂との混合油脂をエステル交換した後に、水素添加をして得られた油脂を用いてもよい。また、本発明にあっては、ヨウ素価10以下のラウリン系油脂であるラウリン系油脂分別硬質部と、ヨウ素価20以下のパーム系油脂であるパーム分別硬質部とを混合して得た混合油脂をエステル交換したものも使用することができる。
エステル交換/完全水素添加
エステル交換の方法に特に制限はなく、例えば、ラウリン系油脂及びパーム系油に触媒としてナトリウムメトキシド等のアルカリ触媒、又はリパーゼ等の酵素を用いて反応させる方法が挙げられる。エステル交換は、位置特異的なエステル交換であっても、ランダムエステル交換であってもよい。また、本発明にあって、「水素添加」行為は、トランス脂肪酸含量の高い従来の部分水素添加を意味するものではなく、トランス脂肪酸含量を少なくした油脂を実現できる完全水素添加またそれに近似する行為を意味する。水素添加の方法は、本発明における油脂を得られるものであれば特に制限はない。具体的には、本発明における「水素添加」は、第1の油脂のヨウ素価が10以下、好ましくは5以下、より好ましくは2以下とされた油脂を調製するものとして行われる。水素添加は、例えば、ニッケル触媒の下、160〜200℃の条件にて行うことができる。
油脂組成/配合量
第1の油脂において、「ラウリン系油脂」とは、好ましくは、該油脂の構成脂肪酸中におけるラウリン酸含有量が30質量%以上のものをいい、例えば、パーム核油又はヤシ油及びこれらの分別油等が挙げられる。また、「パーム系油脂」とは、パーム油及びパーム油の分別油であれば何れでもよく、具体的には、1段分別油であるパームオレイン、パームステアリン、パームオレインの2段分別油であるパームオレイン(パームスーパーオレイン)及びパームミッドフラクション、パームステアリンの2段分別油であるパームオレイン(ソフトパーム)及びパームステアリン(ハードステアリン)等が例示できる。
本発明の好ましい態様にあっては、第1の油脂は、該油脂を構成する全脂肪酸中において、1)炭素数12以上14以下の飽和脂肪酸が、20質量%以上60質量%以下、好ましくは下限値が25質量%以上であり上限値が40質量%以下であり、より好ましくは下限値が28質量%以上であり上限値が35質量%以下で含まれてなり、2)炭素数16以上18以下の飽和脂肪酸が、40質量%以上80質量%以下、好ましくは下限値が46質量%以上であり上限値が70質量%であり、より好ましくは下限値が52質量%以上であり上限値が68質量%以下で含有した油脂である。また、炭素数12以上14以下の飽和脂肪酸及び炭素数16以上18以下の飽和脂肪酸が上記1)及び2)を満たす範囲内において、この油脂は3)その他の脂肪酸を包含するものであってよい。この油脂が、上記1)及び2)に規定した構成脂肪酸組成及び含有量の範囲内となることにより、作業性が良くなり(硬すぎず、柔らかすぎないこと)、食味性及び口融けに優れたサンドクリーム用油脂組成物とすることが可能となる。
第1の油脂の配合量は、サンドクリーム用油脂組成物全量に対して、10質量%以上30質量%以下の範囲であり、好ましくは下限値が15質量%以上であり上限値が25質量%以下である。第1の油脂のヨウ素価は、水素添加をしない場合は、17以下であり、好ましくは、13以下であり、より好ましくは10以下である。他方、第1の油脂のヨウ素価は、水素添加をする場合は上述した値である。
2.中鎖脂肪酸トリグリセリド
本発明は、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)を含んでなる。中鎖脂肪酸トリグリセリドは、20℃の温度で液状であり、目視にて固体が確認できない状態にあるという特徴を有する。しかしながら、本発明による他の油脂と混合することにより、サンドクリーム用油脂組成物中に、MCTを安定し配合することができ、健康に優れたサンドクリームを提供することが可能となる。また、中鎖脂肪酸トリグリセリドは、一般に、体内に取り入れた場合であっても、体内に脂肪分として蓄積し難い成分であると云われている。また、中鎖脂肪酸トリグリセリドを配合することにより、口融けが良好となり、あっさりとした風味としたサンドクリーム用油脂組成物を提供することが可能となる。
組成
本発明において、「中鎖脂肪酸トリグリセリド」とは、その構成脂肪酸が3分子(第1位乃至第3位)ともに、中鎖脂肪酸(好ましくは、炭素数6〜10のもの)とされてなるものをいう。また、中鎖脂肪酸トリグリセリド中の脂肪酸の実質的に全てが、炭素数8〜10の脂肪酸であるものが好ましい。本発明のより好ましい態様によれば、中鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、例えば、炭素数8の脂肪酸を約75質量%、炭素数10の脂肪酸を約25質量%含有しているトリグリセリドが挙げられる。このようなトリグリセリドは市販されており、例えば、日清オイリオグループ(株)製:商品名:ODO等が挙げられる。
配合量
中鎖脂肪酸トリグリセリドの配合量は、サンドクリーム用油脂組成物全量に対して、20質量%以上60質量%以下の範囲であり、好ましくは下限値が20質量%以上であり上限値が50質量%以下であり、より好ましくは下限値が20質量%以上であり上限値が40質量%以下である。配合量が上記範囲内にあることにより、冷蔵時のスプレッタビリティーが良好で、かつ、油っぽさを防止することができ、優れた口融けを実現することができ、かつ、サンドクリーム用油脂組成物としての本来の硬さを維持し、オイルオフを有効に防止することが可能となる。
3.ラウリン系油脂
ラウリン系油脂が配合されることにより、サンドクリーム用油脂組成物にシャープな口融けを付与することができる。
組成
本発明にあって、「ラウリン系油脂」とは、好ましくは、該油脂の構成脂肪酸中におけるラウリン酸含有量が30質量%以上のものをいい、例えば、パーム核油又はヤシ油及びこれらの分別油等が挙げられる。この点、第1の油脂において使用される「ラウリン系油脂」で説明したのと同様である。
ラウリン系油脂としては、第1の油脂において既に述べた通り、パーム核油、ヤシ油、これらの分別油、硬化油、エステル交換油、カカオバター代用油脂等を好適に用いることができる。本発明の好ましい態様によれば、ラウリン系油脂は、その融点が30℃以上39℃以下のものが好ましく、また、水素添加しない場合は、そのヨウ素価が0以上20以下の範囲、好ましくは上限値が13以下、より好ましくは9以下、さらに好ましくは6以下のものが利用される。他方、水素添加をする場合は上述した値である。例えば、ヤシ硬化油(融点34℃)、カカオバター代用油脂(パーム核ステアリンを極度硬化した油脂)、パーム核オレイン硬化油等が挙げられる。このようなラウリン系油脂は、市販品を使用することができ、例えば、ヤシ硬化油(商品名:「ヤシ硬化油34」、日清オイリオグループ(株)製、融点34℃)が挙げられる。
配合量
ラウリン系油脂の配合量は、サンドクリーム用油脂組成物全量に対して、10質量%以上70質量%以下の範囲であり、好ましくは下限値が20質量%以上であり上限値が60質量%以下であり、より好ましくは下限値が30質量%以上であり上限値が50質量%以下である。配合量が上記範囲内にあることにより、サンドクリーム用油脂組成物の耐振性及び耐熱性を向上させ、かつ、優れた口融けとホイップ性を付与することが可能となる。
4.極度硬化油
組成
本発明の好ましい態様によれば、極度硬化油が配合される。極度硬化油は、ヨウ素価が2以下の油脂であり、非ラウリン系油脂を完全に近い状態に水素添加(低トランス脂肪酸)したものとして得ることができる。例えば、パーム極度硬化油、大豆極度硬化油、菜種極度硬化油、綿実極度硬化油、全構成脂肪酸中のベヘン酸含量が20〜55質量%であるハイエルシン菜種油の極度硬化油等が挙げられる。極度硬化油は、市販品を使用することができ、例えば、ハイエルシン菜種油の極度硬化油(商品名:「ハイエルシン菜種極度硬化油」、横関油脂工業株式会社製、融点60℃)、菜種油の極度硬化油(商品名:「菜種極度硬化油」、横関油脂工業株式会社製、融点67℃)及びパーム油の極度硬化油(商品名:「パーム極度硬化油」、横関油脂工業株式会社製、融点58℃)等が利用される。
配合量
極度硬化油の配合量は、サンドクリーム用油脂組成物全量に対して、0質量%以上5質量%以下の範囲であり、好ましくは下限値が0質量%以上であり上限値が3質量%以下である。配合量が上記範囲内にあることにより、サンドクリーム用油脂組成物の油脂結晶が均一に分散されると倶に、保形性が良くなる。
5.その他の成分
本発明によるサンドクリーム用油脂組成物にあっては、その他の成分を添加してよい。その他の成分としては、乳化剤、増粘安定剤、食塩、塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β‐カロテン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、卵及び各種卵加工品、香料、乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、ココアマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
乳化剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、縮合リシノレイン脂肪酸エステル、グリセリドエステル等の合成乳化剤や、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の合成乳化剤でない乳化剤が挙げられる。増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等が挙げられる。
その他の成分の添加量は、サンドクリーム用油脂組成物全量に対して、0質量%以上10質量%以下の範囲である。
II.サンドクリーム用油脂組成物の製造方法
サンドクリーム用油脂組成物は、第1の油脂と、中鎖脂肪酸トリグリセリドと、及びラウリン系油脂と、必要に応じて、極度硬化油、その他の成分を混合することによって、製造されてよい。製造方法は、一般の方法で行われて良く、例えば、混合機に上記成分を混合し、適切な温度、混合速度の下、所望の組成物となるように混合されてよい。これによって、サンドクリーム用油脂組成物が得られる。
[実施例]
本発明の内容を、以下の例及び比較例により詳細に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施形態により限定されるものではない。
サンドクリーム用油脂組成物の調製
下記表1乃至5の組成に従って、油脂を配合し、溶解・混合し、オンレーターにて急冷・練り合わせをしてサンドクリーム用油脂組成物(ショートニング)を調製した。下記表1乃至5の組成における各略語は以下を意味する。また、使用した油脂の脂肪酸組成(全100%)及びその融点は下記表Aの通りである。
略称
1.「油脂A」:パーム油とパーム核油を質量比1:1でエステル交換した後、水素添加により極度に硬化した油脂(ヨウ素価1)(第1の油脂:日清オイリオグループ社内製)
2.「油脂B」:パームハードステアリン(ヨウ素価13)とパーム核ステアリン(ヨウ素価7)を質量比1:1でエステル交換したのみであり、水素添加を行っていない油脂(第1の油脂:日清オイリオグループ社内製)
3.「ODO」:中鎖脂肪酸トリグリセリド(日清オイリオグループ社製)
4.「ヤシ34」:ヤシ硬化油34(ラウリン系油脂:日清オイリオグループ社製)
5.「パーム極硬」:パーム極度硬化油(横関油脂社製)
6.「パームステアリン」:パームステアリン(ヨウ素価33:日清オイリオグループ社内製)
7.「カカオ脂」:TCカカオバター(大東カカオ社製)
8.「菜種極度硬化油」:ハイエルシン菜種極度硬化油(横関油脂社製)
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評価試験
実施例及び比較例のサンドクリーム用油脂組成物(ショートニング)及びそれを用いて調製したサンドクリームについて、以下の評価試験を行った。その結果は下記表1に記載した通りであった。比較例の各評価において空欄は、評価することがそもそもできなかったことを意味する。
評価1:硬さ試験
実施例及び比較例のサンドクリーム用油脂組成物を空気泡が入らないように均一に測定容器に充填し、測定容器(直径5.5cmのプラスチックカップ)に充填し、レオメーター(商品名CR−500DX:株式会社サン科学社製、直径3mm円柱型のプランジャー使用)で硬度(N)を測定した。
測定方法及び評価基準
サンドクリーム用油脂組成物の表面からプランジャーを10mmの深さまで挿入し、その間のプランジャーに掛かる最大荷重を硬度(N)とした。測定硬度(N)値は、測定を3回行って、その平均値とした。
評価2:保形性、作業性試験
上記硬度(N)値を有するサンドクリーム用油脂組成物について、以下の基準により評価した。
評価×:硬度(N)が0.30未満であり、柔らか過ぎて作業性及び保形性に優れず、サンドクリームとしての調整が困難であった。
評価○:硬度(N)が0.30以上0.50未満であり、若干柔らかかったが、作業性及び保形性は良好であった。
評価◎:硬度(N)が0.50以上3.00未満であり、作業性及び保形性に優れていた。
評価○:硬度(N)が3.00以上4.00未満であり、若干硬かったが、作業性及び保形性は良好であった。
評価×:硬度(N)が4.00以上であり、硬過ぎて作業性及び保形性に優れず、サンドクリームとしての調整が困難であった。
評価3:サンドクリームの比重試験
実施例及び比較例のサンドクリーム用油脂組成物200gと、粉糖200gをミキサーボールに充填し、ホバートミキサー(商品名:N―50:ホバート・ジャパン社製)に充填し、低速で1分間混合した。その後、高速で3分間、混合して十分空気を含ませてサンドクリームを調製した。調製したサンドクリームの比重を容積100mlの比重カップを用いて次のように測定した。比重=サント゛クリームを充填した比重カッフ゜の重量(g)−比重カッフ゜の重量(g)/比重カッフ゜の容積(ml)
評価4:サンドクリームの状態試験
上記比重を有するサンドクリームについて、以下の基準により評価した。
評価◎:比重が0.80未満であり、ボリュームのある優れた状態であった。
評価○:比重が0.80以上0.85未満であり、ボリュームは若干小さいが良好な状態であった。
評価△:比重が0.85以上0.90未満であり、ボリュームは小さいが使用に耐えうる状態であった。
評価×:比重が0.90以上であり、使用するには困難な状態であった。
評価5:官能性評価試験
調製したサンドクリームの口融けについて、20歳代から60歳代までのパネラー5名に試食させ、下記の五段階評価を行った。
評価値
評価5:口の中ですぐに溶解し、優れた口融けを有するものであった。
評価4:口の中で溶解し、良好な口融けを有するものであった。
評価3:口の中で若干もたつく感があったが、通常の口融けを有していた。
評価2:口の中で溶解するのに時間が掛かり、口融けを有するものではなかった。
評価1:口融けを有さず、サンドクリームとして使用できるものではなかった。
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Claims (5)

  1. 第1の油脂と、中鎖脂肪酸トリグリセリドと、及びラウリン系油脂とを含んでなる、サンドクリーム用油脂組成物であって、
    第1の油脂が、ラウリン系油脂及びパーム系油脂の混合油脂をエステル交換して得られてなるものであり、及び、
    前記サンドクリーム用油脂組成物の全質量に対して、
    第1の油脂の配合量が10質量%以上30質量%以下であり、
    中鎖脂肪酸トリグリセリドの配合量が20質量%以上60質量%以下であり、及び
    ラウリン系油脂の配合量が10質量%以上70質量%以下である、サンドクリーム用油脂組成物。
  2. 第1の油脂が、ラウリン系油脂及びパーム系油脂との混合油脂を水素添加した後に、エステル交換をして得られた油脂、或いは、ラウリン系油脂及びパーム系油脂との混合油脂をエステル交換した後に、水素添加をして得られた油脂である、請求項1に記載のサンドクリーム用油脂組成物。
  3. 第1の油脂が、ヨウ素価10以下のラウリン系油脂であるラウリン系油脂分別硬質部と、ヨウ素価20以下のパーム系油脂であるパーム分別硬質部とを混合して得た混合油脂をエステル交換して得られた油脂である、請求項1又は2に記載のサンドクリーム用油脂組成物。
  4. ヨウ素価が2以下である極度硬化油をさらに含んでなる、請求項1〜3の何れか一項に記載のサンドクリーム用油脂組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載のサンドクリーム用油脂組成物を含んでなる、サンドクリーム。
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