JP2009122537A - 液晶表示媒体の駆動方法および駆動装置、並びに液晶表示媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】層構成が簡略化された光書き込み型の液晶表示媒体に画像を書き込むための駆動方法および駆動装置、並びに液晶表示媒体を提供する。
【解決手段】一対の電極層5,6の間に挟持された表示層7に含まれるコレステリック液晶12の状態をプレーナおよびフォーカルコニックの間で選択的に制御して光の反射または透過が選択された像を形成する液晶表示媒体1に対して、前記光異性化カイラル剤が異性化する光を像様に照射する書き込み工程と、書き込み工程において光が照射された部位のコレステリック液晶12はフォーカルコニックからホメオトロピックへの状態変化のしきい値を超え、光が照射されなかった部位は超えない電圧を電極層5,6に印加する電圧印加工程と、書き込み工程において異性化した前記光異性化カイラル剤を逆異性化させるための操作を行う定着化工程と、が順次為される液晶表示媒体の駆動方法および駆動装置、並びに液晶表示媒体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示媒体の駆動方法および駆動装置、並びに液晶表示媒体に関する。
利便性の高い各種リライタブルマーキング技術の研究が為されているが、その1つの方向性として、コレステリック液晶を用いた表示媒体は、無電源で表示を保持できるメモリー性を有すること、偏光板を使用しないため明るい表示が得られること、カラーフィルターを用いずにカラー表示が可能なことなどの特長を有することから近年注目を集めている。
コレステリック液晶(カイラルネマチック液晶)が示すプレーナは、螺旋軸に平行に入射した光を右旋光と左旋光に分け、螺旋の捩れ方向に一致する円偏光成分をブラッグ反射し、残りの光を透過させる選択反射現象を起こす。反射光の中心波長λおよび反射波長幅Δλは、螺旋ピッチをp、螺旋軸に直交する平面内の平均屈折率をn、複屈折率をΔnとすると、それぞれ、λ=n・p、Δλ=Δn・pで表され、プレーナのコレステリック液晶層による反射光は、螺旋ピッチに依存した鮮やかな色を呈する。
正の誘電率異方性を有するコレステリック液晶は、図10(A)に示すように、螺旋軸がセル表面に垂直になり、入射光に対して上記の選択反射現象を起こすプレーナ、図10(B)に示すように、螺旋軸がほぼセル表面に平行になり、入射光を少し前方散乱させながら透過させるフォーカルコニック、および図10(C)に示すように、螺旋構造がほどけて液晶ダイレクタが電界方向を向き、入射光をほぼ完全に透過させるホメオトロピック、の3つの状態を示す。
上記の3つの状態のうち、プレーナとフォーカルコニックは、無電界で双安定に存在することができる。したがって、コレステリック液晶の状態は、液晶層に印加される電界強度に対して一義的に決まらず、プレーナが初期状態の場合には、電界強度の増加に伴って、プレーナ、フォーカルコニック、ホメオトロピックの順に変化し、フォーカルコニックが初期状態の場合には、電界強度の増加に伴って、フォーカルコニック、ホメオトロピックの順に変化する。
一方、液晶層に印加した電界強度を急激にゼロにした場合には、プレーナとフォーカルコニックはそのままの状態を維持し、ホメオトロピックはプレーナに変化する。
したがって、パルス信号を印加した直後のコレステリック液晶層は、図11に示すようなスイッチング挙動を示し、印加されたパルス信号の電圧が、Vfh以上のときには、ホメオトロピックからプレーナに変化した選択反射状態となり、VpfとVfhの間のときには、フォーカルコニックによる透過状態となり、Vpf以下のときには、パルス信号印加前の状態を継続した状態、すなわちプレーナによる選択反射状態またはフォーカルコニックによる透過状態となる。
図11中、縦軸は正規化光反射率であり、最大光反射率を100、最小光反射率を0として、光反射率を正規化している。また、プレーナ、フォーカルコニックおよびホメオトロピックの各状態間には、遷移領域が存在するため、正規化光反射率が50以上の場合を選択反射状態、正規化光反射率が50未満の場合を透過状態と定義し、プレーナとフォーカルコニックの状態変化のしきい値電圧をVpfとし、フォーカルコニックとホメオトロピックの状態変化のしきい値電圧をVfhとする。
コレステリック液晶による表示媒体は、一対の表示基板間に液晶を連続相として封入する構造のほかに、高分子バインダ中にコレステリック液晶をドロップ状に分散したPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)構造や、高分子バインダ中にマイクロカプセル化されたコレステリック液晶を分散したPDMLC(Polymer Dispersed Microencapsulated Liquid Crystal)構造にすることができる(例えば、特許文献1〜3参照)。
PDLC構造やPDMLC構造を用いると、液晶の流動性が抑えられるため曲げや圧力に対する画像の乱れが小さくなり、フレキシブルな媒体を実現できる。また、複数のコレステリック液晶層を直接積層してカラー表示を行うことや、光導電層と積層して光信号で画像をアドレスする表示媒体とすることもできる。さらに、表示層を厚膜印刷技術を用いて形成することが可能となるため、製造方法が簡略化されて低コストになるという利点もある。
従来、当該技術を利用した表示媒体が多数提案されている(例えば、特許文献4参照)。
当該技術による光書き込み型(光アドレス型)の表示媒体では、このコレステリック液晶の双安定現象を利用して、(A)プレーナによる選択反射状態と、(B)フォーカルコニックによる透過状態と、をスイッチングすることによって、無電界でのメモリ性を有する各種色相のモノクロ表示、または無電界でのメモリ性を有するカラー表示を行う。
図12に、当該技術による一般的な表示媒体に対して、光照射装置で画像の書き込みを行っている様子を模式的に表す模式図を示す。図12に示されるように、当該技術による表示媒体は、一対の透明電極間に液晶層である表示層と光導電体層である有機感光層とが(必要に応じて、不図示の遮光層を挟んで)積層され、一対の基板で挟持されてなるものである。両透明電極に所定の電圧を印加した状態で、有機感光層側の表面を露光装置で像様に露光することで、所望の記録画像を書き込むことができる。
このように光書き込み型の表示媒体では、コレステリック液晶の状態を露光部と非露光部とで選択的に制御するために、光導電層が表示層に積層されて構成される。
表示媒体の層構成を簡素化させることにより、製造コストの軽減と、薄膜化によるフレキシビリティの向上効果が望める。また、一対の電極層の間に配される層が少ないほど(薄いほど)駆動電圧を低く抑えることができる。
そのため、光書き込み型の液晶表示媒体における層構成の簡略化が望まれている。
特公平7−009512号公報 特開平9−236791号公報 特許第3178530号明細書 特開平11−237644号公報
本発明は、層構成が簡略化された光書き込み型の液晶表示媒体に画像を書き込むための駆動方法および駆動装置、並びに層構成が簡略化された光書き込み型の液晶表示媒体を提供することを課題とする。
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明の液晶表示媒体の駆動方法(以下、単に「本発明の駆動方法」という場合がある。)は、一対の電極層の間に光導電層が配されず、コレステリック液晶および光異性化カイラル剤を含む表示層が少なくとも挟持され、前記コレステリック液晶の状態をプレーナおよびフォーカルコニックの間で選択的に制御して光の反射または透過が選択された像を形成する液晶表示媒体に対して、前記光異性化カイラル剤が異性化する光を像様に照射する書き込み工程と、
書き込み工程において光が照射された部位の前記コレステリック液晶はフォーカルコニックからホメオトロピックへの状態変化のしきい値を超え、光が照射されなかった部位は該しきい値を超えない電圧を、前記液晶表示媒体における一対の電極層に印加する電圧印加工程と、
書き込み工程において異性化した前記光異性化カイラル剤を逆異性化させるための操作を行う定着化工程と、
が順次為されることを特徴とする。
本発明の駆動方法によれば、光導電層を含まないことで層構成が大幅に簡略化された液晶表示媒体に対して光書き込みすることができる。このとき、液晶表示媒体が薄膜であることから、光導電層を含む液晶表示媒体に書き込む場合に比べて駆動電圧の低減を図ることができる。当該駆動電圧の低減効果により、省電力化やドライバICの負荷軽減を実現することができ、小型の、および/または、汎用のドライバICの利用を可能とし、駆動装置の低コスト化をも実現することができる。
駆動の対象となる液晶表示媒体が、光異性化に供し得る光の波長(例えば紫外光)と異なる波長の光(例えば可視光)を照射することで、当該異性化したものを元に戻し得る(逆異性化し得る)光異性化カイラル剤を含むものを用いた場合には、前記定着化工程における操作を、書き込み工程において照射した光の波長と異なる前記波長の光を照射する操作とすることができる。異性化したカイラル剤を元に戻す(逆異性化する)のに、異性化に供し得る光と異なる波長の光を用いることができれば、定着工程で確実に逆異性化ができる(制御できる)点で好ましい。また、装置によっては、異性化のために供する光を照射する装置と同一の装置を逆異性化に利用することができる。
一方、本発明の液晶表示媒体の駆動装置(以下、単に「本発明の駆動装置」という場合がある。)は、少なくとも、一対の電極層の間に光導電層が配されず、コレステリック液晶および光異性化カイラル剤を含む表示層が少なくとも挟持され、前記コレステリック液晶の状態をプレーナおよびフォーカルコニックの間で選択的に制御して光の反射または透過が選択された像を形成する液晶表示媒体の前記一対の電極層に電圧を印加する電圧印加手段、前記液晶表示媒体に対して画像光を照射する光照射手段、および、異性化した前記光異性化カイラル剤を元に戻すための動作を為し得る定着化手段を含み、
前記光照射手段によって、前記光異性化カイラル剤が異性化する光を像様に照射する書き込み動作と、
書き込み動作において光が照射された部位の前記コレステリック液晶はフォーカルコニックからホメオトロピックへの状態変化のしきい値を超え、光が照射されなかった部位は該しきい値を超えない電圧を、前記電圧印加手段によって印加する電圧印加動作と、
定着化手段によって、書き込み動作において異性化した前記光異性化カイラル剤を逆異性化させるための動作を行う定着化動作と、
が順次為されるように構成されてなることを特徴とする。
本発明の駆動装置によれば、光導電層を含まないことで層構成が大幅に簡略化された液晶表示媒体に対して光書き込みすることができる。このとき、液晶表示媒体が薄膜であることから、光導電層を含む液晶表示媒体に書き込む場合に比べて駆動電圧の低減を図ることができる。当該駆動電圧の低減効果により、省電力化やドライバICの負荷軽減を実現することができ、小型の、および/または、汎用のドライバICの利用を可能とし、駆動装置の低コスト化をも実現することができる。
駆動の対象となる液晶表示媒体が、光異性化に供し得る光の波長(例えば紫外光)と異なる波長の光(例えば可視光)を照射することで、当該異性化したものを元に戻し得る(逆異性化し得る)光異性化カイラル剤を含むものを用いた場合には、定着化手段によって為される動作を、書き込み動作として照射した光の波長と異なる前記波長の光を照射する定着化動作とすることができる。異性化したカイラル剤を元に戻す(逆異性化する)のに、異性化に供し得る光と異なる波長の光を用いることができれば、定着化手段によって確実に逆異性化ができる(制御できる)点で好ましい。また、装置によっては、異性化のために供する光を照射する装置と同一の装置を逆異性化に利用することができる。
そして、本発明の液晶表示媒体は、一対の電極層の間に、コレステリック液晶を含む表示層が少なくとも挟持され、前記コレステリック液晶の状態をプレーナおよびフォーカルコニックの間で選択的に制御して光の反射または透過が選択された像を形成する光書き込み型の液晶表示媒体であって、
前記表示層に光異性化カイラル剤が含まれ、前記一対の電極層の間に光導電層が配されないことを特徴とする。
本発明の液晶表示媒体によれば、光導電層を用いることなく光書き込み型の表示媒体を構成できるため、層構成を大幅に簡略化することができる。かかる層構成の簡略化によって、製造工程を簡素化することができるとともに材料費も節減できることから、表示媒体の製造コストを軽減することができる。また、層が少ないことからより薄膜化され、表示媒体自身のフレキシビリティの向上効果を望むことができる。さらに、一対の電極層の間において、当該光導電層への分圧がなくなり、表示層の液晶を駆動させるための駆動電圧が低減され、省電力化やドライバICの負荷軽減を実現することができる。また、当該負荷軽減により小型の、および/または、汎用のドライバICの利用が可能になり、駆動装置の低コスト化をも実現することができる。
本発明において光異性化カイラル剤としては、異性化に供し得る光と異なる波長の光を照射することで逆異性化するカイラル剤を好適なものとして挙げることができる。異性化したカイラル剤を元に戻す(逆異性化する)のに、異性化に供し得る光と異なる波長の光を用いることができれば、定着工程で確実に逆異性化ができる(制御できる)点で好ましい。また、装置によっては、異性化のために供する光を照射する装置と同一の装置を逆異性化に利用することができる。
前記光異性化カイラル剤の好適な具体例としては、その構造にアゾベンゼン類を含むもの(カイラルアゾベンゼン)を挙げることができる。
本発明において前記表示層としては、高分子中に前記コレステリック液晶が分散されてなるものが好ましい。
本発明によれば、光書き込み型でありながら、光導電層が配されず層構成が簡略化された液晶表示媒体に画像を書き込むための駆動方法および駆動装置、並びに層構成が簡略化された光書き込み型の液晶表示媒体を提供することができる。
層構成が簡略化されることで、液晶表示媒体の製造コスト軽減と、フレキシビリティの向上効果、駆動電圧の低減が実現される。当該駆動電圧の低減効果は、省電力化や駆動装置の低コスト化をも実現することができる。
以下、本発明の液晶表示媒体、並びにその駆動方法および駆動装置を、好ましい実施形態を挙げ、図面に則して詳細に説明する。
図1は、本発明の液晶表示媒体および駆動装置全体を含むシステムの例示的一態様である実施形態の概略構成図である。本実施形態のシステムは、液晶表示媒体1と駆動装置2とからなる。この両構成要素について、詳細に説明してから、その動作(駆動方法)について説明する。
<液晶表示媒体>
本実施形態において、液晶表示媒体1は、表示面側から順に、基板3、電極5、表示層7、ラミネート層8、電極(電極層)6、基板4および遮光層(着色層)9が積層されてなる物である。
(基板)
基板3,4は、各機能層を内面に保持し、表示媒体の構造を維持する目的の部材である。基板3,4は、外力に耐える強度を有するシート形状の物体であり、フレキシブル性を有することが好ましい。具体的な材料としては、無機シート(たとえばガラス・シリコン)、高分子フィルム(たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート)等を挙げることができる。なお、少なくとも表示面側の基板3は表示光および異性化光(書き込み光)を透過する機能を有する。その外表面に、防汚膜、耐磨耗膜、光反射防止膜、ガスバリア膜など公知の機能性膜を形成してもよい。本実施形態においては、基板4の外表面に遮光層9を設けている。遮光層9については後述する。
(電極)
電極(電極層)5,6は、駆動装置2における電圧印加部17から印加された電圧を、液晶表示媒体1内の表示層7へ印加する目的の部材である。具体的には、金属(たとえば金、銀、銅、鉄、アルミニウム)、金属酸化物(たとえば酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO))、炭素、これらを高分子中に分散させた複合体、導電性有機高分子(たとえばポリチオフェン系・ポリアニリン系)などで形成された導電性薄膜を挙げることができる。表面に、密着力改善膜、光反射防止膜、ガスバリア膜など公知の機能性膜を形成してもよい。
(表示層)
本発明において表示層とは、コレステリック(カイラルネマチック)液晶の光干渉状態の変化を利用して、電場によって入射光の反射・透過状態を変調する機能を有し、選択した状態が無電場で保持できる性質のものである。表示層としては、曲げや圧力などの外力に対して変形しない構造であることが好ましい。
本実施形態において表示層としては、コレステリック液晶および透明樹脂からなる自己保持型液晶複合体の液晶層が形成されてなるものである。すなわち、複合体として自己保持性を有するためスペーサ等を必要としない液晶層である。本実施形態では、高分子マトリックス(透明樹脂)11中にコレステリック液晶12が分散した状態となっている。
なお、本発明においては、表示層が、自己保持型液晶複合体の液晶層であることは必須ではなく、単に液晶のみで表示層を構成することとしても勿論構わない。
コレステリック液晶は、入射光のうち特定の色光の反射・透過状態を変調する機能を有し、液晶分子がらせん状に捩れて配向しており、らせん軸方向から入射した光のうち、らせんピッチに依存した特定の光を干渉反射する。電場によって配向が変化し、反射状態を変化させることができる。表示層を自己保持型液晶複合体とする場合には、ドロップサイズが均一で、単層稠密に配置されていることが好ましい。
コレステリック液晶として使用可能な具体的な液晶としては、ステロイド系コレステロール誘導体、あるいはネマチック液晶やスメクチック液晶(たとえばシッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、安息香酸エステル系、ビフェニル系、ターフェニル系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ビフェニルシクロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエタン系、シクロヘキサン系、トラン系、アルケニル系、スチルベン系、縮合多環系)、またはこれらの混合物に、カイラル剤(たとえばステロイド系コレステロール誘導体、シッフ塩基系、アゾ系、エステル系、ビフェニル系)を添加したもの等を挙げることができる。
コレステリック液晶の螺旋ピッチは、例えば、表示色を青、緑あるいは赤にする場合には、それぞれ選択反射の中心波長が、順に400nm〜500nm、500nm〜600nmあるいは600nm〜700nmの範囲になるようにする。コレステリック液晶の螺旋ピッチを制御するには、液晶分子を適切な化学構造のものにするほか、一般にネマチック液晶に対するカイラル剤の種類と添加量で調整する。
本発明においては、当該カイラル剤として光異性化カイラル剤(フォトクロミックカイラル剤、フォトクロミック性を有するカイラル剤、カイラルフォトクロミック材料等とも言う)を用いる。
光異性化カイラル剤は、光照射によってねじれ力HTP(Herical Twisting Power)が変化するカイラル剤のことを言い、構造的にはフォトクロミック部位(光異性化を示す部位)と光学活性部位とを一般的な合成手法を用いて結合した化合物である。
なお、本発明において用いるカイラル剤としては、当該光異性化カイラル剤のみでも、光異性化を示さない一般的なカイラル剤と混合しても構わない。その混合状態で所望とするカイラル剤の特性を発現するように適宜調整して用いればよい。
本発明において、フォトクロミック部位は、光や熱によって異性化反応や開環−閉環反応が可逆的に発生し、幾何構造・電子構造の変化による各種物性(屈折率、誘電率、吸収スペクトルなど)の変化を生じる構造的部位をいう。代表的なフォトクロミック部位としては、アゾベンゼン類、スピロピラン類、ジアリールエテン類、フルギド類等を挙げることができる
以下に、それぞれの構造における可逆反応の具体例を示す。
Figure 2009122537
Figure 2009122537
Figure 2009122537
Figure 2009122537
本発明において、光学活性部位は、鏡像異性体を持つ立体構造を有し、液晶にらせん構造を誘起させるカイラル剤としての基本的な機能を発現する構造的部位をいう。具体的な光学活性部位の構造としては、不斉中心を不斉源とするものとして、不斉炭素を有するコレステリック誘導体や分枝アルキル基などが挙げられ、不斉軸を不斉源とするものとして、アレン誘導体、ビフェニル誘導体あるいはナフタレン誘導体などが挙げられ、不斉面を不斉源とするものとして、シクロファンなどが挙げられる。また、その他、ヘリセンのように分子自体がらせん構造を有するものもある。
以下に、光学活性部位の具体例を列挙する。なお、下記構造式中*印が付された原子が不斉炭素である。
(a)不斉炭素を有するコレステリック誘導体
Figure 2009122537
(b)不斉炭素を有する分岐アルキル基
Figure 2009122537
(c)アレン誘導体
Figure 2009122537
(d)ビフェニル誘導体
Figure 2009122537
(e)ナフタレン誘導体
Figure 2009122537
代表的な光異性化カイラル剤として、フォトクロミック部位にアゾベンゼン類、光学活性部位を不斉炭素を有する分岐アルキル基に、それぞれしたカイラルアゾベンゼンを挙げることができる。その具体的な化学構造を下記構造式(1)〜(3)に挙げる。
Figure 2009122537
光異性化カイラル剤の光異性化に供し得る光は、異性化前の分子に効率的に吸収される波長で、かつ分子構造を変化させるに十分なエネルギーを有することが必要である。一般に比較的短波長の光が適しており、その構造に応じて異なるが、紫外光〜可視光の領域から選択される。
一方、異性化した前記光異性化カイラル剤に対して、光異性化に供し得る光の波長よりも長波長の光を照射することで、当該異性化したカイラル剤を元に戻すことができる場合が多い。その他、加熱により、あるいは常温で放置しておくことで、異性化した状態が元に戻されるようなカイラル剤もある。
アゾベンゼン類では、紫外光の吸収によって二重結合部がトランス体からシス体へと異性化し、可視光の吸収によってシス体からトランス体へと逆異性化する。トランス体はシス体よりもエネルギーが低く安定しているため、シス体は熱的反応によってトランス体へと戻ることがある。
スピロピラン類では、紫外光の吸収によって開環してメロシアニンに異性化し、可視光の吸収もしくは熱的反応によって閉環して元に戻る。
ジアリールエテン類やフルギド類では紫外光の吸収によってヘテロ5員環部が閉環し、可視光の吸収によって開環して元に戻る。ジアリールエテン類やフルギド類は熱的安定性が高い。
異性化乃至逆異性化に必要な光の波長は、それぞれの状態での吸光スペクトル(より具体的には、各基底状態と励起状態との間のエネルギーギャップ)に依存している。また、熱的安定性は、逆異性化反応に対する活性化エネルギー(基底状態ポテンシャルエネルギー)に依存している。これらは分子全体の化学構造や、分子間の相互作用によってコントロールすることができる。
光異性化カイラル剤は、一般に可視光の吸収により異性化前の安定な状態に戻ってしまう傾向が強いため、カイラル剤の光異性化の発現の有無によってコレステリック液晶の螺旋ピッチを制御することで表示画像を得る場合、観察時の外光で逆異性化が進行して画像が消えてしまう。また、光異性化カイラル剤は、熱によっても異性化前の安定な状態に戻ってしまう傾向が強いため、可視光が強く当らなくても経時的に画像が消えてしまう。
つまり、カイラル剤の光異性化によるプレーナのらせんピッチ変化(つまり選択反射波長の変化)をそのまま利用して画像を形成するのでは、画像のメモリ性が著しく低い。
本発明の液晶表示媒体は、カイラル剤の光異性化によってコレステリック液晶の状態変化のしきい値を変化させることで状態をプレーナおよびフォーカルコニックの間で選択的に制御して光の反射または透過が選択された像を形成する。具体的な画像の書き込み方法(駆動方法)については後述する
表示層7がコレステリック液晶と高分子マトリックス(透明樹脂)からなる自己保持型液晶複合体を形成する形態としては、コレステリック液晶の連続相中に網目状の樹脂を含むPNLC(Polymer Network Liquid Crystal)構造や、高分子の骨格中にコレステリック液晶がドロップレット状に分散されたPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)構造(マイクロカプセル化されたものを含む)を用いることができ、PNLC構造やPDLC構造とすることによって、コレステリック液晶と高分子の界面にアンカリング効果を生じ、無電界でのプレーナまたはフォーカルコニックの保持状態を、より安定にすることができる。
PNLC構造やPDLC構造は、高分子と液晶とを相分離させる公知の方法、例えば、アクリル系、チオール系、エポキシ系などの、熱や光、電子線などによって重合する高分子前駆体と液晶を混合し、均一相の状態から重合させて相分離させるPIPS(Polymerization Induced PhaseSeparation)法、ポリビニルアルコールなどの、液晶の溶解度が低い高分子と液晶とを混合し、攪拌懸濁させて、液晶を高分子中にドロップレット分散させるエマルジョン法、熱可塑性高分子と液晶とを混合し、均一相に加熱した状態から冷却して相分離させるTIPS(Thermally Induced Phase Separation)法、高分子と液晶とをクロロホルムなどの溶媒に溶かし、溶媒を蒸発させて高分子と液晶とを相分離させるSIPS(Solvent Induced Phase Separation)法などによって形成することができるが、特に限定されるものではない。
高分子マトリックスは、コレステリック液晶を保持し、表示媒体の変形による液晶の流動(画像の変化)を抑制する機能を有するものであり、液晶材料に溶解せず、また液晶と相溶しない液体を溶剤とする高分子材料が好適に用いられる。また、高分子マトリックスとしては、外力に耐える強度をもち、少なくとも反射光および異性化光(書き込み光)に対して高い透過性を示す材料であることが望まれる。
高分子マトリックスとして採用可能な材料としては、水溶性高分子材料(たとえばゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸系ポリマー、エチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアミジン、イソプレン系スルホン酸ポリマー)、あるいは水性エマルジョン化できる材料(たとえばフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂)等を挙げることができる。
表示層7のスイッチング(ヒステリシス)挙動は、用いる光異性化カイラル剤の種類や量、表示層7を構成するコレステリック液晶12の誘電率異方性、弾性率、高分子の骨格構造や側鎖、相分離プロセス、高分子マトリックス11と表示層7との界面のモルフォロジー、高分子マトリックス11と表示層7との界面におけるアンカリング効果の程度などによって、制御することができる。
より具体的には、ネマチック液晶の種類や組成比、用いる光異性化カイラル剤の種類や量、樹脂の種類、高分子樹脂の出発物質であるモノマー、オリゴマー、開始剤、架橋剤などの種類や組成比、重合温度、光重合のための露光光源、露光強度、露光時間、雰囲気温度、電子線重合のための電子線強度、暴露時間、雰囲気温度、塗布時の溶媒の種類や組成比、溶液濃度、ウェット膜厚、乾燥温度、温度降下時の開始温度、温度降下速度などであるが、これらに限定されない。
(遮光層)
遮光層(着色層)9とは、表示時に表示媒体の非表示面側から入射する外光と表示画像を光学分離し、画質の劣化を防ぐ目的で設けられる層であり、本発明において必須の構成要素ではない。ただし、液晶表示媒体1の性能向上のためには、設けることが望まれる層である。その目的から、遮光層9には、少なくとも表示層7の反射波長域の光を吸収する機能が要求される。
遮光層9は、具体的には、無機顔料(たとえばカドミウム系、クロム系、コバルト系、マンガン系、カーボン系)、または有機染料や有機顔料(アゾ系、アントラキノン系、インジゴ系、トリフェニルメタン系、ニトロ系、フタロシアニン系、ペリレン系、ピロロピロール系、キナクリドン系、多環キノン系、スクエアリウム系、アズレニウム系、シアニン系、ピリリウム系、アントロン系)を高分子バインダー(たとえばポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル樹脂等)とともに適当な溶剤に分散ないし溶解させて塗布液を調製し、これを基板4の外側面に塗布し乾燥させて成膜する湿式塗布法等により形成することができる。
(ラミネート層)
ラミネート層8は、上下基板3,4それぞれの内面に形成された各機能層を貼り合わせる際に、凹凸吸収および接着の役割を果たす目的で設けられる層であり、本発明において必須の構成要素ではない。ラミネート層8は、熱可塑性、熱硬化性、あるいはこれらの混合型の有機材料からなるものであり、熱や圧力によって表示層7と遮光層9とを密着・接着させることができる材料が選択される。また、少なくとも入射光に対して透過性を有することが条件となる。
ラミネート層8に好適な材料としては、粘着・接着性の高分子材料(たとえばポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリウレタン系、エポキシ系、アクリル系、ゴム系、シリコーン系)を挙げることができる。
(接触端子)
接触端子19とは、電圧印加部17および液晶表示媒体1(電極層5,6)に接触して、両者の導通を行う部材であり、高い導電性を有し、電極層5,6および電圧印加部17との接触抵抗が小さいものが選択される。液晶表示媒体1と駆動装置2とを切り離すことができるように、電極5,6から分離できる構造であることが好ましい。
接触端子19としては、金属(たとえば金、銀、銅、鉄、アルミニウム)、炭素、これらを高分子中に分散させた複合体、金属酸化物(たとえば酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO))、炭素、これらを高分子中に分散させた複合体、導電性有機高分子(たとえばポリチオフェン系・ポリアニリン系)などでできた端子で、電極を挟持するクリップ・コネクタ形状のものが挙げられる。
<駆動装置>
本発明において駆動装置(液晶表示媒体の駆動装置)2は、液晶表示媒体1に画像を書き込む装置であり、液晶表示媒体1に対して異性化光(書き込み光)の照射を行う光照射部(光照射手段)18、および、液晶表示媒体1に電圧を印加する電圧印加部(電圧印加手段)17を主要構成要素とし、さらにこれらの動作を制御する制御回路16が配されてなる。
(光照射部)
光照射部(光照射手段)18は、像様となる所定の異性化光パターンを液晶表示媒体1に照射する機能を有し、制御回路16からの入力信号に基づき、液晶表示媒体1上(詳しくは、表示層7上)に所望の光画像パターン(スペクトル・強度・空間周波数)を照射できるものであれば特に制限されるものではない。なお、光照射すべき領域としては、液晶表示媒体1の書き込み面の全面である必要は無く、表示層が形成されている範囲内であることはもちろんのこと、書き込みもうとする領域(書き込み領域)内であれば十分である。
光照射部18により照射される異性化光としては、以下の条件のものが好ましく選択されるが、本発明においてはこれに限定されるものではない。
・スペクトル:表示層7に含まれる光異性化カイラル剤が光異性化を示す波長域のエネルギーができるだけ多いことが望ましい。光異性化カイラル剤として、紫外光を照射することで異性化することができるものを用いた場合には、当該紫外光をピーク波長とする光であることが望ましい。
・照射強度:明時に表示層7に含まれる光異性化カイラル剤が光異性化を示し、暗時にはそれ以下となるような強度。
また、光異性化カイラル剤が、光異性化に供し得る光の波長とは異なる波長の光を照射することで、当該異性化したものを元に戻し得る(逆異性化し得る)カイラル剤である場合には、かかる「異なる波長」の光を照射し得る機能を光照射部18に持たせることが好ましい。これにより、後述する駆動方法における書き込み工程の操作(書き込み動作)と定着化工程の操作(定着化動作)とを1つの光照射部18にて行うことができる。この場合、光照射部18により照射される「異なる波長」の光(以下、「定着化光」と称する場合がある。)についても、異性化光と同様、上記の如きスペクトルと照射強度のものが好ましい。
光照射部18としては、具体的には以下のものが挙げられる。
(1−1)光源(たとえば、冷陰極管、キセノンランプ、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、EL、レーザ等)を一次元のアレイ状に配置したものや、ポリゴンミラーと組み合せたもの、など走査動作によって任意の二次元発光パターンを形成できるもの
(1−2)光源をアレイ状に配置したものや導光板と組み合せたもの、などの均一な光源と、光パターンを作る調光素子(たとえば、LCD、フォトマスクなど)の組み合わせ
(2)光源を面状に配置したものなどの自発光型ディスプレイ(たとえばCRT、PDP、EL、発光ダイオード、FED、SED)
(3)上記(1−1)、(1−2)あるいは(2)と光学素子(たとえばマイクロレンズアレイ、セルホックレンズアレイ、プリズムアレイ、視野角調整シート)との組み合わせ
(電圧印加部)
電圧印加部(電圧印加手段)17は、所定の書き込み時の印加電圧(駆動電圧。以下、単に「バイアス電圧」という場合がある。)を液晶表示媒体1に印加する機能を有し、制御回路16からの入力信号に基づき、表示媒体(各電極間)に所望の電圧波形を印加できるものであればよい。ただし、高いスルーレートであることが好ましい。電圧印加部17には、例えばバイポーラ高電圧アンプなどを用いることができる。
電圧印加部17による液晶表示媒体1への電圧の印加は、接触端子19を介して電極5−電極6間に為される。
(制御回路)
制御回路16は、外部(画像取り込み装置、画像受信装置、画像処理装置、画像再生装置、あるいはこれらの複数の機能を併せ持つ装置等)からの画像データに応じて、電圧印加部17および光照射部18の動作を適宜制御する機能を有するドライバIC等の部材である。制御回路16による具体的な制御内容は、本発明の駆動方法による各工程の操作が、駆動装置における各構成部材の動作として実行されるように制御するものであり、以下に本実施形態の駆動方法として詳述するとおりである。
<駆動方法>
液晶表示媒体1は、既述の通り、コレステリック液晶12および高分子マトリックス11からなる自己保持型液晶複合体の液晶層が表示層7として形成され、該表示層7に既述の如き光異性化カイラル剤を含んでなるものである。本実施形態の液晶表示媒体1では、このコレステリック液晶の双安定現象を利用して、(A)プレーナによる選択反射状態と、(B)フォーカルコニックによる透過状態とを、前記光異性化カイラル剤の異性化反応を利用して制御することによって、無電界でのメモリ性を有する表示画像が書き込まれる。
本実施形態においては、
(a)液晶表示媒体1に対して、表示層7に含まれる光異性化カイラル剤が異性化する光(異性化光)として紫外光を像様に照射する書き込み工程と、
(b)書き込み工程において紫外光が照射された部位はフォーカルコニックからホメオトロピックへの状態変化のしきい値を超え、紫外光が照射されなかった部位は該しきい値を超えない電圧を一対の電極5,6間に印加する電圧印加工程と、
(c)書き込み工程において異性化した前記光異性化カイラル剤を元に戻すための操作として、液晶表示媒体1の全面に可視光(定着化光)を照射する定着化工程と、
が順次為されるのが基本動作である。
本発明の基本的な原理について説明する。
まず、表示層7のスイッチング挙動変化を、図11のグラフを用いて説明する。
外部印加電圧の大きさに応じてコレステリック液晶の状態は、プレーナまたはホメオトロピックを初期状態とした場合にはプレーナ、フォーカルコニック、ホメオトロピックと変化し、フォーカルコニックを初期状態とした場合にはフォーカルコニック、ホメオトロピックと変化する。そして、最終状態のプレーナおよびフォーカルコニックでは、印加電圧を除した後もその状態が維持されるが、ホメオトロピックでは図11に示される通り、プレーナに状態変化する。したがって、印加電圧の大きさにより、最終的な状態としてプレーナないしフォーカルコニックが選択される。図10に示される通り、プレーナでは光反射、フォーカルコニックでは光透過状態となる。
図11のグラフは、横軸の外部印加電圧が大きくなるにしたがって、表示層(液晶層)の状態が、プレーナ、フォーカルコニック、ホメオトロピック(最終的にホメオトロピック→プレーナ)、またはフォーカルコニック、ホメオトロピック(最終的にホメオトロピック→プレーナ)と推移して、それに応じて表示面における反射率(図1で言えば、基板3側からの入射光に対する反射率)が変化していることを表している。この各状態変化が生じる電圧をしきい値と呼び、特に、プレーナからフォーカルコニックへの状態変化のしきい値を「低電圧側のしきい値」、フォーカルコニックからホメオトロピックへの状態変化のしきい値を「高電圧側のしきい値」と呼ぶ。図11のグラフ中においては、前者をVpf、後者をVfhと記号により表記している。
本実施形態においては、画像書き込みに用いる状態変化のしきい値として、高電圧側のしきい値を利用している。
コレステリック液晶の高電圧側(フォーカルコニック→ホメオトロピック)のしきい値電界Ecは、以下の式で表される。
Figure 2009122537
(Ec:しきい値電界、P0:らせんピッチ、k22:ツイスト弾性率、ε0:真空の誘電率、Δε:誘電率異方性)
上記式からわかるように、コレステリック液晶の状態変化のしきい値はらせんピッチに反比例(らせん構造をほどくために必要なエネルギーに比例)する。したがって、らせん構造を誘起するためのカイラル剤の機能を低下させれば、らせんピッチが長くなり、状態変化のしきい値は低下する。
一方、光異性化カイラル剤の異性化反応について、代表的なカイラルアゾベンゼンを例に挙げて説明する。カイラルアゾベンゼンの異性化反応は、図2に示す化学反応式で表すことができる。
トランス体のカイラルアゾベンゼンは通常のカイラル剤として機能する。これに紫外光等(光異性化カイラル剤が異性化する光)を照射すると、図2の化学反応式に示される通りシス体に異性化する。シス体のカイラル剤は、カイラル剤としての機能(コレステリック液晶のらせん構造の誘起)が生じない。これは、分子構造が折れ曲がることによって、液晶との相溶性が低下するためであると推測される。
本発明においては、この光異性化カイラル剤とコレステリック液晶の性質を利用して、光異性化カイラル剤の光異性化反応により、所望の画像を書き込む。すなわち、画像を書き込みたい箇所(液晶を駆動させたい箇所)については、所定の紫外光を照射して光異性化カイラル剤を図2に示すように異性化させてシス体にし、カイラル剤としての機能を低下させる。すると当該箇所については、コレステリック液晶のらせんが伸びてらせんピッチが大きくなり、状態変化のしきい値が小さくなる(以上、書き込み工程)。
当該箇所については、他の箇所に比して小さなエネルギー、例えば小さな印加電圧でしきい値を超え、フォーカルコニックからホメオトロピックに変化する。したがって、当該箇所のみしきい値を超え、紫外光を照射していない箇所はしきい値を超えない大きさの電圧というものが存在する。よって、そのような電圧を表示層7に印加すると、光照射部がホメオトロピック、光非照射部がフォーカルコニックになる。その後、印加した電圧を除去すると、状態がホメオトロピックからプレーナに変化する。
さらに、異性化してシス体になった前記光異性化カイラル剤をトランス体に戻すための操作として、定着化光である可視光(画像の書き込みのために照射した光の波長よりも長波長の光)を照射する。すると、前記光異性化カイラル剤がトランス体に逆異性化し、カイラル剤としての本来の機能を取り戻してコレステリック液晶のらせんピッチが小さくなって色相が変わり、所望とする色相の表示画像として定着化される(定着化工程)。
本発明の駆動方法は、以上のように、画像部について光異性化カイラル剤の光異性化によりその機能を一部失活させてしきい値を下げ、当該しきい値の大小による潜像を形成した上で当該両しきい値の間となるバイアス電圧を一様に印加することで画像を書き込むことを特徴とするものである。このように、表示層に含まれる光異性化カイラル剤が、書き込み光(本発明においては異性化光)の照射パターンを液晶の配向変化に反映させる機能を有するため、本発明に供される液晶表示媒体には、書き込み光の照射パターンを液晶の配向変化に反映させるための光導電層の光電効果を利用する必要が無い。光導電層の省略により層構成を大幅に簡略化することができ、以下の如き優れた効果が奏される(液晶表示媒体としての効果や、当該駆動方法に供する駆動装置の効果を含む。)。
a)液晶表示媒体の製造工程を簡素化することができる。
b)液晶表示媒体の製造時に、光導電層材料を節約することができる。
c)上記a)およびb)より、液晶表示媒体の製造コストを軽減することができる。
d)層が少ないことからより薄膜化され、表示媒体自身のフレキシビリティの向上効果を望むことができる。
e)一対の電極層の間において、当該光導電層への分圧がなくなり、表示層中の液晶を駆動させるための駆動電圧が低減される。
f)上記e)より、省電力化を図ることができる。
g)上記e)より、ドライバICの負荷軽減を実現することができ、小型の、および/または、汎用のドライバICの利用が可能になり、駆動装置の低コスト化をも実現することができる。
ところで、本発明と同様、光異性化カイラル剤の上記特性を利用することで、光では無く像様に電圧を印加することにより書き込む方式(電圧書き込み型)の液晶表示媒体においても低電圧駆動することが可能であり、上記f)やg)の効果を期待することができる。すなわち、図1における液晶表示媒体1と同様の層構成であって、所定のセル毎に分画された表示層7を個別に駆動できるように電極5,6を構成しておけば、光異性化カイラル剤を異性化させてコレステリック液晶のしきい値を低下させた状態で電圧書き込みすることができ、低電圧駆動が実現される。表示層7のセルへの分画は、表示層7そのものをセル毎に物理的に分画しても構わないが、表示層7は特に変更せず、電極5,6を適切な構成にすれば足りる。すなわち、電極5,6をセグメント構造、単純マトリックス構造、あるいはTFT等を用いたアクティブマトリックス構造にしておけばよい。
上記構造の液晶表示媒体に対しては、具体的には、以下の駆動方法により画像を書き込むことができる。
まず、液晶表示媒体に対して全面に、所定の紫外光を照射して光異性化カイラル剤を図2に示すように異性化させてシス体にし、カイラル剤としての機能を低下させる。すると表示層の全面が、コレステリック液晶のらせんが伸びてらせんピッチが大きくなり、配向変化のしきい値(高電圧側)が小さくなる。
次に、表示層中のコレステリック液晶の高電圧側のしきい値を超える電圧または超えない電圧を、像様に選択的に印加することで、しきい値を超える電圧を印加したセルはフォーカルコニックからホメオトロピックへと変化し、しきい値を超えない電圧を印加したセルはフォーカルコニックの状態を維持するか、もしくはプレーナからフォーカルコニックに変化する。このとき印加すべき書き込み電圧は、既述の通り表示層全面のコレステリック液晶のしきい値が下がっているため、電圧値を低く抑えることができる。
その後、印加した電圧を除去すると、ホメオトロピックからプレーナに変化する。
さらに本発明の駆動方法と同様、定着化工程の操作を為すことで、所望の色相の表示画像が得られる。
なお、このような構造の液晶表示媒体の上記駆動方法について、後述の参考実験にて具体的な駆動の検証を行う。
また、光異性化カイラル剤の上記特性を利用することで、有機感光層(OPC)等の光導電層を備えた液晶表示媒体においても低電圧駆動することが可能であり、上記f)やg)の効果を期待することができる。すなわち、光導電層を備えた液晶表示媒体において、表示層のコレステリック液晶に光異性化カイラル剤を用いることにすれば、当該光異性化カイラル剤を異性化させてコレステリック液晶のしきい値を低下させた状態で光書き込みすることができ、低電圧駆動が実現される。具体的には、以下の駆動方法により画像を書き込むことができる。
まず、液晶表示媒体に対して全面に、所定の紫外光を照射して光異性化カイラル剤を図2に示すように異性化させてシス体にし、カイラル剤としての機能を低下させる。すると表示層の全面が、コレステリック液晶のらせんが伸びてらせんピッチが大きくなり、配向変化のしきい値(高電圧側)が小さくなる。
次に、所定のバイアス電圧を印加しつつ像様に書き込み光(この場合の書き込み光は、配される光導電層が感度を有する波長並びに強度のものを選択する。)を照射することで、光の照射部位はしきい値を超えてフォーカルコニックからホメオトロピックへと変化し、非照射部位はしきい値を超えることなくフォーカルコニックのまま、もしくはプレーナからフォーカルコニックに変化する。このとき印加すべきバイアス電圧は、既述の通り表示層全面のコレステリック液晶のしきい値が下がっているため、電圧値を低く抑えることができる。
その後、印加した電圧を除去すると、ホメオトロピックはプレーナに変化する。
さらに本発明の駆動方法と同様、定着化工程の操作を為すことで、所望の色相の表示画像が得られる。
次に、図3を用いて、本発明の液晶表示媒体の駆動方法を各工程毎に詳細に説明する。ここで図3は、本発明の液晶表示媒体の駆動方法により推移するコレステリック液晶の状態を工程毎に示す工程説明図である。
(a:書き込み工程)
書き込み工程では、光照射部18によって液晶表示媒体1に異性化光(書き込み光)を像様に照射する。当該異性化光は、本実施形態においては紫外光が照射される。ただし、本発明において当該異性化光は、表示層7に含まれる光異性化カイラル剤が異性化するに十分な波長領域の光であればよく、紫外光に限定されるものではない。
図3の「(a)書き込み工程」の欄に示されるように、本工程の操作により、異性化光が照射された部位は、光異性化カイラル剤の一部がトランス体からシス体に異性化しカイラル剤としての機能が低下し、コレステリック液晶のらせんが伸びてらせんピッチが大きくなる。この状態では、コレステリック液晶のフォーカルコニックからホメオトロピックへの状態変化のしきい値が小さくなっている。
なお、当該工程において照射される異性化光の波長や強度、光照射時間は、用いる光異性化カイラル剤の種類によって異なり、適宜設定すればよい。
(b:電圧印加工程)
電圧印加工程では、適切な電圧値のバイアス電圧を電極5,6間に印加する。既述の通り、表示層7におけるコレステリック液晶は、書き込み工程において光が照射された部位のみフォーカルコニックからホメオトロピックへの状態変化のしきい値(高電圧側のしきい値)が低下しており、照射されていなかった部位については変化が無い。すなわち、光の照射部と非照射部とでしきい値に差異が生じている。したがって、本工程において印加するバイアス電圧は、書き込み工程において光が照射された部位が高電圧側のしきい値を超え、光が照射されなかった部位は該しきい値を超えない程度の電圧値である。
図3の「(b)電圧印加工程中」の欄に示されるように、本工程の操作により、光の照射部位はしきい値を超えてフォーカルコニックからホメオトロピックへと変化し、非照射部位はしきい値を超えることなくフォーカルコニックのまま、もしくはプレーナからフォーカルコニックに変化する。
なお、当該工程において印加される電圧の波形や大きさ、印加時間は、用いるコレステリック液晶や光異性化カイラル剤の種類によって異なり、適宜設定すればよい。
本発明において電圧印加工程の操作は、原則として書き込み工程の操作に引き続いて為されるが、両工程の操作が同時に、乃至重複して為されても構わない。例えば、書き込み工程による異性化光の照射と電圧印加工程によるバイアス電圧の印加とが同時に、あるいはある程度の時間差を以って開始したとしても、書き込み工程による光異性化カイラル剤の光異性化反応が生じ、次いで当該光異性化反応が生じた箇所のホメオトロピックへの変化が生じるのに十分な時間両工程の操作が継続していれば問題ない。すなわち、書き込み工程および電圧印加工程の両操作は、経時的に独立して為される操作ではなく、両操作による表示層内の状態変化、詳しくは、光異性化カイラル剤の光異性化とコレステリック液晶のホメオトロピックへの変化とがこの順で発現するように、両工程の操作が為されればよい。
その後、印加した電圧を除去すると、図3の「(b’)電圧印加工程終了後」の欄に示されるように、書き込み工程における光照射部がホメオトロピックからプレーナに変化する。
なお、書き込みに供する液晶表示媒体1のコレステリック液晶の状態がフォーカルコニックに揃っていない場合、書き込み工程の前に、表示層7におけるコレステリック液晶の状態を揃える為の電圧を電極5,6間に印加してもよい。この初期化のために印加する電圧は、表示層7のコレステリック液晶におけるプレーナからフォーカルコニックへの配向変化のしきい値(低電圧側のしきい値)を超える電圧であり、当該操作により前記表示層7全体がフォーカルコニック状態に揃えられる。
(c:定着化工程)
定着化工程では、書き込み工程において異性化してシス体になった前記光異性化カイラル剤をトランス体に戻すための操作が為される。本実施形態において当該操作は、光照射部18によって液晶表示媒体1の全面に、定着化光としての可視光を照射する操作である。ただし、本発明において、本工程の操作は可視光の照射に限定されるものでは無く、例えば加熱したり、常温で放置しておいたり等、そのカイラル剤の性質に応じて適宜選択することができる。
また、定着化光を照射する場合にも可視光との括りに限定されるものでは無く、そのカイラル剤の性質に応じ、書き込み工程において照射した光の波長と異なる波長の光を照射する操作とすることができる。
書き込み工程において光異性化カイラル剤が異性化された部位については、コレステリック液晶のらせんピッチが長くなっているが、電圧印加工程を経た後においてもその状態が維持されている。したがって、電圧印加工程終了後はカイラル剤がその機能を発現し得ず、プレーナによる選択反射において意図した色相になっていない。また、シス体のカイラル剤は比較的不安定であり徐々にトランス体へと移行して行き、経時とともに色相が変化してしまう。
しかし、定着化工程の操作によって、シス体に異性化していたカイラル剤を積極的にトランス体に戻し(逆異性化し)カイラル剤としての機能を復元させ、所望とする色相の表示画像として定着化される。
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明の液晶表示媒体、並びにその駆動方法および駆動装置を詳細に説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では表示層が1層のみからなる単色画像形成用の表示媒体を例に挙げて説明したが、表示層やその他の層を必要に応じて複数層として多色画像が形成できる表示媒体としてもよいし、このとき少なくともブルー、グリーンおよびレッドの三原色を表示し得る表示層を積層することでフルカラー画像が形成できる表示媒体としてもよい。
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の液晶表示媒体、本発明の駆動方法あるいは本発明の駆動装置を適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の液晶表示媒体、本発明の駆動方法あるいは本発明の駆動装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
以下、実施例を挙げることで、本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例]
実施例に供する液晶表示媒体として、図4に記載の液晶表示媒体101と駆動装置102を試作して、本発明(実施例)の作用の検証(検証試験)と、画像の書き込み(駆動試験)を行った。図4を参照しつつ説明する。
<液晶表示媒体101の作製>
コレステリック液晶として、ネマチック液晶(メルク社製,E7)77.0質量%、左旋性カイラル剤(メルク社製,S811)11.5質量%および左旋性光異性化カイラル剤(前記構造式(3)の化合物)11.5質量%を混合して、オレンジを選択反射する材料を調製した。
一方、片面にITO(表面抵抗300Ω/□)がスパッタされた1.1mm厚のガラス基板(コーニング社製,7059)を2枚用意した。これらのITO膜が成膜された側の面に液晶垂直配向膜(日産化学社製,商品名SE7511L)を乾燥膜厚が10nm厚となるようにスピンコート法によって塗布した。このうちの1枚の外面(ITOが成膜されていない側の面)に、カーボンブラック顔料を分散させたポリビニルアルコール水溶液を、スピンコート法によって乾燥膜厚が2μm厚となるように形成して、遮光層109とした。当該ガラス基板において、ガラス部分が図4における基板104に相当し、ITO膜が電極106に相当する。
ガラス基板のもう1枚については、ITO膜が成膜された側の面に10μm径の球状スペーサ(積水ファインケミカル社製,商品名SP210)を湿式散布した。なお、当該ガラス基板において、ガラス部分が図4における基板103に相当し、ITO膜が電極105に相当する。
このガラス基板(基板103)の前記球状スペーサが散布された側の面における周縁部に光学接着剤(ノーランド社製,商品名NOA65)をディスペンサで描画し、前記球状スペーサが散布された面に、上記もう一方のガラス基板(基板104)を、ITO膜(電極106)側の面が向かい合うように貼り合わせて、前記光学接着剤により光学的に接着して空セルとした。
得られた空セルに、上記得られたオレンジのコレステリック液晶を毛管注入して、ITO膜(電極105,106)の間に表示層107を形成した。
以上のようにして、液晶表示媒体101を作製した。
<駆動装置の作製>
電圧印加部117として、高圧電源装置(松定プレシジョン社製,HEOPT−1B60)を用い、これを液晶表示媒体101の電極105,106に接触端子119を介して接続した。
異性化光(書き込み光)を照射する異性化光光源118aとしてUV発光ダイオード(日亜化学工業社製,商品名NCSU033A型)を、定着化光(逆異性光)を照射する定着化光光源118bとしてブルー発光ダイオード(シチズン電子社製,商品名CL−191HB1型)をそれぞれ用い、液晶表示媒体101の表示面を照射できるように構成して、光照射部118とした。当該光照射部118により、ピーク波長365nmの紫外光(UV)の異性化光と、ピーク波長470nmの可視光(BLUE)の定着化光とを照射することができる。
なお、光照射部118には、図4に示されるように調光部材118cとして所望の画像パターンを印刷したOHPシートを異性化光光源118aと液晶表示媒体101との間に配されるように挿入した。当該調光部材118cは、異性化光光源118aを点灯して画像パターンを照射する際には当該箇所に挿入し、定着化光光源118bを点灯する際には事前に取り外すようにした。
制御回路116として、マルチチャンネルDAQボード(ナショナルインスツルメンツ社製6713型)、および制御ソフト(ナショナルインスツルメンツ社製LabVIEW)を用い、パーソナルコンピュータで電圧印加部117および光照射部118の動作を適宜制御できるように配線した。
なお、不図示ではあるが、液晶表示媒体101の表示面側(基板103側)の表面に、表示層107の表示画像の光反射率を測定するための積分球形分光計(コニカミノルタ社製、CM2002型)を取り付けた。
以上のようにして、実施例に供する液晶表示媒体および駆動装置を含む駆動評価用システムを作製した。
<検証試験>
作製した駆動評価用システムを用いて、以下のように異性化挙動を測定した。
まず、液晶表示媒体101全面に異性化光(UV)を、その照射光量を振って異性化光光源118aによりベタ照射した。なお、この操作の際には、調光部材118cを取り外しておいた。
その後の液晶表示媒体101表示面の反射スペクトルを測定した。その結果を図5のグラフに示す。図5のグラフは、異性化光の照射光量とその照射直後の正規化反射スペクトルとの関係を示すものである。当該グラフから、異性化光の照射量の増加に伴い反射スペクトルが長波長へ移動することがわかる。
図5のグラフにおける各曲線の異性化光の照射量を対数で横軸にプロットし、異性化光を照射しなかった場合(異性化光照射量0mJ/cm2)のピーク波長λ0に対してそれぞれの照射量xにおける曲線のピーク波長λxの変化(ピーク波長の増加量:λx−λ0)を縦軸にプロットしたグラフを図6に示す。図6に示されるように、ピーク反射率は、異性化光照射量の増加に伴ってオレンジ〜レッド〜赤外へと変化し、異性化光の照射により光異性化カイラル剤がトランス型からシス型へ変化して、コレステリック液晶のらせんピッチが伸びていることがわかる。
次に、照射量1000mJ/cm2の異性化光を照射したサンプル全面に定着化光(BLUE)を、その照射光量を振って定着化光光源118bによりベタ照射した。この操作の際には、調光部材118cを取り外しておいた。
その後の液晶表示媒体101表示面の反射スペクトルを測定した。得られた反射スペクトルの測定結果から、異性化光照射前のピーク波長にどれだけ戻っているかの割合(以下、「逆異性化率」という。)を求めた。照射光量ymJ/cm2の定着化光を照射した際の逆異性化率F(y)[%]は、以下の式で求めることができる。
Figure 2009122537
(上記式中、λ0は異性化光照射量0mJ/cm2におけるピーク波長を、λ1000は異性化光照射量1000mJ/cm2におけるピーク波長を、λyは照射光量ymJ/cm2の定着化光照射後のピーク波長を、それぞれ表す。)
得られた結果について、定着化光の照射量を横軸に、逆異性化率F(y)を縦軸に、それぞれプロットしたグラフを図7に示す。異性化光照射量の50〜100%の定着化光を照射することで、光異性化カイラル剤がシス型からトランス型へと変化し、コレステリック液晶が元の状態に戻っていることがわかる。
異性化光を照射しなかったサンプル(異性化光照射量0mJ/cm2)と照射量300mJ/cm2の異性化光を照射したサンプルのそれぞれについて、電圧印加部117によってパルス電圧をその電圧値を振って電極105,106間に0.2秒間印加し、さらに上記定着化光(BLUE)を300mJ/cm2の照射量で全面照射した。異性化光および定着化光の照射の際には、調光部材118cを取り外しておいた。
得られた各サンプルについて、表示面の反射率を測定した。その結果を図8のグラフに示す。図8のグラフは、印加したパルス電圧の電圧値と反射率との関係を示すものであり、これらを順に横軸と縦軸とに取ってプロットしたものである。なお、縦軸の反射率として、得られた視感反射率Yの値を、それぞれの最大値を1、最小値を0として規格化した値(正規化Y値)で示している。また、異性化光を照射しなかったサンプルを「非照射部」と表し黒点で、照射量300mJ/cm2の異性化光を照射したサンプルを「照射部」と表し白点で、それぞれプロットしている。
図8のグラフから、光異性化カイラル剤をトランスからシスへ異性化させることで、コレステリック液晶の状態変化のしきい値電圧が低下することがわかる。本実施例では、図8のグラフの破線で示される42.5Vのバイアス電圧を印加することで、異性化光照射部をプレーナによる明状態に、非照射部をフォーカルコニックによる暗状態に、それぞれ選択制御できることがわかる。
<駆動試験>
以上の検証試験で得られた条件にしたがって、実際に画像の書込みを行った。
まず、調光部材118cを挿入した状態で、異性化光光源118aにより液晶表示媒体101表面に照射量300mJ/cm2の異性化光(UV)を照射した(書き込み工程)。すると、調光部材118cの光透過部が薄茶色の状態になった。
次に、電圧印加部117により電極105,106間に42.5Vのバイアス電圧を0.2秒間印加した(電圧印加工程)。すると、異性化光の照射部は印加前とほぼ同じ薄茶色のままであり、異性化光の非照射部は暗い状態になった。
さらに、調光部材118cを取り外した状態で、定着化光光源118bにより液晶表示媒体101全面に照射量300mJ/cm2の定着化光(BLUE)をベタ照射した(定着化工程)。すると、異性化光の非照射部は変化せず暗い状態を維持し、異性化光の照射部は明るいオレンジ色を呈して画像が表示された。
以上のようにして最終的に得られた画像は、メモリ性のあるプレーナとフォーカルコニックとで形成されているため、外光に晒された状態で数ヶ月経過しても変化(変色、画像のボケ・滲み等)しなかった。
[参考実験]
次に、参考実験として、光アドレスタイプ(光書き込み型)の本発明の場合と同様に光異性化カイラル剤の特性を利用して、電圧書き込み型の液晶表示媒体を低電圧駆動する構成について、検証を行った。本参考実験に供した液晶表示媒体および駆動装置を含む駆動評価用システムを図9に概略構成図にて示す。
<液晶表示媒体201の作製>
参考実験に供する液晶表示媒体201は、実施例に供した光アドレスタイプの液晶表示媒体101に対して、ITO電極が画素状にパターニングされている点が異なる。具体的には、以下の通りである。
片面に4本のライン状にITO(表面抵抗300Ω/□)がスパッタされた1.1mm厚のガラス基板(コーニング社製,7059)を2枚用意した。これらのITO膜が成膜された側の面に液晶垂直配向膜(日産化学社製,商品名SE7511L)を乾燥膜厚が10nm厚となるようにスピンコート法によって塗布した。このうちの1枚の外面(ITOが成膜されていない側の面)に、カーボンブラック顔料を分散させたポリビニルアルコール水溶液を、スピンコート法によって乾燥膜厚が2μm厚となるように形成して、遮光層209とした。当該ガラス基板において、ガラス部分が図9における基板204に相当し、ITO膜が電極206に相当する。
ガラス基板のもう1枚については、ITO膜が成膜された側の面に10μm径の球状スペーサ(積水ファインケミカル社製SP210)を湿式散布した。なお、当該ガラス基板において、ガラス部分が図9における基板203に相当し、ITO膜が電極205に相当する。
このガラス基板(基板203)の前記球状スペーサが散布された側の面における周縁部に光学接着剤(ノーランド社製,商品名NOA65)をディスペンサで描画し、前記球状スペーサが散布された面に、上記もう一方のガラス基板(基板204)を、ITO膜(電極206)側の面が向かい合い、かつ両基板のITOラインパターンが直交するように貼り合わせて、前記光学接着剤により光学的に接着して空セルとした。
得られた空セルに、実施例と同様のオレンジのコレステリック液晶を毛管注入して、ITO膜(電極205,206)の間に表示層207を形成した。
以上のようにして、4×4の16画素からなる表示部を有する液晶表示媒体101を作製した。
なお、図9においては、電極206のみ4つのラインに分けられた態様で図示されているが、これと直交する電極205についても同様に4つのラインに分けられた状態になっている。
<駆動装置の作製>
参考実験に供する駆動装置202は、実施例に供した光アドレスタイプの駆動装置102に対し、光照射部218に調光部材が無く、異性化光光源218aからの異性化光、および、定着化光光源218bからの定着化光が、ともにべた照射である点と、電圧印加部217から電圧が印加される電極205,206のラインを選択するスイッチからなる画像選択部220を追加して、表示層207への電界の付与を画素ごとに選択できるように構成されている点とが異なる。
なお、図9においては、画像選択部220のスイッチは、電圧印加部217と電極206との間の導通に対してのみ配されているが、電圧印加部217から電極205への導通はライン毎の選択が可能になっている。実際の画像書き込みに際しては、電極205をライン毎に導通させ、それぞれの導通時に対応する電極206への導通が画像選択部220のスイッチによってライン毎に選択されることで、所定の画素への電界の付与が可能になっている。
駆動装置202の作製は、具体的には以下の通りである。
電圧印加部217として高圧電源装置(松定プレシジョン社製,HEOPT−1B60)を、画像選択部220としてPhoto MOSリレー(松下電器社製,AQV257型)をそれぞれ用い、これらを液晶表示媒体201の画素電極である電極205,206に接続した。
異性化光(書き込み光)を照射する異性化光光源218aとしてUV発光ダイオード(日亜化学工業社製,商品名NCSU033A型)を、定着化光(逆異性光)を照射する定着化光光源218bとしてブルー発光ダイオード(シチズン電子社製,商品名CL−191HB1型)をそれぞれ用い、液晶表示媒体201の表示面を照射できるように構成して、光照射部218とした。当該光照射部218により、ピーク波長365nmの紫外光(UV)の異性化光と、ピーク波長470nmの可視光(BLUE)の定着化光とを照射することができる。
制御回路216として、マルチチャンネルDAQボード(ナショナルインスツルメンツ社製6713型)、および制御ソフト(ナショナルインスツルメンツ社製LabVIEW)を用い、パーソナルコンピュータからの画像データに基づいて電圧印加部217、画像選択部220および光照射部218の動作を適宜制御できるように配線した。
なお、不図示ではあるが、液晶表示媒体201の表示面側(基板203側)の表面に、表示層207の表示画像の光反射率を測定するための積分球形分光計(コニカミノルタ社製、CM2002型)を取り付けた。
以上のようにして、参考実験に供する液晶表示媒体および駆動装置を含む駆動評価用システムを作製した。
得られた駆動評価用システムについて、実際に画像の書込みを行った。
まず、異性化光光源218aにより液晶表示媒体201表面に照射量300mJ/cm2の異性化光(UV)を照射した。全面が薄茶色の状態になった。
次に、電圧印加部217および画像選択部220により表示層207における特定の画素に電界が付与されるように制御しつつ、電極205,206間に42.5Vまたは35Vの電圧を0.2秒間印加した。すると、42.5Vの電圧を印加した画素は印加前とほぼ同じ薄茶色のままであり、35Vの電圧を印加した画素は暗い状態になった。
さらに、定着化光光源218bにより液晶表示媒体201全面に定着化光(BLUE)をベタ照射した。すると、35Vの電圧を印加した画素は変化せず暗い状態を維持し、42.5Vの電圧を印加した画素は明るいオレンジ色を呈して画像が表示された。
以上のようにして最終的に得られた画像は、メモリ性のあるプレーナとフォーカルコニックとで形成されているため、外光に晒された状態で数ヶ月経過しても変化(変色、画像のボケ・滲み等)しなかった。
これに対して、異性化光(UV)の照射を行わなかったこと以外は上記と同様にして、特定の画素に電界が付与されるように制御しつつ42.5Vの電圧を印加し、定着光を照射してみたところ、全面暗い状態であり、画像を書き込むことができなかった。
本発明の液晶表示媒体および駆動装置全体を含むシステムの例示的一態様を示す概略構成図である。 光異性化カイラル剤として代表的なカイラルアゾベンゼンの異性化反応を示す化学反応式である。 本発明の液晶表示媒体の駆動方法により推移するコレステリック液晶の状態を工程毎に示す工程説明図である。 実施例に供した液晶表示媒体および駆動装置を含む駆動評価用システムの概略構成図である。 実施例の検証試験の結果であって、異性化光の照射光量とその照射直後の反射スペクトルとの関係を示すグラフである。 実施例の検証試験の結果であって、図5のグラフにおける各曲線の異性化光の照射量を対数で横軸にプロットし、異性化光を照射しなかった場合のピーク波長に対してそれぞれの照射量における曲線のピーク波長の変化(増加量)を縦軸にプロットしたグラフである。 実施例の検証試験の結果であって、定着化光の照射量と逆異性化率との関係を表すグラフである。 実施例の検証試験の結果であって、異性化光を照射した場合と照射しなかった場合の液晶表示媒体について、その後に印加したパルス電圧の電圧値と反射率との関係を示すグラフである。 参考実験に供した液晶表示媒体および駆動装置を含む駆動評価用システムの概略構成図である。 コレステリック液晶の分子配向と光学特性の関係を示す模式説明図であり、(A)はプレーナ、(B)はフォーカルコニック、(C)ホメオトロピックの各状態におけるものである。 コレステリック液晶のスイッチング挙動を説明するためのグラフである。 従来からの一般的な表示媒体に対して、露光装置で画像の書き込みを行っている様子を模式的に表す模式図である。
符号の説明
1,101,201:液晶表示媒体、 2,102,202:駆動装置、 3,4,103,104,203,204:基板、 5,6,105,106,205,206:電極(電極層)、 7,107,207:表示層、 8:ラミネート層、 9,109,209:遮光層、 11:高分子マトリックス、 12:コレステリック液晶、 16,116,216:制御回路、 17,117,217 :電圧印加部(電圧印加手段)、 18,118,218:光照射部(光照射手段)、 19,119:接触端子、 118a,218a:異性化光光源、 118b,218b:定着化光光源、 118c:調光部材、 220:画像選択部

Claims (9)

  1. 一対の電極層の間に光導電層が配されず、コレステリック液晶および光異性化カイラル剤を含む表示層が少なくとも挟持され、前記コレステリック液晶の状態をプレーナおよびフォーカルコニックの間で選択的に制御して光の反射または透過が選択された像を形成する液晶表示媒体に対して、前記光異性化カイラル剤が異性化する光を像様に照射する書き込み工程と、
    書き込み工程において光が照射された部位の前記コレステリック液晶はフォーカルコニックからホメオトロピックへの状態変化のしきい値を超え、光が照射されなかった部位は該しきい値を超えない電圧を、前記液晶表示媒体における一対の電極層に印加する電圧印加工程と、
    書き込み工程において異性化した前記光異性化カイラル剤を逆異性化させるための操作を行う定着化工程と、
    が順次為されることを特徴とする液晶表示媒体の駆動方法。
  2. 前記液晶表示媒体の表示層に含まれる光異性化カイラル剤が、異性化に供し得る光と異なる波長の光を照射することで逆異性化するカイラル剤であり、
    前記定着化工程における操作が、書き込み工程において照射した光の波長と異なる前記波長の光を照射する操作であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示媒体の駆動方法。
  3. 少なくとも、一対の電極層の間に光導電層が配されず、コレステリック液晶および光異性化カイラル剤を含む表示層が少なくとも挟持され、前記コレステリック液晶の状態をプレーナおよびフォーカルコニックの間で選択的に制御して光の反射または透過が選択された像を形成する液晶表示媒体の前記一対の電極層に電圧を印加する電圧印加手段、前記液晶表示媒体に対して画像光を照射する光照射手段、および、異性化した前記光異性化カイラル剤を元に戻すための動作を為し得る定着化手段を含み、
    前記光照射手段によって、前記光異性化カイラル剤が異性化する光を像様に照射する書き込み動作と、
    書き込み動作において光が照射された部位の前記コレステリック液晶はフォーカルコニックからホメオトロピックへの状態変化のしきい値を超え、光が照射されなかった部位は該しきい値を超えない電圧を、前記電圧印加手段によって印加する電圧印加動作と、
    定着化手段によって、書き込み動作において異性化した前記光異性化カイラル剤を逆異性化させるための動作を行う定着化動作と、
    が順次為されるように構成されてなることを特徴とする液晶表示媒体の駆動装置。
  4. 前記液晶表示媒体の表示層に含まれる光異性化カイラル剤が、異性化に供し得る光と異なる波長の光を照射することで逆異性化するカイラル剤であり、
    定着化手段によって為される動作が、書き込み動作として照射した光の波長と異なる前記波長の光を照射する定着化動作であることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示媒体の駆動装置。
  5. 前記光照射手段が異なる波長の光を選択的に照射できるものであり、前記定着化手段を兼ねることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示媒体の駆動装置。
  6. 一対の電極層の間に、コレステリック液晶を含む表示層が少なくとも挟持され、前記コレステリック液晶の状態をプレーナおよびフォーカルコニックの間で選択的に制御して光の反射または透過が選択された像を形成する光書き込み型の液晶表示媒体であって、
    前記表示層に光異性化カイラル剤が含まれ、前記一対の電極層の間に光導電層が配されないことを特徴とする液晶表示媒体。
  7. 前記光異性化カイラル剤が、異性化に供し得る光と異なる波長の光を照射することで逆異性化するカイラル剤であることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示媒体。
  8. 前記光異性化カイラル剤が、その構造にアゾベンゼン類を含むことを特徴とする請求項6に記載の液晶表示媒体。
  9. 前記表示層が、高分子中に前記コレステリック液晶が分散されてなることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示媒体。
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