JP2009197373A - 炭素繊維前駆体繊維および炭素繊維の製造方法 - Google Patents
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Abstract
炭素繊維の高性能化と低コスト化の為に、特定の分子量分布を有するポリアクリロニトリル系重合体を用いて、かつ特定範囲の製糸条件で製造した炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維が、焼成延伸工程において高い延伸性を有する炭素繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】
重量平均分子量Mwが30万〜100万であり、Z平均分子量MzとMwとの比で示される多分散度Mz/Mwが2.7〜6であるポリアクリロニトリル系重合体が濃度5重量%以上30重量%未満で溶媒に溶解してなる紡糸溶液を紡糸して膨潤糸を得、その膨潤糸を加熱下で延伸し、乾燥熱処理した後、さらに加圧水蒸気下で後延伸して、次式を満たす繊維の重量平均分子量Mw(F)を有する炭素繊維前駆体繊維を得る炭素繊維前駆体繊維の製造方法。0.8≦Mw(F)/Mw(P)≦1
【選択図】 なし
Description
0.8≦Mw(F)/Mw(P)≦1
また、上記の目的を達成するための本発明の炭素繊維の製造方法は、次の構成を有する。すなわち、前記した製造方法によって得られた炭素繊維前駆体繊維を、200〜300℃の温度の空気中において延伸比0.8〜1.2で延伸しながら耐炎化する耐炎化工程と、耐炎化工程で得られた繊維を、300〜800℃の温度の不活性雰囲気中において延伸比1〜1.3で延伸しながら予備炭化する予備炭化工程と、予備炭化工程で得られた繊維を1,000〜3,000℃の温度の不活性雰囲気中において延伸比0.96〜1.05で延伸しながら炭化する炭化工程を順次経て炭素繊維を得る炭素繊維の製造方法である。
特許文献3で開示されているように、ポリアクリロニトリルの分子量がある程度大きくなると焼成工程における延伸性が向上するが、Mw(F)/Mw(P)が0.8未満であると、分子量相応のPAN系前駆体繊維と同程度に焼成工程における延伸時に繊維が破断してしまう。かかる関係式を満たすことにより、炭素繊維を製造するための焼成工程における延伸時の繊維の破断が抑制されるという効果が生み出される作用については定かでは無いが、次のように推定している。Mw(P)よりもMw(F)の方が小さくなるということは、紡糸溶液から前駆体繊維に繊維化される工程中で分子鎖が切断されていることを意味し、何らかの分子量分布の再調整が行われていることになる。その際、重合体における高分子量側の成分はより劣化される機会が多く、高分子量成分が張力を伝播することで、部分的ではなく均一な分子配列を伴うため、焼成時の繊維の破断が抑制されると推定している。しかし、Mw(P)とMw(F)の差が大きい場合、分子鎖が切断された部分は炭素化する過程で欠陥となるため、焼成工程での延伸性が低下すると推定している。
本発明では、上記したような紡糸溶液を紡糸するに先立ち、フィルター濾材に通し、重合体原料および各工程において混入した不純物を除去することが好ましい。フィルター濾材の濾過精度は1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましく、1〜3μmがさらに好ましい。本発明において、フィルター濾材の濾過精度とは、フィルター濾材を通過する間に95%を捕集することができる球粒子の粒子径(直径)で定義する。そのため、フィルター濾過精度とその開孔径とは関係があり、開孔径を狭くすることで濾過精度を高めることが一般的である。かかる濾過精度が10μmより大きいと、得られる紡糸溶液中の異物が増大し、焼成延伸工程における延伸性が低下して圧縮強度および引張弾性率に優れた炭素繊維が得られない場合がある。一方、濾過精度が1μmよりも小さいと異物だけでなく、紡糸溶液中に含まれる超高分子量成分を選択的に濾過・閉塞し、Mw(F)/Mw(P)を低下させる場合がある。 本発明では、前記した紡糸溶液を、乾式、湿式、または乾湿式紡糸法により紡糸することにより、炭素繊維前駆体繊維を製造することができる。中でも乾湿式紡糸法は、前記した特定の分子量分布を有するPAN系重合体の特性を発揮させるため、好ましく用いられる。
本発明において前延伸工程とは、凝固浴引取ローラー出から乾燥熱処理までに延伸する工程を指す。前延伸する際には、張力を1.5〜3mN/dtex、好ましくは1.8〜2.8mN/dtex、より好ましくは2〜2.8mN/dtexとするのがよい。前延伸での張力が3mN/dtexよりも大きくなると、均一な延伸ができなくなり、分子配向の均一性が保てなくなるばかりか、分子鎖の切断に繊維の分子量低下を起こすことが多い。従来知見では、分子配向させるために延伸倍率を上げていたが、製糸工程全体の張力を下げることが重要である。しかし、前延伸での延伸張力が1.5mN/dtexよりも小さくなると、得られる前駆体繊維の分子配向が不十分となり、得られる炭素繊維のストランド引張弾性率が低下することがある。
前延伸での延伸倍率は、1〜5倍であることが好ましく、1〜3倍であることがより好ましい。延伸張力を下げるためには延伸倍率が小さい方がよいが、延伸倍率が1倍未満であると分子配向緩和が生じ、強度、耐熱性ともに劣ったものになることが多い一方、5を超える延伸倍率であると、良好な寸法安定性が保てなくなるばかりか、単繊維間接着が起こり、製糸性が低下するだけでなく、炭素繊維を得る場合の焼成工程においても、毛羽が発生し、物性低下となりやすい。前延伸での延伸倍率とは、前延伸工程の最終ローラ回転速度を凝固浴出の引取ローラー回転速度で割った値である。 上記した前延伸工程の後、単繊維同士の接着を防止する目的から、前延伸された糸条にシリコーン等からなる油剤を付与することが好ましい。シリコーン油剤を用いる場合、耐熱性の高いアミノ変性シリコーン等の変性されたシリコーンを含有するものを用いることが好ましい。
<各種分子量:Mz、Mw、Mn>
測定しようとする重合体が濃度0.1重量%でジメチルホルムアミド(0.01N−臭化リチウム添加)に溶解した検体溶液を作製する。得られた検体溶液について、GPC装置を用いて、次の条件で測定したGPC曲線から分子量の分布曲線を求め、Mz、Mw、Mnを算出する。測定は三回行い、Mz、Mw、Mnの値を平均して用いる。
・カラム :極性有機溶媒系GPC用カラム
・流速 :0.5ml/min
・温度 :75℃
・試料濾過 :メンブレンフィルター(0.45μmカット)
・注入量 :200μl
・検出器 :示差屈折率検出器
Mwは、分子量が異なる分子量既知の単分散ポリスチレンを少なくとも6種類用いて、溶出時間―分子量の検量線を作成し、その検量線上において、該当する溶出時間に対応するポリスチレン換算の分子量を読み取ることにより求める。
<工程張力測定>
張力計により走行する糸条を挟み込んで荷重を測定し、測定箇所の工程糸条を定長絶乾させて絶乾繊度(dtex)を測定し、荷重を絶乾繊度で割って張力を求める。本実施例では、張力計として、エイコー測器(株)製、型番:HS−3000を使用した。
<炭素繊維前駆体繊維の品位等級の基準>
検査項目は、6000フィラメントの繊維束を1m/分の速度で1ライン走行させながら毛玉・毛羽の個数を数え、三段階評価した。評価基準は、下記のとおりである。
・等級1:繊維300m中、1個以内
・等級2:繊維300m中、2〜15個
・等級3:繊維300m中、16個以上。
<耐炎化繊維比重>
耐炎化繊維の比重は、JIS R7601(1986)記載の方法に従い、液置換法により測定する。浸せき液は、エタノールを精製せずに用いる。1.0乃至1.5gの耐炎化繊維を採取し、熱風乾燥機を用い、空気中120℃の温度で2時間乾燥する。乾燥質量A(g)を測定した後、比重既知(比重ρ)のエタノールに浸せきし、エタノール中の繊維質量B(g)を測定し、次式により、耐炎化繊維比重を求める。
なお、上記エタノールとして、和光純薬社製特級を用いた。
<炭素繊維の品位等級の基準>
検査項目は、焼成後、表面処理・サイジング処理前に24000フィラメントの繊維束を1m/分の速度で1ライン走行させながら、毛玉・毛羽の個数を数え、三段階評価した。評価基準は、下記のとおりである。
・等級1:繊維30m中、1個以内
・等級2:繊維30m中、2〜15個
・等級3:繊維30m中、16個以上。
<炭素繊維束の引張強度および弾性率>
JIS R7601(1986)「樹脂含浸ストランド試験法」に従って求める。測定する炭素繊維の樹脂含浸ストランドは、3、4−エポキシシクロヘキシルメチル−3、4−エポキシ−シクロヘキシル−カルボキシレート(100重量部)/3フッ化ホウ素モノエチルアミン(3重量部)/アセトン(4重量部)を、炭素繊維または黒鉛化繊維に含浸させ、130℃の温度で30分硬化させて作製する。また、炭素繊維のストランドの測定本数は6本とし、各測定結果の平均値を引張強度とする。本実施例では、3、4−エポキシシクロヘキシルメチル−3、4−エポキシ−シクロヘキシル−カルボキシレートとして、ユニオンカーバイド(株)製“ベークライト”(登録商標)ERL4221を用いた。
[実施例1]
AN100重量部、イタコン酸1重量部、およびジメチルスルホキシド130重量部を混合し、それを還流管と攪拌翼を備えた反応容器に入れた。反応容器内の空間部を酸素濃度が1000ppmになるまで窒素置換した後、ラジカル開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.002重量部を投入し、撹拌しながら下記の条件(重合条件Aと呼ぶ。)の熱処理を行った。
重合条件A
・ 70℃の温度で2時間保持
・ 70℃から30℃へ降温(降温速度120℃/時間)
次に、その反応容器中に、ジメチルスルホキシド240重量部、ラジカル開始剤としてAIBN 0.4重量部、および連鎖移動剤としてオクチルメルカプタン0.1重量部を計量導入した後、さらに撹拌しながら下記の条件(重合条件Bと呼ぶ。)の熱処理を行い、残存する未反応単量体を溶液重合法により重合してPAN系重合体溶液を得た
重合条件B
(1)30℃から60℃へ昇温(昇温速度10℃/時間)
(2)60℃の温度で4時間保持
(3)60℃から80℃へ昇温(昇温速度10℃/時間)
(4)80℃の温度で6時間保持
得られたPAN系重合体溶液から約10gを採取し、水に注いでポリマーを沈殿させ、それを95℃の温水で2時間洗浄後、70℃の温度で4時間乾燥して乾燥ポリマーを得た。得られた乾燥ポリマーについて、各種分子量を測定した結果を表1に示す。
[実施例2]
前延伸での浴温度を80℃に変更した以外は実施例1と同様にして紡糸・焼成を行った。このとき、前延伸での張力は1.5mN/dtexであり、前駆体繊維のMw(F)/Mw(P)は0.93であり、限界炭化延伸比は0.998であった。
[実施例3]
後延伸での加圧水蒸気圧を0.39MPaに設定した以外は実施例1と同様にして紡糸・焼成を行った。このとき、後延伸張力は4.4mN/dtexであり、前駆体繊維のMw(F)/Mw(P)は0.93であり、限界炭化延伸比は0.998であった。
[実施例4]
実施例1で得られた膨潤糸を4本合糸して12,000フィラメントとし、後延伸での加圧水蒸気圧を0.49MPaに設定するとともに、前駆体繊維の合糸は行わなかった以外は実施例1と同様にして紡糸・焼成を行った。このとき、後延伸張力は5.3mN/dtexであり、前駆体繊維のMw(F)/Mw(P)は0.90であり、限界炭化延伸比は0.997であった。
[比較例1]
後延伸での加圧水蒸気圧を0.71MPaに設定した以外は実施例1と同様にして紡糸・焼成を行なおうとしたが、後延伸工程での安定性が著しく悪く、糸切れが多発したため、連続した前駆体繊維を得ることができなかった。
[比較例2]
前延伸での浴温度を55℃に変更した以外は実施例1と同様にして紡糸・焼成を行った。このとき、前延伸での張力は3.1mN/dtexであり、前駆体繊維のMw(F)/MwP(P)は0.75であり、限界炭化延伸比は0.983であった。製糸工程・焼成工程ともに毛羽が発生し、特に、焼成工程では操業性が極めて不安定であり、糸切れが多発した。
[比較例3]
後延伸での加圧水蒸気圧を0.34MPaに設定した以外は実施例1と同様にして紡糸・焼成を行った。このとき、後延伸での張力は6.2mN/dtexであり、前駆体繊維のMw(F)/Mw(P)は0.75であり、限界炭化延伸比は0.983であった。製糸工程・焼成工程ともに毛羽が発生し、特に、焼成工程では操業性が極めて不安定であり、糸切れが多発した。
[比較例4]
前延伸での浴温度を55℃に変更し、後延伸での加圧水蒸気圧を0.34MPaに設定した以外は実施例1と同様にして紡糸・焼成を行った。このとき、後延伸での張力は6.2mN/dtexであり、前駆体繊維のMw(F)/Mw(P)は0.65であり、限界炭化延伸比は0.975であった。実施例1と同じ条件では焼成工程を通過しなかったので、炭化延伸比を0.960に下げて炭素繊維を得た。
[比較例5]
紡糸前に用いるフィルターを濾過精度0.8μmのものに変更した以外は実施例1と同様にして紡糸・焼成を行った。このとき、前駆体繊維のMw(F)/Mw(P)は0.70であり、限界炭化延伸比は0.978であった。実施例1と同じ条件では焼成工程を通過しなかったので、比較例4と同様に炭化延伸比を0.960に下げて炭素繊維を得た。
[実施例5]
重合条件Aの(1)における保持時間を1.5時間に変更した以外は、実施例1と同様にして重合・紡糸・焼成を行った。
[実施例6]
反応容器内の空間部を窒素置換する際の酸素濃度を100ppmに変更するとともに、重合条件Aの(1)における保持温度を65℃に変更した以外は、実施例1と同様にして重合・紡糸・焼成を行なった。
[実施例7]
AN100重量部、イタコン酸0.3重量部、連鎖移動剤としてオクチルメルカプタン0.003重量部、およびジメチルスルホキシド360重量部を混合し、それを還流管と攪拌翼を備えた反応容器に入れた。反応容器内の空間部を酸素濃度が100ppmになるまで窒素置換した後、重合開始剤としてAIBN0.003重量部を投入し、撹拌しながら下記の条件(重合条件Cと呼ぶ。)の熱処理を行った。
重合条件C
(1)60℃の温度で3.5時間保持
次に、その反応容器中に、イタコン酸0.7重量部、ジメチルスルホキシド10重量部、重合開始剤としてAIBN 0.4重量部、および連鎖移動剤としてオクチルメルカプタン0.01重量部を計量導入した後、さらに撹拌しながら下記の条件の熱処理を行い、残存する未反応単量体を溶液重合法により重合してPAN系重合体溶液を得た。
(2)60℃の温度で4時間保持
(3)60℃から80℃へ昇温(昇温速度10℃/時間)
(4)80℃の温度で6時間保持
PAN系重合体溶液を、上記のようにして得たPAN系重合体溶液に変更した以外は、実施例1と同様にして紡糸・焼成を行った。
[比較例6]
AN100重量部、イタコン酸1重量部、ラジカル開始剤としてAIBN0.4重量部、および連鎖移動剤としてオクチルメルカプタン0.1重量部をジメチルスルホキシド370重量部に均一に溶解し、それを還流管と攪拌翼を備えた反応容器に入れた。反応容器内の空間部を酸素濃度が100ppmになるまで窒素置換した後、撹拌しながら重合条件Bによる熱処理を行い、溶液重合法により重合して、PAN系重合体溶液を得た。
[比較例7]
AN100重量部、イタコン酸1重量部、およびラジカル開始剤としてAIBN0.2重量部をジメチルスルホキシド460重量部に均一に溶解し、それを還流管と攪拌翼を備えた反応容器に入れた。反応容器内の空間部を酸素濃度が100になるまで窒素置換した後、撹拌しながら前記の重合条件Bの熱処理を行い、溶液重合法により重合して、PAN系重合体溶液を得た。得られたPAN系重合体溶液を、重合体濃度が15重量%となるように調製した後、アンモニアガスをpHが8.5になるまで吹き込むことにより、イタコン酸を中和しつつ、アンモニウム基を重合体に導入し、紡糸溶液を得た。紡糸溶液を、上記のようにして得た紡糸溶液に変更した以外は、実施例1と同様にして紡糸を行なおうとしたが、後延伸工程を通過させることができなかった。
Claims (7)
- 重量平均分子量Mw(P)が30万〜100万であり、Z平均分子量MzとMwとの比で示される多分散度Mz(P)/Mw(P)が2.7〜6であるポリアクリロニトリル系重合体が濃度5重量%以上30重量%未満で溶媒に溶解してなる紡糸溶液を紡糸して膨潤糸を得、その膨潤糸を前延伸し、乾燥熱処理した後、さらに後延伸して、次式を満たす繊維の重量平均分子量Mw(F)を有する炭素繊維前駆体繊維を得る炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
0.8≦Mw(F)/Mw(P)≦1 - 前記ポリアクリロニトリル系重合体は、Mw(P)の5倍以上の分子量成分の含有率が1〜4%である請求項1に記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
- 前延伸において、張力を1.5〜3mN/dtexとし、かつ後延伸において、張力を1.8〜6mN/dtexとする請求項1に記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
- 前延伸において、加熱温度を60〜95℃、延伸倍率を1〜5倍とし、かつ後延伸において、水蒸気圧0.35〜0.7MPaの加圧水蒸気を用い、延伸倍率を4〜10倍とする請求項3に記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
- 紡糸溶液を、紡糸する前に、濾過精度が1〜10μmのフィルター濾材で濾過する請求項1に記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
- 紡糸が乾湿式紡糸である請求項1に記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法によって得られた炭素繊維前駆体繊維を、200〜300℃の温度の空気中において延伸比0.8〜1.2で延伸しながら耐炎化する耐炎化工程と、耐炎化工程で得られた繊維を、300〜800℃の温度の不活性雰囲気中において延伸比1〜1.3で延伸しながら予備炭化する予備炭化工程と、予備炭化工程で得られた繊維を1,000〜3,000℃の温度の不活性雰囲気中において延伸比0.96〜1.05で延伸しながら炭化する炭化工程を順次経て炭素繊維を得る炭素繊維の製造方法。
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JP4924469B2 (ja) | 2012-04-25 |
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