JP2007101908A - 光変調素子 - Google Patents

光変調素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2007101908A
JP2007101908A JP2005291894A JP2005291894A JP2007101908A JP 2007101908 A JP2007101908 A JP 2007101908A JP 2005291894 A JP2005291894 A JP 2005291894A JP 2005291894 A JP2005291894 A JP 2005291894A JP 2007101908 A JP2007101908 A JP 2007101908A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
liquid crystal
layer
modulation element
shielding layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005291894A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Gomyo
誠 五明
Haruo Harada
陽雄 原田
Taisuke Okano
泰典 岡野
Daiki Gan
大樹 鳫
Hiroshi Arisawa
宏 有沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2005291894A priority Critical patent/JP2007101908A/ja
Priority to US11/448,064 priority patent/US20070076135A1/en
Publication of JP2007101908A publication Critical patent/JP2007101908A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/135Liquid crystal cells structurally associated with a photoconducting or a ferro-electric layer, the properties of which can be optically or electrically varied
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/135Liquid crystal cells structurally associated with a photoconducting or a ferro-electric layer, the properties of which can be optically or electrically varied
    • G02F1/1351Light-absorbing or blocking layers

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

【課題】 遮光層中の樹脂塗料成分などが液晶中に溶出することにより、液晶層の挙動が不安定になるのを回避した安定性に優れた光変調素子を提供することである。
【解決手段】 一対の電極間に挟持され、画像情報に対応する露光光の照射と、前記一対の電極間に印加される電圧との双方の刺激により、露光光が担持する画像と同一の可視画像が書き込まれる光変調素子であって、前記露光光の照射により該露光光の強度分布に応じた電気的特性分布を示す光導電層と、前記一対の電極に印加された電圧の、前記光導電層の電気的特性分布に応じて分布した分圧が印加され、該分圧に応じて光学的特性分布による可視画像が記録される液晶層と、前記光導電層と前記液晶層とに挟まれた位置に形成された遮光層と、を少なくとも有し、該遮光層が部分けん化ポリビニルアルコールを含む光変調素子である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、少なくとも光導電層と遮光層と液晶層とを積層してなる光変調素子に関する。
従来、光変調素子としては、電気光学効果、磁気光学効果、音響光学効果等を利用するものが知られているが、変調の高精細化、高速化に限界があることから、光学的に光変調するものが注目されている。この光学的に変調を行う光変調素子としては、光導電層と液晶層とを組み合わせたものや、強誘電性液晶とフォトクロミック化合物の混合物を用いたものなどが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図5は、従来から用いられている光導電層と液晶層とを組み合わせた光変調素子の断面図である。
図5に示す光変調素子は、フィルムなどの基板20、26上に形成された一対の電極21、25の間に、液晶層22と、光導電層24と、該液晶層22と光導電層24とに挟まれた位置に形成された遮光層23とからなる。
この光変調素子では、電極21、25間に電圧が印加されると、液晶層22、遮光層23、および光導電層24には、それぞれの分圧が印加される。その状態で光導電層24に書込光(露光光)28が照射されると、その照射された書込光28に応じて光導電層24の抵抗分布が変化するため、書込光28に応じて液晶層22に印加される分圧が高くなる。液晶層22に印加される電圧分布が変化すると液晶の配向が変化するので、書込光28に応じた情報が液晶層22に表示・記録される。また、この配向分布の変化は、光変調素子に透過率、吸収率、反射率などの光学的特性分布をもたらすため、変調素子として機能することができる。
一方、液晶層22に書き込まれたこの光学的特性分布を、光に媒介させて読み取るため、液晶層22に読取光27を入射させるが、その読取光27が液晶層22を透過して光導電層24に入射すると光学的特性分布が変化するおそれがあるため、液晶層22と光導電層24との間に遮光層23を設け、その読取光27が光導電層24に入射しないようにしている。
遮光層23には、一般的に顔料や染料をアクリル樹脂などの疎水性樹脂に分散させた樹脂塗料が用いられている。そのような構成の遮光層23が液晶層22と直接接すると、液晶が溶媒となって遮光層23を溶解したり、遮光層中の顔料や染料の成分や界面活性剤、硬化剤などの添加剤が液晶層22に溶出したりする場合があった。そして、液晶層中にそれらの物質が溶出すると、液晶層22の抵抗値が変化し、光変調素子に印加された電圧によるそれぞれの層に加わる分圧のバランスがくずれるため、液晶層22の挙動が不安定になるという問題があった。
特開2001−154219号公報
本発明は、本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、遮光層中の成分などが液晶中に溶出することにより、液晶層の挙動が不安定になるのを回避した安定性に優れた光変調素子を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 一対の電極間に挟持され、画像情報に対応する露光光の照射と、前記一対の電極間に印加される電圧との双方の刺激により、露光光が担持する画像と同一の可視画像が書き込まれる光変調素子であって、
前記露光光の照射により該露光光の強度分布に応じた電気的特性分布を示す光導電層と、前記一対の電極に印加された電圧の、前記光導電層の電気的特性分布に応じて分布した分圧が印加され、該分圧に応じて光学的特性分布による可視画像が記録される液晶層と、前記光導電層と前記液晶層とに挟まれた位置に形成された遮光層と、を少なくとも有し、該遮光層が部分けん化ポリビニルアルコールを含む光変調素子である。
<2> 前記部分けん化ポリビニルアルコールのけん化度が、97モル%未満である<1>に記載の光変調素子である。
<3> 前記部分けん化ポリビニルアルコールの重合度が、300〜2000の範囲である<1>または<2>に記載の光変調素子である。
本発明によれば、遮光層中の成分などが液晶中に溶出することにより、液晶層の挙動が不安定になるのを回避した安定性に優れた光変調素子を提供することができる。
本発明の光変調素子は、一対の電極間に挟持され、画像情報に対応する露光光の照射と、前記一対の電極間に印加される電圧との双方の刺激により、露光光が担持する画像と同一の可視画像が書き込まれる光変調素子であって、前記露光光の照射により該露光光の強度分布に応じた電気的特性分布を示す光導電層と、前記一対の電極に印加された電圧の、前記光導電層の電気的特性分布に応じて分布した分圧が印加され、該分圧に応じて光学的特性分布による可視画像が記録される液晶層と、前記光導電層と前記液晶層とに挟まれた位置に形成された遮光層と、を少なくとも有し、該遮光層が部分けん化ポリビニルアルコールを含むことを特徴とする。
前述のように、上記構成において遮光層にアクリル樹脂などを用いた場合には、遮光層中の成分が液晶層に溶出してしまう。これは、有機溶剤に可溶なアクリル樹脂等が液晶と相溶するため、遮光層中の成分が溶出したり、また、液晶に溶けない水溶性樹脂を用いた場合では、顔料等の分散性が不十分なために、液晶層側の遮光層表面に顔料が突出しそこから直接前記成分が溶出したりすることで発生する。
本発明者等は、上記問題に対し鋭意検討した結果、前記遮光層のバインダーとして部分けん化ポリビニルアルコールを用いることにより、遮光層からの溶出が抑えられ液晶層の抵抗が変化することがなく、長期にわたって安定した液晶層の反射率が得られることを見出した。
すなわち、ポリビニルアルコールは水溶性樹脂であり液晶に不溶な材料であるため、これを遮光層用の材料として用いることは有効である。しかし、従来から知られている完全けん化ポリビニルアルコールを用いた場合には、ポリビニルアルコール自体の結晶性が高く、液晶と遮光層内の成分との分離能力には優れており、特開2003−5210号公報のように遮光層と液晶との間に隔離層として別途設けるような使用方法には適している。しかし、その場合、作製プロセスも増える上、光変調素子自身の厚みも厚くなるデメリットがあった、またバインダーとして用いる場合は、完全けん化ポリビニルアルコールは、逆に顔料等の分散が十分でなく、前記のように、遮光層の表面から顔料が突出してしまい不純物等の溶出が避けられないことがわかった。
一方、部分けん化ポリビニルアルコールを用いた場合には、顔料等が良好に分散され、遮光層表面に直接顔料等が露出することがなく、ポリビニルアルコールの良好な耐液晶性を維持しつつ顔料そのものからの不純物の溶出をも回避することができる優れた遮光層が得られることがわかった。
そして、上記部分けん化ポリビニルアルコールを遮光層に含ませる(バインダーとする)ことにより、初めて耐溶出性と良好な分散性とを有する遮光層を備えた本発明の光変調素子を達成することができた。
ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルの酢酸(アセチル)基を水酸基に置き換えることにより得られ、その合成反応をけん化という。本発明におけるポリビニルアルコールのけん化度は、ポリビニルアルコール中の酢酸(アセチル)基と水酸基との合計数に対する水酸基数を百分率で示す。そして、本発明における部分けん化ポリビニルアルコールとは、上記けん化においてアセチル基の水酸基化した率が97%未満の(これを「完全けん化ポリビニルアルコール」とする)側鎖としての水酸基とアセチル基とが混在しているものを言う。詳細については後述する。
以下、図面を用いて本発明の光変調素子を説明する。
図1は、本発明の光変調素子の一例を示す断面図である。図1に示す光変調素子は、それぞれITOからなる透明電極(電極)32、36を備えた透明基板31、37上に、所定の波長の露光光(書き込み光)が照射されると抵抗値が小さくなる光導電層としての有機光導電体(OPC)層35と、OPC層35の抵抗値の変化に対応して電極間に印加された電圧の分圧が変化し、その分圧の変化に基いて配向分布が変化し光学的特性分布に応じた情報が記録される液晶層33と、OPC層35と液晶層33とに挟まれた位置に形成され、外部光源からの光や露光光の波長の光などを吸収する遮光層34と、が形成されている。
透明基板31、37は、絶縁性を有する、ガラス及びシリコン等の無機シート、またはポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、及びポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムを用いて構成される。
透明基板31、37の厚みは、0.01mm〜0.5mmの範囲内であることが好ましい。
透明電極32、36は、ITO(Indium Tin Oxide)を用いているが、ITO以外にも、Auなどの金属薄膜、SnO2、ZnOなど酸化物、ポリピロールなどの導電性高分子の薄膜など、透光性の電気導電体を用いることができる。また、本実施形態の光変調素子の一対の透明電極32、36は、透明基板31、37上にスパッタリングされて形成されているが、必ずしもスパッタリングによる必要はなく、印刷、CVD、蒸着などにより形成することもできる。
透明電極32、36の形態及び駆動方式としては、本発明においては両電極共に表示領域に共通の電極とし、駆動方式は特開2003−140184号公報と特開2000−111942号公報とに記載の駆動方式を用いて駆動させている。しかし、透明基板31側の電極32と透明基板37側の電極36の一方を光変調素子に表示する画像の各画素に共通の電極とし、他方を各画素に個別の電極とするセグメント駆動方式、電極32と電極36を互いに直交する方向に各々ストライプ状に形成して、互いに対峙する位置を1つの画素に対応する領域とする単純マトリクス駆動方式、電極32及び電極36の一方を各画素に共通の電極とし、他方を互いに直交するストライプ状の走査電極及び信号電極からなるものとして、これにTFTやMIN等の能動素子を設けるアクティブマトリックス駆動方式等であってもよい。
液晶層33には、本発明では、カイラルネマチック液晶(コレステリック液晶)をゼラチンバインダー中に分散させたPDLC(Polymer Network Liquid Crystal)構造を採用しているが、この構造に限ることなく、コレステリック液晶をリブを介し電極間距離を固定したセルに配置する方式やカプセル液晶化することにより実現してもよい。また、液晶もコレステリック液晶に限ることなく、スメクチックA液晶、ネマチック液晶、ディスコティック液晶などが利用できる。
また、カイラルネマチック液晶、表面安定化カイラルスメクチックC液晶、双安定ねじれネマチック液晶、微粒子分散液晶などのメモリー性液晶を用いることにより、本発明の光変調素子を、光記録媒体や画像記録媒体として利用することができる。
なお、液晶の光学的特性変化を補助する補助部材として、偏光板、位相差板、反射板などの受動光学部品と併用したり、液晶中に2色性色素を添加したりしてもよい。
なお、液晶層33の膜厚は通常1〜50μmの範囲で用いられることが好ましい。
液晶材料としては、シアノビフェニル系、フェニルシクロヘキシル系、フェニルベンゾエート系、シクロヘキシルベンゾエート系、アゾメチン系、アゾベンゼン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサン系、スチルベン系、トラン系など公知の液晶組成物が利用できる。液晶材料には2色性色素などの色素、微粒子などの添加剤を加えてもよく、高分子マトリクス中に分散したものや、高分子ゲル化したものや、マイクロカプセル化したものでもよい。また、液晶は高分子、中分子、低分子のいずれでもよく、またこれらの混合物でもよい。
光導電層としては、(a)無機半導体材料として、アモルファス・シリコンや、ZnSe、CdSなどの化合物半導体からなる層、(b)有機半導体材料として、アントラセン、ポリビニルカルバゾールなどからなる層、(c)光照射によって電荷を発生する電荷発生材料及び電界によって電荷移動を生ずる電荷輸送材料の混合物や積層体からなるいわゆるOPC層などが挙げられる。
前記電荷発生材料としては、例えば、ペリレン系、フタロシアニン系、ビスアゾ系、ジチオピトケロピロール系、スクワリリウム系、アズレニウム系、チアピリリウム・ポリカーボネート系化合物などが挙げられる。また、前記電荷輸送材料としては、例えば、トリニトロフルオレン系、ポリビニルカルバゾール系、オキサジアゾール系、ピラリゾン系、ヒドラゾン系、スチルベン系、トリフェニルアミン系、トリフェニルメタン系、ジアミン系化合物や、LiClO4を添加したポリビニルアルコ−ルやポリエチレンオキシドのようなイオン導電性材料などが、また電荷発生材と電荷輸送材との複合体として、積層体、混合物、マイクロカプセルなど、が利用できる。
図1に示した構成では、光導電層として2つの電荷発生層(CGL)38、40、及び電荷輸送層(CTL)39とからなる有機感光体(OPC)層35が用いられている。
なお、光導電層の膜厚は1〜100μmの範囲で用い、露光光照射時と露光光非照射時の抵抗比は大きい方が望ましい。
遮光層34は、外部光源等からなる読出光の光やOPC層を透過した露光光の波長の少なくとも一部を吸収し、電気抵抗が高い材料が用いられる。遮光層34に必要な光学濃度は、OPC層35の感度と読出光の強度に依存するため一概に規定できないが、少なくとも遮光層べき波長範囲びおいて、1以上、より好ましくは2以上が望ましい。また、遮光層34の電気抵抗は、遮光層内の電流によって解像度の低下を引き起こさないように、少なくとも体積抵抗率で108Ω・cm以上とすることが望ましい。さらに、液晶層33に加わる分圧の変化分を大きくするためには、遮光層34の静電容量が大きい程よいので、誘電率が大きく膜厚が薄い方が好ましい。
ここで、OPC層35に画像情報に対応する露光光を照射すると同時に、透明電極32、37に矩形電圧を印加することで、メモリー性を有する液晶層33に画像パターンを記録することができる。この画像パターンは、外光を取り込んで反射させることで図1に示すように可視化される。すなわちこの場合には、本発明の光変調素子を反射型の画像記録媒体として利用することができる。
この場合、OPC層側(図における下側)からの透過光により視認性が低下するのを防止するためには、遮光層34は液晶層33に記録された画像パターンを読取る読み出し光の波長域だけでなく可視波長域(400〜800nm)全域に亘り吸収することが好ましい。光学濃度は少なくとも1以上、より好ましくは2以上が望ましい。特に視感度が高い400〜700nmの波長域の光学濃度を高くすると視認性の低下を防止する効果が高い。
この画像記録媒体としての用途において遮光する読み出し光は、観察者が視認できる可視波長域の外部光(太陽光や室内光)ということになるが、紫外光や赤外光など可視波長域以外の光であっても、OPC層35がこの波長域にも感度を有するといわゆるかぶりが生じ、液晶層33へ情報を記録したり、記録した情報の保持に影響を及ぼしたりする場合がある。
したがって、遮光層34は、用途によっては、OPC層35が感度を有する、露光光として利用可能なすべての波長域を吸収することが好ましい。
遮光層34としては、顔料を分散した樹脂、染料を溶解した樹脂などの樹脂色材が利用できるが、本発明ではこれらの樹脂(バインダー)に部分けん化ポリビニルアルコールが含まれる。本発明における部分けん化ポリビニルアルコールとしては、けん化度が97モル%未満のものを用いることが好ましい。より好ましくは、70〜90モル%の範囲のものを用いる。
けん化度が97モル%以上(完全けん化)では、顔料等の分散性が悪化する。
また、上記部分けん化ポリビニルアルコールの重合度は、300〜2000の範囲であることが好ましく、500〜1300の範囲であることがより好ましい。重合度が300に満たないと、遮光層としての強度が十分確保できないため、顔料等の成分溶出の防止能力が低下する。また重合度が2000を超えると、層形成のための液粘度が高くなりすぎ取り扱いが困難になる上、顔料の分散度が低下するため、顔料の成分が液晶に溶出し光変調素子の性能が低下する。
なお、前記けん化度及び重合度は、JIS K6726:1994に従い、各々求めることができる。
本発明における遮光層用のバインダーとしては、上記部分けん化ポリビニルアルコールが含まれていればよく、バインダー全部が部分けん化ポリビニルアルコールであってもよいし、他の樹脂を混合して用いてもよい。
上記他の樹脂としては、水溶性樹脂を用いることが好ましく、具体的にはカルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、水酸基、ポリエチレングリコール骨格、アミド基、メチロールアミン基などの親水基を有する樹脂で、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキシド、アクリルアミド、アルキド樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などが利用できる。グリオキザールやポリイソシアナートなどの架橋剤を添加してもよい。ただし、液晶中に不純物を溶出させないという観点から、これらの材料は非イオン性を有するものであることが好ましい。
他の樹脂を用いる場合には、その使用量は部分けん化ポリビニルアルコール100質量部に対して1〜90質量部の範囲とすることが好ましい。
前記顔料としては、カーボンブラック、酸化クロムなどの無機顔料、アゾ顔料やフタロシアニン顔料などの有機顔料などが利用できる。また前記染料としては、ニトロソ染料、ニトロ染料、アゾ染料、スチルベンアゾ染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、ポリメチン染料、チアゾール染料、インドフェノール染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料などが利用できる。
なお、本発明における遮光層中の顔料と樹脂との質量比(顔料/樹脂)は、20/80〜40/60の範囲とすることが好ましく、25/75〜35/65の範囲とすることがより好ましい。
遮光層は、前記顔料及び樹脂を水性インキの形態にして、ロールコート、スピンコート、バーコート、ディップコート、ダイコート、グラビア印刷、フレクソ印刷、スクリーン印刷などの塗布法で形成させることができる。
前記水性インキの主溶剤は当然水であるが、消泡剤、増粘剤、フィラーなどの添加剤を加えてもよい。なお、高電気抵抗を得るため、塗膜を加熱乾燥するなど、溶媒である水を十分に除去する必要がある。
なお、前記部分けん化ポリビニルアルコールを水に溶解した場合には、比較的粘度が高く、塗布を行うための液粘度調整がしやすいという利点がある。
このようにして形成した遮光層の膜厚は、0.5〜3.0μmの範囲とすることが好ましく、0.7〜2.0μmの範囲とすることがより好ましい。
本発明における遮光層中の顔料分散状態は、少なくとも塗布乾燥後の遮光層表面を顕微鏡観察(1000倍程度)したときに、表面に単独で露出している顔料が存在しないことが好ましい。
次に、本発明の光変調素子を用いた光変調媒体について簡単に説明する。なお本発明においては、下記光変調媒体を含めて光変調素子という場合がある。
図2は、本発明の光変調素子を用いた光変調媒体の一例を示す概略図である。 図2に示す光変調媒体(光変調部)1は、2つの光変調素子16A、16Bで形成されている。光変調素子16Aは、それぞれ透明電極5A、6Aが内面に形成された基板3A、4Aの間に、読み出し光12Aを反射する液晶層8A、遮光層7A、光導電層13Aが積層されている。また、光変調素子16Bは、電極5B、6Bが内面に形成された基板3B、4B間に、読み出し光12Bを反射する液晶層8B、遮光層7B、光導電層13Bが積層されている。また、基板4Aと3Bとは共通の基板としてもよい。
この光変調媒体に用いる書き込み装置(書き込み部)2は、光変調素子16Aの電極5A、6A間にバイアス電圧11Aを印加するとともに、電極5B、6B間にバイアス電圧11Bを印加する電圧印加部10と、光変調素子16Aの光導電層13Aに書き込み光(露光光)15Aを照射するとともに、光変調素子16Bの光導電層13Bに書き込み光(露光光)15Bを照射する光照射部14と、電圧印加部10および光照射部14を制御し同調させる制御部9とにより構成されている。
この光変調媒体は2つの光変調素子を有し、それらの構成は基本的に前述の本発明の光変調素子と同様であるが、光導電層13Aは少なくとも書き込み光15Aに対して光吸収性、読み出し光12Bに対して光透過性を、光導電層13Bは少なくとも書き込み光15Bに対して光吸収性、書き込み光15Aに対して光透過性を有する波長特性の材料を選択するように構成する。
このように構成することにより、例えば書き込み光15Aを青色、15Bを赤色とし、読み出し光12Aとして青色、12Bとして赤色とし、遮光層7Aを読出し光12Aと書き込み光15Aとを吸収する赤色(または黄色)、7Bを読出し光12Bと書き込み光15Bとを吸収する青色(またはシアン色)とすることで、露光光と読出光とが混在することなく、カラーのアドレス光照射に対してカラー画像を書込み・表示することができる。
すなわち、図2に示した光変調媒体の駆動は、書き込み部2の電圧印加部10から、液晶層8A、8Bの動作しきい値電圧を考慮したバイアス電圧11A、11Bを印加するとともに、光照射部14から、各光導電層13A、13Bの光感度を考慮した強度の書き込み光15A、15Bを照射して液晶層の光学状態を変化させることにより、読み出し光12A、12Bの反射状態を変化させる。バイアス電圧11A、11Bを印加するタイミング、および書き込み光12A、12Bを照射するタイミングは、各光アドレス型光変調層16A、16Bが動作するのに必要なバイアス電圧と書き込み光の強度の組合せ11Aおよび15A、11Bおよび15Bが少なくとも一部で重なるように、制御部9で調整される。
図2に示す光変調媒体において、画像を担持する書き込み光15A,15Bが裏面側から入射する。各光変調素子16A,16Bそれぞれを構成する光導電層13A,13Bは、相互に異なる波長域の入射光を吸収し、その吸収する波長域を除く波長域の入射光は透過する。光導電層13Aは、B色(青色)を吸収すると、抵抗値が低下するが、G色(緑色)およびR色(赤色)の光は透過するので、G色およびR色の光では抵抗値は変化しない。また、光導電層13Bは、R色の光を吸収すると、抵抗値が低下するが、B色およびG色の光は透過するので、B色およびG色の光では抵抗値は変化しない。
各光導電層13A,13Bに書き込み光が照射され、抵抗値が低下するのに伴って、各液晶層8A,8Bに印加される分圧が増加し、各液晶層8A,8Bの反射波長域に対する反射率が高くなる。すなわち、読み出し光(外光)のうちの12AのB色は、光変調媒体1の基板3A側から入射され、光変調素子16Aのうち、B色の光の書き込み光の照射により、B色の光の波長域の反射率が高くなった液晶層8Aで反射し、再び基板3Aを透過しB色に表示される。また、露光光が照射照されてない箇所では、液晶層8Aは透過状態となり、読出し光12Aは液晶層8Aを透過し遮光層7Aで吸収され、B色は表示されない。また読み出し光のうちの12BのR色の光は、光変調素子16Aを透過し、光変調素子16Bのうち、R色の光の書き込み光の照射により、R色の光の波長域の反射率が高くなった液晶層8Bで反射し、再び光変調素子16Aを透過しR色が表示される。また、R色の書込み光が照射されない場合は、液晶層8Bは透過状態となり、読出し光12Bは液晶層8Bを透過し遮光層7Bで吸収され、R色は表示されない。
この光変調媒体は、画像を担持する書き込み光15A,15Bが裏面側から入射されて画像が書き込まれ、画像が書き込まれた後に画像読み出し用の読み出し光12A,12Bが表面側から入射されてその表面側で画像が読み出される。
光照射部14は、任意の強度の書き込み光15A、15Bを光変調部1に照射できるものであればよく、レーザービームスキャン装置、LEDアレイ、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイなどの自発光素子や、液晶シャッターなどの調光素子と蛍光管、キセノンランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプ、LEDランプ等の光源との組み合わせなどの、液晶プロジェクター、DLPプロジェクター等でもよく、特に限定されるものではない。
なお、各液晶層8A、8Bに用いられる色はB色とR色に限られず、組合せ、積層順はこの例に限られるものではない。
ここで、本実施形態の光変調媒体は、2つの光変調素子を備えているが、必ずしも2つに限定されない。
図4は、本発明の光変調素子を用いた他の光変調媒体の一例を示す概略図である。
図4において、光変調媒体51は、読み出し光のうちそれぞれ異なる色の光(R,G,B)を変調する3つの光変調素子53A、53B、53Cが積層された構造となっている。光変調素子53Aは、内面に電極56Aを設けた基板54Aと、内面に電極57Aを設けた基板55Aとの間に、読み出し光66が出射される表面側から書き込み光65が出射される裏面側に向かって順に、B(ブルー)色の光を選択反射するコレステリック(カイラルネマチック)液晶層58A、B色の光を吸収するY(イエロー)色の遮光層60A、およびB色の光を吸収するY(イエロー)色の光導電層59Aが積層されている。
また、光変調素子53Bは、内面に電極56Bを設けた基板54Bと、内面に電極57Bを設けた基板55Bとの間に、表面側から裏面側に向かって順に、G(グリーン)色の光を選択反射するコレステリック(カイラルネマチック)液晶層58B、G色の光を吸収するM(マゼンタ)色の遮光層60B、およびG色の光を吸収するM色の光導電層59Bがそれぞれ積層されている。
さらに、光変調素子53Cも同様に、内面に電極56Cを設けた基板54Cと、内面に電極57Cを設けた基板55Cとの間に、表面側から裏面側に向かって順に、R(レッド)色の光を選択反射するコレステリック(カイラルネマチック)液晶層58C、R色の光を吸収するC(サイアン)色の光分離層60C、およびR色の光を吸収するC色の光導電層59Cがそれぞれ積層されている。
この光アドレス型空間光変調素子51は、書き込み部52に接続することにより書き込み及び読み出しが可能となる。
書き込み部52は、各光アドレス型光変調層53A、53B、53Cの電極56Aと57A間、56Bと57B間、56Cと57C間にそれぞれバイアス電圧64A、64B、64Cを印加する電圧印加部61と、変調された書き込み光65を光変調媒体51に照射する光照射部63と、電圧印加部61および光照射部63を制御する制御部62とにより構成されている。
上記構成により、書き込み光65Aは、光変調素子53B、53Cに吸収されることなく光変調素子53Aの光導電層59Aに入射されるとともに、光導電層59Aおよび光吸収層60Aにより吸収され、液晶層58A側への漏光が防止される。また、書き込み光65Bは、光変調素子53Cに吸収されることなく光変調素子53Bの光導電層59Bに入射されるとともに、光導電層59Bおよび遮光層60Bにより吸収され、液晶層58B側への漏光が防止される。さらに、書き込み光65Cは、光変調素子53Cの光導電層59Cに入射されるとともに、光導電層59Cおよび遮光層60Cにより吸収され、液晶層58C側への漏光が防止される。
一方、読み出し光66Cは、光変調素子53A、53Bに吸収されることなく光変調素子53Cの液晶層58Cに入射されるとともに、遮光層60Cによって光導電層59A側への漏光が防止され、読み出し光66Bは、光アドレス型光変調層53Aに吸収されることなく光変調素子53Bの液晶層58Bに入射されるとともに、遮光層60Bによって光導電層59B側への漏光が防止され、読み出し光66Aは、光変調素子53Aの液晶層58Aに入射されるとともに、遮光層60Aによって光導電層59C側への漏光が防止される。
このように、3つの光変調素子を積層した構造であっても、遮光層として前述と同様の構成、特性を有する本発明における遮光層を用いることにより、液晶層の挙動を安定化することができる。
これまでの実施形態では、1対の電極に挟まれた光変調素子は、液晶層を1層備えているが、必ずしも液晶層は1層に限られず、複数の液晶層を具備することもできる。
図3は2つの液晶層8A,8Bを備えた、光変調部16Aと、1つの液晶層8Cを備えた、光変調部16Bとを組み合わせた実施形態である。
光変調素子16Aは、それぞれ透明電極5A、6Aが内面に形成された基板3A、4Aの間に、読み出し光12A、12Bをそれぞれ反射する液晶層8A、8B、遮光層7A、7B、光導電層13Aが積層されている。
また、光変調素子16Bは、電極5B、6Bが内面に形成された基板3B、4B間に、読み出し光12Cを反射する液晶層8C、遮光層7C、光導電層13Bが積層されている。また、基板4Aと3Bとは共通の1枚の基板としてもよい。
液晶層8A、8B、8Cは、それぞれB(ブルー)色、G(グリーン)色、R(レッド)色の光を選択反射するコレステリック液晶層からなり、それぞれ反射状態・透過状態に配行をスイッチングすることにより、B色、G色、R色の読み出し光12A、12B、12Cを反射する。
光導電層13A、13Bと書き込み光(露光光)15A、15Bの構成と吸収する光の色の関係は図2の実施形態と同じであり、光導電層13AはB色の書き込み光15Aを吸収し抵抗値が下がり、読み出し光G色、R色の光に対しては透過し、抵抗値の変化は生じない。光導電層13BはR色の書き込み光15Bを吸収し抵抗値が下がり、書き込み光15AのB色の光は透過し抵抗値の変化は生じない。
遮光層7A、7B、7Cは、光導電層13A、13Bそれぞれの吸収波長の光の読出し光を遮光するため、遮光層7BはB色の光を吸収・遮光するR色の遮光層、遮光層7CはR色の光を吸収・遮光するB色の遮光層とする。
ここで、遮光層7Aは、G色、R色の読み出し光12B、12Cを透過すればよいため、黄色の遮光層または、透明でもよく、省略しても光学的には問題ない。
液晶層8Cの駆動は、例えば図2における液晶層8Bと同様である。ここでは、液晶層8A、8Bの駆動についてさらに詳述する。
光変調素子16A全体に印加される電圧に対して、液晶層8A、8Bのそれぞれのコレステリック液晶はしきい値電圧が異なるものを用いる。書き込み部2は、電圧印加部10から電極5A、6A間に印加するバイアス電圧を、上記のしきい値電圧を境界とする複数段階の電圧から選定することにより、異なる波長の色を反射する8A、8Bを制御する。
具体的には、液晶層8A,8Bの各々の静電容量は、液晶が誘電率異方性を有することから、液晶の配向状態に依存して変化する。そして、光変調素子16Aに対して、外部の書き込み部2からバイアス電圧Vを印加し、任意の光量の書き込み光15Aを照射して、液晶層全体に任意の電圧VDを印加した場合、各液晶層8A,8Bには、それぞれ静電容量分圧による電圧が印加され、それぞれ、その電圧に応じて、各液晶層8A,8Bのコレステリック液晶の配向状態が変化する。
したがって、光変調素子16Aにおいては、液晶層全体に印加される電圧VDの、各液晶層8A,8Bへの分配比と、実際に印加される電圧に対する各液層層8A,8Bの電気光学応答との、2つを制御することによって、液晶層全体に印加される電圧VDに対する各液晶層8A,8Bの電気光学応答を、所望の構成にすることができる。
具体的には、前者の、前記各液晶層8A,8Bへの分配比は、上記のように各液晶層8A,8Bの静電容量比などによって、後者の、各液晶層8A,8Bの電気光学応答は、各液晶層8A,8Bを構成するコレステリック液晶の誘電率異方性、弾性率および螺旋ピッチ、さらに高分子を添加した場合には、高分子の構造や相分離プロセスなどに影響を受ける高分子と液晶の界面におけるアンカリング効果の程度などによって、制御することができる。
このように構成することにより、例えば書き込み光15AをB色、15BをR色とし、読み出し光12AとしてB色、12BとしてG色、12CとしてR色とし、遮光層7Aを黄色、7Bを赤色、7Cを青色とすることで、露光光と読出光とが混在することなく、カラーのアドレス光照射に対してカラー画像を書込み・表示することができる。
すなわち、図3に示した光変調媒体の駆動は、書き込み部2の電圧印加部10から、液晶層8A、8B、8Cの動作しきい値電圧を考慮したバイアス電圧11A、11Bを印加するとともに、光照射部14から、各光導電層13A、13Bの光感度を考慮した光量の書き込み光15A、15Bを照射して液晶層の光学状態を変化させることにより、読み出し光12A、12B、12Cの反射状態を変化させる。バイアス電圧11A、11Bを印加するタイミング、および書き込み光12A、12B、12Cを照射するタイミングは、各光アドレス型光変調層16A、16Bが動作するのに必要なバイアス電圧と書き込み光量の組合せ11Aおよび15A、11Bおよび15Bが少なくとも一部で重なるように、制御部9で調整される。
このように、1対の電極間に複数の液晶層を具備した光変調素子を積層した構造であっても、遮光層として前述と同様の構成、特性を有する本発明における遮光層を用いることにより、液晶層の挙動を安定化することができる。
<試験例>
以上のような本発明の光変調素子の効果を確認するため、以下のような試験を行った。具体的には、遮光層と液晶層とを有する光変調素子を作製し、加熱加速試験を行うことにより液晶層における液晶の電気抵抗変化を調べた。さらに光変調素子を用いて簡単な特性比較を行った。
(光変調素子の作製)
図1に示したものと同様の光変調素子を作製した。まず、市販のITO付PET樹脂フィルムを透明基板37とし(面積:85.5mm×54mm)、その上に第1電荷発生層40、電荷輸送層39、第2電荷発生層38の3層構造からなるOPC層35を形成した。
まず、フタロシアニン顔料系電荷発生材料を分散したポリビニルブチラール樹脂のアルコール溶液を透明基板37上にスピンコートして、0.1μm厚の第1電荷発生層40を形成し、次にジアミン系電荷輸送材料及びポリカーボネート樹脂のクロロベンゼン溶液をアプリケータで第1電荷発生層40上にコートして、3μm厚の電荷輸送層39を形成し、最後に再度、前記フタロシアニン顔料系電荷発生材料を分散したポリビニルブチラール樹脂のアルコール溶液を電荷輸送層39上にスピンコートして、0.1μm厚の第2電荷発生層38を形成してOPC層35を得た。このOPC層35は波長600〜800nmに光感度を有していた。
次に、各種部分けん化ポリビニルアルコール70質量部に、フタロシアニン青色顔料30質量部を加えて、水に溶解し、加熱攪拌にて分散し、遮光層形成用水性インクを作製した。なお、水性インクはポリビニルアルコールの種類により粘度が異なるため、インクの固形分濃度は後述するスピンコートで膜厚が一定となるように適宜調整した。
用いた部分けん化ポリビニルアルコールは以下の(1)〜(3)である。
(1)けん化度:約80モル%、重合度:500((株)クラレ社製)
(2)けん化度:約80モル%、重合度:1000((株)クラレ社製)
(3)けん化度:約80モル%、重合度:2400((株)クラレ社製)
また比較のため、完全けん化ポリビニルアルコール((株)クラレ社製、けん化度:98モル%、重合度:1000)及び従来のアクリル樹脂を用いた遮光層も各々作製した。
これらの水性インクを用いて、前記OPC層35上に各々スピンコートを行い、膜厚1.2μmの遮光層34を形成した。この素子を素子Aとする。なお、各遮光層は波長600〜700nmで光学濃度2以上の吸収を示し、光導電層4の感光波長域のいずれでも十分に高い吸収を示した。以上のようにして計5種の素子Aを作製した。
次に、市販のITO蒸着PET樹脂フィルムを透明基板31および電極32とし、この上にコレステリック液晶エマルジョン分散ゼラチン水溶性塗料を10μm厚に塗布して液晶層33とした。この素子を素子Bとする。
なお、前記コレステリック液晶エマルジョン分散ゼラチン水溶液塗料は以下のようにして得た。まず、選択反射波長を550nmに調整したコレステリック液晶をSPG膜乳化法にて均一な粒径に分散し、エマルジョン水溶液を作製した。次いで、その水溶液を濃縮した後、ゼラチン水溶液と混合して塗料とした。
(液晶層抵抗変化確認試験)
前記5種の素子Aに、各々前記コレステリック液晶を直接滴下し、温度を80℃に設定したホットプレート上に置き、3時間放置して経時変化を加速させた。室温に冷却後、滴下した液晶をスポイトで吸引し、自作の抵抗測定セルに注入した。
この抵抗測定セル中の液晶のインピーダンスを、インピーダンスアナライザーにより周波数が1〜1kHzの範囲で求め、これらを平均して平均抵抗値とした。また、用いたコレステリック液晶単独の平均抵抗値も同様に測定した(測定サンプル1)。
測定結果を表1に示す。表中、測定サンプル2〜4が本発明に係るサンプル、測定サンプル5〜6が比較サンプルである。
Figure 2007101908
加熱加速試験の結果、液晶そのものの平均抵抗値から、測定サンプルの4〜6は大幅に抵抗値が低下し、液晶の特性が変化しているのが分かる。それに比較し、本発明の構成の遮光層と接触させた液晶は、加熱加速試験を経ても、液晶の抵抗値は、ほぼ変化しなかった。
(光変調素子の評価)
次に、前記素子A各々と素子Bとを真空ラミネート装置にて貼り合わせて評価サンプル(光変調素子)を作製した。これらを60℃の環境に、24時間放置した後、波長630nmの光を発光するLEDアレイを光源にして、フォトマスクフィルムを介した書込光を露光強度500μW/cm2で光変調素子に密着露光した。電極32と36との間に周波数50Hz、波高値200Vの対称矩形波パルス電圧を200ms印加して可視画像の記録を行った。
その結果、本発明の遮光層に部分けん化ポリビニルアルコールを用いた光変調素子の評価結果は良好で、反射率20%を示した。一方、遮光層に完全けん化ポリビニルアルコール、アクリル樹脂を用いた光変調素子は、反射率が15%以下に低下した。
本発明の光変調素子の一例を示す断面図である。 本発明の光変調素子を用いた光変調媒体の一例を示す概略図である。 本発明の光変調素子を用いた光変調媒体の他の一例を示す概略図である。 本発明の光変調素子を用いた光変調媒体の他の一例を示す概略図である。 従来の光導電層と液晶層とを組み合わせた光変調素子の断面図である。
符号の説明
1 光変調媒体
2 書き込み装置
3,4,20,26,54,55 基板
5,6,21,25,56,57 電極
7,23,34,60 遮光層
8,22,33,58 液晶層
9 制御部
10 電圧印加部
11 バイアス電圧
12,66 読み出し光
13,24,59 光導電層
14 光照射部
15,65 書き込み光
16,53 光変調素子
31,37 透明基板
32,36 透明電極(電極)
35 OPC層(光導電層)

Claims (3)

  1. 一対の電極間に挟持され、画像情報に対応する露光光の照射と、前記一対の電極間に印加される電圧との双方の刺激により、露光光が担持する画像と同一の可視画像が書き込まれる光変調素子であって、
    前記露光光の照射により該露光光の強度分布に応じた電気的特性分布を示す光導電層と、前記一対の電極に印加された電圧の、前記光導電層の電気的特性分布に応じて分布した分圧が印加され、該分圧に応じて光学的特性分布による可視画像が記録される液晶層と、前記光導電層と前記液晶層とに挟まれた位置に形成された遮光層と、を少なくとも有し、該遮光層が部分けん化ポリビニルアルコールを含むことを特徴とする光変調素子。
  2. 前記部分けん化ポリビニルアルコールのけん化度が、97モル%未満であることを特徴とする請求項1に記載の光変調素子。
  3. 前記部分けん化ポリビニルアルコールの重合度が、300〜2000の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の光変調素子。
JP2005291894A 2005-10-05 2005-10-05 光変調素子 Pending JP2007101908A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005291894A JP2007101908A (ja) 2005-10-05 2005-10-05 光変調素子
US11/448,064 US20070076135A1 (en) 2005-10-05 2006-06-07 Light modulation element and image display device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005291894A JP2007101908A (ja) 2005-10-05 2005-10-05 光変調素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007101908A true JP2007101908A (ja) 2007-04-19

Family

ID=37901530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005291894A Pending JP2007101908A (ja) 2005-10-05 2005-10-05 光変調素子

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20070076135A1 (ja)
JP (1) JP2007101908A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008153087A1 (en) * 2007-06-15 2008-12-18 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device
JP2010532497A (ja) * 2007-07-03 2010-10-07 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー カラー液晶ディスプレイパネル設計
KR20200052207A (ko) * 2018-11-06 2020-05-14 한국전자통신연구원 광변조 소자

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101427584B1 (ko) * 2008-01-22 2014-08-08 삼성디스플레이 주식회사 표시 장치
US9188820B1 (en) * 2009-06-12 2015-11-17 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Air Force Autonomously tuning photoconductive and photovoltaic light valves
KR101721889B1 (ko) 2010-08-06 2017-03-31 삼성전자주식회사 능동형유기발광다이오드 표시장치 및 그의 표시제어방법
JP2013205748A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Fujitsu Ltd コレステリック液晶表示装置およびコレステリック液晶表示素子の駆動制御方法
KR102223623B1 (ko) * 2014-07-30 2021-03-08 삼성전자주식회사 반도체 제조설비의 관리방법 및 그의 관리시스템

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06324211A (ja) * 1993-05-14 1994-11-25 Sekisui Chem Co Ltd ブラックマトリックス用カラーレジスト
JPH0836260A (ja) * 1994-07-21 1996-02-06 Sekisui Chem Co Ltd 黒色感光性樹脂組成物
JPH08271722A (ja) * 1995-03-30 1996-10-18 Sekisui Chem Co Ltd カラーフィルターの製造方法
JPH09258202A (ja) * 1996-03-26 1997-10-03 Fuji Photo Film Co Ltd 空間光変調器の製造方法、及び空間光変調器
JPH09325351A (ja) * 1996-06-04 1997-12-16 Fuji Photo Film Co Ltd 空間光変調器及び画像記録装置
JP2004198949A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Fuji Xerox Co Ltd 光変調媒体および光変調方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1991020006A1 (en) * 1990-06-20 1991-12-26 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Color filter and method of manufacturing the same
US5631753A (en) * 1991-06-28 1997-05-20 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Black matrix base board and manufacturing method therefor, and liquid crystal display panel and manufacturing method therefor
JP3147423B2 (ja) * 1991-09-05 2001-03-19 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレ−ション カラーフィルタ及びその製造方法
US5501900A (en) * 1993-03-03 1996-03-26 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Black matrix substrate, and color filter and liquid crystal display device using the same
JPH1060214A (ja) * 1996-08-22 1998-03-03 Nippon Oil Co Ltd カラーフィルター用アクリル樹脂組成物
US6342330B2 (en) * 1998-09-24 2002-01-29 Toyo Gosei Kogyo Co., Ltd. Photosensitive compositions and pattern formation method
JP3937807B2 (ja) * 2001-11-01 2007-06-27 富士ゼロックス株式会社 光アドレス型空間光変調素子
JP4300396B2 (ja) * 2002-09-20 2009-07-22 富士ゼロックス株式会社 表示素子の製造方法及び表示素子

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06324211A (ja) * 1993-05-14 1994-11-25 Sekisui Chem Co Ltd ブラックマトリックス用カラーレジスト
JPH0836260A (ja) * 1994-07-21 1996-02-06 Sekisui Chem Co Ltd 黒色感光性樹脂組成物
JPH08271722A (ja) * 1995-03-30 1996-10-18 Sekisui Chem Co Ltd カラーフィルターの製造方法
JPH09258202A (ja) * 1996-03-26 1997-10-03 Fuji Photo Film Co Ltd 空間光変調器の製造方法、及び空間光変調器
JPH09325351A (ja) * 1996-06-04 1997-12-16 Fuji Photo Film Co Ltd 空間光変調器及び画像記録装置
JP2004198949A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Fuji Xerox Co Ltd 光変調媒体および光変調方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008153087A1 (en) * 2007-06-15 2008-12-18 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device
JP2010532497A (ja) * 2007-07-03 2010-10-07 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー カラー液晶ディスプレイパネル設計
KR20200052207A (ko) * 2018-11-06 2020-05-14 한국전자통신연구원 광변조 소자
KR102169908B1 (ko) 2018-11-06 2020-10-26 한국전자통신연구원 광변조 소자

Also Published As

Publication number Publication date
US20070076135A1 (en) 2007-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7570310B2 (en) Method for driving optical address type spatial light modulation device and apparatus for driving optical address type spatial light modulation device
JP2007101908A (ja) 光変調素子
US7511775B2 (en) Optical address type spatial light modulator
JP4513414B2 (ja) 画像表示装置
US7952668B2 (en) Display medium, and manufacturing method and apparatus of the display medium
JP4207559B2 (ja) 光変調媒体および光変調方法
JP2004109950A (ja) 表示素子の製造方法及び表示素子
JP2003005148A (ja) 画像記録媒体および画像記録装置
US8054533B2 (en) Image record medium and image record apparatus
JP5109612B2 (ja) 液晶表示媒体の駆動方法および駆動装置、並びに液晶表示媒体
JP2001154219A (ja) 表示記憶媒体、画像書き込み方法および画像書き込み装置
JP4556430B2 (ja) 液晶表示素子の駆動方法及び駆動装置
JP2007114472A (ja) 光アドレス型空間光変調素子
JP4835708B2 (ja) 光記録型表示媒体および記録装置
JP4061895B2 (ja) 電子表示媒体、電子表示媒体書込方法および画像書込装置
JP2001033807A (ja) 液晶光変調素子
JP2008250039A (ja) 光書込み型表示媒体及びその製造方法
JP3906652B2 (ja) 電子記録媒体重ね書込装置
JP4986032B2 (ja) 光書込み型表示媒体、光書込み装置及び光書込み方法
JP2007322756A (ja) 光変調素子およびその駆動方法
JP4200700B2 (ja) 画像転写方法および画像転写装置
JPH01319734A (ja) 透過型光書込液晶ライトバルブ
JP2009015238A (ja) 光書き込み型表示媒体
JPH11305186A (ja) 画像表示板、および画像表示装置
JP2003005210A (ja) 光変調素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110502

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110705

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110927