JP2009179672A - 酸素吸収性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より短時間で脱酸素状態を実現できる高い酸素吸収速度を有する酸素吸収性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 易酸化性熱可塑性樹脂および遷移金属触媒を含む酸素吸収性樹脂組成物であって、遷移金属触媒がアミン配位子を含んでなる酸素吸収性樹脂組成物とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は酸素吸収性樹脂組成物に関する。本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、脱酸素剤または酸素吸収性包装容器の全体もしくは一部に使用することができる。
なお、本明細書において「脱酸素」とは密閉された環境中の酸素濃度が0.1vol%以下となることを意味し、「脱酸素剤」とは脱酸素状態を実現させることを目的として使用される薬剤、材料等の物を意味する。また、「脱酸素性」とは「脱酸素剤としての機能を有する」と同義である。さらに、「酸素吸収」とは到達酸素濃度に関わらず、薬剤、材料等が環境中の酸素を取り込むことを意味する。
食品、飲料、医薬品、医療品、化粧品、金属製品、電子製品に代表される、酸素の影響を受けて変質あるいは劣化し易い各種物品の酸素酸化を防止し長期に保存する目的で、これらを収納した包装容器や包装袋内の酸素除去を行う脱酸素剤が使用されている。この脱酸素剤として初期に開発され現在も多く使用されている形態は、粉状または粒状の鉄粉やアスコルビン酸などからなる脱酸素剤を通気性の小袋に詰めたものである。
近年は、より取扱いが容易で適用範囲が広く誤食の可能性が極めて小さいフィルム状の脱酸素剤も利用されるようになってきた。フィルム状の脱酸素剤に関して、その酸素吸収性組成物およびフィルム構成について多くの提案がなされている。樹脂に鉄粉やアスコルビン酸などの脱酸素剤を配合してフィルムやシート等に成形し、一方の側に熱融着性を有する隔離層を積層し、他方の側にガスバリヤー層を積層した脱酸素性多層体が知られている(特許文献1)。また、酸化可能な有機成分または樹脂成分と遷移金属触媒からなる層を含む脱酸素性包装用フィルムも知られている(特許文献2〜5)。
上記フィルム状脱酸素剤のうち、酸化可能な樹脂成分と遷移金属触媒とからなる酸素吸収性樹脂組成物層を含むフィルムは内容物の視認が可能な透明性を確保することができ、脱酸素機能を有する透明フィルムとしてより広範な用途が期待される。しかしながら、従来のマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅の塩化物、臭化物、酢酸塩、脂肪族カルボン酸塩等からなる遷移金属触媒を用いた場合、得られる酸素吸収性樹脂組成物の酸素吸収速度は、食品等酸化劣化の速い物品用の脱酸素性包装フィルムに要求される酸素吸収速度に対して不十分であるという問題がある。
一方で、酸化可能な樹脂成分と遷移金属触媒とからなる樹脂組成物は、例えば、式(1)〜(7)等の反応によって樹脂の酸化が進行することにより酸素吸収能を発現することが知られている。
RH → R・ + H・ (1)
R・ + O → ROO・ (2)
ROO・ + RH → ROOH + R・ (3)
ROOH + M(n−1)+ → RO・ + OH + Mn+ (4)
ROOH + Mn+ → ROO・ + H + M(n−1)+ (5)
RO・,ROO・ + RH → 種々の生成物 (6)
RH: 酸化可能な樹脂成分
R・: 樹脂からの水素引抜きによって生成したラジカル
M: 遷移金属
n+、M(n−1)+: 遷移金属イオン
式(4)および式(5)記載の遷移金属によるROOH(ハイドロパーオキサイド)の分解反応の速度は、酸素吸収性樹脂組成物の酸素吸収速度に直接関与する要素であり、用いる遷移金属触媒種によってその速度は変化する。
特開昭55−90535号公報 特許第3183704号公報 特許第3334056号公報 特表2003−521552号公報 特開2003−253131
本発明の目的は、より短時間で脱酸素状態を実現できる高い酸素吸収速度を有する酸素吸収性樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、遷移金属触媒種を適切に選択することによって、酸素吸収性樹脂組成物の酸素吸収速度を高めることが可能であると考え、鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は易酸化性熱可塑性樹脂および遷移金属触媒を含む酸素吸収性樹脂組成物であって、遷移金属触媒がアミン配位子を有する遷移金属錯体を含む酸素吸収性樹脂組成物である。
また本発明は、易酸化性熱可塑性樹脂および遷移金属触媒を含む酸素吸収性樹脂組成物であって、遷移金属触媒が遷移金属の脂肪酸塩およびアミン配位子からなる酸素吸収性樹脂組成物である。
本発明で用いられるアミン配位子としては、フェナントロリンまたはビピリジルが好ましい。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物はさらに光増感剤を含有することができる。
また本発明は、上記の酸素吸収性樹脂組成物からなる脱酸素性のシートまたはフィルムを提供するものである。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物はより短時間で脱酸素状態を実現できる高い酸素吸収速度を有するため、本発明の酸素吸収性樹脂組成物を使用することにより食品等酸化劣化の速い物品用の脱酸素性包装材料を提供することが可能となる。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物に用いられる易酸化性熱可塑性樹脂には、炭素と炭素が二重結合で結合した部分を有する有機高分子化合物、第3級炭素原子に結合した水素原子を有する有機高分子化合物、ベンジル基を有する有機高分子化合物を用いることができる。炭素と炭素が二重結合で結合した部分を有する有機高分子化合物における炭素−炭素二重結合は高分子の主鎖にあっても良いし、側鎖にあっても良い。代表例として1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリイソプレン、3,4−ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/アクリル酸シクロヘキセニルメチル共重合体等が挙げられる。また、第3級炭素原子に結合した水素原子を有する有機高分子化合物として、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等が挙げられる。ベンジル基を有する有機高分子化合物として水添スチレンブタジエンゴム、水添スチレンイソプレンゴム等が挙げられる。これらのうち好ましくは、炭素と炭素が二重結合で結合した部分を有する有機高分子化合物、より好ましくは、1,2−ポリブタジエンである。
遷移金属触媒に用いられる遷移金属としては、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅が好適であり、マンガン、コバルトが優れた触媒作用を示すため特に好適である。脂肪酸塩としては、オクチル酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩等の飽和カルボン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩等の不飽和カルボン酸塩、安息香酸塩等の芳香族カルボン酸塩が例示される。好ましくは、オクチル酸コバルト、オクチル酸マンガン、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガンである。また、脂肪酸塩以外にアセチルアセトン等の脂肪族ケトンを用いることもできる。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物中の遷移金属原子の含有量として0.001〜10重量%が好ましく、0.01〜1重量%がさらに好ましい。
アミン配位子としては、1,10−フェナントロリン、1,7−フェナントロリン、2,2’−ビピリジル、2,4’−ビピリジル、ピリジン等の芳香族系アミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン等の脂肪族アミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等のアルコールアミンが例示される。好ましくは、1,10−フェナントロリン、2,2’−ビピリジルである。
アミン配位子は遷移金属の脂肪酸塩と有機溶剤からなる溶液に添加し、溶解して用いることが好ましい。遷移金属の脂肪酸塩と有機溶剤からなる溶液にアミン配位子を溶解すると溶液の色が変化する。このことからアミン配位子が遷移金属に配位したことが分かる。
アミン配位子の含有量は、遷移金属原子1molに対して0.05〜3.0molが好ましく、0.1〜1.0molがさらに好ましい。
遷移金属の脂肪酸塩およびアミン配位子からなる遷移金属触媒は取り扱い易さの点から、これらを担体に担持した担持触媒が好ましい形態である。担体の種類は、特に限定されないが、ゼオライト、珪藻土、ケイ酸カルシウム類などを用いることができる。特に、触媒調製時および調製後の大きさが0.1〜200μmの凝集体が、取扱い性が良いため好ましい。特に、樹脂中に分散した際に10〜100nmである担体が、樹脂に配合した際に透明な樹脂組成物を与えるため好ましい。このような担体として、合成ケイ酸カルシウムが例示される。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、所望により光増感剤を加えて酸素吸収を活性化させることができる。本発明においては、光照射により励起した光増感剤分子が樹脂から水素を引き抜いて活性なラジカルとし、酸化反応を開始させる。光増感剤の代表例としてベンゾフェノンとその誘導体、およびチアジン染料、金属ポルフィリン誘導体、アントラキノン誘導体等が挙げられる。好ましくは、ベンゾフェノン骨格構造を含むベンゾフェノン誘導体である。光増感剤の配合割合は、酸素吸収性樹脂組成物中、0.001〜10重量%が好ましく、0.01〜1重量%がさらに好ましい。
照射する光の波長は100〜600nmが好ましく、200〜400nmがさらに好ましい。光照射に用いるランプとしては、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、殺菌ランプ等が例示される。照射量は0.01〜100J/cmが好ましく、0.1〜10J/cmがさらに好ましい。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、所望により臭気吸収剤を加えることができる。臭気吸収剤は、脱酸素過程で易酸化性熱可塑性樹脂から発生する臭気性有機物を化学的に固定する化合物である。臭気吸収剤の代表例として、酸性物質を中和する無機または有機の塩基化合物、およびアルデヒド類と反応するアミノ化合物が挙げられる。無機または有機の塩基化合物とアミノ化合物を組み合わせることも好ましい。臭気吸収剤の配合割合は、易酸化性熱可塑性樹脂に対して、0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜10重量%がさらに好ましい。
無機の塩基性化合物としては、周期表1族および2族の金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酸化物等が好ましい。具体的には例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、酸化カルシウム等が好ましい。また、有機の塩基性化合物も使用可能であり、その代表は窒素上に非共有電子対を持つアミン化合物である。
アルデヒド類と反応するアミノ化合物としては、NH基を有する有機物であり、第一アミン、酸アミド、ヒドロキシルアミン(塩)、ヒドラジン化合物などが挙げられる。ヒドラジン化合物とは、ヒドラジン、フェニルヒドラジンとその誘導体、セミカルバジドとその誘導体などのN−NH基を有する有機物である。具体的には例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、メラミン、2−アミノ−5−メチルベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸アンモニウム、4,4‘―ジアミノジフェニルスルホン、3,3’―ジアミノジプロピルアミン、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾールが好ましい。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、易酸化性熱可塑性樹脂、遷移金属触媒、所望により光増感剤を乾式混合後、易酸化性熱可塑性樹脂の融点以上の温度で溶融混練することにより製造できる。工業的には、易酸化性熱可塑性樹脂と相溶する熱可塑性樹脂、遷移金属触媒、所望により光増感剤を溶融混練し、遷移金属触媒および所望により光増感剤を高濃度に含む触媒マスターバッチを作製し、これと易酸化性熱可塑性樹脂を一定の量比で連続的に押出機に供給しながら溶融混練することにより製造できる。なお、遷移金属触媒はその形状に応じて、任意の方法で混合できるが、形状が液体であった場合は担体に担持する方法が好ましく用いられる。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、樹脂用の押出成形機等を用いてペレット状あるいはフィルム状やシート状の脱酸素剤とすることができる。また、他の熱可塑性樹脂を加えて溶融混練することにより酸素吸収性樹脂組成物を他の熱可塑性樹脂中に分散させることもできる。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物の使用形態は、ペレット状あるいは小片状に加工したフィルム状やシート状の脱酸素剤を通気性小袋に入れた形態の脱酸素剤包装体として用いることができる。また、前記小片をラベル、カード、パッキンなどの形態に加工して用いることができる。
さらに、本発明の酸素吸収性樹脂組成物は適当な包装材料と積層することにより、脱酸素性の包装材料として包装袋や包装容器の一部または全部に用いることができる。例えば、本発明の酸素吸収性樹脂組成物を酸素吸収層とし、一方の側に酸素透過性が高く、かつ熱融着性を兼ね備えた熱可塑性樹脂を包装される内容物との隔離層として積層し、他方の側に酸素透過性が低い樹脂、金属または金属酸化物をガスバリヤー層として積層して、フィルム状もしくはシート状の脱酸素性多層体とすることができる。脱酸素性多層体に含まれる酸素吸収層の厚みは、300μm以下が好ましく、特にフィルム状の脱酸素性多層体においては、フィルムの柔軟性を考慮すると10〜200μmがより好ましい。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物は透明にすることができる。したがって、内容物の視認ができる包装材料として好適である。特に、ポリオレフィン層/本発明の酸素吸収性樹脂組成物層/透明ガスバリヤー性樹脂層を基本構成とする脱酸素性多層体は、透明な脱酸素性包装材料として使用できる。透明ガスバリヤー性樹脂層としては、シリカもしくはアルミナを蒸着したポリエステル、もしくはポリアミド、ナイロンMXD6、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデンからなる層を例示することができる。
また、上記の酸素吸収性樹脂組成物は、乾燥剤、吸着剤、抗菌剤、着色剤から選んだ一種以上と混合することにより、酸素吸収機能と乾燥機能などの他の機能を併せ持つ組成物にすることができる。また、酸素吸収性樹脂組成物の層と、乾燥剤、吸着剤、抗菌剤、着色剤から選んだ一種以上を含有する層を含む多層体とすることもできる。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物の用途に制限はなく、食品、飲料、医薬品、医療品、化粧品、金属製品、電子製品などの保存および品質保持の分野において実用性の高い脱酸素性能を発揮する。
以下に実施例と比較例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(実施例1)
ナフテン酸コバルト(商品名「ナフテックスコバルト」、日本化学産業(株)製、コバルト含有量6重量%)2重量部に対し、2,2’−ビピリジル(以下、bpyと略す)を0.04重量部溶解させた溶液を合成ケイ酸カルシウム(商品名「マイクロセルE」、セライト(株)製)1重量部に含浸し、触媒組成物を得た。触媒組成物中のコバルト原子担持量は3.7重量%、bpy添加量はコバルト原子1molに対し0.125molとした。
易酸化性熱可塑性樹脂としてシンジオタクチック1,2−ポリブタジエン(商品名「RB820」、JSR(株)製)と、光増感剤として4−フェニルベンゾフェノンと、前記触媒組成物を重量比96.8対3.04対0.21で混合し、二軸混練押出機を用いて140℃で溶融混練し酸素吸収性樹脂組成物を得た。該酸素吸収性樹脂組成物中のコバルト原子含有量は0.11重量%、4−フェニルベンゾフェノン含有量は0.21重量%であった。
加熱プレスにより前記酸素吸収性樹脂組成物からなる厚み80μmの単層フィルムを作製し、100×100mmの大きさに切り抜き、総表面積200cmのフィルムを得た。該フィルムに高圧水銀ランプを光源とする照度6.2mW/cmの紫外光を90秒間照射し(照射量560mJ/cm)、酸素5vol%と窒素95vol%の混合ガス240mlと共に、シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンからなる酸素非透過性ラミネートフィルムの袋に密封し、温度25℃、湿度60%環境下に保管した。所定時間ごとに袋内酸素濃度をガスクロマトグラフを用いて測定した結果、52時間経過後に酸素濃度0.1vol%に到達した。以下、袋内酸素濃度が0.1vol%に低下するまでに要する時間を脱酸素時間と称する。
(比較例1)
bpyを添加しない以外は、実施例1と同様にして酸素吸収性樹脂組成物からなる単層フィルムを作製し、脱酸素時間を実施例1と同様の条件にて測定した。その結果、脱酸素時間は63時間であった。
実施例1の脱酸素時間は比較例1より11時間短くなっており、bpyを添加したことにより、酸素吸収性樹脂組成物の酸素吸収速度が向上したことが分かる。
(実施例2〜3)
bpyの添加量をコバルト原子1molに対し各々0.25mol、0.5molとした以外は、実施例1と同様にして酸素吸収性樹脂組成物からなる単層フィルムを作製し、脱酸素時間を実施例1と同様の条件にて測定した。結果を実施例1および比較例1と共に、表1に示す。
(実施例4〜6)
bpyの替わりに1,10−フェナントロリン(以下、phenと略す)を用い、コバルト原子1molに対し各々0.25mol、0.5mol、1.0mol添加した以外は、実施例1と同様にして酸素吸収性樹脂組成物からなる単層フィルムを作製し、脱酸素時間を実施例1と同様の条件にて測定した。結果を表1に示す。
(実施例7)
オクチル酸コバルト(商品名「ニッカオクチックスコバルト」、日本化学産業(株)製、コバルト含有量8重量%)1.5重量部に対し、bpyを0.08重量部溶解させた溶液を合成ケイ酸カルシウム(商品名「マイクロセルE」、セライト(株)製)1重量部に含浸し、触媒組成物を得た。触媒組成物中のコバルト原子量は5.15重量%、bpy添加量はコバルト原子1molに対し0.25molとした。
易酸化性熱可塑性樹脂としてシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンと、光増感剤として4−フェニルベンゾフェノンと、前記触媒組成物を重量比97.4対2.33対0.21で混合し、二軸混練押出機を用いて140℃で溶融混練し、酸素吸収性樹脂組成物を得た。該酸素吸収性樹脂組成物中のコバルト原子含有量は0.12重量%、4−フェニルベンゾフェノン含有量は0.21重量%であった。
実施例1と同様にして酸素吸収性樹脂組成物からなる単層フィルムを作製し、脱酸素時間を実施例1と同様の条件にて測定した結果を表1に示す。
(比較例2)
bpyを添加しない以外は、実施例7と同様にして酸素吸収性樹脂組成物からなる単層フィルムを作製し、脱酸素時間を実施例1と同様の条件にて測定した結果を表1に示す。
(実施例8〜9)
bpyの替わりにphenを用い、コバルト原子1molに対し各々0.25mol、0.5mol添加した以外は、実施例7と同様にして酸素吸収性樹脂組成物からなる単層フィルムを作製し、脱酸素時間を実施例1と同様の条件にて測定した。結果を表1に示す。
Figure 2009179672

Claims (5)

  1. 易酸化性熱可塑性樹脂および遷移金属触媒を含む酸素吸収性樹脂組成物であって、遷移金属触媒がアミン配位子を含むことを特徴とする酸素吸収性樹脂組成物。
  2. 易酸化性熱可塑性樹脂および遷移金属触媒を含む酸素吸収性樹脂組成物であって、遷移金属触媒が遷移金属の脂肪酸塩およびアミン配位子からなることを特徴とする酸素吸収性樹脂組成物。
  3. アミン配位子がフェナントロリン、ビピリジルから選ばれる少なくとも1種である請求項1または2記載の酸素吸収性樹脂組成物。
  4. 酸素吸収性樹脂組成物がさらに光増感剤を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の酸素吸収性樹脂組成物からなる脱酸素性のシートまたはフィルム。
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