JP6681163B2 - ビールテイスト飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ビールテイスト飲料及びその製造方法に関する。
魚介類等と共にビールテイスト飲料を飲んだ場合、金属臭(生臭さ)を感じることがある。特許文献1(特開2010−51309号公報)には、このような生臭みの発生を防止するために、飲料中の遊離遷移金属イオン濃度を1ppm以下に低減させる点、及び遊離遷移金属イオンが二価の鉄イオン及び/又は銅イオンである点が記載されている。また、特開2010−51309号公報には、実施例6として、金属キレート樹脂を用いて処理することにより、鉄イオン濃度が0.003ppmであるビールテイスト飲料が得られた点が記載されている。
特開2010−51309号公報
金属臭の発生をより低減させることができる技術が求められている。すなわち、本発明の課題は、魚介類等と共にビールテイスト飲料を飲んだ場合に発生する金属臭をより低減させることができる、ビールテイスト飲料及びその製造方法を提供することにある。
本願発明者は、魚介類等と共にビールテイスト飲料を飲んだ場合に感じる金属臭の原因が、1,5−オクタジエン−3−オン(1,5−octadien−3−one)であることを見出した。1,5−オクタジエン−3−オンは、魚介類に含まれる長鎖不飽和脂肪酸がビールテイスト飲料に含まれる成分と反応することにより生成すると考えられる。この知見に基づき、本願発明者は、ビールテイスト飲料を特定の条件下で特定の不飽和脂肪酸と反応させたときに発生する1,5−オクタジエン−3−オン濃度が、特定の濃度以下である場合、そのビールテイスト飲料が魚介類等と共に飲んだ場合に生じる金属臭をより低減させることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の事項を含む。
〔1〕(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサヘキサエン酸15ppmと、飲料100mlを大気中にて25℃で30分反応させたときの1,5−オクタジエン−3−オン濃度が150ppt以下である、ビールテイスト飲料
〔2〕鉄イオン、銅イオン、およびマンガンイオンの総量が140ppb以下である、前記〔1〕に記載のビールテイスト飲料。
〔3〕苦味価(B.U)が5.0以上である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のビールテイスト飲料。
〔4〕ビールテイスト液を調製する工程と、
(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサヘキサエン酸15ppmと、飲料100mlを大気中にて25℃30分反応させたときの1,5−オクタジエン−3−オン濃度が150ppt以下になるように、前記ビールテイスト液中に含まれる鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンの総量を調整する工程と、
を有するビールテイスト飲料の製造方法。
〔5〕前記総量を調整する工程が、前記総量が140ppb以下になるように、鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンの前記総量を調整する工程を含む、
前記〔4〕に記載されたビールテイスト飲料の製造方法。
〔6〕前記総量を調整する工程が、ビールテイスト飲料中の苦味価(B.U)が5.0未満にならないように、鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンの前記総量を調整する工程を含む、前記〔4〕又は〔5〕に記載されたビールテイスト飲料の製造方法。
〔7〕前記総量を調整する工程が、前記ビールテイスト液を濾過する工程を含む、前記〔4〕乃至〔6〕のいずれかに記載されたビールテイスト飲料の製造方法。
〔8〕前記濾過する工程が、濾材として珪藻土を用いる工程を含む、前記〔7〕に記載されたビールテイスト飲料の製造方法。
〔9〕前記濾過する工程が、
珪藻土を酸により洗浄する工程と、
前記洗浄された珪藻土を用いて前記ビールテイスト液を濾過する工程とを含む、
前記〔7〕に記載されたビールテイスト飲料の製造方法。
〔10〕前記濾過する工程が、珪藻土以外の濾材を使用して前記ビールテイスト液を濾過する工程を含む、前記〔7〕に記載されたビールテイスト飲料の製造方法。
〔11〕前記濾過する工程が、
前記ビールテイスト液にキレート剤を添加する工程と、
前記キレート剤が添加されたビールテイスト液を濾過する工程とを含む、
前記〔7〕乃至〔10〕のいずれかに記載されたビールテイスト飲料の製造方法。
〔12〕前記キレート剤がガロタンニンを含有する、前記〔11〕に記載されたビールテイスト飲料の製造方法。
本発明によれば、魚介類等と共にビールテイスト飲料と飲んだ場合に発生する金属臭をより低減させることができる、ビールテイスト飲料及びその製造方法が提供される。
1:ビールテイスト飲料
本明細書において、ビールテイスト飲料とは、ビールと同様又は同類の香味を有する発泡性飲料を意味する。ビールテイスト飲料は、アルコール飲料であってもよく、ノンアルコール飲料であってもよい。また、麦芽を原料とする飲料であってもよく、麦芽を原料としない飲料であってもよい。更に、発酵飲料であってもよく、無発酵飲料であってもよい。ビールテイスト飲料としては、具体的には、ビール、麦芽を原料とする発泡酒、麦芽を使用しない発泡性アルコール飲料、ローアルコール発泡性飲料、ノンアルコールビール等が挙げられる。また、ビールテイスト飲料は、麦芽を原料とし、発酵工程を経て製造された飲料を、アルコール含有蒸留液と混和して得られたリキュール類であってもよい。アルコール含有蒸留液とは、蒸留操作により得られたアルコールを含有する溶液であり、スピリッツ等の一般に蒸留酒に分類されるものを用いることができる。但し、本発明のビールテイスト飲料は、ビール又は麦芽を原料とする発泡酒であることが好ましく、ビールであることがより好ましい。
本発明に係るビールテイスト飲料では、飲料100mlを、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサヘキサエン酸15ppmと、大気中にて25℃で30分反応させたときの1,5−オクタジエン−3−オン濃度が、150ppt以下である。
(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサヘキサエン酸は、魚介類に含まれる長鎖不飽和脂肪酸の代表的な成分である。魚介類に含まれる長鎖不飽和脂肪酸がビールテイスト飲料に含まれる成分と反応すると、1,5−オクタジエン−3−オンが生成する。1,5−オクタジエン−3−オンは金属臭の原因になる。そこで、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサヘキサエン酸15ppmと、飲料100mlを大気中にて25℃で30分反応させたときの1,5−オクタジエン−3−オン濃度(以下、特定条件下で測定される1,5−オクタジエン−3−オン濃度という)が150ppt以下になるように、ビールテイスト飲料を調製することにより、魚介類と一緒に飲んだ場合に発生する金属臭をより抑制することができる。尚、特定条件下で測定される1,5−オクタジエン−3−オン濃度は、120ppt以下であることがより好ましく、50ppt以下であることがより好ましい。
また、本発明のビールテイスト飲料では、鉄イオン、銅イオン、およびマンガンイオンの総量(以下、イオン総量という場合がある)が140ppb以下であることが好ましく、130ppb以下であることがより好ましく、120ppb以下であることが更に好ましい。鉄イオン、銅イオン、およびマンガンイオンは、長鎖不飽和脂肪酸と反応し、1,5−オクタジエン−3−オンを発生させやすい。ビールテイスト飲料中のイオン総量を140ppb以下にすることにより、1,5−オクタジエン−3−オンの発生をより抑制することができ、金属臭の発生をより抑制することができる。
尚、特開2010−51309号公報(特許文献1)には、遊離遷移金属イオン濃度を1ppm以下に低減させる点、及び遊離遷移金属イオンが二価の鉄イオン及び/又は銅イオンである点が記載されている。しかしながら、1,5−オクタジエン−3−オンの発生を抑制するためには、二価の鉄イオン及び/又は銅イオンだけに着目するだけでは不十分であり、鉄イオン、銅イオン、およびマンガンイオンの総量を低減することが重要である。
本発明のビールテイスト飲料は、苦味価(B.U)が5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、15以上であることが更に好ましい。また、苦味価(B.U)は、40以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましい。苦味価は、例えば、EBC(European Brewery Convention)のAnalytica−EBC標準法に従い、測定することができる。
特開2010−51309号公報に記載されるように、金属キレート樹脂を用いてビールテイスト液を処理することにより、遊離遷移金属イオン濃度を減少させると、遷移金属イオンだけでなく、他の成分も除去されてしまい、所望する苦味価(B.U)が得られなくなることがある。苦味価(B.U)が低すぎると、ビールらしさ及びコクが低減し、水っぽさが増してしまう。
2:ビールテイスト飲料の製造方法
本発明に係るビールテイスト飲料の製造方法は、ビールテイスト液を調製する工程と、特定条件下で測定される1,5−オクタジエン−3−オン濃度が150ppt以下になるように、前記ビールテイスト液中に含まれる鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンの総量を調整する工程と、を含んでいる。
なお、ビールテイスト液とは、ビールテイスト飲料の製造工程中の任意の段階の液を示す。すなわち、「鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンの総量を調整する工程」は、ビールテイスト飲料の製造工程中の任意の段階で実施される。
ビールテイスト飲料は、例えば、以下に説明するように、仕込(糖液調製)工程、煮沸工程、発酵工程、及び濾過工程を経て製造することができる。
P1:仕込工程
まず、仕込工程において、糖液がビールテイスト液として調製される。糖液は、穀物原料及び糖質原料からなる群より選択される1種以上から調製される。具体的には、まず、穀物原料と糖質原料の少なくともいずれかと原料水とを含む混合物を調製して加温し、穀物原料等の澱粉質を糖化させる。穀物原料としては、例えば、大麦や小麦、これらの麦芽等の麦類、米、トウモロコシ、大豆等の豆類、イモ類等が挙げられる。糖質原料としては、例えば、液糖等の糖類が挙げられる。尚、糖液には、他の副原料が添加されてもよい。そのような副原料としては、例えば、ホップ、食物繊維、果汁、苦味料、着色料、香草、香料等が挙げられる。また、必要に応じて、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ等の糖化酵素やプロテアーゼ等の酵素剤を添加することができる。
糖化処理は、穀物原料等由来の酵素や、別途添加した酵素を利用して行う。糖化処理時の温度や時間は、用いた穀物原料等の種類、発酵原料全体に占める穀物原料の割合、添加した酵素の種類や混合物の量、目的とするビールテイスト飲料の品質等を考慮して、適宜調整される。例えば、糖化処理は、穀物原料等を含む混合物を35〜70℃で20〜90分間保持する等、常法により行うことができる。
P2:煮沸工程
仕込工程の後、ビールテイスト液が煮沸される。この際、煮沸前に濾過し、得られた濾液を煮沸処理することが好ましい。また、煮沸処理前又は煮沸処理中に、ホップ等を適宜添加することにより、所望の香味を有するビールテイスト飲料を製造することができる。煮沸後、沈殿により生じたタンパク質等の固形分を除去することが好ましい。固形分の除去は、例えば、ワールプールと呼ばれる槽を用いて沈殿物を除去することにより行われる。
P3:発酵工程
次いで、ビールテイスト液を冷却し、酵母を接種して、発酵させる。この際、アルコール発酵を抑制すれば、アルコール濃度が低いビールテイスト飲料を得ることができる。
P4:濾過工程
その後、ビールテイスト液は、更に熟成される。熟成後、ビールテイスト液が濾過される。濾過により、酵母及び不溶なタンパク質等が除去される。これにより、ビールテイスト飲料が得られる。濾過工程における濾材としては、珪藻土、及び中空糸膜等のメンブラン、等が用いられ、好ましくは珪藻土が用いられる。
尚、発酵工程以降に、例えば原料用アルコール、ビール、焼酎、泡盛、ウイスキー、ブランデー、ウォッカ、ラム、テキーラ、ジン、スピリッツ等のアルコール原料がビールテイスト液に添加されてもよい。
また、前記発酵工程及び濾過工程に代えて、煮沸工程後に、ビールテイスト液に炭酸ガスを加えて濾過を行えば、ノンアルコールのビールテイスト飲料を得ることもできる。尚、この際、濾過を行った後に炭酸ガスを加えてもよい。
3:鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンの総量を調整する工程
ここで、上述のように、本発明に係るビールテイスト飲料の製造方法は、特定条件下で測定される1,5−オクタジエン−3−オン濃度が150ppt以下になるように、ビールテイスト液中に含まれるイオン総量を調整する工程を含んでいる。好ましくは、最終的に得られるビールテイスト飲料中のイオン総量が140ppb以下になるように、イオン総量が調整される。
例えば、イオン総量は、ビールテイスト液を濾過する工程において調整することができる。詳細には、濾過工程において以下のような工夫を施すことにより、イオン総量を調整することができる。
(3−1)キレート剤の使用
濾過の前に、キレート剤をビールテイスト液に注入する。キレート剤としては、水に不溶なものが好適に用いられる。そのようなキレート剤としては、例えばタンニン酸が用いられ、ガロタンニンがより好適に用いられる。ガロタンニンは、鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンを吸着する機能に優れている。ガロタンニンをビールテイスト液に注入することにより、ビールテイスト液中の鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンがガロタンニンに吸着される。また、水に不溶のキレート剤を用いれば、イオンを吸着したキレート剤は、濾過時に濾材に捕捉され、ビールテイスト液から系外に除去される。
更に、濾材として珪藻土等を用いる場合には、濾材に含まれる鉄、銅およびマンガンがビールテイスト液に移行する場合がある。しかしながら、ガロタンニンを用いることにより、濾材から溶出した各イオンがガロタンニンに吸着され、ビールテイスト液中への各イオンの移行が抑制される。
キレート剤としてガロタンニンを用いる場合、ガロタンニンは、ビールテイスト液中で1〜500ppm、好ましくは5〜100ppm、更に好ましくは10〜20ppmの濃度になるように、インライン注入されることが好ましい。ガロタンニンの濃度が低すぎる場合には、イオン総量が十分に低減されにくくなる。
更に、ガロタンニンを用いることにより、苦味味(B.U)を損なうことなく、鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンを選択的に除去することが可能である。
(3−2)酸洗浄した珪藻土の使用
濾材として、酸洗浄された珪藻土を使用する。酸洗浄は、例えば塩酸、硫酸、及びリン酸を用いて行うことができ、好ましくは塩酸が用いられる。例えば、濃度がpHが1〜2程度の酸性水溶液を用いて珪藻土を洗浄した後、pHが3程度になるまで溶液を中和した後、溶液を除去する。そして、処理後の珪藻土を濾材として使用する。珪藻土を塩酸等で洗浄することにより、珪藻土中に含まれる鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンを除去することができる。これにより、濾過時に、珪藻土からのビールテイスト液への各イオンの移行が抑制される。
上記(3−1)キレート剤の使用及び(3−2)珪藻土の酸洗浄は、いずれか一方のみ実施してもよい。但し、両者を実施することにより、ビールテイスト液中のイオン総量をより確実に低減することができる。
[実施例]
以下に、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
麦芽60kgを温水に溶解し、50℃で30〜60分間、タンパク分解させた後、65℃〜60分糖化させ、麦汁ろ過を実施して、200Lの麦汁を得た。麦汁を60分間、煮沸した。煮沸工程の間に所定量のホップを添加した。その後30分静置して、ホップ粕と上清を分離した。上清を発酵温度まで冷却し、所定量の酵母を添加した。発酵温度10℃で10日間の発酵工程を実施した。ついで、10℃で7日間の熟成工程を実施した。更に、0℃で5日間の冷却工程を経て、ビールテイスト液を調製した。得られたビールテイスト液を、珪藻土を濾材として濾過した。この際、ガロタンニンを10〜20ppm程度、濾過直前のビールテイスト液に注入した。濾液を実施例1に係るビールテイスト飲料とした。
(実施例2)
実施例1と同様の方法により、実施例2に係るビールテイスト飲料を得た。但し、ガロタンニンを用いる代わりに、珪藻土として、塩酸洗浄した珪藻土を使用した。詳細には、pHが約1の塩酸溶液を用いて珪藻土を洗浄した後、pHが約3になるまで溶液を中和した。そして、中和後の珪藻土を使用して、ビールテイスト液をろ過した。
(比較例1)
実施例1と同様の工程により、比較例1に係るビールテイスト飲料を得た。但し、珪藻土として、酸洗浄処理されていないものを用いた。また、濾過の前にガロタンニンの注入を行わなかった。
(1)官能評価
実施例1〜2及び比較例1に係るビールテイスト飲料のそれぞれについて、金属臭に関する官能評価を行った。具体的には、市販のするめいか(乾燥品)とビールテイスト飲料とを同時に口に含んだときに感じる金属臭の強度を、3段階(×:強く感じる、〇:やや感じる、◎:あまり感じない)で評価した。
(2)1,5−オクタジエン−3−オン濃度の測定
実施例1〜2及び比較例1に係るビールテイスト飲料のそれぞれについて、ビールテイスト飲料100mlに対して、15ppmの濃度になるように(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサヘキサエン酸を添加し、大気中、25℃で30分反応させた。反応後、飲料中に含まれる1,5−オクタジエン−3−オンの濃度を測定した。
詳細には、ガス抜き後のビールテイスト飲料100mlに1,5−オクタジエン−3−オンの内部標準液100μLを加え、GLサイエンス製Inert SepC18カラムを用いて固相抽出を実施した。抽出物を、メタノールを加えて溶出させ、適宜ヘキサンを加え、100gとした。この試料溶液に、別途調製したPFBOA溶液を添加し、40℃水浴中でオキシム誘導体化した。
誘導体化した抽出物を、以下の条件でGC/MS/MSで定量分析した。
<分析条件>
装置:GC/MS/MS (アジレント社製 7890B/7000C TQ with Chemical Ionization)
カラム:DB−1701(J&W社製)
(3)イオン総量
実施例1〜2及び比較例1〜2に係るビールテイスト飲料のそれぞれについて、鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンの総量を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 0006681163
上記の結果から、1,5−オクタジエン−3−オン濃度が150ppt以下である実施例1及び2では、比較例1と比較して金属臭の発生を抑制できることが確認された。
また、実施例1及び2は、比較例1に比べてイオン総量が低下していた。すなわち、酸洗浄処理された珪藻土を用いるか、又は、濾過の前にビールテイスト液にガロタンニンを注入することにより、イオン総量を140ppb以下に低減することができ、それによって金属臭の発生をより抑制できることが確認された。
(4)イオンの種類の検討
実施例1及び2のビールテイスト飲料における、鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンのそれぞれの含有量を測定した。
加えて、2種類の市販のビールをそれぞれ「比較例2」及び「比較例3」に係るビールテイスト飲料として用い、鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンのそれぞれの濃度を測定した。更に、比較例2及び3について、上記実施例1〜2及び比較例1と同様に、官能評価を行った。
結果を表2に示す。
Figure 0006681163
上記表2の結果に示されるように、実施例1及び2のビールテイスト飲料は、市販品である比較例2及び3のビールテイスト飲料に比べて良好な官能評価結果が得られている。
また、比較例2に係るビールテイスト飲料における鉄イオン濃度及び銅イオン濃度は、実施例1及び2(特に実施例1)と同程度である。しかしながら、比較例2におけるマンガンイオン濃度は、実施例1よりも多く、その結果、イオン総量が140ppbを超えている。そして、比較例2の官能評価結果は、実施例1及び2と比べて劣っている。この結果から、単に鉄イオン及び銅イオンの濃度に着目するだけでは金属臭を十分に抑制することはできないことが判る。すなわち、鉄イオン、銅イオン及びマンガンイオンの総量を140ppb以下にすることにより、金属臭をより効果的に抑制できることが理解できる。
(5)苦味価(B.U)の検討
(試験例1)
市販のビール200mlにガロタンニン(Brewtan:商品名)5mgを添加し、室温で30分攪拌した。その後、ビールを0.45μmフィルターにより濾過し、試験例1に係るビールテイスト飲料を得た。
(試験例2)
キレート樹脂(三菱化学製CR11)を、ガラスカラム(BIO−RAD社製)に10ml充填し、ポンプでSV=10[h−1]となるように純水を通液した。純水を30ベッドボリューム分で通液した後、試験例1で用いたのと同じ市販品のビールを同じ流速で通液した。更に、24ベッドボリューム分でビールを通液して、カラムをビールに完全に置換した後、同じ市販品ビールを24ベッドボリューム分通液し、得られた試料を試験例2に係るビールテイスト飲料とした。
試験例1及び2に係るビールテイスト飲料について、官能検査を行った。また、苦味価(B.U)についても測定した。また、対照として、試験例1及び2で用いた市販品のビールそのものについても、官能検査及び苦味価(B.U)の測定を行った。
苦味価は、EBC法に基づいて測定した。具体的には、10mLの20℃のガス抜きビールをガラス遠心管に入れ、そこへ0.5mLの3N塩酸及び20mLのイソオクタンを添加し、15分間、リストアクション型振とう機にて振とう後、3000rpmで5分間遠心分離を行い、上清(イソオクタン層)の275nmにおける吸光度A275を分光光度計で測定した。
苦味価は次式で表される。
苦味価(B.U)=50×A275
尚、官能検査では、よく訓練された4名のパネリストにより、ビールらしさ、コク、及び水っぽさのそれぞれについて、以下の5段階で評価した。
ビールらしさ(5=非常にビールらしい、4=ビールらしい、3=ほぼビールらしい、2=ややビールらしくない、1=ビールらしくない)
コク(5=非常にコクがある、4=コクがある、3=まあまあコクがある、2=ややコクがない、1=コクがない)
水っぽさ(5=非常に水っぽい、4=やや水っぽい、3=ふつう、2=あまり水っぽくない、1=水っぽくない)
結果を下記表3に示す。
Figure 0006681163
表3から明らかなように、試験例1に係るビールテイスト飲料は、苦味価(B.U)が対照と同じ値であり、ビールらしさ、コク、水っぽさについても、対照と同等の結果が得られていた。一方、試験例2に係るビールテイスト飲料では、苦味価(B.U)が対照に比べて大幅に減少しており、ビールらしさ及びコクが損なわれ、水っぽさが増していた。すなわち、特開2010−51309号公報に記載されるようなキレート樹脂を用いて遊離遷移金属イオン濃度を低減した場合には、試験例2に示されるように、苦味価(B.U)が低減してしまい、ビールテイスト飲料として所望する味が得られにくくなることが理解される。これに対して、本発明によれば、試験例1に示されるように、苦味価(B.U)を損なうことなく、イオン総量を低減できることが理解される。

Claims (10)

  1. (4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサヘキサエン酸15ppmと、飲料100mlを大気中にて25℃で30分反応させたときの1,5−オクタジエン−3−オン濃度が150ppt以下であ鉄イオン、銅イオン、およびマンガンイオンの総量が140ppb以下である、ビールテイスト飲料
  2. 苦味価(B.U)が5.0以上である、請求項1記載のビールテイスト飲料。
  3. ビールテイスト液を調製する工程と、
    (4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサヘキサエン酸15ppmと、飲料100mlを大気中にて25℃30分反応させたときの1,5−オクタジエン−3−オン濃度が150ppt以下になるように、前記ビールテイスト液中に含まれる鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンの総量を140ppb以下になるように調整する工程と、
    を有するビールテイスト飲料の製造方法。
  4. 前記総量を調整する工程が、ビールテイスト飲料中の苦味価(B.U)が5.0未満にならないように、鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンの前記総量を調整する工程を含む、請求項に記載されたビールテイスト飲料の製造方法。
  5. 前記総量を調整する工程が、前記ビールテイスト液を濾過する工程を含む、請求項3又は4に記載されたビールテイスト飲料の製造方法。
  6. 前記濾過する工程が、濾材として珪藻土を用いる工程を含む、請求項に記載されたビールテイスト飲料の製造方法。
  7. 前記濾過する工程が、
    珪藻土を酸により洗浄する工程と、
    前記洗浄された珪藻土を用いて前記ビールテイスト液を濾過する工程とを含む、
    請求項に記載されたビールテイスト飲料の製造方法。
  8. 前記濾過する工程が、珪藻土以外の濾材を使用して前記ビールテイスト液を濾過する工程を含む、請求項に記載されたビールテイスト飲料の製造方法。
  9. 前記濾過する工程が、
    前記ビールテイスト液にキレート剤を添加する工程と、
    前記キレート剤が添加されたビールテイスト液を濾過する工程とを含む、
    請求項乃至のいずれかに記載されたビールテイスト飲料の製造方法。
  10. 前記キレート剤がガロタンニンを含有する、請求項に記載されたビールテイスト飲料の製造方法。
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