JP2009178087A - 酒類又は発酵調味料の製造方法 - Google Patents

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Junji Yodoi
淳司 淀井
Yoshiharu Inoue
善晴 井上
Yoshinori Wakai
芳則 若井
Yoshifumi Kiyokawa
良文 清川
Atsushi Kitaoka
篤士 北岡
Noriko Kato
紀子 加藤
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Abstract

【課題】酵母を用いた従来の醸造工程に改良を加えて、酵母が生産するチオレドキシンを高濃度に含有する清酒、その他の醸造酒類、発泡性酒類、混成酒類等の酒類、又は発酵調味料の製造方法を提供する。
【解決手段】酵母を用いて清酒、その他の醸造酒類、発泡性酒類、混成酒類等の酒類、又は発酵調味料を醸造する工程において、上槽前の酵母死滅率が5%以上、好ましくは10%以上となるように仕込み条件を設定して醪仕込みを行う。この仕込み条件には、使用酵母、品温経過、発酵中のアルコール濃度、及び発酵期間が含まれる。通常より高めの品温及び17%以上の高いアルコール濃度によって、酵母に熱ストレス及びアルコールストレスを与えて醪を経過させることにより、酵母菌体内のチオレドキシンを菌体外に放出させ、チオレドキシン高含有の清酒等の酒類及び発酵調味料を製造することができる。

Description

本発明は、チオレドキシンを高含有する清酒、その他の醸造酒類、発泡性酒類、混成酒類等の酒類及び発酵調味料を製造する方法に関する。
最近、生体の酸化還元関連分子を制御し、抗ストレスタンパクでもあるチオレドキシンが注目されている。チオレドキシンの酸化還元活性を応用して、各種アレルゲンの中和、アレルギー予防、転写因子AP−1の活性化、皮質改善、粘膜障害保護、炎症疾患の予防又は治療を図る様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。食品又は医薬品用のチオレドキシンの製造には、長年に亘って食品に利用されている酵母を使用することが望ましいと考えられる(例えば、特許文献3を参照)。
上記特許文献1には、チオレドキシンを機能性食品素材として利用するために、酵母の培養においてストレス負荷を与え、酵母細胞中のチオレドキシン含有量を増加させる酵母の製造方法が開示されている。ストレス負荷とは、酵母に対して生理的条件と異なる生物学的刺激、生化学的刺激、化学的刺激、物理的刺激等を与えることであり、培地中に茶成分を添加して負荷培養する方法が例示されている。
上記特許文献2には、チオレドキシン高含有酵母からチオレドキシンを迅速かつ簡便に調製する方法が開示されている。この方法では、チオレドキシン高含有酵母の菌体を破砕して得た酵母抽出液を、限外濾過液を用いて濾過することにより、チオレドキシンを高濃度に含有する画分を分離する。
上記特許文献3には、同様に酵母から高純度のチオレドキシンを簡便かつ効率的に製造する方法が開示されている。この方法は、酵母の培養工程、チオレドキシンを酵母の菌体外に放出させる工程、及びチオレドキシンの回収工程とから構成される。この方法によれば、チオレドキシンは、酵母に対してストレス負荷処理を行うことにより、酵母を破砕することなく、酵母菌体外に選択的に放出させることができ、夾雑タンパク質の混在を大幅に低減して、高純度のチオレドキシンが得られる。ストレス負荷処理は、有機溶媒ストレス、pHストレス、浸透圧ストレス、熱ストレス、酸素濃度ストレス、炭素源濃度ストレス、紫外線曝露、窒素源濃度ストレス、電気刺激等の細胞刺激を酵母に与えることにより行われる。
上記特許文献3の方法で使用する酵母は、チオレドキシン産生能を有する限り特に制限されないが、パン酵母、ビール酵母、清酒酵母、ワイン酵母、醤油酵母等の食用酵母が安全なことから望ましい。清酒酵母については、20%エタノール処理又は低pHショックによるストレス負荷のいずれにおいても、チオレドキシンが菌体外に放出されることを確認したと報告されている。更に、清酒醸造の醪工程で、留後の培養液をサンプリングしたところ、留後20日頃以降の発酵後期に培養液中のチオレドキシン漏出量が増加したことが確認されている。これは、酵母が産生したアルコールが発酵後期に培地に蓄積してストレス要因となり、チオレドキシンを選択的に酵母菌体外に放出したことを示している。
特開2006−67813号公報 特開2006−67850号公報 国際公開第WO2007/032490号パンフレット
通常の醸造工程により製造される清酒等の醸造酒は、上述したアルコール抽出効果等による酵母由来のチオレドキシンを含有している可能性がある。しかしながら、現状では、製品酒中にチオレドキシンがほとんど含まれていない。
清酒醸造では、酵母や麹の働きにより米に含まれるデンプンを糖化し、更に糖質を発酵させることによりアルコールが生産され、得られた熟成もろみをそのまま又は醸造アルコールを添加して圧搾することにより、清酒を製造する。更に清酒醸造では、活性炭ろ過、限外ろ過、加熱殺菌、オリ下げ(除タンパク)処理等、目的とする製品酒に合わせて様々な処理が行われている。
本願発明者らは、このような清酒の仕込み方法や上槽後の様々な処理工程が、製品酒中にチオレドキシンがほとんど含まれていないようにしていると考えた。従来の清酒醸造方法において、その各工程でチオレドキシンの検出を行ったところ、次のような結果が得られた。先ず、チオレドキシンは上槽酒側に十分に抽出されず、大部分が酵母菌体内に蓄積されていることが分かった。更に、上槽酒中に抽出されたチオレドキシンも、製品酒中にはほとんど含まれておらず、活性炭ろ過、オリ下げ処理、限外ろ過等の各処理で減少したことが分かった。また、清酒等の酒類は、酒税法の適用によりチオレドキシン等の有効成分を添加できないので、チオレドキシン高含有酒の製造は実際上困難である。
そこで、本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、酵母を用いて清酒、その他の酒類、又は発酵調味料を醸造する従来の工程に改良を加えることにより、酵母が生産するチオレドキシンを高濃度に含有する清酒、その他の酒類、又は発酵調味料の製造方法を提供することにある。
本願発明者らは、清酒醸造において仕込み条件や各工程の処理条件を様々に変化させ、製品酒中に抽出され又は酵母菌体から放出されたチオレドキシンの検出を確認した。その結果は次のとおりである。
1.仕込み条件の異なる様々な貯蔵酒について、チオレドキシン(TRX)含量を調査した。各貯蔵酒200μLからトリクロロ酢酸処理によりタンパク質成分を回収し、抗チオレドキシン抗体を用いたウェスタンブロットによりチオレドキシンの検出を行い、検出したチオドキシンのバンドをデンシトメトリーにより数値化して比較した。その結果を以下の表1及び表2に示す。
Figure 2009178087
Figure 2009178087
この結果から、清酒中に含まれるチオレドキシン含量は、仕込みの種類により、アルコール度数、使用酵母、使用白米の精米歩合、発酵醪の成分、醪末期での酵母死滅率が異なることによって、大きく差異を生じることが判明した。特に、表1ではNo.6,7の純米酒、No.10の本醸造酒、表2ではNo.14,15の本醸造酒、No.17〜20の山廃仕込酒、辛口酒、普通酒は、チオレドキシン含量が高い。これに対し、表1のNo.1の大吟醸酒、No.2の純米大吟醸酒のように比較的低温で発酵させる清酒は、チオレドキシン含量が低い。これは、使用酵母や発酵温度等の発酵条件がチオレドキシン含量に与える影響が大きいことを示している。
また、同じ酵母を使用した純米酒(表1のNo.4〜9)でも、チオレドキシン含量が異なることが分かった。普通酒では、アルコール耐性を付与した酵母Dを使用したもの(表2のNo.21,23〜25)は、チオレドキシン含量が低く、醪中のアルコール含量を低く維持して発酵を行った糖質カット酒(表1のNo.13,表2のNo.22)も、チオレドキシン含量が低くなることが分かった。これらは、上槽前の酵母死滅率が約2%以下のアルコール耐性酵母の使用、及び/又は低温経過による仕込みを避けることが、チオレドキシン高含有の清酒醸造に好ましいことを示している。
2.表1及び表2においてチオレドキシン含量が高かった辛口酒(表2のNo.19)及び普通酒A(表2のNo.20)を用い、同じ種別間でロットの違いによるチオレドキシン含量について調査した。チオレドキシンの検出は、各貯蔵酒50μLからトリクロロ酢酸処理によりタンパク質成分を回収し、抗チオレドキシン抗体を用いたウェスタンブロットにより行った。その結果を以下の表3に示す。
Figure 2009178087
この結果から、同じ種別の清酒でも、ロットによってチオレドキシン含量が相違することが分かった。特に、醪末期のアルコール度数及び醪積算温度の双方が高い仕込みの場合(表3のNo.4,8)に、チオレドキシン含量が高くなった。また、酵母死滅率の高い仕込みの方がチオレドキシン含量が高くなる傾向が認められる。特に上槽前の酵母致死率が10%以上であると、チオレドキシン含量が大幅に増加するので好ましい。
このように醪末期に酵母死滅率が高い醪を使用した普通酒では、酵母から放出されるチオレドキシンが多量となり、その結果、貯蔵酒中に多量のチオレドキシンが含まれていると考えられる。これらは、醪末期に酵母を死滅させる条件、即ち醪中のアルコール含量を高めたり醪の温度を高めることなどによって、チオレドキシン高含有の清酒が得られることを示している。
3.アルコール添加酒の場合、アルコール添加後すぐに上槽を行うのが通例である。ここでは、アルコール添加後にチオレドキシンの抽出期間として数日間置いて、アルコール添加が上槽酒へのチオレドキシン抽出にどの程度効果があるかを検討した。本醸造酒の醪をアルコール添加後に品温12℃、16℃、20℃の条件で抽出期間を0〜2日間として、遠心分離による上槽を行った。チオレドキシンの検出は、各上槽酒20μLからサンプルを調製し、抗チオレドキシン抗体を用いたウェスタンブロットにより行った。その結果を以下の表4に示す。
Figure 2009178087
この結果から、抽出期間をおくことによって、チオレドキシン含量が大幅に増加することを確認した。更に、抽出期間の品温が高い方が、日数も多い方がチオレドキシンの抽出量は増加した。これは、アルコール添加酒では、アルコール添加後に醪を上槽する前に1〜4日間の抽出期間を置くことによって、その際に品温を高くすることによって、チオレドキシン含量を大幅に増加させ得ることを示している。
4.表1及び表2において同じ使用酵母の純米酒でもチオレドキシン含量に差異が認められることから、その原因として、上槽酒のろ過工程でチオレドキシンが活性炭に吸着されるのではないかと考え、活性炭添加量がチオレドキシン含量に与える影響を検討した。異なる供給者から入手した市販の2種の活性炭(A炭、B炭)を、添加量を変えて清酒(生酒)に添加し、室温で1時間接触させた後、ろ過により活性炭を取り除いてサンプルを得た。活性炭添加量が異なる各サンプルと活性炭無添加のサンプル(対照)とについて、ウェスタンブロットによりチオレドキシン含量を検討した。その結果を以下の表5に示す。
Figure 2009178087
この結果、活性炭の添加量が増加するに連れて、チオレドキシン含量が大幅に減少することが認められた。別個の供給者から入手した種類の異なる活性炭(A炭、B炭)のいずれも、ほぼ同様の試験結果を示した。これは、上槽酒中のチオレドキシンが活性炭に大幅に吸着されたことを示している。従って、チオレドキシン高含有酒を得るためには、活性炭ろ過を省略し又は活性炭添加量を必要最少限に抑えることが好ましい。
5.活性炭ろ過以外の原酒処理工程として、オリ下げ処理によるチオレドキシン含量の変化を検討した。オリ下げ操作は通例、貯蔵酒を製品化する際に、製品貯蔵中にタンパク質が沈澱するのを防ぐために行う除タンパク操作である。表2においてチオレドキシン含量が高かった辛口酒を使用し、オリ下げ処理前後のチオレドキシン含量をウェスタンブロットにより解析した。No.1をオリ下げ前、No.2をオリ下げ後、No.3を製品酒とし、各サンプル酒1mLを用いてウェスタンブロットによるチオドキシン含量の比較を行った。その結果を以下の表6に示す。
Figure 2009178087
この結果、オリ下げ処理を行うと、チオレドキシン含量が大幅に減少することが分かった。オリ下げ処理は、夾雑タンパクが大幅にカットされる点で有効であるが、それと同時にチオレドキシンもカットされることになる。従って、チオレドキシン高含有酒を得るためには、オリ下げ処理を省略することが好ましい。
6.別の原酒処理工程として、分画分子量10000Daの限外(UF)ろ過によるチオレドキシン含量の変化を検討した。限外ろ過は通例、生酒や生貯蔵酒等を製造する際に、常温流通できる安定な製品とするために酵素等のタンパク質を取り除く処理である。普通酒の上槽酒300mLを用いて限外ろ過を行い、そのろ液を270mL、濃縮液を30mL回収した。上槽酒、限外ろ過後ろ液、及び限外ろ過後濃縮液のチオレドキシン含量をウェスタンブロットにより解析した。No.1を上槽酒、No.2を限外ろ過後ろ液、No.3を限外ろ過後濃縮液とし、各サンプル酒1mLを用いてウェスタンブロット用のサンプルを調製した。その結果を以下の表7に示す。
Figure 2009178087
この結果から、活性炭添加量を少なくしたことで活性炭ろ過によるチオレドキシンの減少は抑えられたが、チオレドキシンは限外ろ過後の濃縮液側に強く検出され、限外ろ過により酒中のチオレドキシンが限外ろ過膜にトラップされたことが明らかである。従って、チオレドキシン高含有酒を得るためには、限外ろ過を省略することが好ましい。
逆に、限外ろ過膜を適当に選択して濃縮することによって、清酒中のチオレドキシン含量を増加させ得ることが分かった。例えば、チオレドキシンよりも小さい分画分子量10000Da以下の限外ろ過膜を用いることにより、チオレドキシンを高含有する清酒を製造することが可能である。
7.清酒以外の酒類(ビール、発泡酒、雑種類、その他発泡性酒類、米・米麹を原料とした清酒タイプの発酵調味料、米焼酎(乙類))に含まれるチオレドキシン含量を調査した。チオレドキシンの検出は、これら酒類の各貯蔵酒400μL(発泡性の酒類は400mg)からトリクロロ酢酸処理によりタンパク質成分を回収し、抗チオレドキシン抗体を用いたウェスタンブロットにより行った。その結果を以下の表8に示す。
Figure 2009178087
この結果から、チオレドキシン含量に差は認められたが、発泡性酒類や清酒タイプの発酵調味料の市販酒中にもチオレドキシンが含まれることが確認された。特に清酒醪を原料とした発酵調味料には、多量のチオレドキシンが含まれていることが分かった。他方、蒸留酒である焼酎は、チオレドキシンが全く検出されなかった。これらの結果から、清酒に関する上記知見は、清酒以外の醸造酒類、発泡性酒類及び発酵調味料についても同様に適用できると考えられる。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
本発明によれば、上記目的を達成するために、酵母を用いた酒類又は発酵調味料の醸造工程において、上槽前の酵母死滅率が5%以上となるように、好ましくは10%以上となるように醪仕込みを行うことにより、酵母菌体内からチオレドキシンを抽出する酒類又は発酵調味料の製造方法が提供される。
この醪の仕込み条件には、使用酵母、品温経過、発酵中のアルコール濃度、及び発酵期間が含まれる。特に醪末期の品温及びアルコール濃度を通常より高く設定することが好ましい。通常より高めの品温及び例えば17%以上の高いアルコール濃度が、酵母に熱ストレス及びアルコールストレスを与えて醪を経過させることにより、酵母菌体内のチオレドキシンを菌体外に放出させ、チオレドキシン高含有の清酒、その他の醸造酒類、発泡性酒類、混成酒類等の酒類又は発酵調味料を製造することができる。
或る実施例では、上槽前にアルコールを添加し、添加後1〜4日置いた後に上槽することにより、酵母に与えるストレスをより大きくし、より多量のチオレドキシンを酵母から抽出することができる。
別の実施例では、醪の上槽までの発酵期間を、通常よりも5〜10日程度延長することにより、酵母に与えるストレスを多くして、より多量のチオレドキシンを酵母から抽出することができる。
更に別の実施例では、上槽後の活性炭ろ過、オリ下げ処理、限外ろ過を省略することにより、上槽酒中に抽出した多量のチオレドキシンが失われることを防止し、高いチオレドキシン含量の酒類又は発酵調味料を製造することができる。
また、別の実施例では、上槽後に、分画分子量10000Da以下の限外ろ過膜を用いて濃縮することにより、チオレドキシン濃度をより高めることができる。
以下に、本発明による清酒の製造方法を好適な実施態様を用いて詳細に説明する。本発明の実施態様によれば、清酒醸造の常法通りに麹、酒母を作り、醪仕込みを行う。このとき、酒母の製造工程で使用する清酒酵母には、アルコール耐性の低いものを選択して仕込みを行う。少なくとも、例えば協会11号のようなアルコール耐性酵母である清酒酵母の使用を避ける。これにより、酵母の発酵により醪中に蓄積したアルコール自体が酵母にアルコールストレスを与え、酵母の菌体内に蓄積されているチオレドキシンを選択的に菌体外に放出させる。
醪の製造工程では、通常行われる10〜15℃で仕込みを行う。しかしながら、醪末期の品温経過を20℃前後の高温にすることによって、酵母に有効な熱ストレスを与えることができる。これにより、酵母の菌体内に蓄積されているチオレドキシンが、選択的に菌体外に放出される。
また、上槽までの発酵期間を通常よりも5〜10日程度多くとることが好ましい。これにより、最高品温が15℃前後又はそれ以下の場合でも、アルコールストレス及び熱ストレスがより多く酵母に与えられる。その結果、酵母菌体内のチオレドキシンを選択的に菌体外に放出させることができる。
一般に酵母の発酵は温度が高いほど活発で、清酒酵母では、20〜25℃の温度がアルコールの生成に最適とされている。他方、アルコール耐性が低い一般の清酒酵母は、醪中のアルコール濃度が18%以上になると衰弱して死滅する。従って、特に醪末期の発酵条件、即ち品温、アルコール濃度、上槽までの日数を適当に設定することによって、酵母のアルコール発酵が活発になりかつ酵母へのアルコール負荷が増えて、醪中へのチオレドシンの放出が多くなる。
アルコール添加酒を製造する場合には、アルコールの添加後直ぐに上槽せず、醪をそのまま数日間、例えば1〜4日放置する。これにより、醪中の酵母に更にアルコール負荷を加えて、より多くのチオレドキシンを放出させる。このとき、品温を例えば20℃前後に高くすることによって、醪中にチオレドキシンをより効果的に抽出することができる。
このようにして熟成した醪を上槽する。得られた上槽酒は、醪中に放出された多量のチオレドキシンを含有している。上槽酒中のチオレドキシン含量は、醪中の酵母に負荷されるストレスの程度に依存すると考えられるから、その多寡は、上槽前の酵母死滅率によって判定することができる。本発明によれば、上記各表に示す試験結果から、上槽前の酵母死滅率が5%以上、好ましくは10%以上である場合に、上槽酒中のチオレドキシン含量が高く、チオレドキシン高含有の清酒を製造することかできる。
上槽後の原酒処理工程では、上槽酒中に抽出したチオレドキシンが失われないように処理しなければならない。活性炭ろ過は、チオレドキシンが活性炭に吸着されるので、省略することが望ましい。活性炭ろ過が必要な場合には、活性炭添加量を必要最小限にする。限外ろ過及びオリ下げ(除タンパク)処理は、同様にチオレドキシン含量が大幅に減少するので、省略すべきである。尚、限外ろ過は、チオレドキシンの分子量が約12000Daであることを考慮すると、限外ろ過膜の分画分子量を小さく、好ましくは10000Da以下に、より好ましくは4000Da以下にすることによって、チオレドキシン含有清酒を濃縮することができる。
また、上述した本発明の清酒の製造方法は、清酒以外の醸造酒類、発泡性酒類、混成酒類や発酵調味料の製造に適用することができる。特に、米及び麹を用いて醸造される清酒タイプの発酵調味料は、上記実施態様の製造方法を略そのまま適用することができ、チオレドキシン高含有の発酵調味料が得られる。
(実施例1)
上述した本発明の清酒の製造方法に従って、実際に工場スケールで普通酒の仕込みを行い、チオレドキシンを高含有する清酒の醸造試験を実施した。醪日数19日目でアルコール添加を行い、22日目即ちアルコール添加後3日間保持した後に上槽した。
チオレドキシン含量がもろみ経過により及びアルコール添加後にどのように変化するかを検討した。チオレドキシンの検出は、経時的に醪をサンプリングし、遠心分離により上槽した後、上槽サンプル250μLからトリクロロ酢酸処理によりタンパク質成分を回収し、抗チオレドキシン抗体を用いたウェスタンブロットにより行った。その結果を以下の表9に示す。尚、表9において各TRXバンドスコアは、No.8の上槽酒のバンドの強さを100とした場合の比較値である。
Figure 2009178087
この結果から、アルコール添加後は、2日目以降でチオレドキシン含量がアルコール添加前と比較して50倍以上に増加し、それ以降はほぼ一定であることが認められた。これにより、アルコール添加後2〜3日の抽出期間を置くことによってチオレドキシン含量を大幅に増加させ得ることが確認された。
(実施例2)
様々な酵母品種を使用して、チオレドキシンを高含有する清酒の小仕込み試験を実施した。仕込み配合を以下の表10に示す。最高品温15℃で醪を経過させ、醪日数18日目で上槽を行った。醪を等量に分け、その一方は純米酒として遠心分離により上槽を行い、他の一方は醪半量(総米85g)に対して40%原料アルコール27mLを添加(アルコール添加率:125L/t白米)し、15℃、2時間静置後に遠心分離により上槽を行った。
Figure 2009178087
それぞれの上槽酒についてチオレドキシン含量を検討した。チオレドキシンの検出は、上槽サンプル500μLからトリクロロ酢酸処理によりタンパク質成分を回収し、抗チオレドキシン抗体を用いたウェスタンブロットにより行った。その結果を以下の表11に示す。
Figure 2009178087
この結果を見ると、協会酵母の中では、No.4〜6の泡ナシ変異株の方がチオレドキシン含量が高い傾向にあり、アルコール生成や酵母死滅率の高い株ほどチオレドキシン含量が高い。No.7〜10の酵母は、発酵経過が緩やかなKZ12株と、発酵経過が緩やかでアルコール耐性の強いKZ02株のチオレドキシン含量が低い。No.11〜16の黄桜吟醸酵母は、協会酵母と同様に、発酵力が弱くアルコール生成の低い吟醸1,4号のチオレドキシン含量が低く、アルコール生成や酵母死滅率が高い株ほどチオレドキシン含量が高い。これにより、チオレドキシン含量は、アルコール生成や酵母死滅率の高い酵母を選択した場合に高くなることが確認された。
(実施例3)
実施例2と同様の仕込み配合で、酵母KZ06を使用して、チオレドキシンを高含有する清酒の小仕込み試験を実施した。最高品温12℃,15℃,18℃で醪を経過させ、醪日数20日目で上槽を行った。また、これと同じ条件で仕込んだ醪を最高品温12℃で醪日数18日経過させ、上槽前2日間のみ16℃、20℃に昇温して上槽を行った。いずれの場合も、醪を等量に分け、その一方は純米酒として遠心分離により上槽を行い、他の一方は醪半量(総米85g)に対して40%原料アルコール27mLを添加(アルコール添加率:125L/t白米)し、15℃、2時間静置後に遠心分離により上槽を行った。
それぞれの上槽酒についてチオレドキシン含量を検討した。チオレドキシンの検出は、上槽サンプル500μLからトリクロロ酢酸処理によりタンパク質成分を回収し、抗チオレドキシン抗体を用いたウェスタンブロットにより行った。その結果を以下の表12に示す。
Figure 2009178087
この結果を見ると、最高品温が高いほど、チオレドキシン含量は高くなる傾向が認められる。また、最高品温12℃で発酵させ、上槽前の2日間を高温で経過させた醪は、純米酒及びアルコール添加酒のいずれも、酵母死滅率が高く、最高品温が12℃の場合の数倍程度の多量のチオレドキシンが検出された。これにより、チオレドキシン含量は、品温経過が高温であるほど増加することが確認された。
(実施例4)
実施例2と同様の仕込み配合で、酵母KZ06を使用して、チオレドキシンを高含有する清酒の小仕込み試験を実施した。最高品温12℃,15℃で醪を経過させ、醪日数20日、25日、30日目で上槽を行った。それぞれの上槽酒についてチオレドキシン含量を検討した。チオレドキシンの検出は、上槽サンプル500μLからトリクロロ酢酸処理によりタンパク質成分を回収し、抗チオレドキシン抗体を用いたウェスタンブロットにより行った。その結果を以下の表13に示す。
Figure 2009178087
この結果を見ると、いずれの最高品温でも、醪日数を延長することにより酵母死滅率が高くなり、それに対応してチオレドキシン含量が大幅に増加した。最高品温12℃の場合、醪日数の延長によりで酵母死滅率が約2倍になり、それに対応してチオレドキシン含量が5日間で約3倍、10日間で約6倍に増加した。また、最高品温15℃の場合と比較すると、品温経過を高くすることによって、より高い抽出効果を得られることが認められる。これにより、チオレドキシン含量は、醪末期を高アルコール濃度で経過させることによって大幅に増加することが確認された。

Claims (5)

  1. 酵母を用いた酒類又は発酵調味料の醸造工程において、上槽前の酵母死滅率が5%以上となるように醪仕込みを行うことにより、酵母菌体内からチオレドキシンを抽出することを特徴とする酒類又は発酵調味料の製造方法。
  2. 上槽前の酵母死滅率が10%以上であることを特徴とする請求項1に記載の酒類又は発酵調味料の製造方法。
  3. 上槽前にアルコールを添加し、添加後1〜4日置いた後に上槽することを特徴とする請求項1又は2に記載の酒類又は発酵調味料の製造方法。
  4. 上槽後の活性炭ろ過、オリ下げ処理、限外ろ過を省略したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の酒類又は発酵調味料の製造方法。
  5. 上槽後に、分画分子量10000Da以下の限外ろ過膜を用いて濃縮することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の酒類又は発酵調味料の製造方法。
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