JP2009172985A - 感熱転写受像シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に、支持体側から少なくとも中間層、断熱層および受容層の順に形成され、該受容層が少なくとも1種のポリマーラテックスを含有し、かつ下記一般式(I)で表される化合物または無機塩のいずれかを含有し、さらに該受容層表面と水とのJIS−R−3257で規格された静滴法に基づき測定される、水滴を静置した2秒後の接触角が68度以下または水滴を静置した60秒後の接触角が28度以下のいずれかであることを特徴とする感熱転写受像シート。
一般式(I)
R−(OCH2CH2)n−OH
式中、Rは炭素数4〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、nは10〜30の整数を表す。
【選択図】 なし
Description
このうち、昇華型熱転写記録方式では、染料を含有する感熱転写シート(以下、インクシートともいう。)と感熱転写受像シート(以下、受像シートともいう。)とを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッド等によってインクシートを加熱することでインクシート中の染料を感熱転写受像シートに転写して画像情報の記録を行うものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を転写記録することができる。
環境負荷低減のために、水系塗布型の感熱転写受像シート、例えば、受容層にポリマーラテックスを含有することが提案(特許文献1〜3参照)されているが、これらの感熱転写受像シートは、高湿下での印画により、黒に近い画像の高濃度部で茶色い変色、光沢度の低下等が発生するという新たな問題が発生した。
これは、印画時に感熱転写シートと感熱転写受像シートの間に水が介在するとこのような影響を受けやすく、特にこのような水系塗布型の感熱転写受像シートで顕著である。
従って、この問題を克服することが強く求められていた。
(1)支持体上に、支持体側から少なくとも中間層、断熱層および受容層の順に形成され、該受容層が少なくとも1種のポリマーラテックスを含有し、かつ下記一般式(I)で表される化合物または無機塩のいずれかを含有し、さらに該受容層表面と水とのJIS−R−3257で規格された静滴法に基づき測定される、水滴を静置した2秒後の接触角が68度以下または水滴を静置した60秒後の接触角が28度以下のいずれかであることを特徴とする感熱転写受像シート。
一般式(I)
R−(OCH2CH2)n−OH
式中、Rは炭素数4〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、nは10〜30の整数を表す。
(2)前記接触角が、水滴を静置した2秒後の接触角が68度以下であり、かつ水滴を静置した60秒後の接触角が28度以下であることを特徴とする(1)に記載の感熱転写受像シート。
(3)前記受容層が、前記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の感熱転写受像シート。
(4)前記一般式(I)で表される化合物を0.03g/m2〜0.3g/m2含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
(5)前記受容層が、前記無機塩を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の感熱転写受像シート。
(6)前記無機塩を0.01g/m2〜0.9g/m2含有することを特徴とする(1)、(2)および(5)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
(7)前記ポリマーラテックスが、塩化ビニル/アクリル化合物の共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニルの共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル化合物の共重合体ラテックスのいずれか1種またはその任意の組み合わせであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
(8)前記断熱層が少なくとも1種類の中空ポリマーを含有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
(9)前記中間層にゼラチン以外の水溶性ポリマーを含有することを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
(10)前記断熱層が少なくとも1種類の中空ポリマーを含み、かつ前記中間層、該断熱層、前記受容層を全て同時重層塗工されてなることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
本発明の感熱転写受像シート(以下本発明の受像シートともいう)は、支持体上に少なくとも1層の中間層、少なくとも1層の断熱層(多孔質層)、および少なくとも1層の受容層(染料受容層)を支持体からこの順に有する。該中間層としては、例えば白地調整、帯電防止、接着性、レベリングなどの各種機能を付与した中間層が好ましい。また、感熱転写シートと重ね合わせられる面の最外層には、離型層が形成されてもよい。
本発明においては、受容層は少なくとも1種のポリマーラテックスを含有し、水系塗布で塗工されてなることが好ましく、同じく中間層、断熱層も水系塗布で塗工されてなることが好ましい。各層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、カーテンコート等の一般的な方法で行われる。受容層、断熱層、および中間層は、各層それぞれ別々に塗布されてもよく、任意の層を組み合わせて同時重層塗工をしてもよいが、本発明においては、中間層、断熱層および受容層のうち、互いに隣接して塗工される層は同時重層塗工されてなることが好ましく、これらの全ての層を同時重層塗工されてなることが最も好ましい。
布は水系塗布で塗設され、さらに断熱層や中間層を有する場合、これらの少なくとも1層が水系塗支持体の、受容層を塗設した面の他方の面にはカール調整層、筆記層、帯電調整層を設けてもよい。
特に、このような接触角を調整するには、受容層に含有するポリマーラテックスを使用すること、さらには、このポリマーラテックスの種類と量の変更で達成できる。また、受容層に含有する前記一般式(I)で表される化合物の種類と量の変更、無機塩の種類とその量の変更で達成できる。
最初に、受容層で使用するポリマーラテックスを詳細に説明する。
本発明の感熱転写受像シートに塗設される受容層には少なくとも1種のポリマーラテックスを含有する。
受容層に用いるポリマーラテックスは水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよく、分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nmの範囲が好ましい。
本発明に用いるポリマーラテックスのガラス転移温度(Tg)は、−30℃〜100℃が好ましく、0℃〜80℃がより好ましく、10℃〜70℃がさらに好ましく、15℃〜60℃が特に好ましい。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は「Polymer Handbook(3rd Edition)」(J.Brandrup,E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用できる。
このような塩化ビニル共重合体としては、前述のものが挙げられるが、なかでもビニブラン240、ビニブラン270、ビニブラン276、ビニブラン277、ビニブラン375、ビニブラン380、ビニブラン386、ビニブラン410、ビニブラン430、ビニブラン432、ビニブラン550、ビニブラン601、ビニブラン602、ビニブラン609、ビニブラン619、ビニブラン680、ビニブラン680S、ビニブラン681N、ビニブラン683、ビニブラン685R、ビニブラン690、ビニブラン860、ビニブラン863、ビニブラン685、ビニブラン867、ビニブラン900、ビニブラン938、ビニブラン950(以上いずれも日信化学工業(株)製)、SE1320、S−830(以上いずれも住友ケムテック(株)製)が好ましい。
以下に、一般式(I)で表される化合物を詳細に説明する。
一般式(I)
R−(OCH2CH2)n−OH
式中、Rは炭素数4〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、nは10〜30の整数を表す。
Rの各基の炭素数は、16〜22が好ましく、mは、好ましくは14〜30であり、より好ましくは18〜26である。
(I−1) C4H9−(OC2H4)10−OH
(I−2) C4H9−(OC2H4)15−OH
(I−3) C4H9−(OC2H4)20−OH
(I−4) C4H9−(OC2H4)25−OH
(I−5) C4H9−(OC2H4)30−OH
(I−6) C6H13−(OC2H4)10−OH
(I−7) C6H13−(OC2H4)15−OH
(I−8) C6H13−(OC2H4)20−OH
(I−9) C6H13−(OC2H4)25−OH
(I−10) C6H13−(OC2H4)30−OH
(I−11) C8H17−(OC2H4)10−OH
(I−12) C8H17−(OC2H4)15−OH
(I−13) C8H17−(OC2H4)20−OH
(I−14) C8H17−(OC2H4)25−OH
(I−15) C8H17−(OC2H4)30−OH
(I−17) C10H21−(OC2H4)15−OH
(I−18) C10H21−(OC2H4)20−OH
(I−19) C10H21−(OC2H4)25−OH
(I−20) C10H21−(OC2H4)30−OH
(I−21) C12H25−(OC2H4)10−OH
(I−22) C12H25−(OC2H4)15−OH
(I−23) C12H25−(OC2H4)20−OH
(I−24) C12H25−(OC2H4)25−OH
(I−25) C12H25−(OC2H4)30−OH
(I−26) C14H21−(OC2H4)10−OH
(I−27) C14H21−(OC2H4)15−OH
(I−28) C14H21−(OC2H4)20−OH
(I−29) C14H21−(OC2H4)25−OH
(I−30) C14H21−(OC2H4)30−OH
(I−32) C16H33−(OC2H4)15−OH
(I−33) C16H33−(OC2H4)20−OH
(I−34) C16H33−(OC2H4)25−OH
(I−35) C16H33−(OC2H4)30−OH
(I−36) C18H37−(OC2H4)10−OH
(I−37) C18H37−(OC2H4)15−OH
(I−38) C18H37−(OC2H4)20−OH
(I−39) C18H37−(OC2H4)25−OH
(I−40) C18H37−(OC2H4)30−OH
(I−41) C20H41−(OC2H4)10−OH
(I−42) C20H41−(OC2H4)15−OH
(I−43) C20H41−(OC2H4)20−OH
(I−44) C20H41−(OC2H4)25−OH
(I−45) C20H41−(OC2H4)30−OH
(I−47) C22H45−(OC2H4)15−OH
(I−48) C22H45−(OC2H4)20−OH
(I−49) C22H45−(OC2H4)25−OH
(I−50) C22H45−(OC2H4)30−OH
(I−51) C30H61−(OC2H4)10−OH
(I−52) C30H61−(OC2H4)15−OH
(I−53) C30H61−(OC2H4)20−OH
(I−54) C30H61−(OC2H4)22−OH
(I−55) C30H61−(OC2H4)25−OH
(I−56) C30H61−(OC2H4)30−OH
(I−57) C18H35−(OC2H4)10−OH
(I−58) C18H35−(OC2H4)15−OH
(I−59) C18H35−(OC2H4)20−OH
(I−60) C18H35−(OC2H4)25−OH
(I−61) C18H35−(OC2H4)30−OH
一般式(I)で表される化合物の添加量は、0.03〜0.3g/m2が好ましく、0.01〜0.3g/m2がより好ましい。
無機塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムのハロゲン化物、硫酸化合物、硝酸化合物、リン酸化合物又はチオシアン酸化合物などが挙げられる。特に好ましいのはアルカリ金属のハロゲン化物、硫酸化合物、硝酸化合物である。これらの無機塩としては、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、塩化アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、硝酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、硫酸ナトリウム、臭化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、炭酸カリウム、塩化リチウム、臭化リチウム、等が挙げられる。
これらの無機塩の使用量は、1m2当たり0.01g〜0.9gが好ましく、0.02g〜0.9gがより好ましく、0.05g〜0.3gが最も好ましい。なお、これによっても接触角の調整が達成できる。
本発明の感熱転写受像シートにおいては、受容層は水溶性ポリマーを含有することも好ましい態様の一つである。
ここで、水溶性ポリマーとは、20℃における水100gに対し0.05g以上溶解すればよく、より好ましくは0.1g以上、さらに好ましくは0.5g以上、特に好ましくは1g以上である。水溶性ポリマーとしては、天然高分子、半合成高分子および合成高分子のいずれも好ましく用いられる。
本発明の感熱転写受像シートに用いることのできる水溶性ポリマーのうち、天然高分子および半合成高分子について詳しく説明する。植物系多糖類としては、κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、λ−カラギーナン、ペクチンなど、微生物系多糖類としては、キサンタンガム、デキストリンなど、動物系天然高分子としては、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。セルロース系としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
本発明に用いることのできる天然高分子、半合成高分子のうちゼラチンが好ましい。本発明に用いるゼラチンは分子量10,000から1,000,000までのものを用いることができる。本発明に用いられるゼラチンはCl−、SO4 2−等の陰イオンを含んでいてもよいし、Fe2+、Ca2+、Mg2+、Sn2+、Zn2+などの陽イオンを含んでいても良い。ゼラチンは水に溶かして添加することが好ましい。
本発明に用いることのできる合成高分子のうちポリビニルアルコール類が好ましい。
また受容層には、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤を含有させてもよい。
本発明の感熱転写受像シートには、紫外線吸収剤を含有させてもよい。その紫外線吸収剤としては、従来公知の無機系紫外線吸収剤、有機系紫外線吸収剤が使用できる。有機系紫外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ヒンダートアミン系等の非反応性紫外線吸収剤や、これらの非反応性紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいは、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入し、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂に共重合若しくは、グラフトしたものを使用することができる。また、樹脂のモノマーまたはオリゴマーに紫外線吸収剤を溶解させた後、このモノマーまたはオリゴマーを重合させる方法が開示されており(特開2006−21333号公報)、こうして得られた紫外線遮断性樹脂を用いることもできる。この場合には紫外線吸収剤は非反応性のもので良い。
これら紫外線吸収剤に中でも、特にベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系が好ましい。これら紫外線吸収剤は画像形成に使用する染料の特性に応じて、有効な紫外線吸収波長域をカバーするように組み合わせて使用することが好ましく、また、非反応性紫外線吸収剤の場合には紫外線吸収剤が析出しないように構造が異なるものを複数混合して用いることが好ましい。
紫外線吸収剤の市販品としては、チヌビン−P(チバガイギー製)、JF−77(城北化学製)、シーソープ701(白石カルシウム製)、スミソープ200(住友化学製)、バイオソープ520(共同薬品製)、アデカスタブLA−32(旭電化製)等が挙げられる。
本発明の感熱転写受像シートは断熱層を有し、塗設される断熱層は1層でも2層以上でも良い。
断熱層は中空ポリマーを含有することが特に好ましい。
上記中空ポリマーとは粒子内部に空隙を有するポリマー粒子であり、好ましくは水分散物であり、例えば、1)ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水などの分散媒が入っており、塗布乾燥後、粒子内の水が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空ポリマー粒子、2)ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれか又はそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、3)上記の2)をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
前記1)の具体例としてはロームアンドハース社製ローペイク1055、大日本インキ社製ボンコートPP−1000、JSR社製SX866(B)、日本ゼオン社製ニッポールMH5055(いずれも商品名)などが挙げられる。前記2)の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30、F−50(いずれも商品名)などが挙げられる。前記3)の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30E、日本フェライト社製エクスパンセル461DE、551DE、551DE20(いずれも商品名)が挙げられる。
これらの中でも、1)の非発泡型の中空ポリマー粒子が好ましく、必要に応じて2種以上混合して使用することができる。
また、中空ポリマーは、空隙率が20〜70%のものが好ましく、20〜50%のものがより好ましい。
本発明において、中空ポリマー粒子のサイズは、透過型電子顕微鏡を用いて、その外径の円相当換算直径を測定し算出する。平均粒径は、中空ポリマー粒子を少なくとも300個透過電子顕微鏡を用いて観察し、その外形の円相当径を算出し、平均して求める。
中空ポリマーの空隙率とは、粒子体積に対する空隙部分の体積の割合から求める。
また、中空ポリマーは中空ポリマーラテックスであることが好ましい。
中空ポリマーを含む断熱層の厚みは5〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましい。
本発明においては、断熱層と支持体との間に少なくとも1層の中間層を有す。
中間層の機能としては白地調整、帯電防止、接着性付与、平滑性付与などが挙げられるが、これらに限定されることなく、従来公知の中間層を付与することができる。
中間層は、水溶性ポリマーやポリマーラテックスを含有することが好ましく、該水溶性ポリマーとしては、受容層で挙げた水溶性ポリマーが挙げられる。このうち、本発明においては、ゼラチン以外の水溶性ポリマーが好ましく、セルロース系や合成高分子が好ましく、これらも前述したものが挙げられ、好ましい種類もゼラチンを以外であれば、受容層で述べた通りである。特に好ましくはポリビニルアルコール類である。
本発明の感熱転写受像シートには、画像印画時の感熱転写シートと受像シートとの離型性を確保するために離型剤を添加してもよい。
離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、脂肪酸エステルワックス、アミドワックス等の固形ワックス類、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびその他当該技術分野で公知の離型剤を使用することができる。これらの中で、脂肪酸エステルワックス、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、シリコーンオイルおよび/またはその硬化物等のシリコーン系化合物が好ましく用いられる。
また、本発明の感熱転写受像シートは、前記の任意の層に界面活性剤を含有させることが出来る。その中でも、受容層及び中間層中に含有させることが好ましい。
界面活性剤の添加量は、全固形分量に対して0.01〜5質量%であることが好ましく、0.01〜1質量%であることがより好ましく、0.02〜0.2質量%であることが特に好ましい。
界面活性剤としては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系など種々の界面活性剤が知られている。本発明で用いることのできる界面活性剤としては、公知のものが使用でき、例えば、「機能性界面活性剤監修/角田光雄、発行/2000年8月、第6章」で紹介されているもの等を用いることができるが、その中でもアニオン系のフッ素含有界面活性剤が好ましい。
本発明の感熱転写受像シートにおいて、ブロッキング防止、離型性付与、滑り性付与のためにマット剤を添加しても良い。マット剤は感熱転写受像シートの受容層が塗布される面、受容層が塗布される他方の面、あるいはその両方の面に添加することができる。
本発明の感熱転写受像シートには、防腐剤を添加してもよい。本発明の受像シートに含有される防腐剤としては、特に限定されないが、防腐防黴ハンドブック、技報堂出版(1986)、堀口博著、防菌防黴の化学、三共出版(1986)、防菌防黴剤事典、日本防菌防黴学会発行(1986)等に記載されているものを用いることができる。具体的には、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンゾトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピロジン,キノリン,グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、2−メルカプトピリジン−N−オキサイドまたはその塩等が挙げられる。これらの中でも、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オンが好ましい。
本発明においては、支持体上のいずれかの層(例えば、受容層、断熱層、中間層など)中に架橋剤として硬膜剤を使用することが好ましい。特に、本発明においては中間層が硬膜剤で硬膜されていることが好ましい。
本発明で用いることができる硬膜剤としては、特開平1−214845号公報17頁のH−1、4、6、8、14、米国特許第4,618,573号明細書のカラム13〜23の式(VII)〜(XII)で表わされる化合物(H−1〜54)、特開平2−214852号公報8頁右下の式(6)で表わされる化合物(H−1〜76),特にH−14、米国特許第3,325,287号明細書のクレーム1に記載の化合物などが好ましく用いられる。硬膜剤の例としては米国特許第4,678,739号明細書の第41欄、同第4,791,042号、特開昭59−116655号、同62−245261号、同61−18942号、特開平4−218044号の公報または明細書等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N’−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234157号公報などに記載の化合物)が挙げられる。
好ましくはビニルスルホン系硬膜剤やクロロトリアジン類が挙げられる。
本発明においてさらに好ましい硬膜剤は下記一般式(B)または(C)で表される化合物である。
一般式(B)
(CH2=CH−SO2)n−L
一般式(C)
(X−CH2−CH2−SO2)n−L
一般式(B)、(C)中でXはハロゲン原子を表し、Lはn価の有機連結基を表す。一般式(B)または(C)で表される化合物が低分子化合物である場合nは1ないし4の整数を表す。高分子化合物である場合Lはポリマー鎖を含む有機連結基であり、このときnは10〜1000の範囲である。
また、クロロトリアジン系硬膜剤としては、少なくとも1個のクロル原子が、2位、4位または6位に置換した1,3,5−トリアジン化合物が好ましい。
塩素原子は、2位、4位または6位に、2個または3個置換したものもがより好ましい。2位、4位または6位に、少なくとも1個の塩素原子が置換して、残りの位置に、塩素原子以外の基が置換してもよく、これらの基としては、水素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシルアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルケノキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルオキシもしくはアリールオキシカルボニル基などが挙げられる。
クロロトリアジン系硬膜剤の具体的な例は、4,6−ジクロロ−2−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンもしくはこのNa塩、2−クロロ−4,6−ジフェノキシトリアジン、2−クロロ−4,6−ビス〔2,4,6−トリメチルフェノキシ〕トリアジン、2−クロロ−4,6−ジグリシドキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(n−ブトキシ)−6−グリシドキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−6−グリシドキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−クロロエトキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−ブロモエトキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−ジ−n−ブチルホスファトエトキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−ジ−n−ブチルホスファトエトキシ)−6−(2,6−キシレノキシ)−1,3,5−トリアジン等であるが、本発明においてこれらに限定されない。
このような化合物は、塩化シアヌル(すなわち2,4,6−トリクロロトリアジン)を、複素環上の置換基に対応するヒドロキシ化合物、チオ化合物またはアミノ化合物等と反応させることによって容易に製造できる。
本発明の感熱転写受像シートに用いる支持体は、従来公知の支持体を用いることができる。その中でも耐水性支持体が好ましく用いられる。耐水性支持体を用いることで支持体中に水分が吸収されるのを防止して、受容層の経時による性能変化を防止することができる。耐水性支持体としては例えばコート紙やラミネート紙、合成紙を用いることができる。なかでもラミネート紙が好ましい。
本発明に用いる感熱転写受像シートには、必要に応じてカール調整層を形成することが好ましい。カール調整層には、ポリエチレンラミネートやポリプロピレンラミネート等が用いられる。具体的には、例えば特開昭61−110135号公報、特開平6−202295号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
本発明に用いる感熱転写受像シートには、必要に応じて筆記層・帯電調整層を設けることができる。筆記層、帯電調整層には、無機酸化物コロイドやイオン性ポリマー等を用いることができる。帯電防止剤として、例えば第四級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル等のノニオン系帯電防止剤など任意のものを用いることができる。具体的には、例えば特許第3585585号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
本発明の感熱転写受像シートの製造は、塗布液の調整、支持体上への塗布液の塗布、乾燥によってなされる。本発明において、少なくとも1層の受容層が塗布される。受容層および断熱層がそれぞれ2層以上もしくは一方が2層以上の場合も好ましい態様であるが、少なくとも断熱層と隣接する受容層側の層が同時重層塗工される。受容層側の層は、受容層であっても他の機能を有する中間層であってもよく、最初に説明した通りである。
以下、該工程について詳しく説明する。
添加物を計量混合し、設計品質に応じた液物性を最終的にもった塗布液を調製するには、公知の方式・装置を用いることができる。計量方法としては、重量計量、容積計量などの方法を用いることができる。混合のための攪拌機としては、プロペラ攪拌機、ジェットアジターなどを用いることができる。
ゼラチンの添加にあたっては、ゼラチンを常温の水に分散・浸漬してゼラチン粉体全体を膨潤させた後、昇温して溶解し添加する方法を採用することもできる。
塗布液の液物性測定には、各種粘度計、表面張力測定装置、比重計、pH計などを用いることができる。塗布液の粘度の測定方法は、大別して液中の回転体にかかる抵抗力を測定する方法とオリフィスや細管を通過させる時の圧力損失を測定する方法とがある。前者は回転型粘度計でB型粘度計に代表される。後者は毛管粘度計でオストワルド粘度計に代表される。本発明は前者の回転型粘度計を用い、40℃で測定したときの測定値を採用したものである。
各層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、カーテンコート等の公知な方法のうち、同時重層塗布が可能な方法から適宜選択して行うことができる。これらの中で、カーテン塗布、スライド塗布は、ポンプなどによる送液流量で塗布膜厚が決まる方式であり、同時重層塗工が可能である。
支持体上に複数の機能の異なる複数の層(気泡層、断熱層、中間層、受容層など)からなる多層構成の受像シートを製造する場合、特開2004−106283号、同2004−181888号、同2004−345267号等の各公報に示されている如く各層を順次塗り重ねていくか、あらかじめ各層を支持体上に塗布したものを張り合わせることにより製造することが知られている。一方、写真業界では例えば複数の層を同時に重層塗工することにより生産性を大幅に向上させることが知られている。例えば特開米国特許第2,761,791号、同第2,681,234号、同第3,508,947号、同第4,457,256号、同第3,993,019号、特開昭63−54975号、特開昭61−278848号、同55−86557号、同52−31727号、同55−142565号、同50−43140号、同63−80872号、同54−54020号、特開平5−104061号、同5−127305号、特公昭49−7050号の公報または明細書やEdgar B. Gutoffら著,「Coating and Drying Defects:Troubleshooting Operating Problems」,John Wiley&Sons社,1995年,101〜103頁などに記載のいわゆるスライド塗布(スライドコーティング法)、カーテン塗布(カーテンコーティング法)といわれる方法が知られている。これらの塗布方法では、複数の塗布液を塗布装置に同時に供給して異なる複数の層を形成する。これらの方法は均一な塗布膜厚が得られることと、多層同時塗工が可能であり、本発明で好ましく用いることができる。
スライドビード塗布装置は、主として塗布ヘッドと、連続走行する支持体を巻き掛け支持するバックアップローラとで構成される。塗布ヘッドを形成するブロック内部には、送液ラインから送液された塗布液を支持体の幅方向に拡流する液溜りが形成され、この液溜りに連通して狭隘なスリットがスライド面まで開口して形成される。このスライド面は塗布ヘッド上面に形成され、バックアップローラ側に向かって下方に傾斜している。
本発明においては、受容層の粘度を固形分量や増粘剤などを用いて調整し、40℃での粘度がともに3mPa・s以上300mPa・s以下であることが好ましく、3mPa・s以上100mPa・s以下であることがより好ましく、3mPa・s以上30mPa・s以下であることが最も好ましい。
一定流量で塗布液を連続的に供給するには、各種の方法が可能であるが、精度・信頼性の点から定量ポンプを用いるのが好ましい。例として、プランジャーポンプ,ダイヤフラム型ポンプを挙げることができる。ダイヤフラム型では、プランジャーと送液される液体が2枚のダイヤフラムで隔離されており、駆動オイルおよび2枚のダイヤフラム間の純水を経由してプランジャーの動作が送液される液体に伝えられる。送液ポンプの流量変動は塗布膜厚の変動に結びつくものであり、十分な精度が必要とされる。
ポンプの脈動の影響を低減する必要がある場合には、脈動を吸収するための補助装置が用いられる。いくかの方式が公知であるが、一例としてパイプライン型の脈動吸収装置を挙げることができる(特開平1−255793号公報)。
異物と並んで、気泡も塗布面状故障の原因となる。そのため、塗布液中に混入している気泡および液体表面に浮遊している泡沫を脱法・消泡することが好ましい。そのための手法としては、気泡の液体からの分離、あるいは気泡の液体への溶解がある。分離の方法としては、減圧脱泡、超音波脱泡、遠心脱泡などが公知である。液体への溶解の方法としては、超音波パイプライン脱泡が挙げられる。
塗布液に添加することによって塗布液の経時安定性が悪化するような添加物を用いる場合には、添加してから塗布までの経時時間を短くするために、送液工程内で、塗布部の直前で添加を行う方式が知られている。本発明においてもこのような方式を用いることができる。このための混合器としては、静的混合器、動的混合器がある。
塗布後、支持体上に塗布膜が形成された塗布済み品は、乾燥ゾーンで乾燥され、調湿ゾーンを経て巻取られる。本発明では支持体上に複数の層の積層体を形成した後速やかに固化させることが好ましい。塗布膜の固化が十分に進んでいない段階で強い乾燥風があたると流動が生じ、むらとなる。また、塗布膜最上層に有機溶剤が含まれていると、風によりスライド面上や塗布直後に不均一な溶剤蒸発が起こり、むらが生じる。この観点から、水系塗布が有利である。
また、ゼラチンなど低温でゲル化するバインダーを含む場合には支持体上に複数の層を形成した後すばやく温度を下げ塗膜を冷却固化させ(セット工程)、その後温度を上げて乾燥させることが好ましい。これにより、更なる均一、均質な塗膜が形成される。
ここでセット工程とは、例えば、冷風等を塗膜に当てて温度を下げるなどの手段により、塗膜組成物の粘度を高め、各層間及び各層内の物質流動性を鈍化させるゲル化促進工程のことを意味する。
本発明において冷風を用いる場合のセット工程の温度条件は、25℃未満が好ましく、15℃以下であることが更に好ましい。また、塗布膜が冷風に晒される時間は、塗布搬送速度にも依るが、3秒以上120秒以下であることが好ましく、15秒以上100秒以下であることが更に好ましい。
本発明ではラテックスが主たる塗布液を構成するため、急速に乾燥させると乾燥による膜の収縮が不均一に起こり、乾燥後の塗布皮膜にひび割れが生じ安くなるため、ゆっくり乾燥させる方が好ましい。この様な要件を満足させるためにも、乾燥工程は、乾燥温度、乾燥風の風量、乾燥風の露点を調節し、乾燥速度を調節しながら乾燥させる必要がある。
支持体として片面に易接着処理がされている厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ダイアホイルK200E−6F、商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)の易接着処理がされていない面に、乾燥後の固形分塗布量が1g/m2となるように背面層塗工液を塗布した。乾燥後、60℃で熱処理を行い硬化させた。
このようにして作製したポリエステルフィルムの易接着層塗布側に前記塗工液により、イエロー、マゼンタ、シアンの各感熱転写層および転写性保護層積層体を面順次となるように塗布した感熱転写シートを作製した。各染料層の固形分塗布量は、0.8g/m2とした。
なお、転写性保護層積層体の形成は、離型層用塗工液を塗布し、乾燥した後に、その上に保護層用塗工液を塗布し、乾燥した後に、さらにその上に接着層塗工液を塗布した。
アクリル系ポリオール樹脂 18.0質量部
(アクリディックA−801、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリン酸亜鉛 0.70質量部
(SZ−2000、商品名、堺化学工業(株)製)
リン酸エステル 1.82質量部
(プライサーフA217、商品名、第一工業製薬(株)製)
イソシアネート(50%溶液) 5.6質量部
(バーノックD−800、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 75質量部
染料化合物(Y−1) 4.2質量部
染料化合物(Y−2) 3.6質量部
ポリビニルアセタール樹脂 6.1質量部
(エスレックKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 2.1質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 84質量部
染料化合物(M−1) 1.8質量部
染料化合物(M−2) 7.6質量部
ポリビニルアセタール樹脂 8.0質量部
(エスレックKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.2質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 84質量部
染料化合物(C−1) 2.4質量部
染料化合物(C−2) 5.3質量部
ポリビニルアセタール樹脂 7.4質量部
(エスレックKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.8質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 84質量部
染料層の作製に使用したものと同じポリエステルフィルムに、以下に示す組成の離型層,保護層および接着層用塗工液を塗布し、転写性保護層積層体を形成した。乾膜時の塗布量は離型層0.2g/m2、保護層0.5g/m2、接着層2.0g/m2とした。
変性セルロース樹脂 7.5質量部
(L−30、商品名、ダイセル化学)
メチルエチルケトン 92.5質量部
保護層塗工液
アクリル樹脂溶液(固形分40%) 85質量部
(UNO−1、商品名、岐阜セラミック(有)製)
メタノール/イソプロパノール(質量比1/1) 15質量部
接着層塗工液
アクリル樹脂 25質量部
(ダイアナールBR−77、商品名、三菱レイヨン(株)製)
下記紫外線吸収剤UV−1 1質量部
下記紫外線吸収剤UV−2 2質量部
下記紫外線吸収剤UV−3 1質量部
下記紫外線吸収剤UV−4 2質量部
PMMA微粒子(ポリメチルメタクリレート微粒子) 0.4質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 70質量部
(支持体の作製)
アカシアからなるLBKP50部及びアスペンからなるLBKP50部をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解しパルプスラリーを調製した。
ついで前記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当り、カチオン変性でんぷん(日本NSC製CAT0304L)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光PMC製 DA4104)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学製サイズパインK)0.29%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学(株)製:アラフィックス100)0.32%を加えた後、消泡剤0.12%を加えた。
前記のようにして調製したパルプスラリーを長網抄紙機で抄紙し、ウェッブのフェルト面をドラムドライヤーシリンダーにドライヤーカンバスを介して押し当てて乾燥する工程において、ドライヤーカンバスの引張り力を1.6kg/cmに設定して乾燥を行なった後、サイズプレスにて原紙の両面にポリビニルアルコール((株)クラレ製:KL−118)を1g/m2塗布して乾燥し、カレンダー処理を行った。なお、原紙の坪量は157g/m2で抄造し、厚さ160μmの原紙(基紙)を得た。
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側に、コロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いてMFR(メルトフローレート;以下同様)16.0g/10分、密度0.96g/cm3の高密度ポリエチレン(ハイドロタルサイト(商品名DHT−4A、協和化学工業(株)製)250ppmと、二次酸化防止剤(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、商品名:イルガフォス168、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、200ppmを含有)と、MFR 4.0g/10分、密度0.93g/cm3の低密度ポリエチレンと、を75/25(質量比)の割合で配合した樹脂組成物を、厚さ21g/m2となるようにコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した(以下、この熱可塑性樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の熱可塑性樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナジル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)とを1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となるように塗布した。続いて表面にコロナ処理し10質量%の酸化チタンを有するMFR 4.0g/10分、密度0.93g/m2の低密度ポリエチレンを27g/m2になるように溶融押出機を用いてコーティングし、鏡面からなる熱可塑性樹脂層を形成した。
塩化ビニル系ラテックスエマルジョン 47.0質量部
(ビニブラン900、商品名、MFT>100℃以上、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックスエマルジョン 74.5質量部
(ビニブラン609、商品名、MFT=100℃、 日信化学工業(株)製)
ゼラチン(16%水溶液) 8.4質量部
下記エステル系ワックスEW−1 4.4質量部
下記界面活性剤F−1 0.2質量部
下記界面活性剤W−1 0.9質量部
フッ素系オリゴマー添加剤 2.0質量部
(メガファックF−477、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
水 83.7質量部
メタノール 4.5質量部
NaOHを 0.01重量部入れてpHを7.8に調節。
断熱層1塗工液
中空ポリマー粒子ラテックスエマルジョン 210.0質量部
(MH5055、商品名、平均粒径 500nm、日本ゼオン(株)製)
塩化ビニル系ラテックス 106.9質量部
(ビニブラン609、商品名、MFT=100℃、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(16%水溶液) 47.2質量部
水 48.9質量部
NaOHを 0.03質量部入れてpHを8.3に調節
断熱層2塗工液
中空ポリマー粒子ラテックスエマルジョン 408.6質量部
(MH5055、商品名、平均粒径 500nm、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン(16%水溶液) 311.1質量部
水 30.0質量部
NaOHを 0.07質量部入れてpHを7.8に調節
下引き層1塗工液
ポリビニルアルコール 5.0質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
メタクリル酸メチル・ブタジエンゴムラテックスエマルジョン 92.6質量部
(MR−171、商品名、Tg=−5℃、日本エイ アンド エル(株)製)
水 64.5質量部
上記支持体を用い、その表面に下記の組成の中間層用塗工液および色素受像層用塗工液をバーコーターにより4.0g/m2 になるよう塗布し、ドライヤーで仮乾燥後、100℃のオープン中で30分間乾燥して色素受像層を形成して比較用の熱転写受像シートを得た。
受容層用塗工液組成;
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(#1000D、電気化学工業製)
100質量部
アミノ変性シリコーン(X−22−343、信越化学工業製)
3質量部
エポキシ変性シリコーン(KF−343、信越化学工業製)
3質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比(1/1)) 500質量部
感熱転写受像シート101において、下記表1に記載の添加剤を加えた以外は感熱転写受像シート101と同様の方法にして感熱転写受像シート103〜123を作製した。
なお、添加剤の構造は以下に示す。
商品名:日本エマルジョン(株)製の界面活性剤
ポリオキシエチレンステアリルエーテルでエチレンオキシの繰り返し単位が20を主成分
CAS No.9005−00−9
上記感熱転写シートおよび感熱転写受像シート101〜120を用いて、プリンターとして熱転写型プリンターA(ASK−2000 富士フイルム(株)製)により、黒ベタ画像を20枚連続で出力した後、濃度1.8のグレーベタが得られるように調整したグレーベタ画像を20枚連続で出力した。黒ベタ画像の光沢感及びグレーベタ画像の画面内濃度ムラを目視により評価を行った。該プリンターAのライン速度は0.7msec/lineであった。
接触角測定装置DM500(協和界面科学株式会社製)を用い、JIS R 3257に基づいた方法により、純水を静滴後2秒と60秒の接触角を測定した。
黒ベタ画像の光沢感は以下の基準で評価した。
1 光沢感がほとんど損なわれない
2 若干、光沢感が損なわれたが実用上問題ない
3 光沢感が損なわれ、実用上問題である
1 茶色変色が全く見られない
2 若干の茶色変色が見られるが、実用上問題ない
3 明らかな茶色変色が認められ、実用上問題である
Claims (10)
- 支持体上に、支持体側から少なくとも中間層、断熱層および受容層の順に形成され、該受容層が少なくとも1種のポリマーラテックスを含有し、かつ下記一般式(I)で表される化合物または無機塩のいずれかを含有し、さらに該受容層表面と水とのJIS−R−3257で規格された静滴法に基づき測定される、水滴を静置した2秒後の接触角が68度以下または水滴を静置した60秒後の接触角が28度以下のいずれかであることを特徴とする感熱転写受像シート。
一般式(I)
R−(OCH2CH2)n−OH
式中、Rは炭素数4〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、nは10〜30の整数を表す。 - 前記接触角が、水滴を静置した2秒後の接触角が68度以下であり、かつ水滴を静置した60秒後の接触角が28度以下であることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写受像シート。
- 前記受容層が、前記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の感熱転写受像シート。
- 前記一般式(I)で表される化合物を0.03g/m2〜0.3g/m2含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
- 前記受容層が、前記無機塩を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の感熱転写受像シート。
- 前記無機塩を0.01g/m2〜0.9g/m2含有することを特徴とする請求項1、2および5のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
- 前記ポリマーラテックスが、塩化ビニル/アクリル化合物の共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニルの共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル化合物の共重合体ラテックスのいずれか1種またはその任意の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
- 前記断熱層が少なくとも1種類の中空ポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
- 前記中間層にゼラチン以外の水溶性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
- 前記断熱層が少なくとも1種類の中空ポリマーを含み、かつ前記中間層、該断熱層、前記受容層を全て同時重層塗工されてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
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