JP2009151212A - 表示媒体、及び書込装置 - Google Patents

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雅昭 荒木
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力 真鍋
Motohiko Sakamaki
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Abstract

【課題】高温環境下での保存による反射率の低下を抑制した表示媒体、及びそれを利用した書き込み装置を提供すること。
【解決手段】それぞれ電極16及び電極18を備えた基板12及び基板14間に、光導電層24と、光選択透過層22と、液晶層20と、を積層させて、表示媒体10を構成する。そして、着色層としての光選択透過層22を、脱イオン処理を施した材料により構成させる。また、当該光選択透過層22のイオン濃度を所定範囲にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示媒体、及び書込装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータの普及、インターネットを始めとする情報化社会の発達により、電子情報の一時的な閲覧を目的とする、いわゆる短寿命文書としての紙の消費は、益々増加する傾向にあり、森林資源保護などの地球環境保全や事務環境改善などの理由から、紙に代わる書き換え可能な表示媒体実現が望まれている。
そこで、例えば、無電源でのメモリ性を有し、且つ外部装置によって短時間で画像を書き換えることができる紙に代わる表示媒体として、コレステリック液晶と、電場下で光照射されることで内部光電効果による自由電子の移動が発生する光導電体と、を用いた表示媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−5210号公報
ところで、例えば、液晶等を利用した表示層と、光導電体を使用した光導電層と、を備える表示媒体では、表示層と光導電層との間に着色層を設けることがある。具体的には、例えば、着色層は、光導電層側から露光光を照射する場合、例えば、露光光と表示層側から入射する外部光とによる光導電層の誤動作や画質劣化を防止するための遮光層として設けられることがある。また、着色層は、表示層側から露光光を照射する場合、光導電層の劣化や誤動作を抑制するためであるが、表示層側から露光光が光導電層に到達しなければならないこととから、露光光のみを選択的に透過させる光選択透過層として設けられることがある。しかしながら、遮光層や光選択透過層等として機能する着色層を表示層に隣接して設けると高温環境下で保存した際、反射率の低下が生じることがある。
そこで、本発明の課題は、高温環境下での保存による反射率の低下を抑制した表示媒体、及びそれを利用した書き込み装置を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
一対の電極と、
前記一対の電極間に設けられ、前記一対の電極に印加された電圧により形成された電場下で露光光が照射されることにより該露光光の強度分布に応じた電気的特性分布を示す光導電層と、
前記一対の電極に印加された電圧による前記光導電層の電気的特性分布に応じて分布した分圧が印加され、該分圧に応じて光学的特性分布による画像が表示される表示層と、
前記光導電層と前記表示層との間に設けられる着色層と、
を備え、
前記着色層が、脱イオン処理を施した材料により構成されてなることを特徴とする表示媒体である。
請求項2に係る発明は、
前記着色層が、前記表示層に隣接して設けられることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項3に係る発明は、
一対の電極と、
前記一対の電極間に設けられ、前記一対の電極に印加された電圧により形成された電場下で露光光が照射されることにより該露光光の強度分布に応じた電気的特性分布を示す光導電層と、
前記一対の電極に印加された電圧による前記光導電層の電気的特性分布に応じて分布した分圧が印加され、該分圧に応じて光学的特性分布による画像が表示される表示層と、
前記光導電層と前記表示層との間に設けられる着色層と、
を備え、
前記光選択透過層のイオン濃度が、1.6×10−6(1.6E−6、単位:C/cm)以上2.5×10−4(2.5E−4、単位:C/cm)以下であることを特徴とする表示媒体である。
請求項4に係る発明は、
前記着色層が、前記表示層に隣接して設けられることを特徴とする請求項3に記載の表示媒体である。
請求項5に係る発明は、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示媒体に対し、前記一対の電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記電圧印加手段により電圧を印加された前記表示媒体の前記光導電層に画像データに応じた露光光を照射して書込みを行う書込手段と
を備えたことを特徴とする書込装置である。
本発明によれは、高温環境下での保存による反射率の低下を抑制した表示媒体、及びそれを利用した書き込み装置を提供することができる。
本発明の表示媒体、書込装置、及び書込方法の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、実施形態に係る表示媒体を示す概略構成図である。
実施形態の形態に係る表示媒体10は、図1に示すように、それぞれ電極16及び電極18を備えた基板12及び基板14間に、光導電層24と、光選択透過層22と、液晶層20と、が積層されて構成されている。また、基板14の外面(電極形成面とは反対の面)に遮光層23が設けられている。
なお、表示媒体10が、本発明の表示媒体に相当し、光導電層24が、本発明の表示媒体の光導電層に相当し、液晶層20が、本発明の表示媒体の表示層に相当し、光選択透過層22が、本発明の表示媒体の着色層に相当する。
基板12及び基板14各々は、絶縁性(体積抵抗で1012Ωcm以上、以下これに準ずる)を有している。また、基板12及び基板14の内の、表示媒体10に画像を書込むときに照射する光である露光光(詳細後述)26が照射される側又は表示媒体10に表示された画像を読み取るときに表示媒体10に入射される外部光30が入射される側に位置する基板、又は基板12及び基板14の双方は、透光性を有している。
なお、本実施形態において、透光性とは、波長380nm以上780nm以下の光の80%以上を透過する性質を示している。
また、本実施形態において、露光光26以外に表示媒体10に照射される光を、外部光30と称し、この外部光30の内、表示媒体10への露光光26の照射時に表示媒体10に入射される光を外光30Aと称し、表示媒体10に書込まれた画像を読み取るときに表示媒体10に入射される光を読出光30Bと称して説明する。
基板12及び基板14は、ガラス及びシリコン等の無機シート、又はポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、及びポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムを用いて構成することができる。基板12及び基板14の厚みは、0.01mm以上0.5mm以下の範囲内であることが好ましい。
電極16及び電極18は、導電性(シート抵抗(表面抵抗)で500Ω/□ 以下、これに準ずる)を有している。また、電極16及び電極18の内の、露光光26が照射される側又は読出光30Bが入射される側に位置する基板、又は基板12及び基板14の双方は、透光性を有している。
電極16及び電極18には、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いることができる。なお、本実施形態では、電極16及び電極18にITOを用いる場合を説明するが、ITO以外にも、Auなどの金属膜、SnO、ZnOなど酸化物、ポリピロールなどの導電性高分子の膜などの電気導電体を用いることができる。また、本実施形態の一対の電極16及び電極18は、基板12及び基板14上にスパッタリングされて形成されているが、必ずしもスパッタリングによる必要はなく、印刷、CVD、蒸着などにより形成することもできる。
電極16及び電極18の形態及び駆動方式としては、本実施形態においては両電極共に表示領域に共通の電極とし、駆動方式は特開2003−140184号公報と特開2000−111942号公報とに記載の駆動方式を用いて駆動させている。しかし、基板12側の電極16と基板14側の電極18の一方を表示媒体10に表示する画像の各画素に共通の電極とし、他方を各画素に個別の電極とするセグメント駆動方式、電極16と電極18とを互いに交差する方向に各々ストライプ状に形成して、互いに対峙する位置を1つの画素に対応する領域とする単純マトリクス駆動方式、電極16及び電極18の一方を各画素に共通の電極とし、他方を互いに交差するストライプ状の走査電極及び信号電極から構成されるものとして、これにTFTやMIN等の能動素子を設けるアクティブマトリックス駆動方式等であってもよい。
光導電層24は、所定の波長の光を吸収すると共に、電場下でこの所定の波長の光を照射されると内部光電効果による自由電子の移動が発生し、光の強度に応じて抵抗値が小さくなる。露光光26としては、この光導電層24が光吸収感度を有する波長領域の光が、露光光26として定められる。
光導電層24としては、(a)無機半導体材料として、アモルファス・シリコンや、ZnSe、CdSなどの化合物半導体から構成される層、(b)有機半導体材料として、アントラセン、ポリビニルカルバゾールなどから構成される層、(c)光照射によって電荷を発生する電荷発生材料及び電界によって電荷移動を生ずる電荷輸送材料の混合物や積層体から構成される層などが挙げられる。
ここで、光導電層24は、上述のように、内部光電効果を有し、照射された光の強度に応じて抵抗値が変化することから、交流駆動が可能であり、且つ照射された光に対して対象駆動することが好ましく、この観点から、電荷輸送層(CTL)24Bを上下から挟むように一対の電荷発生層(CGL)24A及び電荷発生層24Cが積層された3層構造であることが好ましい。
電荷発生層24A及び電荷発生層24Cは、露光光26を吸収して自由電子を発生させる機能を有する層である。電荷発生層24A及び電荷発生層24Cとしては、露光光26を吸収して励起子を発生させ、電荷発生層24A及び電荷発生層24Cの内部、又は電荷輸送層24Bとの界面で自由電子に効率良く分離させられるものが好ましい。
電荷発生層24A及び電荷発生層24C各々を構成する電荷発生材料としては、例えば、ペリレン系、フタロシアニン系、ビスアゾ系、ジチオピトケロピロール系、スクワリリウム系、アズレニウム系、チアピリリウム・ポリカーボネート系化合物などが挙げられる。
露光光26は、光導電層24の光吸収感度に応じた波長領域の光であることから、外部光30の波長領域内の光吸収感度を光導電層24が有すると、露光光26による液晶層20への画像書込みに影響を及ぼす場合がある。
このため、光導電層24は、外部光30とは異なる波長領域の光に光吸収感度を有する材料を用いる事が好ましく、外部光30の有する波長以外の光として、赤外光の波長領域について光吸収感度を有する材料を用いる事が好ましい。なお、露光光26としても、画像書込みにおける明暗差の低下を抑制する観点から、赤外光の波長領域の光が用いられることが好ましい。
上記電荷発生層24A及び電荷発生層24C各々を構成する電荷発生材料として挙げた材料のうち、外部光30の有する波長以外の光として、赤外光の波長領域について光吸収感度を有する材料として、600nm以上850nm以下に優れた光感度を有する点でフタロシアニン系化合物を用いる事が好ましい。
フタロシアニン系化合物としては、例えば、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン、及びそれらのダイマ−などが挙げられる。
金属フタロシアニンの中心金属としては、例えば、Cu、Ni、Zn、Co、Fe、V、Si、Al、Sn、Ge、Ti、In、Ga、Mg、Pb等が挙げられる。また、これら中心金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、アルキル化物、アルコキシ化物等も使用できる。具体的には、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、1,2−ジ(オキソガリウムフタロシアニニル)エタン、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ジクロロ錫フタロシアニン、銅フタロシアニンなどが挙げられる。また、これらのフタロシアニン環に置換基を含むものも使用することができる。更にまた、これらのフタロシアニン環中の炭素原子が窒素原子で置換されたものも有効である。これらフタロシアニン系化合物の形態としては、アルモルファス又は公知の総ての結晶多形のものが使用可能である。これらフタロシアニン系化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらフタロシアニン系化合物の中でも、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、1,2−ジ(オキソガリウムフタロシアニニル)エタン、無金属フタロシアニン、バナジルフタロシアニン、及びジクロロ錫フタロシアニンは、特に優れた光感度を有している点で特に好ましい。
更にこれらのフタロシアニン系化合物は、以下に示す結晶形にて用いることが好ましい。即ち、無金属フタロシアニンにおいてはX型が、バナジルフタロシアニンにおいてはα型が、それぞれ好ましい。チタニルフタロシアニンにおいては、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角度(2θ±0.2゜)が、9.2 °、13.1°、20.7°、26.2°及び27.1°に強い回折ピークを有するもの、少なくとも7.6°、12.3°、16.3°、25.3°及び28.7°に強い回折ピークを有するもの、並びに、少なくとも9.5°、11.7°、15.0°、23.5°及び27.3°に強い回折ピークを有するものなどが挙げられる。クロロガリウムフタロシアニンにおいては、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角度(2θ±0.2゜)が、13.4°及び27.0°に強い回折ピークを有するもの、並びに、少なくとも7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に強い回折ピークを有するものなどが挙げられる。ヒドロキシガリウムフタロシアニンにおいては、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角度(2θ±0.2゜)が、7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強い回折ピークを有するものなどが挙げられる。1,2−ジ(オキソガリウムフタロシアニニル)エタンにおいては、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角度(2θ±0.2゜)が、6.9°、13.0°、15.9°、25.6°及び26.1°に強い回折ピークを有するものなどが挙げられる。ジクロロ錫フタロシアニン結晶においては、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角度(2θ±0.2゜)が、8.3°、13.7°及び28.3°に強い回折ピークを有するもの、少なくとも8.5°、11.2°、14.5°及び27.2°に強い回折ピークを有するもの、並びに、少なくとも9.2°、12.2°、13.4°、14.6°、17.0°及び25.3°に強い回折ピークを有するものなどが挙げられる。
電荷輸送層24Bを構成する電荷輸送材料としては、例えば、トリニトロフルオレン系、ポリビニルカルバゾール系、オキサジアゾール系、ピラリゾン系、ヒドラゾン系、スチルベン系、トリフェニルアミン系、トリフェニルメタン系、ジアミン系化合物や、LiClOを添加したポリビニルアルコ−ルやポリエチレンオキシド等が、また電荷発生材と電荷輸送材との複合体として、積層体、混合物、マイクロカプセルなど、を利用することができる。
なお、光導電層24の層厚は1μm以上100μm以下の範囲で用い、露光光26照射時と露光光26非照射時の抵抗比は大きい方が望ましい。
液晶層20は、電場によって入射光のうち特定の色光の反射・透過状態を変調する機能を有し、選択した状態が無電場で保持できる性質の層である。曲げや圧力などの外力に対して変形しない構造であることが望ましい。
液晶層20には、カイラルネマチック液晶(コレステリック液晶)をゼラチンバインダー(高分子マトリックス)中に分散させたPDLC(Polymer Network Liquid Crystal)構造を用いることができる。なお、本実施形態では、液晶層20がPDLC構造を採用する場合を説明するが、この構造に限ることなく、コレステリック液晶を、リブを介し電極間距離を固定したセルに配置する方式やカプセル液晶化することにより実現してもよい。また、液晶もコレステリック液晶に限ることなく、スメクチックA液晶、ネマチック液晶、ディスコティック液晶などが利用できる。
液晶層20の反射波長域(表示色波長域)は、例えば液晶としてコレステリック液晶を用いる場合には、該コレステリック液晶の螺旋ピッチにより調整することができる。コレステリック液晶の螺旋ピッチは、ネマチック液晶に対するカイラル剤の添加量で調整することができる。また、コレステリック液晶の螺旋ピッチの温度依存性を補償するために、捩じれ方向が異なる、又は逆の温度依存性を示す複数のカイラル剤を添加する公知の手法を用いてもよい。
なお、液晶の光学的特性変化を補助する補助部材として、偏光板、位相差板、反射板などの受動光学部品と併用したり、液晶中に2色性色素を添加したりしてもよい。
なお、液晶層20の層厚は通常1μm以上50μm以下の範囲として用いることが望ましい。
液晶層20に含まれる液晶材料としては、シアノビフェニル系、フェニルシクロヘキシル系、フェニルベンゾエート系、シクロヘキシルベンゾエート系、アゾメチン系、アゾベンゼン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサン系、スチルベン系、トラン系など公知の液晶組成物が利用できる。液晶材料には2色性色素などの色素、粒子などの添加剤を加えてもよく、高分子マトリクス中に分散したものや、高分子ゲル化したものや、マイクロカプセル化したものでもよい。また、液晶は高分子、中分子、低分子のいずれでもよく、またこれらの混合物でもよい。
電極16及び電極18に電圧が印加されると共に、露光光26が照射されると、照射された露光光26の光量に応じて光導電層24の電気特性分布としての抵抗分布が変化する。この光導電層24の電気抵抗分布の変化によって、結果として液晶層20に印加される電圧も露光光26の光量に応じて変化し、液晶層20に含まれる液晶の配向が変化して光学的特性分布が変化する。この変化によって、露光光26に応じた画像が液晶層20に書込まれる。この液晶層20に書込まれた画像は、読出光30Bの液晶層20による反射光として視認される。
光選択透過層22は、露光光26の波長領域の光を透過する層である。即ち、光選択透過層22は、例えば、外光30Aや読出光30B等の露光光26以外の外部光30を反射又は吸収すると共に露光光26の波長の光のみを透過、又は露光光26の波長領域を除いた波長領域の光を吸収又は反射する層である。
なお、本実施形態において、「光を吸収する」とは、入射光の光強度が吸収後10%以下となることを意味し、「光を透過する」とは、入射光の光強度が透過後50%以上、好ましくは80%以上であることを意味している。
光選択透過層22は、表示媒体10の、光導電層24より露光光26の照射方向上流側であって、液晶層20より露光光26の照射方向下流側に設けられている。具体的には。光選択透過層22は、光導電層24と液晶層20とに挟まれて、当該液晶層20に隣接して設けられている。
このため、露光光26が照射されると、露光光26の波長領域の光のみが光選択透過層22を透過して光導電層24に到達し、露光光26の波長領域以外の波長領域の外部光30は、光選択透過層22において吸収又は反射されて、光導電層24に到達することを抑制される。
光選択透過層22の電気抵抗は、光選択透過層22内の電流によって解像度の低下を引き起こさないように、少なくとも体積抵抗率で10Ω・cm以上とすることが望ましい。さらに、液晶層20に加わる分圧の変化分を大きくするためには、光選択透過層22の静電容量が大きい程よいので、誘電率が大きく層厚ができる限り薄く形成されることが好ましい。
光選択透過層22に必要な光学濃度は、光導電層24の光吸収感度と読出光30Bの強度に依存するため一概に規定できないが、読出光30Bによる画像読み出し時に、読み出し時に視認される方向とは反対側(図1における下側)からの透過光により視認性が低下するのを防止するために、少なくとも1以上、特に2以上が望ましい。特に400〜700nmの波長域の光学濃度を高くすると視認性の低下を防止する効果が強い。
光選択透過層22としては、例えば色材をバインダー樹脂に分散した材料を用いて形成され、少なくとも上記特性を有すように構成する。
色材としては、例えば、カドミウム系、クロム系、コバルト系、マンガン系、カーボン系などの無機顔料、又はアゾ系、アントラキノン系、インジゴ系、トリフェニルメタン系、ニトロ系、フタロシアニン系、ペリレン系、ピロロピロール系、キナクリドン系、多環キノン系、スクエアリウム系、アズレニウム系、シアニン系、ピリリウム系、アントロン系、等の有機染料や有機顔料が挙げられる。
バインダー樹脂としては、水溶性樹脂を用いることが好ましく、具体的にはカルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、水酸基、ポリエチレングリコール骨格、アミド基、メチロールアミン基などの親水基を有する樹脂で、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキシド、アクリルアミド、アルキド樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などが利用できる。グリオキザールやポリイソシアナートなどの架橋剤を添加してもよい。ただし、液晶中に不純物を溶出させないという観点から、これらの材料は非イオン性を有するものであることが好ましい。
ここで、光導電層24として赤外光の波長領域について光吸収感度を有する材料を用い且つ露光光26として赤外光の波長領域の光を用いる場合、光選択透過層22についても、可視光領域の少なくとも一部の光を吸収又は反射、又は可視光以外(即ち赤外光)の波長領域の光のみを透過するように構成することが好ましい。このような特性を持たせるためには、例えば、光選択透過層22を、赤色色材(赤色顔料、赤色染料)や黒色ペリレン系顔料を含んだ構成とすることがよい。
特に、黒色ペリレン系顔料は、赤外領域の光を透過すると共に、可視光領域の光を吸収する特性を有している。光選択透過層22を構成する材料に含まれるこの黒色ペリレン系顔料含有量は、上記特性を満たすために、5〜50質量%であることが必須であり、15〜35質量%であることが好ましい。黒色ペリレン系顔料としては、具体的には、ペリレンテトラカルボン酸のジイミド誘導体、ペリレンジイミノジカルボン酸のジイミド誘導体、ペリレンテトラカルボン酸の酸無水物を挙げることができる。
そして、上記構成の光選択透過層22は、上記材料に対し脱イオン処理を施した後、当該材料を用いて形成される。この脱イオン処理により、光選択透過層22形成材料に含まれる不純物イオンを除去する。この脱イオン処理は、例えば、イオン交換樹脂を利用した手法、逆浸透膜を利用した手法、電気析出を利用した手法、限外濾過を利用した手法、 など公知の手法が採用される。脱イオンの効果については、脱イオン前と後で比較すれば明らかであるが、例えばPVAでは脱イオン無しでは残留している酢酸ナトリウムより300μS/cmから400μS/cmの導電率になるが、脱イオンにより100μS/cm以下にすることができるため、容易に効果が確認できる。また、着色膜を水に溶解することにより導電率を計って効果を確認することもできる。
また、脱イオン処理を施した材料により形成された光選択透過層22は、イオン濃度が1.6×10−6(1.6E−6、単位:C/cm)以上2.5×10−4(2.5E−4、単位:C/cm)以下であることが望ましく、より望ましくは1.6×10−6(1.6E−6、単位:C/cm)以上1.1×10−4(1.1E−4、単位:C/cm)であり、さらに望ましくは1.6×10−6(1.6E−6、単位:C/cm)以上5.0×10−5(5.0E−5、単位:C/cm)である。
このイオン濃度は次のように測定される値である。イオン濃度はインピーダンス測定において0.1Hzから1Hzでの誘電緩和をしらべた。すなわち、容量の周波数成分にたいする依存性に対し、10Hzから1000Hzの領域のプラトーな領域たいし、0.1Hzの容量の増分と印加電圧から容量を算出し、これを単位体積あたりに直して評価した。ここでは、イオン濃度を電荷濃度として扱っている。本実施形態の現象はイオンの種類ではなく電荷量であるため、この評価法で問題ない。着色層のイオン濃度について、着色層単層が得られる場合、ITO基板上に着色層を積層し、その上に電極を作製しした後、インピーダンス測定から前述と同様に、イオン分を算出する。また、表示層上に着色膜を作製する場合、そのインピーダンスを測定後、着色層を剥離し、表示層インピーダンスを測定した上で、積層、それ以外の層のイオン濃度を算出し、着色層のイオン濃度を算出するか、あらかじめ表示単層のインピーダンスを測定してから、着色層のイオン密度を測定する。 また、もちろん、水溶液の導電率を測定し、イオン濃度と対応することもできる。同一粘度に調整したインクを用いて、インピーダンスから測定したイオン濃度と導電率は対応するため、導電率から導き出すこともできる。
光選択透過層22の層厚は、0.5μm以上3.0μm以下の範囲とすることが好ましく、0.7μm2.0μm以下の範囲とすることがより好ましい。
遮光層23としては、光導電層24側から入射する外部光30を遮蔽する機能を持つ層である。遮光層23としては、例えば、可視波長域全域(400nm以上700nm)を吸収又は反射し、望ましくは光吸収感度を有する材料を用い且つ露光光26として赤外光の波長領域の光を用いる場合は、当該赤外光を吸収又は反射する層であることがよい。遮光層23としては、例えば、黒色の色材(例えば、カーボンブラックやアニリンブラックなどの黒色顔料や黒色染料を含む塗料や、酸化クロムなどの無機材料)を用いて形成される。遮光層23は、例えば、電極18や基板14と兼ねてもよい。
なお、本実施形態に係る表示媒体10には、図示しないが、液晶層20を有する素子と光導電層24を有する素子とを接着したり、隔離する目的で、例えば、光選択透過層22と光導電層24との間、又は光選択透過層22と液晶層20と間には、接着層(ラミネート層)や隔離層(PVA(ポリビニルアルコール)樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンオキシド、ポリエーテルスルホン(PES)等からなる隔離層)を設けてもよい。また、任意の層や基板外面に、例えば、アンチカール層、紫外線吸収層等を形成してもよい。
次に、上記表示媒体10に画像を書込む書込装置について説明する。
図2に示すように、書込装置32は、光照射部34、出力部42、制御部36、メモリ38、電圧印加部40、操作部44、及び通信部47を含んで構成されている。
光照射部34、出力部42、メモリ38、電圧印加部40、操作部44、及び通信部47は、制御部36に信号授受可能に接続されている。
制御部36は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を含むマイクロコンピュータとして構成されており、書込装置32内の各装置各部を制御する。
電圧印加部40は、表示媒体10の電極16及び電極18に電圧を印加する。書込装置32には、表示媒体10を装着するためのスロット(図示せず)が設けられており、このスロットに表示媒体10が装着されると、表示媒体10の電極16及び電極18が、図示しない電気的接続部を介して電圧印加部40に電気的に接続されるように構成されている。また、表示媒体10がスロットに装着されると、光照射部34は、表示媒体10の基板12側から基板14側へ向かって露光光26を照射可能な状態となる。
電圧印加部40は、制御部36から入力された信号に基づいた電圧を、表示媒体10の電極16及び電極18に印加可能に構成されていればよいが、高速表示の観点から、AC出力が可能であり且つ高いスルーレートを有することが好ましい。電圧印加部40としては、例えば、バイポーラ高電圧アンプなどを用いることができる。
光照射部34は、上記露光光26を表示媒体10の光導電層24に照射するための複数の光源35〜光源35を含んで構成されている。光源35〜光源35は、例えば、表示媒体10の光導電層24に画像が表示されたときの該画像の各画素に対応して設けられている。
制御部36の制御によって表示媒体10に記録する画像を構成する各画素に対応する位置の各光源35〜光源35各々の点灯又は非点灯、及び光量が制御されることで、光照射部34から表示媒体10の光導電層24へ画像データに応じた露光光26が照射される。
光源35〜光源35各々は、上記露光光26を照射するための露光光源35Aと、可視光27を照射するための可視光光源35Bと、を含んで構成されている。各光源35〜光源35に含まれる一対の露光光源35Aと可視光光源35Bとは、各光源35〜光源35毎に、表示媒体10の光導電層24の略同じ領域、すなわち略同じ画素に対応する領域へ光を照射可能に配置されている。このため、表示媒体10への画像書込み時には、可視光領域外の露光光26とともに可視光領域内の可視光27が、光源35〜光源35毎に表示媒体10に照射される。
光照射部34としては、上記構成を満たせばよく、LEDアレイ、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等の自発光素子や、液晶シャッターなどの変調素子と蛍光管、キセノンランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプ、LEDランプ、等の光源との組み合わせなどの、液晶プロジェクター、DLPプロジェクター、等でもよく、特に限定されるものではない。
なお、本実施形態では、表示媒体10が書込装置32に装着された状態において、光照射部34は、表示媒体10の露光光26照射側の表面の一部を覆うように設けられるように示しているが、実際には、光照射部34は、表示媒体10の露光光26照射側の表面の全面を覆うように設けられており、表示媒体10の露光光26照射側の表面の全領域に渡って露光光26を照射可能に設けられている。
出力部42は、各種情報を書込装置32の外部へ提示するための装置であって、CRTディスプレイ、ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等の各種表示装置や、スピーカー等の音声発生装置等を用いることができる。
メモリ38は、処理ルーチンや各種データを予め記憶するとともに、表示媒体10に書込む画像の画像データや、各種データを記憶するための記憶装置である。また、メモリ38は、表示媒体10に画像を書込むときに必要な明暗の差(コントラスト)の閾値を示すコントラスト閾値情報を予め記憶している。
このコントラスト閾値情報としては、予め表示媒体10毎に測定し、表示媒体10に画像を表示したときの明暗の差が良好に視認される程度となる閾値を予め測定してメモリ38に記憶すればよい。この明暗の差とは、表示媒体10に露光光26が照射された領域と、照射されない領域と、の明るさの差を示している。
操作部44は、各種情報を入力するときにユーザによって操作指示され、一例には、キーボードやタッチパネル等が挙げられる。通信部47は、外部装置と有線又は無線により信号授受を行うための通信ポートである。外部装置としては、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。
次に、表示媒体10への画像書込み処理について説明する。なお、画像書込み処理前に、表示媒体10に書込む画像の画像データが通信部47を介して入力されて、制御部36の制御によってメモリ38に予め記憶されているものとして説明する。
まず、メモリ38に記憶されている画像データの画像を表示媒体10に書込むために、電極16及び電極18に電圧を印加することを示す電圧印加指示信号を電圧印加部40へ出力する。この電圧印加指示信号は、例えば、画像データに応じて、表示媒体10に画像を表示したときの各画素に対応する位置に、液晶層20内の液晶の配向を変化させて視認可能となるように予め定めた電圧値の電圧を印加することを示す信号であり、上記画像データに応じて作成する。
次に、電極16及び電極18に画像データに応じた電圧が印加し、メモリ38に記憶されている画像データに応じた駆動信号を光照射部34の光源35〜光源35毎に作成し、光照射部34の各光源35〜光源35へ出力する。
次に、光照射部34の各光源35〜光源35から、可視光27とメモリ38に記憶されている画像データに応じた露光光26とが表示媒体10へ照射する。
このとき、光照射部34から照射された可視光27及び露光光26と、書込み時に表示媒体10に入射される外光30Aと、のうち、可視光27及び外光30Aは、光選択透過層22によって反射又は吸収され、露光光26のみが光選択透過層22を透過して光導電層24へ到る。
電極16及び電極18に電圧が印加された状態で、露光光26が光導電層24に照射されると、照射された露光光26の光量に応じて光導電層24の電気特性分布としての抵抗分布が変化する。この光導電層24の電気抵抗分布の変化によって、結果として液晶層20に印加される電圧も露光光26の光量に応じて変化し、液晶層20に含まれる液晶の配向が変化して光学的特性分布が変化する。この変化によって、露光光26に応じた画像が液晶層20に書込まれる。この液晶層20に書込まれた画像は、読出光30B等の外光の液晶層20による反射光として視認され、表示媒体10に画像が書込まれ、表示される。
以上説明した本実施形態では、光選択透過層22を光導電層24と液晶層20との間に設けることで、液晶層20側から露光光を照射する露光光26以外の光が光導電層24へ到達し難い構成となっている。なお、本実施形態では、遮光層23を基板14の外面に設けていることから、黒色樹脂溶液(BKR105、日本化薬社製)を、光導電層側基板の下面側に塗布し、乾燥させて、遮光層を形成した。
そして、このような光選択透過層22が設けられても、高温環境下で保存した際、反射率(特に白反射率)の低下が抑制される。これは、次の理由によるものと推測される。光選択透過層22を構成する材料に対し、脱イオン処理を施すことで、光選択透過層22に含まれるイオン濃度が低減される。イオン濃度が低減されることで、1)層の容量特性が例えば周波数0.1以上1000Hzの範囲で緩和が抑制され、層からのイオンの拡散が低減されることから、隣接する液晶層20の汚染も抑制される。このため、光選択透過層22に含まれるイオンに起因する液晶層20に対する表示特性に影響が抑制され、高温環境下で保存した際、反射率の低下が抑制されると考えられる。さらに、着色層のイオンが電荷発生層のCGLに達すると、電荷発生層内部にイオンがしてしまう結果、電界が印加されても、電荷発生部には適切な電界が印加されないため、最悪、光電荷の発生が無くなり、結果として反射率の低下などを引き起こすと考えられる。
特に、光選択透過層22が液晶層20と隣接して設けられると、上記光選択透過層22に含まれるイオンに起因する液晶層20に対する表示特性に影響が大きいことから、上記反射率の低減効果が高くなる。
なお、本実施形態では、液晶層20側から露光光26を照射し、着色層として光選択透過層22を適用した形態を説明したが、これに限られず、光導電層24側から露光光26を照射し、着色層として、例えば、露光光と液晶層20側から入射する外部光とによる光導電層の誤動作や画質劣化を防止するための遮光層を適用した形態であってもよい。この形態での遮光層は、露光光26と液晶層20側から入射する外部光を光学分離し、相互干渉による誤動作を防ぐとともに、表示時に表示媒体の非表示面側から入射する外部光30と表示画像を光学分離し、画質の劣化を防ぐ目的で設けられる層である。このため、この遮光層には、少なくとも光導電層24の吸収波長域の光、及び液晶層20の反射波長域の光を吸収する機能を持つことがよい。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
市販のITO蒸着PET樹脂フィルムを基板14及び電極18とし、この樹脂フィルムの電極形成面とは反対の面に、黒色樹脂溶液(BKR105、日本化薬社製)を塗布して乾燥し、遮光層23を形成した。
このITO蒸着PET樹脂フィルムの電極形成面上に、電荷発生層24C、電荷輸送層24B、及び電荷発生層24Aの3層構造の光導電層24を形成した。まず、フタロシアニン顔料系電荷発生材料を分散したポリビニルブチラール樹脂のアルコール溶液をスピンコートして0.1μm厚の電荷発生層24Cを形成し、つぎにジアミン系電荷輸送材料とポリカーボネート樹脂のクロロベンゼン溶液をアプリケータでコートして8μm厚の電荷輸送層24Bを形成し、最後に再度、フタロシアニン顔料系電荷発生材料を分散したポリビニルブチラール樹脂のアルコール溶液をスピンコートして0.1μm厚の電荷発生層24Aを形成して光導電層24を得た。得られた光導電層24は、赤外領域(波長600〜850nmに光感度を有していた。
一方、市販のITO蒸着PET樹脂フィルムを基板12及び電極16とし、その上にコレステリック液晶マイクロカプセル塗料を30μm厚に塗布して液晶層20とした。ここで、上記コレステリック液晶マイクロカプセル塗料は以下のようにして得た。まず、ネマチック液晶E44(メルク社製)にカイラル剤R1011(メルク社製)とカイラル剤R811(メルク社製)を適量添加して選択反射のピーク波長が550nmになるようにコレステリック液晶を調製した。これにポリイソシアネート化合物タケネートD−110N(武田薬品工業社製)と酢酸エチルを加えて油相組成物を調製し、これを1%ポリビニルアルコール水溶液中に投入し、撹拌・乳化して10μm径のo/w型エマルジョンを調製した。これを60℃で3時間加熱してポリウレタンを壁材とするマイクロカプセルを得た。マイクロカプセルを遠沈回収後、ポリビニルアルコール水溶液を加えてマイクロカプセル塗料とした。
次に、この樹脂フィルムの液晶層20上に以下のようにして光選択透過層22を形成した。まず、水溶性(溶媒)中にポリビニルアルコール樹脂を溶解した樹脂溶液中に、ジケトピロロピロール顔料(顔料:チバスペシャルティケミカルズ社製「商品名クロモフタル」)を50重量%分散した材料を準備した。これをイオン交換樹脂(三菱化学社製「商品名ダイヤイオン」)を用いて脱イオン処理を施した(条件:カチオン PK216H、アニオン WA30)。この脱イオン処理済みの材料を、2μm厚にアプリケータで塗布して乾燥させ、光選択透過層22を形成した。この光選択透過層22のイオン濃度は、3.2×10−5(3.2E−5、単位C/cm)であった。また、光選択透過層22は、波長400nm以上700nm以下で光学濃度1.0以上の吸収を示した。
また、光選択透過層22の容量特性として相対容量と周波数との関係を調べたところ、図3に示すような結果が得られた。この結果から、周波数0.1Hz以上1000Hzの範囲で緩和が生じていないことがわかった。
なお、容量特性は次のように調べた。すなわち、測定用に、ITO蒸着PETフィルム上に液晶を塗布し、更にその上に光選択透過層22を積層した後、その上に、ラミ剤を塗布したITO蒸着PETフィルムを貼りあわせ、そのインピーダンスをソーラトロン製1261で測定し、容量成分を評価した。
そして、ITO蒸着PET樹脂フィルム上の表示層上に形成した光選択透過層22上に接着剤を塗布して、このITO蒸着PET樹脂フィルムと上記光導電層24を形成したITO蒸着PET樹脂フィルムとを当該光選択透過層22と当該光導電層24が接するように向かい合わせて接触させた状態で、ラミネーターを通して貼り合わせることにより、表示媒体を作製した。
この表示媒体を、70℃に加熱した後、書き込み電圧を印加するとともに光照射をして白書き込みを行ない、白表示したときの反射率をミノルタ製CM−3600dを用いて測定し、経時での加熱初期(イニシャル)に対する反射率変化(つまり、反射率変化率)を求めたところ、図4に示す結果が得られた。この結果から、加熱時間が長くても反射率の変化が抑制されていることがわかる。
(比較例1)
実施例1において、脱イオン処理を施さない材料を用いて光選択透過層22を形成した以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製した。なお、この光選択透過層22のイオン濃度は、5×10−4(5E−4、単位C/cm)であった。また、光選択透過層22の容量特性として相対容量と周波数との関係を調べたところ、図3に示すような結果が得られた。この結果から、数は数0.1Hz以上1Hzで急激な緩和が生じることがわかった。
そして、得られた表示媒体を、実施例1と同様にして、70℃加熱の経時での加熱初期に対する反射率変化(つまり、反射率変化率)を求めたところ、図4に示す結果が得られた。この結果から、加熱時間に応じて反射率の変化が大きく生じていることがわかる。
(実施例2乃至3)
実施例1において、光選択透過層22を形成時の条件を下記表1に従って変更した以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製した。そして、得られた表示媒体を、実施例1と同様に70℃加熱の経時での加熱初期に対する反射率変化(つまり、反射率変化率)を求め。この70度加熱時間が50hrの時の反射率変化率の結果を表1に示す。
第1実施形態の表示媒体の一例を示す構成図である。 第1実施形態の表示媒体及び書込装置の一例を示す構成図である。 実施例1及び比較例1における光選択透過層の容量特性としての相対容量と周波数との関係を示すグラフである。 実施例1及び比較例1で作製した表示媒体における70℃加熱の経時での加熱初期に対する反射率変化を示すグラフである。
符号の説明
10 表示媒体
12、14 基板
16、18 電極
20 液晶層
22 光選択透過層
23 遮光層
24 光導電層
24A 電荷発生層
24B 電荷輸送層
24C 電荷発生層
26 露光光
27 可視光
30A 外光
30 外部光
30B 読出光
32 書込装置
34 光照射部
35〜35 光源
35A 露光光源
35B 可視光光源
36 制御部
38 メモリ
40 電圧印加部
42 出力部
44 操作部
47 通信部

Claims (5)

  1. 一対の電極と、
    前記一対の電極間に設けられ、前記一対の電極に印加された電圧により形成された電場下で露光光が照射されることにより該露光光の強度分布に応じた電気的特性分布を示す光導電層と、
    前記一対の電極に印加された電圧による前記光導電層の電気的特性分布に応じて分布した分圧が印加され、該分圧に応じて光学的特性分布による画像が表示される表示層と、
    前記光導電層と前記表示層との間に設けられる着色層と、
    を備え、
    前記着色層が、脱イオン処理を施した材料により構成されてなることを特徴とする表示媒体。
  2. 前記着色層が、前記表示層に隣接して設けられることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  3. 一対の電極と、
    前記一対の電極間に設けられ、前記一対の電極に印加された電圧により形成された電場下で露光光が照射されることにより該露光光の強度分布に応じた電気的特性分布を示す光導電層と、
    前記一対の電極に印加された電圧による前記光導電層の電気的特性分布に応じて分布した分圧が印加され、該分圧に応じて光学的特性分布による画像が表示される表示層と、
    前記光導電層と前記表示層との間に設けられる着色層と、
    を備え、
    前記光選択透過層のイオン濃度が、1.6×10−6(1.6E−6、単位:C/cm)以上2.5×10−4(2.5E−4、単位:C/cm)以下であることを特徴とする表示媒体。
  4. 前記着色層が、前記表示層に隣接して設けられることを特徴とする請求項3に記載の表示媒体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示媒体に対し、前記一対の電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記電圧印加手段により電圧を印加された前記表示媒体の前記光導電層に画像データに応じた露光光を照射して書込みを行う書込手段と
    を備えたことを特徴とする書込装置。
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