JP2005350101A - 酸素吸収能を有する包装体 - Google Patents

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絵理子 永田
Shinya Ochiai
信哉 落合
Masayoshi Suzuta
昌由 鈴田
Masanobu Yoshinaga
雅信 吉永
Tetsuya Kato
哲也 加藤
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Abstract

【課題】酸素吸収能が高く、かつ包装体内部の酸素をすばやく除去し、さらに包装体の膜物性を低下させることなく、透明性などを考慮した酸素吸収能を有する包装体を提供すること。
【解決手段】少なくとも透明バリア層と酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を含む層4で構成される積層体を用いた包装体において、該酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を含む層の組成物として配合している光増感剤の増感波長域が、透明バリア層の最大吸収波長より長波長側にあること。光増感剤が波長400nm以上に少なくとも1つ増感波長域を有したビスアシルフォスフィンオキサイドユニットを有する化合物であること。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸素吸収能を有する包装体に関するものであり、特に、酸素吸収能が高く、かつ包装体内部の酸素をすばやく除去し、さらに包装体の膜物性を低下させることなく、透明性などを考慮した酸素吸収能を有する包装体に関する。
各種内容物を包装するパッケージ事業という分野において、「パッケージ」あるいは「包装」には以下の3つの要素が挙げられる。
(1)消費者に対する購買意識の付与、危険性の提示といった「表示効果」
(2)充填した内容物自体に包装体が侵されないための「内容物耐性」
(3)外部刺激に対する「内容物の保護」
このうち、「内容物の保護」という点で特に注目を浴びているのが、酸素からの内容物の保護である。特に最近では、食品分野、工業製品分野、医療・医薬品分野等の各分野において、酸素に対する内容物の保護性が重要視されるようになってきた。容器内に内容物を充填し、密封した包装内には、内容物に溶解した酸素が必ず残留し、容器上部にはヘッドスペースガスが存在している状態がほとんどである。最近ではヘッドスペース中に残存している酸素も内容物を劣化させるという点から、不活性ガス置換を行うことでヘッドスペース中の酸素を除去する試みが行なわれているが、それでも微量の酸素が残存している状況である。
そこで、包装体内部の微量な酸素を除去するために、酸素吸収樹脂の開発が行われるようになってきた。これらの代表的なタイプとしては、以下に示す(1)、(2)のものが挙げられる。また、酸素除去を促進するための製造方法として以下に示す(3)のものが挙げられる。
(1)遷移金属による熱可塑性樹脂の酸化を用いたタイプ(特許文献1参照)
(2)炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂の酸化分解あるいは酸素付加反応を用いたタイプ(特許文献2参照)
(3)紫外線および可視光に吸収性を持つ光酸化崩壊性樹脂を有するプラスチック容器の外側から200nm以上の波長を有する光を照射し、次いで殺菌する製造方法(特許文献3参照)
しかしながら、(1)のタイプのものについては、遷移金属による自動酸化を利用したポリマーの酸化機構を利用しているが、酸素吸収能力が低い、あるいは能力の立ち上がり速度が遅いといった問題が挙げられる。
(2)の炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂の酸化あるいは酸素付加反応を用いるタイプは、(1)のタイプに比べると酸素吸収能力は優れているが、酸化しやすい内容物の包装材に対しては能力の立ち上がり速度が不十分である。
そこで、立ち上がり速度を向上させる為に、ベンゾフェノン系などの光増感剤を添加し、紫外線照射による速度向上を行なっているが、光増感剤の安全性などに問題がある。
(3)のタイプについては、光開始剤の吸収波長が300nm以下のため、300nm付近以下の波長を透過しないPET、PENなどのバリア基材を用いた包装体の場合、酸素吸収が行なわれないなどの問題がある。
その為、バリア基材の内側であるシーラント層から光照射をすることとなるが、エネルギーの高いすべての光が包装材に当たってしまうため、酸素吸収反応を促進させる一方、樹脂自体を破壊してしまう。一般的な樹脂であるポリエチレンやポリプロピレンなどは3
00nm付近の波長にて最も劣化を引き起こしやすい。また、内容物の充填ラインに照射装置が必要なため充填装置が特殊なものになってしまう。さらにパウチ形状や液状内容物には展開出来ないなどの問題がある。
酸素吸収樹脂については、内容物保存という点で注目を浴びており、今後のパッケージの内容物保存効果という点で期待される分野であるが、現状としてはまだまだ改善事項が多く残されている。また、透明包装材においては光に対する内容物の劣化も問題となるが、本発明品は400nm以上に吸収があるため、内容物に害がある400nm以下の紫外線領域の光をカットしたバリア基材を用いても酸素吸収性能には問題がない。
特許第2991437号公報 特許第3064420号公報 特開平7−330042公報
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、酸素吸収能が高く、かつ包装体内部の酸素をすばやく除去し、さらに包装体の膜物性を低下させることなく、透明性などを考慮した酸素吸収能を有する包装体を提供することを課題とする。
本発明は、少なくとも、透明バリア層と酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を含む層で構成される積層体を用いた包装体において、該酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を含む層の組成物として配合している光増感剤の増感波長域が、透明バリア層の最大吸収波長より長波長側にあることを特徴とする酸素吸収能を有する包装体である。
また、本発明は、上記発明による酸素吸収能を有する包装体において、前記光増感剤が、波長400nm以上に少なくとも1つ増感波長域を有したビスアシルフォスフィンオキサイドユニットを有する化合物であることを特徴とする酸素吸収能を有する包装体である。
また、本発明は、上記発明による酸素吸収能を有する包装体において、酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を含む層が、熱可塑性樹脂(B)50〜99重量%に対し、酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を1〜50重量%配合した組成物の100重量部に対して、光増感剤を0.01〜5重量部配合した樹脂組成物を用いて形成した層であることを特徴とする酸素吸収能を有する包装体である。
また、本発明は、上記発明による酸素吸収能を有する包装体において、前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、少なくとも1種のαオレフィンからなるポリαオレフィン、αオレフィン−エチレン共重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂、エチレン−α,β不飽和カルボン酸あるいはそのエステル化物、あるいはそのイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはその部分けん化物あるいは完全けん化物に代表されるエチレン系共重合体、あるいは酸無水物などのグラフト変性ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルなどの単体あるいはこれら1種以上の混合物であることを特徴とする酸素吸収能を有する包装体である。
また、本発明は、上記発明による酸素吸収能を有する包装体において、前記酸素吸収能
を有する熱可塑性樹脂(A)を含む層の形成に用いる樹脂組成物が、遷移金属化合物を含むことを特徴とする酸素吸収能を有する包装体である。
また、本発明は、上記発明による酸素吸収能を有する包装体において、前記遷移金属化合物が、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、銅、ロジウム、バナジウム、クロム、セリウムから1種以上選択される芳香族カルボン酸塩、飽和あるいは不飽和カルボン酸塩などの遷移金属化合物塩、あるいはアセチルアセトナト、エチレンジアミン四酢酸、サレン、ポルフィリン、フタロシアニンなどの各種遷移金属錯体から選ばれる1種以上の化合物であり、熱可塑性樹脂(B)に酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を配合した組成物の100重量部に対して、遷移金属化合物を0.001〜2重量部配合して樹脂組成物とすることを特徴とする酸素吸収能を有する包装体である。
また、本発明は、上記発明による酸素吸収能を有する包装体において、前記透明バリア層が、ポリエステル層、ポリアミド層、ポリアクリロニトリル層、ポリビニルアルコール層、エチレン−ビニルアルコール共重合体層、ポリ塩化ビニリデン層から選ばれる熱可塑性樹脂層、シリカ蒸着層やアルミナ蒸着層から選ばれる無機化合物蒸着熱可塑性ポリマー層から少なくとも1種以上選択された透明バリア層であることを特徴とする酸素吸収能を有する包装体である。
また、本発明は、上記発明による酸素吸収能を有する包装体において、前記少なくとも1種以上選択された透明バリア層の酸素透過度が、50cm3 /m2 ・day以下であることを特徴とする酸素吸収能を有する包装体である。
また、本発明は、上記発明による酸素吸収能を有する包装体において、光照射は包装体の外側の透明バリア層側から行うことを特徴とする酸素吸収能を有する包装体である。
本発明は、光増感剤の増感波長が透明バリア層の最大吸収波長より長波長側にあるか、波長400nm以上の可視光領域に少なくとも1つあるので、透明バリア層にPET、PENを用いても酸素吸収能が高く、かつ包装体内部の酸素をすばやく除去することが可能となる。
さらに、透明バリア層側から光照射することが出来る為、特殊な装置を用いず、包装体の膜物性を低下させることなく、透明性などを考慮した酸素吸収能を有する包装体を得ることが可能となる。
また、透明包装材における光に対する内容物の劣化についても光増感剤が波長400nm以上に吸収があるため、例えば、UV吸収剤を配合することで内容物に害がある400nm以下の紫外線領域の光をカットしたバリア基材を用いても同様の酸素吸収性能が得られることが出来る。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明における熱可塑性樹脂(A)としては、あらゆる樹脂を使用することが可能であるが、酸素吸収能という点では、熱可塑性樹脂の酸化反応を利用したタイプが好ましい。この時用いられる熱可塑性樹脂としては、アリル位の炭素、ベンジル位の炭素、三級炭素、α位の炭素など、C−H結合解離エネルギーが小さい熱可塑性樹脂が挙げられる。
アリル位については共役系、非共役系を含めると、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン、シクロヘキセンなどの脂環式不飽和炭化水素あるいはこれらの誘導体、さらには各種油に代表されるグリセロールの不飽和脂肪酸エステル、カロテノイ
ドなどの化合物など種々選択できる。
ベンジル位の炭素を有する化合物としては、キシリレンジアミンの重合物であるMXD6ポリアミドやキシリレンジアミンのイソシアネート誘導体から合成されたポリウレタン樹脂などが挙げられる。
三級炭素を有する化合物としては、プロピレンなどのαオレフィンの重合体あるいは他のモノマーとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはその部分(完全)けん化物、ポリスチレン、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体あるいはそのエステル化物あるいはイオン化共物、ポリアクリロニトリルなど挙げられる。
さらにはα位の炭素としては、脂肪族ポリエステルあるいは脂肪族ポリアミドあるいはこれらの誘導体のような、カルボニル結合に隣接するような炭素原子を有する熱可塑生樹脂などが挙げられ、酸化反応を起こしやすい熱可塑性樹脂ならば、その骨格的なタイプは問わない。より好ましくは、結晶化度が低い、ガラス転移点温度が低いなどの熱可塑性樹脂を選定した方が良い。
本発明における熱可塑性樹脂(B)としては、シングルサイト系のエチレン−αオレフィンからなるポリオレフィンエラストマーあるいはポリオレフィンプラストマーを用いることが望ましい。熱可塑性樹脂(B)と熱可塑性樹脂(A)を配合した組成物の場合は、熱可塑性樹脂(B)50〜99重量%に対し、熱可塑性樹脂(A)は1〜50重量%添加されている組成物であることが望ましい。1重量%未満であると酸素吸収能が現れず、50重量%を超えると、酸素吸収後の膜物性が大きく低下する。
本発明における光増感剤としては、ビスアシルフォスフィンオキサイド骨格を有した化合物でベンゾイル基あるいは置換基を有するベンゾイル基を含むことが好ましい。これらは、400nm付近の可視光域の活性エネルギー線においても容易に分解し、各種ラジカルを形成することが可能である。代表的な例としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
これらの添加量は、熱可塑性樹脂(B)と熱可塑性樹脂(A)を配合した上記組成物100重量部に対して、光増感剤が0.01〜5重量部である。0.01重量部より少ないと酸素吸収能が低下し、5重量部を超えると、飽和限界を達成してしまうため、必要量としては5重量部が挙げられる。
本発明における透明バリア層としては、ポリエステル層、ポリアミド層、ポリアクリロニトリル層、ポリビニルアルコール層、エチレン-ビニルアルコール共重合体層、ポリ塩化ビニリデン層から選ばれる熱可塑性樹脂層、シリカ蒸着層やアルミナ蒸着層から選ばれる無機化合物蒸着熱可塑性ポリマー層から少なくとも1種以上から選択される透明なバリア層であることが望ましい。
本発明の包装体は、包装体外側の透明バリア層側から光増感剤の増感波長域の光を照射することが望ましく、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯またはキセノンランプなどが挙げられる。ただし、これに限定されなくてもよい。
本発明における遷移金属化合物としては、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、銅、ロジウム、バナジウム、クロム、セリウムから1種以上選択される芳香族カルボン酸塩、飽和あるいは不飽和カルボン酸塩などの遷移金属化合物塩、あるいはアセチルアセトナト、
エチレンジアミン四酢酸、サレン、ポルフィリン、フタロシアニンなどの各種遷移金属錯体から選ばれる1種以上の化合物であり、熱可塑性樹脂(B)に酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を配合した組成物の100重量部に対して、遷移金属化合物を0.001〜2重量部配合して樹脂組成物とする。添加量が0.01重量部より少ないと酸素吸収能が低下し、2重量部を超えると、飽和限界を達成してしまうため、必要量としては2重量部が挙げられる。
酸素吸収樹脂の酸素吸収(消費)メカニズムは、以下のように推量される。
1)樹脂は、光などのエネルギーによりC−H結合解離エネルギーが小さい炭素部分の水素が引き抜かれフリーラジカル(R1)を発生する。
2)フリーラジカル(R1)は酸素と反応してペルオキシラジカル(ROO・)を生成する。
3)生成されたペルオキシラジカルは隣接した樹脂の水素を引き抜き新たにフリーラジカル(R2)を発生させ、かつヒドロペルオキシド(ROOH)を生成する。
4)ヒドロペルオキシドは、ヒドロキシラジカル(・OH)とアルコキシラジカル(RO・)に分解される。
5)生成されたヒドロキシラジカルは、さらに隣接した樹脂の水素を引き抜き新たにフリーラジカル(R4)を発生させる。
この時、光増感剤は酸素吸収樹脂と同様光エネルギーを受けることによりフリーラジカルを発生する。この時発生したフリーラジカルは樹脂の水素を引き抜きを起こす。つまり、樹脂に酸素が付加する前のフリーラジカルの発生を促進させ、酸素捕捉、消費は加速され、酸素吸収反応が促進される。
本発明における光増感剤は、400nm以上に吸収があるために、例えば、PET、PENなどのように、300nm付近以下の波長を透過しない透明バリア層を用いた包装体の場合でも、長波長の光を利用するので、酸素吸収能を発揮するものとなる。
また、本発明における、透明バリア層と酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を含む層で構成される積層体においては、包装体という点で必要に応じては、前記以外の各種添加剤、例えば、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、UV吸収剤など各種添加剤を各層に配合してもかまわない。
本発明の酸素吸収能を有する包装体は、最終製品の成形方法および必要とされる酸素吸収能により設定した各種所定配合量の材料を、リボンミキサー、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサーなどを用いてドライブレンドしたもの、あるいは、あらかじめ混練機に搭載されている各フィーダーを用いて所定量配合したものを、単軸押出機、二軸押出機などの押出機、バンバリーミキサーなどの混練機を用いて、ベースとなる熱可塑性樹脂の融点以上260℃以下、好ましくは240℃以下、さらに好ましくは220℃以下で混練することで得られる。
透明バリア層と酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を含む層を積層させるには、様々な手法を用いることが可能であるが、最も代表的な例としては、ウレタン系の接着剤を用いてドライラミネーション手法で積層させる方法、透明バリア層にウレタン系の接着剤を用いて、インラインで製膜された酸素吸収樹脂を含む積層体を押出ラミネーション手法あるいはニーラム手法で積層させる方法、サンドラミネーション手法により、インラインで透明バリア層に設けられたウレタン系の接着剤上に酸素吸収樹脂を含む積層体を、押出ラミネーションにより製膜されたポリオレフィン系樹脂などで挟みこむ方法、さらには、あらかじめ透明バリア層にドライラミネーション手法でポリオレフィン系樹脂のキャストあるいはインフレーションフィルムを積層させ方法が挙がられる。
本発明の酸素吸収能を有する包装体は、押出ラミネーション成形、押出キャスト成形、インフレーション成形、インジェクション成形、ダイレクトブロー成形など各種成形法を用いて、酸素吸収能を有する単膜あるいは積層体とすることが可能である。また上述した成形法で得られたフィルム(インフレーションなど)については後工程でドライラミネーションやウエットラミネーション、ノンソルベントラミネーションにより積層体を得ることも可能であり、またインジェクション成形で得られたプリフォームを延伸ブロー成形により多層延伸ブローボトルにすることも可能であるが、これらの成形法に限られるものではない。
上述したように、様々な構成で得られた積層体は、そのまま各種用途の包装体へ展開することが可能である。これらの例は上述した内容に限らず様々な包装形態へ展開が可能になる。また、これらの包装形態を組み合わせることで、酸素を吸収する包装体を形成することが可能になる。
以下に本発明の実施例を示すが、それに限定されるものではない。
酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を含む層を形成する樹脂組成物の調製には以下の材料を組み合わせて、樹脂組成物1〜4を調製した。
・熱可塑性樹脂(A)として、ポリプロピレン(A1)
・熱可塑性樹脂(B)として、低密度ポリエチレン(B1)
・光増感剤として、
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(P1)
1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(P2)
・遷移金属化合物として、ステアリン酸鉄(T1)。
(積層体の作製方法)
3種3層共押出ラミネート機を用いて、中間層に樹脂組成物を設けた2種3層の共押出多層フィルムを製膜した。層構成は外側より、低密度ポリエチレン(PE)15μm/樹脂組成物40μm/低密度ポリエチレン(PE)15μmである。中間層および外層に用いる材料はドライブブレンドをしたものを使用した。また、この多層フィルムの少なくとも一方にはコロナ処理を施した。
・樹脂組成物1の組成:A1−25部、B1−75部、P1−0.05部
・樹脂組成物2の組成:A1−25部、B1−75部、P1−0.05部、T1−0.05部
・樹脂組成物3の組成:A1−25部、B1−75部、P2−0.05部
・樹脂組成物4の組成:A1−25部、B1−75部、P1−0.005部。
透明バリア層にアルミナ蒸着ポリエステルフィルムを使用し、外層より、「透明バリア層(1)/接着層(2)/(PE/樹脂組成物1(3)/PE)(4)」構成の積層体(図1)をドライラミネート機を用いて得た。接着層には主剤にテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸と1,4−ブタンジオールからなるポリエステルポリオールを用い、硬化剤にはトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加体を用いた。得られたサンプルを180×220mmサイズにカットし、さらに二つ折りをした後にシール幅10mmのヒートシーラーにてシールを施す事で有効面積32000mm2 の160×100mmサイズのパウチを作製した。
このパウチ中に空気(O2 21%/N2 79%)100mlを注入、密閉シールを行ない、高圧水銀灯(照度30mW)にて外側から30秒照射した後、25℃にて保管した。
このパウチ中の1、3、7、14日後の酸素残存量を酸素濃度計を用いて評価を行なった。その結果を表1に示す。また、得られたサンプルを220×220mmサイズにカットし、さらに二つ折りをした後にシール幅10mmのヒートシーラーにてシールを施す事で有効面積40000mm2 の220×110mmサイズのパウチを作製した。
このパウチ中におかゆを充填、密閉し、高圧水銀灯(照度30mW)にて外側から30秒照射した後、加熱殺菌を行なった。これを25℃で6ヶ月間保存後、未開封のパウチを3分間沸騰させ、内容物の目視、官能評価および包装材の膜物性評価を行なった。その結果を表2に示した。
Figure 2005350101
Figure 2005350101
透明バリア層にアルミナ蒸着ポリエステルフィルムを使用し、外層より、「透明バリア層(1)/接着層(2)/(PE/樹脂組成物2(3)/PE)(4)」構成の積層体(図1)をドライラミネート機を用いて得た。接着層には主剤にテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸と1,4−ブタンジオールからなるポリエステルポリオールを用い、硬化剤にはトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加体を用いた。そして実施例1と同様の評価を行なった。その結果を表1、2に示した。
透明バリア層にアルミナ蒸着ポリエチレンナフタレートフィルムを使用し、外層より、「透明バリア層(1)/接着層(2)/(PE/樹脂組成物2(3)/PE)(4)」構成の積層体(図1)をドライラミネート機を用いて得た。接着層には主剤にテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸と1,4−ブタンジオールからなるポリエステルポリオールを用い、硬化剤にはトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加体を用いた。そして実施例1と同様の評価を行なった。その結果を表1、2に示した。
比較のための実施例4は、透明バリア層にアルミナ蒸着ポリエステルフィルムを使用し、外層より、「透明バリア層(1)/接着層(2)/(PE/樹脂組成物3(3)/PE)(4)」構成の積層体(図1)をドライラミネート機を用いて得た。接着層には主剤にテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸と1,4−ブタンジオールからなるポリエステルポリオールを用い、硬化剤にはトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加体を用いた。そして実施例1と同様の評価を行なった。その結果を表1、2に示した。
比較のための実施例5は、透明バリア層にアルミナ蒸着ポリエステルフィルムを使用し、外層より、「透明バリア層(1)/接着層(2)/(PE/樹脂組成物4(3)/PE)(4)」構成の積層体(図1)をドライラミネート機を用いて得た。接着層には主剤にテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸と1,4−ブタンジオールからなるポリエステルポリオールを用い、硬化剤にはトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加体を用いた。そして実施例1と同様の評価を行なった。その結果を表1、2に示した。
比較のための実施例6は、透明バリア層にアルミナ蒸着ポリエチレンナフタレートフィルムを使用し、外層より、「透明バリア層(1)/接着層(2)/(PE/樹脂組成物3(3)/PE)(4)」構成の積層体(図1)をドライラミネート機を用いて得た。接着
層には主剤にテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸と1,4−ブタンジオールからなるポリエステルポリオールを用い、硬化剤にはトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加体を用いた。そして実施例1と同様の評価を行なった。その結果を表1、2に示した。
比較のための実施例7は、透明バリア層にアルミナ蒸着ポリエステルフィルムを使用し、外層より、「透明バリア層(1)/接着層(2)/(PE/樹脂組成物1(3)/PE)(4)」構成の積層体(図1)をドライラミネート機を用いて得た。接着層には主剤にテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸と1,4−ブタンジオールからなるポリエステルポリオールを用い、硬化剤にはトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加体を用いた。得られたサンプルを180×220mmサイズにカットし、さらに二つ折りをした後にシール幅10mmのヒートシーラーにてシールを施す事で有効面積32000mm2 の160×100mmサイズのパウチを作製した。
高圧水銀灯(照度30mW)にて外側から30秒照射した後、このパウチ中に空気(O2 21%/N2 79%)100mlを注入、密閉シールを行ない、25℃にて保管した。このパウチ中の1、3、7、14日後の酸素残存量を酸素濃度計を用いて評価を行なった。その結果を表1に示す。得られたサンプルを220×220mmサイズにカットし、さらに二つ折りをした後にシール幅10mmのヒートシーラーにてシールを施す事で有効面積40000mm2 の220×110mmサイズのパウチを作製した。
このパウチの内側から、高圧水銀灯(照度30mW)にて30秒照射した後おかゆを充填、密閉し、加熱殺菌を行なった。これを25℃で6ヶ月間保存後、未開封のパウチを3分間沸騰させ、内容物の目視および官能評価および包装材の膜物性評価を行なった。その結果を表2に示した。
実施例1〜7における積層体の層構成を示す断面図である。
符号の説明
1・・・透明バリア層
2・・・接着層
3・・・樹脂組成物(酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を含む層)
4・・・シーラント層
5・・・低密度ポリエチレン(PE)

Claims (9)

  1. 少なくとも、透明バリア層と酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を含む層で構成される積層体を用いた包装体において、該酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を含む層の組成物として配合している光増感剤の増感波長域が、透明バリア層の最大吸収波長より長波長側にあることを特徴とする酸素吸収能を有する包装体。
  2. 前記光増感剤が、波長400nm以上に少なくとも1つ増感波長域を有したビスアシルフォスフィンオキサイドユニットを有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の酸素吸収能を有する包装体。
  3. 前記酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を含む層が、熱可塑性樹脂(B)50〜99重量%に対し、酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を1〜50重量%配合した組成物の100重量部に対して、光増感剤を0.01〜5重量部配合した樹脂組成物を用いて形成した層であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の酸素吸収能を有する包装体。
  4. 前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、少なくとも1種のαオレフィンからなるポリαオレフィン、αオレフィン−エチレン共重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂、エチレン−α,β不飽和カルボン酸あるいはそのエステル化物、あるいはそのイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはその部分けん化物あるいは完全けん化物に代表されるエチレン系共重合体、あるいは酸無水物などのグラフト変性ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルなどの単体あるいはこれら1種以上の混合物であることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3記載の酸素吸収能を有する包装体。
  5. 前記酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を含む層の形成に用いる樹脂組成物が、遷移金属化合物を含むことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4記載の酸素吸収能を有する包装体。
  6. 前記遷移金属化合物が、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、銅、ロジウム、バナジウム、クロム、セリウムから1種以上選択される芳香族カルボン酸塩、飽和あるいは不飽和カルボン酸塩などの遷移金属化合物塩、あるいはアセチルアセトナト、エチレンジアミン四酢酸、サレン、ポルフィリン、フタロシアニンなどの各種遷移金属錯体から選ばれる1種以上の化合物であり、熱可塑性樹脂(B)に酸素吸収能を有する熱可塑性樹脂(A)を配合した組成物の100重量部に対して、遷移金属化合物を0.001〜2重量部配合して樹脂組成物とすることを特徴とする請求項5記載の酸素吸収能を有する包装体。
  7. 前記透明バリア層が、ポリエステル層、ポリアミド層、ポリアクリロニトリル層、ポリビニルアルコール層、エチレン−ビニルアルコール共重合体層、ポリ塩化ビニリデン層から選ばれる熱可塑性樹脂層、シリカ蒸着層やアルミナ蒸着層から選ばれる無機化合物蒸着熱可塑性ポリマー層から少なくとも1種以上選択された透明バリア層であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の酸素吸収能を有する包装体。
  8. 前記少なくとも1種以上選択された透明バリア層の酸素透過度が、50cm3 /m2 ・day以下であることを特徴とする請求項7記載の酸素吸収能を有する包装体。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の酸素吸収能を有する包装体において、光照射は包装体の外側の透明バリア層側から行うことを特徴とする酸素吸収能を有する包装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106218169A (zh) * 2016-07-21 2016-12-14 河北维拓新材料科技有限公司 一种剥离强度增强型的聚丙烯薄膜及其制备方法

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