明細書
酸素吸収能を有する樹脂組成物、 積層体、 及び包装体 技術分野
本発明は酸素吸収能を有する樹脂組成物、 それを用いた積層体、 および包装体 に関する。 背景技術
各種内容物を包装するパッケージ事業という分野において、 「パッケージ」 ま たは 「包装」 には、 以下の点が求められる。
( 1 ) 消費者に対する購買意識の付与、 危険性の提示といった、 表示効果
( 2 ) 包装体が充填した内容物自体に侵されないといった、 内容物耐性
( 3 ) 外部刺激に対する内容物保護
特に、 上記 (3 ) としては、 酸素や水分に対する内容物の保護が求められてい る。 特に最近では、 食品分野、 工業製品分野、 医療 ·医薬品分野等の広分野にお いて、 酸素や水分に対する内容物の保護性が重要視されるようになってきた。 例 えば、 酸素に対して内容物を充分保護できない場合には、 酸化による内容物の分 解、 変質を招く場合がある。 一方、 水分に対して内容物を保護できない場合には 、 内容物が吸湿したり、 加水分解による内容物の変質を招く場合がある。
このような酸素または水分による内容物の変質を防ぐ方法として、 様々な方法 が検討されてきた。 その一つに、 酸素バリアあるいは水分バリア性を有する材料 を用いた包装体を設計することが挙げられる。 具体的には、 酸素バリア性を有す る包装体としては、 エチレン一ビュルアルコール共重合体等の酸素ガスバリア性 に優れる熱可塑性樹脂を含有してなる基材を用いた積層体、 アルミニウム蒸着、 酸化ケィ素 (S i x O y ) 蒸着、 酸化アルミニウム (A 1 x O y ) 蒸着などの蒸着 層をポリエステル基材等に設けた積層体を具備する包装体を例示できる。
これらのバリア性基材を用いた包装体は、 その高い酸素バリア性から用途が広 がっている。 しかしながら、 これら包装体のバリア性基材はごく微量の酸素を透 過させてしまう。 また、 これらの包装体で内容物を充填した場合、 ヘッ ドスぺー
ス中に酸素が存在している状態がほとんどである。 このへッドスペース中の酸素 も内容物を劣化させる。 このため、 最近では、 不活性ガスでへッ ドスペース中の 酸素を置換して除去しているが、 完全に除去しきれないのが状況である。
そこで、 バリア性基材を通過する微量な酸素、 または包装体内部のヘッ ドスぺ ース中の酸素を除去すべく、 酸素吸収樹脂の開発が行われるようになってきた。 酸素吸収樹脂は、 大きく以下の 5つのタイプに分けられる。
( 1 ) 例えば日本特許第 3 0 6 4 4 2 0号公報に開示されるような、 不飽和化合 物の酸化分解反応あるいは酸素付加反応を利用したタイプ
( 2 ) 例えば特公平 7 - 8 2 0 0 1号公報に開示されるような、 遷移金属錯体を 利用した酸素配位結合タイプ
( 3 ) 例えば日本特許第 2 9 2 2 3 0 6号公報に開示されるような、 被還元性化 合物の還元 Z酸化反応を用いた、 過酸化水素化 (他ガスへの変換) タイプ
( 4 ) 例えば日本特許第 2 9 9 1 4 3 7号公報に開示されるような、 遷移金属に よる熱可塑性樹脂の酸化を用いたタイプ
( 5 ) 例えば日本特許第 3 0 1 9 1 5 3号公報に開示されるような、 還元鉄を熱 可塑性樹脂に配合したタイプ
これら酸素吸収樹脂は、 上述したバリァ性樹脂とは異なり、 酸化 ·配位などの 現象を利用することで酸素を消費 (吸収) させる。 したがって、 バリア性基材と 複合化させることにより微量の透過酸素をも吸収可能である。 また、 ヘッドスぺ ース中の微量酸素をも除去可能である。 このため、 内容物保存という点で注目を 浴びている。
しかしながら、 酸素吸収樹脂は、 接着剤や機能性コーティング剤を介在させる と、 酸素吸収効率 (速度) が著しく低下するといつた欠点を有する。 現状ではそ の詳細なメカニズムについては明確ではないが、 接着剤あるいは機能性コ一ティ ング剤由来の溶出成分が、 酸化触媒の活性を低下させる可能性、 いわゆる触媒毒 の可能性や、 酸素吸収の起点となるユニット (例えば不飽和結合部位など) への 影響、 具体的には分解による消費、 あるいは皮膜形成による酸化分解の阻止など が考えられる。
以上まとめると、 酸素吸収樹脂は内容物を外的刺激から保護できるため、 パッ
ケージ用または包装用として期待されている。 しかしながら、 上述したように、 いく ら酸素吸収樹脂が優れていても、 包装体の構成によっては包装体の酸素吸収 効率 (速度) が著しく低下するといつた問題が生じる。 あらゆる包装体にも適用 できる酸素吸収能を有する樹脂組成物、 それを用いた積層体、 および包装体が望 まれる。
本発明の課題は上記の実情を考慮したものであり、 包材構成に依存しないで酸 素吸収能を発現できる酸素吸収能を有する樹脂組成物、 および各種バリア層と複 合化させることで得られる酸素バリア性 酸素吸収性を有する積層体、 および包 装体を提供することを目的とする。
また、 酸素吸収ポリマーにおいて、 スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体 を分散相としてベース樹脂に配合した酸素吸収樹脂組成物においては、 分散相内 部でスチレン相とブタジエン相が相分離を起こし、 スチレンとブタジエンとの配 合比に応じたミク口相分離構造を形成することが知られている。 この状況では、 分散相内部では変調構造を形成しているが、 図 1に示すように、 ベース樹脂 1と の界面近傍では、 層状構造 (ラメラ構造) 2を形成している。 つまり、 分散相の 外層はスチレンあるいはブタジエン単層からなる層で幾重にも囲まれている。 このような組成物ではブタジエンュニットが酸素を吸収する部位として機能す るが、 上述したスチレン層およびブタジェン層からなるラメラ構造が形成される と、 酸素吸収に必用な添加剤である酸化触媒または光開始剤の作用をスチレン層 がブロックする。 このため、 スチレン -ブタジエン-スチレンからなるブロック 共重合体を用いると、 酸素吸収開始速度が遅いといったディメ リ ッ 卜がある。 また、 分散相の大きさも酸素吸収速度に影響を与えるため、 より微細に分散さ れていることが好ましい。 しかしながら、 上述した組成物の場合その多くが非相 溶系ポリマーであり、 ベース樹脂と分散樹脂との溶融粘度や溶解度パラメーター に大きな差異があるために、 分散相のサイズが大きくなり、 酸素吸収速度に悪影 響を及ぼす。
また、 特にポリプロピレン樹脂のような溶融張力の無いポリマーをベース樹脂 として使用した場合は、 得られる組成物の加工が非常に困難である。
先に説明したように、 酸素吸収樹脂は内容物を外的刺激から保護できるため、
パッケージ用または包装用として期待されている。 しかしながら、 内容物充填時 により早く酸素吸収を開始して欲しいとの要求は満たされていないのが現状であ り、 酸素吸収の立ち上がり速度を改善し、 かつどのような樹脂とのブレンドにお いても安定して製膜することが可能な、 酸素吸収能を有する樹脂組成物、 あるい はそれを用いた積層体、 および包装体が望まれる。
本発明は上記の実情を考慮してなされたものであり、 酸素吸収の立ち上がり速 さを改善し、 かつ安定した加工性を有することが可能な、 酸素吸収能を有する樹 脂組成物、 および各種バリア層と複合化させることで酸素バリア性ノ酸素吸収性 を有する積層体、 および包装体を提供することを他の目的とする。
さらに、 酸素吸収樹脂の中でも、 上記 (2 ) の遷移金属錯体を用いた酸素配位 結合タイプは、 錯体中の遷移金属 1分子に対し酸素 1分子を配意させるため能力 が低く、 インジケーターとしての機能は果たすが、 酸素吸収材として展開する事 は困難であるという問題点を有する。 この問題点は、 特公平 7 - 8 2 0 0 1号公 報にも開示されている。
また、 上記 (3 ) の被還元性化合物の還元 Z酸化反応を用いた過酸化水素化に ついては、 酸素吸収後に過酸化水素が発生する為、 衛生性 Z安全性に問題がある 。 さらには、 この反応を用いる事で熱可塑性樹脂自体が変色 (色素として機能も する為) する事も課題として挙げられる。 これら問題点は、 日本特許第 2 9 2 2 3 0 6号公報にも開示されている。
したがって、 熱可塑性樹脂の酸化を利用した (1 ) および (4 ) などのタイプ の酸素吸収樹脂が現在で最も主流となっていると言える。 しかしながら、 熱可塑 性樹脂の酸化を利用した酸素吸収樹脂は、 酸化反応による分解や架橋など、 酸素 吸収に伴うラジカル連鎖反応の副反応により膜物性が低下するという欠点を有す る。 例えば、 日本特許第 3 0 6 4 4 2 0号公報では、 炭素一炭素二重結合の割合 を限定することで上記問題の解決を図ることを提案しているが、 酸化分解に伴う 遊離ラジカルの影響については検討しておらず、 恒久的な膜物性を維持するには 至っていない。 さらに、 当該公報では、 炭素-炭素二重結合についてのみ検討さ れており、 樹脂の設計技術など高度な改良が必要となる。
また、 酸素吸収材料には、 ボイルやレ トルトなどの高温殺菌に耐えうる、 つま
り耐ボイル性または耐レトルト性を有することが求められる。 この問題を解決す るために、 酸素吸収樹脂を別の熱可塑性樹脂に配合するなどの試みがなされてい るが、 一般に、 酸素吸収樹脂と熱可塑性樹脂とは相溶性に劣り、 樹脂の凝集力が 低下して物性が低下する、 例えばヒ一トシール強度が低下するなどが問題が生じ る。
優れた耐ボイル性または耐レトルト性を有し、 かつヒ一トシール強度も良好な 酸素吸収樹脂として、 先に例示した日本特許第 3 0 1 9 1 5 3号公報に記載の還 元鉄を熱可塑性樹脂に配合した酸素吸収樹脂を例示できる。 このタイプの酸素吸 収樹脂は、 還元鉄を脱酸素剤として耐熱性を有する熱可塑性樹脂に配合すること で酸素吸収能を得ている。 しかしながら、 無機化合物を熱可塑性樹脂に配合する ため、 透明性が無く、 かつ着色するという問題点を有する。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、 酸素吸収能が高く、 かつ酸素 吸収による膜物性低下を抑制し、 さらには、 酸素吸収に伴う膜物性低下が抑制さ れ、 透明性、 耐熱性などに優れた酸素吸収能を有する包装体を提供することを他 の目的とする。
発明の開示
本発明は、 上記目的を達成するために、 熱可塑性樹脂 A 5 0〜 9 9重量。/。に対 し、 芳香族ビニル化合物 aとエチレン系不飽和結合を有する化合物 bとの共重合 体を含有する、 酸素吸収能を発現する酸素吸収樹脂 Bを 1〜5 0重量%配合した 樹脂組成物の 1 0 0重量部に対して、
酸化触媒 0 . 0 0 1〜 2重量部と、 光増感剤 0〜 2重量部とを配合してなる酸 素吸収能を有する樹脂組成物を提供する。
上記酸素吸収能を有する樹脂組成物においては、 共重合体が側鎖ブロック共重 合体であることが好ましレ、。
また、 上記酸素吸収能を有する樹脂組成物においては、 共重合体が直鎖ブロッ ク共重合体であることも好ましい。
さらに、 上記酸素吸収能を有する樹脂組成物においては、 酸素吸収能を発現す る酸素吸収樹脂 Bが、 芳香族ビニル化合物 aとエチレン系不飽和結合を有する化 合物 bとの共重合体と、 前記熱可塑性樹脂 Aに芳香族ビニル化合物 aをグラフ ト
共重合させたグラフト榭脂 Cとを含有してなる混合物であって、 上記共重合体が 直鎖プロック共重合体であることが好ましい。
また、 本発明は、 上記目的を達成するために、 上記酸素収能を有する樹脂組成 物を含有する層を具備する積層体を提供する。
さらに、 本発明は、 上記目的を達成するために、 上記積層体から形成される包 装体を提供する。
また、 上記目的を達成するために、 ァリル位の炭素、 ベンジル位の炭素、 三級 炭素、 α位の炭素から選ばれる C -H結合解離エネルギーが小さい炭素を有する 熱可塑性樹脂であって、 熱または光で発生したラジカルを起点として、 酸化触媒 のレドックス反応を利用したラジカル連鎖反応により酸化反応を促進させること で、 酸素吸収能を発現する酸素吸収樹脂 Dを含有してなる層を少なくとも一層具 備する酸素吸収能を有する包装体を提供する。 図面の簡単な説明
図 1は、 スチレン-ブタジエン-スチレン分散相の相分離構造の模式図である 図 2は、 ジブロックタイプ共重合体の骨格を説明する模式図である。
図 3は、 トリプロックタイプ共重合体の骨格を説明する模式図である。
図 4は、 側鎖型プロック共重合体の骨格を説明する模式図である。
図 5は、 相溶化剤を配合したスチレン-ブタジェン -スチレン分散相の相分離 構造の模式図である。
図 6は、 実施例 1の酸素吸収能力の評価結果を表わすグラフである。
図 7は、 実施例 2の酸素吸収能力の評価結果を表;
図 8は、 実施例 3の酸素吸収能力の評価結果を表:
図 9は、 実施例 4の酸素吸収能力の評価結果を表わすグラフである c 図 1 0は、 実施例 5及び実施例 6酸素吸収能力の評価結果を表:
る。
図 1 1は、 実施例 1 2の酸素吸収能の評価結果を表わすグラフである。
図 1 2は、 実施例 1 3の酸素吸収能の評価結果を表わすグラフである。
図 1 3は、 実施例 1 4の酸素吸収能の評価結果を表;
図 1 4は、 実施例 1 5の酸素吸収能の評価結果を表わすグラフである。
図 1 5は、 実施例 1 6の酸素吸収能の評価結果を表わすグラフである。
図 1 6は、 実施例 1 7の酸素吸収能の評価結果を表わすグラフである。
図 1 7は、 実施例 1 8の酸素吸収能の評価結果を表わすグラフである。
図 1 8は、 実施例 1 9の酸素吸収能の評価結果を表わすグラフである。
図 1 9は、 実施例 2 0〜 2 3の酸素吸収能の評価結果を表わすグラフである。 図 2 0は、 酸素吸収樹脂 D- 1のモルフォロジ一の模式図である。
図 2 1は、 酸素吸収樹脂 D - 2のモルフォロジ一の模式図である。
図 2 2は、 実施例 3 2〜 3 7の評価結果を示すグラフである。
図 2 3は、 実施例 3 8〜4 1の評価結果を示すグラフである。
図 2 4は、 実施例 4 2〜 4 6の評価結果を示すグラフである。
図 2 5は、 実施例 4 7〜4 9の評価結果を示すグラフである。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物、 積層体、 及び包装体を詳細に 説明する。
本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物は、 熱可塑性樹脂 A 5 0〜9 9重量% に対し、 芳香族ビニル化合物 aとエチレン系不飽和結合を有する化合物 bとの共 重合体を含有する、 酸素吸収能を発現する酸素吸収樹脂 Bを 1〜5 0重量%配合 した樹脂組成物の 1 0 0重量部に対して、 酸化触媒 0 . 0 0 1〜2重量部と、 光 増感剤 0〜 2重量部とを含有する。
上記酸素吸収能を有する樹脂組成物においては、 上記化合物 aと化合物 bとか らなる共重合体が側鎖ブロック共重合体であることが好ましい。
また、 上記酸素吸収能を有する樹脂組成物においては、 上記共重合体が直鎖ブ 口ック共重合体であることも好ましい。
酸素吸収能を有する樹脂組成物の主成分の 1つである熱可塑性樹脂 Aは、 酸素 吸収樹脂の成形性や強度物性を支配するものである。
主に、 ポリオレフイン系樹脂またはエチレン系共重合体が挙げられる。
ポリオレフイン系樹脂として、 より詳細には、 低密度ポリエチレン ; 中密度ポ リエチレン ;高密度ポリエチレン ; ひォレフィンがブテン- 1、 へキセン- 1 、 ォクテン- 1、 および 4 -メチルペンテン— 1などであるエチレン- αォレフィン 共重合体;ポリプロピレン、 ポリブテン- 1、 およびポリ 4 -メチルペンテン - 1 などであるポリ ひォレフイン ; ランダムポリプロピレン、 およびブロックポリプ 口ピレンなどの αォレフィン一エチレン共重合体;またはエチレン一プロピレン —ブテン共重合体、 ブテン-プロピレン共重合体、 プロピレン-ブテン共重合体、 プロピレン -へキセン共重合体、 およびプロピレン-ブテン-へキセン共重合体な どの 2種以上の αォレフィンを共重合させたものを例示できる。 また、 エチレン -環状ォレフィン共重合体などのポリオレフイン樹脂も使用可能である。 さらに は、 無水マレイン酸、 ビュル、 (メタ) ァクリ ロキシシラン化合物、 および (メ タ) アタリル酸グリシジルェステルなどの反応性官能基をグラフト反応させたポ リオレフイン樹脂などが挙げられる。
エチレン系共重合体としては、 エチレン- (メタ) アクリル酸共重合体、 ェチ レン- (メタ) アク リル酸メチル、 エチレン- (メタ) アク リル酸ェチル、 ェチ レン- (メタ) アク リル酸 η -ブチル、 エチレン- (メタ) アク リル酸 i -ブチル 、 エチレン— (メタ) アクリル酸 t—ブチル、 およびエチレン— (メタ) ァク リノレ 酸などイオン架橋物;エチレン- (メタ) アク リル酸- (メタ) アク リル酸エス テル三元共重合体などのエチレン-ひ, /3不飽和カルボン酸、 そのエステル化物 、 およびそのイオン架橋物;エチレン-酢酸ビニル共重合体、 その部分けん化物 、 およびその完全けん化物;エチレン- α , ]3不飽和カルボン酸エステル-無水 マレイン酸三元共重合体;およびエチレン- (メタ) アクリル酸グリシジルエス テル共重合体などが挙げられる。
また、 必要に応じて各種成分を共重合させたものでもよく、 例えば一酸化炭素 と共重合させたもの、 ァリル系化合物と共重合させたものなど種々選択すること ができる。 これらのポリオレフインおよびエチレン系共重合体は、 単体で使用し ても、 これら 1種以上の混合物としても使用できる。
上記熱可塑性樹脂 Αには、 芳香族ビニル化合物 aとエチレン系不飽和結合を有 する化合物 bとの共重合体を含有する酸素吸収樹脂 Bを配合させる必要がある。
酸素吸収樹脂 Bに含まれる共重合体のエチレン系不飽和結合部位で起こる酸化反 応により酸素吸収機能が生じる。
芳香族ビュル化合物 aとしては、 スチレン、 およびメチルスチレンなどのスチ レン誘導体;およびビニルナフタレンなどが挙げられるが、 汎用性という点から スチレンが 子ましレ、。
エチレン系不飽和結合を有する化合物 bとしては、 ブタジエン、 イソプレン、 および 2 -ェチルブタジエンなどが挙げられる。 これらの化合物を単体として使 用しても、 複数を組み合わせて混合物として用いてもよい。
本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物の大きな特徴は、 酸素吸収樹脂 Bの骨 格にある。 例えば、 化合物 aとしてスチレン、 化合物 bとしてブタジエンを用い たスチレン -ブタジエン共重合体の場合、 その骨格として、 (化合物 a ) - (化 合物 b ) のジブロック共重合体 (図 2参照) 、 (化合物 a ) - (化合物 b ) - ( 化合物 a ) のトリブロック共重合体 (図 3参照) 、 { (化合物 a ) - (化合物し ) } nであらわされる側鎖型ブロック共重合体 (図 4参照) が挙げられる。 さら に化合物 bの部分も、 1 , 2 -ブタジエン、 シス 1 , 4 -ブタジエン、 およびト ランス 1, 4 -ブタジエンである場合がある。
各種公報によると、 芳香族ビニル化合物 aとエチレン系不飽和結合を有する化 合物 bとの共重合体 (樹脂 B ) の骨格として 1 , 2 -ブタジエン、 シス 4 - ブタジエン、 およびトランス 1 , 4 -ブタジエンを用いることにより酸素吸収速 度を向上できるといった開示が見受けられる。
本発明の酸素吸収樹脂組成物においては、 化合物 b成分の骨格は限定されない 本発明者は、 酸素吸収能を有する樹脂組成物の検討過程において、 化合物 aと 化合物 bとからなる共重合体が、 ジブロック共重合体またはトリプロック共重合 体を含有してなる層を形成してその層を包装体に使用した場合、 接着剤または機 能性コ一ティング剤と上記共重合体を含有する層とが接触するように配置すると 、 酸素吸収効率 (速度) が著しく低下することを見出した。 その欠点を改善すベ く鋭意検討した結果、 化合物 aと化合物 bとからなる共重合体が側鎖型ブロック 共重合体である場合、 上記欠点を改善できることを見出した。 したがって、 化合
物 aと化合物 bとからなる共重合体は、 側鎖型ブロック共重合体であることが好 ましい。 しかしながら、 酸素吸収樹脂 Bの 1 0 0 %が側鎖型プロック共重合体で ある必要はない。
共重合体が直鎖型ブロック共重合体である場合は、 接着剤あるいは機能性コー ティング層由来の溶出成分により、 その酸素吸収速度は著しく低下する。 しかし ながら、 酸素吸収能力 (酸素吸収量) はエチレン系不飽和結合の量により決定さ れるため、 その他機能を付与する目的として、 ジブロックあるレ、は卜リブロック 共重合体などの直鎖型ブロック共重合体を配合しても構わない。 直鎖型プロック 共重合体を使用する場合、 酸素吸収樹脂 B 1 0 0重量%に対して、 側鎖型プロッ ク共重合体を 5 0 %以上添加することが好ましく、 7 0 %以上添加することがよ り好ましレ、。
また、 本発明者は、 上記検討過程において、 ジブロックあるいは卜リブロック 共重合体のような直鎖型プロック共重合体は、 側鎖型プロック共重合体よりも化 合物 bの配合量が少なく とも、 側鎖型プロック共重合体よりも酸素吸収速度や単 位樹脂重量に対する酸素吸収量が多いということを見出した。 したがって、 化合 物 aと化合物 bとからなる共重合体は、 直鎖型プロック共重合体であることも好 ましい。
エチレン系不飽和化合物を有する化合物 bに含まれる不飽和結合部位は酸素吸 収能に影響を与える。 このため、 芳香族ビュル化合物 aとエチレン系不飽和結合 を有する化合物 bとの重量比 (化合物 a Z化合物 b ) は、 1 0 / 9 0カ、ら 5 0 5 0の範囲にあることが好ましい。 化合物 aが 1 0重量%より少ないと樹脂組成 物の加工性に悪影響を与え、 化合物 aが 5 0重量%より多いと酸素吸収能力に劣 る。
直鎖型を用いることで同じ化合物 bの配合量でもより多く酸素を吸収すること が可能である。 また、 一般的に化合物 b成分が多くなると、 ゴム弾性が顕著にな り、 溶融状態における熱可塑性樹脂 Aにおける混練性が著しく低下し、 その結果 、 加工性の低下を伴う。 このような意味でも、 少ない化合物 bの量で効率よく酸 素を吸収する直鎖型プロック共重合体は、 好ましい化合物であるといえる。 樹脂組成物中に含まれる樹脂 Bの骨格は、 樹脂 Bを溶解させることが可能な溶
媒に、 樹脂組成物を含む層を浸漬させ、 その抽出液を核磁気共鳴法 (NM R ) な どの手段により分析することで確認できる。
本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物は、 酸化触媒を含む。 好ましい酸化触 媒として、 遷移金属を含む化合物が挙げられる。 遷移金属を含む化合物は、 酸素 吸収機構の触媒として働く。 遷移金属としては、 周期律 3 A〜 7 A、 8、 および 1 B族の元素が挙げられ、 この中でも特に、 コバルト、 マンガン、 鉄、 ニッケル 、 銅から選ばれる 1種以上の元素が好ましい。 好ましい遷移金属を含む化合物と しては、 芳香族カルボン酸塩、 および飽和または不飽和カルボン酸塩などの遷移 金属化合物塩;およびァセチルァセトナト、 エチレンジァミン四 ί乍酸、 サレン、 ポルフィリン、 およびフタロシアニンなどの遷移金属錯体が挙げられる。 特に、 上記遷移金属を含む炭素数 1 0 〜 2 0の飽和あるいは不飽和脂肪酸塩が好ましい 。 また、 上記遷移金属を含む脂肪酸塩の中でも、 ステアリン酸塩、 リノール酸塩 、 およびリノレン酸塩およびこれらの誘導体などが、 ノヽンドリングおよびコス ト などの面で好ましい。 遷移金属を含む化合物の配合量は、 上記樹脂 Αおよび樹脂 Bを含有する樹脂組成物 1 0 0重量部に対し、 0 . 0 0 1 〜 2重量部が好ましい 。 0 . 0 0 1重量部よりも少ないと、 酸化に伴う酸素吸収能が低下する。 2重量 部よりも多くとも構わないが、 飽和限界に到達してしまう。
上記酸化触媒の他に、 本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物は、 光増感剤を 含有してもよい。 好ましい光増感剤としては、 ベンゾィル基を含む化合物、 置換 基を有するベンゾィル基を含む化合物、 およびアジド化合物から少なくとも 1種 類以上選択される光増感剤が挙げられる。 これらは U Vあるいは E Bなどの活性 エネルギー線により容易に分解し、 各種ラジカルを形成できる。 このようにして 得られた各種ラジカルを起点にして反応が起こる。 より詳細な好ましい光増感剤 としては、 ベンゾフエノン、 0 -ベンゾィル安息香酸メチル、 4 -フヱニルベン ゾフヱノン、 ヒ ドロキシベンゾフエノン、 4—ベンゾィノレ— 4 ' メチル—ジフエ二 ルサルファイ ド、 アルキル化べンゾフエノン、 3 , 3 ' , 4 , 4 ' —テ 卜ラ ( t 一ブチルパーォキシ力ノレボニルベンゾフエノン) 、 ァセトフエノン、 ベンゾイン 、 2 , 2—ジメ トキシ— 1 , 2—ジフエ二ルェタン— 1—オン、 1—ヒ ドロキシ—シク 口へキシル—フヱ二ルケトン、 2—ヒ ドロキシ— 2—メチルー 1—フヱニル—プロパン
— 1一オン、 1— [ 4— ( 2—ヒ ドロキシエトキシ) —フエ二ノレ] —2—ヒ ドロキシ— 2—メチノレ— 1—プロノ ン— 1—オン、 2—メチノレ— 1 [ 4一 (メチルチオ) フエニル ] 一 2 -モルフォリ ノプロパン— 1—オン、 2メチノレ— 2—ジメチルァミノ— 1— ( 4 —モルフォリノフエ二ル) ーブタノ ン一 1、 ビス (2 , 4 , 6 卜リメチルベンゾィ ル) -フエ-ルフォスフィンオキサイ ド、 ビス (2 , 6—ジメ トキシベンゾィル ) ー2, 4 , 4—トリメチルーペンチルフォスフィンオキサイ ド、 および 2 , 4 , 6 -トリメチルベンゾィル -ジフエニル-フォスフィンォキサイ ドなどが挙げられ る。 光増感剤の添加量は、 樹脂 Aおよび樹脂 Bを含有する樹脂組成物 1 0 0重量 部に対し、 0〜2重量部である。 この光増感剤は活性エネルギー線による酸素吸 収開始に有効な添加剤であるため、 熱による酸素吸収を開始する場合には、 必ず しも添加する必要はない。 ただし、 活性エネルギ一線を用いて酸素吸収を開始さ せる場合には、 0 . 0 0 1〜2重量部の範囲が好ましい。 0 . 0 0 1重量部より も少ないと酸素吸収能力が低下する。 2重量部よりも多くとも構わないが、 飽和 限界に到達してしまう。
なお、 上記酸化触媒および光増感剤は、 少なくともどちらか一方が配合されて いれば、 または双方配合していなくても、 樹脂 Aおよび樹脂 Bを含有する樹脂組 成物は、 酸素吸収機能を発現する。 しかしながら、 これらを併用すると、 酸素吸 収サイクルを増幅させ、 酸素吸収速度も向上する。 このため、 双方添加すること が好ましい。 また、 これらは紫外線などをトリガーとしているが、 熱をトリガー として利用することもできる。
酸素吸収ポリマーの能力は、 樹脂 1 gが吸収可能な酸素の量 (m l ) で評価で きる。 酸素吸収ポリマーが用いられる包材の容積、 内容物充填量、 酸素透過度、 シェルフライフなどのファクターが加わるが、 酸素吸収能力の飽和到達時の能力 としては 1 5 m l Z g以上、 さらに好ましくは 2 0 m 1 Z g以上必要である。 上記酸化触媒および光増感剤の他に、 必須成分ではないが、 ヒンダードフエノ ールゃリン系の酸化防止剤を添加することが好ましい。 これらは、 11 ゃ£ 8を 照射することで発生したラジカルを捕獲してしまう為、 酸素吸収を妨げる。 しか しながら、 不飽和結合を有する化合物エチレン系不飽和結合を有する化合物 bは 成形時の加熱により容易に分解する可能性が有り、 それにより加工性の低下を伴
う恐れがある。 加工性の安定性を確保する、 さらには酸素吸収能の制御を行うと いう目的で適宜配合することができる。
ヒンダ一ドフエノール系酸化防止剤としては、 ペンタエリス 卜一ルテ トラキス [3- (3, 5—ジ— t—ブチル—4ヒ ドロキシフエニル) プロピオネー ト] 、 チォ ジエチレンビス [3- (3, 5 -ジ— t—ブチル—4ヒ ドロキシフエニル) プロピオ ネ— 卜] 、 ォクタデシノレ— 3— (3, 5—ジ— tーブチノレ- 4—ヒ ドロキシフエニル) プロピオネー 卜、 N, N' -へキサン— 1 , 6 -ジイノレビス [3— (3, 5—ジ— t— ブチノレ— 4—ヒ ドロキシフエニル) プロピオナミ ド] 、 ジェチル [ [3, 5—ビス (1, 1-ジメチルェチル) —4—ヒロ ドキシフエニル] メチル] ホスフォネー 卜 、 3, 3', 3", 5, 5 5 ' '—へキサ— t—ブチル—a , a ', a "- (メシチレン— 2, 4 , 6—トリィル) トリ— ρ—クレゾール、 へキサメチレンビス [3— (3, 5 -ジ— t—ブチル—4—ヒ ドロキシフエニル) プロピオネート、 および 1 , 3, 5 ートリス (3, 5—ジ— t—ブチルー 4—ヒ ドロキシベンジル) — 1, 3, 5—卜'リア ジン— 2, 4, 6 ( 1 H, 3H, 5 H) —トリオンなどを例示できる。
リ ン系酸化防止剤としては、 ト リス (2, 4-ジ _t_ブチルフエニル) フォス ファイ ト、 ビス [2, 4—ビス ( 1 , 1—ジメノレチェチル) 一 6—メチノレフエ二ノレ ] ェチルエステル亜リン酸、 テ トラキス (2, 4-ジ- t -ブチルフエニル) [ 1 , 1ービフエニル ] ー4, 4'一ジィルビスホスフォナイ ト、 およびビス (2, 4— ジ- t-ブチルフエニル) ペンタエリス ト一ルフォスフアイ 卜などが挙げられる 。 その他、 ラク トン系の酸化防止剤も使用可能である。
さらには、 必要に応じて、 上記以外の各種添加剤、 例えば、 難燃剤、 スリ ップ 斉 IJ、 およびアンチブロッキング剤などを配合することもできる。
上述した直鎖型プロック共重合体を用いても、 まだ立ち上がりの酸素吸収速度 が足りない、 あるいは加工性が著しく悪いといった問題点が発生した場合は、 熱 可塑性樹脂 Aに、 樹脂 B中に含まれる芳香族ビニル化合物 aをグラフ 卜共重合さ せたグラフ ト樹脂 Cを用いることが有効である。 グラフ卜樹脂 Cにおける化合物 aの割合は、 グラフ卜樹脂 C 1 00重量。 /。に対して 1〜50重量%であることが 好ましい。 グラフ卜樹脂 Cは、 樹脂 Aと樹脂 Bの相溶化剤として作用するもので あり、 樹脂 Bの分散サイズの低下、 そして樹脂 Bのミクロ相分離構造を変化させ
ることが可能である。
グラフ ト樹脂 Cを配合することで、 上述した樹脂 Bの分散相の界面付近に形成 されたラメラ層を崩し、 図 5に示すような、 変調構造を形成することが可能であ る。 これは、 分散相外殻を幾重ものスチレン層で保護された分散相が、 その構造 を破壊されることで、 より酸化触媒あるいは光開始剤の攻撃を受けやすくなるこ とに起因する。 グラフト樹脂 Cは、 ポリオレフイン樹脂にポリスチレンをベンダ ン卜状に付加させた構造を有しており、 特公平 6 - 5 1 7 6 7号公報などに開示 されるグラフト重合方法を用いて得ることができる。
また、 樹脂 Aと樹脂 Bとの相溶化剤として作用するグラフ卜樹脂 Cを配合する ことにより、 たとえ樹脂 Aとしてポリプロピレンのような溶融張力の無レ、熱可塑 性樹脂を選択し、 樹脂 Bとして上記樹脂 Aに対して相溶しない非相溶系を選択し たとしても、 得られる酸素吸収能を有する樹脂組成物の加工性を改善することが できる。 相溶化剤を配合すれば直鎖型ブロック共重合体を使用しても、 側鎖型ブ ロック共重合体を使用した組成物と同程度の優れた、 酸素吸収能力、 酸素吸収速 度、 および加工性を有する組成物を得ることができる。
上記酸素吸収能を有する樹脂組成物においては、 球状に分散した樹脂 Bの平均 分散サイズが 1 m以下であると、 酸素吸収速度が向上するため、 好ましい。 また、 上述したラメラ構造と変調構造との T E M像による分散相断面観察結果 において、 変調構造が 9 0 %以上である方が好ましい。 9 0 %より少ないと、 ラ メラ構造の影響で酸素吸収効率 (速度) の更なる向上が期待できない。
なお、 ミク口相分離構造の観察には透過型電子顕微鏡が有効であり、 相溶化剤 の有無に伴う樹脂 Bの相分離構造の変化を確認することが可能である。 さらに、 樹脂 Bの平均分散サイズは、 酸素吸収能を有する樹脂組成物を 2軸押出機などで コンパゥンド加ェを行った直後のモルフォロジーを観察することにより測定でき る。
本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物は、 所定配合量の熱可塑性樹脂 A、 酸 素吸収樹脂 B、 酸化触媒、 光増感剤、 および必要ならば各種添加剤を計量し、 ま た混練機に搭載されている各フィーダ一を用いて計量し、 次いでリボンミキサー 、 タンブラ一ミキサー、 およびヘンシェルミキサーなどを用いてドライブレンド
し、 その後単軸押出機および二軸押出機などの押出機、 バンバリ一ミキサーなど の混練機を用いて、 280°C以下、 好ましくは 260°C以下、 さらに好ましくは 240°C以下で混練することで得られる。 なお、 混練温度は、 ベースとなる熱可 塑性樹脂 Aの融点により決定される。
本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物は、 押出ラミネーシヨン成形、 押出キ ャス ト成形、 インフレーション成形、 インジェクション成形、 およびダイ レク ト ブロー成形など各種成形法を用いて単層または積層されたシート、 フィルム、 あ るいは三次元形状の成形体とすることができる。 また上述した成形法で酸素吸収 能を有する樹脂組成物を含有してなるフィルム (インフレ一シヨンなど) を得た 後、 ドライラミネーシヨン、 ウエッ トラミネーシヨン、 またはノンソルベントラ ミネ一ションで上記フィルム上に他の層を設けて、 積層体を得ることも可能であ る。 さらには、 インジェクション成形で酸素吸収能を有する樹脂組成物を含有し てなるプリフォームを得た後、 延伸ブロー成形により多層延伸ブローボトルにす ることも可能である。 本発明の積層体は、 これらの成形法に限られるものではな レ、。 上記のフィルム、 シート、 成形体は、 必要に応じてさらに加工することによ り、 袋などの軟包装体;容器の蓋材、 キャップあるいはインナーキャップ;容器 本体としてのボトル、 トレーまたは力ップ;他の素材と組み合わせて複合容器と して用いることができる。
本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物に含有される熱可塑性樹脂 Aは、 酸素 透過性に優れている。 つまり、 組成物自体が優れた酸素吸収能を有するのに加え 、 含有する熱可塑性樹脂 Aが優れた酸素透過能性を有している。 このため、 酸素 の透過が過大になる場合がある。
本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物を含有してなる層を具備する積層体に おいては、 酸素透過度 50 c m3x25 μ m (厚さ) Zm2 (面積) / 24 h ( 1. 0 1 3 25 X 1 05 P a) (圧力) 以下のバリア層を少なく とも 1層設ける ことが好ましい。 酸素透過度の測定は、 J I S K 7 1 26に準拠し、 例えばモ ダンコントロールズ社製の MOCON OX-TR AN (商品名) を用いて行う ことができる。
上記バリア層としては、 ポリエチレンテレフタレート、 およびポリエチレンナ
フタ レー 卜などのポリエステル樹脂、 ポリアミ ド 6、 ポリアミ ド 6 -ポリアミ ド 6 6共重合体、 および芳香族ポリアミ ドなどのポリアミ ド樹脂、 ポリアクリル二 ト リル樹脂、 ポリ ビニルアルコール樹脂、 エチレン-ビニルアルコール共重合体 樹脂、 およびポリ塩化ビニリデン樹脂から選択される熱可塑性樹脂を含有する熱 可塑性樹脂層 ; アルミニウム箔などの金属箔層;熱可塑性樹脂層に、 アルミニゥ ム、 酸化ケィ素、 酸化アルミニウムなどを P V D蒸着またはへキサメチレンジシ ロキサンなどのオルガノシランやアセチレンガス、 およびその他の炭素ガス源を 用いて C V D蒸着した蒸着熱可塑性樹脂層が挙げられる。
上記蒸着熱可塑性樹脂層においては、 蒸着層と熱可塑性樹脂層との密着性を向 上させる為の各種プライマー層を設けることもできる。 さらに、 特に P V D蒸着 した蒸着熱可塑性樹脂層においては、 ガスバリア性を向上させる為、 ポリビュル アルコール/シラン化合物系のオーバーコート層を設けることもできる。
上記酸素透過度を有するバリア層は、 多くの酸素を遮断する。 バリア層を透過 した僅かな酸素は、 酸素吸収能を有する樹脂組成物層が完全に吸収することがで きる。 樹脂組成物層が消費する酸素吸収能が少なくてすむため、 本発明の積層体 は、 包装体のへッ ドスペースの酸素をも吸収できる。
積層体の例を以下に記載する。 なお、 使用されている記号は以下の層またはフ イルムを意味する。
A: ポリオレフイン樹脂を含有する層、
B :酸無水物グラフト変性ポリオレフイン樹脂を含有する層、
C : エチレン-ビュルアルコール共重合体を含有する層、
D :酸化アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム、
E : アルミニウム箔、
F : エチレン- (メタ) アクリル酸共重合体を含有する層、
G : ポリ ビニルアルコール系オーバーコート層、
H : ウレタン系接着剤を含有する層、
I : ポリエステノレフィノレム
構成例 1 : AZ B Z C Z B Z酸素吸収樹脂組成物
成形法:押出成形、 射出成形、 ブロー成形など
用途: シート、 ボトル、 力ップ、 トレーなど
構成例 2 : D/G /HZAZ酸素吸収樹脂組成物
成形法:押出ラミネート、 ドライラミネートなど
用途:軟包装体、 蓋材など
構成例 3 : 1 /^1 £ノ?/酸素吸収樹脂組成物
成形法:押出ラミネートなど
用途 : ィンナーキヤップなど
構成例 4 :紙/ AZDZGノ HZA/酸素吸収樹脂組成物
成形法:押出ラミネートなど
用途:複合紙容器など
上述したように、 様々な層構成を有する積層体は、 そのまま各種用途の包装体 に利用できる。 なお、 本発明の積層体は、 上記例に限定されない。 また、 これら の積層体を組み合わせることで、 酸素を吸収する種々の包装体を形成できる。 さらに、 本発明の他の酸素吸収能を有する包装体を詳細に説明する。
本発明の他の包装体は、 ァリル位の炭素、 ベンジル位の炭素、 三級炭素、 ひ位 の炭素から選ばれる C -H結合解離エネルギーが小さい炭素を有する熱可塑性樹 脂であって、 熱または光で発生したラジカルを起点として、 酸化触媒のレドック ス反応を利用したラジカル連鎖反応により酸化反応を促進させることで、 酸素吸 収能を発現する酸素吸収樹脂 Dを含有してなる層を少なくとも一層具備する。 上記酸素吸収樹脂 Dのベースとなる熱可塑性樹脂としてはあらゆる熱可塑性樹 脂を使用することができるが、 その酸素吸収能力を考慮すると、 酸化反応が酸素 吸収に寄与する熱可塑性樹脂が好ましい。 具体的には、 ァリル位の炭素、 ベンジ ル位の炭素、 三級炭素、 ひ位の炭素など、 C-H結合解離エネルギーが小さい熱 可塑性樹脂が挙げられる。 なお、 酸化反応を起こレやすい熱可塑性樹脂ならば、 その骨格は問わない。
ァリル位の炭素を有する熱可塑性樹脂としては、 共役系および非共役系を含め て、 ブタジエンゴム、 イソプレンゴム、 スチレン -ブタジエン共重合体ゴム、 ス チレン-イソプレン共重合体ゴム、 ジシクロペンタジェン、 ノノレボルネン、 シク 口へキセンなどの脂環式不飽和炭化水素、 およびこれらの誘導体;各種油に代表
されるグリセロールの不飽和脂肪酸エステル;およびカロテノィ ドなどを例示で きる。
ァリル位の炭素を有する熱可塑性樹脂については、 特に上述してきた、 芳香族 ビニル化合物 aとエチレン系不飽和結合を有する化合物 bとの共重合体を含む樹 脂組成物を用いる事で、 酸素吸収能力に優れた包装体を得る事が可能である。 し かしながらこれらに限定されるものではない。
ベンジル位の炭素を有する熱可塑性樹脂としては、 キシリ レンジァミンの重合 物である M X D 6などの芳香族ポリアミ ド;およびキシリ レンジアミンのィソン ァネー卜誘導体から合成されたポリウレタン樹脂などが挙げられる。
三級炭素を有する熱可塑性樹脂としては、 プロピレンなどの C 3以上の αォレ フィンの重合体; ひォレフィンとモノマーとの共重合体;エチレン-酢酸ビュル 共重合体、 その部分けん化物、 および完全けん化物;ポリスチレン ; エチレン- , ]3不飽和カルボン酸共重合体、 そのエステル化物、 およびそのイオン架橋物 ;およびポリアクリロニトリルなど挙げられる。
さらには α位の炭素を有する熱可塑性樹脂としては、 脂肪族ポリエステル、 お よび脂肪族ポリアミ ドおよびこれらの誘導体のような、 脂肪族ジカルボン酸ある いは力プロラタ トン、 力プロラタタムの開環重合によって形成された、 カルボ二 ル結合に隣接する炭素原子を有する熱可塑性樹脂などが挙げられる。
上記酸化反応を起こしゃすい熱可塑性樹脂の中でも、 結晶化度またはガラス転 移温度が低い熱可塑性樹脂が好ましい。
これら酸化反応を起こしゃすい熱可塑性樹脂には、 酸化触媒を配合した方が、 酸素吸収能力の向上という点で好ましい。 好ましい酸化触媒としては、 上述した 遷移金属を含む化合物を例示することができる。 また、 好ましい配合量も、 上述 したとおり、 熱可塑性樹脂 1 0 0重量部に対し、 0 . 0 0 1〜2重量部である。 なお、 酸化触媒のレドックスサイクルを向上させることができるため、 遷移金 属が、 レドックス反応により熱可塑性樹脂 Dの酸化を行う遷移金属 Αと、 遷移金 属 Aのレドックス反応を促進させる遷移金属 Bとを含んでいる酸化触媒がより好 ましレ、。 遷移金属 Aは、 自ら酸化してあるいは還元されて、 ポリマー酸化反応で 生成したハイ ドロパ一ォキサイ ドを分解し、 R—〇 · (ラジカル) 、 R— O O '
(ラジカル) を生じる。
ただし、 遷移金属によっては酸化反応 還元反応の速度が大きく異なるため、 どちらか一方の反応が支配的になる。 これは、 レドックスサイクルが効率的に循 環せず、 最終的には反応が停止する事を意味する。 酸素吸収能力を持続的に維持 するためには、 遷移金属 Bを配合して遷移金属 Aのレドックスサイクルを効率よ く維持する必要がある。
代表的な組み合わせとしては、 遷移金属 Aが鉄、 遷移金属 Bが銅である。 酸化 還元電位に差がある遷移金属種を組み合わせる事で、 遷移金属 Aのレドックスサ ィクルが効率的に回転する。
例えば、 C o 2 +から C o 3 +への反応は迅速であるが、 じ 0 : +からじ 0 2 ÷への 反応は反応が遅いため、 コバルトを遷移金属 Aとして使用した場合、 遷移金属 B として鉄を配合することでコバルトのレドックスサイクルが効率的に回転する。 当然ながら、 上述した組み合わせ以外でももちろん構わない。
上述した酸素吸収樹脂 Dの酸素吸収機構の発現を、 U Vなどで行う場合には、 ベンゾィル基を含む化合物、 置換基を有するベンゾィル基を含む化合物、 および アジド化合物から選択される 1種類以上選択される光増感剤を配合した方が好ま しい。 酸素吸収樹脂 Dに添加される好ましい光増感剤としては、 上述した光増感 剤と同様の光増感剤を例示できる。 また、 得られる樹脂組成物 1 0 0重量部に対 する好ましい光増感剤の配合量も、 同様に、 0 . 0 0 1〜2重量部である。 ■ 上記添加剤の他に、 酸素吸収樹脂 Dとして配合することが好ましい添加剤とし ては、 上述したヒンダ一ドフ -ノールやリン系の酸化防止剤が挙げられる。 先に 説明したように、 これら酸化防止剤は、 U Vや E Bを照射することで発生したラ ジカルを捕獲してしまう為、 酸素吸収能を妨げる。 しかしながら、 上述した添加 必須成分は加熱により容易に分解する可能性が有り、 それにより加工性の低下を 伴う恐れがある。 また、 遷移金属を配合した熱可塑性樹脂は自動酸化機構のため 、 酸化反応が進行する。 従って、 加工性の安定性、 および酸素吸収樹脂 Dの安定 性を確保し、 さらには酸素吸収能を制御するため、 使用することが好ましい。 同様に必須成分ではないが、 酸素吸収樹脂 Dに配合しておいた方が好ましい物 質として、 各種可塑剤が挙げられる。 上述したように、 酸素吸収ポリマーの酸化
のしやすさは、 樹脂の運動性も影響受ける要因の一つである。 可塑剤は、 樹脂の 運動性を向上させるのに有効な添加成分である。 好ましい可塑剤としては、 ラウ リン酸、 ミ リスチン酸、 ノ ノレチミン酸、 ステアリン酸、 ォレイ ン酸、 エル力酸、 およびフタル酸などの各種ェステルが挙げられるが、 これらに限定はされない。 また、 上述したエステルを含有する可塑剤だけでなく、 ポリオレフインワックス のような低分子量化合物も配合することが可能である。 配合することで熱可塑性 樹脂 Dの分子運動性が向上するものであれば適宜使用することが可能である。 また、 必要に応じて上記以外の各種添加剤、 難燃剤、 スリ ップ剤、 アンチプロ ッキング剤など各種添加剤を配合することができる。
上述してきた酸素吸収樹脂 Dは、 それ単独でも使用することが可能であるが、 単独で使用した場合には酸化劣化に伴う膜物性の低下を引き起こす可能性がある 。 また臭気の発生や黄変も伴う恐れもある。
それら問題点に対しては、 上記酸素吸収樹脂 D 1〜5 0重量%に対して、 熱可 塑性樹脂、 好ましくはシク口ペンタジェニル誘導体の周期律表第 I I I、 I V、 V、 V I、 I X、 X族遷移金属原子を含有する錯体、 または上記金属錯体に必要 に応じてメチルアルミノキサンなどのシングルサイ ト触媒を用いて得られたェチ レン - αォレフイン共重合体を主成分とする熱可塑性樹脂 Eを 5 0〜9 9重量。 /0 の割合で含有させることが好ましい。 上記熱可塑性樹脂 Εは、 上記酸素吸収樹脂 Dに対する相溶性に乏しく、 したがって、 得られる上記酸素吸収樹脂 Dと上記熱 可塑性樹脂とを含有してなる樹脂組成物は非相溶系樹脂組成物である。
上記錯体に含まれる金属の中でも、 チタニウムやジルコニウムやハフニウムな どの周期律第 I V族の遷移金属が好ましい。
上記シングルサイ ト触媒の例としては、 ビス (シクロペンタジェニル) ジルコ ニゥムクロリ ドにメチル,アミノキサンを加えて得られたシングルサイ 卜触媒 (力 ミンスキー触媒) やその誘導体が挙げられる。 これら触媒は、 嵩高い 2つのシク 口ペンタジェニル基に遷移金属が導入された構造を有する。 チタン系の幾何拘束 触媒を用いることで、 C 6 , C 8、 あるいは C 9以上の高級 αォレフィンや、 シ ク口ペンタジェンやノルボルネンなどの環状ォレフィンをも導入できるので、 非 常に好ましい。
さらに、 得られるエチレン-ひォレフィン共重合体は、 密度が 0 . 8 8 5〜0 . 9 2 5 g / c m :であるポリォレフィンエラス トマ一あるいはポリォレフィン プラス トマ一であることがより好ましい。 ひォレフィンと しては C 3以上である 、 プロピレン、 ブテン- 1、 へキセン- 1、 4 -メチル -ペンテン—].、 およびォク テン- 1などを用いることができる。
上述したように、 酸素吸収樹脂 Dの 1〜5 0重量。 /0に対して熱可塑性樹脂 Eが 5 0〜9 9重量%の割合で配合される。 酸素吸収樹脂 Dが 1重量%より少ないと 、 酸素吸収能力に劣り、 5 0重量%より多いと膜物性に悪影響を及ぼす。
酸素吸収樹脂 Dおよび熱可塑性樹脂 Eを含有する樹脂組成物には、 必要に応じ て、 高密度ポリエチレン; 中密度ポリエチレン;低密度ポリエチレン;超低密度 ポリエチレン;マルチサイ ト触媒により得られたエチレン- αォレフィン共重合 体、 およびその無水マレイン酸変性物などの樹脂を、 シングルサイ ト触媒により 得られたエチレン-ひォレフィン共重合体の機能を損なわなレ、範囲で配合できる 樹脂組成物 Εおよび酸素吸収樹脂 Dを含有する樹脂組成物に、 樹脂を添加する 場合、 その樹脂は樹脂組成物 Εおよび酸素吸収樹脂 Dに対して相溶性の低!/、樹脂 、 つまり非相溶系樹脂であることが好ましい。
非相溶系樹脂であるか否かは、 樹脂の分子量、 密度、 モル吸引力定数から算出 される溶解度パラメーターを元に判断することができる。 しかしながら、 溶解度 パラメータ一は、 分子間相互作用を考慮していないため、 極性ポリマー同士の組 み合わせでは溶解度パラメーターを用いる非相溶系樹脂であるか否かを判断する ことが困難である。 そのような場合には、 樹脂組成物 Εおよび酸素吸収樹脂 Dと 添加する樹脂との組み合わせが、 水素結合、 双極子-双極子相互作用、 イオン - 双極子相互作用、 および π電子- π電子相互作用などといつた分子間相互作用を 持たなレ、組み合わせであることが好ましい。
さらには、 非相溶系樹脂であるか否かは、 s m a 1 1法または H o y法で得ら れるグループモル吸引力定数を用いて判断することもできる。
本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物が非相溶系のポリマーがプレンドされ た組成物であることが好ましい理由としては以下の内容が挙げられる。
酸素吸収樹脂 Dにおいて、 含有される光増感化合物が光でラジカルを発生し、 含有される遷移金属が有する酸化触媒作用でラジカル連鎖反応で生じることによ り酸素が吸収される。 つまり、 酸化過程で発生した各種遊離ラジカルが熱可塑性 樹脂の骨格を攻撃することで、 酸化反応が連鎖的に進行し、 その結果酸素を吸収 (消費) している。
例えば、 熱可塑性樹脂 Eが酸素吸収樹脂 Dに対して優れた相溶性を有する場合 、 つまり酸素吸収樹脂 Dと熱可塑性樹脂とが相溶系の場合、 酸素吸収樹脂 Dに配 合した添加剤も均一に熱可塑性樹脂 Eに分散し、 酸素吸収樹脂 Dと熱可塑性樹脂 Eとの均一な組成物相全体で酸化分解に伴う酸素吸収を開始する。
つまり、 酸素吸収樹脂 Dで起きるべき反応が、 樹脂組成物全体で分解反応とし て起きてしまう。 その結果、 強度物性が低下する。
これに対して酸素吸収樹脂 Dと熱可塑性樹脂 Eとが非相溶系である場合、 熱可 塑性樹脂 E中に分散した小量成分の各種添加剤に接触した酸素吸収樹脂 Dのみ酸 化分解し、 酸素吸収することとなる。 これにより、 ベースとなる熱可塑性樹脂 E の分解または架橋反応する機会が少ないために、 膜物性の低下を遅延させること が可能である。
上述したように、 酸素吸収樹脂 Dに対して相溶性の低い熱可塑性樹脂 Eを配合 させることにより、 相溶性に優れた熱可塑性樹脂 Eを配合した場合と比較して、 膜物性低下を遅延させることはできる。 しかしながら、 結局、 酸素吸収樹脂 Dで 発生した遊離ラジカルは熱可塑性樹脂 Eへ移行するため、 熱可塑性樹脂 Eもラジ カル連鎖反応が起きてしまう。 この問題点は、 以下に記載する積層構成を採用す ることにより解決できる。
さらに本発明において、 熱可塑性樹脂 Eとして、 シングルサイ 卜系のエチレン 一 αォレフィンからなるポリォレフィンエラストマ一、 またはポリオレフインプ ラストマ一を用いる理由は以下のとおりである。
ポリオレフインエラストマ一およびポリォレフィンプラス卜マー程度の低結晶 性材料を用いると、 粘接着性を付与することが可能である。 これは、 後述する熱 可塑性樹脂 Fへの積層や、 酸素吸収樹脂 Dとの非相溶系ポリマープレンドとの組 み合わせにも有効である。
シングルサイ ト系エチレン-ひォレフイン共重合体は分子量分布が狭い。 つま り、 各種成分の接着に悪影響を与えるとされる低分子量成分が存在しない。 通常、 非相溶系樹脂を積層させたり、 ブレンドすることは、 これらの材料界面 における接着性が著しく乏しいため困難とされている。 しかしながら、 ポリオレ フィンエラストマ一およびプラストマ一はガラス転移温度が低く、 かつ低密度で あることから濡れ性による接着性の改善を期待することができる。
さらに、 シングルサイ ト系のエチレン- αォレフィン共重合体を使用すること により、 異種材料との積層における界面接着特性、 または非相溶系のポリマーブ レンドにおける界面接着特性を向上させることが可能である。 これにより、 異種 材料を積層した際の界面ラミネート強度を向上させたり、 非相溶系ポリマ一ブレ ンドの凝集力を向上させてヒートシール強度の向上を達成できる。
さらに、 密度 0 . 8 8 5〜0 . 9 2 5 g Z c m 3の範囲、 より好ましくは、 0 . 8 8 5〜0 . 9 1 0 g Z c m 3の範囲のシングルサイ ト系エチレン -ひォレフ ィン共重合体であるポリォレフィンエラストマ一あるいはポリォレフィンプラス トマ一を用いると、 得られた組成物を用レ、て得た包装体の耐熱性が向上する。 一般に、 異種材料の接着体に熱が加えられると、 どちらか一方または双方の材 料が結晶化して体積収縮を起こし、 界面ひずみが生じることで、 接着性に悪影響 を及ぼす。 ポリオレフインエラストマ一およびプラス トマ一はそれ自体耐熱性を 持たないが、 結晶化し難いため、 界面のひずみが生じ難く、 したがって異種材料 の接着に対しては耐熱性を有する。
以上まとめると、 熱可塑性樹脂 Eとしてシングルサイ 卜系のエチレン - αォレ フィンからなるポリォレフィンエラストマ一あるいはポリォレフィンプラストマ —を用い、 かつ熱可塑性樹脂 Eに対する相溶性に劣る酸素吸収樹脂 Dを配合させ ることにより、 接着性および異種材料との接着における耐熱性を向上させること ができるうえ、 酸素吸収樹脂 Dの酸化反応にともなう熱可塑性樹脂 Eの酸化によ る物性低下を遅らせることができる。
上記酸素吸収樹脂 Dは、 必要とされる酸素吸収能を元に設定した各種所定配合 量の材料を計量し、 また混練機に搭載されている各フィーダ一を用いて計量し、 次いでリボンミキサー、 タンブラ一ミキサー、 およびヘンシェルミキサーなどを
用いてドライブレンドし、 その後単軸押出機および二軸押出機などの押出機、 バ ンバリ一ミキサーなどの混練機を用いて、 2 8 0 °C以下、 好ましくは 2 6 0 °C以 下、 さらに好ましくは 2 4 0 °C以下で混練することで得られる。 なお、 混練温度 は、 ベースとなる熱可塑性樹脂の融点により決定される。
さらに、 上記酸素吸収樹脂 Dに対して非相溶の熱可塑性樹脂 Eを配合する場合 には、 あらかじめ酸素吸収樹脂 Dを作成し、 前述した成形直前に熱可塑性樹脂 E と配合して、 直接積層体を得ることもできる。 また、 あらかじめ酸素吸収能 Dを 作成し、 熱可塑性樹脂 Eと混合し、 得られた組成物を前述した成形に用いること もできる。
本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物を用いて積層体を形成する際、 上記樹 脂組成物の層の少なくともどちらか片側、 好ましくは両側に、 熱可塑性樹脂 1 0 0重量部に対し酸素吸収能を有する樹脂組成物 Dの酸素吸収過程から発生した遊 離ラジカルを捕捉可能な化合物を必須成分として 0 0 1〜 2重量部配合して いる熱可塑性樹脂 Fを含有する層を設けることが重要である。
上記遊離ラジカルを補足可能な化合物としては、 先に説明した酸化防止剤を使 用できる。
上記熱可塑性樹脂 Fは、 酸素吸収能を有する樹脂組成物の膜物性を維持するた め層であり、 包装体のシーラント機能を有する材料であることが好ましい。 より 具体的には、 上記熱可塑性樹脂 Fとしては、 低密度ポリエチレン ; 中密度ポリェ チレン ;高密度ポリエチレン ; シングルサイ ト触媒あるいはチグラー触媒により 得られた、 ひォレフインがプロピレン、 ブテン- 1、 へキセン- 1 、 4 -メチル- ペンテン- ].、 オタテン- 1などのエチレン _ αォレフィン共重合体; ポリプロピ レン樹脂;プロピレン-ブテン- 1共重合体およびプロピレン-ブテン- 1 -へキセ ン - 1共重合体などの C 4以上のひォレフィンを共重合させたプロピレン- αォ レフィン共重合体; ブテン- 1 -プロピレン共重合体などの αォレフィン-プロピ レン共重合体;およびポリプロピレンおよびポリブテン- 1などのポリひォレフ ィンが挙げられる。
上述したように、 酸素吸収樹脂 Dではラジカル連鎖反応が進行し、 その遊離ラ ジカルが熱可塑性樹脂 Εまで移行する。 その遊離ラジカルはさらに積層させた熱
可塑性樹脂 Fにも移行し、 最終的には積層体で分解 ·架橋反応が生じて膜物性の 低下に至る。 この膜物性の低下を抑制させるという意味では酸化防止剤の添加は 有効な手段である。
しかしながら、 酸素吸収樹脂 D、 熱可塑性樹脂 E、 および熱可塑性樹脂 Fのい ずれに酸化防止剤を配合しても良いと言うわけではない。 酸素吸収樹脂 Dは上述 したように酸化反応の起点となるため、 酸化防止剤を配合すると酸化反応が低下 してしまう。 しかしながら、 酸化防止剤を配合しないと酸化反応の安定性が保て ない。
酸化防止剤を熱可塑性樹脂 Eに添加すると、 膜物性を維持することは可能であ るが、 酸素吸収樹脂 Dへ移行した場合には、 酸素吸収能が低下する恐れがある。 熱可塑性樹脂 Fに酸化防止剤を添加した場合、 熱可塑性樹脂 Fの膜物性を維持 すると共に、 熱可塑性樹脂 Eへ移行した遊離ラジカルを捕獲するため、 有効であ る。
このような点を鑑みて酸素吸収樹脂 D、 熱可塑性樹脂 E、 および熱可塑性樹脂 Fにおける酸化防止剤の添加処方について鋭意検討した結果、 以下の好ましい処 方を見出した。
酸素吸収樹脂 Dには、 その酸素吸収機構の発現と安定性確保を目的として、 ヒ ンダ一ドフエノール系酸化防止剤および/またはリン系酸化防止剤を、 酸素吸収 樹脂のベースとなる熱可塑性樹脂 1 0 0重量部に対し、 0 . 0 0 1 〜 2重量部を 配合することが好ましい。
熱可塑性樹脂 Fには、 膜物性の維持を目的として、 ヒンダードフエノール系酸 化防止剤および/またはリン系酸化防止剤を、 熱可塑性樹脂 1 0 0重量部に対し 、 0 . 0 0 1 〜 2重量部配合することが好ましい。
さらに、 熱可塑性樹脂 Eおよび Fにおける酸化防止剤のモル数においては、 熱 可塑性樹脂 Eに含まれる酸化防止剤のモル数 <熱可塑性樹脂 Fに含まれる酸化防 止剤のモル数であることが必要であることを見出した。
また酸化防止の使用のほかに、 酸素吸収能樹脂 Dと熱可塑性樹脂 Eを具備する 樹脂組成物層と、 熱可塑性樹脂 F層との厚み比も膜物性の維持に重要な要因であ る。
ここで、 酸素吸収能を有する樹脂組成物層の厚み (T-〇2) と酸素吸収能を 有する樹脂組成物層の少なくとも片側または両側に設けた熱可塑性樹脂 Fを含有 する層とのトータル厚み (T-C) に対する、 酸素吸収能を有する樹脂組成物層 の厚み (T- o2) の比 (T— CZT- o2) は、 1. 0以上である事が好ましい。 層の厚み比が 1. 0より小さいと、 熱可塑性樹脂 Fが有する積層体全体の膜物性 を補う能力よりも、 酸素吸収能を有する樹脂組成物層の劣化に起因する膜物性の 低下が勝り、 結果的に膜物性の低下を引き起こす。
膜物性を維持しているか否かは、 吸収前の積層体破断点伸度 (E-1) と吸収 後の積層体破断点伸度 (E 2) との比 (E-2ZE- 1) によって判断できる。
(E-2/E-1 ) ≥ 0. 5であれば膜物性を維持しており、 0. 5より小さい と、 膜物性を維持しているとは言えない。
上記熱可塑性樹脂 Eがエチレン _αォレフィン共重合体である点を考慮し、 か つ汎用シール性を重要視した場合、 熱可塑性樹脂 Fは低密度ポリエチレンおよび 中密度ポリエチレン等が好ましい。
上記熱可塑性樹脂 Εがエチレン-ひォレフィン共重合体である点を考慮し、 か つ低温シール性または共雑物シール性を重要視した場合、 熱可塑性樹脂 Fは、 シ ングルサイ 卜触媒またはチグラー触媒などのマルチサイ 卜触媒を用いて得られる エチレン- αォレフィン共重合体が好ましい。
ボイル適性を重要視した場合には、 熱可塑性樹脂 Fは、 高密度のエチレン - α ォレフィン共重合体または高密度ポリエチレンが好ましい。 なお、 これら樹脂を 使用した場合には、 熱可塑性樹脂 Εとの接着性については問題がない。
なお、 レトルト耐性を重要視した場合には、 熱可塑性樹脂 Fは、 ポリプロピレ ン樹脂が好ましい。 通常、 エチレン-ひォレフイン共重合体とポリプロピレン樹 脂は互いに相溶しない、 つまり非相溶系なので、 それらの間の接着性に問題が生 じるが、 本発明においては、 エチレン- αォレフィン共重合体を上記熱可塑性樹 脂 Εとして用いているため、 そのような問題は生じない。
接着性に問題があるか否かは、 上記酸素吸収樹脂 Dおよび熱可塑性樹脂 Εを含 有してなる層と、 熱可塑性樹脂 Fを含有してなる層とを具備する積層品を、 1 0 0°C-1時間の環境で保管した場合のラミネ一ト強度で判断できる。 ラミネート
強度が 1. 0 NZl 5mm以上である場合、 優れた接着性を有すると考えられる 。 ラミネート強度が 1. 0N/1 5mmょり小さぃと、 レトルト処理など高温殺 菌後、 包装体としての強度物性が不足する場合がある。
包装体には、 外部からの酸素もできるだけ除去することが望まれる。 そのため 、 先に説明したように、 包装体は、 酸素透過度が 50 cm 2 5 m (厚さ) Zm2 (面積) Z24 hZ (l . 0 1 32 5 X 1 05P a) (圧力) 以下である バリア層を具備することが好ましい。 バリア層の材料としては、 先に例示した層 を例示できる。
先に説明したように、 上記酸素透過度を有するバリア層は、 多くの酸素を遮断 する。 バリア層を透過した僅かな酸素は、 酸素吸収能を有する樹脂組成物層が完 全に吸収することができる。 樹脂組成物層が消費する酸素吸収能が少なくてすむ ため、 本発明の包装体は、 ヘッドスペースの酸素をも吸収するできる。
バリア層を、 上記酸素吸収樹脂 Dを含む積層体に積層させるには、 様々な手法 を用いることが可能である。 最も代表的な例としては、 バリア層と酸素吸収樹脂 Dを含む積層体とを、 ゥレタン系接着剤を用いてドライラミネーション法で積層 させる方法; インラインで製膜した酸素吸収樹脂 Dを含む積層体を、 押出ラミネ ーシヨン法または低温押出ラミネート法 (ニーラム法) によりウレタン系接着剤 を用いてバリア基材上に積層させる方法;インラインで製膜された、 バリア層と その上に塗布されたウレタン系接着剤とその上に設けられた酸素吸収樹脂 Dを含 む層とを具備する積層体を押出ラミネーションにより製膜されたポリオレフイン 系樹脂などでサンドラミネーション法を用いて挟みこむ方法;および、 あらかじ めバリア層にドライラミネーシヨン法でポリオレフイン系樹脂のキャス卜あるい はィンフレーシヨンフィルムを積層させ、 次いでこの積層バリア層を用いて上述 した製法により酸素吸収樹脂 Dを含む積層体を積層させる方法が挙げられる。 上記方法を実行するに際しては、 ゥレタン系接着剤の移行成分が酸素吸収樹脂 Dを含む層にまで達し、 酸素吸収能力が低下する点に注意しなければならない。 詳細な原理は不明であるが、 ウレタン系接着剤からの溶出成分、 例えば環状エス テル成分などが、 酸化防止剤または遷移金属の触媒活性の触媒毒として働いてい る可能性が考えられる。 この接着剤成分の移行は、 特にボイルやレトルトなど高
温殺菌を施した時に発生する。 これは、 包装体の酸素吸収能を低減させるきっか けとなる。
しかしながら、 この問題は、 ボイル処理やレトルト処理などの高温殺菌時にお いても溶出成分あるいは移行成分が少なレ、接着剤を用いることで解決できる。 例えば、 このような接着剤としては、 ダイマ一脂肪酸類、 その水素添加体、 お よびそれらのエステル化合物から選ばれる少なくとも 1種と、 必要に応じて、 芳 香族ジカルボン酸類とそのエステル化合物から選ばれる少なくとも 1種と、 少な くとも 1種のダリコール類との反応により得られるポリエステルポリオ一ル、 こ のポリエステルポリオールをジィソシァネートで伸長して得られるポリエステル ウレタンジオール、 またはこれらの混合物を主剤として含有し、 硬化剤としてジ イソシァネートのトリメチロールプロパン付加体、 ビューレツ 卜体、 および三量 体から選ばれる少なくとも 1種のポリィソシァネートを含有する 2液硬化型のゥ レタン系接着剤が挙げられる。
つまり、 ダイマー脂肪酸、 その水素添加体、 またはそれらのエステルと、 ダリ コールとの反応により得られるポリエステルポリオールを主剤として使用できる 。 さらに必要に応じて芳香族ジカルボン酸等を使用できる。
好ましいグリコールとしては、 C n H 2 n ( O H) 2 ( n = 2〜 2 0、 好ましく は n = 2〜 1 0 ) で表されるグリコール、 ジエチレングリコール、 ジプロピレン グリ コーノレ、 ト リエチレングリ コーノレ、 3—ァミ ノプロパンジォ一ル、 1 , 3 - シクロへキサンジメタノーノレ、 1 , 4—シクロへキサンジメタノール、 ダイマー 酸還元グリコール、 ジメチロールプロピオン酸、 ポリエチレングリコール、 ポリ プロピレングリコール、 ポリ 1 , 2 -ブチレングリコール、 およびポリテトラメ チレンエーテルダリコールなどが挙げられる。
必要に応じて使用する芳香族ジカルボン酸としては、 テレフタル酸、 イソフタ ル酸、 フタル酸、 ナフタレンジカルボン酸、 ビフエ二ルカルボン酸などを例示で さる。
主剤としては、 上記ポリエステルポリオールの他に、 得られたポリエステルポ リオールを、 イソホロンジイソシァネー卜、 キシリレンジイソシァネ一卜、 卜 リ レンジイソシァネート、 へキサメチレンジイソシァネート、 水素添加キシリ レン
ジイソシァネート、 ジフエニルメタンジイソシァネート、 ノルボルネンジイソシ ァネー卜、 および水素添加ジフエニルメタンジィソシァネートなどのジィソシァ ネー卜で伸長させたポリエステルウレタンポリオールを用いることもでき、 さら にはこれらの混合物を用いることもできる。
硬化剤としては、 上記ジイソシァネートのトリメチロールプロパン付加体、 ビ ユーレツ ト体、 および三量体から選ばれる少なくとも 1種のポリィソシァネー卜 を使用できる。
接着剤成分が移行したか否かは、 酸素吸収能を有する包装体中に蒸留水を充填 し、 8 0 〜 1 4 0 °Cの範囲で加熱処理を施した際に、 フィルムを介してその接着 剤から発せられる移行物質の溶出量を調べることにより判断することができ、 そ の量が蒸留水中に 5 0 p p b以下の溶出量であることが好ましい。 それ以上であ ると、 酸素吸収能力に影響を与える。 ただし、 移行物質の溶出量を測定する場合、 包装材料の内表面積に対する内容物量の割合は 0 . 5 m 1ノ c 以上であるこ とを前提とする。
これら包装体を得るにあたって、 臭気などの問題がある場合には、 消臭剤、 例 えば、 ゼォライ ト、 活性炭、 ポリエチレンィミンなどの各種アミンを、 熱可塑性 樹脂 Eまたは熱可塑性樹脂 Fに配合することが好ましい。
上述した酸素吸収樹脂 Dを用いた包装体であつて、 酸素吸収に伴う膜物性の低 下、 接着剤移行による酸素吸収能力の低下を抑制した包装体においても、 上述の 層構成と同様の層構成を採用することができる。 以下に本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物、 積層体、 及び包装体を、 実施 例および比較例を参照して説明する。 なお、 本発明は、 以下の実施例に限定され るものではなレ、。
[酸素吸収能を有する樹脂組成物の作成:材料]
以下の材料を用いた。
<樹脂 A >
• A- 1 :低密度ポリエチレン樹脂 (M l = 3 5 )
• A- 2 :ブロックポリプロピレン樹脂 (M I = 2 3 )
. A- 3 :無水マレイン酸グラフ ト変性ポリエチレン樹脂 (Ml = 5) く樹脂 B>
• B- 1 :側鎖型スチレン -ブタジエンブロック共重合体 (ブタジエン : 6 5重 量0 /。)
• B-2 :直鎖型スチレン一ブタジエンブロック共重合体 (ブタジエン: 60重 量0 /。)
<酸化触媒 (遷移金属化合物) 〉
' ステアリン酸コバルト
<光増感剤 >
• 2メチノレ一 2—ジメチノレアミノ— 1 _ (4—モノレフオリ ノフヱ二ノレ) 一ブタノン一 1 またはビス (2, 4, 6-卜リメチルベンゾィル) -フエニルフォスフィンォキ サイ ド
[酸素吸収能を有する樹脂組成物の作成:製造]
以下の実施例に示す配合処方になるようにドライブレンドした樹脂 Aと樹脂 B とを 2軸押出機 (φ = 30, L/D = 49) を用いて吐出 9 k g、 1 80°C、 5 0 r p mで混練した。
また、 同じ熱可塑性樹脂を用いて、 熱可塑性樹脂 100重量部に対して遷移金 属化合物および光増感剤をそれぞれ 2重量部配合した樹脂組成物を作成し、 それ ぞれのマスターバッチを同様の条件で試作した。 得られたコンパゥンド物および マスタ一バッチは、 空冷ペレタイズを行い、 アルミ包装体に保管した (不活性ガ ス置換済み) 。
[評価サンプルの作成:材料]
<バリア性基材〉
' アルミニウム箔積層ポリエステル基材 (ポリエステル 1 2 μηι、 アルミニウム 箔 7 i m) 以下アルミ基材と呼ぶ。
•酸化アルミニウム蒸着ポリエステル基材 (ポリビニルアルコールノンラン力ッ プリング剤系オーバ一コート層有り : 1 2 i m) 以下透明バリア基材或いは単に バリア基材と呼ぶ。
<中間層 >
•低密度ポリエチレン (ィンフレーションフィルム 4 0 μ m)
. ランダムポリプロピレン樹脂 (キャス トフイノレム 4 0 μ m)
[評価サンプルの作成:製造]
本発明の樹脂組成物の能力確認を行つた。 ドライラミネート手法により、 上記 アルミ基材、 透明バリア基材と中間層であるォレフィン系フィルムを、 ウレタン 系接着剤により貼りあわせた積層フィルムを基材として用いた。
上記コンパウンドおよびマスターバッチに、 加工性の安定性を考慮してリン系 、 ヒンダードフエノール系酸化防止剤をそれぞれ、 0. 0 5、 0. 0 2 5重量部 ドライブレンドしたものを、 以下に示す実施例の配合比に従い、 2種 2層共押出 機 (φ = 6 5、 LZD= 2 3) により 200°C、 50 mZm i nの条件で製膜を 行った。 その際、 中間層に本発明の樹脂組成物を 2 5 μ ηα、 最外層に熱可塑性樹 脂 A-1あるレ、は A- 2を 1 5 mで押出した。 得られた積層体は以下の層構成 を有する。
(外側) アルミ基材 接着剤 Z低密度ポリエチレン/樹脂組成物層 ZA-1 ( 内側) 。
(外側) アルミ基材 Z接着剤ノランダムポリプロピレン/樹脂組成物層/ A- 2 (内側) 。
(外側) 透明バリァ基材 Z接着剤ノ低密度ポリエチレン Z樹脂組成物層 Z A -
1 (内側) 。
(外側) 透明バリア基材 接着剤 Zランダムポリプロピレン Z樹脂組成物層 Z
A-2 (内側) 。
上述した積層体の内側から、 高圧水銀ランプを用いて O m JZC m2 (未照射 ) 、 1 1 5 0 m J / c m , 2 0 0 0 m J c m 2になるように光を照射したサ ンプノレを 1 0 OmmX 1 0 Ommに切り取り、 200 mmX 2 0 Ommのァノレミ バウチに充填した (減圧下シール) 。 その後、 空気 (〇2濃度 = 2 1 %) を 1 4 Om l充填したものの、 経時による酸素吸収能力を酸素濃度計により測定した。 また参考データとして実施例および比較例で記した樹脂組成物を含む 2種 2層単 膜フィルム自体の酸素吸収能力を示す。
実施例 1
樹脂 A- 1を 70重量%、 樹脂 B- 1を 30重量%、 遷移金属化合物および光 增感剤を、 それぞれ上記樹脂組成物 1 00重量部に対し 0. 1重量部配合するこ とで製膜した。 酸素吸収能力の評価結果を表わすグラフを図 6に示す。 このダラ フで、 口はアルミ基材を用いた積層体、 △は透明バリア基材を用いた積層体での 酸素吸収能力を表わす。
実施例 2
樹脂 A-2を 70重量%、 樹脂 B- 1を 30重量%、 遷移金属化合物および光 增感剤を、 それぞれ上記樹脂組成物 100重量部に対し 0. 1重量部配合するこ とで製膜した。 酸素吸収能力の評価結果を表わすグラフを図 7に示す。 このグラ フで、 口はアルミ基材を用いた積層体、 △は透明バリア基材を用いた積層体での 酸素吸収能力を表わす。
実施例 3
樹脂 A- 1を 70重量%、 樹脂 B- 2を 30重量%、 遷移金属化合物および光 增感剤を、 それぞれ上記樹脂組成物 1 00重量部に対し 0. 1重量部配合するこ とで製膜した。 酸素吸収能力の評価結果を表わすグラフを図 8に示す。 このグラ フで、 口はアルミ基材を用いた積層体、 △は透明バリア基材を用いた積層体での 酸素吸収能力を表わす。
実施例 4
樹脂 A-2を 70重量%、 樹脂 B- 2を 30重量%、 遷移金属化合物および光 增感剤を、 それぞれ上記樹脂組成物 100重量部に対し 0. 1重量部配合するこ とで製膜した。 酸素吸収能力の評価結果を表わすグラフを図 9に示す。 このグラ フで、 口はアルミ基材を用いた積層体、 △は透明バリア基材を用いた積層体での 酸素吸収能力を表わす。
[包材としての機能- 1〕
上述した積層体の内側から、 高圧水銀ランプを用いて 2, O O OmJ/c m2 になるように照射したサンプルを 200 mmX 100 mmに切り取り、 シール幅 1 Ommのインパルスシール機により 2方をシールした。 その後、 シール幅 1 0
mmのバキュームシール機により真空包装体を作成した後、 包装体コーナー部か らセプタム存在化で空気 (02= 2 1 %) を 2 5m l注入した。 注入部位におけ るコーナー部はさらに 1 Ommのインパルスシールにてシールを施し、 ガスのリ ークを抑制した。 表面積は 1 4, 000mm2である。 その後、 酸素濃度計を用 いてガス 1 0 m 1 を注入し、 包材としての酸素吸収能を確認した。
実施例 5
実施例 1に示す構成で評価を行った。 酸素吸収能力の評価結果を表わすダラフ を図 1 0に示す。
実施例 6
実施例 3に示す構成で評価を行った。 酸素吸収能力の評価結果を表わすグラフ を同様に図 1 0に示す。
[包材としての機能- 2]
実施例 7
実施例 1に示す積層体をそのまま蓋材として用いた。 その時の容器はポリェチ レンとエチレンビニルアルコ一ル共重合体と酸無水物グラフ ト変性ポリエチレン からなる 3種 5層バリア容器である。 蓋材の表面積は 2 0 0 0 0 mm2である。 内容物を充填後、 ヘッ ドスペースガス量 (空気: 〇2= 2 1 %) を 2 5 m lに整 したところ、 実施例 5に示す結果と同様な結果が得られた。
実施例 8
実施例 3に示す積層体をそのまま蓋材として用いた。 その時の容器はポリェチ レンとエチレンビニルアルコール共重合体と酸無水物グラフ ト変性ポリエチレン からなる 3種 5層バリア容器である。 蓋材の表面積は 2 0, 00 0 mm2である 。 内容物を充填後、 へッドスペースガス量 (空気: 02濃度 = 2 1 %) を 2 5m 1に調整したところ、 実施例 6に示す結果と同様な結果が得られた。
実施例 9
実施例 1示す構成の積層体を円形に切り取り、 それをィンサー卜インジヱクシ ョン成形により酸素吸収性を有するィンナ一のキヤップを成形した。 表面積は、 約 7 0 0mm2である。 この時の容器は、 へキサメチレンジンロキサンを C V D
蒸着により酸化ケィ素膜を形成させた内容量 5 0 O m 1のポリエチレンテレフタ レートボトルである。 U V照射はサンプル充填前のキャップの状態で行い、 ポリ エチレンテレフタレートボトルに粉体サンプルを充填後、 上述した調整ガスによ り置換し、 キヤッビングを亍った。 へッドスペースガス量は 1 O m 1であった。 有効面積が小さいが充填ガス量が少ない為、 有効面積が小さくとも十分酸素を吸 収することができた。
実施例 1 0
実施例 3に示す積層体を円形に切り取り、 それをインサー卜インジェクション 成形により酸素吸収性を有するインナ一のキャップを成形した。 表面積は、 約 7
0 0 m m 2である。 この時の容器は、 へキサメチレンジシロキサンを C V D蒸着 により酸化ケィ素膜を形成させた内容量 5 0 0 m lのポリエチレンテレフタレ一 トボトルである。 U V照射はサンプル充填前のキャップの状態で行い、 ポリェチ レンテレフタレートボトルに粉体サンプルを充填後、 上述した調整ガスにより置 換し、 キャンピングを つた。 ヘッドスペースガス量は 1 0 m 1であった。 へッ ドスペースガス量が少ない為、 2 5 0 h保存後で酸素吸収が僅かに確認されたが 、 十分でなかった。
実施例 1 1
樹脂 Aとして A- 3を用いることで無水マレイン酸グラフ 卜変性ポリエチレン 樹脂をベースとした酸素吸収能を有する樹脂組成物層を作成し、 エチレンービニ ルアルコール共重合体およびポリェチレン樹脂を用いて 3種 5層の積層体を作成 した。 そして実施例 7と同じ形態の容器を真空成形により トレーを作成した。 実 施例 5で用いた積層体を蓋材として用いて同様な評価を行ったところ、 酸素を吸 収する能力が向上し、 長期間のシェルフライフを保証することが可能であった。 実施例 1〜1 1で用いた樹脂 A並びに樹脂 Bの種類とそれらの配合比とを、 以 下の表 1にまとめて示す。
樹脂 A 樹脂 B 酉己 it 実施例 1 A— 1 B 1 70/ 30 実施例 2 A— 2 B— 1 70/30 実施例 3 A— 1 B 2 70 Z 30 実施例 4 A— 2 B— 2 70 Z 30 実施例 5 A— 1 B— 1 70/30 夹万也例 6 A— 1 B— 2
実施例 7 A- 1 B— 1 70/30 実施例 8 A- 1 B— 2 70/30 実施例 9 A- 1 B 1 70/30 実施例 1 0 A- 1 B - 2 70/30 実施例 1 1 A- 1 B— 1 70/30 実施例 1 1 1の酸素吸収能力の評価結果から、 酸素吸収能を有する樹脂組成 物は、 その酸素吸収を付与する樹脂 Bとして、 直鎖型ブロック共重合体を用いる と、 単膜では立ち上がりの酸素吸収効率 (速度) が早かった場合でも、 積層体を 形成することで著しくその効率 (速度) が低下することが確認された。 一方、 側 鎖型ブロック共重合体を用いることで、 包材構成による酸素吸収効率 (速度) の 低下を抑制することが可能であることが確認できた。
[酸素吸収能を有する樹脂組成物の作成 2 :材料]
以下の材料を用いた。
く樹脂 A〉
• A- 1 :低密度ポリエチレン樹脂 (M I = 35)
• A— 2 : ブロックポリプロピレン樹脂 (M I = 23 )
• A- 3 :無水マレイン酸グラフ ト変性ポリエチレン樹脂 (M l = 5)
<樹脂 B〉
• B- 1 :側鎖型スチレン-ブタジエンブロック共重合体 (ブタジエン : 6 5重 量0 /。)
• B- 2 : 直鎖型スチレン-ブタジエンブロック共重合体 (ブタジエン: 60重
量0 /0)
<樹脂 C >
• C - 1 : ポリスチレン-グラフ 卜-ポリエチレン (ポリスチレン : 3 0重量0 /。)
• C— 2 : ポリスチレン—グラフト—ポリプロピレン (ポリスチレン : 3 0重量0 /。
)
ぐ酸化触媒 (遷移金属化合物) >
• ステアリン酸コバルト
ぐ光増感剤〉
• 2メチル—2—ジメチルァミノ— 1— ( 4—モルフォリノフエ二ル) —ブタノン— 1 あるいはビス ( 2 , 4 , 6 -ト リメチルベンゾィル) 一フエニルフォスフィンォ キサイ ド
[酸素吸収能を有する樹脂組成物の作成 2 :製造]
以下の実施例に示す配合処方になるようにドライブレンドした樹脂 Aと樹脂 B 、 または樹脂 Aと樹脂 Bと樹脂 Cとを 2軸押出機 (0 = 3 0、 L / D = 4 9 ) に より吐出 9 k g、 1 8 0 °C、 5 0 r p mで混練した。 また、 同じ熱可塑性樹脂を 用いて、 熱可塑性樹脂 1 0 0重量部に対して、 遷移金属化合物および光増感剤を それぞれ 2重量部配合した樹脂組成物を作成し、 それぞれのマスターバッチを同 様の条件で試作した。 得られたコンパウンド物およびマスターバッチは、 空冷べ レタイズを行い、 アルミ包装体に保管した (不活性ガス置換済み) 。
また、 本コンパウンドを紫外線硬化性エポキシ樹脂で包埋し、 液体窒素で凍結 させたサンプルをミクロ トームで薄片サンプルを作成 (染色処理済み) し、 樹脂 Bのミクロ層分離構造を透過型電子顕微鏡 (T E M) で観察した。 その結果、 樹 脂 C未配合ではラメラ構造および変調構造からなる相分離構造を有し、 変調構造 が占める割合が 8 0 %であったのに対し、 樹脂 Cを配合することで、 9 0〜9 5 。/。が変調構造を示すようになった。
[評価サンプルの作成 2 :材料]
ァ性基材>
. アルミニウム箔積層ポリエステル基材 (ポリエステル 1 2 m、 アルミニウム 箔 7 μ πι) 以下アルミ基材と呼ぶ。
•酸化アルミニウム蒸着ポリエステル基材 (ポリビュルアルコール シランカッ プリング剤系オーバ一コート層有り : 1 2 μ m)以下透明バリア基材或いは単に バリァ基材と呼ぶ。
ぐ中間層 >
•ィ氐密度ポリエチレン (ィンフレーションフィノレム 4 0 μ m)
• ランダムポリプロピレン樹脂 (キャス トフイノレム 4 0 μ m)
[評価サンプルの作成 2 :製造] '
本発明の樹脂組成物の能力確認を行った。 ドライラミネー卜法により、 上記ァ ルミ基材、 透明バリア基材と中間層であるォレフィン系フィルムを、 ウレタン系 接着剤により貼りあわせた積層フィルムを基材として用いた。
上記コンパゥンドぉよびマスターバッチを、 そして加工性の安定性を考慮して リン系、 ヒンダードフエノール系酸化防止剤をそれぞれ、 0. 0 5、 0. 0 2 5 重量部ドライブレンドしたものを、 以下に示す実施例の配合比に従い、 3種 3層 共押出機 ( φ = 6 5、 L/D = 2 3 ) により 2 2 0°C、 5 0 m/m i n . の条件 で 2種 3層の共押出キャス トフィルムの製膜を行った。 その際、 中間層に本発明 の樹脂組成物を 2 5 μ m、 最外層および最内層に熱可塑性樹脂 M 1 = 6. 5の低 密度ポリエチレンあるいは M l = 8. 0のポリプロピレンを 1 5 μ παで押出した 。 上述した基材および共押出キャス トフィルムを、 それぞれ押出ラミネ-ト機の 卷き出し部およびサンド供給部にセットし、 低密度ポリエチレン (Μ Ι = 5. 1 ) あるいはポリプロピレン (M l = 2 3 ) を 2 9 0°Cの温度で 2 0 mになるよ うに製膜することで、 押出サンドラミネ -シヨンを施した。 得られた積層体は以 下のような構成を示す。
(外側) アルミ基材 Z接着剤/低密度ポリエチレン (ドライ) Z低密度ポリエ チレン (M l = 5. 1 ) /低密度ポリエチレン (M l = 6. 5 ) 樹脂組成物層 /低密度ポリエチレン (M 1 = 6. 5 ) (内側) 。
(外側) アルミ基材 Z接着剤/ポリプロピレン (ドライ) ポリプロピレン (
M I = 23 ) ポリプロピレン (M I = 8. 0 ) /樹脂組成物層ノポリプロピレ ン (M I 8. 0) (内側) 。 .
(外側) 透明バリァ基材 接着剤 "低密度ポリエチ ン (ドライ) Z低密度ポ リエチレン (Ml = 5. 1) 低密度ポリエチレン (Ml =6. 5) Z樹脂組成 物層 Z低密度ポリエチレン (Ml ^=6. 5) (内側) 。
(外側) 透明バリァ基材 接着剤/ポリプロピレン (ドライ) ノポリ ピロピレ ン (M I = 23 ) Zポリプロピレン (M I = 8. 0 ) 樹脂組成物層 Zポリプロ ピレン (M I = 8. 0) (内側) 。
[評価サンプルの作成 2 : サンプル調整および評価法]
上述した積層体の内側から、 高圧水銀ランプを用いて 0m jZcm2 (未照射 ) 、 1 1 5 0 m J / cm2, 2000 m J c m 2になるように照射したサンプ ルを 1 0 OmmX 1 0 Ommに切り取り、 200 mm X 20 Ommのアルミノ ゥ チに充填した (減圧下シ-ル) その後、 空気 (O 濃度 = 2 1 %) を 1 4 0m 1充填したものの、 経時による酸素吸収能力を酸素濃度計により測定した。 また 参考デ-タとして実施例および比較例で記した樹脂組成物を含む 2種 3層単膜フ ィルム自体の酸素吸収能力も測定した。
実施例 1 2
樹脂 A- 1を 70重量%、 樹脂 B- 2を 30重量%、 遷移金属化合物および光 增感剤を、 それぞれ上記樹脂組成物 1 00重量部に対し 0. 1重量部配合するこ とで製膜した。 酸素吸収能力の評価結果を表わすグラフを図 1 1に示す。 このグ ラフで、 口はアルミ基材を用いた積層体、 △は透明バリア基材を用いた積層体で の酸素吸収能力を表わす。
実施例 1 3
樹脂 A- 1を 55重量%、 樹脂 B- 2を 30重量%、 樹脂 C- 1を 1 5重量%、 遷移金属化合物および光増感剤を、 それぞれ上記樹脂組成物 100重量部に対し 0. 1重量部配合することで製膜した。 酸素吸収能力の評価結果を表わすグラフ を図 1 2に示す。 このグラフで、 口はアルミ基材を用いた積層体、 △は透明バリ ァ基材を用いた積層体での酸素吸収能力を表わす。
実施例 14
樹脂 A- 2を 70重量%、 樹脂 B- 2を 30重量%、 遷移金属化合物および光 増感剤を、 それぞれ上記樹脂組成物 100重量部に対し 0. 1重量部配合するこ とで製膜した。 酸素吸収能力の評価結果を表わすグラフを図 1 3に示す。 このグ ラフで、 口はアルミ基材を用いた積層体、 △は透明バリア基材を用いた積層体で の酸素吸収能力を表わす。
実施例 1 5
樹脂 A- 2を 5 5重量%、 樹脂 B- 2を 30重量%、 樹脂 C- 2を 1 5重量%、 遷移金属化合物および光増感剤を、 それぞれ上記樹脂組成物 1 00重量部に対し 0. 1重量部配合することで製膜した。 酸素吸収能力の評価結果を表わすグラフ を図 1 4に示す。 このグラフで、 口はアルミ基材を用いた積層体、 △は透明バリ ァ基材を用いた積層体での酸素吸収能力を表わす。
実施例 16〜: 1 9
実施例 1 2〜1 5で使用した樹脂 B-2のかわりに樹脂 B-1を用いた。 酸素 吸収能力の評価結果を表わすグラフを図 1 5から 18に示す。 このグラフで、 口 はアルミ基材を用いた積層体、 △は透明バリア基材を用いた積層体での酸素吸収 能力を表わす。
[包材としての機能 2— 1]
上述した積層体の内側から、 高圧水銀ランプを用いて 200 Om j Zc m2に なるように照射したサンプルを 20 OmmX 10 Ommに切り取り、 シール幅 1 0 mmのインパルスシール機により 2方をシールした。 その後、 シール幅 1 0m mのバキュームシール機により真空包装体を作成した後、 包装体コーナー部から セプタム存在化で空気 (02濃度 = 21%) を 25 m 1注入した。 注入部位にお けるコーナー部はさらに 10 mmのインハ レスシーノレにてシーノレを方 (Eし、 ガスの リークを抑制した。 表面積は 14, 00 Omm2である。 その後、 酸素濃度計を 用いてガス 1 0m lを注入し、 包材としての酸素吸収能を確認した。
実施例 20および 2 1
実施例 1、 2に示す構成による包材で評価を行った。 酸素吸収能力の評価結果
を表わすグラフを図 1 9に示す。
実施例 2 2および 2 3
実施例 1 6および 1 7に示す構成による包材で評価を行った。 酸素吸収能力の 評価結果を表わすグラフを同様に図 1 9に示す。
[包材としての機能 2-2]
実施例 24および 2 5
実施例 1 2および 1 3に示す積層体をそのまま蓋材として用いた。 その時の容 器はポリエチレンとエチレンビュルアルコ-ル共重合体と酸無水物グラフト変性 ポリエチレンからなる 3種 5層バリア容器である。 蓋材の表面積は 2 0, 000 mm2である。 内容物を充填後、 へッ ドスペ-スガス量 (空気: 02濃度 = 2 1 % ) を 2 5m 1に調整したところ、 実施例 20および 2 1に示す結果と同様な結果 が得られた。
実施例 2 6および 2 7
実施例 1 6および 1 7に示す積層体をそのまま蓋材として用いた。 その時の容 器はポリエチレンとエチレンビュルアルコール共重合体と酸無水物グラフト変性 ポリエチレンからなる 3種 5層バリア容器である。 蓋材の表面積は 2 0, 0 00 mm2である。 内容物を充填後、 ヘッ ドスペースガス量 (空気: 02濃度 = 2 1 ' %) を 2 5m 1に調整したところ、 実施例 2 2および 2 3に示す結果と同様な結 果が得られた。
実施例 2 8および 2 9
実施例 1 2および 1 3に示す構成の積層体を円形に切り取り、 それをインサー トインジヱクション成形により酸素吸収性を有するインナ一のキャップを成形し た。 表面積は、 約 7 0 0mm2である。 この時の容器は、 へキサメチレンジシロ キサンを CVD蒸着により酸化ケィ素膜を形成させた内容量 5 0 Om 1のポリエ チレンテレフタレートボトルである。 UV照射はサンプル充填前のキヤップの状 態で行い、 ポリエチレンテレフタレートボトルに粉体サンプルを充填後、 上述し た調整ガスにより置換し、 キヤッビングを行った。 ヘッドスペースガス量は 1 0 m 1であった。 有効面積が小さいが充填ガス量が少ない為、 有効面積が小さくと
も十分酸素を吸収することができた。
実施例 3 0および 3 1
樹脂 A- 1のかわりに A- 3を用いることで無水マレイン酸グラフ 卜変性ポリ エチレン樹脂をベースとした酸素吸収能を有する樹脂組成物層を作成し、 ェチレ ン-ビニルアルコ一ル共重合体およびポリエチレン樹脂を用レ、て 3種 5層の積層 体を作成した。 そして実施例 2 4および 2 5と同じ形態の容器を真空成形により トレーを作成した。 実施例 1 2および 1 3で用いた積層体を蓋材として用いて同 様な評価を行ったところ、 酸素を吸収する能力が向上し、 長期間のシェルフライ フを保証することが可能であった。
実施例 1 2〜 3 1で用いた樹脂 Aと樹脂 B、 または樹脂 Aと樹脂 Bと樹脂 Cの 種類とそれらの配合比を、 以下の表 2にまとめて示す。
表 2
[酸素吸収樹脂 Dの作成 3 :材料]
以下の材料を用いた。
くベース樹脂〉
• DB— 1 : ホモポリプロピレン樹脂 (M I = 2. 0)
• D B-2 : スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体 (ブタジエン 6 5 重量%)
<熱可塑性樹脂 E〉
• E- 1 : シングルサイ ト系エチレン-へキセン- 1共重合体 (密度 0. 89 gZ c m 3 M I = 6. 5)
• E-2 :低密度ポリエチレン (密度 0. 9 1 8 g./c m\ MI = 7)
• E-3 : シングルサイ 卜系エチレン-へキセン- 1共重合体 (密度 0. 93 g/ c m 3、 M I = 4. 0 )
• E-4 : マルチサイ ト系エチレン-ォクテン- 1共重合体 (密度 0. 92 gZ c m 3、 M I = 5. 2 )
く酸化触媒 (遷移金属化合物) 〉
. T一 1 : ステアリン酸コバルト
• T— 2 : ヒ ドロキシステアリン酸鉄
• T - 3 : ステアリン酸銅
<光増感剤〉
• P I - 1 : 2メチル—2—ジメチルアミノ— 1— (4—モルフォリ ノフエニル) ーブ タノンー 1
[酸素吸収樹脂 Dの作成:製造]
酸素吸収樹脂 D— 1および D_ 2は以下の異なる製法で作成した。 酸素吸収樹 脂 D— 1については、 ベース樹脂 DB— 1を 1 00重量部に対し、 必須成分とし て、 遷移金属化合物 T- 2および T- 3を金属として 0. 2重量部、 光増感剤を 0. 1重量部、 そして加工性、 酸素吸収能力の安定性を考慮してリン系、 ヒンダ 一ドフヱノール系酸化防止剤をそれぞれ、 0. 05、 および 0. 025重量部を あらかじめタンブラ一ミキサーでドライブレンドしたものを、 2軸押出機 = 30, L/D= 49) により吐出 9 k g、 1 80°C、 50 r pmで混練した。 得 られたコンパゥンド物は、 以下に示す加工時に熱可塑性樹脂 Eと共にドライブレ ンドした後、 製膜を行う事で最終的な酸素吸収樹脂 D— 1を含む樹脂組成物を作 成した。 この酸素吸収樹脂を含む樹脂組成物のモルフォロジ一的な概念図を図 2 0に示す。 なお、 図 20において、 a、 b、 d、 e、 および f は、 それぞれベー ス樹脂、 熱可塑性樹脂 E、 光増感剤、 酸化触媒 (遷移金属化合物) 、 および酸化 防止剤を示す。
一方、 酸素吸収樹脂 D— 2は、 予め加工安定性を考慮して、 ベース樹脂 DB— 2にリン系、 ヒンダードフエノール系酸化防止剤を同様に 0. 05、 0. 025 重量部配合したものを用い、 熱可塑性樹脂 Eと D- 2のコンパウンドを、 上記コ
ンパウンド条件で混練した。 そして別途、 遷移金属化合物として T- 1を、 さら に光増感剤をそれぞれ熱可塑性樹脂 E 1 0 0重量部に対しそれぞれ 1重量部添加 して混練しコンパウンドを作成し、 それを以下に示す工程でドライブレンド後製 膜する事で、 遷移金属および光増感剤が D- 2を 1 0 0重量部とした時にそれぞ れ 0. 1重量部になるように調製した。 この酸素吸収樹脂を含む樹脂組成物のモ ルフォロジー的な概念図を図 2 1に示す。 なお、 図 2 1において、 a、 b、 d、 e、 および ί'は、 それぞれベース樹脂、 熱可塑性樹脂 Ε、 光増感剤、 酸化触媒 ( 遷移金属化合物) 、 および酸化防止剤を示す。
また、 熱可塑性樹脂 Εに配合した酸素吸収樹脂 Dは 3 0重量%に統一した。
[評価サンプルの作成 3 :材料]
<バリア基材〉
• S- 1 :酸化アルミニウム蒸着ポリエステル基材 (ポリ ビニルアルコール Ζシ ランカツプリング剤系オーバーコー卜層有り : 1 2 m)
• S-2 : ポリエステル基材 (2 5 m) ノ下記ポリウレタン系接着剤 (3〜5 μ m) Zアルミニウム箔層 (7 i m)
あらかじめこれらのバリア基材には、 低密度ポリエチレン (4 0 μ ΐη) フィル ムを以下に示すポリウレタン系接着剤により ドライラミネ一ト法にて積層させた
<熱可塑性樹脂 Fに酸化防止剤を配合する前の熱可塑性樹脂〉
• F ρ- 1 : シングルサイ ト系エチレン-へキセン- 1共重合体 (密度 0. 9 3 g / c m' M I = 4. 0)
• F p- 2 : ランダムポリプロピレン樹脂
<ラミネ一ト用樹脂 >
• E X- 1 :低密度ポリエチレン (E— 1 : M I = 5. 1押出ラミネ一トグレー ド)
くポリウレタン系接着剤 >
- P EU-1 :
主剤: テレフタル酸、 イソフタル酸、 アジピン酸と 1, 4-ブタンジオールか らなるポリエステルポリオール
硬化剤: トリメチロールプロパンのトリレンジィソシァネー卜付加体 • P EU-2 :
主剤 : 2, 6-ナノレタレンジカルボン酸ジメチル、 テレフタル酸、 ダイマー酸 とプロピレンダリコールからなるポリエステルポリオール
硬化剤: 卜リメチロールプロパンのイソホロンジイソシァネート、 キシリ レン
-ト付加体
[評価サンプルの作成 3 :製造]
酸素吸収樹脂 Dを配合した熱可塑性樹脂 Eと、 熱可塑性樹脂 Fもしくは Fもど き (以下 (F p) と称する) ) を 3種 3層共押出キャス ト製膜機により、 2種 3 層あるいは 3種 3層の共押出フィルムを作成した (0 = 65、 L/D= 23) 。 加工温度は 240°Cであり、 加工速度は 5 OmZm i n. である。
この共押出フィルムをサンドラミネーション手法により、 各種バリア基材上に ラミネート用樹脂を用いて厚さ 1 5 μηιで積層させた。 加工温度は低密度ポリエ チレンで 320°Cである。 各層の酸化防止剤の添加量については実施例にて記載 する。
[共押出フィルムの酸素吸収能力および膜物性の評価]
上述した共押出フィルム単体を用いて、 高圧水銀ランプを用いて照射エネルギ — 2000 m J/c m2になるように照射したサンプルを 1 00 X 1 00 mmに 切り取り、 アルミバウチに封入後バキュームシール機により真空包装体を作成し た。 その後、 空気 (〇2= 2 1 %) を 1 0 Om 1充填して経時による酸素吸収能 力と単膜の強度物性について評価した。 酸素濃度は酸素濃度計を用い、 強度物性 についてはテンシロンの引張り試験モードで行い、 クロスへッ ドスピ一ド 50m m/m i n. でその破断点伸度を測定した。 実施例 32
酸素吸収樹脂 D_ 1、 熱可塑性樹脂 Eとして E - 1、 熱可塑性樹脂 Fとして F- 1を用いた。 その際、 層構成は、 F-1/酸素吸収樹脂 D-1 +熱可塑性樹脂 E - 1 /F-1 = 2 5/2 5/2 5 ( μ m) であり、 熱可塑性樹脂 E中には酸化防止 剤を配合していない。 一方、 熱可塑性樹脂 Fにはリン系およびヒンダ一 ドフエノ ール系酸化防止剤を、 F p- 1が 1 0 0重量部に対しそれぞれ 0. 2重量部、 0
. 1重量部配合して F- 1とした。
実施例 3 3
酸素吸収樹脂 D- 2を用いた以外は、 実施例 3 2と同じである。
実施例 3 4
酸素吸収樹脂 Dとして D— 2、 熱可塑性樹脂 Eとして E- 2を用いた以外は実 施例 3 2と同じである。
実施例 3 5
熱可塑性樹脂 F p-1に酸化防止剤を配合しなかった以外は実施例 3 3と同じ である。
実施例 3 6
熱可塑性樹脂 Eにリン系およびヒンダードフエノ一ル系酸化防止剤を、 熱可塑 性樹脂 E 1 0 0重量部に対して 0. 2重量部、 0. 1重量部配合し, 熱可塑性樹 脂 F p- 1の 1 0 0重量部に対し、 リン系およびヒンダ一ドフエノ一ル系酸化防 止剤を 0. 1重量部、 0. 0 5重量部配合した以外は、 実施例 3 3と同じである 実施例 3 7
2種 3層共押出フィルムの層構成を 1 0Z 25ノ1 0 (μ πι) にした以外は、 実施例 3 3と同じである。
結果を下記表 3および図 2 2に示す。 以上の結果より、 本明細書記載の範囲で 設定された共押出単膜フィルムは、 実施例 3 2から 3 4記載の通り、 優れた酸素 吸収能力を有しながら、 かつ酸素吸収に伴う膜物性の低下を改善できる事が確認 できた。
一方、 実施例 3 5では、 熱可塑性樹脂 F p-1への酸化防止剤の添加の影響が 確認できた。 実施例 3 7では層厚比による膜物性の影響が容易に確認できた。 ま
た、 実施例 3 6では熱可塑性樹脂 Eへの酸化防止剤の配合が、 酸素吸収能力の立 ち上がりに影響を与えている事が確認できた。 これらの実施例より、 酸化防止剤 処方および膜厚バランスが、 酸素吸収能と膜物性の維持に影響している事が確認 できた。 -
表 3
樹脂中の使用 4尉脂 樹脂中の酸化防止剤 膜厚比 破断点伸度比 酸素吸収能力 樹脂 D 樹脂 E 樹脂 F 樹脂 E 樹脂 F
実施例 32 D— 1 E— 1 F p - 1 0. 2/0. 1 2 0. 85 〇 実施例 33 D— 2 E— 1 F p - 1 0. 2/0. 1 2 0. 87 〇 実施例 34 D— 2 E- 2 F p - 1 0. 2/0. 1 2 0. 68 〇 実施例 35 D— 2 E— 1 F p - 1 2 0. 29 〇 実施例 36 D— 2 E— 1 F p - 1 0. 2/0. 1 0. 1/0. 05 2 0. 88 X 実施例 3 7 D— 2 E— 1 F p - 1 0. 2/0. 1 0. 8 0. 43 〇
[積層体の酸素吸収能力とヒートシール強度]
上述したバリア基材 (P EU- 1を使用) に積層させた積層体を用いて、 高圧 水銀ランプを用いて照射エネルギー 2 0 0 O m Jノ c m2になるように照射した サンプルを 1 0 0 X 1 0 Ommに切り取り、 そのサンプルを 2つに折り曲げ、 1 4 0°C、 3 k g/ c m l s e c . の条件でヒートシールを施した。
このヒートシールサンプルをアルミパゥチに封入後バキュームシール機により 真空包装体を作成した。 その後、 空気 (〇2= 2 1 %) を 1 0 O m l充填して経 時による酸素吸収能力と、 積層体のヒー トシール強虔について評価した。 酸素濃 度は酸素濃度計を用い、 ヒートシール強度については引っ張り試験機、 東洋ゴー ルドウイン株式会社製 テンシロン (商品名) の剥離試験モ一ドで行い、 クロス へッ ドスピード 3 0 0 mm/m i n . の T型剥離で行った。
実施例 3 8
基材として S- 1を用レ、、 実施例 3 3記載のフィルムを積層させた。
実施例 3 9
基材として S- 2を用いた以外は実施例 3 8と同じである。
実施例 4 0
基材として S- 1を用い、 実施例 3 4記載のフィルムを積層させた。
実施例 4 1
基材として S- 1を用い、 実施例 3 5記載のフィルムを積層させた。
結果を表 4および図 2 3に示す。 以上の結果より、 実施例では基材の影響も無 く、 酸素吸収能力とヒー トシール強度を維持しており、 サンプルが材料破壊する ほどの強度を確保している。
一方、 実施例 4 0でも確認されるように、 酸素吸収能および膜物性の維持が確 認された実施例 3 4でも、 非相溶系のブレンド設計である為、 熱可塑性樹脂 Fの 破断に伴う強度は確保できているが、 その後、 酸素吸収層で凝集破壊を起こし、 ヒートシール強度の安定性に課題を残している。
また、 実施例 4 1では熱可塑性樹脂 F pに酸化防止剤を配合していない為、 酸 素吸収層での凝集破壊強度は熱可塑性樹脂 F pの破断に伴う強度低下の傾向が確 認される。
表 4
実施例 4 0および 4 1におけるヒールシート強度は、 樹脂 Fが破断する強度 樹脂 Eの凝集破壊強度を意味する。
[バウチ評価]
上述したバリア基材 (P EU- 1使用) を用いた積層体を、 高圧水銀ランプを 用いて照射エネルギー 2 0 0 Om Jノ c m2になるように照射したサンプルを 2 1 0 X 2 1 Ommに切り取り、 そのサンプルを 2つに折り曲げ、 熱可塑性樹脂 F に酸化防止剤を配合する前の熱可塑性樹脂として F- 1を用いた場合は 1 4 0。C 、 3 k g/c m 1 s e c . の条件で、 F- 2を用いた場合は、 1 6 0°C、 3 k g/c m 2、 l s e cの条件でヒートシールを施した。
この有効面積 4 0, 0 0 0 mm2のバウチサンプノレを用いてバキュームシール 機により真空包装体を作成した。 その後、 空気 (〇2= 2 1 %) を 1 0 O m l充 填して経時による酸素吸収能力と、 バウチとしての強度物性を評価した。 酸素濃 度は酸素濃度計を用い、 バウチの強度物性は引っ張り試験機、 東洋ゴールドウイ ン株式会社製 テンシロン (商品名) の剥離試験モードで行い、 ヒートシ一ル部 の剥離状態を観察する事で評価した。
実施例 4 2
実施例 3 8記載の積層体をバウチにして評価した。
実施例 4 3
バウチ内面の熱可塑性樹脂 Fに酸化防止剤を配合する前の熱可塑性樹脂を F p -2にした以外は実施例 4 2と同じである。
実施例 44
熱可塑性樹脂 Eを E- 3にした以外は実施例 4 3と同じである。
実施例 4 5
熱可塑性樹脂 Eを E- 2にした以外は実施例 4 3と同じである。
実施例 4 6
熱可塑性樹脂 Eを E-4にした以外は実施例 4 3と同じである
下記表 5および図 24に結果を示す。 これらの結果より、 シングルサイ 卜系ェ チレン -αォレフィン共重合体を用いる事で、 シーラン卜層となる内面の熱可塑 性樹脂 Fがエチレン -αォレフイン共重合体でも、 ポリプロピレン樹脂でも、 包 材が材料破壊するほどの強度が得られている事が確認できる。
また、 低密度ポリエチレンおよびマルチサイ ト系のエチレン- αォレフィン共
重合体は、 低分子量成分が共押出界面で弱境界層を形成するために共押出界面の 強度が弱く、 層間剥離を示すことが確認された。
表 5
樹脂 c Pの使用樹脂 樹脂中の酸化防止剤 基材 ラミネート強度 剥離挙動 樹脂 D 樹脂 E 樹脂 F 樹脂 E 樹脂 F N/15mm
実施例 42 D— 2 E— 1 F p - 1 0. 2/0. 1 S— 1 ' 剥離できず 剥離できず 実施例 43 D— 2 E— 1 F p— 1、 F p - 2 0. 2/0. 1 S一 1 5. 3 界面剥離 実施例 44 D- 2 E— 3 F p— 1、 F p— 2 0. 2/0. 1 S— 1 4. 8 界面剥離 実施例 45 D— 2 E- 2 F p— 1、 F p— 2 0. 2/0. 1 S - 1 0. 3 界面剥離 実施例 46 D— 2 E— 4 0. 2/0. 1 S— 1 0. 6 界面剥離 丄 J
1
1
IS
[耐熱性評価]
U Vを照射していない上記積層サンプルを同様にバウチにし、 9 5 °C、 1 h r のボイル処理による酸素吸収能力の影響と、 包材の強度物性とを評価した。 酸素 濃度は酸素濃度計を用い、 バウチの強度物性は引っ張り試験機、 東洋ゴールドウ イン株式会社製 テンシロン (商品名) の剥離試験モー ドで行い、 ヒ一卜シール 部の剥離状態を観察する事で評価した。 また、 以下の実施例で記載の構成を内表 面積 3 0 0 c m 2の包装体とし、 内容物として水を 1 5 0 m l封入密封し 9 5 °C 、 1 h rのボイル処理を施したものを室温まで放冷し、 内容物である水を有機溶 媒で液-液抽出あるいは固相抽出あるいは凍結乾燥にて濃縮した後、 ガスクロマ トグラフ質量分析計にて溶出された低分子量物質の測定を行った結果、 P E U - 2についてはその溶出成分が 5 0 p p b以下であつたのに対し、 P E U- 1につ いてはそれをはるかに上回る溶出量であった。
実施例 4 7
接着剤として P E U- 2を用いた以外は、 実施例 4 3と同じ構成で評価した。 実施例 4 8
接着剤として P E U- 1を用いた以外は実施例 4 7と同じである。
実施例 4 9
熱可塑性樹脂 Eとして E - 3を用いた以外は実施例 4 7と同じである。
結果を表 6および図 2 5に示す。 ボイルの影響としては、 低溶出設計の接着剤 を用いないと酸素吸収能を示さない事が確認された。 また、 実施例 4 9では、 ボ ィル耐性を有する処方でも、 熱可塑性樹脂 Eの密度が高いと、 熱可塑性樹脂 Fの 共押出界面の強度が弱くなり、 包装体としての機能を損なっている事が確認され た。 これは、 熱可塑性樹脂 Eの結晶化に伴う共押出界面における歪みの影響と推 測される。
表 6
樹脂に I3の使用樹脂 樹脂中の酸化防止剤 ラミネート強度 剥離挙動 樹脂 D 樹脂 E 樹脂 F 樹脂 E 樹脂 F N/15mm 実施例 47 D— 2 E— 1 F p— 1、 F p - 2 0. 2/0. 1 P EU- 2 3. 2 界面剥離 実施例 48 D— 2 E— 1 F p— 1、 F p - 2 0. 2/0. 1 P EU- 1 3. 5 界面剥離 実施例 49 D— 2 E— 3 F p— 1、 F p— 2 0. 2/0. 1 P EU- 2 0. 7 界面剥離
産業上の利用の可能性
本発明は、 包材構成によらず酸素吸収能を発現させることが可能な、 酸素吸収 能を有する樹脂組成物、 および各種バリア層と複合化させることで酸素バリア性 Z酸素吸収性を有する積層体および包装体が提供できるという効果がある。 直鎖型ブロック共重合体では、 今後の包材の機能性ということで、 更なるコー 卜層や、 シーラン ト最內層へのコーティング、 あるいは酸素吸収能を有する樹脂 に積層させる樹脂自体の移行成分の影響も考慮する場合、 さらには充填した内容 物の浸透成分によっても酸素吸収能力の低下が懸念される。 しかしながら、 本発 明の樹脂組成物を用いることで、 上記懸念を克服することが可能であることから :幅広い分 ¾f の酸素吸収性包装体への展開が可能である。
また、 本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物は、 その酸素吸収能を付与する 樹脂 Bとして、 直鎖型ブロック共重合体を用いることで、 側鎖型ブロックポリマ 一よりも酸素吸収能力、 速度共に優れることが確認される。 また相溶化剤として 樹脂 Cを用いることで、 さらに酸素吸収速度を向上させることが可能である。 ま た、 ベース樹脂 Aとしてポリプロピレンを用いた場合は、 加工が困難であつたが 、 相溶化剤を用いることで加工性が著しく向上した。
特に、 酸素吸収能を付与する樹脂としてスチレン-ブタジエン-スチレンプロ ック共重合体を用いた場合では、 酸素吸収の立ち上がりの速度が劣るという問題 があったが、 直鎖型ブロック共重合体を用いる、 あるいは相溶化剤を用いること で酸素吸収の立ち上がり速度を向上させることが可能であり、 幅広し、分野での酸 素吸収性包装体への展開が可能となった。
本発明の酸素吸収能を有する包装体は、 どのようなタイプの酸素吸収材料を用 いても、 その膜物性を低下させる事無く、 さらには耐熱性をも付与する事が可能 である。 本実施例ではレトルトの內容については記載していないが、 シーラン卜 層としてブロックポリプロピレン樹脂など耐熱性のある材料を用レ、る事でレ 卜ル 卜にも展開が可能である。
上記実施例に示すように、 本発明の酸素吸収能を有する包装体は、 包装体に求 められる機能が低ければ、 熱可塑性樹脂 Bや熱可塑性樹脂 Cについては何でも使 用が可能である。 しかしながら、 耐熱性やその他の機能が求められる場合には、
本発明で請求している範囲の熱可塑性樹脂を用レ、る事で、 何れの要求をも満たす 包装体を設計する事が可能である。
例を挙げれば、 シーラント層としてポリプロピレン樹脂を用いる場合は、 耐熱 性が求められる用途と、 耐熱性が求められずに酸素バリア性が要求されるポリプ ロピレン エチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂から構成される多層容器へ の接着性が求められる。 その場合、 後者の場合には熱可塑性樹脂 Bの密度の制限 はないが、 耐熱用途への展開が困難であるのに対し、 低密度のエチレン- αォレ フィン共重合体エラス トマ一あるいはプラストマ一を用いる事で汎用用途だけで なく耐熱用途にも展開が可能である。 上述してきたように酸素吸収材料は今後の パッケージとして期待される材料であり、 本発明の包装体構成を用いる事で、 そ の材料を用いても包材の強度物性や各種機能性を付与する事が可能であり、 かつ 透明バリア基材を用いる事で、 透明性を活かした包装材料設計も可能である。