JP2005146096A - 酸素吸収性樹脂組成物、ならびにそれを用いた積層体及び包装体 - Google Patents

酸素吸収性樹脂組成物、ならびにそれを用いた積層体及び包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、従来の酸素吸収性樹脂組成物の課題点である臭気の発生や成分の溶出などの問題点を克服すると共に、特に酸素配位型の酸素吸収性樹脂組成物の酸素吸収能力を一段と向上させた、酸素吸収性樹脂組成物、ならびにそれを用いた積層体及び包装体の提供を目的とする。
【解決手段】エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、あるいはこれらのイオン架橋物から選択される1種以上のエチレン系共重合体50〜99wt%に対し、遷移金属を含む遷移金属錯体を1〜50wt%の割合で配合して酸素吸収性樹脂組成物とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸素吸収性樹脂組成物、ならびにそれを用いた積層体及び包装体に関し、さらに詳細には、優れた酸素吸収能力を有すると共に、従来までに報告されている酸素吸収性樹脂組成物における臭気の発生や成分の溶出などの問題点を改善した、酸素吸収性樹脂組成物、ならびにそれを用いた積層体及び包装体に関する。
各種内容物を包装するパッケージ事業という分野において、「パッケージ」あるいは「包装」のキーワードとしては以下のものに大別される。
(1)消費者に対する購買意識の付与、危険性の提示といった「表示効果」
(2)充填した内容物自体に包装体が侵されないための「内容物耐性」
(3)外部刺激に対する「内容物の保護」
これらのキーワードはさらに細分化され、細かい要求品質へと展開される。そのうち、「内容物の保護」という点で特に注目を浴びているのが、酸素や水分からの内容物の保護である。特に最近では、食品分野、工業製品分野、医療・医薬品分野などの各分野において、酸素や水分に対する内容物の保護性が重要視されるようになってきた。すなわち、酸素による内容物の分解・変質への対策や、水分の吸湿や加水分解のに伴う内容物の変質にへの対策などが注目されている。
酸素あるいは水分による内容物の変質に対しては、従来から様々な対策が検討されてきた。その一つが、酸素バリアあるいは水分バリア性を有する材料を用いた包装体の設計である。例えば、酸素による内容物の変質への対策に関しては、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの酸素ガスバリア性に優れる熱可塑性樹脂を用いた積層体の使用や、アルミ蒸着、シリカ蒸着、アルミナ蒸着などの蒸着層をポリエステル基材上に設けることで得られる蒸着フィルムなどの、酸素バリア性を有する材料を用いて包装体を設計する例が挙げられる。
これらのバリア性基材(積層体)を用いた包装体は、その高い酸素バリア性から各種用途に使用されるようになっている。しかしながら、これらのバリア性基材はバリア性が高いとはいいながら、ごく微量の酸素を透過させてしまうため、内容物を変質させることがあり得る。また、これらのバリア性基材からなる包装体を用いて内容物を充填した場合、包装体内にヘッドスペースガスが存在している状態がほとんどである。最近ではこのヘッドスペース中に残存している酸素も内容物を劣化させるという点から、不活性ガス置換を行うことでヘッドスペース中の酸素を除去する試みが為されているが、それでも微量の酸素が残存している状況で、内容物の変質を完全に防ぐまでには至っていない。
この様な、バリア性基材を通過する微量な酸素、あるいは包装体内部のヘッドスペースガス中の酸素を除去すべく、酸素吸収性樹脂組成物の開発が行われるようになってきた。このうち、最も代表的なタイプとしては、以下のものが挙げられる。
(1)遷移金属による熱可塑性樹脂の酸化を用いたタイプ(特許文献1参照)
(2)炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂の酸化分解あるいは酸素付加反応を用いたタイプ(特許文献2参照)
(3)遷移金属錯体を用いた酸素配位結合タイプ(特許文献3、4、非特許文献1参照)(4)被還元性化合物の還元/酸化反応を用いた、過酸化水素化(他ガスへの変換)タイプ(特許文献5参照)
(5)還元鉄を熱可塑性樹脂に配合したタイプ(特許文献6参照)
まず、熱可塑性樹脂の酸化を利用した(1)、(2)などのタイプは、酸化反応による分解や架橋など、酸素吸収に伴うラジカル連鎖反応の副反応に伴う膜物性の低下および臭気の発生が問題点として挙げられる(特許文献1、2参照)。
また、(4)の被還元性化合物の還元/酸化反応を用いた過酸化水素化タイプについては、酸素吸収後に過酸化水素を発生させる為、衛生性や安全性に問題がある。また、この反応を用いることで熱可塑性樹脂自体が変色(色素として機能もする為)する事も課題として挙げられる(特許文献5参照)。
さらに、(5)の還元鉄を熱可塑性樹脂に配合したタイプは、脱酸素剤における酸素吸収の原理と同様の考え方のものであり、還元鉄が酸化鉄に反応する際に消費される酸素量は極めて多く、酸素吸収能力という点では非常に有効な酸素吸収性樹脂組成物であり、種々の用途に展開されている。ただし、内容物によっては異臭を放つ、還元鉄から酸化鉄への反応に伴う結晶構造の変化の為、包材の破壊や組成物中の配合物が溶出するといった問題を有する。
そのような観点から、酸素を配位する形で酸素を補足するような、遷移金属錯体型の酸素吸収剤が、酸素吸収性樹脂組成物としての膜物性や臭気、その他の課題の克服という点では好ましい。しかしながら、(3)の遷移金属錯体を用いた酸素配位結合タイプは、錯体中の遷移金属1分子に対し酸素1分子を配位させる為に能力が非常に低く、酸素の配位に伴う色調変化からインジケーターとしての機能は果たすが、酸素吸収材として展開する事は極めて困難である(特許文献3、非特許文献1参照)。
また、同じ遷移金属錯体という点では、公知技術である塩基性窒素含有化合物と遷移金属からなる酸素吸収剤がある。しかし、この酸素吸収剤は、酸素吸収能力は有するが、水溶性であるがゆえに、水と接した時に容易に溶出してしまったり、また、これらの酸素吸収性の錯体は水分を酸素吸収の引金(トリガー)として作用させることから、これらの錯体調整中に既に酸素を吸収してしまう問題点がある。従って、この酸素吸収剤を熱可塑性樹脂に配合することで得られた樹脂組成物を利用して包装体を作成した場合、それに対してボイルやレトルトなどの処理を行うと、溶出物質が容易に内容物に移行してしう恐れがある。また、水溶性である事から様々な樹脂に配合して樹脂組成物を作成するにあたっては、ハンドリングが煩雑であるといった課題点が出てくる。その課題点を克服するべく、水溶性である塩基性窒素含有化合物と遷移金属からなる錯体を非水溶性化させる検討が行われている(特許文献4参照)。これは、水溶性の塩基性窒素含有化合物であるポリエチレンイミンの1級あるいは2級アミンの反応性を利用して、ゾルゲル反応などによりポリエチレンイミン/遷移金属錯体の非水溶性微粒子を作成し、非水溶性化を図ろうとする技術である。しかしながら、この技術はゾルゲル反応などに伴う架橋条件を制御する必要が有り、非常に煩雑かつ精度が要求される製法であるといえる。
このように酸素吸収性樹脂の登場は、今後のパッケージの内容物保存効果という点で期待されるが、包装体などに展開することを考慮すると、現状としてはまだまだ改善事項が多く残されている。
特許第2991437号明細書 特許第3064420号明細書(第5ページ) 特公平7―82001号公報(図1〜3) 特許第2803508号明細書 特許第2922306号明細書(図1〜3) 特許第3019153号明細書 Macromolecules,22,3186−3188(1989)
本発明は上記の実情を考慮したものであり、従来の酸素吸収性樹脂組成物の課題点である臭気の発生や成分の溶出などの問題点を克服した、特に酸素配位型の酸素吸収性樹脂組成物の酸素吸収能力を一段と向上させた、酸素吸収性樹脂組成物、ならびにそれを用いた積層体及び包装体の提供を課題とする。
上記課題を達成するためになされ、請求項1記載の発明は、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、あるいはこれらのイオン架橋物から選択される1種以上のエチレン系共重合体50〜99wt%に対し、遷移金属を含む遷移金属錯体が1〜50wt%配合した事を特徴とする酸素吸収性樹脂組成物である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の酸素吸収性樹脂組成物において、前記遷移金属錯体が多座配位型化合物からなり、多座配位型化合物100重量部に対し遷移金属イオンが金属換算で1重量部以上配合されていることを特徴とする。
さらにまた、請求項3記載の発明は、請求項2記載の酸素吸収性樹脂組成物において、前記多座配位型化合物がポリカチオンとして作用する数平均分子量30000を超えない範囲の化合物であり、その配位子が塩基性窒素であることを特徴とする。
さらにまた、請求項4記載の発明は、請求項2または3に記載の酸素吸収性樹脂組成物において、前記遷移金属錯体が、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、あるいはこれらのイオン架橋物から少なくとも1種以上から選択されるエチレン系共重合体と分子間相互作用を有する基あるいは結合を有することを特徴とする。
さらにまた、請求項5記載の発明は、請求項1、2、3または4のいずれかに記載の酸素吸収性樹脂組成物において、前記多座配位型化合物が、ポリエチレンイミンあるいはポリアリルアミンあるいはそれらの誘導体であることを特徴とする。
さらにまた、請求項6記載の発明は、熱可塑性樹脂に対し、請求項1、2、3、4または5記載の酸素吸収性樹脂組成物が配合されていることを特徴とする酸素吸収性樹脂組成物である。
さらにまた、請求項7記載の発明は、請求項6記載の酸素吸収性樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂が、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、シングルサイトあるいはマルチサイト系触媒により得られた少なくとも1種以上のαオレフィンを含むエチレン−αオレフィン共重合体あるいは多元共重合体、ポリプロピレン樹脂、プロプレン−エチレン共重合体、少なくとも1種以上でかつC4以上のαオレフィンを含むプロピレン−αオレフィン共重合体あるいは多元共重合体、少なくとも1種以上でかつC4以上のαオレフィンからなるポリαオレフィンなどのポリオレフィン樹脂、酸無
水物変成ポリオレフィン樹脂、あるいは酸無水物変成ポリオレフィン系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分あるいは完全けん化物、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルの部分あるいは完全けん化物、エチレン−α,β不飽和カルボン酸のエステル化物、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂であることを特徴とする。
さらにまた、請求項8記載の発明は、請求項1、2、3、4、6、6または7記載の酸素吸収性樹脂組成物からなる層の少なくとも1層が厚さ5〜200μmの範囲で積層されていることを特徴とする積層体である。
さらにまた、請求項9記載の発明は、請求項8記載の積層体において、酸素吸収性樹脂組成物層の少なくともどちらか一方側に、酸素透過度が50cm3×25μm(厚さ)/m2(面積)/24h(1.01325×105Pa)(圧力)以下の熱可塑性樹脂層、金属箔層、金属蒸着熱可塑性ポリマー層、無機化合物蒸着熱可塑性ポリマー層から選ばれるバリア層の少なくとも1層が積層されていることを特徴とする。
さらにまた、請求項10記載の発明は、請求項9記載の積層体において、前記バリア層が、ポリエステル層、ポリアミド層、ポリアクリロニトリル層、ポリ酢酸ビニルの部分あるいは完全けん化物層、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分あるいは完全けん化物層、ポリ塩化ビニリデン層から選ばれる熱可塑性樹脂層、アルミ箔等の金属箔層、アルミ蒸着層やシリカ蒸着層やアルミナ蒸着層を設けた各種熱可塑性樹脂層のいずれかからなることを特徴とする。
さらにまた、請求項11記載の発明は、請求項8、9または10のいずれかに記載の積層体からなる包装体である。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物ならびにそれを用いた積層体は、酸素吸収能力が低かった従来の酸素配位型の酸素吸収性樹脂組成物と較べその酸素吸収能力が一段優れている。また、この酸素吸収性樹脂組成物やそれを用いた積層体、さらにはこれらを各種部材と組み合わせることでれ得られる複合容器(口栓付きパウチなど)、トレーや各種成形体(ブロー成形、延伸ブロー成形、射出成形)などの包装体は、優れた酸素吸収能が期待される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る酸素吸収性樹脂組成物の一番の特徴は、酸素吸収能力を有する遷移金属錯体を、エチレン系共重合体、特にエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸−エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、あるいはこれらのイオン架橋物とを複合化させ、酸素配位型の酸素吸収性樹脂組成物の酸素吸収能力を向上させることにある。特に、図1に模式的にその構造を示すように、遷移金属錯体の骨格を多座配位型化合物にし、酸素吸収可能なユニットをエチレン系共重合体に付加させることで、特許文献3に見られる従来の構造(図2参照)のものよりも、その酸素吸収能力を向上させることを特徴とする。
遷移金属を含む遷移金属錯体としては、多座配位型化合物が好ましく、かつポリカチオンとしても作用するものが好ましい。さらに遷移金属を配位させるという点から、塩基性窒素を含む化合物がなお好ましく、例を挙げると、ポリエチレンイミンやポリアリルアミンなど、骨格中に1級あるいは2級のアミンを有する化合物が好ましい。また、これらの化合物は安定性を考慮して塩酸塩など各種塩の形態であっても構わなく、さらにはその他
に要求される機能を考慮して各種モノマーとの共重合体であっても構わない。例を挙げると、ポリエチレンイミンであればその末端をポリエチレンオキサイドなどで変性したものであっても構わない。また、ポリアリルアミンであれば、無水マレイン酸やジアリルアミンなどのモノマーを共重合していても構わなく、上記の内容に関わらず塩基性窒素を有する多座配位型の化合物であれば使用する事が可能である。
これらの遷移金属錯体を上記エチレン系共重合体に配合した場合を考慮して、これらの錯体の骨格となる塩基性窒素を有する化合物は、エチレン系共重合体と分子間における相互作用を有する基あるいは結合を有する事が好ましい。塩基性窒素を有する化合物をこのようなものとすることにより、遷移金属錯体をエチレン系重合体に固定化させることとなり、遷移金属の移行性や溶出性の問題を解決することができる。上述したエチレン系共重合体は、カルボン酸あるいはカルボン酸のイオン架橋物(カルボン酸塩)を骨格中に有する。そのような意味から、上述したポリエチレンイミンやポリアリルアミンなどはアミンを有する事から酸−塩基相互作用やイオン性の相互作用を付与する事が可能である。また、ポリエチレンイミンの誘導体として用いる事が可能なエチレンオキサイド変性物についてはエーテル結合との双極子相互作用を、無水マレイン酸などのカルボン酸については会合水素結合や、イオン結合などの分子間相互作用を付与することが可能であり、エチレン系共重合体に固定化するという点では好ましい。特にエチレン系共重合体と遷移金属錯体は反応により固定化されている事は必須でなく、上述した各種相互作用を分子間に働かせることが必要である。
これらの遷移金属錯体の骨格となる化合物は、数平均分子量30000を超えない範囲、さらに好ましくは10000以下の範囲が好ましい。30000以上を超えると、エチレン系共重合体に配合した場合に著しい架橋構造を形成し、加工性の低下を伴う。
遷移金属としては、コバルト、鉄、ニッケル、銅、マンガン、クロム、セリウム、ジルコニウムなど各種遷移金属を用いる事が可能であるが、これらの遷移金属に限られるものではない。上述した化合物を用いて遷移金属錯体を作成させる際には、湿式法を用いた方が好ましいので、これらの遷移金属は、塩酸塩あるいは硫酸塩などの水溶性の塩で、かつ遷移金属がもっとも低価数の状態である方が好ましい。これらの遷移金属イオンは、金属換算で上述した化合物100重量部に対し、遷移金属が1重量部以上配合されている事が好ましい。1重量部より少ないと酸素吸収能力が劣る。
遷移金属錯体の製法は以下の通りである。まず、所定濃度の上記化合物の水溶液と所定濃度の遷移金属化合物水溶液とを配合し、遷移金属錯体を形成する。その場合、遷移金属錯体の調整はできるだけ無酸素状態で行った方が好ましく、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で調整した方が好ましい。このようにして得られた遷移金属錯体の水溶液を、エチレン系共重合体と共に溶融状態でコンパウンドを行う。その際には、エチレン系共重合体とこれらの錯体をヘンシェル、タンブラー、リボンなどの各種ミキサーと共にプレミックスし、二軸押出機、単軸押出機、バンバリーミキサーなどの各種混練装置を用いて溶融混練を行う事が可能である。しかしながら、加工時のハンドリングおよび遷移金属錯体水溶液の溶媒である水分を除去する事を考慮すると、二軸押出機を用いてあらかじめ予備混練したエチレン系共重合体中に、遷移金属錯体の水溶液を配合し、その後、インラインで減圧脱気処理を施す事で水分を除去する事が好ましい。得られたコンパウンドには水冷、空冷などにより冷却処理を施し、その後、各種ペレタイズを施し、各種成形に供することが可能となる。
エチレン系共重合体と遷移金属錯体の配合組成に関しては、エチレン系共重合体50〜99wt%に対し、遷移金属錯体が1〜50wt%であることが好ましい。遷移金属錯体添加量が1wt%より少ないと酸素吸収能力が劣り、50wt%を超えると加工性の低下
を伴う。
上述した酸素吸収性樹脂組成物はそれ単体でも用いることが可能であるが、さらに各種熱可塑性樹脂などに配合することも可能である。この熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂が挙げられる。また、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1あるいは炭素数がそれ以上のαオレフィンをシングルサイトあるいはマルチサイト系触媒により得られた、少なくともこれらの1種以上のαオレフィンを含むエチレン−αオレフィン共重合体あるいは多元共重合体も挙げられる。またポリプロピレン樹脂、プロプレン−エチレン共重合体、少なくとも1種以上でかつC4以上のαオレフィンを含むプロピレン−αオレフィン共重合体あるいは多元共重合体も挙げられる。さらに、少なくとも1種以上でかつC4以上のαオレフィンからなるポリαオレフィン、例えばポリブテン−1やポリ4−メチルペンテン−1などのポリオレフィン樹脂が挙げられる。上述した以外にも、酸無水物変性ポリオレフィン樹脂、あるいは酸無水物変性ポリオレフィン系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分あるいは完全けん化物、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル部分あるいは完全けん化物、エチレン−(メタ)アクリル酸エステルも使用可能である。さらに、芳香族あるいは脂肪族系のポリエステル樹脂やポリアミド樹脂、オキシ酸の重合体であるポリ乳酸のようなポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂あるいはアクリロニトリル−(メタ)アクリル酸共重合体あるいはアクリロニトリル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体やそのブタジエンゴム配合物、ポリウレタン樹脂などを含め、上述した以外の種々の熱可塑性樹脂を配合することが可能である。
熱可塑性樹脂に配合する酸素吸収性樹脂組成物の添加量には制限はなく、必要とされる機能に応じて配合比を決定する事が可能である。さらに、熱可塑性樹脂に配合するに当たっては、酸素吸収剤の分散性を考慮して、各種分散剤や相溶化剤を配合しても構わない。また、必要に応じて上記以外の各種添加剤、例えば難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤などを配合しても構わない。また臭気などの問題がある場合には、必要に応じて、ゼオライト、活性炭などの消臭剤を配合しても構わない。さらに、本発明の酸素吸収剤は水分をトリガーとしているため、呼び水的な作用を有する化合物を配合しても構わない。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物あるいはそれを熱可塑性樹脂に配合した酸素吸収性樹脂組成物は、押出ラミネーション成形、押出キャスト成形、インフレーション成形、インジェクション成形、ダイレクトブロー成形などの各種成形法を用いて、酸素吸収能を有する樹脂組成物の単膜あるいは積層体とすることが可能である。また上述した成形法で得られたフィルム(インフレーションなど)については後工程でドライラミネーションやウエットラミネーション、ノンソルベントラミネーションによりさらに他の層を積層させ、積層体を得ることも可能であり、またインジェクション成形で得られたプリフォームを延伸ブロー成形により多層延伸ブローボトルとして包装体とすることも可能である。
包装体という意味では、包装体外部からの酸素もできるだけ除去した方が好ましい。そのため、包装体としては、酸素透過度50cm3×25μm(厚さ)/m2(面積)/24h/(1.0325×105Pa)(圧力)以下のバリア層を設けた方が好ましい。これらの材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリアミド6やポリアミド6−ポリアミド66共重合体、MXD6などの芳香族ポリアミドに代表されるポリアミド樹脂、ポリアクリルニトリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂から選択して成形される熱可塑性樹脂層、アルミ箔などの金属箔層、アルミ、シリカ、アルミナなどのPVD蒸着法あるいは、ヘキサメチレンジシロキサンなどのオルガノシランやア
セチレンガスやその他の炭素ガス源を用いたCVD蒸着法により得られた蒸着熱可塑性樹脂層などが挙げられる。さらには、これらの蒸着層、特にPVD蒸着によって構成される蒸着層については、そのガスバリア性を向上させる為、ポリビニルアルコール/シラン化合物系のオーバーコート層をさらに設けても構わない。また、蒸着層と熱可塑性樹脂層の密着性を向上させる為の各種プライマー層を設けていても構わない。
これらのバリア層を用いることで、ここを透過した僅かな酸素ガスを、酸素吸収能を有する酸素吸収性樹脂組成物層が完全に吸収してくれるだけでなく、消費する透過酸素ガスの量が少ない為、包装体のヘッドスペースの酸素ガスを効率的に吸収することが可能になる。
以下に、本発明に係る酸素吸収性組成物を構成する材料や積層体の構成例とその製造方法例、ならびにその用途について種々の例を述べる。まず、積層体の構成例に記載されている記号を以下に記載する。また、[構成例]中の酸素吸収性樹脂組成物層は本発明の酸素吸収性樹脂組成物からなる層を意味する。
[記号の説明]
A:ポリオレフィン樹脂層、B:酸無水物グラフト変性ポリオレフィン樹脂層、C:エチレン−ビニルアルコール共重合体層、D:アルミナ蒸着ポリエステルフィルム層、E:アルミ箔層、F:エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体層、G:ポリビニルアルコール系オーバーコート層、H:ウレタン系接着剤層、I:ポリエステルフィルム層
<積層体の構成例>
[構成例−1]
層構成:A/B/C/B/酸素吸収性樹脂組成物層/A
成形法:押出成形、射出成形、ブロー成形など
用途:シート、ボトル、カップ、トレーなど
[構成例−2]
層構成:D/G/H/A/酸素吸収性樹脂組成物層/A
成形法:押出ラミネート、ドライラミネートなど
用途:軟包装体、蓋材など
[構成例−3]
層構成:I/H/E/F/酸素吸収性樹脂組成物層/A
成形法:押出ラミネートなど
用途:インナーキャップなど
[構成例−4]
層構成:紙/A/D/G/H/A/酸素吸収性樹脂組成物層/A
成形法:押出ラミネートなど
用途:複合紙容器など
上述したような様々な構成になる積層体は、そのまま各種用途の包装体へと展開することが可能である。また、本発明に係る積層体は上述した構成のものに限られるものではなく、これ以外の種々の積層、組合せが可能であり、様々な包装形態への展開が可能になる。また、各種構成の積層体を種々組み合わせることで、酸素を吸収する包装体とすることが可能になる。また、本発明の酸素吸収性樹脂組成物はエチレン系共重合体に各種相互作用により固定化することによって溶出性についても改善されていることから、上述した包装体を液物内容物の収納に利用したり、ボイルやレトルトなどの処理にかけても溶出の問
題も少ない。特にボイルやレトルトなどの処理は、本発明の酸素吸収性樹脂組成物の水分や熱によるトリガー作用からも好適な処理法といえる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はそれに限定されるものではない。
まず、酸素吸収性樹脂組成物を構成する以下に示す材料を用意した。
[エチレン系共重合体]
・A−1:エチレン−メタクリル酸共重合体のNaイオン架橋物(三井デュポンポリケミカル製ハイミラン)
・A−2:エチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポンポリケミカル製ニュクレル)・A−3:エチレン−ヘキセン−1共重合体(宇部興産製ユメリット)
[多座配位化合物]
・B−1:ポリエチレンイミン(分子量=10000)
・B−2:ポリエチレンイミン(分子量=70000)
・B−3:ポリアリルアミン(塩酸塩 分子量=50000)
[遷移金属化合物]
・C−1:塩化鉄(II)
・C−2:塩化コバルト(II)
B−1を含む水溶液およびC−1を含む水溶液を用い、次のようにして遷移金属錯体を形成した。
まず、窒素雰囲気に調整したセパラブルフラスコ中にB−1を含む水溶液を入れ、攪拌しながらC−1を含む水溶液をそこに滴下する事で遷移金属錯体を形成した。この時の遷移金属錯体の配合組成は、B−1が100重量部に対しC−1を45重量部とした。次に、二軸押出機を用いて減圧下で220℃の加工温度によりA−1を押出し、そこに二軸押出機に搭載した液添ノズルを用いて溶融状態のA−1に前記工程で得られた遷移金属錯体を滴下した。この時の配合処方はA−1が80wt%に対し遷移金属錯体20wt%になるように調整した。このようにして得られたコンパウンド物には水冷/空冷後、ペレタイズを施した。続いて、得られたペレットを用いて単軸押出機により厚さ30μmの単層構成の、実施例1に係る酸素吸収性フィルムを成膜した。このフィルムを1g採取し、サンプル管に充填した。さらに蒸留水を50ml充填した総内容量300mlのガラスビンにこのサンプル管をセットし、密栓後に60℃の環境下で保管した。
B−1が100重量部に対し、C−1が9重量部になるように調整して得られた遷移金属錯体を、A−1が70wt%に対し30wt%になるようにした以外は実施例1と同じ条件で実施例2に係る単層構成の酸素吸収性フィルムを得た。
C−1をC−2に変えた以外は実施例1と同じ条件で実施例3に係る酸素吸収性フィルムを得た。
B−1をB−3に変えた以外は実施例1と同じ条件で実施例4に係る酸素吸収性フィルムを得た。
A−1をA−2に変えた以外は実施例3と同じ条件で実施例5に係る酸素吸収性フィルムを得た。
A−1をA−3にした以外は実施例1と同じ条件で、実施例6に係る比較のためのフィルムを得た。このフィルムは、酸素吸収能力は上記実施例1〜5に示すフィルムと同等のレベルを有していたが、保存中に次第に表面にベトツキが多くなってきた。このベトツキ成分を分析するべく顕微赤外線スペクトル測定(パーキンエルマー社製)を用いて非接触反射モードで測定したところ、ポリエチレンイミン由来の吸収体が認められ、経時において遷移金属錯体が移行している事が確認された。
B−1を100重量部に対し、C−1を0.5重量部になるように調整して得られた遷移金属錯体を、A−1が70wt%に対し30wt%になるようにした以外は実施例1と同じ条件で、実施例7に係る比較のためのフィルムを得た。
B−1をB−2に変えて実施例1と同様の条件にて遷移金属錯体を形成し、さらに実施例1と同様の条件にてA−1に配合したところ、著しくゲル化が進行し、フィルムを製膜することができなかった。
遷移金属を用いなかった以外は実施例1と同じ条件で、実施例9に係る比較のためのフィルムを得た。
これら実施例1〜9のフィルムの経時における酸素吸収能力を図3に、その他の評価結果を図4にそれぞれ示す。これらから、本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、遷移金属錯体における金属含有量や、エチレン系共重合体に配合する遷移金属錯体量を調整することで、所期の酸素吸収能力を発揮することが確認された。また上記実施例6〜9からも分かるように、遷移金属を含まない、あるいは金属含有量が少ない場合は酸素吸収能力に劣ることが確認される。また、エチレン系共重合体が、エチレン−α,β不飽和カルボン酸系でない場合は、多座配位化合物に起因するスペクトルが明確になり、樹脂組成物から遊離していることが確認された。
実施例1で得られた酸素吸収性樹脂組成物をそのまま用いて、LLDPE(宇部興産製ユメリット)と共に2種3層の多層キャストフィルムを製膜した。製膜構成は、LLDPE層(15μm)/酸素吸収性樹脂組成物層(30μm)/LLDPE層(15μm)であった。この2種3層の多層フィルムを二軸延伸ポリエチレンテレフタレート層(12μm)/プライマー層(1μm)/アルミナ蒸着層/オーバーコート層(1μm)からなる基材に、ドライラミネート手法によりウレタン系接着剤を用いて積層させた。
次に、得られた積層フィルムを220×220mmサイズになるように切り取り、ヒートシーラーにより有効面積400002のパウチを作成した。25℃環境下でこのパウチ中にヘッドスペースが無いように蒸留水(溶存酸素8ppm)を200ml充填し、60℃の環境下で保管しつつ経時の溶存酸素濃度の低下を測定し、評価した。また、前記パウチは予め複数個作成しておき、それを60℃の環境下で保管し、ある一定時間経過時に保管サンプルを抜き取った後、25℃の環境下で放置し、十分冷ました後に溶存酸素濃度の測定を行った。
実施例1において遷移金属錯体35wt%になるように調整した酸素吸収樹脂組成物を、ブロックポリピロピレン樹脂(B−PP サンアロマー製)にさらに30wt%の割合
でドライブレンドし、さらに同じブロックポリプロピレン樹脂を用いて実施例5と同様の条件にて2種3層の多層フィルムを作成した。製膜構成はB−PP層(20μm)/{B−PP+酸素吸収性樹脂組成物}層(40μm)/B−PP層(20μm)であった。この2種3層の多層フィルムを、ポリエチレンテレフタレート層(12μm)/ウレタン系接着剤層(4μm)/Al箔(7μm)からなる基材に、ドライラミネート手法によりウレタン系接着剤を用いて積層させた。そして、上記実施例10と同様の方法で作成した蒸留水充填パウチを複数個作成した後、そのすべてに対して121℃−30分のレトルト処理を施し、さらにすべてを25℃で十分冷ましたサンプルの経時における溶存酸素濃度を測定し、評価を行った。
実施例5に係るフィルムを用い、実施例10と同様の方法でパウチを複数個作成し、これらの全てに蒸留水を充填した。そして、そのすべてに対して90℃−60分のボイル処理を施した。その後、すべてを25℃で十分冷ましてしばらく保管しおいた後に溶存酸素濃度の測定をした。
実施例9に係るフィルムを用いて、実施例6と同様の方法にて試作評価を行った。
実施例5記載の多層フィルムを、2軸延伸ポリプロピレンフィルム(トクヤマ製)に積層させ、実施例10と同様の方法でパウチを複数個作成し、実施例7と同様にボイル処理を施した後に溶存酸素濃度を測定した。
結果を図4に示す。上記各実施例から確認されるように、本発明に係る酸素吸収性樹脂組成物を用いた包装体(パウチ)は、効率的に溶存酸素を除去する事が可能であると共に、レトルト処理にも耐える事が可能である事が確認された。また、酸素透過度が非常に高い基材を用いた構成は、初期は酸素吸収による溶存酸素の低下は確認されるが、時間の経過と共に溶存酸素濃度が増える事が確認された。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物の構造を説明するための模式図である。 従来の遷移金属錯体を配合した樹脂組成物の構造を説明するための模式図である。 実施例1〜9における各フィルムの評価結果を示す説明図である。 実施例6〜10における各パウチの評価結果を示す説明図である。 実施例7に示す積層体の構成説明図である。
符号の説明
1:エチレン系共重合体
2:多座配位化合物
3:遷移金属
4:酸素分子
5:エチレン系共重合体と作用する官能基もしくは結合
6:従来の配位化合物
7:二軸延伸ポリエステルフィルム
8:接着剤層
9:アルミ箔
10:熱可塑性樹脂層
11:酸素吸収層(酸素吸収性樹脂組成物を配合した熱可塑性樹脂層)

Claims (11)

  1. エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、あるいはこれらのイオン架橋物から選択される1種以上のエチレン系共重合体50〜99wt%に対し、遷移金属を含む遷移金属錯体が1〜50wt%配合されていることを特徴とする酸素吸収性樹脂組成物。
  2. 前記遷移金属錯体が多座配位型化合物からなり、当該多座配位型化合物100重量部に対し遷移金属イオンが金属換算で1重量部以上配合されていることを特徴とする請求項1記載の酸素吸収性樹脂組成物。
  3. 前記多座配位型化合物が、ポリカチオンとして作用する数平均分子量30000を超えない範囲の化合物であり、その配位子が塩基性窒素であることを特徴とする請求項2記載の酸素吸収性樹脂組成物。
  4. 前記遷移金属錯体が、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、あるいはこれらのイオン架橋物から選択される1種以上のエチレン系共重合体と分子間相互作用を有する基あるいは結合を有することを特徴とする請求項2または3に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
  5. 前記多座配位型化合物が、ポリエチレンイミンあるいはポリアリルアミンあるいはそれらの誘導体であることを特徴とする請求項1、2、3または4のいずれかに記載の酸素吸収性樹脂組成物。
  6. 熱可塑性樹脂に対し、請求項1、2、3、4または5のいずれかに記載の酸素吸収性樹脂組成物が配合されていることを特徴とする酸素吸収性樹脂組成物。
  7. 前記熱可塑性樹脂が、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、シングルサイトあるいはマルチサイト系触媒により得られた少なくとも1種以上のαオレフィンを含むエチレン−αオレフィン共重合体あるいは多元共重合体、ポリプロピレン樹脂、プロプレン−エチレン共重合体、少なくとも1種以上でかつC4以上のαオレフィンを含むプロピレン−αオレフィン共重合体あるいは多元共重合体、少なくとも1種以上でかつC4以上のαオレフィンからなるポリαオレフィンなどのポリオレフィン樹脂、酸無水物変性ポリオレフィン樹脂、あるいは酸無水物変性ポリオレフィン系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分あるいは完全けん化物、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルの部分あるいは完全けん化物、エチレン−α,β不飽和カルボン酸のエステル化物、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項6記載の酸素吸収性樹脂組成物。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6または7のいずれかに記載の酸素吸収性樹脂組成物からなる層の少なくとも1層が厚さ5〜200μmの範囲で積層されていることを特徴とする積層体。
  9. 前記酸素吸収性樹脂組成物層からなる層の少なくともどちらか一方の側に、酸素透過度が50cm3×25μm(厚さ)/m2(面積)/24h/(1.01325×105Pa)(圧力)以下の熱可塑性樹脂層、金属箔層、金属蒸着熱可塑性樹脂層、無機化合物蒸着熱可塑性樹脂層から選択されるバリア層の少なくとも1層が積層されていることを特徴とする請求項8記載の積層体。
  10. 前記バリア層が、ポリエステル層、ポリアミド層、ポリアクリロニトリル層、ポリ酢酸ビニルの部分あるいは完全けん化物層、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分あるいは完全けん化物層、ポリ塩化ビニリデン層から選ばれる熱可塑性樹脂層、アルミ箔等の金属箔層、アルミ蒸着層やシリカ蒸着層やアルミナ蒸着層を設けた無機酸化物蒸着熱可塑性樹脂層のいずれかからなることを特徴とする請求項9記載の積層体。
  11. 請求項8、9または10のいずれかに記載の積層体からなることを特徴とする包装体。
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