JP2009181040A - 表示デバイス用水性遮光塗料組成物、表示デバイス用絶縁性遮光膜、および表示デバイス - Google Patents

表示デバイス用水性遮光塗料組成物、表示デバイス用絶縁性遮光膜、および表示デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】高い遮光性と高い表面電気抵抗値と優れた耐久性とを有する遮光膜を得ることができる表示デバイス用水性遮光塗料組成物、該遮光塗料組成物を用いた表示デバイス用絶縁性遮光膜、および良好な光感度と優れた耐久性とを両立することができる表示デバイスの提供。
【解決手段】表面が親水化処理されたカーボンブラックと、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂と、水と、を含有し、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:10の範囲である表示デバイス用水性遮光塗料組成物、該遮光塗料組成部を用いて形成した表示デバイス用絶縁性遮光膜、および該絶縁性遮光膜を備えた表示デバイス。
【選択図】なし

Description

本発明は、表示デバイス用水性遮光塗料組成物、表示デバイス用絶縁性遮光膜、および表示デバイスに関する。
電界駆動型などの表示デバイスでは、ブラックマトリクスに代表されるように、最終的に得られる膜に対して大きな遮光性(黒色度)と、高い表面電気抵抗値と、を共に付与し得る材料が要求される。これまで、前記要求特性を満足する遮光塗料組成物として、有機溶剤系の印刷インキやペーストなどが用いられてきたが、近年では当該遮光塗料組成物についても水性のものが望まれるようになった。該水性の遮光塗料組成物として、可視光波長領域に大きな吸収を有し耐光性にも優れるカーボンブラック顔料を用いた場合、得られる遮光膜は遮光性が大きくなる。
一方、表示デバイスの観点からは、森林資源保護などの地球環境保全やスペースセーブといった事務環境改善などの理由から、紙に代わるハードコピー技術として、リライタブル(書き換え可能性)マーキング技術への期待が大きくなってきている。紙のハードコピーは、1)明るく、コントラストが高い、反射型フルカラー表示が可能であり、読みやすく情報表示密度が高い、2)軽薄で、可とう性を有する構造であり、楽な姿勢、照明条件の選択の幅が広い、3)表示メモリ性を有し、無電源での情報表示、保存が可能であるとともに、目の疲労が少ない、4)低コストで生産性も高いため、複数枚の同時表示による一覧性が得やすく、情報の比較やブラウジングなどが容易である、という従来の電子ディスプレイには無い優れた操作上の利便性を有している。このため、オフィスのペーパーレス化は期待されるほどには促進されず、電子ディスプレイに表示されている情報を、改めて紙にハードコピーとして印字してから閲覧するという行為を引き起こしている。従って、紙に代わる表示媒体には、省資源、少廃棄物を実現するための書き換え可能性に加えて、上記のごとき、紙文書固有の多様な利便性の再現が望まれている。
近年では、特に加熱による化学変化を利用したリライタブルマーキング技術の研究が盛んであり、ロイコ染料/両性顕減色剤系、ロイコ染料/顕色剤/有極性有機化合物系、ロイコ染料/長鎖アルキル顕減色剤系などの方式が提案されている。これらロイコ染料を用いる方式は、そのラクトン環の開閉に伴う、発消色変化を利用する化学変化型である。
また、加熱による物理変化を利用した方式が、画像の維持性を得やすい方式として提案されており、高分子/長鎖アルキル低分子系、ポリマーブレンド系、高分子液晶系などが提案されている。高分子/長鎖アルキル低分子系は内部の空隙を加熱温度によって変化させ光散乱性を制御する方式であり、ポリマーブレンド系は冷却速度によってミクロ相分離状態を変化させ、光散乱性を制御する方式である。また高分子液晶系は主に冷却速度によって結晶性を変化させて、光散乱性を制御する方式である。
また、液晶と光導電体を積層した素子は、画像情報の並列処理や投射型ディスプレイ、ホログラム、光変調器などとして用いられる、空間光変調素子や光情報を記録する情報記録媒体として使用することができる。
電極上に光導電層が積層された半導電性の光センサーと、液晶相および樹脂相からなる情報記録層を積層した情報記録媒体と、を光センサーあるいは情報記録媒体の電極の少なくともいずれか一方を透明電極として、光軸上に電極を互いに外側にして対向空隙を形成して配置し、両電極間に電圧を印加可能に結線した情報記録媒体が示されている(例えば、特許文献1参照)。該情報記録媒体には、メモリ性のあるスメクチック液晶が使われており、露光によって発生した光センサー上における電荷分布に応じて、スメクチック液晶の白濁度が変調され記録されるというものであり、高感度高分解能な記録を実現できる。
特開平9−120045号公報
本発明の目的は、高い遮光性と高い表面電気抵抗値と優れた耐久性とを有する遮光膜を得ることができる表示デバイス用水性遮光塗料組成物、高い遮光性と高い表面電気抵抗値と優れた耐久性とを得ることができる表示デバイス用絶縁性遮光膜、および良好な光感度と優れた耐久性とを両立することができる表示デバイスを提供することにある。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。
請求項1に記載の発明は、表面が親水化処理されたカーボンブラックと、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂と、水と、を含有し、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:10の範囲であることを特徴とする表示デバイス用水性遮光塗料組成物である。
請求項2に記載の発明は、前記水溶性樹脂の重合度が1000以上2000以下であることを特徴とする請求項1に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物である。
請求項3に記載の発明は、前記水溶性樹脂の重合度が1300以上1800以下であることを特徴とする請求項1に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物である。
請求項4に記載の発明は、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:8であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物である。
請求項5に記載の発明は、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:4乃至1:6であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物である。
請求項6に記載の発明は、前記表面が親水化処理されたカーボンブラックが、比表面積あたり0.6mg以上4mg以下のフミン酸塩によって表面処理されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物である。
請求項7に記載の発明は、前記表面が親水化処理されたカーボンブラックが、自己水分散性樹脂によって内包されたマイクロカプセル化カーボンブラックであることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物である。
請求項8に記載の発明は、前記水溶性樹脂がポリビニルアルコールおよびその誘導体から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の表示デバイス用遮光塗料組成物である。
請求項9に記載の発明は、表面が親水化処理されたカーボンブラックと、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂と、を含有し、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:10の範囲であることを特徴とする表示デバイス用絶縁性遮光膜である。
請求項10に記載の発明は、前記水溶性樹脂の重合度が1000以上2000以下であることを特徴とする請求項9に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜である。
請求項11に記載の発明は、前記水溶性樹脂の重合度が1300以上1800以下であることを特徴とする請求項9に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜である。
請求項12に記載の発明は、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:8であることを特徴とする請求項9乃至請求項11の何れか1項に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜である。
請求項13に記載の発明は、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:4乃至1:6であることを特徴とする請求項9乃至請求項11の何れか1項に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜である。
請求項14に記載の発明は、少なくとも一方が透明または半透明である陽極および陰極からなる一対の電極と、該電極に狭持される表示層と、光導電体層と、該光導電体層および電極に挟持される光吸収層と、を有し、前記光吸収層として請求項9乃至請求項13の何れか1項に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜を備えることを特徴とする表示デバイスである。
請求項15に記載の発明は、少なくとも一方が透明または半透明である陽極および陰極からなる一対の電極と、該電極に狭持される表示層と、光導電体層と、前記表示層および光導電体層に挟持される光吸収層と、を有し、前記光吸収層として請求項9乃至請求項13の何れか1項に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜を備えることを特徴とする表示デバイスである。
請求項16に記載の発明は、前記表示層が液晶層であることを特徴とする請求項14または請求項15に記載の表示デバイスである。
請求項17に記載の発明は、前記液晶層がコレステリック液晶と透明樹脂とを含有してなる液晶層であることを特徴とする請求項16に記載の表示デバイスである。
請求項18に記載の発明は、前記光導電体層が、有機光伝導体を含んで構成される層であることを特徴とする請求項14乃至請求項17の何れか1項に記載の表示デバイスである。
請求項19に記載の発明は、前記表示層と前記光導電体層とを、樹脂基板によって保持したことを特徴とする請求項14乃至請求項18の何れか1項に記載の表示デバイスである。
請求項1に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、高い遮光性と高い表面電気抵抗値と優れた耐久性とを有する遮光膜を得ることができる。
請求項2に係る発明によれば、水溶性樹脂の重合度を考慮しない場合に比べて、高い表面電気抵抗値と良好な粘度と成膜性や接着性を得ることができる。
請求項3に係る発明によれば、水溶性樹脂の重合度を考慮しない場合に比べて、高い表面電気抵抗値と良好な粘度と成膜性や接着性を得ることができる。
請求項4に係る発明によれば、カーボンブラックと水溶性樹脂との含有比率を考慮しない場合に比べて、高い遮光性と高い表面電気抵抗値とを有する遮光膜を得ることができる。
請求項5に係る発明によれば、カーボンブラックと水溶性樹脂との含有比率を考慮しない場合に比べて、高い遮光性と高い表面電気抵抗値とを有する遮光膜を得ることができる。
請求項6に係る発明によれば、表面処理条件を考慮しない場合に比べて、高い遮光性と高い表面電気抵抗値と優れた耐久性とを有する遮光膜を得ることができる。
請求項7に係る発明によれば、表面処理条件を考慮しない場合に比べて、高い遮光性と高い表面電気抵抗値と優れた耐久性とを有する遮光膜を得ることができる。
請求項8に係る発明によれば、水溶性樹脂の種類を考慮しない場合に比べて、成膜性や接着性、表示デバイスにおける積層性に優れた遮光膜を得ることができる。
請求項9に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、高い遮光性と高い表面電気抵抗値と優れた耐久性とを得ることができる。
請求項10に係る発明によれば、水溶性樹脂の重合度を考慮しない場合に比べて、高い表面電気抵抗値と良好な膜形成性とを得ることができる。
請求項11に係る発明によれば、水溶性樹脂の重合度を考慮しない場合に比べて、高い表面電気抵抗値と良好な膜形成性とを得ることができる。
請求項12に係る発明によれば、カーボンブラックと水溶性樹脂との含有比率を考慮しない場合に比べて、高い遮光性と高い表面電気抵抗値とを得ることができる。
請求項13に係る発明によれば、カーボンブラックと水溶性樹脂との含有比率を考慮しない場合に比べて、高い遮光性と高い表面電気抵抗値とを得ることができる。
請求項14に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、良好な光感度と優れた耐久性とを両立することができる。
請求項15に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、良好な光感度と優れた耐久性とを両立することができる。
請求項16に係る発明によれば、表示層の態様を考慮しない場合に比べて、高コントラストと高精細な表示デバイスを得ることができる。
請求項17に係る発明によれば、液晶の種類を考慮しない場合に比べて、高コントラストと高精細な表示デバイスを得ることができる。
請求項18に係る発明によれば、光導電体層の態様を考慮しない場合に比べて、省電力と速い書き込み速度とを有する表示デバイスを得ることができる。
請求項19に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、軽量で、薄型、壊れにくい表示デバイスを得ることができる。
<表示デバイス用水性遮光塗料組成物>
以下、表示デバイス用水性遮光塗料組成物(以下、単に「遮光塗料組成物」ということがある)の好ましい態様について詳細に説明する。
(第1の実施形態に係る遮光塗料組成物)
第1の実施形態に係る遮光塗料組成物は、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂と、水と、を含有し、且つ表面が親水化処理されたカーボンブラックとして比表面積あたり0.6mg以上4mg以下のフミン酸塩によって表面処理されているカーボンブラックを含有する。また、該カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率は、質量比で1:3乃至1:10の範囲である。
上記構成により、以下の要求特性を満たし得る。
(a) 膜厚3μmの表示デバイス用絶縁性遮光膜(ここで、本明細書における「絶縁性」とは、表面抵抗値が1×1013Ω/□以上であることを表す。以下、前記表示デバイス用絶縁性遮光膜のことを単に「絶縁性遮光膜」ということがある)の光透過率が400nm以上800nm以下の波長領域において、1%以下である(遮光性)
(b) 膜厚3μmの絶縁性遮光膜の表面抵抗値が1013(Ω/□)以上である(表面電気抵抗)
(c) 絶縁性遮光膜の耐光性、保管性が優れ、長期にわたって安定である(耐久性)
−フミン酸塩によって表面処理されているカーボンブラック−
まず、表面がフミン酸塩にて親水化処理されたカーボンブラックの水分散組成物について詳記する。上記カーボンブラック水分散組成物は、少なくとも水中にてカーボンブラック粒子に、フミン酸塩を含有する表面処理剤の水溶液を接触させ、機械的分散力にて該顔料(カーボンブラック)が到達し得る小粒径の粒子となるまで分散させ、水分散粒子とする。その後、該分散粒子を包み込むか、或いは表面に吸着しうる有機化合物系添加物を加えることにより製造することができる。
具体的には、まず水を60質量%以上含む液媒体中にて、水に溶解したフミン酸塩をカーボンブラックの比表面積あたり0.6mg/m以上4mg/m以下となるように添加混合する。次いで、メディアの体積充填率が100%のメディアミルで分散して、平均粒子径が0.06μm以上0.17μm以下の範囲にあり、最大粒子径が0.6μm以下であるカーボンブラック分散体を得る。その後、有機溶剤および有機化合物系添加物を混合して製造することができる。
ここで、一般にカーボンブラックは天然ガスや液状炭化水素(重油やタール等)を熱分解または不完全燃焼させて得られる炭素粉末である。これらは、製造方法によりチャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等に分類され市販されている。
用い得るカーボンブラックの種類は特に限定されるものではなく、酸性カーボンブラック、中性カーボンブラック、アルカリ性カーボンブラックなど従来の公知のカーボンブラックが使用できる。好ましくは、吸油量60ml/100g以上200ml/100g以下、比表面積50m/g以上300m/g以下に、更に好ましくは吸油量80ml/100g以上120ml/100g以下、比表面積80m/g以上200m/g以下の範囲である粉状のカーボンブラックが好適に使用できる。
顔料であるカーボンブラックの液媒体(水等)への分散に際しては、顔料の含有量が5質量%以上30質量%以下が好ましく、更には10質量%以上20質量%以下がより好ましい。
上記カーボンブラックの表面処理剤であるフミン酸塩としては、非農業用で且つ硝酸処理されていないポリフェノール型のポリカルボン酸であるフミン酸の塩が好ましく、市販品としては、(株)テルナイト社製の商品名:CHA−02およびCHA−07が好適に使用される。フミン酸塩の添加量は、カーボンブラックの比表面積に対して0.6mg/m以上4mg/m以下の範囲が好ましい。上記添加量は、更に1mg/m以上3.5mg/m以下であることがより好ましく、1.5mg/m以上3mg/m以下であることが特に好ましい。上記下限値以上であることにより優れた分散安定性が得られ、また上記上限値以下であることにより分散に好ましい効果を与えつつ、耐水性および着色濃度の低下が抑制される。
フミン酸塩はpHを調節しながら予め水に溶解し、顔料を加えるのが好ましい。フミン酸塩の溶解は水媒体に対して質量比で0.1質量%以上30質量%以下の範囲で用いることが好ましく、更には1.0質量%以上10質量%以下の範囲がより好ましい。フミン酸塩の溶解に際してはディスパー攪拌やホモミキサー等の一般的な装置を用いることができる。尚、溶解後には溶解液中の未溶解物を除去する観点から、例えば100メッシュ以上200メッシュ以下のステンレス製の網を用いてろ過処理を施すことができる。
カーボンブラック水分散体の分散は、ミル媒体および粉砕装置を用いて行うことができる。具体的には、予備分散処理した後に、本分散処理を水性媒体中3時間以上10時間以下の時間で湿式粉砕することにより行い、微分散レベルまで顔料分散を行う。微分散されたカーボンブラックの平均粒径は、300nm以下であることが好ましく、更には170nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることが特に好ましい。
上記分散に用いる分散機としてはボールミル、アトライター、ディゾルバー、ホモミキサー、フーロジェットミキサー、インペラーミル、コロイダルミル、サンドミル[例えば、ビーズミル、サンドグライダー、スーパーミル、アジテーターミル、ダイノーミル(商品名)]等が挙げられる。尚、予備分散機としては、高速のディゾルバー、ホモミキサー等が好ましく、特にTKホモミックラインミル(特殊機化工業社製)等の連続式ホモミキサーが好適に使用できる。予備分散を行うことにより、44μmステンレス網を容易に通すことができ、次工程の本分散への導入が容易となる。
本分散には高速メディアミルが好適に使用される。ここで使用する充填メディア(媒体)としては、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、磁性ビーズ、ステンレス製ビーズ等が挙げられる。好ましくは0.2mm以上2.0mm以下(より好ましくは0.3mm以上1.0mm以下)の径のジルコニアビーズを用い、ミルへのメディア体積充填率を100%にでき、更に周速が5m/s以上15m/s以下の範囲に設定し得る装備を有する分散機が好適に使用できる。メディアの充填率が100%であることにより、所望の分散体が短時間で得られ、かつ所望の粒子径分布を有する分散体が得られる。また、周速が上記下限値以上であることにより分散を短時間で行え、一方周速が上記上限値以下であることにより分散液の粘度の低下が抑制され、遠心力でメディアがベッセルの外壁に押しつけられる現象が防止され、効果的な分散が出来る。
以上のカーボンブラック水分散体を、1μm以上の粒子補捉率が99.5%以上のフィルターを用い、ろ過処理を施すことにより分散体原液が得られる。更に、該顔料分散体原液に有機溶剤および有機化合物系添加物(水溶性添加剤)として、例えばpH調整剤、水溶性樹脂、樹脂エマルジョン、防腐剤などを添加し、最終的な分散体が得られる。
該カーボンブラック水分散体は、水中に安定分散した水分散体として入手可能であり、例えば、大成ナノテック社製「TBK−BC3」等を挙げることができる。
ここで使用される上記有機溶剤とは水溶性有機溶剤であり、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1以上4以下のアルキルアルコール類;テトラヒドロフランジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジアセトアミド等のアミド類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
前記pH調整剤としては、例えば、アンモニア水、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などが挙げられる。
また、前記有機化合物系添加物として、上記の成分のほかに、樹脂、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を添加してもよい。例えば樹脂としては、水溶性樹脂や樹脂エマルジョンが挙げられる。該水溶性樹脂として、カゼイン、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、スチレン−アクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル等が挙げられる。また樹脂エマルジョンとしては、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ウレタン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニルエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等が挙げられる。
上述の方法によって添加物を混合攪拌し、0.6μmを超える粒子の補捉率が99.8%以上のフィルターを用いてろ過処理を施すことにより、フミン酸塩によって表面処理されているカーボンブラックの水分散体を得ることができる。
この水性顔料分散物を使用した場合、これまでの染料系分散物と比較して耐光性に優れ、また水性顔料分散物において問題となる長期間の分散安定性についても優れ、保存安定性の向上が得られる。
−水溶性樹脂−
第1の実施形態に係る遮光塗料組成物には、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂を添加する。
上記水溶性樹脂は、水に可溶で、前記カーボンブラックの分散性に悪影響を与えず、基板に塗布し乾燥して得られる絶縁性遮光膜に、高い絶縁性と耐薬品性を付与できるものが好ましい。この水溶性樹脂としては、例えば、完全けん化または部分けん化ポリビニルアルコール、水溶性ポリビニルアセタール、水溶性ポリビニルホルマール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、水溶性ポリ(メタ)アクリル酸共重合体、ポリアルキレンオキサイド、水溶性ポリエステル、ポリエチレングリコール、水溶性マレイン酸樹脂などが挙げられる。この中でもポリビニルアルコール、水溶性ポリビニルアセタール、水溶性ポリビニルホルマール等のポリビニルアルコール誘導体が、皮膜形成能や耐薬品性に優れるという観点から特に好ましい。
また、樹脂の重合度と樹脂の電気抵抗値とには相関関係があり、重合度が高いほど電気抵抗値が高くなる傾向にある。特に、表面電気抵抗値の高い絶縁性遮光膜を得るためには、水溶性樹脂は重合度が1000以上3000以下のものが使用される。重合度が1000未満の場合は表面抵抗値が低下し、3000を超えると遮光塗料組成物の粘度が高くなって、支持体に塗布しにくくなる。
更には、1000以上2000以下の範囲のものがより好ましく、1300以上1800以下の範囲のものが特に好ましい。
上記水溶性樹脂としては、例えば、クラレ社製「クラレポバールPVA−HCW」、「クラレポバールPVA−217C」、「クラレポバールPVA−217EE」、「エクセバールRS−2617」、「エクセバールRS−2713」等のポリビニルアルコールが挙げられ、またポリビニルアセタールとしては、積水化学工業社製の「エスレックKW−1」などを挙げることができる。これらの水溶性樹脂は、単独で或いは2種類以上を混合して使用することができる。
第1の実施形態に係る遮光塗料組成物を使用して形成される絶縁性遮光膜を、液晶表示デバイスのブラックマトリックスとして使用した場合には、該絶縁性遮光膜は直接液晶材料と接触する。
また、表示デバイスの電気特性に影響を及ぼさないよう、第1の実施形態に係る遮光塗料組成物を使用して形成される絶縁性遮光膜においては、表面電気抵抗値を高くすることが好ましい。その観点からカーボンブラックの導電性を調整することが好ましい。
また、第1の実施形態に係る遮光塗料組成物においては、前記フミン酸塩によって表面処理されているカーボンブラック(親水化処理されたカーボンブラック)と水溶性樹脂との含有比率を、質量比で1:3乃至1:10とすることにより、得られる絶縁性遮光膜に、二律背反する高い遮光性と高い表面電気抵抗値を同時に付与することが可能となった。カーボンブラックと水溶性樹脂の含有比率が1:3を超える場合、すなわち親水化されたカーボンブラックの含有率が高くなると、得られる絶縁遮光膜の遮光性は向上するが表面電気抵抗値が低下し、逆に1:10未満の場合、すなわち親水化されたカーボンブラックの含有率が低くなると、得られる絶縁遮光膜の表面電気抵抗値は向上するが遮光性が低下する。上記質量比は、更に1:3乃至1:8であることがより好ましく、1:4乃至1:6であることが特に好ましい。
また、このときカーボンブラック、水溶性樹脂あるいは他の固形分の遮光塗料組成物中の濃度を5質量%以上15質量%以下とすることが絶縁性遮光膜の導電率の制御の点から望ましい。
また、水溶性樹脂を析出させない範囲内で、水と相溶性を有する有機溶剤を添加してもよい。この有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどの低級アルコール、アセトン、ジオキサンなどが挙げられる。遮光塗料組成物の不揮発分濃度は、5質量%以上20質量%以下とするのが好ましい。
第1の実施形態に係る遮光塗料組成物は、前記カーボンブラック水分散体と水溶性樹脂水溶液に加え、消泡剤等の添加剤を添加して、超音波分散法、ホモジナイザー法、ボールミル法、ミキサー法、サンドミル法、ニーダー法等の公知慣用の分散混合方法を用いて混合し、調製し得る。
なお、第1の実施形態に係る遮光塗料組成物を使用して液晶表示デバイスなどの電界駆動型表示デバイスに絶縁性遮光膜を形成する場合、該遮光塗料組成物中に不純物を含有すると、表示デバイスの表示特性を損なうことがある。このため、カーボンブラックをイオン交換樹脂等を用いて過剰に存在する塩を除去して用いると、不純物拡散により表示層が劣化することを低減させることができる。ただし、塩が全く存在しないとカーボンブラックの水への分散性が低下するため、このカーボンブラック、水溶性樹脂と水を含有する水溶性遮光塗料組成物の電気伝導度を20μS/cm以上100μS/cm以下となるように不純物となるイオンを除去することが望ましい。
(第2の実施形態に係る遮光塗料組成物)
第2の実施形態に係る遮光塗料組成物は、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂と、水と、を含有し、且つ表面が親水化処理されたカーボンブラックとして自己水分散性樹脂によって内包されたマイクロカプセル化カーボンブラックを含有する。また、該カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率は、質量比で1:3乃至1:10の範囲である。
上記構成により、以下の要求特性を満たし得る。
(a) 膜厚3μmの表示デバイス用絶縁性遮光膜の光透過率が400nm以上800nm以下の波長領域において、1%以下である(遮光性)
(b) 膜厚3μmの絶縁性遮光膜の表面抵抗値が1013(Ω/□)以上である(表面電気抵抗)
(c) 絶縁性遮光膜の耐光性、保管性が優れ、長期にわたって安定である(耐久性)
尚、第2の実施形態に係る遮光塗料組成物においては、表面が親水化処理されたカーボンブラックとして自己水分散性樹脂によって内包されたマイクロカプセル化カーボンブラックを用いる以外、その他の組成物は前記第1の実施形態に係る遮光塗料組成物において用いた組成物をそのまま採用することができる。
−マイクロカプセル化カーボンブラック−
第2の実施形態に係る遮光塗料組成物において、マイクロカプセルを形成している自己水分散性樹脂(A)(いわゆるマイクロカプセルの殻材樹脂)には、中和により自己水分散性を示す、酸基を有する合成樹脂(1)において、当該酸基の少なくとも一部が塩基(2)で中和された自己水分散性樹脂を用いる。この自己水分散性樹脂(A)は、無彩色顔料との濡れが良く、かつ染料との相溶性も良好で好ましい。
前記合成樹脂(1)が有する酸基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基等が挙げられ、特に限定されるものではないが、このうちカルボン酸基がより好ましい。
当該合成樹脂(1)の酸価は50以上280以下が好ましい。合成樹脂(1)の酸価が50以上であることにより得られるマイクロカプセル化カーボンブラックが水分散安定性に優れ、また酸価が280以下であることにより有機溶媒に溶解した水分散性樹脂の塩基による中和の際に生じる凝集が抑制され、また水に添加した際にも樹脂の溶解が抑制される。以上の観点より、用いる合成樹脂(1)の酸価は、50以上280以下の範囲で、より好ましくは70以上250以下の範囲である。
この合成樹脂(1)としては、カルボン酸基を有するビニル共重合体がよく、例えばスチレンあるいはα−メチルスチレン等の置換スチレン、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一つ以上のモノマー単位と、アクリル酸、メタクリル酸から選ばれる少なくとも一つ以上のモノマー単位と、を含むビニル共重合体が好ましい。さらに好ましくは必須モノマー成分としてスチレンモノマー、アクリル酸モノマー、メタアクリル酸モノマーを用いるビニル共重合体である。これらのモノマーを用いたビニル共重合体は、その分子構造中に光、熱、溶剤等によって分断され易い基、例えばエステル結合等を有していないので極めて安定な樹脂と言える。
特にこれらの必須モノマー成分の構成比率がスチレンモノマー60モル%以上90モル%以下であり、アクリル酸モノマー5モル%以上15モル%以下であり、且つメタアクリル酸モノマー5モル%以上25モル%以下であることが好ましい。
前記合成樹脂(1)の分子量範囲についても特に制限はないが、1000以上100000以下の分子量のものがより好ましい。勿論、かかる合成樹脂(1)が後記する水性媒体(C)との組み合わせで安定なマイクロカプセルを形成するものであれば、これらに特に限定されるものではなく、2種類以上を混合して使用してもよい。
塩基(2)による中和、即ちアルカリ性中和剤による中和は、前記合成樹脂(1)が水に溶解しない程度に中和することが好ましく、溶解しない程度であれば塩基(2)を過剰に加えてもよい。尚、合成樹脂(1)の酸基の60モル%以上を中和することが好ましい。中和率が60モル%以上であると、得られるマイクロカプセル化カーボンブラックは微粒で、かつ分散安定性に優れている。
前記自己水分散性樹脂(A)の水性媒体(C)中での含有量としては、特に限定されるものではないが、最終的に得られる遮光塗料組成物中で0.5質量%以上20質量%以下とすることが好ましい。
前記塩基(2)としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエチルアミン、モルホリン等の塩基性物質の他、特にトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルコールアミンが使用可能である。これらの中でも、特にアルコールアミンの使用が好ましい。アルコールアミンであると、よりマイクロカプセル化カーボンブラックの分散安定性に優れ、また水分や有機溶剤の蒸発に伴う粒子凝集が生じにくく、より良好な水分散物が得られる。
第2の実施形態に係る遮光塗料組成物において、酸基を有する合成樹脂(1)に前記塩基(2)を添加して中和する方法としては、予め合成樹脂(1)の有機溶媒溶液に添加する方法や、該合成樹脂(1)の有機溶媒溶液と水性媒体(C)とを混合する際に水性媒体中に添加する方法等が挙げられ、その採用については最も良い条件を選択すればよい。
第2の実施形態に係る遮光塗料組成物においては、前述の通り黒色顔料としては、カーボンブラックが用いられる。
また染料としては、特に制限はないが、好ましくは有機溶剤に溶解可能な染料がよい。代表的なものとして、例えばモノアゾ・ジスアゾ等のアゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノイミン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、ペリノン染料、フタロシアニン染料、トリアリルメタン系染料等が挙げられるが、これらの例に限定されるものではない。これらの染料は一部分散する形で存在してもよいが、マイクロカプセルを形成している殻材樹脂に溶解するものを選択することが好ましい。
第2の実施形態に係る遮光塗料組成物におけるマイクロカプセル化カーボンブラックは、染料が染着した自己水分散性樹脂によってカーボンブラックが内包された着色樹脂粒子として存在する。
第2の実施形態に係る遮光塗料組成物において使用する染料とカーボンブラックの総使用量は、特に限定されるいものではないが、最終的に得られる遮光塗料組成物中で0.5質量%以上20質量%以下とすることが好ましい。また、無彩色顔料に対する染料の質量比率としては、1質量%以上50質量%以下の範囲にて用いることが望ましい。
第2の実施形態に係る遮光塗料組成物における着色樹脂粒子(着色マイクロカプセル粒子)は、染料による樹脂の染着と共に、カーボンブラックのマイクロカプセル化を行う方法、染料で樹脂を染着した後にカーボンブラックのマイクロカプセル化を行う方法、カーボンブラックを内包した樹脂粒子(マイクロカプセル粒子)を染料で染着する方法、等によって形成し得る。
形成された着色マイクロカプセル成分を含む水分散物(即ち染料が染着された自己水分散性樹脂によって内包されたマイクロカプセル化カーボンブラックを水性媒体中に分散した水分散物)は、例えば合成樹脂(1)の有機溶剤溶液に染料およびカーボンブラックを添加し、攪拌機や分散装置を用いて溶解・分散を行って混合した後、塩基(2)の存在下でそれと水性媒体(C)とを混合することによって調製することが出来る。
より具体的に説明すると、転相乳化法と呼ばれるマイクロカプセル化方法によって調製することでマイクロカプセル化カーボンブラックを含有する水分散物は容易に製造し得る。転相乳化法による製造は、基本的には第1段階として、有機溶剤に可溶で中和によって自己水分散性を示す合成樹脂(1)を有機溶剤に溶解させ、更にカーボンブラックおよび染料を当該樹脂溶液中に分散・溶解させる工程(ミルベース工程)と、第2段階としてその溶液を塩基(2)の存在下で過剰量の水性媒体と混合させることにより、染料が染着した水分散性樹脂によって無彩色顔料を内包した樹脂粒子を得る工程(カプセル化工程)と、を有する。また更に第3段階として、第1段階のミルベース工程で用いた有機溶剤を除去する工程(脱溶剤工程)を経てもよい。
前記のマイクロカプセル化カーボンブラックを含有する水分散物の製造に際して、染料やカーボンブラックは、何れも予め水性媒体中に分散する前の自己水分散性樹脂中に分散または溶解せしめておくことが好ましい。
また前記転相乳化法を用いてカプセル化を行う場合、第1段階で使用する有機溶剤としては、アセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤;ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤;酢酸エチルエステル等のエステル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;アミド類等、樹脂を溶解させるものであれば使用可能である。尚、前記合成樹脂(1)を用いた転相乳化法の場合、ケトン系溶剤およびアルコール系溶剤から選ばれる少なくとも1種類以上の組み合わせが好適である。
第2の実施形態に係る遮光塗料組成物においては、分散剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を、有機溶剤、樹脂、染料、カーボンブラックと共に用いてもよい。前記第2段階のカプセル化工程は、上記溶剤に樹脂と染料、カーボンブラックを混合し、攪拌機や分散装置を用いて溶解・分散を行い、得られた有機溶剤溶液と、水を必須成分とする水性媒体と、を混合することにより行われる。
また、第2段階のカプセル化工程では、第1段階で得たミルベースに、塩基(2)の存在下、水または水溶液を混合してカプセル化が行われる。尚、使用するカーボンブラックや染料によってはカプセル同士の緩い凝集を生ずることがあるため、カプセル化後に水または水溶液を追加し混合分散を行うことが好ましい。この工程では、水を必須成分とする水性媒体中に、自己水分散性樹脂を含む着色溶液を加えてもよいが、逆に当該樹脂を含む着色溶液中に水性媒体を加える方が、均一な粒子径の水性分散液が得られる点で好ましい。また、界面活性剤を併用して強制的に乳化させて得ることもできる。しかしながら界面活性剤や保護コロイドは最終的に得られる粒子の物性を低下させる傾向があるので用いないことがより好ましい。
塩基(2)はミルベースまたは水溶液に添加される。また水性媒体において用いられる水は、イオン交換水以上のグレードが好ましい。
第3段階として、カプセル化が終了した後に、第1段階のミルベース工程で用いた合成樹脂(1)を溶解する有機溶剤を除去する脱溶剤工程を経てもよい。これにより、着色マイクロカプセルの膨潤・凝集を押さえて安定した水分散液が得られる。この脱溶媒工程においては、更に水を除去してもよい。また勿論、この第3段階の工程は省いてもよい。
またこの他、pH調整剤、分散・消泡剤、防腐剤、キレート剤等の添加剤を加えることができる。これらの添加剤は、第1段階から最終段階までの適当な工程で加えることができるが、好ましくは最終ろ過後の添加剤の添加は避けたることが好ましい。最終的な組成の調整が終了した後、フィルターろ過や遠心分離等で大粒径粒子を除去し、マイクロカプセル化カーボンブラックを含有する水分散物とすることが好ましい。
尚、転相乳化法によって製造する好適な例を説明すると次の通りである。
合成樹脂として、スチレン、置換スチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノマーと、(メタ)アクリル酸と、を共重合して、酸価が50以上280以下、分子量1000以上10万以下のビニル共重合体を得る。該ビニル共重合体を有機溶媒に溶解して合成樹脂溶液を調製し、この合成樹脂溶液と、カーボンブラックと、染料として前記合成樹脂に溶解し得る染料と、を混合し、練肉して着色ミルベースを得る。カーボンブラックに対する染料の質量比率は1質量%以上50質量%以下の範囲とする。この着色ミルベースに前記合成樹脂の酸基を中和し得る塩基を加え、攪拌混合し、更に攪拌下に水を含む水性媒体を滴下し混合して転相乳化を行う。これにより、染料が染着した自己水分散性樹脂によってカーボンブラックが内包された着色樹脂粒子が、水性媒体中に分散したマイクロカプセル化カーボンブラックを含有する水分散物が得られる。
尚、この際にアルカリ中和剤としての塩基の添加量は、酸基の60モル%以上を中和する量を範囲とする。使用するカーボンブラックや染料によってカプセル同士の緩い凝集を生じた場合は、カプセル化後に水または水溶液を追加混合して再度分散する。さらに合成樹脂の溶解に用いた有機溶媒を減圧蒸留により除去し、カーボンブラック水分散組成物を得る。
以上に説明した、好ましい態様である第1および第2の実施形態に係る遮光塗料組成物は、絶縁性遮光膜に用いることができる。具体的には、液晶ディスプレイに使われるカラーフィルター用ブラックマトリクス部材、空間光変調器や選択反射を利用した反射型表示デバイス用の絶縁性部材などの分野で使用される水性遮光塗料組成物として用いることができる。また、該遮光塗料組成物を使用して得られる絶縁性遮光膜は、液晶表示層と有機光伝導体層と光吸収層からなる、高解像度、大情報量の表示記録を行う液晶表示デバイス等に用いることができる。
<表示デバイス用絶縁性遮光膜>
(第3の実施形態に係る絶縁性遮光膜)
次いで、表示デバイス用絶縁性遮光膜の好ましい態様として、第3の実施形態に係る絶縁性遮光膜について詳細に説明する。
第3の実施形態に係る絶縁性遮光膜は、表面が親水化処理されたカーボンブラックと、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂と、を含有し、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:10の範囲である。該絶縁性遮光膜は、前述の第1または第2の実施形態に係る遮光塗料組成物を、基板上に塗布し、乾燥させることによって形成し得る。
塗布方法としては、スピン塗布法、引上げ塗布法、エアドクター塗布法、ブレード塗布法、ロッド塗布法、ナイフ塗布法、スクイズ塗布法、含浸塗布法、リバースロール塗布法、トランスファー塗布法、グラビア塗布法、キスロール塗布法、キャスト塗布法、スプレー塗布法、カーテン塗布法、カレンダー塗布法、押し出し塗布法、静電塗布法、バーコート法など、公知慣用の方法から選択することができる。また、前記基板としては、一般的にはプラスチックフィルムやガラス板などが用いられるが、これらに限られるものではない。
<表示デバイス>
次いで、表示デバイスの好ましい態様について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第4の実施形態に係る表示デバイス)
図1は、第4の実施形態に係る表示デバイスを示す概略断面図である。ここでは実施の形態の一例として、コレステリック液晶マイクロカプセルを用いた光書き込み型液晶表示デバイスの構成を説明する。
第4の実施形態に係る表示デバイスは、基板1上に電極2、光吸収層3、第1電荷発生4と電荷輸送層5と第2電荷発生層6とを含有する光導電体層13、隔離層7、接着層8、液晶マイクロカプセル12および透明樹脂14を含む液晶表示層9、透明電極10、並びに透明基板11を順次積層した構成となっている。また、電極2および透明電極10には電圧印加部が接続される。
光導電体層13には、透明基板11から基板1の方向に画像状の露光パターンが照射されるのと同期して、透明電極10と電極2とによって挟持される領域に駆動電圧が印加されると、印加電圧除去時に液晶表示層9上に画像が形成される。
第4の実施形態に係る表示デバイスの動作原理は以下のものである。
光導電体層13には透明基板11から基板1の方向に光照射が行われ、それと共に駆動電圧が印加される。また液晶表示層9には、液晶表示層9、接着層8、隔離層7、光導電体層13および光吸収層3によって分圧された駆動電圧が印加される。
このとき光導電体層13の電気抵抗は露光の強度により変化する。したがって露光強度が大きいときには電気抵抗が低くなり、液晶表示層9への印加電圧が大きくなる。一方、露光強度が小さいときには、電気抵抗は高くなり、液晶表示層9への印加電圧は小さくなる。この電圧の大小により液晶の相は変化し、反射率の大小が生じる。コレステリック液晶は表示のメモリ性を示すため、露光と電圧除去後にも相変化によって生じた反射率の大小は露光像の形に残ることとなる。
上記に示した表示デバイスおよびその製造方法についてより詳細に説明する。
基板1としては、後述の透明基板11に示す材料のほか、光を透過しない樹脂、ガラス、セラミックスなどの材料が利用できる。
電極2の材料としては、後述の透明電極10に示す材料のほか、光を透過しない金属、カーボンブラックなどの材料が利用できる。尚、電極2の厚みが充分に大きく、表示層へ加えられる外力が分散され、カプセルの破壊による障害が見られない状況においては、基板1は電極2と共通とみなす若しくは省略することができる。
光吸収層3は、液晶表示層9からの透過光を吸収する目的で設ける。吸収が必要な波長範囲は可視波長全域、特に波長400nm以上700nm以下の領域で遮光性能を示すことが好ましい。該遮光性能としては、透過光の光学濃度が0.5以上であることが好ましく、更には1以上がより好ましい。
光吸収層3には、前述の第3の実施形態に係る絶縁性遮光膜が用いられる。光吸収層3の形成方法としては、スクリーン印刷、凸版印刷、凹版印刷、平板印刷、フレクソ印刷などの印刷法や、スピンコート法、バーコート法、ディップコート法、ロールコート法、ナイフコート法、ダイコート法などの塗布法を用いることができる。
尚、光吸収層3は、前記第3の実施形態に係る絶縁性遮光膜を単独で用いても、他の黒色の素材と混合して用いてもよい。混合して用いる場合の黒色の素材としては、特に限定されるものではなく、カーボンブラック、アニリンブラックなどの有機顔料、CuO、MnO、Cr、Fe−Cr系顔料、Cu−Fe−Mn系顔料などの無機顔料などの黒色顔料を樹脂バインダ中に分散した黒色塗料が挙げられる。該黒色塗料を、前述の第1または第2の実施形態に係る遮光塗料組成物と混合し、塗布することによって用いることができる。前記樹脂バインダとしては、ポリビニルアルコール樹脂、ナイロン樹脂、ゼラチン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
第1電荷発生層4および第2電荷発生層6に用いられる電荷発生材料としては、a−Si、ZnS、ZnO、CdS、CdSe、Se、SeTe、TiOなどの無機材料や、金属または無金属フタロシアニン、ビスおよびトリスなどアゾ化合物、多環キノン化合物、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、ペリレン化合物、スクアリウム化合物、アズレニウム化合物、シアニン色素、ピリリウム化合物、ピロピロール色素、縮合芳香族系顔料、キサンテン顔料などの有機材料が挙げられる。
電荷発生層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、CVD法などドライな膜形成方法のほか、前記電荷発生材料を含む塗布液をバーコート法、スピンコート法、ロールコート法、ディップ法、キャスティング法などウェットな膜形成方法によって成膜することもできる。前記塗布液を用いる場合、前記塗布液中の、前記電荷発生材料の濃度としては、1質量%以上20質量%以下にすることが好ましく、1.5質量%以上5質量%以下とすることがより好ましい。
また、前記塗布液にはバインダ樹脂を含むことが好ましい。このバインダ樹脂としては、電子写真感光体の感光層形成に通常用いられる公知のものを用いることができる。具体的には、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラール、アクリル、メタクリル、塩化ビニル、酢酸ビニルなどの重合体、およびこれらの共重合体などの絶縁性樹脂などが挙げられる。これらバインダ樹脂は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記塗布液を調製するための溶媒としては、バインダ樹脂を溶解する溶媒であり、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等の環状または鎖状のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロエチレン、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、リグロイン等の鉱油、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
前記第1電荷発生層4および第2電荷発生層6の膜厚としては、10nm以上1μm以下が好ましく、20nm以上500nm以下がより好ましい。10nm以上であることにより高い光感度が得られかつ膜厚の差の少ない膜を作製し得る。また、1μm以下であることにより、光感度が飽和せず、膜内応力による剥離が抑制される。
電荷輸送層5に用いられる電荷輸送材料として、正孔輸送材料としては、カルバゾール系、トリアゾール系、オキサジアゾール系、イミダゾール系、ピラゾリン系、ベンジルアミノ系ヒドラゾン、キノリン系ヒドラゾン、スチルベン系、トリフェニルアミン系、トリフェニルメタン系、ニトロフルオレノン系、トリニトロフルオレン系、ベンジジン系が挙げられる。また、電子輸送材料としては、キノン系、テトラシアノキノジメタン系、フルオレン系、キサントン系、ベンゾフェノン系などが挙げられる。この公知の電荷輸送性材料をバインダ樹脂中に含有させ、スピンコート法、ディップ法などにより成膜することができる。
電荷輸送層5に用いられるバインダ樹脂としては、前記第1電荷発生層4および第2電荷発生層6に用いられるバインダ樹脂を用いることができる。塗布液中の電荷輸送材料の濃度としては、5質量%以上50質量%以下の範囲で用いることが好ましく、10質量%以上20質量%以下とすることがより好ましい。
尚、光導電体層13は、照射光量に応じてインピーダンスが変化するものであればよい。例えば、電荷輸送層中に更に電荷発生層を作製した構成(例えば、第1電荷発生層/第1電荷輸送層/第3電荷発生層/第2電荷輸送層/第2電荷発生層とする構成)や、上記の機能分離型の光導電体層に限定されず、電荷発生材料と電荷輸送材料が混合した一体型の有機感光材料を用いた単層型の光導電体層であってもかまわない。
隔離層7には、水溶性樹脂、水/有機溶剤可溶樹脂、水系のエマルジョン・ディスパージョン・ラテックスなどが利用できる。水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース・エチルセルロースなどのアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミドなどのポリアクリル酸エステル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、澱粉、カゼイン、にかわ、ゼラチン、アラビアゴム、グアーガム、アルギン酸塩、ローカストビーンガム、カラギーナン、タマリンド、ペクチンの他、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基などの親水性基を有するウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが利用できる。
水/有機溶剤可溶樹脂としてはエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリグリセリンや、水/有機溶剤に可溶な各種樹脂が利用できる。
水系のエマルジョン・ディスパージョン・ラテックスとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリアクリレート、スチレン−ブタジエン・ゴム、ニトリル−ブタジエン・ゴムなどが利用できる。
尚、隔離層7には接着剤に含まれる低分子非水成分、有機溶媒などの拡散を防ぐ目的があり、有機溶媒に膨潤しにくい水溶性樹脂が最も望ましい。
接着層8の素材としては、アクリレート系、ウレタン系、シアノアクリレート系、シリコーン系、イソプレンなどのゴム系、エチレン−酢酸ビニル共重合体など、公知の接着剤が利用できる。接着剤のタイプは、2液硬化型、熱硬化型、湿気硬化型、紫外線硬化型、ホットメルト型、感圧型(粘着剤)など特に限定されるものではない。
液晶表示層9に含まれる液晶マイクロカプセル12としては、コレステリック液晶を含むマイクロカプセルが好ましく用いられる。コレステリック液晶としてはネマチック液晶にカイラル剤を混合したもの、もしくは単独で不斉炭素を持ち光学活性を示すコレステリック液晶が好ましい。コレステリック液晶は単独化合物でもよく、単独で液晶性を示さない化合物を複数含む混合物でもよい。
液晶マイクロカプセル12を製造する方法としては、相分離法、液中乾燥法、融解分散冷却法、スプレードライング法、パンコーティング法、気中懸濁被覆法、粉床法などの各種界面沈積法、界面重合法、in situ重合法、液中硬化被覆法などの界面反応法を用いることができる。また、マイクロカプセルの壁材料としてはゼラチン、ゼラチン−アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリウレタン/ポリウレア、尿素ホルムアルデヒドなどの材料を用いることができる。
透明樹脂14には、透光性を有し適度な強度を持つ材料が用いられる。この素材としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂などの樹脂や、ガラス、セラミックなどが利用できる。
液晶表示層9は、透明樹脂14中に液晶マイクロカプセル12を分散してなる複合素材である。この構成の液晶表示層9は、液晶マイクロカプセル12の粒径に応じて、表面に凹凸が形成される。液晶表示層9の形成方法としては、スクリーン印刷、凸版印刷、凹版印刷、平板印刷、フレクソ印刷などの印刷法や、スピンコート法、バーコート法、ディップコート法、ロールコート法、ナイフコート法、ダイコート法などの塗布法を用いることができる。液晶表示層9は、透明電極10上に形成されていれば透明電極10と直接接する必要はなく、密着力を向上させるために表示層9と透明電極10とを、アンカーコート層の短絡を防止するための絶縁層を介して設けるなど、駆動電圧に対する影響が無視できる範囲で表示機能層を設けてもよい。
透明電極10には、透明な材料を用いればよい。ここで「透明」とは、光書き込み用の光および/または可視光を透過する性質をいう。具体的には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫、酸化亜鉛などの導電性透明金属酸化物、金、アルミニウム、銅などの金属薄膜、ポリピロールなどの透明導電性高分子が利用できる。また、ITOや各種金属板のように基板と電極を兼ねるものであってもよい。透明電極10の厚みは、特に限定されるものではないが、10nm以上10μm以下の範囲が好ましい。
透明基板11は、透明な絶縁体シートもしくはフィルムを用いることができる。透明基板11に用いられる材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、トリアセチルセルロースなどの透明性樹脂、ガラス、セラミックスなどが利用できる。透明性樹脂を使う場合には、水蒸気バリア層を付加形成することが望ましい。
透明電極10および透明基板11は、光学的に透明なものならば特に限定されるものではないが、特に光導電体層13はこれらを通して露光されるため、光導電体層13が感度を持つ波長に対して透明であることがより好ましい。
第4の実施形態に係る表示デバイスは、以下の手順で製造し得る。
まず、透明基板11表面に形成された透明電極10上に液晶表示層9を形成する。液晶表示層9の前駆体は液晶マイクロカプセル12と透明樹脂14を含む水系混合物であり、該水系混合物を透明電極10の上に塗布乾燥することによって液晶表示層9が形成される。一方、基板1表面に形成された電極2に対して、前述の第1または第2の実施形態に係る遮光塗料組成物を塗布乾燥して光吸収層3を形成する。さらに第1電荷発生層4、電荷輸送層5、第2電荷発生層6を順次積層することにより光導電体層13を形成する。次いで、光導電体層13上に、水系樹脂水溶液を塗布乾燥して隔離層7を形成し、更に2液性接着剤溶液を塗布乾燥して接着層8を順次形成する。最後に、接着層8と表示層9とを貼り合せることによって第4の実施形態に係る表示デバイスが得られる。
(第5の実施形態に係る表示デバイス)
更に別の好ましい態様である、第5の実施形態に係る表示デバイスについて説明する。図2は、第5の実施形態に係る表示デバイスを示す概略断面図である。
第5の実施形態に係る表示デバイスは、一対の透明基板21および29のそれぞれの表面に設けられた透明電極22および28に挟持されて、カイラルネマチック液晶30と透明樹脂31とを含有する自己保持型液晶表示層27、光吸収層26および光導電体層32を積層したものである。自己保持型液晶表示層27と光吸収層26および光導電体32はいずれも原液の塗布やラミネート加工によって積層が可能である。
液晶表示層27は外から目視で確認できるように、基板を透明として複数の基板で保持することが好ましい。また、一枚の透明基板の片側に液晶表示層27、光吸収層26および光導電体層32を形成することが好ましい。
透明基板21および29並びに透明電極22および28は、前述の第4の実施形態に係る表示デバイスにおける透明基板11および透明電極10を用いることができる。
光吸収層26には、前述の第3の実施形態に係る絶縁性遮光膜を用いることができ、詳細は前述の通りである。
また、光吸収層26は、前記第3の実施形態に係る絶縁性遮光膜を単独で用いても、他の黒色の素材と混合して用いてもよい。混合して用いる場合の黒色の素材としては、前述の第4の実施形態に係る表示デバイスにおいて列挙した素材を用いることができる。
光導電体層32中における、第1電荷発生層23、第2電荷発生層25および電荷輸送層24に用いられる材料についても、前述の第4の実施形態に係る表示デバイスにおいて第1電荷発生層4、第2電荷発生層6および電荷輸送層5として挙げた材料を用いることができる。
自己保持型液晶表示層27に含まれるカイラルネマチック液晶30としては、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ジオキサン系などの正の誘電率異方性を有するネマチック液晶、或いはこれらの混合物に、エステル誘導体、シアノビフェニル誘導体、ビスアニール誘導体などの光学活性なカイラル剤を添加した材料を用いることができる。
カイラルネマチック液晶30の螺旋ピッチは、ネマチック液晶に対するカイラル剤の添加量で調整し得る。例えば、表示色を青、緑、赤としたい場合には中心波長が、それぞれ400nm以上500nm未満、500nm以上600nm未満、600nm以上700nm未満の範囲になるよう調整する。また、カイラルネマチック液晶の螺旋ピッチの温度依存性を補償するために、捩じれ方向が異なる或いは逆の温度依存性を示す複数のカイラル剤を添加する等の公知の手法を用いてもよい。
カイラルネマチック液晶30と透明樹脂31を含有してなる自己保持型液晶表示層27を形成する形態としては、カイラルネマチック液晶30の連続層中に網目状の透明樹脂31を含むPNLC(Polymer Network Liquid Crystal)構造や、高分子の骨格中にカイラルネマチック液晶がドロップレット状に分散されたPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)構造を用いることができる。PNLC構造やPDLC構造は、高分子と液晶を相分離させる公知の手法を用いることができる。例えば、アクリル系、チオール系、エポキシ系などの、熱や光、電子線等によって重合する高分子前駆体を、液晶と混合し、この状態から重合させて相分離させるPIPS(Polymerization Induced Phase Separation)法;ポリビニルアルコールなどの液晶の溶解度が低い高分子と液晶とを混合し、攪拌懸濁させて、液晶を高分子中にドロップレット分散させるエマルジョン法;熱可塑性高分子と液晶とを混合し、加熱した状態から冷却して相分離させるTIPS(Thermally Induced Phase Separation)法;高分子と液晶をクロロホルムなどの溶媒に溶かし、溶媒を蒸発させて高分子と液晶を相分離させるSIPS(Solvent Induced Phase Separation)法;などによって形成することができる。ただし、これらの手法は特に限定されるものではない。PIPS法、TIPS法等を用いる場合、液晶層の膜厚を一定に保つには相分離時に液晶を保持する基板間にスぺーサーを分散するのが便利である。スペーサーは、ガラスやプラスチックなどのボール型またはシリンダー型のものを用いることができる。尚、各表示層の厚みは数μm以上数十μm以下に制御することが好ましい。また、スペーサーの代わりに、液晶を挟むものの表面に、液晶層の厚みを制御しうる突起物等を形成してもよい。
また、透明樹脂31としては、前述の第4の実施形態に係る表示デバイスにおける透明樹脂14を用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。実施例中「部」および「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
≪遮光塗料組成物および絶縁性遮光膜の作製≫
(実施例1)
重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−217EE」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液26部、比表面積あたり2.6mgのフミン酸塩で表面処理されたカーボン15%水分散体(大成ナノテック社製「TBK−BC3」)2.8部、およびエタノール1.2部を、ペイントシェーカを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:5.6であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるようにPETフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
(実施例2)
重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−217EE」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液26部、自己水分散性樹脂によって内包されたマイクロカプセル化カーボンブラック15%水分散体(大日本インキ化学工業社製「MC Black 082−E」)2.8部、およびエタノール1.2部を、脱泡式遊星ミルを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:5.6であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるようにPETフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
(実施例3)
重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−217EE」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液26.8部、比表面積あたり2.6mgのフミン酸塩で表面処理されたカーボン15%水分散体(大成ナノテック社製「TBK−BC3」)2.0部、およびエタノール1.2部を、脱泡式遊星ミルを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:8.0であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるようにPETフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
(実施例4)
重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ社製「エクセバールRS−1717」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液26部、比表面積あたり2.6mgのフミン酸塩で表面処理されたカーボン15%水分散体(大成ナノテック社製「TBK−BC3」)2.8部、およびエタノール1.2部を、ペイントシェーカを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:5.6であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるようにPETフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
(実施例5)
重合度1300のポリビニルアルコール(クラレ社製「エクセバールRS−1713」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液26部、比表面積あたり2.6mgのフミン酸塩で表面処理されたカーボン15%水分散体(大成ナノテック社製「TBK−BC3」)2.8部、およびエタノール1.2部を、ペイントシェーカを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:5.6であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるようにPETフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
(実施例6)
重合度1300のポリビニルアルコール(クラレ社製「エクセバールRS−1713」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液26.8部、比表面積あたり2.6mgのフミン酸塩で表面処理されたカーボン15%水分散体(大成ナノテック社製「TBK−BC3」)2.0部、およびエタノール1.2部を、ペイントシェーカを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:8.0であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるように透明ポリエステルフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
(実施例7)
実施例1において用いたポリビニルアルコールを、重合度1000のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバール210」)に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。
(実施例8)
実施例1において用いたポリビニルアルコールを、重合度2400のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバール224E」)に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。
(実施例9)
実施例1において用いたポリビニルアルコールを、重合度2000のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−220」)に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。
(実施例10)
実施例1において、ポリビニルアルコール(ポバールPVA−217EE)9%水溶液の含有量を20部に、カーボン15%水分散体(TBK−BC3)の含有量を3.3部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:3.6であった。
(実施例11)
実施例1において、ポリビニルアルコール(ポバールPVA−217EE)9%水溶液の含有量を35部に、カーボン15%水分散体(TBK−BC3)の含有量を2.2部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:9.5であった。
(比較例1)
重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−217EE」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液28.3部、カーボン20%水分散体(東海カーボン社製「Aqua−Black162」)0.5部、およびエタノール1.2部を、脱泡式遊星ミルを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:25.5であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるように透明ポリエステルフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
(比較例2)
重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−217EE」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液24部、カーボン20%水分散体(東海カーボン社製「Aqua−Black162」)5部、およびエタノール1部を、脱泡式遊星ミルを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:2.2であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるように透明ポリエステルフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
(比較例3)
重合度1300のポリビニルアルコール(クラレ社製「エクセバールRS−1713」)9部を、純水91部に加熱溶解してポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液24部、酸化カーボン20%水分散体(オリエント化学工業社製「BONJET BLACK CW−1」)5部、およびエタノール1部を、ペイントシェーカを使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:2.2であった。
該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなるように透明ポリエステルフィルムにワイヤーバーを使用して塗布し、100℃で1時間乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
(比較例4)
実施例1において用いたカーボン15%水分散体(TBK−BC3)を、カーボンブラック(三菱化学社製「三菱カーボンブラック#25」)に変更して、遮光塗料組成物を調製した。具体的には、重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−217EE」)9部を、純水91部に加熱溶解して、ポリビニルアルコール9%水溶液を得た。上記ポリビニルアルコール9%水溶液26部、三菱カーボンブラック0.4部、エタノール1.2部、純水2.4部をペイントシェーカを用いて混合分散し、遮光塗料組成物を調整した。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との混合比は質量比で1:5.8であった。
該遮光塗料を、乾燥後の膜厚が3μmとなるようにPETフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で1時間乾燥させ、絶縁性遮光膜を得た。
(比較例5)
実施例1において用いたポリビニルアルコールを、重合度300のポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−203」)に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。
(比較例6)
実施例1において、ポリビニルアルコール(ポバールPVA−217EE)9%水溶液の含有量を24部に、カーボン15%水分散体(TBK−BC3)の含有量を6部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:2.4であった。
(比較例7)
実施例1において、ポリビニルアルコール(ポバールPVA−217EE)9%水溶液の含有量を28部に、カーボン15%水分散体(TBK−BC3)の含有量を1.0部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により遮光塗料組成物を調製し、また絶縁性遮光膜を得た。尚、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂(PVA)との含有比率は、質量比で1:16.8であった。
[評価]
(1)光透過率の測定
以上の実施例および比較例により得られた絶縁性遮光膜に関し、日立製作所社製、U−4000、Spectorophotometerを用いて、400nm以上800nm以下の波長領域における光透過率(%)を測定した。結果を表1に示す。
(2)表面電気抵抗値の測定
以上の実施例および比較例により得られた絶縁性遮光膜に関し、ADVANTEST社製、R8340A、URTRA HIGH RESISTANCE METERを用いて、表面電気抵抗値(Ω/□)を測定した。結果を表1に示す。

表1の結果から、実施例における表示デバイス用水性遮光塗料組成物を使用して形成した表示デバイス用絶縁性遮光膜は、高い遮光性と、高い表面電気抵抗値(すなわち高い絶縁性)とを有していることが分かる。
≪表示デバイスの作製≫
(実施例12)
電極層としてITO膜(厚さ800Å)を形成したポリエチレンテレフタラート(PET)基板(厚さ125μm)の前記ITO膜上に、第1電荷発生層を形成した。具体的には、まず、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2℃)が7.0°、7.5°、10.5°、11.7°、12.7°、17.3°、18.1°、24.5°、26.2°および27.1°に強い回折ピークを有するもの)を電荷発生材料とし、バインダー樹脂としてポリビニルブチラールを用い、その質量比率を1:1とし、ブタノールで分散させ、4%の分散液(塗布液A)を調製した。これをスピンコート法により、前記ITO膜上に塗布後、乾燥し、膜厚0.2μmの第1電荷発生層を形成した。
さらに、前記第1電荷発生層の上に、電荷輸送層を形成した。具体的には、まず下記例示化合物(VI)で示される構造の電荷輸送材料と、バインダー樹脂としてポリカーボネート{ビスフェノール−Z、(ポリ(4,4’−シクロヘキシリデンジフェニレンカーボネート))}と、を前者を40%、後者を60%の割合で混合した。その後、モノクロロベンゼンに溶解させ、10%の溶液(塗布液B)を調製した。これをディップコート法により120mm/minの速度で引き上げ、前記第1電荷発生層上に膜厚3.0μmの電荷輸送層を形成した。
さらに、前記塗布液Aをスピンコート法により、前記電荷輸送層の上に塗布、乾燥させ、膜厚0.2μmの第2電荷発生層を形成した。
以上のようにして、光導電体層を形成した。光導電体層の上に、ポリビニルアルコール3%水溶液を、スピンコート法により塗布し、膜厚0.2μmの隔離層を形成した。次いで、光導電体層の上に隔離層が形成されたPETフィルムの隔離層面上に、前記実施例1で調製した遮光塗料組成物をスピンコート法により塗布後、乾燥し、膜厚3μmの光吸収層を形成した。その後、さらに完全水性型ドライラミネート接着剤であるディックドライ(大日本インキ化学工業社製、WS−321A/LD−55)を塗布、乾燥させ、膜厚4.0μmの接着層を形成した。
一方さらに、液晶マイクロカプセルを含有する液晶表示層、透明電極層および透明基板を以下のようにして形成した。正の誘電率異方性を有するネマチック液晶E8(メルク社製)74.8部、カイラル剤CB15(BDH社製)21部、およびカイラル剤R1011(メルク社製)4.2部を加熱溶解し、その後室温(25℃)まで冷却して、ブルーグリーンの色光を選択反射するカイラルネマチック液晶を得た。このブルーグリーンカイラルネマチック液晶10部に、キシレンジイソシアネート3molとトリメチロールプロパン1molとの付加物(武田薬品工業社製、D−110N)3部、酢酸エチル100部を加えて溶液とし、油相となる液を調製した。
一方、ポリビニルアルコール(クラレ社製、ポバール217EE)10部を、熱したイオン交換水1000部に加えて攪拌後、放置冷却することで、水相となる液を調製した。
次に、スライダックで30V交流を与えた家庭用ミキサーにより、前記油相10部を前記水相100部中に1分間乳化分散し、水相中に油相が分散した水中油エマルジョンを調製した。この水中油エマルジョンを60℃のウォーターバスで加熱しながら2時間攪拌し、界面重合を完了させて、液晶マイクロカプセルを形成した。得られた液晶マイクロカプセルの平均粒径をレーザー粒度分布計により測定したところ、12μmであった。得られた液晶マイクロカプセル分散液を網目38μmのステンレスメッシュを通してろ過後、一昼夜放置し、乳白色の上澄みを取り除くことにより、液晶マイクロカプセルを含有する固形成分40%のスラリーを得た。得られたスラリーに、その固形分の質量に対して、2/3となる量のポリビニルアルコールを含む10%の溶液を加えることにより、塗布液Cを調製した。
ITO膜(透明電極層、厚さ800Å)付きのPETフィルム(東レハイーム、透明基板、板厚125μm)のITO膜面の上に、上記塗布液Cを#44のワイヤーバーで塗布することにより液晶マイクロカプセルを含有する液晶表示層を形成した。
前記光導電体層および光吸収層上に形成された接着層と、上記液晶表示層と、が接するように密着させ、70℃でラミネートを行い、モノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(実施例13)
実施例12において、光吸収層の作製に前記実施例2で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(実施例14)
実施例12において、光吸収層の作製に前記実施例3で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(実施例15)
実施例12において、光吸収層の作製に前記実施例4で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(実施例16)
実施例12において、光吸収層の作製に前記実施例7で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(実施例17)
実施例12において、光吸収層の作製に前記実施例8で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(実施例18)
実施例12において、光吸収層の作製に前記実施例10で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(実施例19)
実施例12において、光吸収層の作製に前記実施例11で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(比較例8)
実施例12において、光吸収層の作製に前記比較例1で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(比較例9)
実施例12において、光吸収層の作製に前記比較例2で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(比較例10)
実施例12において、光吸収層の作製に前記比較例4で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(比較例11)
実施例12において、光吸収層の作製に前記比較例5で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(比較例12)
実施例12において、光吸収層の作製に前記比較例6で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(比較例13)
実施例12において、光吸収層の作製に前記比較例7で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外は、実施例12に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(実施例20)
電極層としてITO膜(厚さ800Å)を形成したポリエチレンテレフタラート(PET)基板(厚さ125μm)の前記ITO膜上に、前記実施例1で調製した遮光塗料組成物をスピンコート法により塗布後、乾燥し、膜厚3μmの光吸収層を形成した。
次いで、該光吸収層上に、第1電荷発生層を形成した。具体的には、まず、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2℃)が7.0°、7.5°、10.5°、11.7°、12.7°、17.3°、18.1°、24.5°、26.2°および27.1°に強い回折ピークを有するもの)を電荷発生材料とし、バインダー樹脂としてポリビニルブチラールを用い、その質量比率を1:1とし、ブタノールで分散させ、4%の分散液(塗布液A)を調製した。これをスピンコート法により、前記光吸収層上に塗布後、乾燥し、膜厚0.2μmの第1電荷発生層を形成した。
さらに、前記第1電荷発生層の上に、電荷輸送層を形成した。具体的には、まず前記例示化合物(VI)で示される構造の電荷輸送材料と、バインダー樹脂としてポリカーボネート{ビスフェノール−Z、(ポリ(4,4’−シクロヘキシリデンジフェニレンカーボネート))}と、を前者を40%、後者を60%の割合で混合した。その後、モノクロロベンゼンに溶解させ、10%の溶液(塗布液B)を調製した。これをディップコート法により120mm/minの速度で引き上げ、前記第1電荷発生層上に膜厚3.0μmの電荷輸送層を形成した。
さらに、前記塗布液Aをスピンコート法により、前記電荷輸送層の上に塗布、乾燥させ、膜厚0.2μmの第2電荷発生層を形成した。
以上のようにして、光吸収層上に光導電体層を形成した。さらに光導電体層の上に、ポリビニルアルコール3%の水溶液をスピンコート法により塗布し、膜厚0.2μmの隔離層を形成した。次いで、光導電体層の上に隔離層が形成されたPETフィルムの隔離層面上に、完全水性型ドライラミネート接着剤であるディックドライ(大日本インキ化学工業社製、WS−321A/LD−55)を塗布、乾燥させ、膜厚4.0μmの接着層を形成した。
一方、液晶マイクロカプセルを含有する液晶表示層は、前記実施例12に記載の方法により作製した。
前記光吸収層および光導電体層上に形成された接着層と、上記液晶表示層と、が接するように密着させ、70℃でラミネートを行い、モノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(実施例21)
実施例20において、光吸収層の作製に前記実施例2で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外、実施例20に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(比較例14)
実施例20において、光吸収層の作製に前記比較例1で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外、実施例20に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
(比較例15)
実施例20において、光吸収層の作製に前記比較例3で調製した遮光塗料組成物を用いたこと以外、実施例20に記載の方法によりモノクロ表示の光書き込み型液晶表示デバイスを作製した。
[評価試験]
(3)感度
以上のようにして得られた実施例12乃至21および比較例8乃至15の液晶表示デバイスについて、コネクタ、電圧印加手段、光書き込み手段、ならびに制御手段より構成される光書き込み装置を用いて、画像の書き込みを行った。具体的には、まず各実施例および比較例の光書き込み型液晶表示デバイスにおける2つの透明電極層をコネクタに接続した。さらに光書き込み型液晶表示デバイスに画像入力するために、モノクロの液晶パネルからなる光書き込み手段を密着させ、画像様の光を照射すると共に、電圧印加手段により矩方波、10Hz、4パルス、250Vpp(比較例においては300Vpp)の交流電圧を印加した。この際、光書き込み手段による画像様の光として、光照射部の光の強度を50μW/cmから50μW/cmずつ上昇させ、光照射部にブルーのモノクロ画像が得られる光の強度を確認した。
その結果、実施例12乃至19においては、暗部(1μW/cm)と光照射部(200μW/cm)において、光照射部はブルー、暗部はブラックのモノクロ画像が得られ、これらが高感度であることが検証された。また、実施例20および21においては、暗部(1μW/cm)と光照射部(400μW/cm)において、光照射部はブルー、暗部はブラックのモノクロ画像が得られ、これらが感度に優れることが検証された。
一方、比較例8、13、14においては、光照射部はブルー、暗部はブラックのモノクロ画像を得るには、暗部(1μW/cm)、光照射部(1mW/cm)の光照射が必要であり、上記各実施例に比べて感度が劣ることが検証された。また、比較例9、10、11、12、15においては、画像が得られなかった。
(4)耐久性
以上の画像書込み操作を、それぞれ画像が得られた暗部と光照射部の光の強さで、最高で250回繰り返し、画像記録の耐久性を確認した。
その結果、実施例12乃至19においては、200回まで消し残りによる色むらを抑制することができ、実施例20および21においては、250回まで消し残りによる色むらを抑制することができた。一方、、比較例8、13、14においては、100回で消し残りによる色むらが発生した。
第4の実施形態に係る表示デバイスを示す概略断面図である。 第5の実施形態に係る表示デバイスを示す概略断面図である。
符号の説明
1 基板
2 電極
3 光吸収層
4 第1電荷発生層
5 電荷輸送層
6 第2電荷発生層
7 隔離層
8 接着層
9 液晶表示層
10 透明電極
11 透明基板
12 液晶マイクロカプセル
13 光導電体層
14 透明樹脂
21,29 透明基板
22,28 透明電極
23 第1電荷発生層
24 電荷輸送層
25 第2電荷発生層
26 光吸収層
27 自己保持型液晶表示層
30 カイラルネマチック液晶
31 透明樹脂
32 光導電体層

Claims (19)

  1. 表面が親水化処理されたカーボンブラックと、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂と、水と、を含有し、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:10の範囲であることを特徴とする表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
  2. 前記水溶性樹脂の重合度が1000以上2000以下であることを特徴とする請求項1に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
  3. 前記水溶性樹脂の重合度が1300以上1800以下であることを特徴とする請求項1に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
  4. 前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:8であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
  5. 前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:4乃至1:6であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
  6. 前記表面が親水化処理されたカーボンブラックが、比表面積あたり0.6mg以上4mg以下のフミン酸塩によって表面処理されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
  7. 前記表面が親水化処理されたカーボンブラックが、自己水分散性樹脂によって内包されたマイクロカプセル化カーボンブラックであることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
  8. 前記水溶性樹脂がポリビニルアルコールおよびその誘導体から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の表示デバイス用遮光塗料組成物。
  9. 表面が親水化処理されたカーボンブラックと、重合度が1000以上3000以下の水溶性樹脂と、を含有し、前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:10の範囲であることを特徴とする表示デバイス用絶縁性遮光膜。
  10. 前記水溶性樹脂の重合度が1000以上2000以下であることを特徴とする請求項9に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜。
  11. 前記水溶性樹脂の重合度が1300以上1800以下であることを特徴とする請求項9に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜。
  12. 前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:3乃至1:8であることを特徴とする請求項9乃至請求項11の何れか1項に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜。
  13. 前記カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が、質量比で1:4乃至1:6であることを特徴とする請求項9乃至請求項11の何れか1項に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜。
  14. 少なくとも一方が透明または半透明である陽極および陰極からなる一対の電極と、該電極に狭持される表示層と、光導電体層と、該光導電体層および電極に挟持される光吸収層と、を有し、
    前記光吸収層として請求項9乃至請求項13の何れか1項に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜を備えることを特徴とする表示デバイス。
  15. 少なくとも一方が透明または半透明である陽極および陰極からなる一対の電極と、該電極に狭持される表示層と、光導電体層と、前記表示層および光導電体層に挟持される光吸収層と、を有し、
    前記光吸収層として請求項9乃至請求項13の何れか1項に記載の表示デバイス用絶縁性遮光膜を備えることを特徴とする表示デバイス。
  16. 前記表示層が液晶層であることを特徴とする請求項14または請求項15に記載の表示デバイス。
  17. 前記液晶層がコレステリック液晶と透明樹脂とを含有してなる液晶層であることを特徴とする請求項16に記載の表示デバイス。
  18. 前記光導電体層が、有機光伝導体を含んで構成される層であることを特徴とする請求項14乃至請求項17の何れか1項に記載の表示デバイス。
  19. 前記表示層と前記光導電体層とを、樹脂基板によって保持したことを特徴とする請求項14乃至請求項18の何れか1項に記載の表示デバイス。
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