JP2009179092A - 車両用シートの配設構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】一のシートの下部空間内に形成される収容空間に収容されたもう一方のシートを再び着座位置へ戻す際の操作性の向上と、この収容空間の意匠性向上を図る。
【解決手段】サードシート30には収容空間38が形成され、収容空間38は収容箱10が形成され、収容箱10には開閉蓋18が形成され、開閉蓋18は開放状態18Xと閉鎖状態18Yとに作動切替される構成とされ、セカンドシート20は着座位置20Xと収容位置20Zとの間をスライド移動可能であり、両位置においてセカンドシート20を位置決めする保持状態と保持状態の保持が解除される解除状態とに作動切替可能なスライドロック機構40を備えており、開閉蓋18とスライドロック機構40の作動切替が同一の操作レバー50として配設されていることにより、これらが関連して作動切替されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用シートの配設構造に関する。詳細には、車両のフロア上に着座部となる第1のシート及び第2のシートが配設され、第1のシートはシートバックとシートクッションとが折畳み可能に構成された車両用シートの配設構造に関する。
従来、車両のフロア上に複数列のシートが配設されている車両用シートの配設構造において、シートバックとシートクッションとが折畳み可能に構成された前側の車両用シートを後側の車両用シートの下部空間内に収容できるようになっているものがある。
ここで下記特許文献1には、前側の車両用シートをフロア上に畳み込んだ姿勢として、スライドによって後側の車両用シートの下部空間内に収容できるようになっている技術が開示されている。この後側シートは、着座部となるシートクッションが、内部に収容空間を有した枠体によってフロア上に固定配置された構成となっている。
特開2007−83788号公報
しかしながら、上記従来技術では、前側のシートが後側シートの下部空間内に収容された状態時において、前側のシートが露出した状態のまま下部空間内に収容されているため見栄えが悪い。そのため、この収容空間の出入り口面部を蓋等で塞ぐ構成が考えられるが、前側シートをこの収容空間に収容したり、収容空間から乗員が着座することのできる着座位置に戻したりするたびに、蓋を手動で開放する必要があり操作性に課題を有していた。そこで本発明者は、かかる問題について鋭意検討の結果、前側のシートが後側シートの下部空間内に収容された後にシートを再び着座部の位置へ戻す際の解除機構と、この収容空間の出入り口面部に配設された蓋機構の改善をすることで、前側のシートが後側シートの下部空間内に収容された後に、シートを再び着座部の位置へ戻す際の操作性向上と、後側シートの下部空間の意匠性を向上することに着目したものである。
而して、本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、一のシートの下部空間内に形成される収容空間に収容されたもう一方のシートを再び着座位置へ戻す際の操作性の向上と、この収容空間の意匠性向上を達成した車両用シートの配設構造を提供することにある。
上記した課題を達成するために、本発明に係る車両用シートの配設構造は、次の手段をとる。
本発明の第1の発明は、車両のフロア上に第1のシートと第2のシートとが配設され、第1のシートはシートバックとシートクッションとが折畳み可能に構成された車両用シートの配設構造であって、前記第2のシートには、前記フロアとの間に前記第1のシートを折畳んだ姿勢にして収容することのできる収容空間が形成されており、該収容空間は、当該収容空間を包囲画定する囲い体で形成されており、該囲い体の前記第1のシートを収容出入させる出入口面部は開閉式の開閉蓋として形成されており、該開閉蓋は、前記第1のシートを前記囲い体の収容空間内に収容できるようにする開放状態と、前記第1のシートを前記囲い体の収容空間内に収容して閉鎖する閉鎖状態とに作動切替される構成とされており、前記第1のシートは、乗員が着座することのできる着座位置と前記囲い体の収容空間に収容される収容位置との間をスライド移動可能として配設されていると共に、該両位置には当該位置における当該第1のシートを位置決めする保持状態と、該保持状態の保持が解除される解除状態とに作動切替可能なスライドロック機構が備えられており、前記開閉蓋の作動切替を行う操作レバーと前記スライドロック機構の作動切替を行う操作レバーとが同一の操作レバーとして配設されており、該同一の操作レバーの操作により前記開閉蓋とスライドロック機構とが関連して作動切替されることを特徴とする。
この第1の発明によれば、スライドロック機構の作動切替を行う操作レバーと開閉蓋の作動切替を行う操作レバーとが同一の操作レバーとして配設されており、この同一の操作レバーを操作することによって、開閉蓋の開放状態と閉鎖状態の作動切替と、スライドロック機構における保持状態と解除状態の作動切替が、関連して作動切替される。これにより、一回の操作で開閉蓋の作動切替とスライドロック機構の作動切替が可能となるため、第1シートの着座位置と収容位置の間をスライド移動する際の操作性を向上させることができる。また、囲い体の第1のシートを収容出入させる出入口面部に形成された開閉蓋により、収容空間内が露出されないため、外観における意匠性を向上させることができる。
本発明の第2の発明は、スライドロック機構は、前記第1シートと連結されたアッパーレールと、前記フロア上に配置形成されたロアレールとから構成されており、前記アッパーレール側には、スライドロック機構の保持状態と解除状態を切替可能とするために、前記ロアレールと係合可能とされる係合部材が形成されており、前記ロアレール側には、前記第1シートを前記着座位置と前記収容位置に配置させる位置において前記係合部材と係合可能とされる係合孔が形成されており、前記着座位置と前記収容位置の間において、前記係合部材が前記係合孔に係合しない状態を保ってロアレール上をスライド移動可能とされることにより、前記スライドロック機構の解除状態と前記開閉蓋の開放状態を維持されることを特徴とする。
この第2の発明によれば、スライドロック機構はアッパーレールの係合部材と、ロアレールの係合孔により形成される。そして「スライドロック機構の保持状態」は、乗員が着座することのできる着座位置と前記囲い体の収容空間に収容される収容位置で達成されるようになっている。当該位置においてアッパーレールの係合部材がロアレールの係合孔に係合している状態とされるようになっており、第1のシートがロアレールに位置決めされた状態とされている。「スライドロック機構の解除状態」とは、保持状態の保持が解除される状態をいい、アッパーレールの係合部材がロアレールの係合孔に係合しない状態をいう。また、開閉蓋の開放状態と、閉鎖状態の作動切替も同一の操作レバーで操作される構成となっている。そして、スライドロック機構の保持状態においては、開閉蓋は閉鎖状態であり、反対にスライドロック機構の解除状態においては、開閉蓋は開放状態となる。
そして、操作レバーを操作してスライドロック機構の保持状態を解除状態に切り替えると、同一の操作レバーによって作動切替される開閉蓋が開放状態となる。このときアッパーレールの係合部材は、ロアレールの係合孔に係合しない状態である。そして、着座位置と収容位置の間において、係合部材が係合孔に係合しない状態を保ってロアレール上をスライド移動可能とされる。そのため、スライドロック機構は解除状態を維持された状態であり、開閉蓋は開放状態を維持された状態である。
そして、アッパーレールの係合部材が、着座位置と収容位置の位置に形成されているロアレールの係合孔に係合するとスライドロック機構は解除状態から保持状態となり、開閉蓋も閉鎖状態となる。
これにより、上記状態においては操作レバーから手が離れた場合でも開閉蓋が開放した状態で、第1シートを着座位置と収容位置の間でスライド移動可能とすることができるため操作性がより一層向上することができる。例えば、上記状態において、操作レバーから手が離れた後に、操作レバー以外のシートの一部に力を加えて移動させたとしても第1シートのスライド移動が可能である。よって、操作者が無理な姿勢をしたままの操作をする必要がなくなるため、第1シートの着座位置と収容位置の間をスライド移動する際の操作性をより一層向上させることができる。
本発明の第3の発明は、前記操作レバーは、前記スライドロック機構及び前記開閉蓋と、ワイヤーケーブルによって接続されており、前記操作レバーの操作作動が、前記ワイヤーケーブルを介して前記スライドロック機構及び前記開閉蓋に伝達される構成となっており、前記ワイヤーケーブルは、前記第1シートが、前記着座位置と前記収容位置の間をスライド可能な長さに形成されていることを特徴とする。
この第3の発明によれば、ワイヤーケーブルは、第1シートが、前記着座位置と前記収容位置の間をスライド可能な長さに形成されている。これにより、第1シートの前記着座位置と前記収容位置の間のスライド移動において、ワイヤーケーブルが多構成部品と干渉することを防止でき、円滑なスライド移動をさせることができる。
本発明の第4の発明は、前記ロアレール側に形成された前記着座位置の係合孔と前記収容位置の係合孔の間隔は、前記開閉蓋における前記開放状態のときの前端部と、前記第1シートにおける前記収容位置の後端部との長さより大きく設定されていることを特徴とする。
この第4の発明によれば、ロアレールに形成された係合孔の着座位置と収容位置の間隔は、開閉蓋における開放状態のときの前端部と、第1シートにおける収容位置の後端部との長さより大きく設定されている。
これにより、第1シートのスライド移動時において、開閉蓋との干渉防止を図ることができる。
本発明の第5の発明は、前記開閉蓋は、ヒンジにより開閉可能に構成されており、
該開閉蓋のヒンジの開閉軸部には、クランク軸が形成されており、該クランク軸と前記ワイヤーケーブルが接続されており、前記操作レバーを操作することによって、前記開閉蓋が閉鎖状態から開放状態へ作動する作動開始時期は、前記第1シートのスライドロック機構が保持状態から解除状態に作動切替されて、前記第1シートが前記収容位置と前記着座位置の間におけるスライド移動開始時期よりも早いことを特徴とする。
この第5の発明によれば、開閉蓋は、囲い体にヒンジ連結されており、ヒンジ連結している連結軸部にはクランク軸が形成されている。そして、開閉蓋の開放状態へ作動する作動開始時期は、第1シートのスライド移動開始時期よりも早い。これにより、開閉蓋が開放する前に第1シートがスライド移動されないため、第1シートのスライド移動時において、開閉蓋との干渉防止を図ることができる。
本発明は上記各発明の手段をとることにより次の効果を得ることができる。
先ず、上記第1の発明の車両のシート構造によれば、同一の操作レバーを操作することによって、開閉蓋の開放状態と閉鎖状態の作動切替と、スライドロック機構における保持状態と解除状態の作動切替が、関連して作動切替されため、一回の操作で可能となるため第1シートの着座位置と収容位置の間をスライド移動する際の操作性を向上させることができる。また、囲い体の第1のシートを収容出入させる出入口面部に形成された開閉蓋により、収容空間内が露出されないため、外観における意匠性を向上させることができる。
次に、上記第2の発明の車両のシート構造によれば、操作レバーを操作して、スライドロック機構の保持状態を解除状態に切り替えた状態において、操作レバーから手が離れた場合でも開閉蓋が開放した状態で、第1シートを着座位置と収容位置の間でスライド移動可能とすることができるため操作性がより一層向上することができる。
次に、上記第3の発明の車両のシート構造によれば、第1シートの前記着座位置と前記収容位置の間のスライド移動において、ワイヤーケーブルが多構成部品と干渉することを防止でき、円滑なスライド移動をさせることができる。
次に、上記第4の発明の車両のシート構造によれば、第1シートのスライド移動時において、開閉蓋との干渉防止を図ることができる。
次に、上記第5の発明の車両のシート構造によれば、開閉蓋が開放する前に第1シートがスライド移動されないため、第1シートのスライド移動時において、開閉蓋との干渉防止を図ることができる。
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本実施例に係る車両用シートの配設構造におけるセカンドシートとサードシートの構成を表した側面図である。図2は、本実施例に係る車両用シートの配設構造におけるセカンドシートとサードシートの構成を表した斜視図である。図3は、本実施例に係る車両用シートの配設構造におけるサードシートの下に形成された収容空間とこの収容空間に収容されたセカンドシートの構成を表した斜視図である。図4は、本実施例に係る車両用シートの配設構造におけるサードシート下に形成された収容空間の開閉蓋とスライドロック機構の構成を表した側面図である。図5は、本実施例に係る車両用シートの配設構造における開閉蓋とスライドロック機構を操作する操作レバーの構成を表した斜視図である。図6は、本実施例に係る車両用シートの配設構造におけるサードシート下に形成された収容空間の開閉蓋のヒンジ構造を表した側面図である。図7は、本実施例に係る車両用シートの配設構造における図6のVII−VII線断面図である。
図1に図示されるように、車両のフロアF上には、二列目シートとなるセカンドシート20と三列目シートとなるサードシート30とが車両の前後方向に並んで配設されている。ここで、セカンドシート20が本発明の第1シートに相当し、サードシート30が本発明の第2シートに相当する。なお、図示は省略されているが、セカンドシート20の前列側には、運転席や助手席となるフロントシートが配設されている。
図1及び図2に図示されるように、前列側に配設されたセカンドシート20は、この列に座る二人〜三人の着座者を着座させることのできる横長状の幅長を有した構成となっている。そして、その後ろ側の列に配設されたサードシート30も、この列に座る二人〜三人の着座者を着座させることのできる横長状の幅長を有した構成となっている。そして、本実施例では、上記した前列側のセカンドシート20を折畳んでフロアF上に落とし込んだ姿勢に切り替えることによりセカンドシート20全体を後列側のサードシート30下に形成された収容空間38内にスライド移動させて収容できるようになっている。
ここで、サードシート30は、背凭れとなるシートバック32と、着座部となるシートクッション34を有して構成されている。そして、このサードシート30は、シートクッション34の下部に設けられた枠状の支持体36によって、フロアF上に固定支持されている。
図3に図示されるように、この支持体36は、その上枠部分がシートクッション34の骨格フレームと一体的に結合されている。そして、この支持体36よって囲まれた空間部分が、車両前後方向に開口した収容空間38として形成されている。この収容空間38は、前述した折畳み姿勢としたセカンドシート20をその内部に納めることのできる大きさに形成されている。そして、この収容空間38内には、本発明の囲い体に相当する箱型の収容箱10が配設されている。
この収容箱10は、図2及び図3に図示されるように、概略、側板12、天板14、後板16、開閉蓋18から構成されており、収容空間38全体を外部に対して覆い隠すように配置形成されている。そして、この収容箱10の車両前方側にはセカンドシート20を収容出入させる出入口面部があり、この出入口面部の上部に備えられたヒンジを介して上開き開閉式の開閉蓋18が形成されている。これにより、収容箱10は、開閉蓋18が開閉操作されることによって、収容空間の出入口面部を開口させたり閉鎖させたりすることができる。すなわち、セカンドシート20を収容空間38内に収容できるようにする開放状態18Xと、収容空間38内に収容して閉鎖する閉鎖状態18Yにすることができる。
なお、収容空間38を覆い隠すように形成する収容箱は、セカンドシート20を収容した際に外部から見えない様に覆い隠すことのできる構成であれば足り、完全に上下四方を包囲形成する必要は無いものである。
また収容箱10は、その上面部の天板14の一部が開口した形状となっており、これを車両前方方向に引き出すことで、その上面部の開口を外部に露出させられるようになっている。これによりセカンドシート20の未収容時には、収容箱10の上面の開口から物を収容したり取り出したりする使用が可能となる。また、サードシート30は、シートクッション34を後端を基点に起こし上げて、収容箱10の上側の開口を外部に露出させられるようになっている。これにより、収容箱10の上側の開口から物を収容したり取り出したりする使用が可能となる。
次に、セカンドシート20の構成について詳しく説明する。このセカンドシート20は図1及び図2に図示されるように、背凭れとなるシートバック22と、着座部となるシートクッション24とを有して構成されている。ここで、シートバック22は、その両サイドの下端部が、リクライニング装置26を介してシートクッション24の後端部とそれぞれ連結されている。これにより、シートバック22は、リクライニング26の作動状態を切り替えることで、シークッション24に対して起立した姿勢位置に固定されたり、この固定状態が解除されてシートクッション24の上面部に前倒しされたりするようになっている。
なお、リクライニング装置26の基本構成は、特開2002−360368号公報等の文献に開示された公知の構成となっているため、これらの詳細な説明は省略することとする。このリクライニング装置26は、常時はシートバック22の背凭れ角度を固定したロック状態に付勢によって保持されている。そして、このリクライニング装置26のロック状態は、シートバック22の左肩口に設けられた操作レバー22Aを図示手前側に引下げる操作によって、解除されるようになっている。
ここで、図示は省略されているが、シートバック22とシートクッション24との間には、シートバック22を常時前倒し方向に付勢するばね部材が掛着されている。これにより、シートバック22は、操作レバー22Aの解除操作によってリクライニング装置26のロック状態が解除されることにより、付勢によってシートクッション24の上面部に前倒しされるようになっている。
また、シートクッション24は、その前後の二箇所の部位が、左右一対の構成をもつリンクアーム28A、28Bによって、フロアF上に配設された左右一対のスライドロック機構40のアッパーレール42とそれぞれリンク連結されている。
図1に図示されるように、セカンドシート20は、シートバック22がシートクッション24の上面部に前倒しされた状態で、リンクアーム28A、28Bのリンク運動に伴ってフロアF上に落とし込まれる構成となっている。そして、フロアF上に落とし込まれた姿勢のセカンドシート20をサードシート30下の収容空間38内に収容することができる。この左右一対のリンクアーム28A、28Bは、その下端部が、左右のアッパーレール42の上面部に固定配置されたL型形状のブラケット48A、ブラケット48Bの側面部に回動可能に枢支されている。そして、リンクアーム28A、28Bの上端部は、シートクッション24の骨格フレームの側部に回動可能に枢支されている。これらリンクアーム28A、28Bは、そのリンク運動に伴う起倒回動によって、シートクッション24を通常の着座位置20Xと、フロアF上に落としこんだ倒伏位置20Yと、の間で昇降移動させる。
そして、これらリンクアーム28A、28Bの起倒回動は、前側のリンクアーム28Aの上端連結部に設けられた図示しない回転留め装置によってロックされるようになっている。ここで、回転留め装置の基本的構成は、前述したリクライニング装置26と実質的に同じ構成となっており、常時は付勢によって回転留めしたロック状態に保持されている。そして、このロック状態は、前述したシートバック22の左肩口に設けられた操作レバー22Aの引き下げ操作によって解除されるようになっている。
したがって、操作レバー22Aの解除操作を行うことにより、シートバック22がシートクッション24の上面部に倒し込まれると共に、セカンドシート20全体がフロアF上に落とし込まれた倒伏位置20Yに姿勢保持される。そして、後述のスライドロック機構40が解除状態にされると、この倒伏位置20Yに折畳み姿勢とされたセカンドシート20全体を後列側のサードシート30下に形成された収容空間38内にスライドさせて収容することができる。
ここで、図1に図示されるように、セカンドシート20がサードシート30の車両前方においてシートバック22を起立させた位置(図1の左側に仮想線で図示されたセカンドシート20)が、乗員が着座することのできる着座位置20Xである。
そして、この着座位置20Xから前列側のセカンドシート20を折畳んでフロアF上に落とし込んだ姿勢に切り替えた位置状態が倒伏位置20Yである。
そしてこの倒伏位置20Yに折畳み姿勢とされたセカンドシート20全体を後列側のサードシート30下に形成された収容空間38内にスライドさせて収容されている位置(図1の右側にサードシート30の下方に仮想線で図示されたセカンドシート20)が、収容空間38に収容される収容位置20Zである。
次に、サードシート30下に形成された収容空間38の開閉蓋18とスライドロック機構40の構成について説明する。図3は、本実施例に係る車両用シートの配設構造におけるサードシート30の下に形成された収容空間38と、この収容空間38に収容されたセカンドシート20の構成を表した斜視図である。図4は、本実施例に係る車両用シートの配設構造におけるサードシート30下に形成された収容空間38の開閉蓋18とスライドロック機構40の構成を表した側面図である。なお、図4においては、収容空間38内に収容されているセカンドシート20の図示、及び、ロアレール44の車両外方側の側面部の図示を省略している。
図3に図示されるように、セカンドシート20を後列側のサードシート30下に形成された収容空間38内にスライドさせて収容された収容位置20Zに保持された状態において、スライドロック機構40のアッパーレール42が収容空間38の下方に位置している。この状態において、セカンドシート20に備えられた操作レバー50が、収容空間38の車両前方側に配置されている。図4に図示されるように、この操作レバー50は、開閉蓋18が閉鎖状態18Yにおいても、開閉蓋18に形成された切り欠き部18K(図3参照)を介して操作者の手を収容空間38内に差し入れることができる位置に配置形成されている。
そして、図4に図示されるように、この操作レバー50は、スライドロック機構40及び開閉蓋18と、ワイヤーケーブル60によって接続されている。本実施例におけるこのワイヤーケーブル60は、従来から用いられているプル式(引張りタイプ)のケーブルを用いている。このケーブルは、インナーケーブルとアウターケーシングで構成され引きを伝達するケーブルである。このワイヤーケーブル60の接続構成の詳細は、操作レバー50に接続される操作レバー接続端部62から延びて二股に分岐して、一端がスライドロック機構接続端部64としてスライドロック機構40に接続され、もう一端が開閉蓋接続端部66として開閉蓋18のクランク軸19に接続されている。
これにより、操作レバー50の操作作動が、ワイヤーケーブル60を介してスライドロック機構40及び開閉蓋18に伝達される構成となっている。
また、この操作レバー50は、開閉蓋18の作動切替を行う操作レバーとスライドロック機構40の作動切替を行う操作レバーとが同一の操作レバー50として配設されている。そのため、この操作レバー50の操作により開閉蓋18とスライドロック機構40とが関連して作動切替される構成とされている。
また、図1に図示されるように、ワイヤーケーブル60はセカンドシート20が着座位置20Xから収容位置20Zの間をスライド移動可能な長さに形成され、多構成部品との干渉を防止した円滑なスライド移動を可能な状態として配索されている。
操作レバー50についての構成について詳しく説明する。この操作レバー50は、図3に図示されるように、セカンドシート20の左右のリンクアーム28Aを横断して設置された支持部材53上であり、かつ、セカンドシート20の横方向において略中央に配置されている。
図5に図示されるように、支持部材53上には、箱形形状の操作レバーケース51が載置されており、下面部が開放している。また、車両前方側の面の略中央部には、切り欠き部51Cが形成されている。そして、この操作レバーケース51内に断面コの字形状をした直方体のレバー部材52が下面部を開放した状態で取付けられている。そして、操作レバーケース51の車両前方面51Aと、レバー部材52の車両前方面の操作部52Aの間には、ばね54、54が付勢されている。このばね54、54の付勢力によって、常時はレバー部材52が車両後方に付勢されている。また、ワイヤーケーブル60の操作レバー接続端部62が、操作レバーケース51の車両後方面51Bを通じてレバー部材52の車両後方面52Bに接続されている。
これにより、図4に図示されるように、操作者が開閉蓋18に形成された切り欠き部18K(図3参照)から手を差し入れて、下方よりレバー部材52の操作部52Aに手を掛けて車両前方側への引き操作をすることで、開閉蓋18とスライドロック機構40を作動させることができる構成となっている。
次に、スライドロック機構40の構成について詳しく説明する。このスライドロック機構40は、図4に図示されるように、フロアF内に固定配置されたレール形状のロアレール44とロアレール44に対してレールの延びる方向にスライド可能に嵌め込まれたアッパーレール42と、を有する。
これらロアレール44やアッパーレール42は、それぞれ、車両の前後方向にレール形状が真っ直ぐ延びるように配置形成されている。詳しくは、ロアレール44は、図1に図示されるように、サードシート30の下部に形成された収容空間38の内部位置まで延びて配置形成されている。
図1に図示されるように、このスライドロック機構40は、アッパーレール42に備えられた係合部材46がロアレール44に形成された係合孔45X又は係合孔45Zに入り込むことにより、アッパーレール42のロアレール44に対するスライド移動を規制する構成となっている。このスライドロック機構40はシートを前後動させた際に位置決めする周知の機構のものである。
図4に図示されるように、このアッパーレール42は、概略、レール本体43、ブラケット48A、ブラケット48B、係合部材46、伝達部材47a、伝達部材47b、伝達部材47c、ばね47dから構成されている。
また、図3に図示されるように、レール本体43(図4参照)の上面に固定配置されたL型形状のブラケット48A、ブラケット48Bが、シートクッション24の前後の二箇所の部位において、左右一対の構成をもつリンクアーム28A、28Bとそれぞれリンク連結されている。
図4に図示されるように、レール本体43内には、略中央に係合部材46が配置されており、この係合部材46と伝達部材47a、伝達部材47b、伝達部材47c、がリンク連結されている。そして、係合部材46は、常時はばね47dの付勢力によってロアレール44に形成された係合孔45X(図1参照)又は係合孔45Z内に入り込む作動方向に付勢されている。そして、伝達部材47bの端部にワイヤーケーブル60のスライドロック機構接続端部64が接続されている。これにより、操作レバー50の操作作動がワイヤーケーブル60を介して伝達部材47bに伝達されると、伝達部材47a、伝達部材47cがばね47dの付勢力に抗して作動し、係合部材46を係合孔45X(図1参照)又は係合孔45Z内から抜け出る作動方向に作動させる。
ここで「スライドロック機構の保持状態」とは、図1に図示されるように、乗員が着座することのできる着座位置20Xと収容空間38に収容される収容位置20Zにおけるセカンドシート20を位置決めされた状態をいい、当該位置においてアッパーレール42の係合部材46がロアレール44の係合孔45X又は係合孔45Zに係合している状態をいう。
「スライドロック機構の解除状態」とは、保持状態の保持が解除される状態をいい、当該位置においてアッパーレール42の係合部材46がロアレール44の係合孔45X又は、係合孔45Zに係合しない状態をいい、図4内の仮想線で図示されたスライドロック機構40が、スライドロック機構40の解除状態を保持した状態でロアレール44上をスライド移動している状態である。
ここで、図1に図示されるように、ロアレール44の係合孔45Xと係合孔45Zの間隔D1は、開閉蓋18における開放状態18Xのときの前端部とセカンドシート20における収容位置20Zの後端部との長さD2より大きく設定されている。これにより、セカンドシート20は、収容位置20Zから着座位置20Xまでスライド移動される場合、及び、シートバック22をシークッション24に対して起立した姿勢位置に固定した場合においても、開閉蓋18との干渉を防止することができる。
また、図4内において仮想線で図示されたスライドロック機構40は、係合部材46がロアレール44の係合孔45X又は係合孔45Zに係合しないスライドロック機構40を解除状態とした状態でロアレール44上をスライド移動している状態である。
すなわち、操作レバー50を操作してスライドロック機構40の保持状態を解除状態に切り替えると、同一の操作レバーによって作動切替される開閉蓋18が開放状態18Xとなる。このときアッパーレール42の係合部材46は、ロアレール44の45X又は係合孔45Zに係合しない状態となる。そして、着座位置と収容位置の間において、係合部材46が45X又は係合孔45Zに係合しない状態を保ってロアレール44上をスライド移動可能とされる。そのため、スライドロック機構40は解除状態を維持された状態であり、開閉蓋18は開放状態18Xを維持された状態である。
そして、アッパーレール42の係合部材46が、着座位置20Xと収容位置20Zの位置のロアレール44に形成されている係合孔45X又は係合孔45Zに係合するとスライドロック機構40は解除状態から保持状態となり、開閉蓋18も閉鎖状態18Yとなる。
次に、開閉蓋18の構成について詳しく説明する。図3に図示されるように、この開閉蓋18は、収容箱10の側板12の車両前方方向、かつ上方の隅部にヒンジ結合され、上開き状に開閉可能に構成されている。詳しくは、図6及び図7に図示されるように、側板12のヒンジ結合部の車両外方側には、開閉蓋18と連結されたクランク軸19が形成されている。このクランク軸19は、略円板形状に形成されており、側板12と略平行方向の状態で円板の中心位置のクランク軸中心部15と開閉蓋18とが軸を介して結合されている。そして、このクランク軸19のクランク軸中心部15から円板状の半径方向にずれた位置であって、かつ、車両前方方向の位置において、ワイヤーケーブル接続部13とワイヤーケーブル60の開閉蓋接続端部66が回動可能に枢支されている。
また、図7に図示されるように、開閉蓋18とクランク軸19の間には、ねじりばね17が構成されており、一端が開閉蓋18に結合されており、もう一端が側板12に結合されており、常時はねじりばね17の付勢力によって開閉蓋18を閉鎖状態18Yに付勢している。
そして、操作レバー50の操作作動がワイヤーケーブル60を介してクランク軸19に伝達されると、クランク軸19が、ねじりばね17の付勢力に抗して図6の図示上時計回転方向に回転し、クランク軸19と結合されている開閉蓋18を開放状態18Xの作動方向に作動させる。
なお、クランク軸19のワイヤーケーブル接続部13の位置をクランク軸中心部15と近接させることによって、クランク軸19の円板上におけるクランク軸中心部15からの半径が小さくなるため、ワイヤーケーブル接続部13の回転移動距離も少なくすることができる。これにより、スライドロック機構40が保持状態から解除状態に作動切替されて、セカンドシート20が収容位置20Zと着座位置20Xの間におけるスライド移動を開始する時期よりも、開閉蓋18の閉鎖状態から開放状態へ作動する開始時期を早めることができる。
上記構成からなる本実施例における車両用シートの配設構造の作動は次の通りである。
先ず、セカンドシート20を着座位置20Xから収容位置20Zへ収容する作動内容について説明する。
図1に図示されるように、セカンドシート20が着座位置20Xの位置に保持している状態において、シートバック22の左肩口に設けられた操作レバー22Aを図示手前側に引下げる操作によって、シートバック22をシートクッション24の上面部に前倒しされた姿勢にするとともに、シートクッション24の骨格フレームの側部に回動可能に枢支されたリンクアーム28A、28Bのリンク運動に伴う起倒回動によって、シートクッション24を着座位置20XからフロアF上に落としこんだ倒伏位置20Yへ降下移動させる。
そして、操作レバー50の操作部52Aを車両前方方向に引く操作作動をする。そして、この操作作動がワイヤーケーブル60を介してスライドロック機構40及び開閉蓋18に伝達されて、スライドロック機構40の係合部材46がロアレール44の係合孔45Xの係合から外れ、着座位置20Xの保持状態の保持が解除される解除状態となり、開閉蓋18は、セカンドシート20を収容空間38内に収容できるようにする開放状態18Xとなる。
これにより、セカンドシート20が、サードシート30の下方の収容空間38内の収容位置20Zに向かってスライド移動され、収容空間38内に収容されて収容位置20Zの位置まで移動すると、スライドロック機構40の係合部材46がロアレール44の係合孔45Zに係合して、収容位置20Zにおけるセカンドシート20を位置決めする保持状態となり、開閉蓋18はセカンドシート20を収容空間38内に収容して閉鎖する閉鎖状態18Yとなる。
次に、セカンドシート20を収容位置20Zから着座位置20Xへ引き出す作動内容について説明する。
図1に図示されるように、セカンドシート20が収容位置20Zの位置に保持している状態において、開閉蓋18の切り欠き部18Kに手を差し入れて、操作レバー50の操作部52Aを車両前方方向に引く操作作動をする。そして、この操作作動がワイヤーケーブル60を介してスライドロック機構40及び開閉蓋18に伝達されて、スライドロック機構40の係合部材46がロアレール44の係合孔45Zの係合から外れ、収容位置20Zの保持状態の保持が解除される解除状態となり、開閉蓋18は、セカンドシート20を収容空間38内から引き出すことができるようにする開放状態18Xとなる。
これにより、セカンドシート20が、乗員が着座することのできる着座位置20Xに向かってスライド移動され、収容空間38内から引き出され着座位置20Xの位置まで移動すると、スライドロック機構40の係合部材46がロアレール44の係合孔45Xに係合して、着座位置20Xにおけるセカンドシート20を位置決めする保持状態となり、開閉蓋18は閉鎖状態18Yとなる。
この状態は、セカンドシート20がフロアF上に落としこんだ倒伏位置20Yとなっているため、シートバック22の左肩口に設けられた操作レバー22Aを図示手前側に引下げる操作によって、シートバック22をシートクッション24に対して起立させた姿勢にするとともに、シートクッション24の骨格フレームの側部に回動可能に枢支されたリンクアーム28A、28Bのリンク運動に伴う起倒回動によって、シートクッション24を倒伏位置20Yから着座位置20Xへ上昇移動させる。
本発明の実施例に係る車両用シートの配設構造は上述したように構成されている。この構成によれば、スライドロック機構40の作動切替を行う操作レバーと開閉蓋18の作動切替を行う操作レバーとが同一の操作レバー50として配設されており、この同一の操作レバー50を操作することによって、開閉蓋18の開放状態18Xまたは閉鎖状態18Yの作動切替と、スライドロック機構40における保持状態と解除状態の作動切替が、関連して作動切替される。これにより、一回の操作で開閉蓋18の作動切替とスライドロック機構40の作動切替が可能となるため、セカンドシート20の着座位置20Xと収容位置20Zの間をスライド移動する際の操作性を向上させることができる。また、開閉蓋18により、収容空間38内が露出されないため、外観における意匠性を向上させることができる。
ワイヤーケーブル60は、セカンドシート20が、着座位置20Xと収容位置20Zの間をスライド可能な長さに形成されている。これにより、セカンドシート20の着座位置20Xと収容位置20Zの間のスライド移動において、ワイヤーケーブル60が多構成部品と干渉することを防止でき、円滑なスライド移動をさせることができるため、セカンドシート20の着座位置20Xと収容位置20Zの間をスライド移動する際の操作性をより一層向上させることができる。
操作レバー50を操作してスライドロック機構40の保持状態を解除状態に切り替えると、同一の操作レバーによって作動切替される開閉蓋18が開放状態となる。このときアッパーレール42の係合部材46は、ロアレール44の係合孔45X又は45Zに係合しない状態である。そして、着座位置20Xと収容位置20Zの間において、係合部材46が係合孔45X又は45Zに係合しない状態を保ってロアレール44上をスライド移動可能とされる。そのため、スライドロック機構40は解除状態を維持された状態であり、開閉蓋18は開放状態18Xを維持された状態である。
そして、アッパーレール42の係合部材46が、着座位置20Xと収容位置20Zの位置に形成されているロアレール44の係合孔45X又は45Zに係合するとスライドロック機構40は解除状態から保持状態となり、開閉蓋18も閉鎖状態18Yとなる。
これにより、上記状態においては操作レバー50から手が離れた場合でも開閉蓋18が開放した状態で、セカンドシート20を着座位置20Xと収容位置20Zの間でスライド移動可能とすることができるため操作性がより一層向上することができる。例えば、上記状態において、操作レバー50から手が離れた後に、操作レバー50以外のシートの一部に力を加えて移動させたとしてもセカンドシート20のスライド移動が可能である。よって、操作者が無理な姿勢をしたままの操作をする必要がなくなるため、セカンドシート20の着座位置20Xと収容位置20Zの間をスライド移動する際の操作性をより一層向上させることができる。
ロアレール44に形成された係合孔45X又は45Zの着座位置20Xと収容位置20Zの間隔D1は、開閉蓋18における開放状態18Xのときの前端部と、セカンドシート20における収容位置20Zの後端部との長さD2より大きく設定されている。
これにより、セカンドシート20のスライド移動時において、開閉蓋18との干渉防止を図ることができる。
開閉蓋18は、収容箱10の側板12にヒンジ連結されており、ヒンジ連結している連結軸部にはクランク軸19が形成されている。そして、開閉蓋18の開放状態へ作動する作動開始時期は、セカンドシート20のスライド移動開始時期よりも早い。これにより、開閉蓋18が開放する前にセカンドシート20がスライド移動されないため、セカンドシート20のスライド移動時において、開閉蓋18との干渉防止を図ることができる。
本発明の車両用シートの配設構造は、本実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、開閉蓋は、横開きや下開きの構成となってもよい。但し横開きや下開きとする場合には、開閉蓋がセカンドシートのスライド移動を阻害しないように別途工夫が必要となる。
また、セカンドシートやサードシートは、それぞれ各一人ずつの着座者を着座させる大きさ、形状に別個に分かれて形成されていてもよい。この場合には、収容箱の大きさも、それぞれ収容空間に合わせた大きさに形成されることになる。
また、セカンドシートをサードシートの収容空間内に収容移動させるための機構としてスライドロック機構を示したが、リンク機構等の他の機構の運動を利用してセカンドシートの収容移動を行なうようにしてもよい。
また、車両の前側に配設されたシートがその後ろ側のシートの下部空間に収容される構成を示したがシート間の配置関係は特に限定されない。したがって、例えば、前側のシートに収容空間を形成し、後側のシートを前側のシートの下部空間に収容するようにしてもよい。また、他の位置に配設されたシートを収容するようにしてもよい。そして、これらの場合には、開閉蓋を収容するシートの配設方向側に向けて設定すると、収容や取り出しが容易となるため好ましい。
また、ワイヤーケーブルについて、プル式(引張りタイプ)のワイヤーケーブルについて示したが、押し引き両用のプッシュプル形式のワイヤーケーブルであってもよい。
また、本実施例においては、クランク軸19のワイヤーケーブル接続部13の位置をクランク軸中心部15と近接させることによって、ワイヤーケーブル接続部13の回転移動距離を少なくする構成について示した。これは、スライドロック機構40が保持状態から解除状態に作動切替されて、セカンドシート20が収容位置20Zと着座位置20Xの間におけるスライド移動を開始する時期よりも、開閉蓋18の閉鎖状態から開放状態へ作動する開始時期を早めることができる構成のものである。
上記構成において、図8に図示されるように、開閉蓋18の開放状態18Xの位置で開閉蓋の作動を留めるストッパー11を形成するとともに、ワイヤーケーブル60の開閉蓋接続端部66に、ばね67を設ける構成でもよい。このばね67の弾性力は、開閉蓋18の開閉作動においては弾性変形しない弾性力を有した構成とすることで、開閉蓋18が開放して開放状態18Xでストッパー11と当接した後、更に操作レバー50に操作作動力を及ぼすことによってスライドロック機構40を作動させることができる。これにより、開閉蓋18が早期に開放状態18Xとなっても、スライドロック機構40への操作作動が容易とされるため、操作レバー50の操作性がより一層向上する。
また、開閉蓋18の切り欠き部18Kにカーテン等を備える構成であってもよい。これにより、開閉蓋18が閉鎖状態18Yに位置しているときにおいて、この切り欠き部18Kにおける収容空間38内の露出を防止することができるため見栄えが更に向上することができる。
本実施例に係る車両用シートの配設構造におけるセカンドシートとサードシートの構成を表した側面図である。 本実施例に係る車両用シートの配設構造におけるセカンドシートとサードシートの構成を表した斜視図である。 本実施例に係る車両用シートの配設構造におけるサードシートの下に形成された収容空間とこの収容空間に収容されたセカンドシートの構成を表した斜視図である。 本実施例に係る車両用シートの配設構造におけるサードシート下に形成された収容空間の開閉蓋とスライドロック機構の構成を表した側面図である。 本実施例に係る車両用シートの配設構造における開閉蓋とスライドロック機構を操作する操作レバーの構成を表した斜視図である。 本実施例に係る車両用シートの配設構造におけるサードシート下に形成された収容空間の開閉蓋のヒンジ構造を表した側面図である。 本実施例に係る車両用シートの配設構造における図6のVII−VII線断面図である。 本実施例に係る車両用シートの配設構造におけるサードシート下に形成された収容空間の開閉蓋のヒンジ構造の変更例を表した側面図である。
符号の説明
10 収容箱
11 ストッパー
12 側板
13 ワイヤーケーブル接続部
14 天板
15 クランク軸中心部
16 後板
17 ねじりばね
18 開閉蓋
18K 切り欠き部
18X 開放状態
18Y 閉鎖状態
19 クランク軸
20 セカンドシート
20X 着座位置
20Y 倒伏位置
20Z 収容位置
22 シートバック
22A 操作レバー
24 シークッション
26 リクライニング
26 リクライニング装置
28A リンクアーム
28B リンクアーム
30 サードシート
32 シートバック
34 シートクッション
36 支持体
38 収容空間
40 スライドロック機構
42 アッパーレール
43 レール本体
44 ロアレール
45X 係合孔
45Z 係合孔
46 係合部材
47a 伝達部材
47b 伝達部材
47c 伝達部材
47d ばね
48A ブラケット
48B ブラケット
50 操作レバー
51 操作レバーケース
51A 車両前方面
51B 車両後方面
51C 切り欠き部
52 レバー部材
52A 操作部
52B 車両後方面
53 支持部材
54 ばね
60 ワイヤーケーブル
62 操作レバー接続端部
64 スライドロック機構接続端部
66 開閉蓋接続端部
67 ばね
F フロア

Claims (5)

  1. 車両のフロア上に第1のシートと第2のシートとが配設され、第1のシートはシートバックとシートクッションとが折畳み可能に構成された車両用シートの配設構造であって、
    前記第2のシートには、前記フロアとの間に前記第1のシートを折畳んだ姿勢にして収容することのできる収容空間が形成されており、
    該収容空間は、当該収容空間を包囲画定する囲い体で形成されており、該囲い体の前記第1のシートを収容出入させる出入口面部は開閉式の開閉蓋として形成されており、
    該開閉蓋は、前記第1のシートを前記囲い体の収容空間内に収容できるようにする開放状態と、前記第1のシートを前記囲い体の収容空間内に収容して閉鎖する閉鎖状態とに作動切替される構成とされており、
    前記第1のシートは、乗員が着座することのできる着座位置と前記囲い体の収容空間に収容される収容位置との間をスライド移動可能として配設されていると共に、該両位置には当該位置における当該第1のシートを位置決めする保持状態と、該保持状態の保持が解除される解除状態とに作動切替可能なスライドロック機構が備えられており、
    前記開閉蓋の作動切替を行う操作レバーと前記スライドロック機構の作動切替を行う操作レバーとが同一の操作レバーとして配設されており、該同一の操作レバーの操作により前記開閉蓋とスライドロック機構とが関連して作動切替されることを特徴とする車両用シートの配設構造。
  2. 請求項1に記載の車両用シートの配設構造であって、
    スライドロック機構は、前記第1シートと連結されたアッパーレールと、前記フロア上に配置形成されたロアレールとから構成されており、
    前記アッパーレール側には、スライドロック機構の保持状態と解除状態を切替可能とするために、前記ロアレールと係合可能とされる係合部材が形成されており、
    前記ロアレール側には、前記第1シートを前記着座位置と前記収容位置に配置させる位置において前記係合部材と係合可能とされる係合孔が形成されており、
    前記着座位置と前記収容位置の間において、前記係合部材が前記係合孔に係合しない状態を保ってロアレール上をスライド移動可能とされることにより、前記スライドロック機構の解除状態と前記開閉蓋の開放状態を維持されることを特徴とする車両用シートの配設構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用シートの配設構造であって、
    前記操作レバーは、前記スライドロック機構及び前記開閉蓋と、ワイヤーケーブルによって接続されており、
    前記操作レバーの操作作動が、前記ワイヤケーブルを介して前記スライドロック機構及び前記開閉蓋に伝達される構成となっており、
    前記ワイヤーケーブルは、前記第1シートが、前記着座位置と前記収容位置の間をスライド可能な長さに形成されていることを特徴とする車両用シートの配設構造。
  4. 請求項3に記載の車両用シートの配設構造であって、
    前記ロアレール側に形成された前記着座位置の係合孔と前記収容位置の係合孔の間隔は、
    前記開閉蓋における前記開放状態のときの前端部と、前記第1シートにおける前記収容位置の後端部との長さより大きく設定されていることを特徴とする車両用シートの配設構造。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両用シートの配設構造であって、
    前記開閉蓋は、ヒンジにより開閉可能に構成されており、
    該開閉蓋のヒンジの開閉軸部には、クランク軸が形成されており、
    該クランク軸と前記ワイヤーケーブルが接続されており、
    前記操作レバーを操作することによって、前記開閉蓋が閉鎖状態から開放状態へ作動する作動開始時期は、
    前記第1シートのスライドロック機構が保持状態から解除状態に作動切替されて、前記第1シートが前記収容位置と前記着座位置の間におけるスライド移動開始時期よりも早いことを特徴とする車両用シートの配設構造。

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