JPH11237644A - 液晶デバイス、その駆動方法および駆動装置 - Google Patents

液晶デバイス、その駆動方法および駆動装置

Info

Publication number
JPH11237644A
JPH11237644A JP3781298A JP3781298A JPH11237644A JP H11237644 A JPH11237644 A JP H11237644A JP 3781298 A JP3781298 A JP 3781298A JP 3781298 A JP3781298 A JP 3781298A JP H11237644 A JPH11237644 A JP H11237644A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
layer
crystal device
exposure
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3781298A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Kakinuma
武夫 柿沼
Hiroshi Arisawa
宏 有沢
Hideo Kobayashi
英夫 小林
Haruo Harada
陽雄 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP3781298A priority Critical patent/JPH11237644A/ja
Publication of JPH11237644A publication Critical patent/JPH11237644A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型かつ軽量で、取り扱いやすい、リライタ
ブル表示媒体を実現できるとともに、書き込み装置の小
型化および低コスト化を実現できるようにする。 【解決手段】 保護層10と透明樹脂基板9との間に、
液晶層4と有機光導電体層6を積層する。液晶層4は、
コレステリック液晶と透明樹脂からなる自己保持型液晶
複合体とする。第1のステップでは、液晶層4全体をプ
レーナ相にする。第2のステップでは、透明電極2,7
間に露光時の第1閾値電圧と非露光時の第1閾値電圧と
の間の電圧を印加しながら、液晶デバイスを露光する。
これによって、液晶デバイスの全面にわたって同時に露
光しなくても画像を書き込むことができる。露光手段と
しては、レーザまたは発光ダイオードアレイを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液晶と光導電体
を用いて画像を表示し、記録する液晶デバイス、および
その駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】森林資源保護などの地球環境保全や、ス
ペースセーブといった事務環境改善などの理由から、紙
に替わるハードコピー技術として、リライタブルマーキ
ング技術への期待が大きい。
【0003】しかし、紙のハードコピーは、(1)明る
く、コントラストの高い、反射型フルカラー表示が可能
であり、読みやすく、情報表示密度が高い、(2)軽薄
で、可とう性を有する構造であり、楽な姿勢で見ること
ができ、、照明条件の選択の幅が広い、(3)表示にメ
モリ性を有し、無電源での情報表示、保存が可能である
とともに、フリッカレスな表示で、目の疲労が少ない、
(4)低コストで、その割りに生産性も高いため、複数
枚の同時表示による一覧性が得やすく、情報の比較やブ
ラウジングなどが容易である、という従来の電子ディス
プレイには無い優れた利便性を持っている。このため、
オフィスのペーパーレス化は期待されるほどには促進さ
れず、電子ディスプレイに表示されている情報を改めて
紙にハードコピーとして印字してから閲覧するという行
為を引き起こすことになっている。
【0004】したがって、紙に代わる表示媒体には、省
資源、省廃棄物を実現するための書き換え可能性に加え
て、上記のような紙文書固有の多様な利便性の再現が必
要となる。
【0005】近年では、特に加熱を引き金とした化学変
化を利用したリライタブルマーキング技術の研究が盛ん
であり、ロイコ染料/両性顕減色剤系、ロイコ染料/顕
色剤/有極性有機化合物系、ロイコ染料/長鎖アルキル
顕減色剤系などの方式が提案されている。しかし、これ
らロイコ染料を用いる方式は、そのラクトン環の開閉に
伴う発消色変化を利用する化学変化型であり、現在のと
ころ高い白黒コントラストと画像の維持性を両立するこ
とは困難である。
【0006】これに対して、加熱を引き金とした物理変
化型の方式が、画像の維持性が比較的得やすいもとのし
て提案されている。高分子/長鎖アルキル低分子系、ポ
リマーブレンド系、高分子液晶系などが、これに当た
る。高分子/長鎖アルキル低分子系は、内部の空隙を加
熱温度によって変化させ、光散乱性を制御する方式であ
り、ポリマーブレンド系は、冷却速度によってミクロ相
分離状態を変化させ、光散乱性を制御する方式である。
また、高分子液晶系は、主として冷却速度によって結晶
性を変化させて光散乱性を制御する方式である。
【0007】しかし、これらの光散乱性を制御する方式
は、画像の維持性は得やすいものの、コントラストが低
く、商品の応用範囲が限られてしまう。
【0008】さらに、上記のような加熱を引き金とした
リライタブルマーキング技術は、銀塩写真や電子写真に
みられる画像入力信号の増幅過程を含まないため、多く
の記録エネルギーが必要となり、また単位時間あたりの
画像記録の生産性も期待できないため、さらに応用範囲
が限られるという欠点がある。
【0009】ところで、液晶と光導電体を積層した液晶
デバイスは、画像情報の並列処理や、投射型ディスプレ
イ、ホログラム、光変調器などとして用いられる空間光
変調素子や、光情報を記録する情報記録媒体として用い
ることができる。
【0010】特開平9−120045号には、図11
(A)に示すように、基板31上に電極32を形成し、
電極32上に電荷発生層33、濃度勾配層34および電
荷輸送層35からなる光導電体層36を形成して、半導
電性の光センサ30を構成するとともに、基板41上に
電極42を形成し、電極42上に液晶相と樹脂相からな
る情報記録層43を形成して、情報記録媒体40を構成
し、光センサ30の基板31と反対側、および情報記録
媒体40の基板41と反対側を、スペーサ51により空
隙を形成して対向させた液晶デバイスが示されている。
【0011】基板31および電極32、または基板41
および電極42を透明にし、情報記録層43にメモリ性
のあるスメクチック液晶を用い、図11(B)に示すよ
うに、電源52から電極32,42間に電圧を印加する
とともに、透明基板側から露光して、その露光によって
生じた光センサ30上の電荷分布に応じて、図11
(C)に白濁部43Wおよび透明部43Tとして示すよ
うに、情報記録層43のスメクチック液晶の白濁度を変
調して、情報記録媒体40に画像を記録し、その画像が
記録された情報記録媒体40は光センサ30から剥離で
きる、というものである。
【0012】しかしながら、この従来の方式は、高感度
高分解能ではあるが、スメクチック液晶の後方散乱強度
が弱いため、目視では画像を確認しにくいという欠点が
ある。また、記録が安定で、加熱によってしか消去でき
ないため、繰り返し記録消去を行う場合にはエネルギー
を多く消費する欠点がある。
【0013】論文「Reflective Displ
ay with Photoconductive L
ayer and Bistable, Reflec
tive Cholesteric Mixture:
SID 96 APPLICATION DIGEST
p.59−62」には、図12に示すように、透明基
板61上に、透明電極62、光導電体層63、黒色遮光
層64、コレステリック液晶(カイラルネマチック液
晶)と透明樹脂からなる高分子分散液晶層65、透明電
極66および透明基板67を順次積層した液晶デバイス
が示されている。
【0014】図13は、この液晶デバイスの、外部から
印加される電圧と反射率との関係を示したもので、この
液晶デバイスでは、透明電極62,66間に、第1閾値
電圧(コレステリック液晶のフォーカルコニック相とホ
メオトロピック相の相変化の閾値電圧)V1以上の電圧
を矩形波として与え、その後、電圧を除去した場合に
は、高分子分散液晶層65は、最終状態でプレーナー相
となって高い反射率を示す。
【0015】一方、第2閾値電圧(コレステリック液晶
のプレーナー相とフォーカルコニック相の相変化の閾値
電圧)V2以上、第1閾値電圧V1以下の電圧を矩形波
として与えると、高分子分散液晶層65は、最終状態で
フォーカルコニック相となって低い反射率を示す。第2
閾値電圧V2以下の電圧を与えた場合には、反射率は初
期状態により異なる。
【0016】すなわち、第2閾値電圧V2以下の電圧を
与えた場合、初期状態がプレーナー相であったときに
は、図13の実線で示すように、低電圧領域のプラトー
を経て電圧の増加に従って反射率が減少する。一方、初
期状態がフォーカルコニック相であったときには、同図
の破線で示すように、最終状態もフォーカルコニック相
のままであり、低い反射率を示す。
【0017】さらに、図14に示すように、上記の第1
閾値電圧V1および第2閾値電圧V2は、光導電体層6
3を露光するか否かによって変化する。図14は、初期
状態がフォーカルコニック相であるときの、印加電圧と
印加電圧除去後の最終状態の反射率との関係を示したも
ので、実線は露光時の関係、破線は非露光時の関係であ
る。
【0018】V1eおよびV2eは、露光時の第1閾値
電圧および第2閾値電圧、V1uおよびV2uは、非露
光時の第1閾値電圧および第2閾値電圧である。ここ
で、液晶デバイスに印加する電圧を、V1eとV1uの
間の電圧Vrに固定して、露光手段によって画像状の露
光パターンを光導電体層63に形成し、その後、電圧を
除去すると、図12(B)に示すように、露光部分に相
当するコレステリック液晶がプレーナー相となって高い
反射率を示す一方で、図12(A)に示すように、非露
光部分に相当するコレステリック液晶はフォーカルコニ
ック相となって低い反射率を示す。
【0019】露光パターンの形成のためには透過型の液
晶ディスプレイが用いられる。高分子分散液晶層65に
形成された画像は高い反射率とコントラストを示すた
め、目視によって容易に認識することができる。また、
このようにして形成された画像は、液晶デバイスにV2
u以上、V1e以下の電圧を加え、または液晶デバイス
をネマチック−アイソトロピック転移点以上の温度に加
熱し、または超音波で処理することによって、容易に消
去することができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】図11または図12に
示したような液晶デバイスの光センサ30ないし光導電
体層63に対する露光手段としては、透過型液晶ディス
プレイによる密着露光、ファイバーオプティクスプレー
トを用いた陰極線管による密着露光、透過型マスクによ
る密着露光などが一般に考えられる。特に、高解像度、
大情報量の表示記録を行う場合には、半導体レーザによ
る走査露光や、発光ダイオードアレイなどの1次元集積
発光素子などによる間欠露光が、コストや速度の面で重
要になる。
【0021】ここで言う間欠露光とは、素子の1画素や
1ビットに注目したとき、記録に要する時間のほとんど
が露光のための時間に当てられず、デューティ比の小さ
いパルス状の露光が行われることを指す。
【0022】図12に示した液晶デバイスは、図15
(A)に露光時の反射率の時間変化を示し、図15
(B)に非露光時の反射率の時間変化を示すところから
明らかなように、連続露光によって容易に画像を形成す
ることができる。
【0023】しかしながら、図16の露光強度に示すよ
うに間欠的な露光をしたときには、同図に反射率の時間
変化を示すように、画像を形成することができないとい
う大きな欠点がある。
【0024】コレステリック液晶がプレーナ相を形成す
るためには、デバイスに印加される電圧が、第1閾値電
圧V1以上の電圧から0Vの電圧まで、サブミリ秒のオ
ーダーで急激に降下する必要がある。連続露光を行った
場合には、デバイスに印加する電圧を除去する前後で
も、露光部分は露光されたままであり、非露光部分は露
光されないままであるため、図15に示すように、露光
部分のみ反射率の高いプレーナ相となって画像が形成さ
れる。
【0025】しかし、間欠的な露光を行った場合には、
図16に示すように、いったん露光された領域でも、素
子に印加された電圧が除去される前後においては、非露
光状態となる。したがって、間欠露光を行った場合に
は、露光を行った所も行わなかった所も、デバイスへの
印加電圧除去後にはフォーカルコニック相となってしま
い、画像を形成することができない。
【0026】このように、従来のコレステリック液晶と
光導電体を用いた液晶デバイスは、画像形成のためには
液晶デバイスの全面にわたって同時に露光しなければな
らず、そのため、書き込み装置として膨大な数ないしそ
れに準じる数の発光画素を有する露光装置を必要とし、
かつそれら多数の画素を並行して制御する必要があるの
で、書き込み装置の大型化および高コスト化をきたす欠
点がある。
【0027】さらに、従来の液晶デバイスは、ガラス基
板上に形成されるため、薄型化や軽量化ができず、取り
扱いに難点がある。
【0028】そこで、この発明は、コレステリック液晶
と光導電体を用い、電圧印加と露光によって画像を表示
し、記録する液晶デバイスにおいて、液晶デバイスの全
面にわたって同時に露光しなくても画像を形成すること
ができ、書き込み装置の小型化および低コスト化を実現
することができるとともに、液晶デバイスとしても、薄
型かつ軽量で、取り扱いやすくなり、システム全体とし
て、ハードコピーに代わり得るリライタブル表示媒体お
よび書き込み装置を実現することができるようにしたも
のである。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1の液晶デバイス
は、液晶層と光導電体層を積層した液晶デバイスにおい
て、特に、液晶層をコレステリック液晶と透明樹脂から
なる自己保持型液晶複合体とし、光導電体層を有機光導
電体層としたものである。
【0030】請求項2の液晶デバイスは、請求項1の液
晶デバイスにおいて、特に、その液晶層と光導電体層を
樹脂基板によって保持する。
【0031】請求項3の液晶デバイス駆動方法は、請求
項1の液晶デバイスに画像を記録する方法であって、特
に、第1のステップで、液晶層全体をプレーナ相にし、
第2のステップで、液晶層の露光時の相変化の第1閾値
と非露光時の相変化の第1閾値との間の電圧を液晶デバ
イスに印加しながら、液晶デバイスを露光するものであ
る。
【0032】請求項4の液晶デバイス駆動方法は、請求
項3の液晶デバイス駆動方法において、特に、露光手段
としてレーザを用いるものである。
【0033】請求項5の液晶デバイス駆動方法は、請求
項3の液晶デバイス駆動方法において、特に、露光手段
として発光ダイオードアレイを用いるものである。
【0034】請求項6の液晶デバイス駆動装置は、請求
項1の液晶デバイスに画像を記録する装置であって、特
に、第1のステップで、液晶層全体をプレーナ相にし、
第2のステップで、液晶層の露光時の相変化の第1閾値
と非露光時の相変化の第1閾値との間の電圧を液晶デバ
イスに印加しながら、液晶デバイスを露光するものであ
る。
【0035】請求項7の液晶デバイス初期化方法は、請
求項1の液晶デバイスを初期化する方法であって、液晶
層の露光時の相変化の第2閾値と非露光時の相変化の第
2閾値との間の電圧を液晶デバイスに印加しながら、液
晶デバイスを全面露光するものである。
【0036】
【作用】コレステリック液晶(カイラルネマチック液
晶)が示すプレーナ相は、螺旋軸に平行に入射した光を
右旋光と左旋光に分け、螺旋の捩じれ方向に一致する円
偏光成分をブラッグ反射し、残りの光を透過させる選択
反射現象を起こす。反射光の中心波長λおよび反射波長
幅Δλは、螺旋ピッチをp、螺旋軸に直交する平面内の
平均屈折率をn、複屈折率をΔnとすると、それぞれ、
λ=n・p、Δλ=Δn・pで表され、プレーナ相のコ
レステリック液晶層による反射光は、螺旋ピッチに依存
した鮮やかな色を呈する。
【0037】正の誘電率異方性を有するコレステリック
液晶は、図17(A)に示すように、螺旋軸がセル表面
に垂直になり、入射光に対して上記の選択反射現象を起
こすプレーナー相、同図(B)に示すように、螺旋軸が
ほぼセル表面に平行になり、入射光を少し前方散乱させ
ながら透過させるフォーカルコニック相、および同図
(C)に示すように、螺旋構造がほどけて液晶ダイレク
タが電界方向を向き、入射光をほぼ完全に透過させるホ
メオトロピック相、の3つの状態を示す。
【0038】上記の3つの状態のうち、プレーナー相と
フォーカルコニック相は、無電界で双安定に存在するこ
とができる。したがって、コレステリック液晶の相状態
は、液晶層に印加される電界強度に対して一義的に決ま
らず、プレーナー相が初期状態の場合には、電界強度の
増加に伴って、プレーナー相、フォーカルコニック相、
ホメオトロピック相の順に変化し、フォーカルコニック
相が初期状態の場合には、電界強度の増加に伴って、フ
ォーカルコニック相、ホメオトロピック相の順に変化す
る。
【0039】一方、液晶層に印加した電界強度を急激に
ゼロにした場合には、プレーナー相とフォーカルコニッ
ク相はそのままの状態を維持し、ホメオトロピック相は
プレーナー相に変化する。
【0040】したがって、パルス信号を印加した直後の
コレステリック液晶層は、図18に示すようなスイッチ
ング挙動を示し、印加されたパルス信号の電圧が、Vf
h,90以上のときには、ホメオトロピック相からプレ
ーナー相に変化した選択反射状態となり、Vpf,10
とVfh,10の間のときには、フォーカルコニック相
による透過状態となり、Vpf,90以下のときには、
パルス信号印加前の状態を継続した状態、すなわちプレ
ーナー相による選択反射状態またはフォーカルコニック
相による透過状態となる。
【0041】なお、図中、縦軸は正規化反射率であり、
最大反射率を100、最小反射率を0として、反射率を
正規化している。また、プレーナー相、フォーカルコニ
ック相およびホメオトロピック相の各状態間には、遷移
領域が存在するため、正規化反射率が90以上の場合を
選択反射状態、正規化反射率が10以下の場合を透過状
態と定義し、プレーナー相とフォーカルコニック相の相
変化のしきい電圧を、遷移領域の前後に対して、それぞ
れVpf,90、Vpf,10とし、フォーカルコニッ
ク相とホメオトロピック相の相変化のしきい電圧を、遷
移領域の前後に対して、それぞれVfh,10、Vf
h,90とする。
【0042】特に、コレステリック液晶に高分子を添加
したPNLC(Polymer−Networked
Liquid Crystal)構造またはPCLC
(Polymer−Dispersed Liquid
Crystal)構造の液晶層においては、コレステ
リック液晶と高分子の界面における干渉により(アンカ
リング効果)、プレーナー相とフォーカルコニック相の
無電界における双安定性が向上し、長期間に渡ってパル
ス信号印加直後の状態を保持することができる。
【0043】この発明の液晶デバイスでは、このコレス
テリック液晶の双安定現象を利用して、(A)プレーナ
ー相による選択反射状態と、(B)フォーカルコニック
相による透過状態とを、スイッチングすることによっ
て、無電界でのメモリ性を有するブラック・ホワイトの
モノクロ表示、または無電界でのメモリ性を有するカラ
ー表示を行う。
【0044】さらに、この発明の液晶デバイスは、液晶
層としてコレステリック液晶と透明樹脂からなる自己保
持型液晶複合体を、光導電体層として有機光導電体層
を、積層したものである。典型的には、この自己保持型
液晶複合体からなる液晶層と有機光導電体層とは、一対
の透明な基板間に積層する。
【0045】自己保持型液晶複合体と有機光導電体は、
いずれも原液の塗布やラミネート加工によって積層形成
することができるので、この発明の液晶デバイスは、容
易かつ安価に作製することができる。
【0046】さらに、自己保持型液晶複合体も有機光導
電体も、いずれもハードコピーに要求される解像度を容
易に達成することができ、液晶デバイスの表示分解能を
高くすることができる。
【0047】コレステリック液晶のプレーナー相による
選択反射とフォーカルコニック相による光透過との間の
コントラストを強調するために、自己保持型液晶複合体
からなる液晶層と有機光導電体層との間に黒色の誘電体
からなる光吸収層を設けてもよい。
【0048】また、この発明の液晶デバイスは、液晶層
と有機光導電体層を樹脂基板によって保持することによ
って、より軽量で取り扱いやすい形態とすることができ
る。この場合、液晶層を外から目視によって確認できる
ように、樹脂基板を透明にして、複数の基板で液晶層と
有機光導電体層を保持するようにすれば、より強度が大
きい液晶デバイスを実現することができる。また、一枚
の透明基板の片側に液晶層と有機光導電体層を形成すれ
ば、より軽量で取り扱いやすい液晶デバイスを得ること
ができる。
【0049】この発明では、コレステリック液晶層の図
14に示したような露光時と非露光時の印加電圧と反射
率との関係によるスイッチング挙動を利用して、コレス
テリック液晶と透明樹脂からなる自己保持型液晶複合体
の液晶層と有機光導電体層とを積層した液晶デバイスに
おいて、第1のステップで、液晶層全体をプレーナ相に
し、第2のステップで、露光時の第1閾値と非露光時の
第1閾値との間の電圧を液晶デバイスに印加しながら、
液晶デバイスを露光して、液晶デバイスに画像を記録す
る。
【0050】すなわち、第1のステップでは、図14の
V1u以上の電圧をデバイス全体に印加した後、数ミリ
秒以下の短い時間で電圧を除去することによって、また
は、デバイス全体を露光しながら、V1e以上、V1u
以下の電圧を印加した後、数ミリ秒以下の短い時間で光
を除去することによって、液晶層全体のプレーナ相への
配向が達成される。
【0051】次に、第2のステップでは、露光時の第1
閾値電圧V1eと非露光時の第1閾値電圧V1uとの間
の電圧Vrをデバイスに印加しながら、液晶デバイスを
露光することによって、画像の記録が行われる。
【0052】このとき、露光されない部分のコレステリ
ック液晶は、図14の破線で示すように、プレーナー相
を保つプラトー上にあり、デバイス全体に印加している
電圧を、いつ除去しても、プレーナ相のままである。
【0053】一方、露光された部分のコレステリック液
晶は、図14の実線で示すように、フォーカルコニック
相となり、露光を停止しても、フォーカルコニック状態
が保持される。これは、一度、フォーカルコニック相に
移行したコレステリック液晶は、V1u以上の電圧をデ
バイス全体に印加した後、数ミリ秒以下の短い時間で電
圧を除去することによって、または、デバイス全体を露
光しながら、V1e以上、V1u以下の電圧を印加した
後、数ミリ秒以下の短い時間で光を除去することによっ
て、一度、フレデリクス転移によるホメオトロピック相
を経ないと、プレーナ相への配向を達成できないためで
ある。
【0054】この発明では、露光手段としてレーザ、例
えば半導体レーザを用いることによって、既存の電子写
真用の記録装置をわずかに改造するだけで書き込み装置
に流用することができ、書き込み装置を安価かつ小型の
ものとすることができる。従来の記録方法では間欠的な
露光による記録ができないため、この発明により初め
て、このような既存の装置の利用が可能となったもので
ある。
【0055】また、この発明では、露光手段として発光
ダイオードアレイを用いることによって、既存の電子写
真用の記録装置をわずかに改造するだけで書き込み装置
に流用することができ、書き込み装置を安価かつ小型の
ものとすることができる。
【0056】さらに、発光ダイオードアレイは、同時に
複数の画素の露光を行うことができるため、同じプロセ
ス速度にした場合には、レーザによる走査露光よりも露
光時間を長く取ることができる。実際には、図14に示
した露光によるフォーカルコニック相の形成は、フレデ
リクス転移と比較すると時間がかかるため、露光時間は
許される限り長く取ることが望ましい。発光ダイオード
アレイは、同じプロセス速度にした場合には、レーザに
よる走査露光よりも露光時間を長く取ることができるた
め、フォーカルコニック相の形成が、より十分となる。
【0057】また、この発明の液晶デバイスにおいて
は、露光時の第2閾値電圧V2eと非露光時の第2閾値
電圧V2uとの間の電圧をデバイスに印加しながら、デ
バイスを全面露光することによって、液晶デバイスの記
録の初期化を行うことができ、その場合、初期化のため
の印加電圧が低いので、書き込み装置をより安価かつ安
全なものとすることができる。
【0058】プレーナ相による選択反射は、ピーク波長
域で最大50%の反射率が得られるので、この発明の液
晶デバイスによれば、明るく、コントラストの高い表示
を行うことができる。さらに、自己保持型液晶複合体か
らなる液晶層を、同じ色光を選択反射し、互いにコレス
テリック液晶の螺旋ねじれ方向が逆の2つの液晶層で構
成することによって、より明るい表示を行うことができ
る。
【0059】以上のように、この発明によれば、液晶デ
バイスとして、薄型かつ軽量で、取り扱いやすいものを
実現することができるとともに、液晶デバイスの全面に
わたって同時に露光しなくても画像を形成することがで
きるので、書き込み装置の小型化および低コスト化を実
現することができ、システム全体として、ハードコピー
に代わり得るリライタブル表示媒体および書き込み装置
を実現することができる。
【0060】
【発明の実施の形態】図1に、この発明の液晶デバイス
の第1の実施形態を示す。
【0061】この実施形態の液晶デバイスは、透明基板
1上に透明電極2を形成し、透明電極2上にスペーサ3
を配して液晶層4を形成し、液晶層4上に遮光層5を形
成し、遮光層5上に有機光導電体層6を形成し、有機光
導電体層6上に透明電極7を形成し、透明電極7上に透
明基板8を形成した積層体構造のもので、その液晶層4
は、コレステリック液晶と透明樹脂からなる自己保持型
液晶複合体によって形成する。
【0062】透明基板1および透明電極2としては、可
視光線に対して透明な材料を用いる。透明基板1として
は、典型的にはソーダガラスやコーニング7059など
を用いることができるが、特にこれらに限定されない。
透明電極2としては、典型的には酸化インジウム錫(I
TO)やネサなどを用いることができるが、特にこれら
に限定されない。
【0063】液晶層4を構成するコレステリック液晶と
しては、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニ
ル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン
系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル
系、フェニルシクロヘキサン系、ジオキサン系などの正
の誘電率異方性を有するネマチック液晶、またはこれら
の混合物に、エステル誘導体、シアノビフェニル誘導
体、ビスアニール誘導体などの、光学活性なカイラル剤
を添加した材料を用いることができる。
【0064】コレステリック液晶の螺旋ピッチは、ネマ
チック液晶に対するカイラル剤の添加量で調整する。例
えば、表示色を青、緑、赤とする場合には、それぞれ選
択反射の中心波長が、400nm〜500nm、500
nm〜600nm、600nm〜700nmの範囲にな
るようにする。また、コレステリック液晶の螺旋ピッチ
の温度依存性を補償するために、捩じれ方向が異なる、
または逆の温度依存性を示す複数のカイラル剤を添加す
る公知の手法を用いてもよい。
【0065】液晶層4がコレステリック液晶と透明樹脂
からなる自己保持型液晶複合体を形成する形態として
は、コレステリック液晶の連続相中に網目状の樹脂を含
むPNLC(Polymer Network Liq
uid Crystal)構造や、高分子の骨格中にコ
レステリック液晶がドロップレット状に分散されたPD
LC(Polymer Dispersed Liqu
id Crystal)構造を用いることができ、PN
LC構造やPDLC構造とすることによって、コレステ
リック液晶と高分子の界面にアンカリング効果を生じ、
無電界でのプレーナー相またはフォーカルコニック相の
保持状態を、より安定にすることができる。
【0066】PNLC構造やPDLC構造は、高分子と
液晶を相分離させる公知の方法、例えば、アクリル系、
チオール系、エポキシ系などの、熱や光、電子線などに
よって重合する高分子前駆体と液晶を混合し、均一相の
状態から重合させて相分離させるPIPS(Polym
erization Induced PhaseSe
paration)法、ポリビニルアルコールなどの、
液晶の溶解度が低い高分子と液晶を混合し、攪拌懸濁さ
せて、液晶を高分子中にドロップレット分散させるエマ
ルジョン法、熱可塑性高分子と液晶を混合し、均一相に
加熱した状態から冷却して相分離させるTIPS(Th
ermally Induced Phase Sep
aration)法、高分子と液晶をクロロホルムなど
の溶媒に溶かし、溶媒を蒸発させて高分子と液晶を相分
離させるSIPS(Solvent Induced
Phase Separation)法などによって形
成することができるが、特に限定されるものではない。
【0067】PIPS法やTIPS法などによってPN
LC構造やPDLC構造の液晶層4を形成する場合、液
晶層4の膜厚を一定に保つには、透明基板1上の透明電
極2と透明基板8上の遮光層5との間にスぺーサ3を散
布するのが便利である。スペーサ3は、ガラスやプラス
チックなどからなるボール型またはシリンダー型のもの
を用いることができ、液晶層4の厚みを数μm〜数10
μmに制御する。また、スペーサ3の代わりに、透明電
極2側または遮光層5側に、液晶層4の厚みを制御しう
る突起物などを形成してもよい。
【0068】遮光層5は、カドミウムテルル、顔料やカ
ーボンブラックを分散させた樹脂などによって形成す
る。液晶デバイスのリライタブルメディアとしての取り
扱いやすさからは、カドミウムテルルではなく、顔料や
カーボンブラックを分散させた樹脂など用いることが望
ましい。
【0069】有機光導電体層6は、電子写真で一般的に
用いられている電荷移動錯体型、共晶錯体型、積層型の
いずれの形式のものを用いてもよい。具体的には、ポリ
−N−ビニルカルバゾール/2,4,7−トリニトロフ
ルオレノン系、ピリリウム塩とポリカーボネートとの共
晶体にトリフェニルメタン系化合物を分散させたもの、
アゾ化合物やフタロシアニン化合物などの有機顔料から
なる電荷発生材料と電荷担体の低分子輸送物質をポリエ
ステル、ポリカーボネートなどの汎用樹脂中に溶解分散
させた電荷輸送材料を層状に分離して形成したもの、な
どを用いることができる。機能的には、特定の光の露光
により誘電率や導電率が大きく変化するものであれば、
上記のものに特に限定されない。
【0070】透明電極7および透明基板8は、光学的に
透明なものであれば、特に限定されない。特に、有機光
導電体層6はこれらを通して露光されるため、有機光導
電体層6が感度を持つ波長に対して透明であることが望
ましい。
【0071】図2は、この発明の液晶デバイスの第2の
実施形態を示す。
【0072】この実施形態の液晶デバイスは、図1の実
施形態の液晶デバイスの透明基板8に代えて透明樹脂基
板9を設け、透明基板1に代えて保護層10を設けたも
のである。
【0073】透明樹脂基板9は、ポリエチレン、ポリス
チレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアル
コール、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリエーテルサルホンなどの高分子フ
ィルムを用いることができる。その厚みは、数10μm
〜数100μmで、自己支持性と可とう性を併せ持つこ
とが好ましい。また、必要に応じて、その表面に、液晶
配向層、耐摩耗層、液晶デバイス内へのガスの混入を防
止するバリア層などの公知の機能性膜を形成してもよ
い。
【0074】表示側の保護層10は、フィラーを分散し
た光重合性樹脂によって形成することができるが、特に
これに限定されない。
【0075】表示側に透明基板1に代えて保護層10を
設ける場合には、自己保持型液晶複合体からなる液晶層
4は、より構造が頑強であるPDLC構造とすることが
望ましい。この場合、バーコート法、スピンコート法、
ロールコート法などの、膜厚を規定することができる塗
布方法によりPDLC構造を形成することによって、ス
ペーサ3を省略することができる。
【0076】図3は、その場合の実施形態を示し、液晶
層4は、それぞれ高分子の支持多孔構造中にコレステリ
ック液晶をドロップレット分散させたもので、スペーサ
を挿入することなく積層形成した場合である。
【0077】図4は、図1〜図3のような構造の、この
発明の液晶デバイスの等価回路を示す。Csは、遮光層
5の等価静電容量、Ca,CbおよびRa,Rbは、そ
れぞれ液晶層4および有機光導電体層6の静電容量およ
び抵抗値である。
【0078】液晶デバイスの透明電極2,7間に外部の
書き込み装置から印加される電圧をVとすると、通常、
液晶層4および有機光導電体層6の抵抗値RaおよびR
bは十分に大きいため、液晶層4に印加される電圧Va
は、 Va=(CbCs/C)V …(1) で表される。ここで、 C=CaCb+CaCs+CbCs …(2) である。そして、遮光層5が十分に薄いので、Cs>>
Caとすると、 Va=V/(1+Ca/Cb) …(3) となる。
【0079】式(3)から明らかなように、VaをVに
ほぼ等しくするには、Cb>>Caとする必要がある。
しかし、その場合には、Vaに対するCa/Cbの寄与
が無視できる程度に小さくなるため、露光と非露光によ
ってCbが変化しても、Vaはほとんど変化しないこと
になる。逆に、Ca/Cbを大きくすると、Va<Vと
なるが、露光と非露光によるCbの変化をVaに反映し
やすくなる。
【0080】静電容量は膜厚に反比例するので、ある一
定の材料を選んだ場合、Ca/Cbを大きくするには、
液晶層4に対する有機光導電体層6の厚みを大きくする
ことが有効である。
【0081】図5に、有機光導電体層6の膜厚を変えた
ときの液晶層4のスイッチング挙動の変化を示す。
(A)は有機光導電体層6を6μmの厚みとした場合、
(B)は有機光導電体層6を18μmの厚みとした場合
である。
【0082】この発明で利用する露光時の第2閾値電圧
Vpfeと非露光時の第2閾値電圧Vpfuとの差は、
一般に、従来の技術で用いられている露光時の第1閾値
電圧Vfpeと非露光時の第1閾値電圧Vfpuとの差
ほど、大きくすることはできないが、図5から明らかな
ように、有機光導電体層6の膜厚を大きくすることによ
って、露光時の第2閾値電圧Vpfeと非露光時の第2
閾値電圧Vpfuとの差を大きくして、安定した動作を
確保することができる。
【0083】より具体的には、有機光導電体層6として
電荷移動錯体型または共晶錯体型の有機感光体を用いる
場合には、単純に塗布膜厚を制御することによって、有
機光導電体層6として積層型の有機感光体を用いる場合
には、より単純に電荷輸送層の膜厚を制御することによ
って、十分な閾値電圧差を得ることができる。
【0084】一方、液層層4のスイッチング挙動は、液
晶層4を構成するコレステリック液晶の誘電率異方性、
弾性率、螺旋ピッチ、高分子の骨格構造や側鎖、相分離
プロセス、高分子と液晶の界面のモルフォロジー、これ
らの総合によって決まる高分子と液晶の界面におけるア
ンカリング効果の程度などによって、制御することがで
きる。
【0085】より具体的には、ネマチック液晶の種類や
組成比、カイラル剤の種類、樹脂の種類、高分子樹脂の
出発物質であるモノマー、オリゴマー、開始剤、架橋剤
などの種類や組成比、重合温度、光重合のための露光光
源、露光強度、露光時間、雰囲気温度、電子線重合のた
めの電子線強度、暴露時間、雰囲気温度、塗布時の溶媒
の種類や組成比、溶液濃度、ウェット膜厚、乾燥温度、
温度降下時の開始温度、温度降下速度などであるが、こ
れらに限定されない。
【0086】図6に、外部の書き込み装置によって印加
された電圧に対する、この発明の液晶デバイスの液晶層
4のスイッチング挙動を示す。
【0087】露光時の液晶層4のプレーナー相からフォ
ーカルコニック相への変化の閾値電圧をVpfe、非露
光時の液晶層4のプレーナー相からフォーカルコニック
相への変化の閾値電圧をVpfu、露光時の液晶層4の
フォーカルコニック相からプレーナー相への変化の閾値
電圧をVfpe、非露光時の液晶層4のフォーカルコニ
ック相からプレーナー相への変化の閾値電圧をVfpu
とする。
【0088】外部の書き込み装置によって、図7(A)
に示すように、交流パルスによって構成される電圧を、
期間T1,T2において印加する。まず、第1のステッ
プにおいて、図6のVfpu以上の電圧Vbを印加する
ことによって、液晶層4のコレステリック液晶はプレー
ナ相となる。その後、電圧Vbの印加を停止しても、プ
レーナー相はメモリ性があるので、液晶層4は高い反射
率を保持する。
【0089】次に、第2のステップにおいて、図6のV
pfe以上、Vpfu以下の電圧Vaを印加するが、図
7(B)(C)に示すように、露光が始まるまで、プレ
ーナ相は保持され、選択反射を示す。
【0090】その後、露光を開始すると、液晶層4に分
配される電圧が増加して、液晶層4はプレーナー相から
フォーカルコニック相に変化する。その後、露光が終っ
ても、フォーカルコニック相はメモリ性があるので、液
晶層4は低い反射率を保持する。
【0091】一方、露光を受けない部分については、図
7(D)に示すように、第1のステップにおいて図6の
Vfpu以上の電圧Vbを印加することにより形成され
たプレーナー相が最後まで保持され、選択反射を示し続
ける。
【0092】図8は、外部の書き込み装置によって印加
された電圧に対する、この発明の液晶デバイスの液晶層
4のスイッチング挙動の他の形態を示す。
【0093】外部の書き込み装置によって、図8(A)
に示すように、交流パルスによって構成される電圧を、
期間T1,T2において印加する。まず、第1のステッ
プにおいて、図6のVfpe以上、Vfpu以下の電圧
Vcを印加しながら、有機光導電体層6全体を露光する
ことによって、液晶層4のコレステリック液晶はプレー
ナ相となる。その後、電圧Vcの印加を停止し、露光を
停止しても、プレーナー相はメモリ性があるので、液晶
層4は高い反射率を保持する。
【0094】次に、第2のステップにおいて、図6のV
pfe以上、Vpfu以下の電圧Vaを印加するが、図
8(B)(C)に示すように、露光が始まるまで、プレ
ーナ相は保持され、選択反射を示す。
【0095】その後、露光を開始すると、液晶層4に分
配される電圧が増加して、液晶層4はプレーナー相から
フォーカルコニック相に変化する。その後、露光が終っ
ても、フォーカルコニック相はメモリ性があるので、液
晶層4は低い反射率を保持する。
【0096】一方、露光を受けない部分については、図
8(D)に示すように、第1のステップにおいて図6の
Vfpu以上の電圧Vbを印加することにより形成され
たプレーナー相が最後まで保持され、選択反射を示し続
ける。
【0097】図9は、以上のような方法によって書き込
みを行う、この発明の書き込み装置の一実施形態を示
し、露光装置にレーザを用いた場合である。
【0098】露光光学系は、光源11として半導体レー
ザを用い、コリメータレンズ12、ポリゴンミラー1
3、ポリゴンモータ14、f−θレンズ15、折り返し
用ミラー16などによって構成され、レーザビーム17
は、ビーム調整ミラー18を介して同期信号発生器19
に送られ、走査タイミングの同期に用いられる。図では
省略したが、この露光装置の制御装置は、一般の電子写
真用レーザ露光装置のそれと同様である。
【0099】液晶デバイス20の副走査方向への送り
は、図示するように液晶デバイス20を平面状に固定し
て、パルスモータによって行い、または、液晶デバイス
20の基板をフィルムで構成することにより、液晶デバ
イス20を柔軟性のあるものとして、円筒状のドラムに
固定して、モータによって回転させる、などの方法によ
ることができる。
【0100】この書き込み装置が一般の電子写真式の記
録装置と異なるのは、液晶デバイス20に電圧を供給す
る駆動電源21を備える点である。駆動電源21は、第
1のステップと第2のステップで異なる電圧を供給する
必要があるので、少なくとも2水準の電圧を供給できる
電源である必要がある。
【0101】図10は、この発明の書き込み装置の他の
実施形態を示し、露光装置に発光ダイオードアレイを用
いた場合である。露光用の光源が発光ダイオードアレイ
22と自己結像型ロッドレンズアレイ23によって構成
されるほかは、図9の実施形態と同じである。
【0102】この発明の液晶デバイスを試作して、特性
を測定し、書き込みを行った。以下、実施例として示
す。
【0103】(実施例1)実施例1として、図1の例の
ものを作製した。
【0104】透明基板8および透明電極7を構成する、
1.1mm厚、1インチ角の、片面にITO(酸化イン
ジウム錫)が形成されたコーニング7059ガラスのI
TO側の面に、無金属フタロシアニン(アルドリッチ社
製)65wt%をポリビニルブチラール樹脂(アルドリ
ッチ社製)に分散したものを、ロールコート法によって
6μm厚に形成して、有機光導電体層6とした。
【0105】その有機光導電体層6上に、ブラックポリ
イミドBKR−105(日本化薬社製)を、スピンコー
ト法によって0.7μ厚に形成して、遮光層5とした。
さらに、遮光層5上に、スペーサ3として接着剤付の5
μm径の球状スペーサーハヤビーズL−25(早川ゴム
社製)を湿式散布し、乾燥させた。
【0106】コレステリック液晶と透明樹脂からなる自
己保持型液晶複合体層4の前駆体混合液として、正の誘
電率異方性を有するネマチック液晶BL012(メルク
社製)69.0wt%、右旋性カイラル剤CB15(メ
ルク社製)15.5wt%および右旋性カイラル剤CE
2(メルク社製)15.5wt%を混合した溶液に、チ
オール系UV重合高分子前駆体NOA65(ノーランド
社製)を15wt%添加して、調製した。
【0107】スペーサ3を分散した遮光層5上に、この
前駆体混合液を滴下し、さらに、透明基板1および透明
電極2を構成する、1.1mm厚、1インチ角の、片面
にITO(酸化インジウム錫)が形成されたコーニング
7059ガラスのITO側の面を、前駆体混合液に密着
させ、スペーサ3が遮光層5とITO(透明電極2)に
接触するようにした。
【0108】以上の作業を60℃雰囲気中で行った後、
スペーサ3を接着するため、110℃に加熱して、30
分間保持した。再び60℃の環境に戻して、高圧水銀ラ
ンプをフィルタリングした50mW/cm2(365n
m)のUV光を60秒照射した後、常温に戻し、一対の
ITO(透明電極7,2)にリード線を接続して、液晶
デバイスを得た。
【0109】得られた液晶デバイスの外観は、自己保持
型液晶複合体層4が赤色の選択反射を示すものであっ
た。
【0110】得られた液晶デバイスの一対のリード線
を、任意波形発生装置の出力が供給される高圧電圧増幅
器に接続した。液晶デバイスの有機光導電体層6を露光
しないで、50Hz、300ms期間の矩形波を与えた
後、電圧をオフにしたところ、矩形波の振幅が80Vか
ら140Vの間においては、デバイスは選択反射を示さ
ず黒色に見え、矩形波の振幅が160V以上において
は、作製時よりも更に鮮やかな赤色を示した。
【0111】一方、液晶デバイスの有機光導電体層6を
ハロゲンランプで露光しながら、50Hz、300ms
期間の矩形波を与えた後、電圧をオフにしたところ、矩
形波の振幅が75Vから120Vの間においては、デバ
イスは選択反射を示さず黒色に見え、矩形波の振幅が1
30V以上においては、作製時よりも更に鮮やかな赤色
を示した。
【0112】このデバイスの有機光導電体層6に、結像
光学系を用いて3ラインペア/mmの解像度チャートを
露光しながら、140V,50Hz、300ms期間の
矩形波を与えた後、電圧をオフにしたところ、自己保持
型液晶複合体層4上に、解像度チャートの画像がポジ画
像として現れた。この書き込みを1000回以上繰り返
しても、表示色および表示に必要な電圧に変化は見られ
なかった。また、自己保持型液晶複合体層4上の画像は
十分なメモリ性を有し、30日以上経過してもコントラ
ストや明るさに変化は見られなかった。
【0113】(実施例2)実施例2として、図2の例の
ものを作製した。
【0114】片面にITOが形成された75μm厚のル
ミラー(東レ製)を2インチ角に切り出して、透明樹脂
基板9および透明電極7とし、そのITO側の面に、無
金属フタロシアニン(アルドリッチ社製)65wt%を
ポリビニルブチラール樹脂(アルドリッチ社製)に分散
したものを、ロールコート法によって6μm厚に形成し
て、有機光導電体層6とした。
【0115】その有機光導電体層6上に、ブラックポリ
イミドBKR−105(日本化薬社製)を、スピンコー
ト法によって0.7μm厚に形成して、遮光層5とし
た。さらに、遮光層5上に、スペーサ3として接着剤付
の5μm径の球状スペーサーハヤビーズL−25(早川
ゴム社製)を湿式散布し、乾燥させた。
【0116】コレステリック液晶と透明樹脂からなる自
己保持型液晶複合体層4の前駆体混合液として、正の誘
電率異方性を有するネマチック液晶E48(メルク社
製)57.6wt%、右旋性カイラル剤CB15(メル
ク社製)21.2wt%および右旋性カイラル剤CE2
(メルク社製)21.2wt%を混合した溶液に、チオ
ール系UV重合高分子前駆体NOA65(ノーランド社
製)を15wt%添加して、調製した。
【0117】スペーサ3を分散した遮光層5上に、この
前駆体混合液を滴下し、さらに、片面にITOが形成さ
れた75μm厚のルミラー(東レ製)を2インチ角に切
り出して、保護層10および透明電極2とし、そのIT
O側の面を、前駆体混合液に密着させ、スペーサ3が遮
光層5とITO(透明電極2)に接触するようにした。
【0118】以上の作業を60℃雰囲気中で行った後、
スペーサ3を接着するため、110℃に加熱して、30
分間保持した。再び60℃の環境に戻して、高圧水銀ラ
ンプをフィルタリングした50mW/cm2(365n
m)のUV光を60秒照射した後、常温に戻し、一対の
ITO(透明電極7,2)にリード線を接続して、液晶
デバイスを得た。
【0119】得られた液晶デバイスの外観は、自己保持
型液晶複合体層4が緑色の選択反射を示すものであっ
た。
【0120】得られた液晶デバイスの一対のリード線
を、任意波形発生装置の出力が供給される高圧電圧増幅
器に接続した。液晶デバイスの有機光導電体層6を露光
しないで、50Hz、300ms期間の矩形波を与えた
後、電圧をオフにしたところ、矩形波の振幅が90Vか
ら150Vの間においては、デバイスは選択反射を示さ
ず黒色に見え、矩形波の振幅が180V以上において
は、作製時よりも更に鮮やかな緑色を示した。
【0121】一方、液晶デバイスの有機光導電体層6を
ハロゲンランプで露光しながら、50Hz、300ms
期間の矩形波を与えた後、電圧をオフにしたところ、矩
形波の振幅が80Vから130Vの間においては、デバ
イスは選択反射を示さず黒色に見え、矩形波の振幅が1
40V以上においては、作製時よりも更に鮮やかな緑色
を示した。
【0122】このデバイスの有機光導電体層6に、結像
光学系を用いて3ラインペア/mmの解像度チャートを
露光しながら、150V,50Hz、300ms期間の
矩形波を与えた後、電圧をオフにしたところ、自己保持
型液晶複合体層4上に、解像度チャートの画像がポジ画
像として現れた。この書き込みを1000回以上繰り返
しても、表示色および表示に必要な電圧に変化は見られ
なかった。また、自己保持型液晶複合体層4上の画像は
十分なメモリ性を有し、30日以上経過してもコントラ
ストや明るさに変化は見られなかった。
【0123】さらに、この場合の液晶デバイスは、20
0μm以下の厚みで、可とう性を有していた。
【0124】(実施例3)実施例3として、図3の例の
ものを作製した。
【0125】片面にITOが形成された75μm厚のP
ETフィルムルミラー(東レ製)を2インチ角に切り出
して、透明樹脂基板9および透明電極7とし、そのIT
O側の面に、フタロシアニン化合物顔料からなる電荷発
生材料層を、ディップコート法によって0.2μm厚に
形成し、その上に、ポリカーボネートに電荷輸送材料を
溶解したものを、スピンコート法によって6μm厚に形
成し、さらにその上に、フタロシアニン化合物顔料から
なる電荷発生材料層を、ディップコート法によって0.
2μm厚に形成して、電荷発生層、電荷輸送層、電荷発
生層の3層からなる有機光導電体層6を形成した。
【0126】その有機光導電体層6上に、ブラックポリ
イミドBKR−105(日本化薬社製)を、スピンコー
ト法によって0.7μm厚に形成して、遮光層5とし
た。
【0127】コレステリック液晶として、正の誘電率異
方性を有するネマチック液晶BL012(メルク社製)
54.6wt%、右旋性カイラル剤CB15(メルク社
製)22.7wt%および右旋性カイラル剤CE2(メ
ルク社製)22.7wt%を混合して、調製した。
【0128】このコレステリック液晶と、エタノールで
イオン除去を行った重合度500のPVA(和光純薬工
業社製)の10wt%水溶液を、1:2.5の重量比で
混合し、内歯式高速ホモゲナイザー(オムニ社製)を用
いて10,000rpmで3分間攪拌し、真空装置内に
放置して脱気し、エマルジョンを作製した。
【0129】そのエマルジョンを水で2倍に希釈して、
遮光層5上に、ドクターブレード005(ガードナー社
製)を用いて均一に塗布し、室温下で3時間乾燥させ、
さらに90℃で一晩乾燥させて、液晶層4として約10
μm厚のPDLC層を形成した。
【0130】そのPDLC層4上に、ITOをターゲッ
トとしてスパッタ法によってITO層(透明電極2)を
形成し、さらにその上に、光硬化性樹脂中にシリコンフ
ィラーを分散させたものを塗布し、硬化させて、保護層
10を形成し、液晶デバイスを得た。
【0131】得られた液晶デバイスの外観は、PDLC
層4が青色の選択反射を示すものであった。
【0132】得られた液晶デバイスの一対のリード線
を、任意波形発生装置の出力が供給される高圧電圧増幅
器に接続した。液晶デバイスの有機光導電体層6を露光
しないで、50Hz、300ms期間の矩形波を与えた
後、電圧をオフにしたところ、矩形波の振幅が95Vか
ら160Vの間においては、デバイスは選択反射を示さ
ず黒色に見え、矩形波の振幅が190V以上において
は、作製時よりも更に鮮やかな青色を示した。
【0133】一方、液晶デバイスの有機光導電体層6を
ハロゲンランプで露光しながら、50Hz、300ms
期間の矩形波を与えた後、電圧をオフにしたところ、矩
形波の振幅が85Vから140Vの間においては、デバ
イスは選択反射を示さず黒色に見え、矩形波の振幅が1
50V以上においては、作製時よりも更に鮮やかな青色
を示した。
【0134】このデバイスの有機光導電体層6に、結像
光学系を用いて3ラインペア/mmの解像度チャートを
密着させ、ハロゲンランプで露光しながら、170V,
50Hz、300ms期間の矩形波を与えた後、電圧を
オフにしたところ、PDLC層4上に解像度チャートの
画像がポジ画像として現れた。この書き込みを1000
回以上繰り返しても、表示色および表示に必要な電圧に
変化は見られなかった。また、PDLC層4上の画像は
十分なメモリ性を有し、30日以上経過してもコントラ
ストや明るさに変化は見られなかった。
【0135】さらに、この場合の液晶デバイスは、10
0μm以下の厚みで、実施例2のものより高い可とう性
を有していた。
【0136】(実施例4)実施例3で得られた液晶デバ
イスを暗幕で包み、200V,50Hzの矩形波を与え
た後、電圧をオフにして暗幕から取り出したところ、デ
バイスは鮮やかな青色を示した。
【0137】この液晶デバイスに3ラインペア/mmの
平行線からなる解像度チャートを密着させ、暗所で90
V,50Hzの矩形波を与えた後、ハロゲンランプで露
光し、その後、電圧をオフにして暗所から取り出したと
ころ、PDLC層4上に解像度チャートの画像がネガ画
像として現れた。
【0138】解像度チャートを前と直交する向きに密着
させ、暗所で90V,50Hzの矩形波を与えた後、ハ
ロゲンランプで露光し、その後、電圧をオフにして暗所
から取り出したところ、PDLC層4上に解像度チャー
トの画像が再びネガ画像として現れた。このとき、一度
目の解像度チャートのネガ画像は保持されており、画像
は格子状の模様を示すものとなった。
【0139】(比較例)実施例3の液晶デバイスを用い
て、間欠露光による書き込みを行った。まず、液晶デバ
イスに3ラインペア/mmの平行線からなる解像度チャ
ートを密着させ、暗所で170V,50Hzの矩形波を
与えた後、ハロゲンランプで露光し、その後、電圧をオ
フにして暗所から取り出したところ、PDLC層4上に
解像度チャートの画像がポジ画像として現れた。
【0140】解像度チャートを前と直交する向きに密着
させ、暗所で170V,50Hzの矩形波を与えた後、
ハロゲンランプで露光し、その後、電圧をオフにして暗
所から取り出したところ、PDLC層4上に解像度チャ
ートの画像が再びポジ画像として現れた。このとき、一
度目の解像度チャートのポジ画像は消去されており、2
度目の露光のときの解像度チャートと同じ向きの平行線
だけが画像として残った。
【0141】(実施例5)実施例5では、実施例3の液
晶デバイスを用いて、半導体レーザによる書き込みを行
った。まず、液晶デバイスを暗幕で包み、200V,5
0Hz、300ms期間の矩形波を与えた後、電圧をオ
フにして暗幕から取り出したところ、デバイスは鮮やか
な青色を示した。
【0142】半導体レーザの波長を660nmとした電
子写真用の露光装置を用い、リード線を通して液晶デバ
イスに90V,50Hzの電圧を連続的に与えながら、
300DPIプロセス速度100mm/秒として露光を
行ったところ、青色の地に露光部分が黒色した鮮やかな
画像が得られた。
【0143】(実施例6)実施例6では、実施例3の液
晶デバイスを用いて、発光ダイオードアレイによる書き
込みを行った。まず、液晶デバイスを暗幕で包み、20
0,V50Hz、300ms期間の矩形波を与えた後、
電圧をオフにして暗幕から取り出したところ、デバイス
は鮮やかな青色を示した。
【0144】スタンレー製の発光ダイオードアレイを用
いた電子写真用の露光装置を用い、リード線を通して液
晶デバイスに90V,50Hzの電圧を連続的に与えな
がら、300DPIプロセス速度300mm/秒として
露光を行ったところ、青色の地に露光部分が黒色した鮮
やかな画像が得られた。
【0145】(実施例7)実施例7では、まず、実施例
3の液晶デバイスに、室内照明下で165V,50H
z、300ms期間の矩形波を与えた後、電圧をオフに
したところ、デバイスは鮮やかな青色を示した。
【0146】この液晶デバイスに3ラインペア/mmの
平行線からなる解像度チャートを密着させ、暗所で90
V,50Hzの矩形波を与えた後、ハロゲンランプで露
光し、その後、電圧をオフにして暗所から取り出したと
ころ、PDLC層4上に解像度チャートの画像がネガ画
像として現れた。
【0147】
【発明の効果】上述したように、この発明によれば、液
晶デバイスの全面にわたって同時に露光しなくても画像
を形成することができ、書き込み装置の小型化および低
コスト化を実現することができるとともに、液晶デバイ
スとしても、薄型かつ軽量で、取り扱いやすくなり、シ
ステム全体として、ハードコピーに代わり得るリライタ
ブル表示媒体および書き込み装置を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の液晶デバイスの第1の例を示す図で
ある。
【図2】この発明の液晶デバイスの第2の例を示す図で
ある。
【図3】この発明の液晶デバイスの第3の例を示す図で
ある。
【図4】図1〜図3の例の液晶デバイスの等価回路を示
す図である。
【図5】この発明の液晶デバイスのスイッチング挙動に
対する有機光導電体層の膜厚の影響を示す図である。
【図6】この発明の液晶デバイスのスイッチング挙動を
示す図である。
【図7】この発明の駆動方法の一例による露光部分と非
露光部分の反射率の時間変化を示す図である。
【図8】この発明の駆動方法の他の例による露光部分と
非露光部分の反射率の時間変化を示す図である。
【図9】この発明の駆動装置の一例を示す図である。
【図10】この発明の駆動装置の他の例を示す図であ
る。
【図11】従来の液晶デバイスの一例を示す図である。
【図12】従来の液晶デバイスの他の例を示す図であ
る。
【図13】図12の液晶デバイスのスイッチング挙動を
示す図である。
【図14】図12の液晶デバイスのスイッチング挙動を
示す図である。
【図15】図12の液晶デバイスの駆動方法の説明に供
する図である。
【図16】図12の液晶デバイスの駆動方法の説明に供
する図である。
【図17】コレステリック液晶の分子配向と光学特性の
関係を示す図である。
【図18】コレステリック液晶のスイッチング挙動を示
す図である。
【符号の説明】
1,8 透明基板 2,7 透明電極 3 スペーサ 4 液晶層(自己保持型液晶複合体) 5 遮光層 6 有機光導電体層 9 透明樹脂基板 10 保護層 11 半導体レーザ 20 液晶デバイス 21 駆動電源 22 発光ダイオードアレイ
フロントページの続き (72)発明者 原田 陽雄 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい富士ゼロックス株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶層と光導電体層を積層した液晶デバイ
    スにおいて、 前記液晶層をコレステリック液晶と透明樹脂からなる自
    己保持型液晶複合体とし、前記光導電体層を有機光導電
    体層としたことを特徴とする液晶デバイス。
  2. 【請求項2】請求項1の液晶デバイスにおいて、 前記液晶層と前記光導電体層を樹脂基板によって保持し
    たことを特徴とする液晶デバイス。
  3. 【請求項3】請求項1の液晶デバイスに画像を記録する
    方法であって、 第1のステップで、前記液晶層全体をプレーナ相にし、
    第2のステップで、前記液晶層の露光時の相変化の第1
    閾値と非露光時の相変化の第1閾値との間の電圧を液晶
    デバイスに印加しながら、液晶デバイスを露光すること
    を特徴とする液晶デバイス駆動方法。
  4. 【請求項4】請求項3の液晶デバイス駆動方法におい
    て、 露光手段としてレーザを用いることを特徴とする液晶デ
    バイス駆動方法。
  5. 【請求項5】請求項3の液晶デバイス駆動方法におい
    て、 露光手段として発光ダイオードアレイを用いることを特
    徴とする液晶デバイス駆動方法。
  6. 【請求項6】請求項1の液晶デバイスに画像を記録する
    装置であって、 第1のステップで、前記液晶層全体をプレーナ相にし、
    第2のステップで、前記液晶層の露光時の相変化の第1
    閾値と非露光時の相変化の第1閾値との間の電圧を液晶
    デバイスに印加しながら、液晶デバイスを露光すること
    を特徴とする液晶デバイス駆動装置。
  7. 【請求項7】請求項1の液晶デバイスを初期化する方法
    であって、 前記液晶層の露光時の相変化の第2閾値と非露光時の相
    変化の第2閾値との間の電圧を液晶デバイスに印加しな
    がら、液晶デバイスを全面露光することを特徴とする液
    晶デバイス初期化方法。
JP3781298A 1998-02-19 1998-02-19 液晶デバイス、その駆動方法および駆動装置 Pending JPH11237644A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3781298A JPH11237644A (ja) 1998-02-19 1998-02-19 液晶デバイス、その駆動方法および駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3781298A JPH11237644A (ja) 1998-02-19 1998-02-19 液晶デバイス、その駆動方法および駆動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11237644A true JPH11237644A (ja) 1999-08-31

Family

ID=12507938

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3781298A Pending JPH11237644A (ja) 1998-02-19 1998-02-19 液晶デバイス、その駆動方法および駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11237644A (ja)

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003056382A1 (fr) * 2001-12-27 2003-07-10 Fujitsu Limited Dispositif d'affichage et son procede de commande
WO2004029708A1 (ja) * 2002-09-26 2004-04-08 Fujitsu Limited 表示装置の駆動方法及び装置
JP2007017461A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Fuji Xerox Co Ltd 液晶デバイスの駆動方法、および液晶デバイス駆動装置
JP2007299016A (ja) * 2007-08-03 2007-11-15 Fujitsu Ltd 記録装置
US7465208B2 (en) 2002-09-20 2008-12-16 Fuji Xerox Co., Ltd. Method for manufacturing display element
JP2008310836A (ja) * 2006-08-17 2008-12-25 Seiko Epson Corp 情報処理装置および制御方法
JP2009103922A (ja) * 2007-10-23 2009-05-14 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2009122537A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Fuji Xerox Co Ltd 液晶表示媒体の駆動方法および駆動装置、並びに液晶表示媒体
JP2009151223A (ja) * 2007-12-21 2009-07-09 Fuji Xerox Co Ltd 光書き込み型画像形成装置、光書き込み型画像形成装置用制御装置、光書き込み型表示媒体初期化制御装置
JP2009217199A (ja) * 2008-03-13 2009-09-24 Fuji Xerox Co Ltd 液晶デバイスの駆動方法、および液晶デバイスの駆動装置
CN101846856A (zh) * 2009-03-26 2010-09-29 富士施乐株式会社 写入装置
CN102043291A (zh) * 2009-10-20 2011-05-04 Nec液晶技术株式会社 显示介质的擦除装置和方法以及擦除信号设置方法
US8012579B2 (en) 2006-11-29 2011-09-06 Fuji Xerox Co., Ltd. Laminated body containing particle dispersion layer, method for producing the same, and light modulation device
US8018413B2 (en) 2007-01-29 2011-09-13 Fuji Xerox Co., Ltd. Driving apparatus for photo-addressing type display element, driving method and photo-addressing type display apparatus
US8035587B2 (en) 2006-05-01 2011-10-11 Fuji Xerox Co., Ltd. Method apparatus for driving liquid crystal device and apparatus for driving liquid crystal device
US8054533B2 (en) 2001-06-25 2011-11-08 Fuji Xerox Co., Ltd. Image record medium and image record apparatus
US8199137B2 (en) 2007-03-29 2012-06-12 Fuji Xerox Co., Ltd. Optical recording apparatus, optical recording method, and image display apparatus
US8325283B2 (en) 2009-04-14 2012-12-04 Fuji Xerox Co., Ltd. Recording device, recording apparatus, and recording method comprising liquid crystals and a photosensitive layer in which an impedance changes depending on an irradiated light
US8400432B2 (en) 2009-06-10 2013-03-19 Fuji Xerox Co., Ltd. Writing device and image display apparatus
US8502759B2 (en) 2007-02-14 2013-08-06 Fuji Xerox Co., Ltd. Light modulation element, driving method and drive apparatus
US8988361B2 (en) 2009-03-26 2015-03-24 Fuji Xerox Co., Ltd. Writing apparatus

Cited By (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8054533B2 (en) 2001-06-25 2011-11-08 Fuji Xerox Co., Ltd. Image record medium and image record apparatus
WO2003056382A1 (fr) * 2001-12-27 2003-07-10 Fujitsu Limited Dispositif d'affichage et son procede de commande
US7167168B2 (en) 2001-12-27 2007-01-23 Fujitsu Limited Display device and method for driving display device
US7465208B2 (en) 2002-09-20 2008-12-16 Fuji Xerox Co., Ltd. Method for manufacturing display element
WO2004029708A1 (ja) * 2002-09-26 2004-04-08 Fujitsu Limited 表示装置の駆動方法及び装置
CN100367099C (zh) * 2002-09-26 2008-02-06 富士通株式会社 显示装置的驱动方法及装置
KR100752908B1 (ko) 2002-09-26 2007-08-28 후지쯔 가부시끼가이샤 표시 장치의 구동 방법 및 장치
JP2007017461A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Fuji Xerox Co Ltd 液晶デバイスの駆動方法、および液晶デバイス駆動装置
US7619600B2 (en) 2005-07-05 2009-11-17 Fuji Xerox Co., Ltd. Driving method of liquid crystal device and driving device of liquid crystal device
US8035587B2 (en) 2006-05-01 2011-10-11 Fuji Xerox Co., Ltd. Method apparatus for driving liquid crystal device and apparatus for driving liquid crystal device
JP2008310836A (ja) * 2006-08-17 2008-12-25 Seiko Epson Corp 情報処理装置および制御方法
US8012579B2 (en) 2006-11-29 2011-09-06 Fuji Xerox Co., Ltd. Laminated body containing particle dispersion layer, method for producing the same, and light modulation device
US8547313B2 (en) 2007-01-29 2013-10-01 Fuji Xerox Co., Ltd. Driving apparatus for photo-addressing type display element, driving method and photo-addressing type display apparatus
US8018413B2 (en) 2007-01-29 2011-09-13 Fuji Xerox Co., Ltd. Driving apparatus for photo-addressing type display element, driving method and photo-addressing type display apparatus
US8502759B2 (en) 2007-02-14 2013-08-06 Fuji Xerox Co., Ltd. Light modulation element, driving method and drive apparatus
US8199137B2 (en) 2007-03-29 2012-06-12 Fuji Xerox Co., Ltd. Optical recording apparatus, optical recording method, and image display apparatus
JP2007299016A (ja) * 2007-08-03 2007-11-15 Fujitsu Ltd 記録装置
JP2009103922A (ja) * 2007-10-23 2009-05-14 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2009122537A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Fuji Xerox Co Ltd 液晶表示媒体の駆動方法および駆動装置、並びに液晶表示媒体
JP2009151223A (ja) * 2007-12-21 2009-07-09 Fuji Xerox Co Ltd 光書き込み型画像形成装置、光書き込み型画像形成装置用制御装置、光書き込み型表示媒体初期化制御装置
US7817213B2 (en) 2008-03-13 2010-10-19 Fuji Xerox Co., Ltd. Method for driving liquid crystal device and driving apparatus for the liquid crystal device
JP2009217199A (ja) * 2008-03-13 2009-09-24 Fuji Xerox Co Ltd 液晶デバイスの駆動方法、および液晶デバイスの駆動装置
US8199133B2 (en) 2009-03-26 2012-06-12 Fuji Xerox Co., Ltd. Writing device
CN101846856A (zh) * 2009-03-26 2010-09-29 富士施乐株式会社 写入装置
US8988361B2 (en) 2009-03-26 2015-03-24 Fuji Xerox Co., Ltd. Writing apparatus
US8325283B2 (en) 2009-04-14 2012-12-04 Fuji Xerox Co., Ltd. Recording device, recording apparatus, and recording method comprising liquid crystals and a photosensitive layer in which an impedance changes depending on an irradiated light
US8400432B2 (en) 2009-06-10 2013-03-19 Fuji Xerox Co., Ltd. Writing device and image display apparatus
JP2011090066A (ja) * 2009-10-20 2011-05-06 Nec Lcd Technologies Ltd 表示媒体の消去装置及び方法並びに消去信号設定方法
US8339528B2 (en) 2009-10-20 2012-12-25 Nlt Technologies, Ltd. Erasing device and method of display medium, and erasing signal setting method
CN102043291A (zh) * 2009-10-20 2011-05-04 Nec液晶技术株式会社 显示介质的擦除装置和方法以及擦除信号设置方法
CN105182579A (zh) * 2009-10-20 2015-12-23 Nlt科技股份有限公司 显示介质的擦除装置和方法以及擦除信号设置方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11237644A (ja) 液晶デバイス、その駆動方法および駆動装置
US7619600B2 (en) Driving method of liquid crystal device and driving device of liquid crystal device
JP4207559B2 (ja) 光変調媒体および光変調方法
US8035587B2 (en) Method apparatus for driving liquid crystal device and apparatus for driving liquid crystal device
JP5205766B2 (ja) 光変調素子、並びにその駆動方法および駆動装置
JP3690472B2 (ja) 表示記憶媒体、画像書き込み方法および画像書き込み装置
US8054260B2 (en) Driving method of stacked light modulating device, and driving device of stacked light modulating device
JP4666046B2 (ja) 光書き込み装置、及びプログラム
US8199137B2 (en) Optical recording apparatus, optical recording method, and image display apparatus
US7817213B2 (en) Method for driving liquid crystal device and driving apparatus for the liquid crystal device
JP5151022B2 (ja) 光変調素子およびその駆動方法
US8054533B2 (en) Image record medium and image record apparatus
JP5044998B2 (ja) 反射型液晶表示素子の駆動方法、および反射型液晶表示素子の駆動装置
JP2001154219A (ja) 表示記憶媒体、画像書き込み方法および画像書き込み装置
JP2007101781A (ja) 光アドレス型空間光変調素子の駆動方法、および光アドレス型空間光変調素子駆動装置
US20090002274A1 (en) Optically writable display medium, optical writing device, and image display apparatus
JP2009237211A (ja) 液晶デバイスの駆動方法および駆動装置
JP5141238B2 (ja) 光書き込み型画像形成装置、光書き込み型画像形成装置用制御装置、光書き込み型表示媒体初期化制御装置
JP3906652B2 (ja) 電子記録媒体重ね書込装置
JP4882496B2 (ja) 光アドレス型表示媒体の書き込み方法およびそれに用いる外光遮断部材、並びに光アドレス型表示媒体の書き込み装置
JP2008122733A (ja) 光変調素子、並びにその書き込み方法および書き込み装置
JP2003186052A (ja) 画像書込装置
JP2007322756A (ja) 光変調素子およびその駆動方法
JP2009222808A (ja) 反射型液晶表示素子および該反射型液晶表示素子への画像書き込み方法、並びにその表示画像の消去方法
JP2010091915A (ja) 画像再生装置、光書き込み装置、及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040315

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040512

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20041006

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02