JP2008122733A - 光変調素子、並びにその書き込み方法および書き込み装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】書き込みのための露光と表示確定のための電圧印加の時期を変えることが可能な光変調素子、並びにその書き込み方法および書き込み装置を提供すること。
【解決手段】一対の電極層5,6の間に、少なくとも、相状態に応じて光を反射または透過する表示層7と、光を吸収して該吸収した光の光量に応じて電気特性が変化し、かつその変化後の状態が記憶される光メモリー機能を有する光導電層10と、が積層されてなる光変調素子1。光変調素子1に、像様に光を照射する光照射工程と、光変調素子1の一対の電極層5,6に、表示層7の相状態を設定する駆動電圧を印加する電圧印加工程と、が順次為される書き込み方法。光変調素子1に、像様に光を照射する光照射手段18と、光照射手段18による光照射に続いて、光変調素子1の一対の電極層5,6に、表示層7の相状態を設定する駆動電圧を印加する電圧印加手段17と、を備える書き込み装置2。
【選択図】図1

Description

本発明は、光変調素子、並びにその書き込み方法および書き込み装置に関する。
利便性の高い各種リライタブルマーキング技術の研究が為されているが、その1つの方向性として、コレステリック液晶を用いた光変調素子は、無電源で表示を保持できるメモリー性を有すること、偏光板を使用しないため明るい表示が得られること、カラーフィルターを用いずにカラー表示が可能なことなどの特長を有することから近年注目を集めている。
コレステリック液晶(カイラルネマチック液晶)が示すプレーナ相は、螺旋軸に平行に入射した光を右旋光と左旋光に分け、螺旋の捩れ方向に一致する円偏光成分をブラッグ反射し、残りの光を透過させる選択反射現象を起こす。反射光の中心波長λおよび反射波長幅Δλは、螺旋ピッチをp、螺旋軸に直交する平面内の平均屈折率をn、複屈折率をΔnとすると、それぞれ、λ=n・p、Δλ=Δn・pで表され、プレーナ相のコレステリック液晶層による反射光は、螺旋ピッチに依存した鮮やかな色を呈する。
正の誘電率異方性を有するコレステリック液晶は、図6(A)に示すように、螺旋軸がセル表面に垂直になり、入射光に対して上記の選択反射現象を起こすプレーナ相、図6(B)に示すように、螺旋軸がほぼセル表面に平行になり、入射光を少し前方散乱させながら透過させるフォーカルコニック相、および図6(C)に示すように、螺旋構造がほどけて液晶ダイレクタが電界方向を向き、入射光をほぼ完全に透過させるホメオトロピック相、の3つの状態を示す。
上記の3つの状態のうち、プレーナ相とフォーカルコニック相は、無電界で双安定に存在することができる。したがって、コレステリック液晶の相状態は、液晶層に印加される電界強度に対して一義的に決まらず、プレーナ相が初期状態の場合には、電界強度の増加に伴って、プレーナ相、フォーカルコニック相、ホメオトロピック相の順に変化し、フォーカルコニック相が初期状態の場合には、電界強度の増加に伴って、フォーカルコニック相、ホメオトロピック相の順に変化する。
一方、液晶層に印加した電界強度を急激にゼロにした場合には、プレーナ相とフォーカルコニック相はそのままの状態を維持し、ホメオトロピック相はプレーナ相に変化する。
したがって、パルス信号を印加した直後のコレステリック液晶層は、図7に示すようなスイッチング挙動を示し、印加されたパルス信号の電圧が、Vfh以上のときには、ホメオトロピック相からプレーナ相に変化した選択反射状態となり、VpfとVfhの間のときには、フォーカルコニック相による透過状態となり、Vpf以下のときには、パルス信号印加前の状態を継続した状態、すなわちプレーナ相による選択反射状態またはフォーカルコニック相による透過状態となる。
図7中、縦軸は正規化光反射率であり、最大光反射率を100、最小光反射率を0として、光反射率を正規化している。また、プレーナ相、フォーカルコニック相およびホメオトロピック相の各状態間には、遷移領域が存在するため、正規化光反射率が50以上の場合を選択反射状態、正規化光反射率が50未満の場合を透過状態と定義し、プレーナ相とフォーカルコニック相の相変化のしきい値電圧をVpfとし、フォーカルコニック相とホメオトロピック相の相変化のしきい値電圧をVfhとする。
コレステリック液晶表示素子は、一対の表示基板間に液晶を連続相として封入する構造のほかに、高分子バインダ中にコレステリック液晶をドロップ状に分散したPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)構造や、高分子バインダ中にマイクロカプセル化されたコレステリック液晶を分散したPDMLC(Polymer Dispersed Microencapsulated Liquid Crystal)構造にすることができる(例えば、特許文献1〜3参照)。
PDLC構造やPDMLC構造を用いると、液晶の流動性が抑えられるため曲げや圧力に対する画像の乱れが小さくなり、フレキシブルな媒体を実現できる。また、複数のコレステリック液晶層を直接積層してカラー表示を行ったり、光導電層と積層して光信号で画像をアドレスする表示素子とすることもできる。さらに、表示層を厚膜印刷技術を用いて形成することが可能となるため、製造方法が簡略化されて低コストになるという利点もある。
従来より、当該技術を利用した光変調素子が多数提案されている(例えば、特許文献4参照)。
当該技術による光アドレス型空間光変調素子では、このコレステリック液晶の双安定現象を利用して、(A)プレーナ相による選択反射状態と、(B)フォーカルコニック相による透過状態と、をスイッチングすることによって、無電界でのメモリ性を有する各種色相のモノクロ表示、または無電界でのメモリ性を有するカラー表示を行う。
図8に、当該技術による一般的な光変調素子に対して、露光装置で画像の書き込みを行っている様子を模式的に表す模式図を示す。図8に示されるように、当該技術による光変調素子は、一対の透明電極間に液晶層である表示層と光導電体層であるOPC(有機感光体)層とが(必要に応じて、不図示の遮光層を挟んで)積層され、一対の基板で挟持されてなるものである。
当該技術による光変調素子は、両透明電極に所定のバイアス電圧を印加した状態で、OPC層側の表面を像様に全面一括で露光装置により平行光で露光することによって、所望の記録画像を書き込むことができる。
当該技術による光変調素子は、表示層と光導電層とを電極層で挟み込んだユニットをRGBの3色積層することでフルカラー画像を形成することもできる。
特開平11−237644号公報 特表2000−514932号公報 特開平11−326871号公報 特開2003−140184号公報
本発明は、書き込みのための露光と表示確定のための電圧印加の時期を変えることが可能な光変調素子、並びにその書き込み方法および書き込み装置を提供することを課題とする。
上記課題は、以下の<1>〜<15>に示す本発明により達成される。
<1> 一対の電極層の間に、少なくとも、
相状態に応じて光を反射または透過する表示層と、
光を吸収して該吸収した光の光量に応じて電気特性が変化し、かつその変化後の状態が記憶される機能を有する光導電層と、
が積層されてなることを特徴とする光変調素子。
<2> 前記表示層が、コレステリック液晶を含むことを特徴とする<1>に記載の光変調素子。
<3> 前記光導電層が、銅TCNQ錯体を含むスイッチング層と、電荷発生層とが積層されてなることを特徴とする<1>に記載の光変調素子。
<4> <1>に記載の光変調素子に、像様に光を照射する光照射工程と、
前記光変調素子の一対の電極層に、前記表示層の相状態を設定する駆動電圧を印加する電圧印加工程と、
が順次為されることを特徴とする光変調素子の書き込み方法。
<5> 前記光変調素子における光導電層が、銅TCNQ錯体を含むスイッチング層と、電荷発生層とが積層されてなるものであり、
光照射工程において、前記光変調素子の一対の電極層に書き込みのための書込電圧を印加しつつ像様に光を照射することを特徴とする<4>に記載の光変調素子の書き込み方法。
<6> 光照射工程に先立ち、前記光変調素子における光導電層に既に記憶された情報を予め消去する消去工程を含むことを特徴とする<4>に記載の光変調素子の書き込み方法。
<7> 前記光変調素子における光導電層が、銅TCNQ錯体を含むスイッチング層と、電荷発生層とが積層されてなるものであり、
前記消去工程が、前記光変調素子に対して熱を加える工程であることを特徴とする<6>に記載の光変調素子の書き込み方法。
<8> 前記書き込み工程において、前記光変調素子の書き込み領域全面を二次元的に走査させることで光を照射することを特徴とする<4>に記載の光変調素子の書き込み方法。
<9> 電圧印加工程で印加する駆動電圧が、プレーナからフォーカルコニックへの相変化の閾値を、光照射工程における光照射部では超え、非照射部では超えない程度の電圧とすることを特徴とする<4>に記載の光変調素子の書き込み方法。
<10> <1>に記載の光変調素子に、像様に光を照射する光照射手段と、
該光照射手段による光照射に続いて、前記光変調素子の一対の電極層に、前記表示層の相状態を設定する駆動電圧を印加する電圧印加手段と、
を備えることを特徴とする光変調素子の書き込み装置。
<11> 前記光変調素子における光導電層が、銅TCNQ錯体を含むスイッチング層と、電荷発生層とが積層されてなるものであり、
光照射手段による光照射時に、電圧印加手段によって、前記光変調素子の一対の電極層に書き込みのための書込電圧を印加することを特徴とする<10>に記載の光変調素子の書き込み装置。
<12> 光照射工程に先立って、前記光変調素子における光導電層に既に記憶された情報を予め消去するための消去手段を含むことを特徴とする<10>に記載の光変調素子の書き込み装置。
<13> 前記光変調素子における光導電層が、銅TCNQ錯体を含むスイッチング層と、電荷発生層とが積層されてなるものであり、
前記消去手段が、前記光変調素子に対して熱を加える手段であることを特徴とする<12>に記載の光変調素子の書き込み装置。
<14> 前記光照射手段が、前記光変調素子の書き込み領域全面を二次元的に走査させることで光を照射する手段であることを特徴とする<10>に記載の光変調素子の書き込み装置。
<1>にかかる発明は、変化後の状態が記憶される機能(光メモリー機能)を有する光導電層に書き込み光の情報が記憶されるため、予め光による書き込みを行った後に表示状態を設定するための電圧を印加し得る光変調素子を提供することができる。
<2>にかかる発明は、光変調物質として有用で好適なコレステリック液晶を用いて、予め光による書き込みを行った後に表示状態の設定のための電圧を印加し得る光変調素子を提供することができる。
<3>にかかる発明は、光導電層として、銅TCNQ錯体を含むスイッチング層と、電荷発生層とが積層されてなるものを使用しているため、高いメモリー性を有し、かつ熱により容易に情報を消去でき、メモリ性を有していない光導電層を用いた場合に比べて、書き込み方式を多様に選択可能な光変調素子を提供することができる。
<4>にかかる発明は、書き込み工程で予め光による書き込みを行った後に電圧印加工程で表示状態の設定のための電圧印加を行うことができるので、両者のタイミングを図る必要が無く、また、平行光により全面一括露光する必要が無いため、容易かつ低コストで光変調素子への画像書き込みを実現し得る書き込み方法を提供することができる。
<5>にかかる発明は、書込電圧を印加しながら光書き込みすることで高いメモリー性を発揮する銅TCNQ錯体を光導電層に含む光変調素子であるため、メモリ性を有していない光導電層を用いた場合に比べて、適切に画像書き込みし得る書き込み方法を提供することができる。
<6>にかかる発明は、書き込み対象となる光変調素子に以前記憶された情報がある場合にそれを予め消去した上で書き込みができるので、本発明の光変調素子を繰り返し書き込み使用し得る書き込み方法を提供することができる。
<7>にかかる発明は、高いメモリー性とともに熱により記憶が消去される特性を有する銅TCNQ錯体光導電層に含むを光変調素子に対して、熱により簡単に以前の情報を消去することができ、単純な構成で繰り返し書き込み使用し得る書き込み方法を提供することができる。
<8>にかかる発明は、光書き込みに全面一括露光を要しない<4>にかかる発明の性質を生かして、レーザ光を用いたり、発光ダイオードアレイを用いる等の二次元的に走査させる方法で光書き込みを行っているので、全面一括露光する方法に比べて、容易かつ低コストで画像書き込みし得る書き込み方法を提供することができる。
<9>にかかる発明は、駆動電圧の印加は1つ1つの画素やラインに対して行う光照射とは切り分けられており、相変化速度が極めて遅いプレーナからフォーカルコニックへの相変化であっても1回の駆動電圧の印加で済むため、1つ1つの画素やラインに対して駆動電圧の印加を行う場合に比べて格段に書き込み速度が速い。
<10>にかかる発明は、光照射手段による光書き込みと電圧印加手段による駆動電圧印加とを同期させる必要が無く、また、平行光で照射できる光照射手段によって全面一括露光をする必要が無いため、装置構成を簡素化することができる。
<11>にかかる発明は、書込電圧を印加しながら光書き込みすることで高いメモリー性を発揮する銅TCNQ錯体を光導電層に含む光変調素子であるため、メモリ性を有していない光導電層を用いた場合に比べて、適切に画像書き込みし得る書き込み装置を提供することができる。
<12>にかかる発明は、書き込み対象となる光変調素子に以前記憶された情報がある場合にそれを消去手段により予め消去した上で書き込みができるので、本発明の光変調素子を繰り返し書き込み使用し得る書き込み装置を提供することができる。
<13>にかかる発明は、高いメモリー性とともに熱により記憶が消去される特性を有する銅TCNQ錯体光導電層に含むを光変調素子に対して、熱により簡単に以前の情報を消去することができ、単純な構成で繰り返し書き込み使用し得る書き込み装置を提供することができる。
<14>にかかる発明は、レーザ露光手段や発光ダイオードアレイ等の二次元的に走査させる手段で光書き込みを行っているので、全面一括露光する手段に比べて、容易かつ低コストで画像書き込みし得る書き込み装置を提供することができる。
以下、本発明の光変調素子、並びにその書き込み方法および書き込み装置を、好ましい実施形態を挙げ、図面に則して詳細に説明する。
図1は、本発明の光変調素子および書き込み装置全体を含むシステムの例示的一態様である実施形態の概略構成図である。本実施形態のシステムは、光変調素子1と書き込み装置2とからなる。この両構成要素について、詳細に説明してから、その動作(書き込み方法)について説明する。
<光変調素子>
本発明において光変調素子とは、書き込み光の照射と駆動電圧の印加によって光アドレス動作ができる部材である。
本実施形態において光変調素子1は、表示面側から順に、透明基板3、電極層5、表示層(液晶層)7、ラミネート層8、着色層(遮光層)9、メモリー性光導電層(光導電層)10、電極層6および透明基板4が積層されてなる物である。
(透明基板)
透明基板3,4は、各機能層をその間に保持し、光変調素子の構造を維持する目的の部材である。透明基板3,4は、外力に耐える強度を有するシート形状の物体であり、表示面側の透明基板3は少なくとも入射光と書き込み光、より好ましくは可視光を透過する。フレキシブル性を有することが好ましい。具体的な材料としては、無機シート(たとえばガラス・シリコン)、高分子フィルム(たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート)等を挙げることができる。外表面に、防汚膜、耐磨耗膜、光反射防止膜、ガスバリア膜など公知の機能性膜を形成してもよい。
なお、当該基板は、一方が不透明であっても構わない。
(電極層)
一対の電極層5,6は、書き込み装置2から印加されたバイアス電圧(駆動電圧)を、光変調素子1内の各機能層へ印加する目的の部材である。電極層5,6は、導電性を有し、表示面側の電極層5は少なくとも入射光を、書き込み面側の電極層6は少なくとも書き込み光を透過する。具体的には、金属(たとえば金、アルミニウム)、金属酸化物(たとえば酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO))、導電性有機高分子(たとえばポリチオフェン系・ポリアニリン系)などで形成された導電性薄膜を挙げることができる。表面に、密着力改善膜、光反射防止膜、ガスバリア膜など公知の機能性膜を形成してもよい。電極層5,6は各機能層に引加する電圧が面内で均一となるように、それぞれ面内で均一な導電性を有することが好ましい。
なお、当該電極は、一方が透明であってもよい。
(表示層)
本発明において表示層とは、電場によって入射光のうち特定の色光の反射・透過状態を変調する機能を有し、選択した状態が無電場で保持できる性質のものである。表示層としては、曲げや圧力などの外力に対して耐久性があり、追従性のある構造であることが好ましい。
本発明において好ましい表示層としては、コレステリック液晶および透明樹脂からなる自己保持型液晶複合体の液晶層が形成されてなるものである。すなわち、複合体として自己保持性を有するためスペーサ等を必要としない液晶層である。本実施形態では、図1に示されるように、高分子マトリックス(透明樹脂)11中にコレステリック液晶12が分散した状態となっている。
コレステリック液晶12は、入射光のうち特定の色光の反射・透過状態を変調する機能を有し、液晶分子がらせん状に捩れて配向しており、らせん軸方向から入射した光のうち、らせんピッチに依存した特定の光を干渉反射する。電場によって配向が変化し、反射状態を変化させることができる。ドロップサイズが均一で、単層稠密に配置されていることが好ましい。
コレステリック液晶12として使用可能な具体的な液晶としては、ネマチック液晶やスメクチック液晶(たとえばシッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、安息香酸エステル系、ビフェニル系、ターフェニル系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ビフェニルシクロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエタン系、シクロヘキサン系、トラン系、アルケニル系、スチルベン系、縮合多環系)、またはこれらの混合物に、カイラル剤(たとえばステロイド系コレステロール誘導体、シッフ塩基系、アゾ系、エステル系、ビフェニル系)を添加したもの等を挙げることができる。
コレステリック液晶の螺旋ピッチは、ネマチック液晶に対するカイラル剤の添加量で調整する。例えば、表示色を青、緑、赤とする場合には、それぞれ選択反射の中心波長が、400nm〜500nm、500nm〜600nm、600nm〜700nmの範囲になるようにする。また、コレステリック液晶の螺旋ピッチの温度依存性を補償するために、捩じれ方向が異なる、または逆の温度依存性を示す複数のカイラル剤を添加する公知の手法を用いてもよい。
表示層7がコレステリック液晶12と高分子マトリックス(透明樹脂)11からなる自己保持型液晶複合体を形成する形態としては、コレステリック液晶の連続相中に網目状の樹脂を含むPNLC(Polymer Network Liquid Crystal)構造や、高分子の骨格中にコレステリック液晶がドロップレット状に分散されたPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)構造(マイクロカプセル化されたものを含む)を用いることができ、PNLC構造やPDLC構造とすることによって、コレステリック液晶と高分子の界面にアンカリング効果を生じ、無電界でのプレーナ相またはフォーカルコニック相の保持状態を、より安定にすることができる。
PNLC構造やPDLC構造は、高分子と液晶とを相分離させる公知の方法、例えば、アクリル系、チオール系、エポキシ系などの、熱や光、電子線などによって重合する高分子前駆体と液晶を混合し、均一相の状態から重合させて相分離させるPIPS(Polymerization Induced PhaseSeparation)法、ポリビニルアルコールなどの、液晶の溶解度が低い高分子と液晶とを混合し、攪拌懸濁させて、液晶を高分子中にドロップレット分散させるエマルジョン法、熱可塑性高分子と液晶とを混合し、均一相に加熱した状態から冷却して相分離させるTIPS(Thermally Induced Phase Separation)法、高分子と液晶とをクロロホルムなどの溶媒に溶かし、溶媒を蒸発させて高分子と液晶とを相分離させるSIPS(Solvent Induced Phase Separation)法などによって形成することができるが、特に限定されるものではない。
高分子マトリックス11は、コレステリック液晶12を保持し、光変調素子の変形による液晶の流動(画像の変化)を抑制する機能を有するものであり、液晶材料に溶解せず、また液晶と相溶しない液体を溶剤とする高分子材料が好適に用いられる。また、高分子マトリックス11としては、外力に耐える耐久性、追従性を持ち、少なくとも反射光および書き込み光に対して高い透過性を示す材料であることが望まれる。
高分子マトリックス11として採用可能な材料としては、水溶性高分子材料(たとえばゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸系ポリマー、エチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアミジン、イソプレン系スルホン酸ポリマー)、あるいは水性エマルジョン化できる材料(たとえばフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂)等を挙げることができる。
(メモリー性光導電層)
本発明において、光導電層は、内部光電効果をもち、書き込み光の照射強度に応じてインピーダンス特性等の電気特性が変化するとともに、その変化後の状態が記憶される機能(光メモリー機能)を有する層である。以下、かかる光メモリー機能を有する光導電層を適宜「メモリー性光導電層」と称することがある。
本発明において光メモリー機能を生じさせる「記憶」の保持時間の程度としては、光照射工程で光を照射してから、電圧印加工程で駆動電圧を印加するまでの間(インタバル)、電気特性の変化後の状態を保持していれば十分であり、両工程間のインタバルの長さによって所望とする記憶の時間は異なってくる。装置設計の容易さや取り扱い性等を考慮すると、この「記憶」の程度としては、保持時間として5秒間以上であることが好ましく、10秒間以上であることがより好ましく、60秒間以上であることがさらに好ましい。
また、この状態の保持強度の程度としては、次工程の電圧印加工程で印加する駆動電圧で表示層が十分に駆動する程度の状態が維持されていれば十分であり、駆動の安定性を考慮すると、光照射前に対する光照射中の抵抗値の変化量を100%として、当該変化量が90%以上維持されていることが好ましく、95%以上維持されていることがより好ましく、98%以上維持されていることがさらに好ましい。
本発明においてメモリー性光導電層としては、上記性質を有するものであれば特にその構成は制限無く、メモリー型感光体等と称される従来公知の物が問題なく使用可能である。
具体的には、東レリサーチセンター調査研究部門編、「13.メモリー型感光体」、“電子写真用感光体材料の新展開:情報記録分野における最先端技術開発動向とその応用"、株式会社東レリサーチセンター発行、1994年3月、p.143−148に記載のヨウ素をドーピングした導電性ポリマを電極とするメモリー型感光体、および有機ポリシラン感光体、当該文献や横山正明、岸本芳久、艸林成和著、「Cu・TCNQ錯体におけるスイッチング現象を用いた光メモリー機能をもつ有機感光体」、電子写真学会誌、第24巻、第2号、1985年、p.86−94等に記載のCu・TCNQ錯体の電気的スイッチングを利用したメモリー感光体、その他PVK(ポリ−N−ビニルカルバゾール)−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)有機感光体に第3成分としてロイコ色素およびジアゾニウム塩を添加した物等を例示することができ、いずれも好適に使用可能である。
本実施形態において、メモリー性光導電層10は、電荷発生層13とスイッチング層14とが積層されてなるものである。電荷発生層13は、電子写真装置等に用いられる有機感光体(OPC)において電荷発生層とされる層と同様であり、スイッチング層14がメモリー性光導電層として特徴的な層である。
電荷発生層13は、アドレス光を吸収して光キャリアを発生させる機能を有する層である。電荷発生層13は、電荷発生材料(たとえば金属又は無金属フタロシアニン、スクアリウム化合物、アズレニウム化合物、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスやトリス等アゾ顔料、キナクリドン顔料、ピロロピロール色素、多環キノン顔料、ジブロモアントアントロンなど縮環芳香族系顔料、シアニン色素、キサンテン顔料、ポリビニルカルバゾールとニトロフルオレン等電荷移動錯体、ピリリウム塩染料とポリカーボネート樹脂からなる共昌錯体)を直接成膜する乾式法か、またはこれら電荷発生材料を、高分子バインダー(たとえばポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルカルバゾール樹脂、ビニルホルマール樹脂、部分変性ビニルアセタール樹脂、カーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、ビニルアセテート樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂等)とともに適当な溶剤に分散ないし溶解させて塗布液を調製し、これを塗布し乾燥させて成膜する湿式塗布法等により形成することができる。
本実施形態においてスイッチング層14は、光に対するスイッチング現象を好適に有する銅TCNQ錯体(Cu・TCNQ錯体)が含まれてなるものである。銅TCNQ錯体(Cu・TCNQ錯体)は、下記式のような電解誘導還元反応によって導電性の状態が記憶される。
Figure 2008122733
スイッチング層14は、このような性質の銅TCNQ錯体を適当な高分子バインダー(たとえばポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニル樹脂、含珪素架橋型樹脂等)とともに適当な溶剤に分散ないし溶解させたものを調製し、これを塗布し乾燥させて形成すればよい。
電荷発生層13およびスイッチング層14の厚みとしては、所望の電気特性や光学特性等により異なるため一概には言えないが、前者は大略0.2〜3μm程度の範囲から、後者は大略2〜20μm程度の範囲から、それぞれ目的等に応じて選択される。
(着色層)
着色層(遮光層)9とは、表示層が透過状態(黒表示)となった時の色味をより黒くすると言った画質向上の為、または書き込み光以外の光での光変調素子への露光を防ぐといった動作の安定性の為等の目的で設けられる層であり、本発明において必須の構成要素ではない。ただし、光変調素子1の性能向上のためには、設けることが望まれる層である。その目的から、着色層9には、少なくともメモリー性光導電層の吸収波長域外の光を吸収する機能が要求される。
着色層9は、具体的には、無機顔料(たとえばカドミウム系、クロム系、コバルト系、マンガン系、カーボン系)、または有機染料や有機顔料(アゾ系、アントラキノン系、インジゴ系、トリフェニルメタン系、ニトロ系、フタロシアニン系、ペリレン系、ピロロピロール系、キナクリドン系、多環キノン系、スクエアリウム系、アズレニウム系、シアニン系、ピリリウム系、アントロン系)をメモリー性光導電層10のスイッチング層14側の面に直接成膜する乾式法か、あるいはこれらを高分子バインダー(たとえばポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル樹脂等)とともに適当な溶剤に分散ないし溶解させて塗布液を調製し、これを塗布し乾燥させて成膜する湿式塗布法等により形成することができる。
(ラミネート層)
ラミネート層8は、それぞれ上下基板内面に形成した各機能層を貼り合わせる際に、凹凸吸収および接着の役割を果たす目的で設けられる層であり、本発明において必須の構成要素ではない。ラミネート層8は、ガラス転移点の低い高分子材料からなるものであり、熱や圧力によって表示層7と着色層9とを密着・接着させることができる材料が選択される。また、少なくとも入射光に対して透過性を有することが条件となる。
ラミネート層8に好適な材料としては、粘着性の高分子材料(たとえばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂)を挙げることができる。
<書き込み装置>
本発明において書き込み装置2とは、光変調素子1に画像を書込む装置であり、光変調素子1に対して書き込み光の照射を行う光照射部(光照射手段)18および光変調素子1にバイアス電圧を印加する電圧印加部(電圧印加手段)17を主要構成要素とし、さらにこれらの動作を制御する制御回路16が配されてなる。
(光照射部)
光照射部(光照射手段)18は、像様となる所定の書き込み光パターンを光変調素子1に照射する機能を有し、制御回路16からの入力信号に基づき、光変調素子1上(詳しくは、メモリー性光導電層上)に所望の光画像パターン(スペクトル・強度・空間周波数)を照射できるものであれば特に制限されるものではない。なお、光照射すべき領域としては、光変調素子の書き込み面の全面である必要は無く、表示層が形成されている範囲内であることはもちろんのこと、書き込もうとする領域(書き込み領域)内であれば十分である。
光照射部18により照射される書き込み光としては、以下の条件のものが好ましく選択されるが、本発明においてはこれに限定されるものではない。
・スペクトル:メモリー性光導電層10の吸収波長域のエネルギーができるだけ多いことが好ましい。
・照射強度:メモリー性光導電層10に電気特性の変化が記憶され、その後の駆動電圧の印加によって表示層7の相変化のしきい値電圧以上となり、暗時にはそれ以下となるような強度。
・照射時間:ラインや画素ごとに走査して照射する場合には、当該ラインや画素ごとに2ms以上。面発光による照射の場合には、全体で2ms以上。
光照射部18により照射される書き込み光としては、メモリー性光導電層10の吸収波長域内にピーク強度を持ち、できるだけバンド幅の狭い光であることが望ましい。
光照射部18としては、具体的には以下のものが挙げられる。
(1−1)光源(たとえば、冷陰極管、キセノンランプ、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、EL、レーザ等)を一次元のアレイ状に配置したものや、ポリゴンミラーと組み合せたもの、など走査動作によって任意の二次元発光パターンを形成できるもの
(1−2)光源をアレイ状に配置したものや導光板と組み合せたもの、などの均一な光源と、光パターンを作る調光素子(たとえば、LCD、フォトマスクなど)の組み合わせ
(2)光源を面状に配置したものなどの自発光型ディスプレイ(たとえばCRT、PDP、EL、発光ダイオード、FED、SED)
(3)上記(1−1)、(1−2)あるいは(2)と光学素子(たとえばマイクロレンズアレイ、セルホックレンズアレイ、プリズムアレイ、視野角調整シート)との組み合わせ
本発明では、既述のように、(1−1)の走査系の装置(光変調素子の全面を二次元的に走査させることで光を照射する手段)とすることが、本発明特有の効果を最大限に享受することができるため、特に好ましい。
なお、本発明において「二次元的に走査」とは、光源自体が点光源(レーザ等)であるか線光源であるか、あるいは面光源であるかを問わず、走査することによって最終的に面状に照射する露光方式全般を意味する。
(電圧印加部)
電圧印加部(電圧印加手段)17は、所定のバイアス電圧(駆動電圧、書込電圧)を光変調素子1に印加する機能を有し、制御回路16からの入力信号に基づき、光変調素子(各電極間)に所望の電圧波形を印加できるものであればよい。ただし、AC出力ができ、高いスルーレートであることが好ましい。電圧印加部17には、例えばバイポーラ高電圧アンプなどを用いることができる。
電圧印加部17による光変調素子1への電圧の印加は、接触端子19を介して、電極層5−電極層6間に為される。
ここで接触端子19とは、電圧印加部17および光変調素子1(電極層5,6)に接触して、両者の導通を行う部材であり、高い導電性を有し、電極層5,6および電圧印加部17との接触抵抗が小さいものが選択される。光変調素子1と書き込み装置2とを切り離すことができるように、電極層5,6と電圧印加部17とのどちらか、あるいは両者から分離できる構造であることが好ましい。
接触端子19としては、金属(たとえば金・銀・銅・アルミ・鉄)、炭素、これらを高分子中に分散させた複合体、導電性高分子(たとえばポリチオフェン系・ポリアニリン系)などでできた端子で、電極を挟持するクリップ・コネクタ形状のものが挙げられる。
(制御回路)
制御回路16は、外部(画像取り込み装置、画像受信装置、画像処理装置、画像再生装置、あるいはこれらの複数の機能を併せ持つ装置等)からの画像データに応じて、電圧印加部17および光照射部18の動作を適宜制御する機能を有する部材である。制御回路16による具体的な制御内容については、本発明に特徴的な「光照射工程」および「電圧印加工程」の2つの工程、あるいはこれらに加え、「光照射工程」に先立って行われる「消去工程」の3つの工程からなるものであり、その詳細については後述することとする。
(全体構成)
図2は、本発明に供し得る書き込み装置2の例を示す斜視図であり、光照射手段にレーザを用いた場合である。なお、当該図において、制御回路16の図示は省略されている。
光照射を行う露光光学系は、光源51として半導体レーザを用い、コリメータレンズ52、ポリゴンミラー53、ポリゴンモーター54、f−θレンズ55、折り返し用ミラー56などによって構成され、レーザビーム57は、ビーム調整ミラー58を介して同期信号発生器59に送られ、走査タイミングの同期に用いられる。図では省略されているが、この書き込み装置の制御装置(制御回路)は、一般の電子写真用レーザ露光装置のそれと同様である。
光変調素子1の副走査方向への送りは、図示のように光変調素子1を平面状に固定して、パルスモータによって行い、または、光変調素子1の基板をフィルムで構成することにより、光変調素子1を柔軟性のあるものとして、円筒状のドラムに固定して、モータによって回転させる、などの方法によることができる。
電圧印加部17は、光照射部18による光照射時に書込電圧を供給する場合には、少なくとも2水準の電圧を供給できる電源である必要があるが、書込電圧と駆動電圧を等しくする場合には、その限りでは無い。
図3は、本発明の光変調素子の書き込み装置の他の一例を示し、露光装置に発光ダイオードアレイを用いた場合である。露光用の光源が発光ダイオードアレイ62と自己結像型ロッドレンズアレイ63によって構成されるほかは、図2を用いて説明した上記例と同様である。
なお、上記例示では、光変調素子1に電圧印加部17と光照射部18とが同時に備えられた例を示しているが、光変調素子1が光照射時に書込電圧を必要としない物の場合には、光変調素子1がメモリー機能を有することから、両者を別々の場所に設けてもよく、例えば一般的な紙送り機構によって、光照射部18が備えられた場所から電圧印加部17が備えられた場所へと光変調素子1を順次移送する構成であっても構わない。勿論、光変調素子1が光照射時に書込電圧を必要とする物の場合であっても、光照射部18が備えられた場所において書込電圧専用の電圧印加手段が配されていれば、上記のような紙送り機構による構成を採用することができる。
<書き込み方法>
図1の光変調素子1および書き込み装置2全体を含むシステムにより画像を書き込む本発明の書き込み方法について、以下詳述する。
本発明の書き込み方法は、光照射工程の操作と電圧印加工程の操作とが順次為されるものであり、必要に応じて光照射工程に先立ち消去工程の操作が為されるものである。
以下、図4を用いて工程毎に分けて説明する。
ここで図4は、本発明の書き込み方法を説明するための各工程の状態を表す説明図であり、(a)は本発明の書き込み方法による書き込み前、あるいは、加熱工程の操作が為された後の状態を表し、(b)は光照射工程の操作が為された後の状態を表し、(c)は電圧印加工程の操作が為された後の状態を表すものである。なお、図4においては、説明に不要な一部の層の図示が省略されている。
(光照射工程)
光照射工程は、光照射部18によって光変調素子1に像様に光を照射する工程である。光照射の具体的な構成については、光照射部の項で既述の通りである。
光照射工程では、表示層の駆動のための電圧の印加を要しないか、単なる書込電圧を印加するだけでよい。表示層の駆動のための電圧の印加を要する場合、光照射の時期と同期させる必要があるが、それが不要となる。
なお、本実施形態のようにメモリー性光導電層10として銅TCNQ錯体を含むスイッチング層14を用いている場合等必要に応じて、光照射と同時に書込電圧を印加する。
この書込電圧には一般に直流電圧が用いられ、光照射との同期についても光照射の瞬間に印加されていれば印加タイミングが多少ずれていても何ら問題無い。また、当該書込電圧は、表示層7を駆動させるための駆動電圧とは波形や実効電圧が異なることから、表示層7の相状態には何ら影響を与えず、光照射による書き込み時期と、駆動電圧印加による表示画像設定時期とを異ならせることができる機能に相違はない。すなわち、本工程において必要に応じて印加される「書込電圧」とは、単にメモリー性光導電層10の光メモリー機能の発現に寄与するための電圧である。
なお、当該書込電圧としては、その印加によって表示層7内のコレステリック液晶12の相状態に影響を与えない大きさの電圧であることが望まれる。例えば、コレステリック液晶12の初期状態をプレーナ相にするのであれば、図7を参考にすると、Vpf以下かVfh以上の電圧であることが望まれる(実際には、グラフが勾配し始める前の安全率を見て、Vpfよりある程度小さい値か、Vfhよりある程度大きい値であることがより好ましい)。メモリー性光導電層10として銅TCNQ錯体を含むスイッチング層14を用いている本実施形態の場合では、書込電圧はVfhより十分に大きな値の電圧となるのが一般的である。
以上のように、本工程の操作が為されることにより、図4(a)に示す初期状態であった光変調素子1のメモリー性光導電層10には、図4(b)に示すように書き込み光が照射された部位に電気特性の変化が記憶される(メモリー性光導電層10の網掛け部分)。
(電圧印加工程)
光照射工程に引き続いて為される電圧印加工程は、光変調素子1の一対の電極層5,6に、表示層7の相状態を設定させる駆動電圧を印加する工程である。本工程の操作が為されることにより、図4(b)に示すようにメモリー性光導電層10に電気特性の変化が記憶されていた光変調素子1は、この駆動電圧の印加によって部位毎に表示層7に印加される分圧が異なり、図4(c)に示すように書き込み光が照射された部位とされなかった部位とでコレステリック液晶12の相状態が異なった状態に駆動する(相状態が変化しない部位とする部位とで異なった状態になる場合も、全体として「駆動する」と称する。本明細書において同様。)。
電圧印加工程で印加する「駆動電圧」とは、既述の書込電圧とは異なり、印加によって表示層7中のコレステリック液晶12の相状態を選択的に変化させるための電圧である。当該駆動電圧としては、表示層7中のコレステリック液晶12の相状態が、光照射工程で書き込み光が照射された部位とされなかった部位とで異なるように駆動するに十分な程度の大きさの電圧とすればよい。どの相状態の変化を選択するか、メモリー性光導電層10に記憶された電気特性がどの程度か、印加周波数がどの程度か等のほか、用いたコレステリック液晶の特性により、必要とすべき印加電圧の大きさが異なるため、一概には言えない。
どの相状態の変化を選択するかは、本発明において特に制限されない。
図5に、コレステリック液晶の相変化の一覧を模式的に示す。電圧の印加に伴い、プレーナ相にある状態からフォーカルコニック相、さらにホメオトロピック相へと相変化する。
従来技術で説明した、特許文献1に記載の技術では、初期状態をプレーナ相としておき、電圧を印加した状態で像様に露光することでプレーナ相からフォーカルコニック相へと相変化させることで、液晶層(表示層)に画像を書き込んでいる。プレーナ相およびフォーカルコニック相のいずれも、印加電圧を除した後もその相状態が保持されるため、書き込まれた画像も安定的に保持される。
本発明においても当該相変化を利用して駆動させることが可能である。特に、図2に示されるように、プレーナ相からフォーカルコニック相へは相変化速度が極めて遅く数百msもの時間を要してしまうが、既述のように本発明では駆動電圧の印加は1つ1つの画素やラインに対して行う光照射とは切り分けられており、1回の駆動電圧の印加で済むため、駆動電圧の印加時間はプレーナ相からフォーカルコニック相へは1回の相変化時間のみで十分である。
(消去工程)
本発明の光変調素子は再書き込み可能(リライタブル)であり、過去に書き込みが為されている場合には、光照射工程の操作を施す前に、メモリー性光導電層に記憶されている電気特性の情報を消去する消去工程の操作を施すことが望まれ、書き込み装置においては、当該消去の動作を行う消去手段を有することが望まれる。勿論、経時によりメモリー性光導電層に電気特性の情報が残っていない場合には、当該消去工程乃至手段の必要性は無い。
メモリー性光導電層に記憶されている電気特性の情報を消去するには、メモリー性光導電層の種類に応じた処理が必要になる。例えば、本実施形態のようにメモリー性光導電層10として銅TCNQ錯体を含むスイッチング層14を用いている場合には、加熱することにより当該情報を消去することができる。
消去工程としては、このようにメモリー性光導電層の種類に応じた操作を行う必要があり、消去手段としては、同様にメモリー性光導電層の種類に応じた動作を為し得る装置である必要がある。
本実施形態ではメモリー性光導電層10として銅TCNQ錯体を含むスイッチング層14を用いているため、消去工程の操作は加熱することであり、消去手段としては各種加熱装置(温風ヒーター、熱線ヒーター、プレートヒーター等)が採用される。
銅TCNQ錯体を含むスイッチング層14は、70〜80℃程度に加熱することによって急激に前記情報を消去することができる。加熱温度としては、70℃以上程度の範囲から選択することが好ましく、70〜100℃程度の範囲から選択することがより好ましく、70〜80℃程度の範囲から選択することが最も好ましい。加熱時間としては、加熱温度に依存するため一概には言えないが、 〜 の範囲から適当な時間を選択すればよく、加熱時間が最適な70〜80℃の範囲であれば、5秒〜20秒程度の加熱時間で十分である。
ところで、一度書き込みが為された光変調素子には、以上説明したメモリー性光導電層に電気特性の情報が記憶されている他、表示層にも表示画像が記録されている。当該表示画像についても、新たな書き込みに際して消去することが望まれるが、これはすなわち表示層の相状態を揃える操作であり、一般的に書き込みにおける1つの工程(例えば、初期化工程等と称されるもの。)として認識されている。そのため、本発明においても当該消去については書き込みにおける1つの工程として扱っている。
なお、本実施形態においては、光照射工程に先立ち、表示層の表示画像を消去することは行われていないが、これは、メモリー性光導電層10として銅TCNQ錯体を含むスイッチング層14を用いている本実施形態の場合では、光照射工程で印加する書込電圧によって、表示層7の相状態がプレーナ相に全て揃うため、敢えて表示画像を消去するための特別な操作を施すことが必要ないからである。
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を詳細に説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では光変調層が1層のみからなる単色画像形成用の光変調素子を例に挙げて説明したが、光変調層やその他の層を必要に応じて複数層として多色画像が形成できる光変調素子としてもよいし、このとき少なくともブルー、グリーンおよびレッドの三原色を表示し得る光変調層を積層することでフルカラー画像が形成できる光変調素子としてもよい。
いずれの場合であっても、含まれる光導電層の最低1層が上記メモリー性光導電層に相当すれば、本発明の範疇に含まれる。
また、以上の実施形態においては、メモリー性光導電層として銅TCNQ錯体を含むスイッチング層を用いている態様を中心に説明したが、本発明は勿論これに限定されるものではなく、例示列挙した他の態様は勿論、その他の態様であっても、光を吸収して該吸収した光の光量に応じて電気特性が変化し、かつその変化後の状態が記憶される光メモリー機能を有する物であれば本発明に求められる機能を発現し得るので、適用することができる。
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の光変調素子、並びにその書き込み方法および書き込み装置を適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の光変調素子、その書き込み方法、あるいはその書き込み装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
以下、本発明を、実施例を挙げることで、より具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
本発明の光変調素子として、図1に記載の光変調素子1を試作して、本発明の光変調素子の書き込み方法ないし書き込み装置を利用して、画像の書き込みを行った。図1を参照しつつ説明する。
(光変調素子の作製)
片面にITO(表面抵抗300Ω/□)が形成された125μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製,ハイビーム)を50.8mm(2インチ)角に切り出して、透明基板4および電極層6とした。そのITO(電極層6)側の面に、精製したTCNQ錯体と銅粉末とを攪拌・反応・乾燥したものを、ポリカーボネートバインダー中に分散させ、クロロホルム中でボールミル装置にて攪拌・分散したものを所定量、基板上に滴下し、ギャップコーターで膜厚が2μmとなるように塗布・乾燥させて成膜し、乾燥膜厚が8μmのスイッチング層14を形成した。
次にその上に、PVK(ポリ−N−ビニルカルバゾール)−TeNF(2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン)のテトラヒドロフラン溶液を、前記スイッチング層14の上に滴下し、同じくギャップコーターにて乾燥膜厚が7μmとなるように塗布・乾燥させて電荷発生層13を形成し、スイッチング層14および電荷発生層13の2層からなるメモリー性光導電層10を形成した。
そのメモリー性光導電層10上に、ピロロピロール系顔料を分散させたポリビニルアルコール水溶液を、スピンコート法によって乾燥膜厚が1.3μmとなるように形成して、着色層9とした。さらに当該着色層9の上層として、酢酸ブチルで希釈した二液性ウレタンラミネート剤(三井武田ケミカル社製,A315/A50)を、スピンコート法によって乾燥膜厚が1.0μm厚となるように塗布し、ラミネート層8を形成した。
コレステリック液晶として、ネマチック液晶(メルク社製,E7)77.5質量%、右旋性カイラル剤(メルク社製,CB15)18.8質量%および右旋性カイラル剤(メルク社製,R1011)3.7質量%を混合して、緑色を反射する材料を調製した。
4.2μm径のセラミック多孔質膜をセットした膜乳化装置(SPGテクノ社製,マイクロキット)を用いて、窒素圧力11.8kPa(0.12kgf/cm2)の条件下で前記コレステリック液晶を0.25質量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液中に乳化した。得られたエマルジョンは、コレステリック液晶ドロップの粒径平均が14.9μm、粒径標準偏差が1.32μmで、単分散に近い状態だった。
次に、エマルジョンを静置してコレステリック液晶ドロップを沈降させ、上澄みを除去して濃縮されたエマルジョンを得た。この濃縮エマルジョン1質量部に対して、酸性法骨ゼラチン(ニッピ社製,ゼリー強度314)の7.7質量%水溶液を4質量部添加することにより、表示層用塗布液内の不揮発分体積率が約0.15、不揮発分内のコレステリック液晶体積率が約0.70の表示層用塗布液を得た。
透明基板4および電極層6として用いたものと同じITO透明電極付きPETフィルム(東レ社製ハイビーム)を透明基板3および電極層5とし、50℃に加熱してゼラチンをゾル状態にした前記表示層用塗布液を、ITO面側に、塗布後のウェット膜厚が90μmになるようにギャップを調整したマイクロメータ付きアプリケータで塗布した。
50℃/RH90%の高温高湿チャンバー内に15分間保持した後、室温下で12時間乾燥させ、表示層7として、15μm径の単分散コレステリック液晶ドロップが少し偏平した形状で高分子バインダー中に単層稠密に分散された約12μm厚のPDLC層を形成した。
以上のようにして作製した2枚の基板を、表示層7とラミネート層8とが向かい合い、かつ端面の一部が少しずれるように重ね合わせて、100℃のラミネータを通して接着し、光変調素子1を得た。
なお、ずらした端面上の各機能層を除去してITO電極を露出させておき、最終的に得られる光変調素子1の外部から両電極層5,6が導通できるようにした。
得られた光変調素子1の外観は、表示層7が緑色の選択反射を示すものであった。また、得られた光変調素子1の暗時における第2しきい値電圧(F状態→H状態)は190V、同様に第1しきい値電圧(P状態→F状態)は70Vであった。
(光変調素子の書き込み装置へのセット)
得られた光変調素子1の両電極層5,6にリード線を付けた市販のミノ虫クリップ(接触端子19)を接続し、リード線の他端を、電圧印加部17としての高速・高電圧アンプ(松定プレシジョン社製,HEOPT−1B60型)に接続した。該高速・高電圧アンプは、周波数100Hz、±0〜1000Vの矩形波のバイアス電圧、および±0〜1000Vの直流電圧を印加することができるようになっている。
一方、光源として発光ダイオード光源(CCS社製,HLV−27−NR−R型)を用い、これをリニアステージ(オリエンタルモータ社製,EZlimo EZHS型)に取り付けて、光変調素子1のメモリー性光導電層10側の面を走査できるように構成して、光照射部18を作製した。当該光照射部18により、ピーク波長625nm、バンド半値幅20nm、照射強度1.0mW/cm2のRed光を照射することができる。
また、制御回路16として任意波形発生器(NF回路設計ブロック社EZ1960型)を用い、パーソナルコンピュータからの画像データに基づいて電圧印加部17および光照射部18の動作を適宜制御できるように配線した。
以上のようにして、本実施例の光変調素子1がセットされた書き込み装置2を得た。
(書き込み試験)
電圧印加部17により、直流400Vの書込電圧を印加しながら光照射部18により光変調素子1に光を照射して書き込みを行った(光照射工程)。
光照射終了後、所定時間経過した後に、200Vの駆動電圧を200ms間印加して、表示画像の相状態を設定した(電圧印加工程)。なお、光照射終了から駆動電圧印加までの上記所定期間(インタバル)は、(1)5秒、(2)10秒の2水準とした。
また、光照射前と光照射中のメモリー性光導電層の抵抗値を測定しておき、それぞれのインタバル経過後についてメモリー性光導電層の抵抗値を測定し、光照射前から光照射中までの抵抗値の変化量を100%として、それぞれのインタバル経過後の当該変化量(維持率)を計算した。測定は、光変調素子1とは別個にアルミニウム基板表面に同様にしてスイッチング層14および電荷輸送層13を積層した物を用いて行った。結果は下記表1に纏めて示す。
光変調素子1の表示面(表示層7側の面)の書き込み光を照射した部位(明部)および照射しなかった部位(暗部)について、積分球形分光計(コニカミノルタ社製、CM2002型)を用いてその反射率を測定し、明暗コントラスト比を求めた。ここで反射率とは、JIS Z 8772の拡散照明垂直受光方式に従ってSCE(正反射光除去)条件で測定した反射強度を、完全拡散面を100%として規格化したものである。
明暗コントラスト比とは、コレステリック液晶の干渉反射ピーク波長での反射率について、明時反射率を暗時反射率で除したものである。明暗コントラスト比の値が高いほど、コントラストのくっきりとした明瞭な画像が形成できることを意味する。結果を下記表1に纏めて示す。
[実施例2]
実施例1における書き込みの操作によって既に表示画像が書き込まれた光変調素子1を、80℃に加熱されたホットプレート上に10秒間静置し(消去工程)、取り上げて室温になるまで放冷した上で、実施例1と同様に書き込み試験を実施した。結果を下記表1に纏めて示す。
[比較例1]
実施例1において、(光変調素子の作製)の項におけるメモリー性光導電層10の形成までの工程を後述する(変更操作)に記載の操作に変更し、他は全て実施例1と同様にして比較例1の光変調素子を作製した。
その後、実施例1と同様に光変調素子を書き込み装置にセットし、書き込み試験を実施した。結果を下記表1に纏めて示す。
(変更操作)
実施例1における透明基板4および透明電極層6と同様で同一の大きさの片面ITO付着PETフィルムのITO(透明電極層6)側の面に、ポリビニルブチラール樹脂をブタノールに溶解した溶液に、電荷発生材料(チタンフタロシアニン顔料)をペイントシェイカーで分散させた塗料を、スピンコート法によって乾燥膜厚が0.2μmとなるように塗布・乾燥し、電荷発生層を形成した。
次にその上に、ポリカーボネート樹脂と電荷輸送材料(ベンジジンN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン)をモノクロロベンゼンに溶解した塗料を、ディップコート法によって乾燥膜厚が6μmになるように塗布・乾燥し、電荷輸送層を形成した。さらにその上に、ポリビニルブチラール樹脂をブタノールに溶解した溶液に、電荷発生材料(チタニルフタロシアニン顔料)をペイントシェイカーで分散させた塗料を、スピンコート法によって乾燥膜厚が0.2μmとなるように塗布・乾燥し、電荷発生層を形成して、電荷発生層、電荷輸送層および電荷発生層の3層からなるOPC層を形成した。
Figure 2008122733
表1の結果から明らかなように、メモリー性光導電層を用いた実施例1の光変調素子ではインタバルが長くても十分な明暗コントラスト比が得られており、また、得られた画像を再度消去して用いた実施例2の光変調素子でも同様の結果が得られた。これに対して、従来のOPC層を光導電層に用いた比較例では、上記試験で行った5秒は勿論、さらに追加で行ったわずか1秒のインタバルでも明暗コントラスト比が得られず、光照射と駆動電圧印加とのタイミングをずらした場合、画像を表示することができなかった。
本発明の光変調素子および書き込み装置全体を含むシステムの例示的一態様である実施形態の概略構成図である。 本発明の光変調素子の書き込み装置の例を示す斜視図である。 本発明の光変調素子の書き込み装置の他の一例を示す斜視図である。 本発明の書き込み方法を説明するための各工程の状態を表す説明図であり、(a)は本発明の書き込み方法による書き込み前、あるいは、加熱工程の操作が為された後の状態を表し、(b)は光照射工程の操作が為された後の状態を表し、(c)は電圧印加工程の操作が為された後の状態を表すものである。 コレステリック液晶の相変化の一覧を示す模式図である。 コレステリック液晶の分子配向と光学特性の関係を示す模式説明図であり、(A)はプレーナ相、(B)はフォーカルコニック相、(C)ホメオトロピック相の各相におけるものである。 コレステリック液晶のスイッチング挙動を説明するためのグラフである。 従来の光変調素子の駆動方法により走査系の露光装置で画像の書き込みを行っている様子を模式的に表す模式図である。
符号の説明
1:光変調素子、 2:書き込み装置、 3,4:透明基板、 5,6:電極層、 7:表示層、 8:ラミネート層、 9:着色層、 10:メモリー性光導電層(光導電層)、 11:高分子マトリックス、 12:コレステリック液晶、 13:電荷発生層、 14:スイッチング層、 16:制御回路、 17:電圧印加部(電圧印加手段)、 18:光照射部(光照射手段)、 19:接触端子、 51:光源、 52:コリメータレンズ、 53:ポリゴンミラー、 54:ポリゴンモーター、 55:レンズ、 56:折り返し用ミラー、 57:レーザビーム、 58:ビーム調整ミラー、 59:同期信号発生器、 62:発光ダイオードアレイ、 63:自己結像型ロッドレンズアレイ

Claims (14)

  1. 一対の電極層の間に、少なくとも、
    相状態に応じて光を反射または透過する表示層と、
    光を吸収して該吸収した光の光量に応じて電気特性が変化し、かつその変化後の状態が記憶される機能を有する光導電層と、
    が積層されてなることを特徴とする光変調素子。
  2. 前記表示層が、コレステリック液晶を含むことを特徴とする請求項1に記載の光変調素子。
  3. 前記光導電層が、銅TCNQ錯体を含むスイッチング層と、電荷発生層とが積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の光変調素子。
  4. 請求項1に記載の光変調素子に、像様に光を照射する光照射工程と、
    前記光変調素子の一対の電極層に、前記表示層の相状態を設定する駆動電圧を印加する電圧印加工程と、
    が順次為されることを特徴とする光変調素子の書き込み方法。
  5. 前記光変調素子における光導電層が、銅TCNQ錯体を含むスイッチング層と、電荷発生層とが積層されてなるものであり、
    光照射工程において、前記光変調素子の一対の電極層に書き込みのための書込電圧を印加しつつ像様に光を照射することを特徴とする請求項4に記載の光変調素子の書き込み方法。
  6. 光照射工程に先立ち、前記光変調素子における光導電層に既に記憶された情報を予め消去する消去工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の光変調素子の書き込み方法。
  7. 前記光変調素子における光導電層が、銅TCNQ錯体を含むスイッチング層と、電荷発生層とが積層されてなるものであり、
    前記消去工程が、前記光変調素子に対して熱を加える工程であることを特徴とする請求項6に記載の光変調素子の書き込み方法。
  8. 前記書き込み工程において、前記光変調素子の書き込み領域全面を二次元的に走査させることで光を照射することを特徴とする請求項4に記載の光変調素子の書き込み方法。
  9. 電圧印加工程で印加する駆動電圧が、プレーナからフォーカルコニックへの相変化の閾値を、光照射工程における光照射部では超え、非照射部では超えない程度の電圧とすることを特徴とする請求項4に記載の光変調素子の書き込み方法。
  10. 請求項1に記載の光変調素子に、像様に光を照射する光照射手段と、
    該光照射手段による光照射に続いて、前記光変調素子の一対の電極層に、前記表示層の相状態を設定する駆動電圧を印加する電圧印加手段と、
    を備えることを特徴とする光変調素子の書き込み装置。
  11. 前記光変調素子における光導電層が、銅TCNQ錯体を含むスイッチング層と、電荷発生層とが積層されてなるものであり、
    光照射手段による光照射時に、電圧印加手段によって、前記光変調素子の一対の電極層に書き込みのための書込電圧を印加することを特徴とする請求項10に記載の光変調素子の書き込み装置。
  12. 光照射工程に先立って、前記光変調素子における光導電層に既に記憶された情報を予め消去するための消去手段を含むことを特徴とする請求項10に記載の光変調素子の書き込み装置。
  13. 前記光変調素子における光導電層が、銅TCNQ錯体を含むスイッチング層と、電荷発生層とが積層されてなるものであり、
    前記消去手段が、前記光変調素子に対して熱を加える手段であることを特徴とする請求項12に記載の光変調素子の書き込み装置。
  14. 前記光照射手段が、前記光変調素子の書き込み領域全面を二次元的に走査させることで光を照射する手段であることを特徴とする請求項10に記載の光変調素子の書き込み装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010230844A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Fuji Xerox Co Ltd 表示媒体、書込装置、及び表示装置
CN118409457A (zh) * 2024-07-02 2024-07-30 中国工程物理研究院流体物理研究所 一种光寻址液晶光阀及其制备方法

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