JP4929649B2 - 光変調素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルを含む調光層を有する光変調素子製造方法に関する。
紙パルプの原料である森林資源の破壊や、ごみの廃却、焼却による環境汚染などから、オフィスを中心とする大量の紙の消費が問題になっている。しかしながら、パーソナルコンピュータの普及、インターネットを始めとする情報化社会の発達により、電子情報の一時的な閲覧を目的とする、いわゆる短寿命文書としての紙の消費は、益々増加する傾向にあり、紙に代わる書き換え可能な表示媒体の実現が望まれている。
ところで、コレステリック光変調素子は無電源で表示を保持できるメモリ性を有すること、偏光板を使用しないため明るい表示が得られること、カラーフィルターを用いずにカラー表示が可能なことなどの特長を有することから近年注目を集めている。
液晶分子が螺旋構造を持つコレステリック液晶は、入射した光を右円偏光と左円偏光に分け、螺旋の捩じれ方向に一致する円偏光成分をブラッグ反射し、残りの光を透過させる選択反射現象を起こす。反射光の中心波長λ、及び反射波長幅Δλは、螺旋ピッチをp、平均屈折率をn、複屈折率をΔnとすると、それぞれλ=n・p、Δλ=Δn・pで表され、コレステリック液晶層による反射光は螺旋ピッチに依存した鮮やかな色を呈する。
正の誘電異方性を有するコレステリック液晶は、図7(A)に示すように、螺旋軸がセル表面に垂直になり、入射光に対して上記の選択反射現象を起こすプレーナ状態、図7(B)に示すように、螺旋軸がほぼセル表面に平行になり、入射光を少し前方散乱させながら透過させるフォーカルコニック状態、及び図7(C)に示すように、螺旋構造がほどけて液晶ダイレクタが電界方向を向き、入射光をほぼ完全に透過させるホメオトロピック状態、の3つの状態を示す。
上記の3つの状態のうち、プレーナ状態とフォーカルコニック状態は、無電圧で双安定に存在することができる。したがって、コレステリック液晶の配向状態は、液晶層に印加される電圧に対して一義的に決まらず、プレーナ状態が初期状態の場合には、印加電圧の増加に伴って、プレーナ状態、フォーカルコニック状態、ホメオトロピック状態の順に変化し、フォーカルコニック状態が初期状態の場合には、印加電圧の増加に伴って、フォーカルコニック状態、ホメオトロピック状態の順に変化する。一方、液晶層に印加した電圧を急激にゼロにした場合には、プレーナ状態とフォーカルコニック状態はそのままの状態を維持し、ホメオトロピック状態はプレーナ状態に変化する。そして、印加するパルス電圧の大きさによって上記3つの状態を相互に遷移させることができる。
この電気光学応答を示したものが図8である。図8中、曲線Aは初期状態がプレーナ状態の場合を示し、曲線Bは初期状態がフォーカルコニック状態の場合を示す。
図8において(a)で示す領域はプレーナ状態又はフォーカルコニック状態(選択反射状態又は透過状態)を、(b)で示す領域は遷移領域を、(c)で示す領域はフォーカルコニック状態(透過状態)を、(d)で示す領域は遷移領域を、(e)で示す領域はホメオトロピック状態を示し、ホメオトロピック状態で電圧を0にするとプレーナ状態(選択反射状態)に変化する。また、Vpf,90 、Vpf,10 、Vfh,10 、Vh,90とは、前記の2つの遷移領域の前後において、正規化反射率が90又は10になる電圧(正規化反射率が90以上を選択反射状態とし、10以下を透過状態とする)を意味する。
そして、コレステリック液晶層の背面に、少なくとも選択反射色と同じ波長の光を吸収する層を配置することで、プレーナ状態とフォーカルコニック状態を利用した反射型メモリ表示を実現できる。
コレステリック光変調素子は、一対の支持基板間に液晶を連続相として封入する構造のほかに、高分子バインダー中にコレステリック液晶をドロップ状に分散したPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)や、高分子バインダー中に液晶マイクロカプセル化された液晶を分散したPDMLC(Polymer Dispersed Microencapsulated Liquid Crystal)と称される表示方法が知られている(例えば、以下の特許文献1乃至特許文献3参照)。
PDLC構造やPDMLC構造を用いると、液晶の流動性が抑えられるため曲げや圧力に対する画像の乱れが小さくなり、フレキシブルな媒体を実現できる。また、複数のコレステリック液晶層を直接積層してカラー表示を行ったり、光導電層と積層して光信号で画像をアドレスする表示素子とすることもできる。更に、調光層を、厚膜印刷技術を用いて形成することが可能となるため、製造方法が簡略化されて低コストになるという利点もある。
複数のコレステリック液晶層を直接積層してカラー表示を行うために、各々内面に電極を形成した一対の基板間に、互いに異なる(例えば、ブルー、グリーン、及びレッド)色光を選択反射するコレステリック液晶からなる3層の調光層を直接積層形成し、3層の表示層の外部から画像データに応じた書込み信号に応じた電圧を印加することによって画像を表示する技術が知られている。
しかし、複数の調光層を直接積層すると、複数の層に跨って液晶が拡散して混色が生じ、例えば、2層の液晶層を直接積層させた場合には、本来であれば各層に対応する波長領域に対応する反射率のピークが2つ現れるが、図9に示すように、混色により、各層に対応する色に応じた反射率のピーク各々とは異なる波長領域において反射率のピークが現れるという問題がある。
そこで、図10に示すように、調光層間に層間膜を挿入して、複数の積層された各調光層中の液晶が、他の調光層へと拡散されることを防止する方法が考えられる。
層間膜は、基板間に印加された電圧によって調光層内に発生する電界が層間膜を設けることにより減少することを抑制するために、基板の厚みに対して薄くすることが要求される。このため、層間膜の形成には、層間膜として機能する材料を溶媒に溶かした溶液を調光層上に塗布することによって形成する方法が用いられる場合がある。
しかし、このように層間膜を形成するための溶液が調光層に塗布されると、図11に示すように、溶液に含まれる溶媒が、調光層中の高分子バインダーに吸収されて高分子バインダーが膨潤することで、PDLC構造が崩壊し、液晶ドロップの割れや合一が生じるという問題があった。
特公平7―009512号公報 特開平09―236791号公報 特許第3178530号明細書
本発明は前記のごとき問題点に鑑みてなされたものであり、複数の調光層を、調光層のPDLC構造を崩壊させることなく積層可能な光変調素子製造方法を提供することを目的とする。
前記課題は、以下の光変調素子、及び光変調素子の製造方法を提供することにより解決される。すなわち、本発明は、
)少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって対向し、各々に電極を有する一対の基板間に層間膜を介して積層された複数の調光層を有する光変調素子の製造方法であって、前記複数の調光層のうち、調光層上に前記層間膜が積層されうる調光層を形成する工程が、前記基板または前記層間膜上に、高分子バインダー、該高分子バインダーを架橋しうる架橋剤、及び溶媒を含む溶液に、液晶ドロップまたは液晶マイクロカプセルが分散された調光層用塗布液を塗布し、塗布層を形成する塗布工程と、前記塗布層中の溶媒を前記高分子バインダーの凝固点より高い温度で揮発させて乾燥させると共に、該塗布層中に含まれる前記高分子バインダーを前記架橋剤によって架橋する架橋乾燥工程と、を有し、前記層間膜を形成する工程が、前記乾燥された調光層用塗布層上に、前記層間膜を塗布する層間膜塗布工程と、前記層間膜を乾燥する層間膜乾燥工程と、を有する光変調素子の製造方法である。
)前記層間膜を乾燥する層間膜乾燥工程が、前記高分子バインダーの凝固点以下で乾燥させることを特徴とする前記()に記載の光変調素子の製造方法である。
)少なくとも前記架橋乾燥工程の一部または全部において、前記調光層用塗布液に振動を加えることを特徴する前記(1)又は前記(2)に記載の光変調素子の製造方法である。
本発明の光変調素子及び光変調素子の製造方法によれば、一対の基板間に設けられる複数の調光層の内の少なくとも層間膜が積層された調光層が、架橋剤によって架橋された高分子バインダー中に前記液晶ドロップまたは前記液晶マイクロカプセルを含有してなるので、層間膜の形成により調光層のPDLC構造を崩壊させることなく複数の調光層が積層された光変調素子及び光変調素子の製造方法を提供することができる、という効果が得られる。
図1に示すように、本発明の光変調素子(以下、単に「表示素子」ということがある。)10は、対応して設けられた非表示面基板12と表示面基板14との間に、互いに異なる色光を選択反射する液晶材料による液晶ドロップ32または液晶マイクロカプセルが分散された複数の調光層301及び調光層302が、層間膜34を介して積層されている。なお、複数の調光層を総称する場合には、調光層30と称して説明する。
なお、本発明の光変調素子に用いる液晶は、コレステリック液晶、ネマチック液晶、及びゲスト・ホスト液晶等、得に制限なく用いられるが、以下ではコレステリック液晶を例にとって説明する。
また、図1には、複数の調光層として2層の調光層301及び調光層302が層間膜34を介して積層されている場合を示したが、本発明の光変調素子10における調光層の積層数は2層に限られるものではなく、3層以上であってもよい。この場合、各調光層30は、層間膜34を介して積層されていればよい。本発明を実施するための最良の形態では、説明を簡略化するために、光変調素子10は、2層の調光層301及び調光層302が層間膜34を介して積層されているものとして説明する。
非表示面基板12は、支持基板16に、電極18、OPC層25、着色層26、及びラミネート層28を順に積層した構成となっている。表示面基板14は、支持基板38に、電極36を積層した構成となっている。非表示面基板12と表示面基板14とは、互いに支持基板16と支持基板38とが最外層となるように、複数の調光層301及び調光層302を介して対向するように設けられている。調光層302と調光層301は、層間膜34を介して積層されている。
調光層301及び調光層302は、少なくとも、液晶材料32aによる液晶ドロップ32、及び高分子バインダー35aを含んで構成されている。調光層301及び調光層302のうち、詳細は後述するが、光変調素子10の製造工程において、層間膜34の両側の最も近い位置に位置する一対の調光層301及び調光層302の何れか一方または双方に含有される高分子バインダー35aは、架橋剤によって架橋されて(以下、適宜、ネットワーク化と称する)おり、液晶ドロップ32は、ネットワーク化された高分子バインダー35a中に保持されている。
OPC層25は、電荷発生層20と電荷発生層24との間に、電荷輸送層22を挟持するように構成されている。
なお、図1に示す光変調素子10の調光層30は、コレステリック液晶をドロップとしてではなく、液晶材料32aを高分子シェル、すなわち液晶マイクロカプセルに包み込んだ形態の液晶マイクロカプセルとして含むようにしてもよい。
なお、上記非表示面基板12及び表示面基板14が、本発明の基板に相当し、液晶ドロップ32及び液晶マイクロカプセル各々が、本発明の液晶ドロップ及び液晶マイクロカプセル各々に相当する。また、上記電極18及び電極36各々が、本発明の電極に相当し、上記光変調素子10が、本発明の光変調素子に相当する。
次に、前記で説明した光変調素子に用いる各構成部材について説明する。
―支持基板―
支持基板16、及び支持基板38は、支持基板16と支持基板38との間に各機能層を保持し、光変調素子10の構造を維持するための基板であり、外力に耐えうる強度を有するシート状の物質で有る必要がある。一対の支持基板の内の、少なくとも一方、特に視認される側の支持基板38(表示面基板側の支持基板)は、書込み光及び反射光に対して透過性を有する材料により形成される。また必要に応じて、支持基板16及び支持基板38の表面に、防汚膜、耐磨耗膜、光反射防止膜、光変調素子内へのガスの混入を防止するためのガスバリア膜など公知の機能性膜を形成してもよい。
支持基板16及び支持基板38は、絶縁性を有する、ガラス及びシリコーン等の無機シート、またはポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、及びポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムを用いて形成される。
支持基板16及び支持基板38の厚みは、30μm〜2000μmの範囲内であることが好ましい。
―電極―
電極18及び電極36は、書込装置から印加された電圧を、光変調素子10内の各機能層へ面均一に印加するためのものである。
電極18及び電極36は、導電性を有する、金やアルミなどの金属薄膜、酸化インジウムや酸化スズなどの金属酸化物、またはポリピロール、ポリアセチレン、ポリアニリンなどの導電性有機高分子を用いて形成され、少なくとも表示面側の電極36は、書込み光及び反射光に対して透過性を有する材料により形成する。また必要に応じて、その表面に、密着力改善膜、光反射防止膜、ガスバリア膜など公知の機能性膜を形成してもよい。
電極18及び電極36の間にバイアス電圧を印加するとともに、OPC層25に書込み光を照射して、コレステリック液晶の配向状態を制御する駆動方式では、電極18及び電極36とも、あるいはいずれかが表示領域と同じ形状に形成されていればよい。
また、OPC層及び書込み光を用いずにコレステリック液晶の配向状態を制御する駆動方式としては、表示面基板14側の電極36と非表示面基板12側の電極18の一方を光変調素子に表示する画像の各画素に共通の電極とし、他方を各画素に個別の電極とするセグメント駆動方式、表示面基板14側の電極36と非表示面基板12側の電極18を互いに直交する方向に各々ストライプ状に形成して、互いに対峙する位置を1つの画素に対応する領域とする単純マトリクス駆動方式、表示面基板14側の電極36と非表示面基板12側の電極18の一方を各画素に共通の電極とし、他方を互いに直交するストライプ状の走査電極及び信号電極からなるものとして、これにTFTやMIN等の能動素子を設けるアクティブマトリックス駆動方式、等のいずれであってもよい。
―調光層―
調光層30は、特定の色光の反射・透過状態を変調し、電極18及び電極36に電圧が印加されることにより基板間に形成された電界によって、特定の色光の反射状態を変化させることができ、変化された状態が無電場で保持される。
本発明の光変調素子10における調光層30は、液晶ドロップ32または液晶マイクロカプセルが、高分子バインダー中に保持された構造となっている。調光層30は、高分子バインダーの骨格中に液晶ドロップ32または液晶マイクロカプセルがドロップレット状に分散されたPDLC構造とすることができる。
調光層30の層厚は、大きすぎると電極間に印加する電圧を層厚に応じて大きくする必要があり、小さすぎると光変調素子10のコントラストが低下することから、電極18及び電極36に印加する電圧を低く且つコントラストを高くするために、1μm〜100μmであり、さらに好ましくは3μm〜50μmの範囲にあるのが好ましい。
なお、本発明の光変調素子10の調光層30は、液晶ドロップ32または液晶マイクロカプセルが単層で構成されていても、複層で構成されていてもよいが、調光層30の凹凸を抑制するために、単層であることが好ましい。
(液晶)
本発明において用いることができる液晶材料としては、屈折率異方性があり、電圧印加によって配向が変化し、結果的に入射光のうち特定の色光の反射・透過状態を変調しうるものであればどのような液晶材料であってもよいが、好ましくは、コレステリック液晶(カイラルネマチック液晶を含む)が挙げられる。
なお、本発明で用いられるコレステリック液晶材料として、ステロイド系コレステロール誘導体、あるいはシッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、安息香酸エステル系、ビフェニル系、ターフェニル系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ビフェニルシクロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエタン系、シクロヘキサン系、トラン系、アルケニル系、スチルベン系、縮合多環系などのネマチック液晶やスメクチック液晶、又はこれらの混合液晶に、シッフ塩基系、アゾ系、エステル系、ビフェニル系などの光学活性材料からなるカイラル成分を添加した材料を用いることができる。
(高分子バインダー)
高分子バインダーは、上記液晶ドロップ32または液晶マイクロカプセルを保持し、光変調素子の変形による液晶ドロップ32または液晶マイクロカプセルの流動を抑制する。高分子バインダーは、液晶材料に溶解せず、また液晶ドロップ32または液晶マイクロカプセルと相溶しない液体を溶剤とする高分子材料であり、且つ外力に耐えうる強度を持ち、少なくとも反射光及び入射光に対して高い透過性を有する材料であれば特に制限はなく、例えば、水溶性高分子材料(たとえばゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸系ポリマー、エチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアミジン、イソプレン系スルホン酸ポリマー)、あるいは水性エマルジョン化できる材料(たとえばフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂)等が好適に挙げられる。
中でも、表面凹凸を小さくでき、フラットな調光層が得られるという観点から、ゼラチンが特に好ましい。
本発明の調光層30に用いられるゼラチンとしては、ゼラチンの物性として、ゼリー強度が大きく、ゾル粘度が低いものが好ましい。
このようなゼラチンとしては、α鎖の多量体である高分子量のβ鎖・γ鎖や、α鎖の主鎖が途中で切れた低分子量成分が少なく、α鎖残量の多いものが適している。牛骨を酸処理して製造されたゼラチン材料は、この条件を満たし、とくにゼリー強度が大きく、ゾル粘度が低いため好ましい。また、原料のコラーゲンを加水分解する際に最初に抽出される第一抽出品がよい。なお、液晶材料のイオン汚染を防止するため、ゼラチン中に残留するイオン成分をイオン交換樹脂など公知の手法を用いて除去してもよい。
(架橋剤)
本発明の光変調素子10の調光層30の高分子バインダーは、架橋剤によって架橋されている。この高分子バインダーを架橋する架橋剤としては、高分子間で架橋が形成され、高分子を硬膜化、難溶化、あるいは不溶化するものであればよく、高分子バインダーとの相溶性、液晶材料に対する反応性や、光変調素子の電気特性への影響に基づいて選択される。
高分子バインダーとしてゼラチンを用いる場合には、架橋剤として、ゼラチンとの関係で好適なものを適宜選択すればよいが、中でも、ゼラチン分子間で架橋を形成し、ゼラチンを難溶化するものが好ましく、例えば、アルデヒド基を持つ化合物のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリオキサール、多価金属塩化合物のカリミョウバン水和物、あるいはアジピン酸ジヒドラジド、メラミンホルマリンオリゴマ、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリアミドエピクロロヒドリン、ポリカルボジイミド等を挙げることができる。
中でも、コレステリック液晶中へのイオン性不純物の溶出がなく、調光層中に含有されていても電気特性に影響を与えない点で、アルデヒド基を持つ化合物が好ましい。この理由としては、アルデヒド基を持つ化合物は、アルコールの接触脱水素によって精製しているため、イオン性物質が混入しにくいのではないかと予想している。また、ゼラチン分子のアミノ基との反応からも副生成物の発生はしない。
さらには、単官能アルデヒド化合物(例えばホルムアルデヒド)では、充分な架橋効果が得られない。また、下記一般式(1)で表される多官能アルデヒド(nは1以上)では、充分な架橋効果は得られるが、nで示される官能基間鎖長が大きくなると、ゼラチン分子との架橋機会が増えてしまうため、架橋反応が速くなり、調光層用塗布液の粘性は短時間の加熱であっても著しく増加してしまう。例えば、架橋剤としてグルタルアルデヒドを用いた場合には、調光層用塗布液は、調製段階からゲル化してしまい、調光層用塗布液として用いることは困難である。
[化1]
OHC―(CH2n―CHO 一般式(1)
そのため、長時間加熱を行った場合においても、調光層塗布液の粘性を著しく増加させることなく、さらには、ゼラチン分子間で適切な架橋度が得られるという点で、多官能アルデヒドの中でも分子量の少ないグリオキサール(C222)が好適である。
本発明において、上記架橋剤は、調光層塗布液中の不揮発成分に対して、0.1質量%〜20質量%含有されることが好ましく、1質量%〜10質量%含有されていることがより好ましい。架橋剤の含有量が、0.1質量%だと充分な架橋効果が得られず、また20質量%以上だと調光層塗布液の粘性を著しく増加させてしまう。
―層間膜―
本発明の光変調素子10で用いられる層間膜34として機能する材料としては、液晶ドロップまたは液晶マイクロカプセルを溶解しない特性を有する材料であれば特に制限はないが、誘電率ができるだけ大きいことが好ましい。本発明で用いうる層間膜34としては、例えば、水溶性高分子材料(たとえばゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸系ポリマー、エチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアミジン、イソプレン系スルホン酸ポリマー)、あるいは水性エマルジョン化できる材料(たとえばフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂)等が好適に挙げられる。
中でも、液晶材料との反応性がほとんどないという点で、ポリビニルアルコールが好ましい。
層間膜の層厚は、0.1μm〜20μmであり、好ましくは、0.5μm〜10μmであり、1μm〜5μmであることが特に好ましい。層間膜の層厚が20μm以上であると、層間膜での電圧降下が大きくなるため駆動電圧の上昇を引き起こすという問題が生じ、0.1μm未満であると、調光層の表面を充分被服できず液晶の拡散を抑制することができないという問題が生じる。
―ラミネート層―
ラミネート層28は、着色層26と調光層30とを接着すると共に接着面の凹凸を吸収する。ラミネート層としては、ガラス転移点の低い高分子材料で、熱や圧力が加えられる事により調光層30と着色層26とを密着且つ接着可能な材料であり、且つ、少なくとも入射光及び反射光に対して透過性を有する材料であれば特に制限はまい。
ラミネート層としては、例えば、粘着性の高分子材料(例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の粘着性の高分子材料が挙げられる。
なお、ラミネート層が挿入される位置はこの実施形態に限らず、電極と調光層の間、電極と着色層の間とすることもできる。電極18及び電極36各々と調光層30の間に接着層を形成する場合は、少なくとも入射光及び反射光に対して透過性を有する材料により形成する。ラミネート層28の層厚は、0.1μm〜20μmであることが好ましい。
―着色層―
着色層26は、表示面基板14側からOPC層25へ入射される光と、光照射部から照射される書込み光とを光学分離し、相互干渉による誤動作を防ぐ。着色層26は、少なくともOPC層25を構成する電荷発生層の吸収波長域の光を吸収する材料であれば特に制限は無く、例えば、無機顔料(たとえばカドミウム系、クロム系、コバルト系、マンガン系、カーボン系)、または有機染料や有機顔料(アゾ系、アントラキノン系、インジゴ系、トリフェニルメタン系、ニトロ系、フタロシアニン系、ペリレン系、ピロロピロール系、キナクリドン系、多環キノン系、スクエアリウム系、アズレニウム系、シアニン系、ピリリウム系、アントロン系)、あるいはこれらを高分子バインダー(たとえばポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル樹脂)に分散した材料等が好適に挙げられる。
着色層の層厚は、0.1μm〜20μmであることが好ましい。
―OPC層―
OPC層(光導電体層)25は、内部光電効果をもち、アドレス光の照射強度に応じて
インピーダンス特性が変化する特性を有する層である。AC動作が可能であり、アドレス
光に対して対称駆動になることが好ましく、電荷発生層(CGL)が電荷輸送層(CTL
)の上下に積層された3層構造が好適である。本実施形態では、OPC層25として、図
1における上層から順に上側の電荷発生層24、電荷輸送層22および下側の電荷発生層
20が積層されてなる。OPC層の層厚は、0.1μm〜40μmであることが好ましい。
(電荷発生層)
電荷発生層20及び電化発生層24は、アドレス光を吸収して光キャリアを発生させる機能を有する層である。主に、電荷発生層20が表示基板側の透明電極36から書き込み面側の透明電極18の方向に流れる光キャリア量を、電荷発生層22が非表示基板側の透明電極18から表示基板側の透明電極36の方向に流れる光キャリア量を、それぞれ左右している。電荷発生層20、24としては、アドレス光を吸収して励起子を発生させ、電荷発生層内部、または電荷発生層/電荷輸送層界面で自由キャリアに効率良く分離させられるものが好ましい。
電荷発生層20及び電化発生層24は、電荷発生材料(たとえば金属又は無金属フタロシアニン、スクアリウム化合物、アズレニウム化合物、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスやトリス等アゾ顔料、キナクリドン顔料、ピロロピロール色素、多環キノン顔料、ジブロモアントアントロンなど縮環芳香族系顔料、シアニン色素、キサンテン顔料、ポリビニルカルバゾールとニトロフルオレン等電荷移動錯体、ピリリウム塩染料とポリカーボネート樹脂からなる共昌錯体)を直接成膜する乾式法か、またはこれら電荷発生材料を、高分子バインダー(たとえばポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルカルバゾール樹脂、ビニルホルマール樹脂、部分変性ビニルアセタール樹脂、カーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、ビニルアセテート樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂等)とともに適当な溶剤に分散ないし溶解させて塗布液を調製し、これを塗布し乾燥させて成膜する湿式塗布法等により形成することができる。
電荷発生層の層厚は、0.1μm〜20μmであることが好ましい。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、電荷発生層で光キャリアが発生すると、発生した光キャリアが注入されて、バイアス信号で印加された電場方向にドリフトする。電荷輸送層の層厚は、0.1μm〜10μmであることが好ましい。
電荷輸送層22は、電荷発生層20、及び電化発生層24で発生した光キャリアが注入されて、バイアス信号で印加された電場方向にドリフトする機能を有する層である。一般に電荷輸送層は、電荷発生層の数10倍の厚みを有するため、電荷輸送層22の容量、電荷輸送層22の暗電流、および電荷輸送層22内部の光キャリア電流が、OPC層25全体の明暗インピーダンスを決定付けている。
電荷輸送層22は、電荷発生層20、24からの自由キャリアの注入が効率良く発生し
(電荷発生層20、電化発生層24とイオン化ポテンシャルが近いことが好ましい)、注入された自由キャリアができるだけ高速にホッピング移動するものが好適である。暗時のインピーダンスを高くするため、熱キャリアによる暗電流は低い方が好ましい。
電荷輸送層22は、低分子の正孔輸送材料(たとえばトリニトロフルオレン系化合物、ポリビニルカルバゾール系化合物、オキサジアゾール系化合物、ベンジルアミノ系ヒドラゾンあるいはキノリン系ヒドラゾン等のヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ベンジジン系化合物)、または低分子の電子輸送材料(たとえばキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、フルフレオン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物)を、高分子バインダー(たとえばポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、含珪素架橋型樹脂等)とともに適当な溶剤に分散ないし溶解させたもの、あるいは上記正孔輸送材料や電子輸送材料を高分子化した材料を適当な溶剤に分散ないし溶解させたものを調製し、これを塗布し乾燥させて形成すればよい。
次に、本発明の光変調素子10の作製方法について説明する。
本発明の光変調素子10の作製方法は、支持基板16上に、電極18をスパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、バーコード法、スピンコート法、ロールコート法、ディップ法、キャスティング法により形成した後に、OPC層25を形成する。OPC層25の形成は、表面に電極18を有する支持基板16上に、電荷発生材料を、蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、CVD法等によって成膜、または電荷発生物質を高分子バインダー中に分散し、バーコード法、スピンコート法、ロールコート法、ディップ法、キャスティング法等によって塗布した後に、電荷輸送物質、または電荷輸送物質を高分子バインダーに分散し分散した電荷輸送層を積層させた後に、更に電荷発生層を積層させることにより形成される。
更に、OPC層25に、着色層26、及びラミネート層28を順に積層する。
一方、支持基板38上に電極36をスパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、バーコード法、スピンコート法、ロールコート法、ディップ法、キャスティング法により形成した表示面基板14と、上記非表示面基板12と、を互いに支持基板が最外層となるように、層間膜34を介して積層された複数の調光層30を挟持して接着することにより作製される。
次に、前記光変調素子の調光層の作製方法について説明する。
まず、調光層用塗布液の調製について詳細に説明する。
[調光層用塗布液の調製]
本発明の調光層用塗布液は、高分子バインダーを含有する溶液に、液晶ドロップまたは液晶マイクロカプセルを分散することによって調製される。
なお、必要であれば、高分子バインダーを架橋させるための架橋剤を添加してもよい。具体的には、調光層用塗布液を塗布することによって形成された調光層上に層間膜を形成する場合には、該層間膜が形成される調光層を形成するために用いられる調光層用塗布液には、架橋剤が添加されるものとする。
まず、液晶ドロップ及び液晶マイクロカプセルの調製方法について説明する。
<液晶ドロップエマルジョンの調製>
液晶ドロップエマルジョンは、少なくともコレステリック液晶からなる分散相を、分散相と相溶しない連続相、例えば、水相中にドロップ状に乳化分散させることにより調製される。乳化する手段として、分散相と連続相を混合した後、ホモジナイザ−などの機械的なせん断力で分散相を微小な液滴として分散させる方法や、分散相を連続相中に多孔質膜を通して押出し、微小な液滴として分散させる膜乳化法などを用いることができる。特に膜乳化法は乳化液滴の粒径ばらつきが小さくなるため、均一な粒径の液晶ドロップを形成することができるため好ましい。なお、乳化時の連続相中に、乳化を安定させるための界面活性剤や保護コロイドを微量混合しておいてもよい。
<液晶マイクロカプセルスラリーの調製>
高分子シェル内にコレステリック液晶が内包された液晶マイクロカプセルの調製には、公知の液晶マイクロカプセル化手法、例えば、相分離法、界面重合法、in situ重合法を用いることができる。具体的には、前記のごとくして作製した液晶ドロップを、高分子シェル材料を含む溶液中に分散させ、又は前記材料に応じて熱硬化などさせ、液晶ドロップの周囲に高分子シェルを形成する。また、ウレタン・ウレア系の高分子シェルを作る場合には、あらかじめ液晶ドロップに多価イソシアネート化合物を含ませておき、液晶ドロップを、多価アルコールを含む溶液中に添加してウレタン・ウレア生成反応を起こさせることが好ましい。
高分子シェルとしては内包する液晶材料に溶解しない材料を用い、例えば、ゼラチン、セルロース誘導体、ゼラチン−アラビアゴム、ゼラチン−ゲランゴム、ゼラチン−ペプトン、ゼラチン−カルボキシメチルセルロース、ポリスチレン、ポリアミド、ナイロン、ポリエステル、ポリフェニルエステル、ポリウレタン、ポリウレア、メラミンホルマリン樹脂、フェノールホルマリン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂などが挙げられる。
液晶マイクロカプセルの体積平均一次粒径は小さすぎると充分な反射特性が得られず、表示特性を悪化させると共に、コントラストの低下を招く。一方、高分子シェルによる液晶マイクロカプセルの壁厚は、厚すぎると液晶マイクロカプセル内に内包される液晶材料の量が少なくなり、薄すぎると強度が低下する。したがって、コントラストが高く且つ強度の低下を抑制するには、液晶マイクロカプセルの壁厚は、液晶マイクロカプセルの半径の1%〜25%、好ましくは、3%〜21%にすることが好ましい。
なお、液晶マイクロカプセル及び液晶ドロップの体積平均一次粒径は、1〜100μmが好ましく、更に好ましくは、3〜20μm、特に好ましくは、10〜15μmである。液晶マイクロカプセル及び液晶ドロップの体積平均一次粒径が20μm以上であると駆動電圧の上昇を生じ、3μm未満であると充分な反射特性が期待できないおそれがある。
<濃縮>
上記工程後の液晶ドロップエマルジョン、または液晶マイクロカプセルスラリーの不揮発分濃度が低く、塗布時の調光層用塗布液で必要となる不揮発分濃度に調製できない場合は濃縮を行う。液晶ドロップ、又は液晶マイクロカプセルと連続相の比重差を利用して、静置や遠心分離によって沈殿、あるいは沈降させて分離した連続相を除去する方法や、メンブランフィルタで濾過する方法などを用いる。
<調光層用塗布液の調製>
前記のごとくして得られた液晶ドロップエマルジョン又は液晶マイクロカプセルスラリーを、高分子バインダーを含む溶液に分散することにより調光層用塗布液を調製する。
なお、上述のように、形成した調光層上に層間膜を形成する場合には、該調光層を形成するために用いる調光層用塗布液には、高分子バインダーを架橋するための架橋剤が含まれる。すなわち、光変調素子10の作製工程において、調光層上に層間膜が積層される該調光層のための調光層用塗布液は、前記のごとくして得られた液晶ドロップエマルジョン又は液晶マイクロカプセルスラリーを、高分子バインダー及び該高分子バインダーを、架橋剤を含有する溶液に分散することにより調光層用塗布液を調製する。
(調光層用塗布液の調製方法)
本発明では、液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルを表示面基板上に塗布する。そこで、密度計や比重計を用いて、前記液晶ドロップエマルジョン又は液晶マイクロカプセルスラリー内の各成分の含有量を測定し、調光層用塗布液のゼラチン、溶媒及び液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルの混合割合を調製する。
調光層用塗布液体積に対する不揮発成分体積の比率(体積率)をSr、不揮発成分体積に対する液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルの体積の比率(体積率)をLr、液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルの体積平均一次粒径(μm)をDL、基板上へのウェット塗布厚(μm)をtWとすると、塗布面積に対する液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルの被覆面積の比率ALは、
[式]
L=(3/2)・(tW・Sr・Lr/DL)…式(1)
となる。
そして、ALが、
[式]
0.8<AL<1.0…式(2)
の範囲になるように塗布調光層用塗布液を調製することが好ましい。
前記Srは、調光層用塗布液Xccから溶媒を蒸発させた場合に残る不揮発成分がYccの場合、Sr=Y/Xを意味し、また不揮発成分YccにZccの液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルが含まれる場合Lr=Z/Yを意味する。
また、圧力などによる破壊を防ぐため、前記不揮発成分体積に対する液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルの体積の比率(体積率)Lrを0.9以下にすることが好ましい。
算出した混合割合に基づき、液晶ドロップエマルジョン、又は液晶マイクロカプセルスラリーに対する、ゼラチン、溶媒、及び架橋剤の混合量を調製して塗布調光層用塗布液を作製する。ここで、増粘剤、濡れ性改善剤、乾燥速度調製剤など、公知の調光層用塗布液特性改質剤を微量添加してもよい。
(溶媒)
本発明の調光層用塗布液に含有される溶媒としては、高分子バインダーを溶解し、液晶ドロップの場合は液晶を溶解させないものが用いられ、液晶マイクロカプセルを用いる場合は少なくとも液晶マイクロカプセルの高分子シェルを溶解させないものが用いられる。このような溶媒としては、純水、イオン交換水、蒸留水、水道水等の水、水溶性有機溶媒、あるいはイオン交換水、蒸留水、水道水等の水と水溶性有機溶媒を混合した液体、非水溶性有機溶媒、及びイオン性液体等が用途や使用条件等に応じて適宜選択される。
本発明において、上記溶媒は、調光層用塗布液に対して、75質量%〜95質量%含有されることが好ましく、80質量%〜90質量%含有されることがより好ましい。溶媒の含有量が75質量%〜90質量%の範囲内であると、調光層用塗布液を塗布できる粘度に調整することができる。
<調光層の形成方法>
次に本発明の光変調素子の調光層を設ける工程について説明する。
本発明の光変調素子の調光層を設ける工程は、表示面基板と非表示面基板との間に層間膜を介して積層される複数の調光層のうち、調光層上に前記層間膜が積層されうる調光層を形成する工程が、表示面基板または層間膜上に、高分子バインダー、該高分子バインダーを架橋しうる架橋剤、及び溶媒を含む溶液に、液晶ドロップまたは液晶マイクロカプセルが分散された調光層用塗布液を塗布し、調光層用塗布層を形成する塗布工程と、前記調光層用塗布層中の溶媒を前記高分子バインダーの凝固点より高い温度で揮発させて乾燥させると共に、該調光層用塗布層中に含まれる前記高分子バインダーを前記架橋剤によって架橋する架橋乾燥工程と、を有している。
なお、以下では、調光層上に前記層間膜が積層されない調光層を形成する工程と区別するために、層間膜が積層されうる調光層を形成する工程の塗布工程を第1の塗布工程と称して説明する。
なお、表示面基板と非表示面基板との間に層間膜を介して積層される複数の調光層のうち、調光層上に前記層間膜が積層されない調光層を形成する工程も同様に、層間膜上に塗布液を塗布する塗布工程(以下第2の塗布工程とする)と、塗布された塗布層中の溶媒を高分子バインダーの融点より高い温度で揮発させて乾燥させる乾燥工程と、を有している。なお、このときに用いる調光層用塗布液には、架橋剤が添加されていなくてもよい。
この調光層を設ける工程について、以下に詳細に説明する。
<第1の塗布工程>
上記のごとく濃度調製を行った調光層用塗布液の表示面基板への塗布は、アプリケータ、エッジコータ、スクリーンコータ、ロールコータ、カーテンコータ、ダイコータなど所望のウェット厚に塗布できる公知の装置を用いて行う。なお、塗布工程では、架橋剤含有調光層塗布液のゼラチンを融点より高い温度に加熱して流動性のあるゾル状態に保持する必要がある。ゼラチンは、融点以上の温度に温めるとゾル化し、凝固点以下の温度に下げるとゲル化し流動性を失う。ゼラチン水溶液の濃度、pHなどによって変化するが、市販ゼラチンの凝固点は20〜30℃で、融点はそれよりも約5℃高い。
このため、調光層用塗布液の塗布工程では、架橋剤含有調光層塗布液は、凝固点以上の温度として、20〜80℃の調光層用塗布液温度に保持することが好ましい。更に好ましくは、30℃〜70℃の調光層用塗布液温度に保持することが好ましく、特に好ましくは、40℃〜60℃の調光層用塗布液温度に保持することが好ましい。調光層用塗布液の温度が20℃未満であると、ゼラチンのゾル化が不十分なため塗布インクとしての適度な粘性が得られず、80℃以上であると液晶材料の揮発などが発生しやすくなり液晶化合物の組成比が変化してしまうという問題がある。
なお、調光層用塗布液の表示面基板への塗布量は、塗布後のウェット膜厚が10〜300μmとなるように調節する。
このようにすることにより、表示面基板上に調光層用塗布層を形成する。
<架橋乾燥工程>
次に、上記調光層用塗布液の塗布工程により表示面基板上に形成された調光層用塗布層中の高分子バインダーをゾル状態に維持したまま、高湿度下において、調光層用塗布層中の溶媒を揮発させて乾燥させると共に、高湿度下で1分以上30分未満加熱を続けることによって高分子バインダーを架橋剤により架橋する架橋乾燥工程を行う。
架橋乾燥工程においては、表示面基板への加熱を継続することにより調光層用塗布層を高分子バインダーの凝固点より高い温度に加熱して、凝固点より高い所定温度範囲の調光層用塗布層温度となるような状況を継続することが好ましい。加熱するための加熱装置としては、オーブン、温風ブロー装置、ホットプレートなどを用いることができる。
なお、調光層用塗布層温度は、高分子バインダーとしてゼラチンを用いる場合には、20℃〜80℃、特に好ましくは、30℃〜70℃、更に好ましくは40℃〜60℃となるように調製することが好ましい。80℃以上であると液晶化合物の組成比が揮発により変化してしまうという問題がり、20℃未満であると調光層用塗布層中の粘性が低いため流動性が低く液晶ドロップまたは液晶マイクロカプセルが稠密に配置しにくくなるため好ましくない。
また、乾燥時間は、上記のように1分以上30分未満、更に好ましくは、3分以上20分未満継続して行うことが好ましい。乾燥時間が1分未満であると、乾燥が終了しないとともに、充分な架橋効果が得られないという問題があり、乾燥時間が30分より長いと、調光層中の液晶ドロップが割れ、調光層表面に液晶が漏れ出してくるという問題が生じる。
この条件で乾燥を行うと、調光層用塗布層中に含まれる溶媒の揮発とともに、均一に分散していた液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルがお互いの位置関係を少しずつ変えながら稠密状態へと自然に変化していく。
なお、液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルの動きが不十分な場合、架橋乾燥工程の一部又は全部において、架橋剤含有塗布層に振動、例えば超音波振動子などによる機械的な振動を加えれば、溶媒が完全に揮発したときに、液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルが単層稠密に配置し、表面凹凸が小さく、フラットな高分子分散型の調光層を得ることができる。
なお、乾燥速度が大きすぎる条件では、液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルが、乾燥端部の激しい液流動によって歪んだ形状になりやすく、液晶ドロップまたは液晶マイクロカプセル中の液晶の配向方向が支持基板面に対して傾斜する傾向がある。たとえばコレステリック液晶を用いた場合には、選択反射光に大きい視野角依存性が生じる問題がある。したがって、穏和な乾燥条件に制御して急激な溶媒揮発を抑えることが好ましい。急激な溶媒揮発を抑えるには、塗布部を、その蒸気圧が調光層用塗布液に含まれる溶媒の飽和蒸気圧と同じか又は前記飽和蒸気圧に近い雰囲気中に保持すればよい。このためには、塗布部を、できるだけ小さい容積の容器内で保持する方法、溶媒の蒸気発生部をもつチャンバー内で保持する方法、あるいは、溶媒の飽和蒸気圧を大気圧以下にする方法などを用いることができる。
このように、高分子バインダーの凝固点より高い温度で乾燥させることによって、調光層用塗布層中に含まれる高分子バインダーは、架橋剤により架橋されてネットワーク化(硬膜化)する。このため、液晶ドロップまたは液晶カプセル間を埋める高分子バインダーが架橋化されて硬膜化された状態の調光層が表示面基板上に形成される。
<層間膜塗布工程>
次に、上記架橋乾燥工程によって高分子バインダーが架橋ゾル状態とされた調光層用塗布層に、層間膜として機能する水溶性高分子を塗布する。
層間膜の塗布工程では、具体的には、層間膜として機能する材料を溶媒に溶解させた液体を、アプリケータ、エッジコータ、スクリーンコータ、ロールコータ、カーテンコータ、ダイコータなど所望のウェット厚に塗布できる公知の装置を用いて行う。
層間膜として機能する材料を溶解させるための溶媒としては、層間膜として機能する材料を溶解し、液晶ドロップの場合は液晶を溶解させないものが用いられ、液晶マイクロカプセルを用いる場合は少なくとも液晶マイクロカプセルの高分子シェルを溶解させないものが用いられる。このような溶媒としては、純水、イオン交換水、蒸留水、水道水等の水、水溶性有機溶媒、あるいはイオン交換水、蒸留水、水道水等の水と水溶性有機溶媒を混合した液体、非水溶性有機溶媒、及びイオン性液体等が用途や使用条件等に応じて適宜選択される。
また、層間膜として水溶性高分子を用いる場合には、溶媒としては、純水、イオン交換水、蒸留水、水道水等の水、水溶性有機溶媒、あるいはイオン交換水、蒸留水、水道水等の水と水溶性有機溶媒を混合した液体、非水溶性有機溶媒、及びイオン性液体等を用いることができる。中でも、液晶への溶解性が全くない純水を溶媒として用いることが望ましい。
本発明において、上記溶媒は、層間膜用塗布液の粘度を調節するため、層間膜として塗布するための塗布液全量に対して、90質量%〜99.9質量%であることが好ましく、特に、95質量%〜99質量%であることがより好ましい。また、この塗布液全量に対する層間膜として機能する水溶性高分子の量は、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、特に1質量%〜5質量%であることが好ましい。
次に、層間膜を乾燥させる乾燥工程では、前記塗布工程により調光層上に形成された層間膜中に含まれる溶媒を揮発させる。塗布された層間膜中の溶媒が揮発可能な温度であれば、表示面基板は加熱、冷却、非加熱のいずれの状態であっても問題はないが、調光層用塗布層中の高分子バインダーのゾルーゲル変化を利用して、液晶ドロップを多角柱化できるという点で、表示面基板は凝固点以下に冷却しているほうが好ましい。冷却は、室温による自然冷却、あるいは冷却装置を用いた強制冷却などの方法を用いることができる。冷却装置としては、冷却オーブン、ペルチェを用いた冷却プレート、冷風ブロー装置などを用いることができる。
このようにして、表示面基板上に形成された調光層上に層間膜として機能する水溶性高分子層が形成される。
<第2の塗布工程>
第2の塗布工程では、層間膜塗布工程によって形成された層間膜上に、濃度調製を行った調光層用塗布液を塗布することによって、第2の塗布層を形成する。このときに使用する調光層塗布液には、架橋剤が添加されていなくてもかまわない。
ただし、この後更に、層間膜及び調光層が形成される場合には、使用する調光層用塗布液には架橋剤が添加されていなければならない。
第2の塗布工程における調光層用塗布液の塗布は、第1の塗布工程と同様に、アプリケータ、エッジコータ、スクリーンコータ、ロールコータ、カーテンコータ、ダイコータなど所望のウェット厚に塗布できる公知の装置を用いて行う。
なお、第2の塗布工程においても、第1の塗布工程と同様に、調光層塗布液中の高分子バインダーを融点より高い温度に加熱して流動性のあるゾル状態にする必要がある。高分子バインダーは、融点より高い温度に温めるとゾル化し、凝固点以下の温度に下げるとゲル化し流動性を失う。このため、第2の塗布工程では、高分子バインダーとしてゼラチンを用いる場合には、調光層塗布液は、凝固点以上の温度として、20℃〜80℃の調光層用塗布液温度に保持することが好ましい。更に好ましくは、30℃〜70℃の調光層用塗布液温度に保持することが好ましく、特に好ましくは、40℃〜60℃の調光層用塗布液温度に保持することが好ましい
<第2の乾燥工程>
次に、上記第2の塗布工程により層間膜上に形成された第2の塗布層中の高分子バインダーをゾル状態に維持したまま、高湿度下において、第2の塗布層中の溶媒を揮発させる乾燥工程を行う。
第2の乾燥工程においては、表示面基板への加熱を継続することにより第2の塗布層を高分子バインダーの凝固点より高い温度に加熱して、凝固点より高い所定温度範囲の塗布層温度となるような状況を継続することが好ましい。加熱するための加熱装置としては、オーブン、温風ブロー装置、ホットプレートなどを用いることができる。
なお、第2の塗布層温度は、高分子バインダーとしてゼラチンを用いる場合には、20℃〜80℃、特に好ましくは、30℃〜70℃、更に好ましくは40℃〜60℃となるように調製することが好ましい。80℃以上であると液晶化合物の組成比が揮発により変化してしまうという問題があり、20℃未満であると液晶化合物の組成比が揮発により変化してしまうであるため好ましくない。
また、乾燥時間は、1分以上30分未満、更に好ましくは、3分以上20分未満継続して行うことが好ましい。乾燥時間が1分未満であると乾燥が終了しないという問題があり、乾燥時間が30分より長いと、調光層中の液晶ドロップが割れ、調光層表面に液晶が漏れ出してくるという問題が生じる。この条件で乾燥を行うと、調光層用塗布液中に含まれる溶媒の揮発とともに、均一に分散していた液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルがお互いの位置関係を少しずつ変えながら稠密状態へと自然に変化していく。
なお、第2の乾燥工程の一部又は全部において、前記塗布層に振動、例えば超音波振動子などによる機械的な振動を加えれば、溶剤が完全に揮発したときに、液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルが単層稠密に配置し、表面凹凸が小さく、フラットな高分子分散型の調光層を得ることができる。
なお、乾燥速度が大きすぎる条件では、液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルが、乾燥端部の激しい液流動によって歪んだ形状になりやすく、液晶ドロップまたは液晶マイクロカプセル中の液晶の配向方向が支持基板面に対して傾斜する傾向がある。たとえばコレステリック液晶を用いた場合には、選択反射光に大きい視野角依存性が生じる問題がある。したがって、穏和な乾燥条件に制御して急激な溶媒揮発を抑えることが好ましい。急激な溶媒揮発を抑えるには、塗布部を、その蒸気圧が調光層用塗布液に含まれる溶媒の飽和蒸気圧と同じか又は前記飽和蒸気圧に近い雰囲気中に保持すればよい。このためには、塗布部を、できるだけ小さい容積の容器内で保持する方法、溶媒の蒸気発生部をもつチャンバー内で保持する方法、あるいは、溶媒の飽和蒸気圧を大気圧以下にする方法などを用いることができる。
このように、高分子バインダーの融点より高い温度且つ高湿度下で加熱を続けることによって、塗布層中に含まれる高分子バインダーは、架橋剤により架橋されてネットワーク化(硬膜化)する。このため、液晶ドロップまたは液晶カプセル間を埋める高分子バインダーが架橋化されて硬膜化された状態の調光層が層間膜上に形成される。
以上の各工程(第1の塗布工程、架橋乾燥工程、層間膜塗布工程、第2の塗布工程、及び第2の乾燥工程)を、液晶ドロップが高分子バインダー、架橋剤、及び溶媒を含む溶液に分散された調光層用塗布液を用い、塗布部をできるだけ小さい容積の容器内で保持する場合について、図2を用いて説明する。
図2(A)は第1の塗布工程を示す概念図である。第1の塗布工程では、図2(A)に示すように、表示面基板14上に、高分子バインダー、架橋剤、及び溶媒を含む溶液35中に液晶ドロップ32が分散された調光層用塗布液を、塗布装置60によって塗布することにより、表示面基板14上に第1の塗布層31を形成する。
次に、架橋乾燥工程では、図2(B)に示すように、図2(A)に示される第1の塗布工程で形成された第1の塗布層31を密閉容器70の中に保持すると共に、表示面基板14を、図示を省略する加熱装置によって加熱することにより第1の塗布層31を高分子バインダーの凝固点より高い温度(ゼラチンである場合には50度)に加熱する。密閉容器70内の雰囲気は、第1の塗布層31中の溶媒の初期揮発によって飽和蒸気圧に近い状態になっている。この状態では、第1の塗布層31から溶媒が急激に揮発しないため、各液晶ドロップ32が激しい液流動によって歪むことはない。溶媒の揮発とともに第1の塗布層31の厚みが減少し、それに伴って各液晶ドロップ32はお互いの位置関係を少しずつ変えながら稠密状態へと自然に配列する。
また、架橋乾燥工程では、図2(B)に示すように、高分子バインダーの凝固点より高い温度で且つ飽和蒸気圧に近い状態、すなわち高温高湿状態下で第1の塗布層31を高分子バインダーの凝固点より高い温度となるように表示面基板14の加熱を行うことにより、第1の塗布層31中に含まれる高分子バインダーを、第1の塗布層31中に含まれる架橋剤によって架橋する。
このように、架橋乾燥工程により、溶媒が完全に揮発したときには、液晶ドロップ32が稠密に配列され凹凸が少なく、且つ液晶ドロップ32間を埋めている高分子バインダーは架橋剤によって架橋されて硬膜化された状態の調光層30が表示面基板14上に形成される。
次に、層間膜塗布工程では、図2(C)に示すように、上記第1の塗布工程及び上記架橋乾燥工程により表示面基板14上に形成された調光層30上に、層間膜として機能する水溶性高分子、及び溶媒を含む溶液を、塗布装置62によって塗布することにより、表示面基板14上に形成された調光層30上に層間膜34を形成した後に、冷却プレート上で凝固点以下に保持して層間膜34を乾燥する。
この層間膜塗布工程によって、図3(A)に示すように、表示面基板14上に形成された調光層30上に層間膜34が塗布され、層間膜34に含まれる溶媒を吸収することにより調光層30中の高分子バインダーが膨潤したときに、従来技術では、高分子バインダーが架橋されていないために、調光層30中の液晶ドロップの稠密配列の崩壊や、溶媒への液晶の溶解、液晶ドロップ同士の合一等の現象が発生するという問題があった。しかし、本発明では、図3(D)に示すように、高分子バインダー35aは架橋剤35bによって架橋されてネットワーク化(架橋硬化)されているため、図3(B)及び図3(E)に示すように、層間膜34が塗布されることにより、調光層30中の高分子バインダーの膨潤は生じるものの、層間膜中の溶媒を揮発させ乾燥させる乾燥工程時には、高分子バインダーのネットワーク化により(図3(F)参照)液晶ドロップの配列及び各液晶ドロップが崩壊することなく、上記第1の塗布工程及び架橋乾燥工程によって形成された液晶ドロップの配列が保持される。
次に、第2の塗布工程では、図2(D)に示すように、上記層間膜塗布工程によって形成された層間膜34上に、更に、高分子バインダー、架橋剤、及び溶媒を含む溶液35中に液晶ドロップ32が分散された調光層用塗布液を、塗布装置64によって塗布することにより、層間膜34上に第2の塗布層33を形成する。
次に、第2の乾燥工程では、図2(E)に示すように、図2(D)に示される第2の塗布工程で形成された第2の塗布層33を密閉容器70の中に保持すると共に、表示面基板14を、図示を省略する加熱装置によって加熱することにより第2の塗布層33を高分子バインダーの凝固点より高い温度に加熱する。密閉容器70内の雰囲気は、第2の塗布層33中の溶媒の初期揮発によって飽和蒸気圧に近い状態になっている。この状態では、第2の塗布層33から溶媒が急激に揮発しないため、各液晶ドロップ32が激しい液流動によって歪むことはない。溶媒の揮発とともに第2の塗布層33の厚みが減少し、それに伴って各液晶ドロップ32はお互いの位置関係を少しずつ変えながら稠密状態へと自然に配列する。
なお、上記では、表示面基板14上に、層間膜34を介して2層の調光層を形成する場合を説明した。この場合、第2の調光層の高分子バインダーは架橋剤によりネットワーク化されていてもネットワーク化されていなくても問題はない。ただし、ゾルーゲル変化を利用して、第2の調光層中の液晶ドロップを多角柱化させる場合には、ネットワーク化しておくことが好ましい。
また、3層以上の調光層を形成する場合についても同様の方法で、層間膜34を介して上記構成の調光層用塗布液を順次塗布して上記工程が実行されることにより、3層以上の調光層を、層間膜を介して積層させることができる。この場合、第2の調光層の高分子バインダーはネットワーク化されている必要があるが、第3の調光層の高分子バインダーは架橋剤によりネットワーク化されていてもネットワーク化されていなくても問題はない。ただし、ゾルーゲル変化を利用して、第2の調光層中の液晶ドロップを多角柱化させる場合には、ネットワーク化しておくことが好ましい。
本発明に用いるゼラチン材料は、保持工程では液晶ドロップ又は液晶マイクロカプセルの動きを阻害しないようゾル粘度の小さいものが好ましく、且つ乾燥工程終了後の調光層表面に液晶滴の漏れ出しを抑制するようゼリー強度の高いものが好ましく、以上の観点から牛骨を原料として酸処理を行ったゼラチンが好適である。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
(調光層用塗布液の調製)
形成した調光層上に層間膜を形成する場合において、該調光層を形成するために用いる調光層用塗布液(以下、第1の調光層塗布液と称する)として、ネマチック液晶(E7、メルク社製)74.5質量%、カイラル剤1(CB15、メルク社製)21.3質量%、カイラル剤2(R1011、メルク社製)4.2質量%とを混合して、ブルーの色光を選択反射するコレステリック液晶を調整した。
4.2μm計のセラミック多孔質膜をセットした膜乳化装置(マイクロキット、SPGテクノ社製)を用いて、窒素圧力0.07kgf/cm2の条件下で前記コレステリック液晶を0.25質量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液中で乳化した。得られたエマルジョンは、コレステリック液晶ドロップの体積平均一次粒径が14.7μm、粒子径標準偏差が1.75μmで、ほぼ単分散に近い状態であった。
次にエマルジョンを静置してコレステリック液晶ドロップを沈降させ、上澄みを除去して濃縮されたエマルジョンを得た。密度計(DMA35n、日本シイベルヘグナー社製)を用いて濃縮エマルジョン内におけるコレステリック液晶ドロップの体積率を測定したところ、0.565であった。
塗布面積に対する液晶ドロップの被服面積の比率ALを0.95に、また、ウェット塗布厚を90umに設定した。前記コレステリック液晶ドロップの体積平均一次粒径(14.8μm)、表示面基板上へのウェット塗布厚(90μm)を用いて、前記式(1)により調光層用塗布液におけるコレステリック液晶ドロップの体積率(Sr×Lr)を求めたところ、0.10(10vol%)であった。この値を目安にして、前記濃縮エマルジョン1質量部に対して、酸性法骨ゼラチン(ゼリー強度314g/ゾル粘土32mp、ニッピ社製)の7.6質量%水溶液を4.3質量部添加することにより、調光層用塗布液内の不揮発分体積率が約0.15、不揮発分内のコレステリック液晶ドロップの体積率が0.70の調光層用塗布液を得た。最後にゼラチンを架橋する架橋剤として30%のグリオキサール水溶液を、調光層塗布液中の非揮発成分に対して5質量%になるように添加した。
なお、コレステリック液晶ドロップの体積平均一次粒径は、コールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して、測定した。
形成した調光層上に層間膜を形成しない場合において、該調光層を形成するために用いる調光層用塗布液(以下、第2の調光層塗布液と称する)として、ネマチック液晶(E7、メルク社製)77.5質量%、カイラル剤1(CB15、メルク社製)18.8質量%、カイラル剤2(R1011、メルク社製)3.7質量%とを混合して、グリーンの色光を選択反射するコレステリック液晶を調整した。
4.2μm計のセラミック多孔質膜をセットした膜乳化装置(マイクロキット、SPGテクノ社製)を用いて、窒素圧力0.07kgf/cm2の条件下で前記コレステリック液晶を0.25質量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液中で乳化した。得られたエマルジョンは、コレステリック液晶ドロップの体積平均一次粒径が14.8μm、粒子径標準偏差が1.72μmで、ほぼ単分散に近い状態であった。
次にエマルジョンを静置してコレステリック液晶ドロップを沈降させ、上澄みを除去して濃縮されたエマルジョンを得た。密度計(DMA35n、日本シイベルヘグナー社製)を用いて濃縮エマルジョン内におけるコレステリック液晶ドロップの体積率を測定したところ、0.535であった。
塗布面積に対する液晶ドロップの被服面積の比率ALを0.95に、また、ウェット塗布厚を90umに設定した。前記コレステリック液晶ドロップの体積平均一次粒径(14.8μm)、表示面基板上へのウェット塗布厚(90μm)を用いて、前記式(1)により調光層用塗布液におけるコレステリック液晶ドロップの体積率(Sr×Lr)を求めたところ、0.10(10vol%)であった。この値を目安にして、前記濃縮エマルジョン1質量部に対して、酸性法骨ゼラチン(ゼリー強度314g/ゾル粘土32mp、ニッピ社製)の7.7質量%水溶液を4質量部添加することにより、調光層用塗布液内の不揮発分体積率が約0.15、不揮発分内のコレステリック液晶ドロップの体積率が0.70の調光層用塗布液を得た。第2の調光層の上に層間膜を形成する必要がなかったので、第2の調光層塗布液中には架橋剤を添加しなかった。
<第1の塗布工程>
60℃に加熱してゼラチンをゾル状態にした第1の調光層用塗布液を、ITO透明電極をスパッタした125μm厚のPET支持基板(ハイビーム、東レ社製)(表示面基板)の上に、塗布後のウェット膜厚が90μmになるようにギャップを調製したマイクロメータ付きアプリケータで塗布した。
<架橋乾燥工程>
続いて、第1の調光層用塗布液を塗布した表示面基板を50℃のホットプレート上にのせ、ポリスチレンケースでカバーをして15分間保持した。コレステリック液晶ドロップがお互いの位置関係を少しずつ変えながら、稠密状態へと次第に変化していった。さらに溶媒の揮発が進み、完全に塗膜が乾燥すると、乾燥時の厚み方向への膜収縮によって液晶がプレーナ配向し、ブルーの選択反射光を示した。乾燥後の透過顕微鏡像を図4(A)に示す。液晶ドロップは稠密に配列された状態になっていた。
<層間膜塗布工程>
コレステリック液晶ドロップが稠密状態になった塗布層上に、層間膜を形成した。層間膜塗布液には、純水に、部分けん化、重合度3500のポリビニルアルコールを溶解したものを用いた。ポリビニルアルコールは、層間膜用塗布液中に対して、3.3質量%になるように調整した。この層間膜用塗布液を、第1の調光層上に、塗布後のウェット厚が100μmになるようにギャップを調整したマイクロメータ付きアプリケータで塗布した。
図4(B)の透過顕微鏡像が示すように、ゼラチンが層間膜塗布液によって膨潤した状態の塗布膜は、ゼラチンの膨潤が見られるものの、液晶の均一な配列状態は崩壊せず、且つ各液晶ドロップの合一や崩壊は見られなかった。
<層間膜の乾燥工程>
更に、塗布されたウェット状態の層間膜を23℃付近の室温に調節した金属プレート上で乾燥した。乾燥させた後の層間膜の厚みを測定したところ、約2μmであった。乾燥後の塗布層は、図4(C)の透過顕微鏡画像が示すように、液晶ドロップの均一な配列状態は崩壊しないまま且つ液晶ドロップが稠密に配列された調光層上に層間膜が形成されていることが分かる。すなわち、PDLC構造が崩壊されず、液晶ドロップの合一や破壊が発生していない事が分かる。
<第2の塗布工程>
60℃に加熱してゼラチンをゾル状態にした第2の調光層用塗布液を、上記層間膜上に、塗布後のウェット膜厚が90μmになるようにギャップを調製したマイクロメータ付きアプリケータで塗布した。
<第2の乾燥工程>
続いて、第2の塗布工程により第2の調光層用塗布液が塗布された表示面基板を50℃のホットプレート上にのせ、ポリスチレンケースでカバーをして15分間保持した。コレステリック液晶ドロップがお互いの位置関係を少しずつ変えながら、稠密状態へと次第に変化していった。さらに溶媒の揮発が進み、完全に塗膜が乾燥すると、乾燥時の厚み方向への膜収縮によって液晶がプレーナ配向し、シアンの選択反射光を示した。乾燥後の透過顕微鏡像を図4(D)に示す。液晶ドロップは稠密に配列された状態になっていた。
一方、対向側の非表示面基板としてITO透明電極をスパッタした125μm厚のPET基板(ハイビーム、東レ社製)を用い、その上にカーボンブラック顔料を分散させたポリビニルアルコール水溶液を2.0μm厚にスピンコート塗布して着色層を形成した。
さらに、前記着色層の上に、ウレタン系ラミネート剤(LX719/KY−90、大日本インキ化学社製)を1μm厚にスピンコート塗布して、接着層を形成した。
前記のようにして作製した表示面基板と非表示面基板を、調光層と接着層が向かい合うように重ね合わせて、100℃のラミネータを通して接着し、光変調素子を得た。
実施例1の光変調素子の、プレーナ状態における表示特性を、積分球型分光測色計(CM2022型、ミノルタ社製)を用いて測定した。図5に、反射スペクトルの測定結果を示す。
図5に示すように、第1の調光層塗布液による調光層のみを形成した場合の光変調素子の表示特性を示す線図80に見られる波長のピークと、第2の調光層塗布液による調光層のみを形成した場合の光変調素子の表示特性を示す線図82に示される波長のピークと、の双方のピークを有する線図84が得られ、単層と略同等の特性が得られていることが分かる。
(比較例1)
比較例1では、架橋剤を含めない以外は、実施例1と同様の手法で行った。
(調光層用塗布液の調製)
形成した調光層上に層間膜を形成する場合において、該調光層を形成するために用いる調光層用塗布液(第1の調光層塗布液)として、ネマチック液晶(E7、メルク社製)74.5質量%、カイラル剤1(CB15、メルク社製)21.3質量%、カイラル剤2(R1011、メルク社製)4.2質量%とを混合して、ブルーの色光を選択反射するコレステリック液晶を調整した。
4.2μm計のセラミック多孔質膜をセットした膜乳化装置(マイクロキット、SPGテクノ社製)を用いて、窒素圧力0.07kgf/cm2の条件下で前記コレステリック液晶を0.25質量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液中で乳化した。得られたエマルジョンは、コレステリック液晶ドロップの体積平均一次粒径が14.7μm、粒子径標準偏差が1.75μmで、ほぼ単分散に近い状態であった。
次にエマルジョンを静置してコレステリック液晶ドロップを沈降させ、上澄みを除去して濃縮されたエマルジョンを得た。密度計(DMA35n、日本シイベルヘグナー社製)を用いて濃縮エマルジョン内におけるコレステリック液晶ドロップの体積率を測定したところ、0.565であった。
塗布面積に対する液晶ドロップの被服面積の比率ALを0.95に、また、ウェット塗布厚を90umに設定した。前記コレステリック液晶ドロップの体積平均一次粒径(14.8μm)、表示面基板上へのウェット塗布厚(90μm)を用いて、前記式(1)により調光層用塗布液におけるコレステリック液晶ドロップの体積率(Sr×Lr)を求めたところ、0.10(10vol%)であった。この値を目安にして、前記濃縮エマルジョン1質量部に対して、酸性法骨ゼラチン(ゼリー強度314g/ゾル粘土32mp、ニッピ社製)の7.6質量%水溶液を4.3質量部添加することにより、調光層用塗布液内の不揮発分体積率が約0.15、不揮発分内のコレステリック液晶ドロップの体積率が0.70の調光層用塗布液を得た。ゼラチンを架橋するための架橋剤は添加しなかった。
(調光層の作製)
第1の塗布工程において、実施例1と同様にして上記比較例1用に作製した調光層用塗布液を、表示面基板の上に塗布した。さらに、実施例1と同様の手法で、架橋乾燥工程を行った。乾燥後の透過顕微鏡像を図6(A)に示す。コレステリック液晶ドロップは稠密に配列されて状態となっていた。
さらに、実施例1と同様の手法を用いて、コレステリック液晶ドロップが稠密状態になった塗布層上に、層間膜用塗布液を塗布した。層間膜塗布直後の透過顕微鏡像を図6(B)に示す。ゼラチンが架橋剤によって架橋されていないため、コレステリック液晶ドロップの一部が崩壊、及び合一していることが分かる。
更に、乾燥後の透過顕微鏡像を図6(C)に示す。コレステリック液晶ドロップの配列は崩壊したまま乾燥されていることが観測された。
このように、実施例1のように架橋剤としてグリオキサールを用いた場合の方が、比較例1のように架橋剤を添加していない場合に比べて、液晶ドロップの合一や崩壊が少なく、PDLC構造を崩壊させることなく、調光層上に層間膜を形成できる。
書込装置に接続された本発明の光調光素子の一例を示す模式図である。 本発明の光変調素子の調光層を製造する各工程を示す模式図であり、(A)は第1の塗布工程を示し、(B)は架橋乾燥工程を示し、(C)は層間膜塗布工程を示し、(D)は、第2の塗布工程を示し、(E)は、第2の乾燥工程を示す模式図である。 本発明の層間膜塗布工程を示す模式図であり、(A)は、層間膜が塗布された状態を示し、(B)は、層間膜の塗布により調光層の高分子バインダーが膨潤した状態を示し、(D)は、乾燥された後の調光層を示す模式図である。 本発明の光変調素子の調光層の各作製工程における反射顕微鏡による写真を示し、(A)は、第1の塗布工程後の塗布層の反射顕微鏡による写真を示し、(B)は、架橋乾燥工程後の塗布層の反射顕微鏡による写真を示し、(C)は、層間膜塗布工程後の光変調素子の反射顕微鏡による写真を示し、(D)は、第2の塗布工程後の塗布層の反射顕微鏡による写真を示し、(E)は、第2の乾燥工程後の塗布層の反射顕微鏡による写真を示す。 実施例1で作製された光変調素子のプレーナ状態における反射スペクトルと、各調光層が単層となるように作製された光変調素子のプレーナ状態における反射スペクトル各々、を示すグラフである。 調光層に架橋剤が含まれない場合(比較例1)の光変調素子の調光層の各作製工程における透過顕微鏡による写真を示し、(A)は、架橋乾燥工程後の塗布層の反射顕微鏡による写真を示し、(B)は、層間膜塗布直後の反射顕微鏡による写真を示し、(C)は、乾燥後の層間膜を介して撮影された塗布層の反射顕微鏡による写真を示している。 コレステリック液晶の配列状態を示す図である。 正の誘電異方性をもつコレステリック液晶の電気光学応答を示すグラフである。 従来の、層間膜を介さずに調光層を積層させた場合の反射スペクトルを示すグラフである。 従来の調光層に架橋剤が含まれない場合において、調光層間に層間膜が形成された場合を示す模式図である。 従来の架橋剤が含まれない調光層上に、層間膜が形成された場合における調光層中の液晶ドロップの状態を示す模式図である。
符号の説明
10 光変調素子
12 非表示面基板
14 表示面基板
18、36 電極
26 着色層
30、301、302 調光層
32 液晶ドロップ
32a 液晶材料
34 層間膜
36 電極
38 支持基板

Claims (3)

  1. 少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって対向し、各々に電極を有する一対の基板間に層間膜を介して積層された複数の調光層を有する光変調素子の製造方法であって、前記複数の調光層のうち、調光層上に前記層間膜が積層されうる調光層を形成する工程が、
    前記基板または前記層間膜上に、高分子バインダー、該高分子バインダーを架橋しうる架橋剤、及び溶媒を含む溶液に、液晶ドロップまたは液晶マイクロカプセルが分散された調光層用塗布液を塗布し、調光層用塗布層を形成する塗布工程と、
    前記調光層用塗布層中の溶媒を前記高分子バインダーの凝固点より高い温度で揮発させて乾燥させると共に、該調光層用塗布層中に含まれる前記高分子バインダーを前記架橋剤によって架橋する架橋乾燥工程と、
    を有し、
    前記層間膜を形成する工程が、前記乾燥された調光層用塗布層上に、前記層間膜を塗布する層間膜塗布工程と、前記層間膜を乾燥する層間膜乾燥工程と、を有する光変調素子の製造方法。
  2. 前記層間膜を乾燥する層間膜乾燥工程が、前記高分子バインダーの凝固点以下で乾燥させることを特徴とする請求項1に記載の光変調素子の製造方法。
  3. 少なくとも前記架橋乾燥工程の一部または全部において、前記調光層用塗布液に振動を加えることを特徴する請求項1または請求項に記載の光変調素子の製造方法。
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