JP2009181040A - 表示デバイス用水性遮光塗料組成物、表示デバイス用絶縁性遮光膜、および表示デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面が親水化処理されたカーボンブラックと、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂と、水と、を含有し、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:10の範囲である表示デバイス用水性遮光塗料組成物、該遮光塗料組成部を用いて形成した表示デバイス用絶縁性遮光膜、および該絶縁性遮光膜を備えた表示デバイス。
【選択図】なし
Description
電極上に光導電層が積層された半導電性の光センサーと、液晶相および樹脂相からなる情報記録層を積層した情報記録媒体と、を光センサーあるいは情報記録媒体の電極の少なくともいずれか一方を透明電極として、光軸上に電極を互いに外側にして対向空隙を形成して配置し、両電極間に電圧を印加可能に結線した情報記録媒体が示されている(例えば、特許文献1参照)。該情報記録媒体には、メモリ性のあるスメクチック液晶が使われており、露光によって発生した光センサー上における電荷分布に応じて、スメクチック液晶の白濁度が変調され記録されるというものであり、高感度高分解能な記録を実現できる。
請求項1に記載の発明は、表面が親水化処理されたカーボンブラックと、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂と、水と、を含有し、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:10の範囲であることを特徴とする表示デバイス用水性遮光塗料組成物である。
以下、表示デバイス用水性遮光塗料組成物(以下、単に「遮光塗料組成物」ということがある)の好ましい態様について詳細に説明する。
第1の実施形態に係る遮光塗料組成物は、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂と、水と、を含有し、且つ表面が親水化処理されたカーボンブラックとして比表面積あたり0.6mg以上4mg以下のフミン酸塩によって表面処理されているカーボンブラックを含有する。また、該カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率は、質量比で1:3乃至1:10の範囲である。
(a) 膜厚3μmの表示デバイス用絶縁性遮光膜(ここで、本明細書における「絶縁性」とは、表面抵抗値が1×1013Ω/□以上であることを表す。以下、前記表示デバイス用絶縁性遮光膜のことを単に「絶縁性遮光膜」ということがある)の光透過率が400nm以上800nm以下の波長領域において、1%以下である(遮光性)
(b) 膜厚3μmの絶縁性遮光膜の表面抵抗値が1013(Ω/□)以上である(表面電気抵抗)
(c) 絶縁性遮光膜の耐光性、保管性が優れ、長期にわたって安定である(耐久性)
まず、表面がフミン酸塩にて親水化処理されたカーボンブラックの水分散組成物について詳記する。上記カーボンブラック水分散組成物は、少なくとも水中にてカーボンブラック粒子に、フミン酸塩を含有する表面処理剤の水溶液を接触させ、機械的分散力にて該顔料(カーボンブラック)が到達し得る小粒径の粒子となるまで分散させ、水分散粒子とする。その後、該分散粒子を包み込むか、或いは表面に吸着しうる有機化合物系添加物を加えることにより製造することができる。
具体的には、まず水を60質量%以上含む液媒体中にて、水に溶解したフミン酸塩をカーボンブラックの比表面積あたり0.6mg/m2以上4mg/m2以下となるように添加混合する。次いで、メディアの体積充填率が100%のメディアミルで分散して、平均粒子径が0.06μm以上0.17μm以下の範囲にあり、最大粒子径が0.6μm以下であるカーボンブラック分散体を得る。その後、有機溶剤および有機化合物系添加物を混合して製造することができる。
用い得るカーボンブラックの種類は特に限定されるものではなく、酸性カーボンブラック、中性カーボンブラック、アルカリ性カーボンブラックなど従来の公知のカーボンブラックが使用できる。好ましくは、吸油量60ml/100g以上200ml/100g以下、比表面積50m2/g以上300m2/g以下に、更に好ましくは吸油量80ml/100g以上120ml/100g以下、比表面積80m2/g以上200m2/g以下の範囲である粉状のカーボンブラックが好適に使用できる。
顔料であるカーボンブラックの液媒体(水等)への分散に際しては、顔料の含有量が5質量%以上30質量%以下が好ましく、更には10質量%以上20質量%以下がより好ましい。
該カーボンブラック水分散体は、水中に安定分散した水分散体として入手可能であり、例えば、大成ナノテック社製「TBK−BC3」等を挙げることができる。
また、前記有機化合物系添加物として、上記の成分のほかに、樹脂、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を添加してもよい。例えば樹脂としては、水溶性樹脂や樹脂エマルジョンが挙げられる。該水溶性樹脂として、カゼイン、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、スチレン−アクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル等が挙げられる。また樹脂エマルジョンとしては、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ウレタン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニルエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等が挙げられる。
この水性顔料分散物を使用した場合、これまでの染料系分散物と比較して耐光性に優れ、また水性顔料分散物において問題となる長期間の分散安定性についても優れ、保存安定性の向上が得られる。
第1の実施形態に係る遮光塗料組成物には、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂を添加する。
上記水溶性樹脂は、水に可溶で、前記カーボンブラックの分散性に悪影響を与えず、基板に塗布し乾燥して得られる絶縁性遮光膜に、高い絶縁性と耐薬品性を付与できるものが好ましい。この水溶性樹脂としては、例えば、完全けん化または部分けん化ポリビニルアルコール、水溶性ポリビニルアセタール、水溶性ポリビニルホルマール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、水溶性ポリ(メタ)アクリル酸共重合体、ポリアルキレンオキサイド、水溶性ポリエステル、ポリエチレングリコール、水溶性マレイン酸樹脂などが挙げられる。この中でもポリビニルアルコール、水溶性ポリビニルアセタール、水溶性ポリビニルホルマール等のポリビニルアルコール誘導体が、皮膜形成能や耐薬品性に優れるという観点から特に好ましい。
更には、1000以上2000以下の範囲のものがより好ましく、1300以上1800以下の範囲のものが特に好ましい。
また、このときカーボンブラック、水溶性樹脂あるいは他の固形分の遮光塗料組成物中の濃度を5質量%以上15質量%以下とすることが絶縁性遮光膜の導電率の制御の点から望ましい。
なお、第1の実施形態に係る遮光塗料組成物を使用して液晶表示デバイスなどの電界駆動型表示デバイスに絶縁性遮光膜を形成する場合、該遮光塗料組成物中に不純物を含有すると、表示デバイスの表示特性を損なうことがある。このため、カーボンブラックをイオン交換樹脂等を用いて過剰に存在する塩を除去して用いると、不純物拡散により表示層が劣化することを低減させることができる。ただし、塩が全く存在しないとカーボンブラックの水への分散性が低下するため、このカーボンブラック、水溶性樹脂と水を含有する水溶性遮光塗料組成物の電気伝導度を20μS/cm以上100μS/cm以下となるように不純物となるイオンを除去することが望ましい。
第2の実施形態に係る遮光塗料組成物は、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂と、水と、を含有し、且つ表面が親水化処理されたカーボンブラックとして自己水分散性樹脂によって内包されたマイクロカプセル化カーボンブラックを含有する。また、該カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率は、質量比で1:3乃至1:10の範囲である。
(a) 膜厚3μmの表示デバイス用絶縁性遮光膜の光透過率が400nm以上800nm以下の波長領域において、1%以下である(遮光性)
(b) 膜厚3μmの絶縁性遮光膜の表面抵抗値が1013(Ω/□)以上である(表面電気抵抗)
(c) 絶縁性遮光膜の耐光性、保管性が優れ、長期にわたって安定である(耐久性)
第2の実施形態に係る遮光塗料組成物において、マイクロカプセルを形成している自己水分散性樹脂(A)(いわゆるマイクロカプセルの殻材樹脂)には、中和により自己水分散性を示す、酸基を有する合成樹脂(1)において、当該酸基の少なくとも一部が塩基(2)で中和された自己水分散性樹脂を用いる。この自己水分散性樹脂(A)は、無彩色顔料との濡れが良く、かつ染料との相溶性も良好で好ましい。
当該合成樹脂(1)の酸価は50以上280以下が好ましい。合成樹脂(1)の酸価が50以上であることにより得られるマイクロカプセル化カーボンブラックが水分散安定性に優れ、また酸価が280以下であることにより有機溶媒に溶解した水分散性樹脂の塩基による中和の際に生じる凝集が抑制され、また水に添加した際にも樹脂の溶解が抑制される。以上の観点より、用いる合成樹脂(1)の酸価は、50以上280以下の範囲で、より好ましくは70以上250以下の範囲である。
特にこれらの必須モノマー成分の構成比率がスチレンモノマー60モル%以上90モル%以下であり、アクリル酸モノマー5モル%以上15モル%以下であり、且つメタアクリル酸モノマー5モル%以上25モル%以下であることが好ましい。
また染料としては、特に制限はないが、好ましくは有機溶剤に溶解可能な染料がよい。代表的なものとして、例えばモノアゾ・ジスアゾ等のアゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノイミン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、ペリノン染料、フタロシアニン染料、トリアリルメタン系染料等が挙げられるが、これらの例に限定されるものではない。これらの染料は一部分散する形で存在してもよいが、マイクロカプセルを形成している殻材樹脂に溶解するものを選択することが好ましい。
合成樹脂として、スチレン、置換スチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノマーと、(メタ)アクリル酸と、を共重合して、酸価が50以上280以下、分子量1000以上10万以下のビニル共重合体を得る。該ビニル共重合体を有機溶媒に溶解して合成樹脂溶液を調製し、この合成樹脂溶液と、カーボンブラックと、染料として前記合成樹脂に溶解し得る染料と、を混合し、練肉して着色ミルベースを得る。カーボンブラックに対する染料の質量比率は1質量%以上50質量%以下の範囲とする。この着色ミルベースに前記合成樹脂の酸基を中和し得る塩基を加え、攪拌混合し、更に攪拌下に水を含む水性媒体を滴下し混合して転相乳化を行う。これにより、染料が染着した自己水分散性樹脂によってカーボンブラックが内包された着色樹脂粒子が、水性媒体中に分散したマイクロカプセル化カーボンブラックを含有する水分散物が得られる。
尚、この際にアルカリ中和剤としての塩基の添加量は、酸基の60モル%以上を中和する量を範囲とする。使用するカーボンブラックや染料によってカプセル同士の緩い凝集を生じた場合は、カプセル化後に水または水溶液を追加混合して再度分散する。さらに合成樹脂の溶解に用いた有機溶媒を減圧蒸留により除去し、カーボンブラック水分散組成物を得る。
(第3の実施形態に係る絶縁性遮光膜)
次いで、表示デバイス用絶縁性遮光膜の好ましい態様として、第3の実施形態に係る絶縁性遮光膜について詳細に説明する。
第3の実施形態に係る絶縁性遮光膜は、表面が親水化処理されたカーボンブラックと、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂と、を含有し、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:10の範囲である。該絶縁性遮光膜は、前述の第1または第2の実施形態に係る遮光塗料組成物を、基板上に塗布し、乾燥させることによって形成し得る。
次いで、表示デバイスの好ましい態様について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第4の実施形態に係る表示デバイス)
図1は、第4の実施形態に係る表示デバイスを示す概略断面図である。ここでは実施の形態の一例として、コレステリック液晶マイクロカプセルを用いた光書き込み型液晶表示デバイスの構成を説明する。
光導電体層13には、透明基板11から基板1の方向に画像状の露光パターンが照射されるのと同期して、透明電極10と電極2とによって挟持される領域に駆動電圧が印加されると、印加電圧除去時に液晶表示層9上に画像が形成される。
光導電体層13には透明基板11から基板1の方向に光照射が行われ、それと共に駆動電圧が印加される。また液晶表示層9には、液晶表示層9、接着層8、隔離層7、光導電体層13および光吸収層3によって分圧された駆動電圧が印加される。
このとき光導電体層13の電気抵抗は露光の強度により変化する。したがって露光強度が大きいときには電気抵抗が低くなり、液晶表示層9への印加電圧が大きくなる。一方、露光強度が小さいときには、電気抵抗は高くなり、液晶表示層9への印加電圧は小さくなる。この電圧の大小により液晶の相は変化し、反射率の大小が生じる。コレステリック液晶は表示のメモリ性を示すため、露光と電圧除去後にも相変化によって生じた反射率の大小は露光像の形に残ることとなる。
基板1としては、後述の透明基板11に示す材料のほか、光を透過しない樹脂、ガラス、セラミックスなどの材料が利用できる。
光吸収層3には、前述の第3の実施形態に係る絶縁性遮光膜が用いられる。光吸収層3の形成方法としては、スクリーン印刷、凸版印刷、凹版印刷、平板印刷、フレクソ印刷などの印刷法や、スピンコート法、バーコート法、ディップコート法、ロールコート法、ナイフコート法、ダイコート法などの塗布法を用いることができる。
電荷発生層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、CVD法などドライな膜形成方法のほか、前記電荷発生材料を含む塗布液をバーコート法、スピンコート法、ロールコート法、ディップ法、キャスティング法などウェットな膜形成方法によって成膜することもできる。前記塗布液を用いる場合、前記塗布液中の、前記電荷発生材料の濃度としては、1質量%以上20質量%以下にすることが好ましく、1.5質量%以上5質量%以下とすることがより好ましい。
前記塗布液を調製するための溶媒としては、バインダ樹脂を溶解する溶媒であり、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等の環状または鎖状のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロエチレン、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、リグロイン等の鉱油、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
前記第1電荷発生層4および第2電荷発生層6の膜厚としては、10nm以上1μm以下が好ましく、20nm以上500nm以下がより好ましい。10nm以上であることにより高い光感度が得られかつ膜厚の差の少ない膜を作製し得る。また、1μm以下であることにより、光感度が飽和せず、膜内応力による剥離が抑制される。
電荷輸送層5に用いられるバインダ樹脂としては、前記第1電荷発生層4および第2電荷発生層6に用いられるバインダ樹脂を用いることができる。塗布液中の電荷輸送材料の濃度としては、5質量%以上50質量%以下の範囲で用いることが好ましく、10質量%以上20質量%以下とすることがより好ましい。
水/有機溶剤可溶樹脂としてはエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリグリセリンや、水/有機溶剤に可溶な各種樹脂が利用できる。
水系のエマルジョン・ディスパージョン・ラテックスとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリアクリレート、スチレン−ブタジエン・ゴム、ニトリル−ブタジエン・ゴムなどが利用できる。
尚、隔離層7には接着剤に含まれる低分子非水成分、有機溶媒などの拡散を防ぐ目的があり、有機溶媒に膨潤しにくい水溶性樹脂が最も望ましい。
液晶マイクロカプセル12を製造する方法としては、相分離法、液中乾燥法、融解分散冷却法、スプレードライング法、パンコーティング法、気中懸濁被覆法、粉床法などの各種界面沈積法、界面重合法、in situ重合法、液中硬化被覆法などの界面反応法を用いることができる。また、マイクロカプセルの壁材料としてはゼラチン、ゼラチン−アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリウレタン/ポリウレア、尿素ホルムアルデヒドなどの材料を用いることができる。
まず、透明基板11表面に形成された透明電極10上に液晶表示層9を形成する。液晶表示層9の前駆体は液晶マイクロカプセル12と透明樹脂14を含む水系混合物であり、該水系混合物を透明電極10の上に塗布乾燥することによって液晶表示層9が形成される。一方、基板1表面に形成された電極2に対して、前述の第1または第2の実施形態に係る遮光塗料組成物を塗布乾燥して光吸収層3を形成する。さらに第1電荷発生層4、電荷輸送層5、第2電荷発生層6を順次積層することにより光導電体層13を形成する。次いで、光導電体層13上に、水系樹脂水溶液を塗布乾燥して隔離層7を形成し、更に2液性接着剤溶液を塗布乾燥して接着層8を順次形成する。最後に、接着層8と表示層9とを貼り合せることによって第4の実施形態に係る表示デバイスが得られる。
更に別の好ましい態様である、第5の実施形態に係る表示デバイスについて説明する。図2は、第5の実施形態に係る表示デバイスを示す概略断面図である。
第5の実施形態に係る表示デバイスは、一対の透明基板21および29のそれぞれの表面に設けられた透明電極22および28に挟持されて、カイラルネマチック液晶30と透明樹脂31とを含有する自己保持型液晶表示層27、光吸収層26および光導電体層32を積層したものである。自己保持型液晶表示層27と光吸収層26および光導電体32はいずれも原液の塗布やラミネート加工によって積層が可能である。
液晶表示層27は外から目視で確認できるように、基板を透明として複数の基板で保持することが好ましい。また、一枚の透明基板の片側に液晶表示層27、光吸収層26および光導電体層32を形成することが好ましい。
また、光吸収層26は、前記第3の実施形態に係る絶縁性遮光膜を単独で用いても、他の黒色の素材と混合して用いてもよい。混合して用いる場合の黒色の素材としては、前述の第4の実施形態に係る表示デバイスにおいて列挙した素材を用いることができる。
カイラルネマチック液晶30の螺旋ピッチは、ネマチック液晶に対するカイラル剤の添加量で調整し得る。例えば、表示色を青、緑、赤としたい場合には中心波長が、それぞれ400nm以上500nm未満、500nm以上600nm未満、600nm以上700nm未満の範囲になるよう調整する。また、カイラルネマチック液晶の螺旋ピッチの温度依存性を補償するために、捩じれ方向が異なる或いは逆の温度依存性を示す複数のカイラル剤を添加する等の公知の手法を用いてもよい。
(実施例1)
重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−217EE」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液26部、比表面積あたり2.6mgのフミン酸塩で表面処理されたカーボン15%水分散体(大成ナノテック社製「TBK−BC3」)2.8部、およびエタノール1.2部を、ペイントシェーカを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:5.6であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるようにPETフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−217EE」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液26部、自己水分散性樹脂によって内包されたマイクロカプセル化カーボンブラック15%水分散体(大日本インキ化学工業社製「MC Black 082−E」)2.8部、およびエタノール1.2部を、脱泡式遊星ミルを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:5.6であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるようにPETフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−217EE」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液26.8部、比表面積あたり2.6mgのフミン酸塩で表面処理されたカーボン15%水分散体(大成ナノテック社製「TBK−BC3」)2.0部、およびエタノール1.2部を、脱泡式遊星ミルを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:8.0であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるようにPETフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ社製「エクセバールRS−1717」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液26部、比表面積あたり2.6mgのフミン酸塩で表面処理されたカーボン15%水分散体(大成ナノテック社製「TBK−BC3」)2.8部、およびエタノール1.2部を、ペイントシェーカを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:5.6であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるようにPETフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
重合度1300のポリビニルアルコール(クラレ社製「エクセバールRS−1713」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液26部、比表面積あたり2.6mgのフミン酸塩で表面処理されたカーボン15%水分散体(大成ナノテック社製「TBK−BC3」)2.8部、およびエタノール1.2部を、ペイントシェーカを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:5.6であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるようにPETフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
重合度1300のポリビニルアルコール(クラレ社製「エクセバールRS−1713」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液26.8部、比表面積あたり2.6mgのフミン酸塩で表面処理されたカーボン15%水分散体(大成ナノテック社製「TBK−BC3」)2.0部、およびエタノール1.2部を、ペイントシェーカを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:8.0であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるように透明ポリエステルフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
実施例1において用いたポリビニルアルコールを、重合度1000のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバール210」)に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。
実施例1において用いたポリビニルアルコールを、重合度2400のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバール224E」)に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。
実施例1において用いたポリビニルアルコールを、重合度2000のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−220」)に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。
実施例1において、ポリビニルアルコール(ポバールPVA−217EE)9%水溶液の含有量を20部に、カーボン15%水分散体(TBK−BC3)の含有量を3.3部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:3.6であった。
実施例1において、ポリビニルアルコール(ポバールPVA−217EE)9%水溶液の含有量を35部に、カーボン15%水分散体(TBK−BC3)の含有量を2.2部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:9.5であった。
重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−217EE」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液28.3部、カーボン20%水分散体(東海カーボン社製「Aqua−Black162」)0.5部、およびエタノール1.2部を、脱泡式遊星ミルを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:25.5であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるように透明ポリエステルフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−217EE」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液24部、カーボン20%水分散体(東海カーボン社製「Aqua−Black162」)5部、およびエタノール1部を、脱泡式遊星ミルを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:2.2であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるように透明ポリエステルフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
重合度1300のポリビニルアルコール(クラレ社製「エクセバールRS−1713」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液24部、酸化カーボン20%水分散体(オリエント化学工業社製「BONJET BLACK CW−1」)5部、およびエタノール1部を、ペイントシェーカを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:2.2であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるように透明ポリエステルフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
実施例1において用いたカーボン15%水分散体(TBK−BC3)を、カーボンブラック(三菱化学社製「三菱カーボンブラック#25」)に変更して、遮光塗料組成物を調製した。具体的には、重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−217EE」)9部を、純水91部に加熱溶解して、ポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液26部、三菱カーボンブラック0.4部、エタノール1.2部、純水2.4部をペイントシェーカを用いて混合分散し、遮光塗料組成物を調整した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との混合比は質量比で1:5.8であった。
該遮光塗料を、乾燥後の膜厚が3μmとなるようにPETフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で1時間乾燥させ、絶縁性遮光膜を得た。
実施例1において用いたポリビニルアルコールを、重合度300のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−203」)に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。
実施例1において、ポリビニルアルコール(ポバールPVA−217EE)9%水溶液の含有量を24部に、カーボン15%水分散体(TBK−BC3)の含有量を6部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:2.4であった。
実施例1において、ポリビニルアルコール(ポバールPVA−217EE)9%水溶液の含有量を28部に、カーボン15%水分散体(TBK−BC3)の含有量を1.0部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:16.8であった。
(1)光透過率の測定
以上の実施例および比較例により得られた絶縁性遮光膜に関し、日立製作所社製、U−4000、Spectorophotometerを用いて、400nm以上800nm以下の波長領域における光透過率(%)を測定した。結果を表1に示す。
以上の実施例および比較例により得られた絶縁性遮光膜に関し、ADVANTEST社製、R8340A、URTRA HIGH RESISTANCE METERを用いて、表面電気抵抗値(Ω/□)を測定した。結果を表1に示す。
(実施例12)
電極層としてITO膜(厚さ800Å)を形成したポリエチレンテレフタラート(PET)基板(厚さ125μm)の前記ITO膜上に、第1電荷発生層を形成した。具体的には、まず、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2℃)が7.0°、7.5°、10.5°、11.7°、12.7°、17.3°、18.1°、24.5°、26.2°および27.1°に強い回折ピークを有するもの)を電荷発生材料とし、バインダー樹脂としてポリビニルブチラールを用い、その質量比率を1:1とし、ブタノールで分散させ、4%の分散液(塗布液A)を調製した。これをスピンコート法により、前記ITO膜上に塗布後、乾燥し、膜厚0.2μmの第1電荷発生層を形成した。
さらに、前記第1電荷発生層の上に、電荷輸送層を形成した。具体的には、まず下記例示化合物(VI)で示される構造の電荷輸送材料と、バインダー樹脂としてポリカーボネート{ビスフェノール−Z、(ポリ(4,4’−シクロヘキシリデンジフェニレンカーボネート))}と、を前者を40%、後者を60%の割合で混合した。その後、モノクロロベンゼンに溶解させ、10%の溶液(塗布液B)を調製した。これをディップコート法により120mm/minの速度で引き上げ、前記第1電荷発生層上に膜厚3.0μmの電荷輸送層を形成した。
さらに、前記塗布液Aをスピンコート法により、前記電荷輸送層の上に塗布、乾燥させ、膜厚0.2μmの第2電荷発生層を形成した。
以上のようにして、光導電体層を形成した。光導電体層の上に、ポリビニルアルコール3%水溶液を、スピンコート法により塗布し、膜厚0.2μmの隔離層を形成した。次いで、光導電体層の上に隔離層が形成されたPETフィルムの隔離層面上に、前記実施例1で調製した遮光塗料組成物をスピンコート法により塗布後、乾燥し、膜厚3μmの光吸収層を形成した。その後、さらに完全水性型ドライラミネート接着剤であるディックドライ(大日本インキ化学工業社製、WS−321A/LD−55)を塗布、乾燥させ、膜厚4.0μmの接着層を形成した。
一方、ポリビニルアルコール(クラレ社製、ポバール217EE)10部を、熱したイオン交換水1000部に加えて攪拌後、放置冷却することで、水相となる液を調製した。
次に、スライダックで30V交流を与えた家庭用ミキサーにより、前記油相10部を前記水相100部中に1分間乳化分散し、水相中に油相が分散した水中油エマルジョンを調製した。この水中油エマルジョンを60℃のウォーターバスで加熱しながら2時間攪拌し、界面重合を完了させて、液晶マイクロカプセルを形成した。得られた液晶マイクロカプセルの平均粒径をレーザー粒度分布計により測定したところ、12μmであった。得られた液晶マイクロカプセル分散液を網目38μmのステンレスメッシュを通してろ過後、一昼夜放置し、乳白色の上澄みを取り除くことにより、液晶マイクロカプセルを含有する固形成分40%のスラリーを得た。得られたスラリーに、その固形分の質量に対して、2/3となる量のポリビニルアルコールを含む10%の溶液を加えることにより、塗布液Cを調製した。
ITO膜(透明電極層、厚さ800Å)付きのPETフィルム(東レハイーム、透明基板、板厚125μm)のITO膜面の上に、上記塗布液Cを#44のワイヤーバーで塗布することにより液晶マイクロカプセルを含有する液晶表示層を形成した。
実施例12において、光吸収層の作製に前記実施例2で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
実施例12において、光吸収層の作製に前記実施例3で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
実施例12において、光吸収層の作製に前記実施例4で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
実施例12において、光吸収層の作製に前記実施例7で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
実施例12において、光吸収層の作製に前記実施例8で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
実施例12において、光吸収層の作製に前記実施例10で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
実施例12において、光吸収層の作製に前記実施例11で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
実施例12において、光吸収層の作製に前記比較例1で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
実施例12において、光吸収層の作製に前記比較例2で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
実施例12において、光吸収層の作製に前記比較例4で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
実施例12において、光吸収層の作製に前記比較例5で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
実施例12において、光吸収層の作製に前記比較例6で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
実施例12において、光吸収層の作製に前記比較例7で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
電極層としてITO膜(厚さ800Å)を形成したポリエチレンテレフタラート(PET)基板(厚さ125μm)の前記ITO膜上に、前記実施例1で調製した遮光塗料組成物をスピンコート法により塗布後、乾燥し、膜厚3μmの光吸収層を形成した。
次いで、該光吸収層上に、第1電荷発生層を形成した。具体的には、まず、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2℃)が7.0°、7.5°、10.5°、11.7°、12.7°、17.3°、18.1°、24.5°、26.2°および27.1°に強い回折ピークを有するもの)を電荷発生材料とし、バインダー樹脂としてポリビニルブチラールを用い、その質量比率を1:1とし、ブタノールで分散させ、4%の分散液(塗布液A)を調製した。これをスピンコート法により、前記光吸収層上に塗布後、乾燥し、膜厚0.2μmの第1電荷発生層を形成した。
さらに、前記第1電荷発生層の上に、電荷輸送層を形成した。具体的には、まず前記例示化合物(VI)で示される構造の電荷輸送材料と、バインダー樹脂としてポリカーボネート{ビスフェノール−Z、(ポリ(4,4’−シクロヘキシリデンジフェニレンカーボネート))}と、を前者を40%、後者を60%の割合で混合した。その後、モノクロロベンゼンに溶解させ、10%の溶液(塗布液B)を調製した。これをディップコート法により120mm/minの速度で引き上げ、前記第1電荷発生層上に膜厚3.0μmの電荷輸送層を形成した。
さらに、前記塗布液Aをスピンコート法により、前記電荷輸送層の上に塗布、乾燥させ、膜厚0.2μmの第2電荷発生層を形成した。
以上のようにして、光吸収層上に光導電体層を形成した。さらに光導電体層の上に、ポリビニルアルコール3%の水溶液をスピンコート法により塗布し、膜厚0.2μmの隔離層を形成した。次いで、光導電体層の上に隔離層が形成されたPETフィルムの隔離層面上に、完全水性型ドライラミネート接着剤であるディックドライ(大日本インキ化学工業社製、WS−321A/LD−55)を塗布、乾燥させ、膜厚4.0μmの接着層を形成した。
前記光吸収層および光導電体層上に形成された接着層と、上記液晶表示層と、が接するように密着させ、70℃でラミネートを行い、モノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
実施例20において、光吸収層の作製に前記実施例2で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外、実施例20に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
実施例20において、光吸収層の作製に前記比較例1で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外、実施例20に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
実施例20において、光吸収層の作製に前記比較例3で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外、実施例20に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(3)感度
以上のようにして得られた実施例12乃至21および比較例8乃至15の液晶表示デバイスについて、コネクタ、電圧印加手段、光書き込み手段、ならびに制御手段より構成される光書き込み装置を用いて、画像の書き込みを行った。具体的には、まず各実施例および比較例の光書き込み型液晶表示デバイスにおける2つの透明電極層をコネクタに接続した。さらに光書き込み型液晶表示デバイスに画像入力するために、モノクロの液晶パネルからなる光書き込み手段を密着させ、画像様の光を照射すると共に、電圧印加手段により矩方波、10Hz、4パルス、250Vpp(比較例においては300Vpp)の交流電圧を印加した。この際、光書き込み手段による画像様の光として、光照射部の光の強度を50μW/cm2から50μW/cm2ずつ上昇させ、光照射部にブルーのモノクロ画像が得られる光の強度を確認した。
一方、比較例8、13、14においては、光照射部はブルー、暗部はブラックのモノクロ画像を得るには、暗部(1μW/cm2)、光照射部(1mW/cm2)の光照射が必要であり、上記各実施例に比べて感度が劣ることが検証された。また、比較例9、10、11、12、15においては、画像が得られなかった。
以上の画像書込み操作を、それぞれ画像が得られた暗部と光照射部の光の強さで、最高で250回繰り返し、画像記録の耐久性を確認した。
その結果、実施例12乃至19においては、200回まで消し残りによる色むらを抑制することができ、実施例20および21においては、250回まで消し残りによる色むらを抑制することができた。一方、、比較例8、13、14においては、100回で消し残りによる色むらが発生した。
2 電極
3 光吸収層
4 第1電荷発生層
5 電荷輸送層
6 第2電荷発生層
7 隔離層
8 接着層
9 液晶表示層
10 透明電極
11 透明基板
12 液晶マイクロカプセル
13 光導電体層
14 透明樹脂
21,29 透明基板
22,28 透明電極
23 第1電荷発生層
24 電荷輸送層
25 第2電荷発生層
26 光吸収層
27 自己保持型液晶表示層
30 カイラルネマチック液晶
31 透明樹脂
32 光導電体層
Claims (19)
- 表面が親水化処理されたカーボンブラックと、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂と、水と、を含有し、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:10の範囲であることを特徴とする表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
- 前記水溶性樹脂の重合度が1000以上2000以下であることを特徴とする請求項1に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
- 前記水溶性樹脂の重合度が1300以上1800以下であることを特徴とする請求項1に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
- 前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:8であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
- 前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:4乃至1:6であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
- 前記表面が親水化処理されたカーボンブラックが、比表面積あたり0.6mg以上4mg以下のフミン酸塩によって表面処理されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
- 前記表面が親水化処理されたカーボンブラックが、自己水分散性樹脂によって内包されたマイクロカプセル化カーボンブラックであることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
- 前記水溶性樹脂がポリビニルアルコールおよびその誘導体から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の表示デバイス用遮光塗料組成物。
- 表面が親水化処理されたカーボンブラックと、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂と、を含有し、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:10の範囲であることを特徴とする表示デバイス用絶縁性遮光膜。
- 前記水溶性樹脂の重合度が1000以上2000以下であることを特徴とする請求項9に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜。
- 前記水溶性樹脂の重合度が1300以上1800以下であることを特徴とする請求項9に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜。
- 前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:8であることを特徴とする請求項9乃至請求項11の何れか1項に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜。
- 前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:4乃至1:6であることを特徴とする請求項9乃至請求項11の何れか1項に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜。
- 少なくとも一方が透明または半透明である陽極および陰極からなる一対の電極と、該電極に狭持される表示層と、光導電体層と、該光導電体層および電極に挟持される光吸収層と、を有し、
前記光吸収層として請求項9乃至請求項13の何れか1項に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜を備えることを特徴とする表示デバイス。 - 少なくとも一方が透明または半透明である陽極および陰極からなる一対の電極と、該電極に狭持される表示層と、光導電体層と、前記表示層および光導電体層に挟持される光吸収層と、を有し、
前記光吸収層として請求項9乃至請求項13の何れか1項に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜を備えることを特徴とする表示デバイス。 - 前記表示層が液晶層であることを特徴とする請求項14または請求項15に記載の表示デバイス。
- 前記液晶層がコレステリック液晶と透明樹脂とを含有してなる液晶層であることを特徴とする請求項16に記載の表示デバイス。
- 前記光導電体層が、有機光伝導体を含んで構成される層であることを特徴とする請求項14乃至請求項17の何れか1項に記載の表示デバイス。
- 前記表示層と前記光導電体層とを、樹脂基板によって保持したことを特徴とする請求項14乃至請求項18の何れか1項に記載の表示デバイス。
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