JP2009197386A - 繊維素材の加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維素材全般について、後染めを行っても繊維が傷みにくく、かつ、染色後の染色性、撥水性、撥油性、耐洗濯性が高い後染め用繊維素材を提供する。
【解決手段】水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、及びウレタン基のうちの少なくとも1種の官能基を有する繊維素材に、その官能基と結合する官能基を有し染色性を向上させる合成樹脂を含む樹脂溶液を含ませて、合成樹脂の分子と繊維素材の分子を結合させる。
【選択図】なし

Description

この発明は、繊維素材に撥水性を持たせた上で、後染め染色性を向上させる加工方法に関する。
従来の繊維製品で用いられている、撥水機能加工、撥油機能加工、柔軟加工、汚れ防止加工、抗ピリング加工等の耐久性の高い加工は、糸、編物、織物、不織布などを染色した後、樹脂加工を施されて、その後縫製することで、衣服、鞄、帽子、スポーツ衣料として製品化されている。また、糸においても、染色後に、編物や織物に加工された後で樹脂加工されて製品化されている。
このような工程を経て繊維素材を製造する方法は、品質の安定した製品を大量に製造する点では優れている。しかし現在のように、消費者の好みが急速に変化する時代では、製品納期の短期化が最も重要であり、製造者側が色、サイズ、素材、パターンなどの消費者ニーズを掴んでから、糸の製造、織物の製造、染色加工、樹脂加工及び縫製を行うという従来の製造方法によって製造していたのでは、時間がかかりすぎ、消費者の望んでいる商品をタイムリーに市場に供給することは不可能となっている。
特に流行商品は、店頭に置ける販売期間が短く、消費者の指向を店頭で情報として入手しても、既に色、サイズ、パターンが決定された縫製品を在庫すると、消費者の嗜好にそぐわない物は不良在庫となってしまう。一方で、ニーズを受けて販売期間中に企画の変更を行おうとしても間に合わず、ビジネスチャンスを逃してしまうこととなる。
このため、製品完成後に染色を行う製品染めを行うことで短納期に対応することが行われているが、特に綿、麻などの植物性繊維やレーヨンなどの再生繊維では、色管理が安定せず、スレアタリやシワが発生したり、染色ムラが起きやすかったりし、また、染色後に耐久性のある撥水加工や撥油加工などを行うことはほとんどできず、行える撥水加工は、染色後の撥水スプレーの塗布程度に限られてしまい、高級な商品にはなりえなかった。また、合成繊維や半合成繊維では、通常の染色や製品染めの後で撥水加工、撥油加工を行うと、摩擦堅牢度が低下し、特にポリエステルのマイクロファイバー素材ではその傾向が著しかった。
これに対して、布帛にした染色していない繊維素材に加工を施し、後染めによって必要な色やデザインの布帛を得ることができる後染め用布帛が特許文献1に記載されている。これは、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維等からなる繊維製品を予め織物、編物、不織布等の形にしておき、その表面にラミネート法などにより合成樹脂膜を形成して、後染めの染色性を向上させたものである。
特開2002−105865号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、合成樹脂膜を形成させるため、加工を行う対象が布帛に限られていた。また、合成樹脂膜を貼り合わせるために接着剤を用いる必要があり、得られる繊維製品の撥水性、耐洗濯性等は不十分になってしまうという問題があった。
また、染色前に予め撥水剤を使用して撥水加工をしておいたとしても、染色性が低下するだけでなく、染色工程中に撥水剤が脱落してしまい、染色後の繊維素材はほとんど撥水性を有しないものとなってしまった。このため、従来は撥水加工後の後染めは事実上不可能であると考えられていた。逆に、染色後に撥水加工を行う場合には、耐久性を出すためにベーキングを行う必要があるが、この熱によって堅牢度が低下してしまうという問題があった。
さらに、後染めではなく通常の染色を行う場合でも、染色加工時には繊維が傷む場合が多かった。例えば、編み立て用糸は毛羽アレが発生することがあり、また、縫製後の洗濯機洗いによって表面が白化されやすかった。植物性繊維と動物性繊維との複合素材では、染色加工前に必要となる準備加工ではアルカリを使用するが、動物性繊維が受ける損傷が激しいために十分な前処理が出来ないという問題があり、染色加工そのものでも、動物性繊維を損傷させることなく濃色に染色することは困難であった。また、複合繊維であるために、用いる染料は両方の素材に対して効果のあるものでなければならず、結果として染色処理時間が長くなり、繊維素材の損傷をさらに大きくしていた。レーヨンなどの再生繊維でも、染色加工中のスレアタリや強度低下が著しく、また染色後の洗濯試験での損傷が激しいために耐久性のある商品とはなりえなかった。
さらにまた、紡績糸のサイジング加工では、織りの際に縦糸が損傷しないように澱粉、PVA、アクリル糊剤を縦糸に塗布するが、その紡績糸を用いて織り上がった生地には、大量の糊剤が付着されているために、染色加工場において、大きな精練糊抜き機を用いて除去する必要があり、大きな設備投資、エネルギー使用、排水処理等の負担が大きなものとなっていた。
そして、染色後に樹脂加工する従来の方法で得られた製品でも、洗濯処理において、風合いの劣化、表面の白化現象、ピリングの発生、強度の低下等が起こることが知られていた。このため、洗濯の条件よりもさらに厳しい条件となる染色加工を、撥水性、撥油性、柔軟性を向上させる樹脂加工を行った後に行った場合には、それらの機能を維持させることは難しいと考えられていた。
そこでこの発明は、布帛に限らず繊維素材全般に適用することができ、後染めの染色加工を行っても繊維が傷みにくく、かつ、染色後の染色性が高く、さらに必要に応じて、撥水性、撥油性、耐洗濯性が高い後染め用繊維素材を提供することを目的とする。
この発明は、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、及びウレタン基のうち少なくとも1種の官能基を有する繊維素材に、その繊維素材の前記官能基と結合する官能基を有し、前記繊維素材の染色性を向上させる合成樹脂を主成分とする樹脂溶液を含ませて、前記合成樹脂の分子を繊維素材の分子と結合させることで、上記の課題を解決したのである。すなわち、繊維素材の官能基に分子として合成樹脂を結合させることにより、合成樹脂があることで染色性を向上させるだけでなく、撥水性や撥油性などを発揮するその合成樹脂が、その後の染色加工などにおいて繊維素材から剥がれにくいようにしたのである。
この発明により合成樹脂と結合させる繊維素材の形状は特に限定されるものではなく、具体的には綿、スライバー、フィラメント糸、紡績糸、縫製糸、又はこれらからなる、織物、編み物、若しくは不織布、又はこれらからなる縫製品などに用いることができる。また、上記の官能基を有する繊維素材としては、例えば、紙繊維、竹繊維、綿、麻、レーヨン、有機溶剤紡糸法により得られるセルロース繊維、銅アンモニアレーヨン、シルク、ウール、ポリエステル、脂肪族ポリアミド系繊維、アラミド繊維などの芳香族ポリアミド系繊維、ポリウレタン、ジアセテート、トリアセテート、又はこれらを複数用いた複合繊維が挙げられる。
上記合成樹脂の分子と繊維素材の分子とを結合させる方法としては、それぞれの分子の官能基を結合する架橋剤を上記樹脂溶液に含ませ、この架橋剤によりそれぞれの分子を結合させる方法が挙げられる。このような架橋剤としては、複数のイソシアネート基を有するイソシアネート系化合物を用いることができる。
また、特に上記合成樹脂が、パーフルオロアルキル基を有するアクリレート単位と親水性ビニルモノマー単位とからなる共重合樹脂を含むものであると、親水性である部分と疎水性である部分との両方を有するために、空気中ではパーフルオロアルキル基が撥水性・撥油性を発揮して汚れを弾き、水中ではビニル基の親水性末端が表面に出ることで親水性を発揮して汚れを落とす効果を発揮する。また、親水性基があるために、特に染色性や吸湿性を向上させることができる。
さらに、上記合成樹脂が上記の共重合樹脂に加えて、親水性基を持たないパーフルオロアルキルアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂などを加えると、それぞれ追加した樹脂に合わせた効果を付与することができる。パーフルオロアルキルアクリレート樹脂であれば撥水性が向上し、シリコン樹脂であれば強度と浴中における柔軟性が向上する。ポリエステル樹脂やウレタン樹脂を含めた場合は、それぞれの樹脂に特徴的な風合いを持った繊維素材とすることができる。
上記の合成樹脂と結合させた後染め用繊維素材は、AATCC118−2002に記載の撥油性試験による撥油性の結果が、少なくとも2級とすることができ、最大で7級まで向上させることが出来る。また、JIS L 1092に記載の撥水性試験による撥水性の結果を、少なくとも2級とすることができ、最大で5級まで向上させることができる。
この発明にかかる後染め用繊維素材により、布帛に限らず繊維製品全般について、後染めを可能とすることができる。また、反応する官能基がある繊維であればよいので、多くの繊維素材を後染め可能とすることができ、後染め加工中又は後染め後に生じやすかったスレアタリやシワ、素材の損傷の発生を抑えることができる。これにより、繊維素材からなる製品を製造、出荷するにあたって、縫製拠点に隣接する染色工程で簡易に染色可能となり、市場の動向に合わせて短期間で染色して製品を出荷することができるようになり、販売機会のロスを削減し、売れ残り商品が生じることを抑制できる。
後染め可能とした繊維素材は、染色性を高めている合成樹脂が繊維素材と分子により結合しているため、耐洗濯性、撥水性や撥油性が高く、表面張力が小さい繊維素材となる。このため、従来は製品染め後に行っていた撥水剤のスプレー塗布などが不要となるため、染色を容易に行うことができる。また、油汚れにも強い繊維素材となる。また、染色性を高めている合成樹脂によって、吸湿性も優れた繊維素材となる。この吸湿性は、撥水性と両立させることもできる。さらに、合成樹脂と結合しているために、繊維素材自体の耐久性が高くなり、従来の繊維素材に比べて染色時に繊維素材が傷みにくくなる。これにより紡績糸の場合には、織り後に糊抜きの負担が大きいサイジング加工を行って糸を保護する必要がなくなる。
以下、この発明について詳細に説明する。この発明は、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、及びウレタン基のうち少なくとも1種の官能基を有する繊維素材に、その繊維素材の前記官能基と結合して前記繊維素材の染色性を向上させる合成樹脂を主成分とする樹脂溶液を含ませて、前記合成樹脂の分子を繊維素材の分子と結合させた、後染め用繊維素材である。なお、ここで染色性を向上させるとは、同等の条件でより濃い染色濃度の製品が得られるようにすることをいい、その染色濃度はたとえば、光の吸収係数Kと散乱係数Sとの比であるK/S値で表される。
この発明で後染め可能とする繊維素材は、形状を特に限定されるものではなく、綿、スライバー、フィラメント糸、紡績糸、縫製糸などの原料や糸、これらからなる織物、編み物、若しくは不織布などの布帛、さらに、これらの布帛と糸とからなる縫製品のいずれの状態に対しても、後染め可能とすることができる。
上記の繊維素材としては、例えば、紙繊維、竹繊維、綿、麻などの植物性繊維、レーヨン、有機溶剤紡糸法により得られるセルロース繊維、銅アンモニアレーヨンなどの再生繊維、シルク、ウールなどの動物性繊維、ポリエステル、ポリウレタン、脂肪族ポリアミド系繊維(6−ナイロン、6,6−ナイロンを含む。)、芳香族ポリアミド系繊維などの合成繊維、ジアセテート、トリアセテートなどの半合成繊維が挙げられる。なお、有機溶剤紡糸法により得られるセルロース繊維としては、具体的にはテンセル、リヨセル(いずれも登録商標。)が挙げられ、銅アンモニアレーヨンとしては、ベンベルグ、キュプラ(いずれも登録商標。)が挙げられる。
これらの繊維素材のうち、植物性繊維や再生繊維、ジアセテートは水酸基を有し、また、ポリエステルも末端に水酸基を有している。ポリアミド系繊維、動物性繊維はアミノ基、カルボキシル基、アミド基を有している。また、ポリエステルの末端にはカルボキシル基があり、ナイロンはアミド基を有している。さらに、ポリウレタン繊維は末端にウレタン基を有している。またトリアセテートは、理論上は水酸基が全てアセチル基に変わっているが、実際には一部の水酸基が残っており、その水酸基が反応する。
これらの中でも特にポリエステル繊維は、従来の方法では、染色性だけでなく、透湿性や撥水性を持たせることが困難であったが、この発明にかかる方法で、染色性を向上させる合成樹脂を結合させることで透湿性を容易に持たせることができ、その他の合成樹脂を結合させることで撥水性を付与することも容易にできる。
これらの繊維素材に上記合成樹脂を結合させる前には、精練、漂白、糊抜きなどを行っておくと、上記合成樹脂が結合させやすく、品質が安定するため好ましい。
具体的には、精練では繊維素材に付着している夾雑物を除去して、上記合成樹脂が結合しやすくなるようにすることができる。綿には天然ワックスやペクチンなどの天然の夾雑物が含まれており、これらは高濃度アルカリや、洗剤にて高温処理することにより除去することができる。綿/ウールなど、セルロース系と動物性繊維の混紡、交織の場合、アルカリを使用すると動物性繊維が溶解してしまうので、酸性溶液で精練を行う。なお、合成繊維では夾雑物が無いが、工程中に使用される油剤が付着しているため、高温下で洗剤を用いて除去する。
漂白は綿素材を中心に行われる。塩素法と過酸化水素法があり、環境的観点から過酸化水素法を用いると好ましい。この方法は過酸化水素とアルカリとを併用して処理を行うが、ウールなど動物性繊維を含んだ繊維素材の場合は、繊維が溶けるためアルカリの使用量を出来るだけ下げて漂白を行う。
糊抜きは、綿糸や綿複合紡績糸(レーヨン、有機溶剤紡糸法により得られるセルロース繊維、麻、も含む。)を織物にする際に経糸が傷むのを防止するために糊剤を付与するサイジング加工を行うが、この糊剤を取り除くことをいう。綿100%の場合は、高濃度のアルカリと酸化糊抜き剤を併用し、高温で長時間処理を行う。レーヨンや有機溶剤紡糸法により得られるセルロース繊維では、高濃度のアルカリを用いて長時間処理するとスキン層が傷みやすいため、アルカリを併用する酸化糊抜き方式ではなく、酵素を用いて糊剤を除去する。綿/ウールなどの場合も、レーヨンなどと同様にアルカリ剤を使用せずに酵素法により糊剤を除去する。なお、ポリエステルなどの合成繊維ではサイジングを行わないため、糊抜きは不要である。また、編物については、サイジングを行わないため糊抜きは不要である。
これらの繊維素材の官能基に結合させる上記の合成樹脂としては、パーフルオロアルキル基を有するアクリレート単位と親水性ビニルモノマー単位とからなる共重合樹脂を含むことが好ましい。このうち、親水性ビニルモノマー単位があることにより、染料との親和性が高くなることで、染色性が向上する。このような共重合樹脂としては、それらの単位となるモノマーを単純に混合して共重合させたものでもよいし、それぞれのモノマーを重合させた後で結合させたブロック共重合体であってもよい。
パーフルオロアルキル基を有するアクリレート単位は、アクリル酸単位にパーフルオロアルキル基が結合した構造のエステル単位でもよいが、パーフルオロアルキル基とアクリル基との間に、ポリアルキレンエーテル鎖を有する、下記化学式(1)のような構造のエステル単位であると、撥水性等の得られる効果がより優れたものとなる。
Figure 2009197386
また、親水性ビニルモノマー単位の例としては、例えばビニルアルコール単位や、アクリル酸エステル単位でエステル部分に親水性基を有するものなどが挙げられる。なお、ビニルアルコール単位を用いる場合には、例えば酢酸ビニルを用いて共重合させた後で、その酢酸ビニル単位を加水分解してビニルアルコール単位とする。
上記の共重合樹脂を上記合成樹脂として含み、上記繊維素材と結合させることによって、パーフルオロアルキル基を有するアクリレート単位が疎水性であるために、上記合成樹脂を結合させた繊維素材の撥水性、撥油性を向上させることができる。またそれとともに、親水性ビニルモノマー単位が存在することによって、撥水性を発揮するにも関わらず、染料との親和性がよくなることで染色性を向上させたり、洗剤を吸収しやすくなるために水中で汚れを落としやすくしたり、吸湿性吸水性を向上させる効果が得られる。なお、この共重合樹脂のそれぞれの構成単位の比率にもよるが、この共重合樹脂により得られる撥水性は高いものではなく、この共重合樹脂だけではJIS L 1092に記載の撥水性試験で1級程度となる。より撥水性を高めて汚れを弾く効果等、その他の効果を得るためには、さらに別の合成樹脂を併用する必要がある。
また、上記の合成樹脂として上記共重合樹脂と併用可能な樹脂は、例えば、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、パーフルオロアルキルアクリレート樹脂が挙げられ、これらを単独で用いてもよいし、複数の樹脂を併用しても良い。
この中でも特に、上記の合成樹脂としてシリコン樹脂を含むと、シリコン樹脂が架橋剤により繊維素材に分子結合することで、耐久柔軟効果が発揮されるので好ましい。特に、綿、有機溶剤紡糸法により得られるセルロース繊維などは、濡れると非常に風合いが剛直になるが、シリコンの柔軟効果により、濡れた場合でも繊維を非常に柔軟にする。この効果が、染色中や洗濯中に本来ならば硬くなる綿素材をより柔軟にして、繊維素材の強度低下、スレアタリを発生しにくくなる。このようなシリコン樹脂としては、アミノシリコン、エポキシシリコン、ジメチルシリコン等が挙げられる。
また、上記合成樹脂がパーフルオロアルキル基を有するアクリレート樹脂を含むと、繊維素材に結合させて得られる後染め用繊維素材の撥水性が向上する効果が高い。このアクリレート樹脂も、パーフルオロアルキル基とアクリル基との間に、ポリアルキレンエーテル鎖を有するものであると、得られる撥水性効果がより優れたものとなる。ただし、上記アクリレート樹脂を有して撥水性を発揮させても、上記共重合樹脂と併用することで、得られる後染め用繊維素材の吸湿性や吸水性を維持することができる。
さらに、上記合成樹脂がウレタン樹脂やポリエステル樹脂を含むと、繊維素材に結合させて得られる後染め用繊維素材の風合いや触感を調整することができる。また、上記合成樹脂が吸水性ポリエステル樹脂を含み、撥水性の向上効果のある樹脂の含有量が無視できる程度であると、得られる後染め用繊維素材の吸水性を向上させることが出来る。その際に、上記共重合樹脂と併用すると、吸水性がありかつ撥油性を有する後染め用繊維素材を得ることができる。
これらの上記合成樹脂を添加することで、繊維素材が有するピリング、フィビリル、引き裂きに対する弱さなど、様々な問題を解決することが出来る。例えば、合成繊維の短繊維ワタを乾燥状態で摩擦すると静電気や物理的力によってワタ球となってしまうピリングを抑制するためには、上記共重合樹脂や上記シリコン樹脂、ポリエステル樹脂を添加するとよい。上記シリコン樹脂は素材を柔らかくして物理的力を緩和し、上記共重合樹脂は素材の公定水分率を上げて静電気発生を弱め、ポリエステル樹脂は静電気発生を抑制することで、ピリングを抑制する作用を発揮する。
また、セルロース繊維が水中で揉まれたり、乾燥状態でも物理的な力によって発生する、非結晶部分が破壊されて微毛化されるフィビリルに対しては、上記シリコン樹脂を添加すると、繊維素材が柔軟化して、非結晶部分の破壊を抑制することができる。
さらに、合成繊維に比べて、綿の細番手やレーヨン、麻などのセルロース系繊維が弱い、対引き裂き試験に対しては、上記と同様に上記シリコン樹脂を加えることで、強くすることができる。
上記樹脂溶液にこれらの合成樹脂を混合して用いる場合の、それぞれの好ましい濃度は以下の通りである。上記共重合樹脂を含む場合は、上記樹脂溶液中のその有効成分は、素材などにもよるが、1重量%以上であると好ましく、2重量%以上であるとより好ましい。1重量%未満であると、この共重合させた樹脂を加えることによる効果がほとんど望めなくなってしまう。この含有量が多いほど、得られる後染め用繊維素材が高い撥油性を発揮する。後述する撥油性を3級程度とするためには、2重量%程度の上記共重合樹脂を含んでいるとよく、撥油性を5級程度とするには4重量%程度の上記共重合樹脂を含んでいるとよい。一方で、6重量%以下であると好ましい。6重量%を超えてもよいが、製造コストが高いものであるので、使用量は少ないことが好ましい。ただし、上記合成樹脂がシリコン樹脂を含む場合には、シリコン樹脂が上記共重合樹脂による効果を阻害するため、上記共重合樹脂が6重量%程度含まれることが好ましい。また、上記合成樹脂がこの共重合樹脂と吸水性ポリエステル樹脂のみである場合には、撥水性を向上させずに撥油性を向上させつつ、かつ吸水性を向上させることができる。
上記合成樹脂がパーフルオロアルキル基を有するアクリレート樹脂を含む場合は、上記樹脂溶液中のその有効成分は、0.2重量%以上であると好ましく、0.8重量%以上であるとより好ましい。0.2重量%未満であると、パーフルオロアルキルアクリレート樹脂を加えることによる効果がほとんど望めなくなってしまう。一方で、4重量%以下であると好ましい。4重量%を超えると、風合いがやや硬くなってしまう。ただし、上記共重合樹脂やシリコン樹脂の量が多い場合は、十分な効果を発揮させるために必要な量が多くなる。この場合は、後述する撥水性を4〜5級とするために、上記アクリレート樹脂を12%程度含むとよく、撥水性が3級程度でよいのであれば、上記アクリレート樹脂を6重量%程度含むとよい。なお、撥水性1級程度であれば、上記アクリレート樹脂を含まなくても、上記共重合樹脂だけで実現できる。
上記合成樹脂がシリコン樹脂を含む場合、その有効成分は0.026重量%以上であると好ましく、0.26重量%以上であるとより好ましい。0.026重量%未満であると、シリコン樹脂を加えることによる効果がほとんど望めなくなってしまう。一方で、4重量%以下であると好ましく、2重量%以下であると好ましい。シリコン樹脂は撥水性や撥油性を低下させるため、4重量%を超えると、上記共重合樹脂などにより発揮される撥水性や撥油性の低下が補完しきれなくなってしまう。
また、これらの合成樹脂を併用する場合、上記樹脂溶液中に含まれる上記合成樹脂の有効成分の合計量は、15重量%以下が好ましく、10重量%以下であるとより好ましい。15重量%を超えると、調合液の安定性が損なわれる可能性があるためである。
上記樹脂溶液を上記繊維素材に付与する際に、そのピックアップ率は、10%以上であると好ましく、40%以上であるとより好ましい。ピックアップ率とは、乾燥された未加工の生地重量に対して、溶液に浸漬された後の生地との重量差の比であり、下記式(1)で表される値である。
ピックアップ率(%)=(浸漬後の生地重量−乾燥生地重量)/乾燥生地重量×100……(1)
この値が10%未満であると、上記樹脂溶液中の上記合成樹脂が、上記繊維素材の中に水を媒体として浸透しにくくなってしまい、その分長い浸透時間が必要になってしまうためである。
また、上記樹脂溶液を上記繊維素材に付与する際に、上記繊維素材に対する上記合成樹脂の付与量は、上記共重合樹脂であれば0.6重量%以上であるとよく、パーフルオロアルキル基を有するアクリレート樹脂であれば1.5重量%以上であるとよく、シリコン樹脂であれば0.4重量%以上であるとよい。これらの値以上であれば、十分に合成樹脂を結合させることによる効果を発揮できる。また、後述する架橋剤を含む場合に、架橋剤としてイソシアネートを含む場合には、上記繊維素材に対して0.3重量%以上付与されていると、十分に反応を行うことができる。
これらの合成樹脂を上記繊維素材の官能基と結合させる方法としては、例えば、上記合成樹脂の官能基と、上記繊維素材の官能基とを、架橋剤で結合させる方法が挙げられる。この架橋剤は、それぞれの官能基と結合可能な反応基を複数有する化合物である必要があり、例えば、イソシアネート基又はウレタン基を有する、芳香族系ブロックイソシアネートや脂肪族系ブロックイソシアネートなどのイソシアネート系化合物が挙げられる。芳香族系ブロックイソシアネートを用いると、架橋温度が低く反応性が高いため好ましいが、白度が若干変化する場合があり、白度が求められる製品については、反応性がやや劣るものの脂肪族系ブロックイソシアネートを用いると好ましい。なお、イソシアネート基ではなくウレタン基を有するイソシアネート系化合物を架橋剤として用いる場合には、ウレタン基部分を熱解離などでイソシアネート基にした上で架橋反応を起こさせるものである必要がある。
このような架橋剤を用いる場合、上記樹脂溶液を上記繊維素材に付与した後、架橋反応を起こさせるための熱処理を行うと好ましい。この熱処理としては、最低限必要な温度は架橋剤の種類により異なるが、140℃以上であると一般に架橋剤が反応しやすいため好ましい。一方で200℃を超えると上記繊維素材が傷んだりするおそれがあるため200℃以下であることが好ましく、180℃以下であるとより好ましい。なお、カルボジイミド、シランカップリング剤を架橋剤として用いると、耐久性が不足してしまう。
また、このような架橋剤を含む場合、上記樹脂溶液中の架橋剤の濃度は、その有効成分が、0.04重量%以上であると好ましい。0.04重量%未満であると上記繊維素材と上記合成樹脂とを十分に結合できず、染色性等を向上させる効果が不十分になってしまうためである。一方で、4重量%以下であると好ましく、0.5重量%以下であるとより好ましい。4重量%を超えると、かえって染色性が低下してしまい、風合いが悪くなることがある。特に上記のイソシアネート系化合物を用いる場合は、1重量%以下であると好ましい。
上記合成樹脂を主成分とし、上記架橋剤等を必要に応じて含む樹脂溶液を上記繊維素材に含ませることで、上記繊維素材の分子と上記合成樹脂の分子とを結合させて、上記繊維素材の染色性を向上させる。なお、主成分とするとは、溶液中の固形分の50重量%以上を占めることをいう。また、溶液の溶媒は特に限定されるものではなく、水を用いることができる。
上記樹脂溶液を上記繊維素材に含ませる方法としては、上記繊維素材の表面だけでなく、内部にまで上記樹脂溶液を染みこませることができる方法を用いると、染色性を高める効果にムラが生じにくくなるため好ましい。
具体的に上記繊維素材に上記樹脂溶液を付与させる際に用いる装置や方法は、上記繊維素材の形状により適切なものを選択する。例えば紡績糸やフィラメント糸では、サイジング機、チーズ加工機、ハンク染色機、カセ加工機、ロープ加工機、スラッシャー加工機などを用いることができる。織物、編物、不織布では、布を広げた状態で拡布加工機(テンター加工機)などを用いて、上記樹脂溶液を浸漬法やコーティング法で付与する方法を用いることができる。ロープ状である場合は、ウインス機、液流染色機、ドラム染色機などで上記樹脂溶液を付与することができる。縫製品の場合は、ドラム染色機、ワッシャー型加工機を用いることができる。このような付与は一回で行っても良いし、二回以上連続して付与してもよい。上記繊維素材によっては様々な生地素材が副資材として使用されているため薬品が均一に浸透するのに時間がかかる場合があるが、二回以上の付与を行うと、そのような上記繊維素材にも十分に浸透させることができる。二回以上行う場合は、上記の付与を連続して行っても良いし、一旦乾燥し熱処理を行ってから再付与してもよい。
これらの装置により上記樹脂溶液を付与させた後、上記繊維素材を乾燥させて水分を飛ばすとともに架橋剤を反応させ、熱処理を行って架橋剤の反応を強固にして、この発明にかかる後染め用繊維素材を得ることができる。
また、上記樹脂溶液を付与させた後で行う乾燥処理の温度は、50℃以上であると好ましく、130℃以上であるとより好ましい。50℃未満では低温すぎて水の蒸発が遅く、乾燥に時間がかかりすぎてしまうためであり、より高温であるほど乾燥させやすい。一方で、200℃以下であると好ましい。200℃を超えると、乾燥の際に上記繊維素材が熱により傷んでしまう可能性があるためである。ただし、これらの最適な温度や、乾燥処理に要する時間は、乾燥機の熱源や熱処理方法の違いにより変化する。また、繊維素材の形状によっても異なり、例えばコーン状の糸、チーズ状の糸、かせ状の糸の場合は、そうでない糸よりも乾燥熱処理時間は長くなる。具体的には、織物や編物の場合、拡布状加工機械を用いて、160℃前後で、1分程度の乾燥時間で行うとよく、チーズ状、コーン状の糸の場合は、140℃前後で10〜30分程度の乾燥時間で行うとよい。
さらに、上記の乾燥処理後に熱処理を行う際の温度は、130℃以上であると好ましく、一方で、200℃以下であると好ましく、180℃以下であるとより好ましい。また、熱処理の時間は、チーズ状、コーン状の糸である繊維素材であれば10分以上1時間以下が好ましく、織物、編物などの拡布状の繊維素材であれば、20秒以上2分以下であると好ましい。
このようにして後染め可能としたこの発明にかかる後染め用繊維素材は、結合した上記合成樹脂の分子によって染色性を阻害することなく均一な染色を可能とし、かつ十分な染色濃度を保つことができる。また、合成樹脂が上記繊維素材と一体化しているため、上記繊維素材の物理的な強度低下を抑制するとともに、撥水性や發油性などの効果を発揮する。
上記合成樹脂を単に含浸させただけでは、洗濯や染色の際に繊維素材から脱落してしまい、それぞれの上記合成樹脂により発揮される効果が洗濯や脱色の後には発揮されない、又は著しく低減してしまうという問題点があったが、上記合成樹脂が上記繊維素材と結合することにより、上記合成樹脂が洗濯、染色中でも脱落せず、その後も効果を発揮し続けることができる。
上記合成樹脂に含まれる上記共重合樹脂が、上記繊維素材と結合することにより、洗濯、染色中後でも、十分な發油性を発揮する。また、上記合成樹脂として上記のパーフルオロアルキル基を有する上記アクリレート樹脂が上記繊維素材と結合することにより、洗濯、染色後も十分な撥水性を発揮する。
さらに、上記合成樹脂としてシリコン樹脂を用いた場合には、シリコン樹脂により得られる上記繊維素材の風合いを柔らかにする効果が、洗濯、染色中でも脱落せず、水に浸漬した浴中では乾燥状態よりも上記繊維素材を柔らかくすることができる。これにより上記繊維素材の強度低下やスレアタリを防ぐことができる。この効果は特に、上記繊維素材が濡れると非常に硬くなるセルロース素材である場合に好適に発揮される。
この発明にかかる後染め用繊維素材は、撥水性、撥油性が高く、また、表面張力をポリエステルよりも小さくすることができるため、単に染色性に優れるだけではなく、透湿性が高かったり、油汚れにも強い繊維素材として用いることができる。
具体的には、この発明にかかる後染め用繊維素材は、JIS L 1092に記載の撥水性試験による結果が撥水性2級以上とすることができ、この値を達成する物であると好ましい。1級であると撥水性が不十分であり、十分な撥水性を確保するためには従来行われているように、製品を染めた後で乾燥してから撥水スプレー等により撥水加工を行う必要がある。しかもその場合は撥水性の耐久性がなく、風合いが硬くなり、上記繊維素材がポリエステルなどの合成繊維である場合には摩擦堅牢度が低下するという問題を生じてしまう。なお、等級は最大で5級であり、上記繊維素材がコートである場合以外では4級以上を要求されることは希であるが、5級であってもよい。撥水性が4級又は5級の製品は、使用する薬品の濃度比率を調整することで達成可能である。なお、この発明にかかる後染め用繊維素材は、上記の撥水性を達成しても、染色性に問題を生じない。
また、この発明にかかる後染め用繊維素材は、AATCC(American Association of Textile Chemists and Colorists、アメリカ繊維化学者・色彩技術者協会を示す。)118−2002に記載の撥油性試験の結果が撥油性1級(表面張力32dyne/cm以下に相当する。)以上とすることができ、この値を達成するものであると好ましく、2級以上であるとより好ましく、3級以上であるとより好ましい。1級ですらないと撥油性が不十分であり、1級に相当する人間の汗油に含まれるオレイン酸が付着してしまうためである。3級(27.3dyne/cm以下に相当する。)を満たすと、n−ヘキサデカン程度の油汚れであれば防止できるのでより好ましい。なお、この発明にかかる後染め用繊維素材は、上記の撥油性を達成しても染色性に問題を生じない。なお、等級は最大で8級であるが、シリコン樹脂の表面張力は24dyne/cmでフッ素樹脂の表面張力が10dyne/cmであるので、これらを併用して使用する場合には、撥油性8級(19.8dyne/cm)を実現することが現実的に難しくなるため、実際には7級以下であるのが現実的である。
さらに、この発明にかかる後染め用繊維素材は、一般的な作成手順によれば表面張力を32dyne/cm以下とすることができる。この値は通常のポリエステル繊維よりも小さく、ほとんどの油よりも小さい値であるので、ほとんどの油汚れはこの発明にかかる後染め用繊維素材の内部に浸透することなく、容易に拭き取ることができる。また、この表面張力は小さいほど好ましい。なお、本発明における結合を行っていない通常のポリエステルの表面張力は45dyne/cm、ナイロンは60dyne/cmであり、これに対して、水の表面張力は70dyne/cmである。
さらにまた、この発明にかかる後染め用繊維素材は、JIS L 1099A−1に記載の透湿性試験における結果を、加工を行わない繊維素材より向上させることができる。透湿性は染色性とは直接の関係は無いが、透湿性が良好であると得られる後染め用繊維素材を衣服等に用いた際に、汗などを吸収する有益な効果を発揮する。なお、このような良好な透湿性は、上記の撥水性が高くても成立する。吸湿性の対象となる水蒸気は、撥水性の対象となる液体の水よりも小さなものであり、これらは異なる挙動を示すためである。従来の撥水加工を染色後に行うと、撥水加工されていない生地よりも透湿性は低下するが、この発明では逆に透湿性を向上させることができる。
一方、この発明にかかる後染め用繊維素材は、付与する合成樹脂として上記共重合樹脂や吸水性ポリエステル樹脂のみを選択することで、後染め用繊維素材の吸水性を向上することもできる。
上記合成樹脂として、パーフルオロアルキル基を有するアクリレート樹脂や上記共重合樹脂が存在すると、上記のように撥油性を向上させる効果が特に高い。また、上記共重合樹脂は、表面張力では上記アクリレート樹脂よりも劣るものの、乾燥状態では親水性であるため油分を弾く効果が高い。さらに、上記共重合樹脂は、染色中や洗濯中などの水中では、親水性であるため洗濯効果を向上させて汚れが落としやすく、また、染色中では染料の吸着性を向上させる効果を有し、吸湿性を高める効果も発揮する。一方、上記アクリレート樹脂は親水基を持たないため、撥水性を向上させる効果が高い。
この発明にかかる後染め用繊維素材では、上記の撥水性と撥油性の値の少なくとも一方を容易に達成することができ、特に、上記アクリレート樹脂や、上記共重合樹脂の含有量を調製することで、どちらの値も容易に満たすことが可能である。すなわち、上記アクリレート樹脂により撥水性を向上させるとともに、上記共重合樹脂によって透湿性を高めることができる。これらの合成樹脂を共に繊維素材に結合させることによって、例えば、雨水などを弾くことができる一方で、内部の汗による湿気を外に出すことができる衣服などが実現可能となる。
この発明にかかる後染め用繊維素材を染色する際には、上記繊維素材の形状に応じて、それらに適した任意の条件下で処理を行うことができ、特に染色手段を限定されるものではない。具体的には、染料としては分散性染料、酸性染料、反応性染料、直接性染料、建染め染料、塩基性染料など、任意のものを用いることができる。
また、染色方法としては、浸染、コールドパッチ染色などの任意の方法を用いることができる。上記繊維素材が紡績糸、フィラメント糸の場合は、カセ加工機、チーズ加工機、ロープ加工機、スラッシャー加工機などを用いるとよく、織物、編物、不織布等の布状の素材は、液流染色機、コールドパッチ染色機などを用いるとよい。また、上記繊維素材がポリエステル以外の編物生地の場合は、ウインスを用いるとよく、織物や不織布の染色ではジッカー染色機やパッヂバッチ染色機を用いるとよい。また、縫製後の繊維素材を染色する場合には、ドラム染色機を用いたり、常圧ワッシャー、高圧ワッシャーなどの張力がかかり難い浸染用の染色機を用いたりすると、縫製した製品の形状が傷みにくいため好ましい。
この発明にかかる後染め用繊維素材に後染めを行った染色後繊維素材は、後染め後に十分に乾燥させて行った、JIS L 1092に記載の撥水性試験の結果が、1級以上かつ5級以下の状態を染色後も維持できるものであると好ましい。染色後の撥水性が高いということは、その染色中に上記合成樹脂が脱落しておらず、分子間結合によって上記繊維素材と強固に一体となっており、耐久性が高いことを示すためである。このような値を実現できると、染色後にて従来施行されているような、スプレーによる撥水剤付与は要らなくなり、製品として高品質な、パンツ、ジャケット、コート、カーシート、インテリア素材に適することになる。
また、上記染色後繊維素材は、AATCC118−2002に記載の撥油性試験の結果が、2級以上であると好ましく、3級以上であるとより好ましい。1級以下であると、撥油性が不足してしまい、油汚れに対して極端に弱くなってしまう。なお、その基準は、撥油性2級は表面張力29.6dyne/cmで汗油(オレイン酸)の32dyne/cmより小さいので、2級以上の撥油性は最低必要となるためであり。3級以上であれば(27.3dyne/cm)大体の油性汚れに対し有効となるためである。一方で、7級以下であると好ましい。上記と同様に、撥油性の限界のため8級は困難である。
さらに、上記染色後繊維素材が織物、編物、不織布やそれらの複合素材からなる布状のものである場合には、表面張力が31.5dyne/cm以下であると好ましく、29.6dyne/cm以下であるとより好ましい。31.5dyne/cmを超えると、汗油の成分であるオレイン酸が付着しやすくなるためである。この値は、従来の綿、ポリエステル、ナイロンなどの繊維を加工せずにそのまま染色した際の表面張力よりも小さいために、染色後繊維素材に薬品による加工を行う際には、従来よりも薬品の使用量を削減しても、同等の加工効果を得ることができる。一方で、表面張力は撥油性7級以下であるので、21.4dyne/cm以上であると好ましい。
なお、これらの撥水性、撥油性、表面張力の値は、この発明にかかる後染め用繊維素材を用いて通常の染色を行うと、容易に達成可能な値であり、いずれの値も満たしているとより好ましい。特に上記合成樹脂として、パーフルオロアルキル基を有するアクリレート樹脂や、パーフルオロアルキル基を有するアクリレート単位と親水性ビニルモノマー単位とを有する共重合樹脂を用いた場合には、表面張力を29.6dyne/cm以下にすることが容易にできる。これらのようなフッ素含有樹脂は、フィルム状であると表面張力は10dyne/cm程度となり、非常に速い撥油性を発揮するが、上記繊維素材と分子間結合した場合はそこまでの値とはならない。その分、親水性ビニルモノマーと共重合して、水溶性である性質により油成分を弾いて撥油性を高める効果を発揮させるとよい。なお、親水性ビニルモノマーを単独重合しても得られる樹脂の撥水性が1級程度にしかならないため、パーフルオロアルキル基を有するアクリレートとの共重合樹脂を用いると、これらの効果が相互に補完できて好ましい樹脂となる。
上記染色後繊維素材について、JIS L 0217 103に記載の方法により、洗濯を30回行った後の上記撥水性は1級以上、5級以下であると好ましい。すなわち、洗濯を行っても撥水性の低下を抑制できると好ましい。同様の理由により、洗濯を30回行った後の上記撥油性は、2級以上、かつ7級以下であると好ましい。
なお、この発明にかかる後染め用繊維素材は、そのままでも撥水性、撥油性に優れているが、後染めを行った後にさらに撥水、撥油、堅牢度向上、制菌、制電、消臭などの加工などを行ってもよい。これらの加工時においても、上記合成樹脂と一体化しているために、繊維が傷みにくく、かつ上記の撥水性、撥油性、表面張力等の性質を保持しやすい。すなわち、上記の染色後繊維素材の洗濯前における撥水性、撥油性、表面張力の値を満たすと好ましい。
このように、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、又はウレタン基の少なくともいずれかを含有する繊維素材に対して、その繊維素材の前記官能基と反応して前記繊維素材の染色性を向上させる合成樹脂を主成分とする樹脂溶液を含ませる処理加工を行うことで、洗濯後も繊維素材の撥水性、撥油性、表面張力が上記の条件を満たし、かつ、染色性が高く、洗濯耐久性も高い後染め用繊維素材を製造することができる。
以下、この発明を、実施例を挙げてより具体的に説明する。まず、以下の実施例中で行う試験方法について説明する。
・撥水性試験……JIS L 1092に記載のスプレー法により行う。
・撥油性試験……AATCC 118−2002に記載の方法により行う。
・ウール混紡率試験……JIS L 1030に記載の5%水酸化ナトリウム法において、100℃環境、15分の条件で行う。
・染色濃度試験……K/S測定、光源D65、反射率Rである(株)ミノルタ製分光測色計:SPECTRO PHOTOMETER CM−3700dを用いて、(1−R)/2R=絶対値として、(絶対値A)/(絶対値St)×100=K/Sを計算して算出した。
・摩擦堅牢度試験……JIS L 0849に記載の方法により行った。
・洗濯耐久性試験……JIS L 0217 103に記載の方法により行った。
・引裂き試験……JIS L 1096 生地の強度を測定する目的でベンジュラム法により行った。
・透湿性試験……JIS L 1099A−1に記載の塩化カルシウム法により行う。
・吸水性試験……JIS L 1096に記載の水滴滴下法により行う。
次に、用いる薬品について説明する。
<合成樹脂>
・パーフルオロアルキル基を有するアクリレート樹脂(合名会社マキロ製:SM−Cube HS、固形分20%)
・パーフルオロアルキル基を有するアクリレート単位と親水性ビニルモノマー単位を有する共重合樹脂(合名会社マキロ製:SM−Cube SS、固形分20%)
・シリコン樹脂(アミノシリコン、合名会社マキロ製:SM−Cube JN、固形分26%)
・シリコン樹脂(ジメチルシリコン、合名会社マキロ製:SM−Cube JN−DM、固形分38%)
・シリコン樹脂(エポキシシリコン、合名会社マキロ製:SM−Cube JN−EP、固形分36%)
・ポリエステル樹脂(日華化学(株)製:ナイスポールPR−99、固形分10%)
・ポリエステル樹脂(明成化学工業(株)製:メイカフィニッシュSRM−65)
・ポリウレタン樹脂(日華化学(株)製:エバファノールHA−107C、固形分40%)
<架橋剤>
・芳香族系ブロックイソシアネート(合名会社マキロ製:SM−Cube KK、固形分40%)
・脂肪族系イソシアネート(合名会社マキロ製:SM−Cube KL、固形分35%)
<加工処理剤>
・フィックス処理剤(日華化学(株)製:ネオフィックスR800)
・リン系有機酸(日華化学(株)製:ネオプロトンATO)
・酵素(洛東化成(株)製:PAS600)
・精練剤(日華化学(株)製:ピッチランL−160)
・過酸化水素(濃度35重量%)
・水酸化ナトリウム(濃度48重量%)
・劣化防止剤(日華化学(株)製:クロークスCW−1)
・安定剤(日華化学(株)製:ネオレートPLC−7000)
・浸透剤(日華化学(株)製:サンモールBH−75)
・酸化糊抜き剤(洛東化成(株)製:ラクトーゲンLS)
・キレート剤(日華化学(株)製:HNC−100)
(実施例1)
繊維素材として、大和紡績(株)製:綿100%織物(タテ糸60双糸、ヨコ糸60双糸、ツイル織ベンタイル)に対し、精練・糊抜き・漂白を施した後、水酸化ナトリウムにてシルケット加工を行った。
ここでは酸化糊抜き精練として精練及び糊抜きと、漂白とを連続的に行った。装置としては山東鉄工(株)製:連続毛焼き洗練漂白乾燥機を使用した。酸化糊抜き精練にあたっては、以下のような成分の混合水溶液に生地を連続浸漬し、反応塔にて98℃の環境で30分間スチーミングした。
・酸化糊抜き剤:ラクトーゲンLS……20g/L
・水酸化ナトリウム水溶液(48重量%)……40g/L
・精練剤:ピッチランL−160……3g/L
・キレート剤:HNC−100……2g/L
また、漂白に当たっては以下のような成分の混合液に生地を連続浸漬し、反応塔にて98℃の環境で40分間スチーミングし、その後連続水洗し、乾燥を行った。
・過酸化水素……20g/L
・精練剤:ピッチランL−160……3g/L
・安定剤:ネオレートPLC−7000……5g/L
・キレート剤:HNC−100……2g/L
・水酸化ナトリウム……pH11〜12となるように投下
次に、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、浴温度20〜30℃を維持した状態で、比重濃度24Beでシルケット加工を行った。
さらに次に下記の構成からなる樹脂溶液を調製し、シルケット加工後の生地に付与した。
・SM−Cube HS……10重量部
・SM−Cube SS……4重量部
・SM−Cube JN……2重量部
・SM−Cube KK……1重量部
・水……83重量部
この樹脂溶液の付与にはケミカルマングル付きテンター(京都機械(株)製:樹脂テンター)にてPad−Dry方式で行った。この際の樹脂溶液のピックアップ率は65%で繊維素材に付与された。付与後を130℃の環境で1分かけて乾燥した後、ベーキング機(京都機械(株)製:樹脂加工機)にて160℃、40秒の熱処理を行った。こうして得られた後染め用繊維素材を表地としてレインコートを縫製し、後染め用繊維素材からなる縫製品を得た。
次に、この縫製品をワッシャータイプ常圧型染色機((有)河合鉄工所製:常圧染色機)により、染料として住友化学(株)製:Sumifix HF Yellow 3R,Red 4B,Blue 3R,Remazol Black B(ダイスター社製)を染める色に合わせた量を選択混合して用いて、80℃の環境で1時間かけて染色し、80℃の環境で30分かけて洗浄を行い、フィックス処理剤を濃度1%owfで40℃の環境で20分間かけてフィックス処理を行い、脱水後タンブラー乾燥機にて乾燥した。
染色されたレインコートは染色性も良く、スレアタリもなく、自然なシボ感のあるものであった。このレインコートの染色前と染色後、及び50回の洗濯後に行った、撥水性と撥油性の試験結果を表1に示す。
Figure 2009197386
このような染色を、上記の染料の混合率を変えて全10色について行い、合計300着の着色レインコートを得た。これらはいずれも染色後に撥水スプレーなどの後加工を行うことなく、市場に供給可能な撥水性を有していた。また、この300着の内訳は、縫製パターン3種類、サイズは5種類計15種類があり、染色指定色は10色あり、いずれもバイオーダーにて、週単位にて染色加工依頼があったが、縫製会社から縫製品到着後、染色に費やした日数は2日間にて納入できた。
これら10色のレインコートについて、染色濃度を分光測色計により測定し、K/S値を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 2009197386
(比較例1)
実施例1において、樹脂溶液を付与せず、乾燥、熱処理をしないこと以外は実施例1と同様の手順により、10色のレインコートを得て、同様に染色濃度を測定し、K/S値を求めた。その結果を表2に示す。いずれの色においても、樹脂溶液を付与した後染め用繊維素材の方が、染色濃度が高くなった。
(実施例2)
繊維素材として、綿ストレッチ織物(タテ綿100双、ヨコ綿16+ポリウレタン70D)を用い、実施例1と同様の手順で精練、糊抜き、漂白、シルケット加工を行い、下記の混合比である樹脂溶液を繊維素材に付与した。
・SM−Cube HS……6重量部
・SM−Cube SS……4重量部
・SM−Cube JN……2重量部
・SM−Cube KK……1重量部
・水……87重量部
この樹脂溶液の付与には、ケミカルマングル付きテンターを用い、ピックアップ率62%で繊維素材に付与された。これを130℃の環境で1分かけて乾燥した後、ベーキング機にて155℃、60秒の熱処理を行った。こうして得られた後染め用繊維素材を用いて、婦人用レインコートを縫製し、後染め用繊維素材からなる縫製品を得た。
このような婦人用レインコート2000着分について、実施例1と同様の条件でカーキとベージュの2色に染色したところ、6日間で作業が完了した。いずれも色むら、色ぶれ、繊維の損傷は見られなかった。このレインコートの染色前と染色後、及び50回の洗濯後に行った、撥水性、撥油性の試験結果を表3に示す。なお、表中「2/3級」とは、2級と3級の中間の値であることを示し、以下、同様の表記を用いる。
Figure 2009197386
(実施例3)
繊維素材として麻100%織物(タテリネン1/20、ヨコリネン1/20、100本×80本、平織り、イタリア製)を用いて、実施例1と同様に精練、糊抜き、漂白、シルケット加工を行った後、下記の混合比である樹脂溶液を実施例1と同様にケミカルマングル付きテンターを用いて繊維素材に付与した。
・SM−Cube HS……6重量部
・SM−Cube SS……4重量部
・SM−Cube JN……2重量部
・SM−Cube KK……0.75重量部
・水……87.25重量部
付与後に、実施例1と同様の条件で乾燥、熱処理を行い、得られた後染め用繊維素材を縫製してジャケットを作成した。縫製後、実施例1と同様の条件で染色を施し、フィックス処理を行った。このジャケットの染色前と染色後、及び50回の洗濯後に行った、撥水性と撥油性の試験結果を表4に示す。
Figure 2009197386
(実施例4)
繊維素材として、テンセル(有機溶剤紡糸法により得られるセルロース繊維)100%織物(タテテンセル20、ヨコテンセル20、110本×70本、村松産業(株)製)を用いて、Pad−Steamer方式にて酵素糊抜き、精練後、コールドバッチ法にて過酸化水素にて漂白を行った。
酵素糊抜き、精練にあたっては、具体的には、リン系有機酸としてネオプロトンATOを40g/L、酵素としてPAS600を60g/L有する混合水溶液により、山東鉄工(株)製:水洗・乾燥機付きPad−Streamer機により、100℃の環境で60秒かけて処理を行った。また、コールドバッチ法は、具体的には、下記の組成からなる混合水溶液を用いて、自家製コールドバッチ装置にて、巻き上げ常温環境で8時間かけて処理をし、その後水洗、乾燥を行った。
・過酸化水素……15g/L
・水酸化ナトリウム……5g/L
・安定剤:ネオレートPLC−7000……2g/L
・精練剤:ピッチランL−160……2g/L
その後、実施例3と同様の樹脂溶液を、同様の方法で付与し、乾燥、熱処理を行った。
その後、(株)日阪製作所製高圧液流染色機にて、85℃の条件で60分間かけて、Remazol Black B Liquid染料(ダイスター社製)を用いて濃度35%owfで染色を行った。染色後、60℃の条件で20分間かけて洗浄を行い、実施例1と同様にフィックス処理を行った。染色後乾燥された生地はスレアタリ、白化、シワの発生がなく、従来のテンセルにないきれいな表面感、手持ち感であった。
得られた生地について、50回の洗濯試験を行ったが、糸のフィブリル化は殆ど発生せず、上質の表面を維持していた。また、染色前と染色後、及び50回の洗濯後における、撥水性、撥油性の試験結果を表5に示す。
Figure 2009197386
また、洗濯試験での色落ち、白化を評価するため、得られた生地の染色濃度を実施例1と同様に測定してK/S値を求めた。その結果を表6に示す。洗濯後もK/S値は低下せず、色合いを維持することができた。
Figure 2009197386
(比較例2)
実施例4において、樹脂溶液を付与しないこと以外は同様の条件で染色した生地について、同様にK/S値を求めた。その結果を表6に示す。実施例4と違って、洗濯後に洗濯前と比べて著しい色合いの低下が見られた。
(実施例5)
繊維素材として、綿/ウール交織(タテ綿40、ヨコウール20、65本×45本 カルゼ、中国製生地)に対し、下記の条件で糊抜き・精練、漂白を順に行った。
<糊抜き・精練>
・A−860(リン系有機酸)……4重量部
・サンモールBH−75(浸透剤)……2重量部
・PAS600(酵素)……10重量部
・ピッチランL−160(精練剤)……4重量部
上記の条件でPad−Steamer法にて60秒間かけて処理した。
<漂白>
・過酸化水素(35%)……10重量部
・苛性ソーダ(48%)……2重量部
・クロークスCW−1(劣化防止剤)……1重量部
・ネオレートPLC−7000(安定剤)……1重量部
・サンモールBH−75(浸透剤)……2重量部
・ラクトーゲンLS(酸化糊抜き剤)……2重量部
上記の内容で、コールドブリーチ法にて常温環境で6時間かけ処理し、その後水洗、乾燥を行った。
上記の処理後、実施例3と同様の樹脂溶液を用い、同様の条件で繊維素材に付与し、乾燥、熱処理を行った。得られた後染め用繊維素材である生地に、実施例4と同様の染色を行った。乾燥後には、綿糸とウール糸の両方ともが反応性染料により同色に染色され、酸性染料によるシェーディング処理は不要であった。
この得られた生地について、染色前と染色後、及び30回洗濯後における、撥水性及び撥油性の試験結果を表7に示す。
Figure 2009197386
また、上記の生地を得るまでの過程において、元の生地、糊抜き精練の後、漂白した後、樹脂溶液を付与しベーキングした後、染色後、30回の洗濯後のそれぞれの状況で、ウールの損傷率を測定し、ウール混紡率(%)に換算した値を表8に示す。染色後、及び洗濯後でもウール混紡率の低下はほとんど見られず、繊維の損傷を防いでいることがわかった。
Figure 2009197386
(実施例6)
上記繊維素材として、それぞれ糸番手が10/1、20/1、40/1、60/2である綿100%生糸(中国製又はタイ製)を用い、これらそれぞれに、カキノキ(株)製:KHSユニバーサルサイザ機にて下記の組成からなる樹脂溶液を付与した。なお、サイザ機の糸速度は260m/分で、樹脂溶液の糸へのピックアップ率は45−55%であった。
・SM−Cube HS……6重量部
・SM−Cube SS……4重量部
・SM−Cube JN……2重量部
・SM−Cube KK……1重量部
・水……87重量部
樹脂溶液を付与した後、糸をサイザ機に併設されている乾燥機にて乾燥後、スチームセット機(日空工業(株)製:SBR−8)にて130℃の条件で40分間かけて熱処理を行った。得られた4種類の糸をそれぞれチーズに巻き替え、チーズ染色機(日阪製作所(株)製)にて精練、漂白後、染色を行った。
精練は、濃度2g/Lの浸透剤を用いて、浴比1:20、80℃の環境で20分かけて行った。また漂白は、下記の成分比である混合水溶液により、浴比1:20,90℃の環境で40分かけて行った。
・過酸化水素……50g/L
・水酸化ナトリウム……20g/L
・安定剤:ネオレートPLC−7000……4g/L
・精練剤:ピッチランL−160……2g/L
染色の際の染料はCiba社製Cibacron Yellow LS−R、Red LS−B、Blue LS−3R をそれぞれ1.5%owf、0.6%owf、0.4%owfの濃度で配合して、浴比1:15、染色温度85℃にて1時間かけて染色を行った。
染色後、80℃の水により40分間かけてソーピングを行い、フィックス処理液を濃度2%owfで40℃の条件で20分間かけてフィックス処理を行い、脱水後乾燥をした。以上により得られたそれぞれの糸の染色後の撥水性、撥油性を測定した結果を表9に示す。
Figure 2009197386
(比較例3)
実施例6において、樹脂溶液の付与、及びその後の乾燥と熱処理を行わないこと以外は同様に染色した4種類の糸について、実施例6と同様に撥水性、撥油性の試験を行った。その結果を表9に示す。
(実施例7)
実施例6で得られた、樹脂溶液を付与し、乾燥、熱処理した4種類の糸をそれぞれ用いて、編み立て機(福原(株)製:丸編み機)により連続編み加工を行い、液流染色機(日阪製作所(株)製:Circuler機)により、下記の成分比である混合水溶液により精練、漂白を行った。
・過酸化水素……50g/L
・水酸化ナトリウム……20g/L
・安定剤:ネオレートPLC−7000……4g/L
・精練剤:ピッチランL−160……2g/L
その後、同じ液流染色機により、Cibacron Black LS−N染料(Ciba社製)を用いて、濃度8%owf、染色条件は浴比1:15、染色温度85℃にて1時間染色を行った。
その後ソーピングを行い、ネオフィックスR−800を濃度2%owf、40℃の条件で20分間かけてフィックス処理を行った。乾燥後、染色された編地の撥水性、撥油性を求め表10に記した。また、測色してK/S値を求めた結果も表10に示す。
Figure 2009197386
(比較例4)
実施例7において、樹脂溶液を付与していない4種類の糸をそれぞれ用いて、同様の手順により編地を得て、実施例7と同様に撥水性、撥油性、K/S値を求めた。その結果を表10に示す。いずれの糸番手でも、樹脂溶液を付与していない糸を用いた比較例4よりも、樹脂溶液を付与した糸を用いた実施例7の方が、染色濃度が向上した。
(実施例8)
繊維素材としてポリエステル編み生地(70D、(株)東レ製)を用い、炭酸ナトリウムが2g/L、かつ精練剤が2g/Lである混合水溶液により、(株)日阪製作所製液流染色機を用いて、浴比1:15、80℃の環境で20分かけて精練を行い、その後乾燥した。
精練の後、下記の組成からなる樹脂溶液を生地に付与した。
・SM−Cube HS……6重量部
・SM−Cube SS……4重量部
・SM−Cube JN……2重量部
・SM−Cube KK……1重量部
・水……87重量部
樹脂溶液の付与にはニット用ケミカルマングル付きピンテンター(京都機械(株)製)を用い、Pad−Dry−Bake法にて行った。樹脂溶液のピックアップ率は48%で、ベーキングは160℃の条件で60秒間かけて行った。こうして作られた後染め用繊維素材である後染め用ポリエステル編み生地を、(株)日阪製作所製:高圧液流染色機を用いて、浴比1:20、130℃の条件で50分間かけて染色を行い、その後80℃の条件で20分間かけて還元洗浄を施した。染料は、紀和化学工業(株)製:KP Black BRN−SF 200を濃度7.5%owfで使用した。染色後、K/S値、撥水性、撥油性、乾湿摩擦堅牢度(JIS L−0849 IITypeによる。)を測定した。その結果を表11に示す。
Figure 2009197386
(比較例5)
実施例8において、樹脂溶液を付与せず、乾燥、ベーキングを行わないこと以外は実施例8と同様の手順により、染色した生地を得た。同様に測定に測定を行った結果を表11に示す。
(結果)
実施例8の樹脂溶液による加工は、ポリエステルの高圧染色条件でも繊維素材から剥がれることなく、高い染色性を発揮させることができた。また、樹脂溶液を付与しなかった比較例5に比べて、付与した実施例8は染色後でも高い撥水性と撥油性を発揮し、摩擦堅牢度も、染色後に別途撥水加工等を行う場合に比べて低下を抑制でき、撥油性が特に高く油汚れに強いポリエステル素材となった。
(実施例9)
繊維素材として、中国製綿100%織物(タテ綿60、ヨコ綿60、サテン)に対し、実施例1と同様の手順で精練、糊抜き、漂白、シルケット加工を行い、下記の混合比である樹脂溶液を繊維素材に付与した。
・エバファノール HA107 C……5重量部
・SM−Cube KK……1重量部
・SM−Cube JN−DM……4重量部
・水……90重量部
この樹脂溶液の付与には、ケミカルマングル付きテンター(実施例1と同じ。)を用い、ピックアップ率60%で繊維素材に付与された。これを120℃の環境で1分かけて乾燥した後、下記の混合比である樹脂溶液を繊維素材に付与した。
・SM−Cube HS……6重量部
・SM−Cube SS……4重量部
・SM−Cube KK……1重量部
・水……89重量部
この樹脂溶液の付与には、ケミカルマングル付きテンター(同上)を用い、ピックアップ率55%で繊維素材に付与された。これを120℃の環境で1分かけて乾燥した後、ベーキング機(実施例1と同じ。)にて160℃、60秒の熱処理を行った。
こうして得られた後染め用繊維素材を(株)日阪製作所製、液流染色機にて、65℃の条件で60分間かけて、Remazol Black B Liquid染料(ダイスター社製)を用いて濃度25%owfで染色を行った。
染色後、60℃の条件で20分かけて洗浄を行い、実施例1と同様にフィックス処理後乾燥を行った。この得られた生地について、染色前、染色後、及び50回洗濯後における撥水性、撥油性の試験結果を表12に示す。得られた繊維素材を染色した繊維素材はウレタン樹脂独特の風合いを維持したものとなった。
Figure 2009197386
(比較例6)
実施例9において、繊維素材に樹脂溶液を付与しなかったものについて、同様の測定を行った結果を表12に示す。この比較例6と比べて、実施例9は、染色性が低下せず、撥水性、撥油性が高いものであることがわかった。
(実施例10)
繊維素材として、綿100%織物(タテ綿80、ヨコ綿80、200本x170本ツイル)を用い実施例1と同様な手順で精練、糊抜き、漂白、シルケット加工を行い、下記の混合比でなる樹脂溶液を繊維素材に付与した。
・SM−Cube HS……6重量部
・SM−Cube SS……4重量部
・SM−Cube JN−EP……3重量部
・SM−Cube KK……1重量部
・水……86重量部
この樹脂溶液の付与は、実施例9と同様の手順及び装置により行った。続いて、得られた後染め用繊維素材である生地に、実施例9と同様の染色を行った。染色された繊維素材は風合いが柔軟で、スレアタリがなく、均一な染色がなされていた。この得られた生地について、染色前、染色後の撥水性、撥油性及び生地強度を引裂き試験にて測定した試験結果を表13に示す。
Figure 2009197386
(比較例7)
実施例10において、繊維素材に樹脂溶液を付与しなかったものについて、同様の測定を行った結果を表13に示す。この比較例7と比べて、実施例10の繊維素材は、染色前、及び染色後のどちらも引裂き強度が大きく改善された。
(実施例11)
繊維素材として、綿100%織物(タテ綿50、ヨコ綿40,120本x110本平織物)を用い、実施例1と同様な手順で精練、糊抜き、漂白、シルケット加工を行い、下記混合比である樹脂溶液を繊維素材に付与した。
・ナイスポールPR−99……5重量部
・SM−Cube JN−DM……3重量部
・SM−Cube KK……1重量部
・水……91重量部
この樹脂溶液の付与には、ケミカルマングル付きテンターを用い、ピックアップ率65%で繊維素材に付与された。これを120℃の環境で1分かけて乾燥した。その後下記混合比からなる樹脂溶液を繊維素材に付与した。
・SM−Cube HS……6重量部
・SM−Cube SS……4重量部
・SM−Cube KK……1重量部
・水……89重量部
この樹脂溶液の付与は、実施例9と同様の手順及び装置により行った。続いて、得られた後染め用繊維素材に、実施例9と同様な染色を行った。染色乾燥された繊維素材は、染色性が良好で、かつスレアタリがなく、ポリエステル樹脂独特の風合いが保たれており、撥水性、撥油性も良好であった。更に生地の強度低下もなかった。この得られた生地について染色前、染色後の撥水性、撥油性、及び生地強度を測定した結果を表14に示す。
Figure 2009197386
(比較例8)
実施例11において、繊維素材に樹脂溶液を付与しなかったものについて、同様の測定を行った結果を表14に示す。この比較例8と比べて、実施例11の繊維素材は、染色前、及び染色後のどちらにおいても、引裂き強度が大きく改善された。
(実施例12)
繊維素材として、ジアセテート100%織物(タテジアセ30、ヨコジアセ30、平織物、帝人(株)製)を用い、実施例4と同様の手順でPad−Steamer方式で精練を行い、下記混合比である樹脂溶液を繊維素材に付与した。
・SM−Cube HS……6重量部
・SM−Cube SS……3重量部
・SM−Cube JN……2重量部
・SM−Cube KK……1重量部
・水……88重量部
この樹脂溶液の付与は、実施例9と同様の手順及び装置により行った。続いて、得られた後染め用繊維素材である生地を、(株)日阪製作所製液流染色着にて、80℃の条件で60分かけて、pHを4.5に設定して、ダイスター社製:Disperse Black Zを用いて濃度8%owfで染色した。この得られた生地について、染色前及び染色後の撥水性及び撥油性と、K/S値とを測定した試験結果を表15に示す。なお、K/S値は下記の比較例9の値を100とした相対値で示す。
Figure 2009197386
(比較例9)
実施例12において、繊維素材に樹脂溶液を付与しなかったものについて、同様の測定を行った結果を表15に示す。この比較例9と比べて、実施例12の繊維素材は、K/S値は僅かに小さいものの、染色前及び染色後のどちらにおいても撥水性、撥油性が高いものとなった。
(実施例13)
繊維素材として、脂肪族ポリアミド系繊維である6−Nylon100%編み物(70D、中国製)を用い、(株)辻井製作所製:Pad−Dryer試験機で下記混合比である樹脂溶液を繊維素材に付与した。
・SM−Cube HS……6重量部
・SM−Cube SS……4重量部
・SM−Cube JN……2重量部
・SM−Cube KK……1重量部
・水……87重量部
ピックアップ率は58%で、120℃の環境で60秒間かけて乾燥を行った。次に、(株)島津製作所製ベーキング試験機を用いて、170℃の環境で45秒かけてベーキングを行った。得られた後染め用繊維素材である、後染め用ナイロン編生地を、テキサム社製試験染色機を用い、浴比1:15、100℃の条件で50分かけて染色を行った。染料はErionyl Black AM−R(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)を濃度5%owfで使用した。この得られた生地について、染色前及び染色後の撥水性及び撥油性と、K/S値とを測定した試験結果を表16に示す。なお、K/S値は下記の比較例10を100とした相対値で示す。
Figure 2009197386
(比較例10)
実施例13において、繊維素材に樹脂溶液を付与しなかったものについて、同様の測定を行った結果を表16に示す。この比較例10と比べて、実施例13は撥油性が高いものとなり、高い染色濃度を得ることができた。
(参考例1)
繊維素材として、ポリエステル織物(70D、(株)東レ製)を用い、実施例8と同様の精練・乾燥を行い、その後、下記混合比である樹脂溶液を繊維素材に付与した。
・SM−Cube HS……10重量部
・SM−Cube SS……4重量部
・SM−Cube KL……1.5重量部
・水……84.5重量部
樹脂溶液の付与には、実施例1と同じケミカルマングル付きテンターを用い、ピックアップ率55%で繊維素材に付与された。これを130℃の環境で1分かけて乾燥した後、実施例1と同じベーキング機により180℃、60秒の熱処理を行った。こうして得られた後染め用繊維素材であるポリエステル織物を、実施例8と同様の染色条件にて染色、還元洗浄を施した。染料は、日本化薬(株)製:KP Black BRN−SF 200を濃度5%owfにて使用した。染色後、K/S値、撥水性、透湿性を測定した。その結果を表17に示す。なお、K/S値を相対値で表すと、比較例11を100とすると参考例1は104.9となる。
Figure 2009197386
(比較例11)
参考例1において、樹脂溶液を付与せず、乾燥、ベーキングを行わないこと以外は、参考例1と同様の手順により染色した繊維素材を得た。同様に測定を行った結果を表17に示す。
(結果)
参考例1では、ポリエステル繊維素材の高圧染色条件下でも、合成樹脂が繊維素材から剥がれ落ちることなく、高い染色性を発揮することができた。また、撥水性が高く、かつ、透湿性も比較例11よりも良好であった。
(参考例2)
繊維素材として、ポリエステル複合織物(縦:ポリエステル、横:ポリエステル・綿の混紡、(株)東レ製)に対して、参考例1と同様の加工を施し、撥水性、透湿性を測定した。その結果を表18に示す。
Figure 2009197386
(比較例12)
参考例2において、樹脂溶液を付与せず、乾燥、ベーキングを行わないこと以外は参考例2と同様の手順により染色した繊維素材を得た。同様に測定を行った結果を表18に示す。
(結果)
参考例1と同様に、参考例2でも、樹脂溶液を付与しないものよりも、高い撥水性を発揮するとともに、高い透湿性を両立させることができた。
(参考例3〜5)
繊維素材として、参考例1と同じポリエステル織物を用い、同様の手順で精練、乾燥を行い、下記の表19に記載の混合比からなるそれぞれの樹脂溶液を繊維素材に付与した。なお、表中、「SS」はSM−Cube SSを、「KL」はSM−Cube KLを、「SRM−65」はポリエステル樹脂溶液であるメイカフィニッシュSRM−65を示す。それぞれの樹脂溶液の付与には(株)辻井製作所製、Pad−Dryer試験機を用い、ピックアップ率60%で繊維素材に付与した。
Figure 2009197386
120℃の環境で乾燥した後、(株)島津製作所製ベーキング試験機で160℃2分の熱処理を行った。こうして得られたそれぞれの後染め用繊維素材であるポリエステル織物を、試験用高圧染色機(TEXAM社製)を用い、浴比1:15にて130℃の条件で60分掛けて、染料としてKP Black BRN−SFを用いて濃度5%owfで染色を行った。その後20分掛けてアルカリ還元洗浄を施した。乾燥後に、それぞれの繊維素材の撥油性、吸水性、K/S値を測定した。それぞれの結果を表19に示す。
(比較例13)
参考例3において、樹脂溶液を付与せず、乾燥、ベーキングを行わないこと以外は参考例3と同様の手順により、染色した繊維素材を得て、同様の測定を行った。その結果を表19に示す。
(結果)
吸水性ポリエステルであるSRM−65が増加した参考例5では、吸水性ポリエステルの含有量がより少ない参考例4や全く含まない参考例3及び比較例13と比べて、吸水性が大きく向上した。このため、ポリエステル樹脂溶液であるSRM−65の含有量を調整することにより、撥油性、吸水性を調整可能であることが分かった。また、ポリエステル繊維では従来撥油性及び吸水性を付与してもその後の後染めで低下し、後染め自体がうまくいかなかったものが、本願発明にかかる方法では、後染めにおける染色濃度を低下させることなく、また、後染めによって撥油性や吸水性が低下することなく行うことができた。
(実施例14)
繊維素材として、マイクロデニールポリエステル不織布((株)東レ製)を用い、下記に記載の混合比からなる樹脂溶液を繊維素材に付与した。樹脂溶液の付与には京都機械(株)製ケミカルマングル付きテンターを用い、ピックアップ率55%で繊維素材に付与した。これを120℃の環境で2分かけて乾燥した後、同じテンターを用いて、180℃で2分間のベーキング処理を行った。
・SM−CUBE HS……10重量部
・SM−CUBE SS……4重量部
・SM−CUBE JN……2重量部
・SM−CUBE KK……1重量部
・水……83重量部
得られた後染め用繊維素材であるポリエステル不織布を、染色機として高圧ドラム染色機(TEXAM社製:RD−830)を用い、染料として日本化薬(株)製KP Black BRN−SF200を濃度25%owfで用いて染色を行った。染色溶液は、染料分散剤(日華化学(株)製:サンソルトRM340E)を1g/L、酢酸を0.5g/L、酢酸ナトリウムを1.2g/L含む溶液とした。染色温度は120℃で60分かけて行い、浴比は1:20とした。
染色後、80℃の水で20分かけてソーピングを行い、それから、還元洗浄を行った。還元洗浄の溶液は、還元剤(明成化学(株)製:MRCパウダー)を7g/L、洗剤(明成化学(株)製:ラッコールST−700)を5g/L、酢酸を5cc/L含むものであり、これを用いて、80℃の条件で20分間かけて洗浄した。
その後、ソーダ灰を2g/L含む60℃の溶液で10分かけて中和処理を行い、60℃の水で10分間かけて湯洗いをし、最後に120℃の環境で2分間かけて乾燥処理を行った。こうして得られた染色後の繊維素材について、撥水性及び發油性を測定した。その結果を表20に示す(表中「L−0」と示す。)。また、さらに染色後の繊維素材について、JIS L−0217 103法の洗濯条件で20回洗濯耐久性試験を行い、その上で撥水性と發油性の評価を行った。その結果を合わせて表20に示す(表中「L−20」と示す。)。
Figure 2009197386
(比較例14)
実施例14において、樹脂溶液を付与せず、乾燥及びベーキング処理を行わないこと以外は実施例14と同様の手順により染色した素材を、染色後、撥水剤(明成化学(株)製:アサヒガードAG970)を用いて撥水加工した後、実施例14で用いたテンターにより、105℃で2分間かけて乾燥させた。その後、実施例14と同様の条件で、洗濯耐久性試験前後の撥水性及び發油性の値を測定した。その結果を表20に示す。
(結果)
従来の染色後の撥水加工方法による比較例14では、洗濯耐久性がほとんど発揮されず、洗濯後の撥水性及び發油性はほとんど無くなってしまった。しかしこの発明にかかる樹脂溶液で加工した後染め用繊維素材である実施例14では、洗濯耐久試験後も發油性及び撥水性がほとんど低下しなかった。

Claims (2)

  1. 水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、又はウレタン基の少なくともいずれかを含有する繊維素材を、その繊維素材の前記官能基と結合するパーフルオロアルキル基を有するアクリレート単位と親水性ビニルモノマー単位とからなる共重合樹脂とパーフルオロアルキルアクリレート樹脂とシリコン樹脂とを含む合成樹脂を含み、上記繊維素材の官能基と上記合成樹脂の官能基とを架橋する架橋剤を0.04重量%以上0.5重量%以下含む樹脂の水性分散液に浸漬させて、前記水性分散液を前記繊維素材の内部まで染みこませた後、乾燥処理を行い、130℃以上200℃以下でスチームセット機またはベーキング機による加熱処理加工を行うことで上記繊維素材の分子と上記合成樹脂の分子とを結合させて前記合成樹脂を前記繊維素材と一体化させることにより、繊維素材に撥水性、撥油性を持たせた上で、染色性を高めて後染めを容易とし、かつ耐久柔軟効果を発揮させる、繊維素材の加工方法。
  2. 上記合成樹脂の樹脂溶液中に占める、上記共重合樹脂の有効成分が1重量%以上6重量%以下であり、上記パーフルオロアルキルアクリレート樹脂の有効成分が0.8重量%以上12重量%以下であり、シリコン樹脂の有効成分が0.026重量%以上4重量%以下であり、
    上記繊維素材に対する上記合成樹脂の付与量が、上記共重合樹脂は0.6重量%以上、パーフルオロアルキルアクリレート樹脂は1.5重量%以上、シリコン樹脂は0.4重量%以上である請求項1に記載の加工方法。
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