JP5917948B2 - 麦芽飲料、香味改善剤及びこれらに関する方法 - Google Patents

麦芽飲料、香味改善剤及びこれらに関する方法 Download PDF

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本発明は、麦芽飲料、香味改善剤及びこれらに関する方法に関し、特に、麦芽飲料の香味改善に関する。
従来、嗜好の多様化に応えるべく、飲料の改善について様々な検討が行われている。例えば、特許文献1において、ペパー抽出物を添加することにより、ビールの好ましくない苦味及び後味を改善することが記載されている。また、特許文献2において、バニリルエチルエーテルを添加することにより、ビール又はホップ特有の好ましい苦み感及び後味の切れの良さを増強することが記載されている。
特開昭64−055171号公報 特開2004−229562号公報
しかしながら、従来、麦芽飲料の香味には未だ改善する余地があった。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、香味が効果的に改善された麦芽飲料、麦芽飲料の香味を効果的に改善する香味改善剤及びこれらに関する方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る麦芽飲料は、アンセリンを含むことを特徴とする。本発明によれば、香味が効果的に改善された麦芽飲料を提供することができる。また、前記麦芽飲料は、20ppm以上のアンセリンを含むこととしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る方法は、麦芽を含む原料を使用して麦芽飲料を製造する方法であって、アンセリンを添加することを含むことを特徴とする。本発明によれば、香味が効果的に改善された麦芽飲料を製造する方法を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る香味改善剤は、アンセリンを有効成分として含み、麦芽飲料の香味を改善するために使用されることを特徴とする。本発明によれば、麦芽飲料の香味を効果的に改善する香味改善剤を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る方法は、アンセリンを添加することにより麦芽飲料の香味を改善することを特徴とする。本発明によれば、麦芽飲料の香味を効果的に改善する方法を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る方法は、アンセリンを麦芽飲料の香味を改善する有効成分として使用することを特徴とする。本発明によれば、麦芽飲料の香味を効果的に改善する方法を提供することができる。
本発明によれば、香味が効果的に改善された麦芽飲料、麦芽飲料の香味を効果的に改善する香味改善剤及びこれらに関する方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る実施例において、アンセリンによる香味改善効果を評価した結果の一例を示す説明図である。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態に限られるものではない。
本実施形態に係る麦芽飲料(以下、「本飲料」という。)は、アンセリンを含む。ここで、本願発明の発明者は、嗜好の多様化に応えるべく、麦芽飲料の香味を改善する技術的手段について鋭意検討を重ねた結果、アンセリンという特定のペプチドが、当該麦芽飲料の香味を効果的に改善することを独自に見出し、本発明を完成するに至った。
より具体的に、アンセリンは、麦芽飲料の後味の刺激(例えば、炭酸及び/又は当該麦芽飲料の原料(例えば、ホップ及び/又は麦芽)に由来する後味の刺激)を効果的に低減する。
アンセリン(β−alanyl−1−methyl−L−histidine)は、ジペプチドの一種であり、β−アラニンと1−メチル−L−ヒスチジンとが結合することにより形成されたイミダゾールジペプチドである。
アンセリンは、尿酸値抑制作用、活性酸素消去作用、血圧降下作用、抗炎症作用等の好ましい生理作用を示すことが知られている。しかしながら、アンセリンが麦芽飲料の香味を改善する効果(特に、当該麦芽飲料の後味の刺激を低減する効果)は、未だ知られておらず、本願発明の発明者が独自に見出したものである。
本飲料に含まれるアンセリンの量は、その香味が改善される範囲であれば特に限られないが、本飲料は、例えば、20ppm(0.002w/v%)以上のアンセリンを含むこととしてもよい。
本飲料に含まれるアンセリンの量は、例えば、20ppm超であることとしてもよく、30ppm以上であることとしてもよく、40ppm以上であることとしてもよく、50ppm以上であることとしてもよい。
本飲料に含まれるアンセリンの量の上限値は、その香味が改善される範囲であれば特に限られないが、例えば、300ppm以下であることとしてもよく、300ppm未満であることとしてもよく、280ppm以下であることとしてもよく、250ppm以下であることとしてもよい。
上述したアンセリン量の下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。すなわち、本飲料に含まれるアンセリンの量は、例えば、20ppm以上、300ppm以下であることとしてもよく、20ppm以上、300ppm未満であることとしてもよく、20ppm超、300ppm未満であることとしてもよく、20ppm超、280ppm以下であることとしてもよく、30ppm以上、280ppm以下であることとしてもよい。
本飲料は、麦芽を含む原料を使用して製造される飲料(麦芽飲料)である。そして、本飲料においては、アンセリンの添加によって、麦芽等の原料に由来する後味の刺激を効果的に低減することができる。麦芽としては、大麦麦芽及び/又は小麦麦芽を好ましく使用することができる。大麦麦芽及び小麦麦芽は、それぞれ大麦及び小麦を発芽させることにより得られる。
本飲料は、例えば、麦芽液(ビール製造における麦汁に相当する溶液)を使用して製造される。麦芽液は、麦芽由来成分を含む溶液である。麦芽液は、麦芽を含む原料を使用して調製される。
すなわち、麦芽液は、例えば、麦芽と水とを混合することにより調製される。より具体的に、麦芽液は、例えば、少なくとも麦芽と水(好ましくは湯)とを混合し、当該麦芽に含まれる成分を抽出することにより調製される。
麦芽液は、糖化を行うことにより調製されることとしてもよい。この場合、麦芽液は、例えば、麦芽と水とを混合し、得られた混合液の糖化を行うことにより調製される。糖化は、麦芽及び水を含む混合液を、当該麦芽に含まれる消化酵素(例えば、デンプン分解酵素、タンパク質分解酵素)が働く温度(例えば、30〜80℃)に維持することにより行う。
麦芽を含む原料は、麦芽エキスを含む原料であることとしてもよい。麦芽エキスは、麦芽由来成分を含む組成物である。すなわち、麦芽エキスは、麦芽から、糖分及び窒素分等を含むエキス分を抽出することにより得られる麦芽抽出物である。
麦芽エキスは、例えば、麦芽からエキス分を冷水又は湯で抽出することにより調製される。麦芽エキスは、麦芽からエキス分を抽出し、次いで糖化を行うことにより調製されることとしてもよい。麦芽エキスは、麦芽の抽出後又は糖化後に、濃縮して調製されることとしてもよい。麦芽エキスとしては、市販の麦芽エキスを使用することとしてもよい。
麦芽液は、麦芽エキスと水とを混合することにより調製されることとしてもよい。具体的に、麦芽液は、例えば、少なくとも麦芽エキスと水(好ましくは湯)とを混合することにより調製される。
本飲料は、発泡性麦芽飲料であることとしてもよい。発泡性麦芽飲料は、泡立ち特性及び泡持ち特性を含む泡特性を有する麦芽飲料である。すなわち、発泡性麦芽飲料は、例えば、炭酸ガスを含む麦芽飲料であって、グラス等の容器に注いだ際に液面上部に泡の層が形成される泡立ち特性と、その形成された泡が一定時間以上保たれる泡持ち特性とを有する麦芽飲料である。本飲料が発泡性麦芽飲料である場合、アンセリンの添加によって、炭酸に由来する後味の刺激を効果的に低減することができる。
本飲料は、麦芽及びホップを含む原料を使用して製造される麦芽飲料であることとしてもよい。この場合、アンセリンの添加によって、ホップに由来する後味の刺激を効果的に低減することができる。
本飲料は、麦芽及びホップを含む原料を使用して製造される発泡性麦芽飲料であることとしてもよい。この場合、アンセリンの添加によって、麦芽、炭酸及びホップからなる群より選択される1つ以上に由来する後味の刺激を効果的に低減することができる。
本飲料は、麦芽発酵飲料であることとしてもよい。麦芽発酵飲料は、麦芽を含む原料を使用し、発酵を行うことにより製造される麦芽飲料である。この場合、本飲料は、例えば、麦芽を含む原料を使用して麦芽液を調製する工程と、当該麦芽液の発酵を行う工程とを含む方法により製造される。発酵は、例えば、アルコール発酵又は乳酸発酵であることとしてもよく、アルコール発酵であることが好ましい。
アルコール発酵は、例えば、麦芽液に1×10〜3×10cells/mLの範囲内の所定濃度で酵母を添加して発酵液を調製し、当該発酵液を0〜40℃の範囲内の所定温度で維持することにより行う。アルコール発酵後に、さらに熟成を行うこととしてもよい。本飲料は、発泡性麦芽発酵飲料であることとしてもよい。
本飲料は、麦芽非発酵飲料であることとしてもよい。麦芽非発酵飲料は、麦芽を含む原料を使用し、発酵を行うことなく製造される麦芽飲料である。この場合、本飲料は、例えば、麦芽液と他の原料(例えば、糖類、食物繊維、色素、香料、酸味料及び甘味料からなる群より選択される1種以上)とを混合する工程を含む方法により製造される。本飲料は、発泡性麦芽非発酵飲料であることとしてもよい。
本飲料は、麦芽アルコール飲料であることとしてもよい。麦芽アルコール飲料は、エタノール含有量が1体積%以上の麦芽飲料である。麦芽アルコール飲料のエタノール含有量は、例えば、1〜20体積%であることとしてもよい。
本飲料は、発泡性麦芽アルコール飲料であることとしてもよい。本飲料は、麦芽発酵アルコール飲料であることとしてもよい。本飲料は、麦芽非発酵アルコール飲料であることとしてもよい。本飲料は、発泡性麦芽発酵アルコール飲料であることとしてもよい。本飲料は、発泡性麦芽非発酵アルコール飲料であることとしてもよい。
本飲料は、麦芽ノンアルコール飲料であることとしてもよい。麦芽ノンアルコール飲料は、エタノール含有量が、1体積%未満の麦芽飲料である。麦芽ノンアルコール飲料のエタノール含有量は、例えば、0.005体積%未満であることとしてもよい。
本飲料は、発泡性麦芽ノンアルコール飲料であることとしてもよい。本飲料は、麦芽発酵ノンアルコール飲料であることとしてもよい。本飲料は、麦芽非発酵ノンアルコール飲料であることとしてもよい。本飲料は、発泡性麦芽発酵ノンアルコール飲料であることとしてもよい。本飲料は、発泡性麦芽非発酵ノンアルコール飲料であることとしてもよい。
本飲料は、麦芽に加えて、当該麦芽以外の原料をさらに使用して製造されることとしてもよい。麦芽以外の原料としては、例えば、穀類、豆類及びいも類からなる群より選択される1種以上及び/又は当該群より選択される1種以上を発芽させたものを使用することができる。穀類としては、例えば、大麦、小麦、米類及びとうもろこしからなる群より選択される1種以上を使用することができる。
本飲料は、アンセリンを含むことにより、当該アンセリンを含まない麦芽飲料に比べて、その香味が効果的に改善された麦芽飲料である。すなわち、本飲料は、例えば、アンセリンを含むことにより、その後味の刺激が効果的に低減されている。特に、本飲料が、上述した所定範囲の濃度でアンセリンを含むことにより、その香味は顕著に改善される。
本実施形態に係る香味改善剤(以下、「本剤」という。)は、アンセリンを有効成分として含み、麦芽飲料の香味を改善するために使用される。すなわち、本剤は、麦芽飲料の香味を改善する有効成分としてアンセリンを含む。
そして、本剤は、麦芽飲料の香味を改善するために、当該麦芽飲料の製造の過程で添加される。麦芽飲料の製造において本剤を添加することにより、当該麦芽飲料の香味を効果的に改善することができる。
具体的に、本剤の添加により、麦芽飲料の後味の刺激を効果的に限定することができる。したがって、本剤は、麦芽飲料の後味の刺激を低減する有効成分としてアンセリンを含むともいえる。
本剤は、アンセリンを有効成分として含む添加用組成物であれば特に限られないが、例えば、アンセリン精製組成物及び/又は合成アンセリン組成物であることとしてもよい。アンセリン精製組成物は、アンセリン原料の抽出物にアンセリンの含有濃度を高める処理(以下、「精製処理」という。)を施すことにより得られる組成物である。すなわち、アンセリン精製組成物は、天然由来のアンセリンを有効成分として含む組成物である。一方、合成アンセリン組成物は、化学的に合成されたアンセリンを有効成分として含む組成物である。
アンセリン精製組成物の製造に使用されるアンセリン原料は、アンセリンを含む原料であれば特に限られないが、例えば、アンセリンを含む生物原料を好ましく使用することができ、魚類(具体的に、例えば、マグロ、カツオ、サケ及びサメからなる群より選択される1種以上)及び/又はクジラ類を特に好ましく使用することができる。アンセリン原料としては、上記生物原料の加工品(例えば、カツオ節)を使用することとしてもよい。
アンセリン原料の抽出物は、当該アンセリン原料に含まれる成分を抽出することにより調製される。すなわち、この抽出物は、例えば、アンセリン原料と水との混合物を加熱することにより調製される。具体的に、アンセリン原料の抽出物は、例えば、上記生物原料(より具体的に、例えば、上記魚類又はクジラ類)の煮汁である。
精製処理は、アンセリンの含有濃度を高める処理であれば特に限られないが、例えば、ろ過及び/又はクロマトグラフィーによる処理であることとしてもよい。すなわち、アンセリン精製組成物は、例えば、アンセリン原料の抽出物をろ過することにより調製される。ろ過膜としては、例えば、限外ろ過膜及び/又は逆浸透膜を好ましく使用することができる。具体的に、上記ろ過により、アンセリン原料の抽出物から、タンパク質等の高分子量成分(例えば、分子量が6000Da以上の成分)が除去される。
その結果、アンセリン原料の抽出物に比べて高い濃度でアンセリンを含むアンセリン精製組成物が得られる。また、アンセリン精製組成物は、ろ過後にクロマトグラフィー(例えば、イオン交換クロマトグラフィー)によってアンセリンをさらに濃縮することにより得られることとしてもよい。
アンセリン精製組成物及び合成アンセリン組成物は、液体であることとしてもよく、固体であることとしてもよい。すなわち、アンセリン精製組成物及び合成アンセリン組成物は、例えば、溶液、ペースト、粉末又は錠剤であることとしてもよい。
アンセリン精製組成物及び合成アンセリン組成物に含まれるアンセリンの濃度は特に限られないが、例えば、1wt%以上であることとしてもよく、2wt%以上であることとしてもよく、3wt%以上であることとしてもよく、4wt%以上であることとしてもよく、5wt%以上であることとしてもよい。アンセリン精製組成物及び合成アンセリン組成物に含まれるアンセリンの濃度の上限値は特に限られないが、例えば、99wt%であることとしてもよい。
すなわち、本剤は、アンセリンを1〜99wt%含むこととしてもよく、2〜99wt%含むこととしてもよく、3〜99wt%含むこととしてもよく、4〜99wt%含むこととしてもよく、5〜99wt%含むこととしてもよい。
具体的に、アンセリン精製組成物は、例えば、煮汁を限外ろ過し、そのろ液を逆浸透膜処理し、さらに脱塩、脱色及び乾燥を行うことにより得られる、5〜10wt%のアンセリンを含む粉末であることとしてもよい。また、アンセリン精製組成物は、例えば、上述のろ過後に、さらにイオン交換クロマトグラフィーによる精製を行うことにより得られる、98wt%のアンセリンを含む粉末であることとしてもよい。
本実施形態に係る方法(以下、「本方法」という。)は、例えば、麦芽を含む原料を使用して麦芽飲料を製造する方法であって、アンセリンを添加することを含む方法である。
すなわち、本方法においては、麦芽飲料を製造する過程の任意のタイミングでアンセリンを添加する。なお、本方法においては、上述した麦芽液を使用して麦芽飲料を製造することとしてもよい。この場合、本方法は、麦芽液を調製する工程を含むことしてもよく、麦芽液を調製する工程を含まず予め調製された麦芽液を使用することとしてもよい。
アンセリンを添加する方法は、特に限られないが、例えば、上述した香味改善剤(本剤)を添加する方法を好ましく使用することができる。アンセリンを添加するタイミングは特に限られないが、例えば、添加されたアンセリンがペプチダーゼ等の酵素により分解されることを回避するために、製造の下流の工程で(例えば、アルコール発酵を行う場合には、当該アルコール発酵後に)アンセリンを添加することが好ましい。
具体的に、例えば、本方法においてアルコール発酵を行う場合、当該アルコール発酵後に、不溶性の固形分や酵母を除去するためのろ過(いわゆる一次ろ過)を行うこととしてもよく、さらに、その後、雑菌等を除去するための精密ろ過(いわゆる二次ろ過)又は加熱殺菌処理を行うこととしてもよい。また、本方法においてアルコール発酵を行わない場合であっても、製造過程の最終段階において、上記精密ろ過又は加熱殺菌処理を行うこととしてもよい。
すなわち、例えば、製造過程の最終段階において除菌等の目的で麦芽飲料のろ過及び/
又は加熱処理を行う場合には、当該ろ過前後又は当該加熱処理前後にアンセリンを添加することが好ましく、当該ろ過後又は当該加熱処理後にアンセリンを添加することがより好ましい。
本方法は、アンセリンを添加することにより麦芽飲料の香味を改善する方法であることとしてもよい。すなわち、本方法は、アンセリンを添加することにより、当該アンセリンの添加前に比べて、麦芽飲料の香味を改善する。
具体的に、本方法は、アンセリンを添加することにより、当該アンセリンの添加前に比べて、麦芽飲料の後味の刺激を低減する。アンセリンの添加は、例えば、上述した香味改善剤(本剤)の添加により行う。また、アンセリンの添加は、麦芽飲料の製造の過程における任意のタイミングで行う。
本方法は、アンセリンを麦芽飲料の香味を改善する有効成分として使用する方法であることとしてもよい。すなわち、上述のとおり、本願発明の発明者は、アンセリンが、麦芽飲料の香味を改善する有効成分(特に、当該麦芽飲料の後味の刺激を低減する有効成分)として使用できることを独自に見出した。本方法は、この知見に基づくものである。より具体的に、本方法は、例えば、アンセリンを麦芽飲料の後味の刺激を低減する有効成分として使用する方法である。
本方法においては、アンセリンを添加することにより、当該アンセリンを添加しない場合に比べて、麦芽飲料の香味を効果的に改善することができる。すなわち、本方法においては、例えば、アンセリンを添加することにより、麦芽飲料の後味の刺激を効果的に低減することができる。特に、本方法においては、麦芽飲料に含まれるアンセリンの濃度が上述した所定範囲となるように当該アンセリンを添加することにより、麦芽飲料の香味を顕著に改善することができる。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[麦芽飲料の製造]
第一の麦芽飲料として、麦芽及びホップを使用し副原料を使用することなく製造された(麦芽使用率100%)、エタノール含有量が5体積%である市販のビール(発泡性麦芽発酵アルコール飲料)を「麦芽飲料A」として準備した。
また、麦芽を使用することなく(麦芽使用率0%)ホップを使用し、アルコール発酵を行うことにより製造された、エタノール含有量が5体積%である市販の発泡性非麦芽発酵アルコール飲料を準備した。
そして、第一の麦芽飲料と発泡性非麦芽発酵アルコール飲料とを4種類の比率で混合することにより、麦芽使用率の異なる4種類の麦芽飲料(以下、「麦芽飲料B〜E」という。)を調製した。
また、第二の麦芽飲料として、麦芽及びホップを使用し副原料を使用することなく調製された麦芽液(麦芽使用率100%麦汁)を使用して、アルコール発酵を行うことなく製造された、エタノール含有量が0.005体積%以下である市販の発泡性麦芽非発酵ノンアルコール飲料を「麦芽飲料F」として準備した。
一方、香味改善剤として、アンセリンを10重量%含む粉末である市販のアンセリン精製組成物(マリンアクティブ(登録商標)、焼津水産化学工業株式会社製)を準備した。次に、このアンセリン精製組成物を水に溶解して希釈し、アンセリンを1重量%含む添加用溶液を調製した。
そして、上記6種類の麦芽飲料A〜Fの各々に対して、上記添加用溶液を、アンセリン濃度が所定値となるように添加した。
[官能検査]
アンセリンが添加された麦芽飲料A〜F及びアンセリンが添加されていない麦芽飲料A〜Fの各々について、熟練したパネリスト5名による官能検査を行った。官能検査においては、「後味の刺激の低減」及び「味のバランス」という項目について、点数が高いほど好ましい評価が得られたことを示すよう、5段階で点数を付けた。
[結果]
図1には、麦芽飲料A〜Fの各々について、麦芽使用率(%)、アンセリン添加量(ppm)、後味の刺激低減及び味のバランスの官能検査結果を示す。「後味の刺激低減」欄において、「×」印は点数が「3以下」であったことを示し、「△」印は点数が「3超、4未満」であったことを示し、「○」印は点数が「4以上」であったことを示す。また、「味のバランス」欄において、「×」印は点数が「2以下」であったことを示し、「○」印は点数が「2超」であったことを示す。
図1に示すように、麦芽飲料A〜Fのいずれにおいても、アンセリンを添加することにより、アンセリンを添加しない場合(アンセリン添加量が0ppmの場合)に比べて、後味の刺激が効果的に低減されることが確認された。
また、麦芽飲料Cについては、アンセリン添加量が20ppmの場合に比べて、アンセリン添加量が50ppm以上の場合のほうが、後味の刺激低減効果がより顕著であった。また、麦芽飲料Cにアンセリンを300ppm添加した場合には、後味の刺激は低減されたものの、爽快さが乏しくなったために、味のバランスについて低い評価が得られた。

Claims (5)

  1. 30ppm以上、280ppm以下のアンセリンを含む
    ことを特徴とする麦芽飲料。
  2. 麦芽を含む原料を使用して麦芽飲料を製造する方法であって、
    30ppm以上、280ppm以下のアンセリンを添加することを含む
    ことを特徴とする方法。
  3. アンセリンを有効成分として含み、
    麦芽飲料の香味を改善するために、前記麦芽飲料の製造の過程で前記麦芽飲料に含まれる前記アンセリンの量が30ppm以上、280ppm以下となるように添加される
    ことを特徴とする香味改善剤。
  4. 麦芽飲料の製造の過程で前記麦芽飲料に含まれる量が30ppm以上、280ppm以下となるようにアンセリンを添加することにより前記麦芽飲料の香味を改善する
    ことを特徴とする方法。
  5. 麦芽飲料の製造の過程で前記麦芽飲料に含まれる量が30ppm以上、280ppm以下となるように添加することでアンセリンを前記麦芽飲料の香味を改善する有効成分として使用する
    ことを特徴とする方法。
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