JP2009168950A - ゴムロール及びゴムロールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナーに帯電性を均一に付与でき、かつトナーの付着量が少なく良好なトナー離れを実現でき、しかもゴム層の硬度を上昇させることなく、簡素な工程管理で安価に製造できるゴムロールを提供する。
【解決手段】ゴム組成物を混練してチューブ状に押し出す工程と、前記チューブを加硫して加硫ゴム層4を作製する工程と、前記加硫ゴム層4の表面に、酸化チタン、アルミナ及びシリカからなる群から選択した1種以上の無機金属フィラー5を散布して、前記加硫ゴム層4の表面に付着する工程と、を備え、前記無機金属フィラー5は平均粒径が10μm以下1nm以上とし、かつ、0.01mg/cm2〜100mg/cm2の目付量で散布して前記加硫ゴム層4の鏡面状の表面に付着させている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴムロール及びゴムロールの製造方法に関し、詳しくは、複写機、ファクシミリ、プリンタおよび自動預金支払機(ATM)等の画像形成装置に装着される現像ロール、クリーニングロール、帯電ロールまたは転写ロール等として用いられるトナー搬送部を有する導電性のゴムロールに関するものである。
電子写真方式による印刷技術においては、高速化、高画質化、カラー化、小型化といった改良が進み、広く世の中に普及してきた。これら改良において鍵となるのがトナーである。前記あらゆる要求を満たすために必要となるのが、トナーの微細化と、トナー粒径の均一化、トナーの球形化である。トナーの微細化については、トナー粒径が10μm以下、さらには5μm以下のものも出てきている。トナーの球形化については、真球度が99%を上回るものまで出てきている。さらに、高画質化を求めて従来の粉砕トナーに代わり重合トナーが主流となりつつある。かかる重合トナーはデジタル情報を印刷物にする際にドットの再現性が非常によく高品質な印刷物が得られる。
このようなトナーの微細化および均一化・球形化、重合トナーへの移行に対応して、レーザービームプリンター等の電子写真装置の画像形成機構において、トナーに高い帯電性を付与し効率的に感光体に搬送させることができる現像ロールとして、電気抵抗値が約108Ω以下に調整された導電性ロールが特に有用である。
しかし、従来の導電性ロールは鏡面状に研磨仕上げされていることが多い。これにより、ロール表面におけるトナーとの付着力が上昇し、トナーが強く付着して感光体などへのトナーの搬送性が乏しくなる。次第にロール上にたくさんのトナーが堆積すると、余計にロールからトナーが離れにくくなり、さらにトナーの搬送性が乏しくなる。その結果、現像ローラとして使用した場合、十分な印刷濃度が得られないという問題があった。
このような問題に対して以下のようなゴムローラが提案されている。
例えば特開2001−34057号公報(特許文献1)には、発泡剤を含む未加硫ゴムの表面に無機化合物粒子を付着させた後プレス加硫をすることで、低硬度でしかも表面粗度の改良によりトナー搬送性が向上した現像ローラを提供できることが記載されている。
しかし、プレスによりゴムと無機化合物粒子を一体化させるために、無機化合物粒子がゴムに覆われて表層の無機化合物粒子量が減り、表面粗さが落ちてトナー搬送性に悪影響が出たり、ローラ表層を均一な状態に仕上げることが難しかったりという問題点がある。さらに、プレスを施すことでプレス内でのゴムの流動により方向性が生じたり、プレスの精度によってはプレス後に研磨を要する場合があったりするなどプロセス面でも問題点が多い。
特開2007−72445号公報(特許文献2)には、塩素原子を有するゴムに酸化チタンが含まれている半導電性ロールが記載されている。酸化チタンを所定量配合することにより半導電性ロールに対するトナーの付着を低減することができ、印刷濃度が低下することなく安定した濃度の印刷物を得ることができる。
しかし、上記効果を得るためには酸化チタンをゴム100質量部に対して3〜60質量部の割合で配合する必要があり、硬度の上昇が大きくなる傾向が見られた。酸化チタンを多く配合するほど上記効果が安定して得られるが、硬度の上昇の傾向はより強くなる。
特開2007−286236号公報(特許文献3)には、電子導電性のゴム組成物で形成される低抵抗な基層とゴム組成物で形成される高抵抗な表層との少なくとも2層以上を有する半導電性ゴム部材が記載されている。基層が電子導電性のゴム組成物で形成されていることにより低湿低温条件下での電気抵抗値の上昇が抑制され、一方で基層が電子導電性を示すことにより発生する抵抗のばらつきを表層が抑制してくれるため、特に低湿低温条件下での印刷濃度の低下を防ぐことができる。
しかし、表層と基層の厚みを精度良く実現することは難しく、極めて高い厚み精度が必要である。そのためには極めて手のかかる管理が必要であるとともに、管理した場合にも歩留まりが悪いことなどによりコスト高になる。より簡素な工程管理で安価に製造できるよう改善の余地があった。
特開2006−99036号公報(特許文献4)には、クロロプレンゴムを含む導電性ゴム層を最外層に備え、所定条件での誘電正接が0.1〜1.8である半導電性ゴム部材が記載されている。当該半導電性ゴム部材は、極めて高い電荷をトナー等の付着物に付与することができるとともにトナーに付与した電荷の漏洩を防ぐことができる。
当該半導電性ゴム部材において、上記要件を満たしながらゴム成分の種類やカーボンブラックの種類などを調整して、初期画像濃度の向上、耐久性(トナー帯電の経時安定性)の向上はそれぞれ極めて高いレベルで実現しているが、それら両方を一挙に実現できるようさらなる改善の余地があった。
特開2004−170845号公報(特許文献5)には、電気特性が均一なイオン導電性ゴムを用い、誘電正接調整用充填剤を配合して誘電正接を0.1〜1.5としている導電性ゴムロールが記載されている。当該導電性ゴムロールを用いれば、トナーに適切でかつ高い帯電を付加でき、結果として高画質な初期画像が得られる。さらに、トナーの帯電量が印刷枚数を経ても低下しにくく、結果として高画質が維持できる。
前記特許文献5においては、イオン導電性を得るためにエピクロルヒドリンゴムに代表される塩素原子を含有するゴム成分を用いることがある。この場合、当該塩素原子を含有するゴム成分は一般に表面自由エネルギーが高く、トナーやトナー外添剤と付着しやすい傾向がある。
あわせてイオン導電性を示すエチレンオキサイドモノマーが重合されている場合は、表面自由エネルギーが上がり濡れやすくなり、導電性ゴムロールに対するトナーの付着性が高くなる。
さらに表面に紫外線照射やオゾン暴露などを施し酸化膜を形成させると、その部分の酸素濃度が高くなるため表面自由エネルギーが上がり導電性ゴムロールに対するトナーの付着性がさらにます可能性がある。
加えて誘電正接を0.1〜1.5とした場合はトナーの帯電性を向上できトナーの搬送量を低減できるためハーフトーン画像など高画質な画像が実現できるが、一方でこの場合には現像ロール上のトナーの積層量が少なくなるため、現像ロールとして使用した場合にはトナーの付着性がさらに増す可能性がある。
このような導電性ゴムロールへのトナーの付着は、ごく初期の画像や連続的に印刷した画像には影響をあまり及ぼさないが、例えば以下のような条件で印刷した場合にはその影響が無視できなくなる。例えば、通常帯電されたトナーは静電気力(クーロン力)により逆の電荷を持つ感光体に搬送されるところ、トナーと現像ロールの付着性が強いためこの静電気力によるトナーの搬送が妨げられ、トナーに付加する帯電量が変わらないにもかかわらず印刷濃度が低下するという問題が生じ得る。
・印刷をほどよく行い、トナーが現像ロールに比較的なじんだ時点
(例えば1%印字画像を2,000枚程度印刷した時点)
・トナーの平均粒径が8μm以下、特に6μm以下の場合
・連続的に印刷せず、例えば一日停止して翌日印刷した場合
・トナーの帯電量が比較的高い低温低湿環境において使用する場合
特開2005−225969号公報(特許文献6)には、ポリエーテル結合を有するゴムを含むイオン導電性のゴム成分にワックスを配合することで、表面の自由エネルギーを低減させてトナー外添剤等の付着を長期にわたり防止でき、加工性に優れ、成形ムラや割れなどの表面欠陥をも防ぐことができる半導電性ゴム部材が開示されている。
しかし、現像ロールとして使用したときのトナーの付着性がまだ高く、前述の「印刷濃度の低下」がまだみられる。さらには、ワックスのブリード等に起因する低分子量成分と比較的高温環境下(約50℃程度)での粘着性によるトナーや感光体への汚染がわずかであるがみられる。これでは、高画質が要求されるプリンターにおいては使用できるゴムやポリマーが限定されかねず、さらなる改良の余地があった。
特開2001−34057号公報 特開2007−72445号公報 特開2007−286236号公報 特開2006−99036号公報 特開2004−170845号公報 特開2005−225969号公報
本発明は、トナーに帯電性を均一に付与でき、かつトナーの付着量が少なく良好なトナー離れを実現でき、しかもゴム層の硬度を上昇させることなく、簡素な工程管理で安価に製造できるゴムロールを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、第一の発明として、
ゴム組成物を混練してチューブ状に押し出す工程と、
前記チューブを加硫して加硫ゴム層を作製する工程と、
前記加硫ゴム層の表面に、酸化チタン、アルミナ及びシリカからなる群から選択した1種以上の無機金属フィラーを散布して、前記加硫ゴム層の表面に付着する工程と、
を備え、
前記無機金属フィラーは平均粒径が10μm以下1nm以上とし、かつ、0.01mg/cm2〜100mg/cm2の目付量で散布して前記加硫ゴム層の鏡面状の表面に付着させていることを特徴とするゴムロールの製造方法を提供している。
前記のように、本発明では、最外層の加硫ゴム層の表面に無機金属フィラーを散布することで付着させている。
該無機金属フィラーは実質的に加硫ゴム層の表面にのみ存在し、ゴム層内に埋没していない。該無機金属フィラーにより加硫ゴム層の表面に存在する毛羽やへこみの鋭利な部分がなだらかになり曲率がつくため、トナーの付着を防止でき、ひいてはトナー離れを向上させることができる。かつ、プレスによりゴムと無機金属フィラーを一体化させる場合とは違い、無機金属フィラーがゴムに覆われて埋没することがないため表面粗さが落ちてトナー搬送性に悪影響が出ることもない。特に、無機金属フィラーをゴムに配合する場合とは異なり、ロール自体の硬度を上昇させずにすむという利点がある。
前記無機金属フィラーは0.01〜100mg/cmの目付け量で最外層の加硫ゴム層の表面に付着している。目付け量が0.01mg/cmを下回ると前記金属無機フィラーの機能を十分に生じさせることができず、目付け量が100mg/cmを超えると塗布に時間がかかり、かつ、無機金属フィラーに脱落が発生しやすくなると共に、厚みムラが生じやすい。目付け量は0.02〜50mg/cmであることが好ましく、0.1〜25mg/cmであることがより好ましい。
無機金属フィラーの散布は1回でも良いが、前記した複数の無機金属フィラーを用いる場合には、散布を分けておこなっても良い。
無機金属フィラーは加硫ゴム層の材質や目的とするゴムロールの物性等に応じ、酸化チタン、アルミナ及びシリカからなる群から選択される少なくとも1種以上を用いており、これら2種以上、さらには3種のフィラーを併用してもよい。これらフィラーのうち、特に、酸化チタンが好適に用いられる。
無機金属フィラーは、散布により加硫ゴム層の表面に付着させる点およびトナーの粒径よりも小さいことが好ましいため、前記のように、10μm以下1nm以上としている。
フィラーの分散性からは10nm以上がより好ましく、トナーとの作用を考えると5μm以下が好ましい。さらに、コスト面と性能面の両者を考えると、一次粒子径が50〜1000nm、さらに、一次粒子径が100〜500nmであることが特に好ましい。
また、前記加硫工程後に、前記加硫ゴム層の表面を研磨して、表面粗さRaが0.1μm〜3μmの鏡面状とし、該研磨後に前記無機金属フィラーを散布していることが好ましい。前記のように、加硫ゴム層の表面を研磨して鏡面状とすると、散布する無機金属フィラーがくっつきやすく、かつ、離れにくくすることができる。よって、フィラーを接着剤を用いて接着したり、プレスして固着しなくとも、単に、散布するだけでフィラーを加硫ゴム層の表面により確実に付着させることができる。
なお、前記表面粗さとはJIS B 0601(1994)に従って測定される「Ra算術平均粗さ」をいう。
前記無機金属フィラーの散布方法は、特に、限定されないが、フィラーを水と混合し、該フィラーの分散液を前記加硫ゴム層の表面に塗布あるいはフィラー分散液槽に前記加硫ゴム層を浸漬し、あるいは、前記フィラーを前記加硫ゴム層の表面に散布した後に均しブレードで均一に均して付着させている。
フィラーを水に分散させたフィラー分散液は、加硫ゴム層の表面に塗布された後に水が蒸発して乾燥し、フィラーのみが加硫ゴム層の表面に付着されることとなる。
前記研磨工程後に、前記加硫ゴム層の表面に紫外線照射を施して酸化膜を形成し、その後、前記無機金属フィラーを散布していることが好ましい。
紫外線照射による酸化膜形成は、処理時間が早く、コストも低いことから好ましく行われる。酸化膜を形成することにより、酸化膜が誘電層となりゴムロールの誘電正接を低減でき、その結果トナーに帯電性をより効率よく付加でき、付加した帯電性を維持することができるようになる。紫外線照射は、加硫ゴム層の表面と紫外線ランプとの距離やゴムの種類等により異なるが、波長が100〜400nm、より好ましくは100〜300nmの紫外線を30秒〜30分、好ましくは1分〜10分程度ゴムロールを回転させながら照射することが好ましい。
また、紫外線照射を施す場合、NBRなど紫外線で劣化しやすいゴムは全ゴム成分100質量部中50質量部以下の配合が好ましい。紫外線を照射する場合特にクロロプレンおよびクロロプレン系ゴムの添加は極めて有効である。
そのほか、オゾン曝露等の公知の方法に従って酸化膜を形成してもよい。
酸化膜を形成する場合、酸化膜形成前のゴムロールに電圧50Vを印加した時のロール電気抵抗をR50とし、酸化膜形成後の印加電圧50Vにおけるロール電気抵抗をR50aとしたとき、log(R50a)−log(R50)=0.2〜1.5程度とすることが好ましい。当該範囲とすることは、耐久性の向上、ゴムロール使用時の抵抗変化の低減等の観点から好ましい。このように安定して電圧を負荷することができる50Vという低電圧時のロール電気抵抗を指標値としているため、酸化被膜形成による微小な抵抗上昇を精度良く捉えることができる。なお、より好ましい範囲は下限は0.3、特に0.5が好ましく、上限は1.2、特に1.0が好ましい。
本発明のゴムロールの具体的な製造方法は、まずゴム組成物をチューブ状に押し出してロール状に成形し、これを加硫する。
前記ゴム組成物にはゴム成分に加えて公知の添加剤が含まれていてもよいが、可塑剤やオイルなどの軟化剤は含まれていないことが好ましい。これは、軟化剤がブリードしてトナーや感光体などの他の部材をわずかでも汚染するのを防止し、高画質な画像を得るためである。
ゴム組成物をロール状に成形する方法としては、例えばトランスファー成形、圧縮成形、押出成形または射出成形等の公知の成形方法を用いることができる。また、円筒状の金型を回転させながらノズルからゴム組成物を金型の外面に連続的に供給し、それと同時にノズルを金型の回転軸方向に移動させて、前記ゴム組成物を均一に塗布後、硬化させるという方法で成形することもできる。なかでも、押出成形により成形することが好ましい。
ついで、加硫方法としては加硫缶で加硫するか、連続加硫により加硫するか、またはプレスにより加圧加硫すればよいが、加硫缶で加硫することが好ましい。加硫ゴム層が2層以上から構成される場合は、複層状にゴムを押出成形などにより成形したのちに加硫缶で加硫するか、連続加硫により加硫するかして製造することができる。
さらに、寸法精度の安定性や表面粗さの均一化の観点から研磨を行うことが極めて望ましい。
研磨処理を行った場合は研磨処理後に、研磨しない場合は加硫後に、溶剤による洗浄や紫外線照射、オゾン曝露、塩素処理、コロナ処理等の後処理を行うことも可能である。
その後、前記した無機金属フィラーを散布している。
さらに、本発明は、第二の発明として、最外層となる加硫ゴム層の表面に、酸化チタン、アルミナ及びシリカからなる群から選択された1種以上の無機金属フィラーが、0.01mg/cm2〜100mg/cm2の目付量で付着されていることを特徴とするゴムロールを提供している。
第二の発明のゴムロールは、前記第一の発明の製造方法で製造されていることが好ましいが、該製造方法で得られたものに限定されない。
前記無機金属フィラーとして、少なくとも酸化チタンを含んでいることが好ましい。
前記加硫ゴム層は、少なくとも塩素原子を有するゴムと、少なくとも溶解度パラメーターが18.0(MPa)1/2以上のゴムとのいずれか一方または両方を含むことが好ましい。かつ、前述したように、オイルおよび軟化剤からなる可塑剤を含んでいないことが好ましい。
本発明のゴムロールは、芯金を備え、レーザービームプリンター、インクジェットプリンター、複写機、ファクシミリまたはATMなどのOA機器における電子写真装置の画像形成機構に用いられる導電性ロールとしていることが好ましい。
なかでも、非磁性1成分トナーを搬送するための現像ロール、トナー供給ロール、クリーニングロール、帯電ロール、転写ロール等のトナー搬送部、トナーと接触する部材に用いられることが好ましい。この場合、トナー搬送部は少なくともその最外層が加硫ゴムで形成されているので、電気特性の均一性や設計値の繰り返し再現性を低コストで容易に得ることができる。
本発明のゴムロールは、特に、非磁性1成分トナーを感光体に搬送するためのトナー搬送部を有する現像ロールとして好適に用いられる。電子写真装置の画像形成機構における現像方式としては感光体と現像ロールの関係で分類すると接触式または非接触式に大別されるが、本発明のゴムロールはいずれの方式にも利用できる。なかでも本発明のゴムロールを現像ロールとして用いる場合は感光体に概接触していることが好ましい。
前記トナー搬送部は、最外層となる加硫ゴム層1層のみから構成されていても良いし、組成の異なる2層以上から構成されていても良い。なかでも、加硫ゴム層1層のみからなる構成の方が、製造が簡便で生産効率の見地からは好ましい。
本発明のゴムロールを現像ロール等のトナー搬送部に用いる場合、トナー漏れ防止用のシール部材を有することが好ましい。ここで、「シール部材」としてはトナー漏れ防止用に設けられたものに限らず、ゴムロールの外周面に摺動接触する部材をすべて含む。
本発明のゴムロールは、導電性を有することが好ましく、温度23℃、相対湿度55%の環境下での印加電圧5Vにおけるロール電気抵抗が10Ω以下であることが好ましい。10〜10Ωであることがより好ましく、10〜10Ωであることがさらに好ましく、10〜10Ωであることが特に好ましい。
本発明のゴムロールをトナー搬送用とする場合、トナー供給等の効率を維持し、トナーが感光体に移行する際に現像ロールの電圧降下が起こり、以後現像ロールから感光体へ確実にトナーを搬送できなくなって画像不良が生じることを防ぐためには、ロール電気抵抗は10Ω以下であることが好ましい。また、10Ω以下であると、より幅広い環境下でも使用でき、極めて有用である。
一方、下限値は特に限定されないが、流れる電流を制御して画像不良の発生を抑制し、感光体などの接触する他の部材への放電の可能性を排除するためには10Ω以上であることが好ましい。
なお、ロール電気抵抗は実施例に記載の方法で測定する。
本発明のゴムロールは、現像ロールの他、感光ドラムを一様に帯電させるための帯電ロール、トナー像を感光体から転写ベルトや用紙に転写するための転写ロール、トナーを搬送させるためのトナー供給ロール、残留しているトナーを除去するためのクリーニングロール等として用いることもできる。
本発明によれば、最外層の加硫ゴム層の表面に無機金属フィラーを付着させることにより、加硫ゴム層の表面に存在する毛羽やへこみの鋭利な部分がなだらかになり曲率がつくため、トナーの付着を防止でき、ひいてはトナー離れを向上させることができる。
さらに、ゴム層の加硫後に無機金属フィラーを塗布するなどして無機金属フィラーを実質的に加硫ゴム層の表面にのみ存在させ加硫ゴム層内に埋没させないようにしているので、プレスによりゴムと無機化合物粒子を一体化させる場合とは違い、表層の無機化合物粒子量が減り、表面粗さが落ちて、トナー搬送性に悪影響が出ることもない。
さらに、本発明においてはロール表層を均一な状態に仕上げることができる。その結果トナーに帯電性を均一に付与することができる。
また、本発明には、無機金属フィラーをゴムに配合する場合とは異なり、ロール自体の硬度を上昇させずに済むという利点がある。その結果、ニップ幅を大きく取れるので転写・帯電・現像等の効率が向上し、また感光体等の他の部材へ機械的ダメージを与えるおそれが低減される。
加硫ゴム層の表面への無機金属フィラーの塗布は簡便な方法で可能であり、工程管理もしやすく、また歩留まりも低く抑えられることから、本発明のゴムローラは安価に製造することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明のゴムロール10は、非磁性1成分トナーを感光体に搬送するための現像ロールとしており、図1に示すように、表面に無機金属フィラー5が散布された加硫ゴム層4から構成されるトナー搬送部1と、その中空部に圧入された円柱形状の芯金(シャフト)2と、トナーが漏れるのを防止するシール部3を備えている。
前記トナー搬送部1を構成する加硫ゴム層4は、円筒形状で肉厚を0.5〜15mm、好ましくは3〜15mmとしている。該肉厚を0.5〜15mmとしているのは、前記範囲より小さいと適当なニップを得にくく、前記範囲より大きいと部材が大きすぎて小型軽量化を図りにくいからである。
芯金2は、アルミニウム、アルミニウム合金、SUSもしくは鉄等の金属製、またはセラミック製等としており、前記トナー搬送部1と芯金2とは導電性接着剤で接合されている。
シール部3はテフロン(登録商標)などの不織布やシートで構成している。
前記トナー搬送部1は、加硫ゴム層4の表面を研磨して、表面粗さRaが0.3〜1μmの鏡面状とし、該研磨後に前記無機金属フィラー5を散布している。
前記加硫ゴム層4に塗布されている前記無機金属フィラー5の目付け量は0.02〜100mg/cmとしている。なかでも、目付け量は0.02〜70mg/cmであることが好ましく、0.1〜30mg/cmであることがより好ましく、0.5〜25mg/cmであることがさらに好ましい。
無機金属フィラー5としては酸化チタン、シリカまたはアルミナを用いている。1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてよい。なかでも酸化チタンまたは/およびアルミナを用いることが好ましく、酸化チタンを用いることがより好ましい。酸化チタンを用いればトナーの付着低減効果が得られ、さらに当該効果はゴム成分の種類および組成、ゴムロールの物性(特に誘電正接)等によって影響を受けることがないからである。
本発明で用いる酸化チタンとしては特に限定されず公知のものを用いればよい。結晶系としては、アナターゼ型、ルチル型、これらの混晶型、アモルファスのいずれのものも用いることができるが、なかでもルチル型の酸化チタンを用いることが好ましい。酸化チタンは、例えば硫酸法や塩素法、または例えばチタンアルコキシド、チタンハライドもしくはチタンアセチルアセトネート等の揮発性チタン化合物の低温酸化(熱分解や加水分解)により得られる。
本発明で用いる酸化チタンにおいては粒径が500nm以下である粒子が50%以上含まれていることが好ましい。この場合に酸化チタンの分散性が良くなるからである。なかでも、平均粒径が0.1〜0.5μmである酸化チタンを用いることが好ましい。特に粒径が0.3〜0.5μmである粒子を主成分とし、平均粒径が0.3〜0.5μmである酸化チタンを用いることが好ましい。
アルミナはアルミニウムの酸化物(Al)である。熱伝導性に優れたアルミナを塗布することにより、シール部3と加硫ゴム層4の外周面との摩擦により生じる熱をトナー搬送部全体にすばやく分散させることができ、トナー搬送部1の表面から放熱させることができる。そのため、シール部3と加硫ゴム層4との摺動摩擦による発熱により加速されていたシール部3の摩耗を抑えることができ、トナー漏れをより長期間にわたって有効に防ぐことができる。さらには、トナー搬送部1が前記摺動部での発熱により高温とならないため、重合トナーを構成する熱可塑性樹脂が溶融しトナーが大径化・エッジ化し溶着して大きくなると共に角張ってくるのを防ぐことができる。よって、シール部3およびトナー搬送部1の耐久性を格段に向上させることができる。
本発明で用いるアルミナは、粒径が1μm以下のものが80%以上を占めていることが好ましく、さらに粒径が0.5μm以下のものが50%以上を占めていることがより好ましい。このように粒径の小さなアルミナを用いることにより、均一に分散させることができ放熱効果が向上するとともに、トナー搬送部1の表面の均一性を確保しやすいという利点がある。
本発明で用いるシリカとしては、その種類は限定されず、市販品を用いればよい。市販品としては、東ソー・シリカ(株)製「ニプシールVN3」などが挙げられる。シリカにはトナーの特性に合わせた表面処理が施されていてもよい。前記表面処理としては例えば疎水処理や親水処理などが挙げられる。
シリカとしては、平均一次粒子径が10〜500nmであるものが特に好ましい。また、BET比表面積が30〜300m2/gのものが好ましく、60〜250m2/gのものがより好ましい。
トナー搬送部1を構成する加硫ゴム層4の加硫ゴムの組成は特に限定されず、公知のゴム組成物を用いてよい。しかしながら、下記の(1)〜(4)のいずれかの要件を少なくとも1つ満たす加硫ゴムを含むことが好ましい。
(1)塩素原子を有するゴム;
(2)SP値が18.0(MPa)1/2以上であるゴム;
(3)イオン導電性ゴム;
(4)イオン導電材を含むことによりイオン導電化されているゴム。
(1)「塩素原子を有するゴム」としては塩素原子を有すれば公知のゴムであってよい。具体的には、例えばクロロプレンゴム、塩素化ブチルもしくはクロロスルホン化ポリエチレンなどのほとんど導電性を示さない非導電性ゴム、またはエピクロルヒドリン系共重合体などの導電性ゴムが挙げられる。
ゴムが塩素原子を有する場合、例えばプラス帯電トナーに対して極めて容易に帯電できる特長がある反面、塩素原子に起因することとして塩素原子を有さないゴムと比べて粘着性が大きい傾向がある。そのため、加硫ゴム層4を構成している加硫ゴムが塩素原子を有するゴムを含む場合、本発明を適用すれば塩素原子を有するゴムの欠点である非静電気的な高粘着性と静電気的な付着力を効果的に抑制できる。
非導電性ゴムの場合は、導電性を付与するためにイオン導電性ゴムと組み合わせるか、導電材を配合している。導電材としては電子導電材とイオン導電材があり、いずれを用いてもよい。なかでも、イオン導電性ゴムと組み合わせるか、イオン導電材を配合して、イオン導電性とすることが好ましい。
(2)「SP値が18.0(MPa)1/2以上であるゴム」としては、エピクロルヒドリン系共重合体、ポリエーテル系共重合体、アクリルゴム、アクリロニトリル量が20%以上であるNBRゴムまたはクロロプレンゴムなどが挙げられる。
ここで、前記SP値とは溶解度パラメーターまたは溶解度定数のことであり、例えば「塗料の流動と顔料分散」(植木憲二監修、共立出版株式会社発行)等の文献で定義されており、各液体における凝集エネルギー密度の平方根であり、溶解性を特徴づける指標となる。SP値が高いほど極性が高い。2種類以上のゴムをブレンドする場合、SP値が18.0(MPa)1/2未満であるゴムを用いてよいが、みかけのSP値が18.0(MPa)1/2以上となるように配合量を調整する。みかけのSP値は、そのゴム固有のSP値とゴム成分全体を1としたときの混合質量比の積をゴム成分ごとに算出し、その和で表されるものである。例えば、a成分のSP値をXa、ゴム成分全体を1としたときの混合質量比Yaとし、b成分のSP値をXb、ゴム成分全体を1としたときの混合質量比Ybとすると、見かけのSP値はXa・Ya+Xb・Ybとなる。
「SP値が18.0(MPa)1/2以上であるゴム」は、ゴムの種類を選定することでプラス帯電においてもマイナス帯電においても極めて高い帯電性を与える可能性がある反面、極性が高すぎて粘着性が大きい傾向がある。そのため、加硫ゴム層4を構成している加硫ゴムが「SP値が18.0(MPa)1/2以上であるゴム」を含む場合、本発明を適用すればその欠点である高粘着性を効果的に抑制できる。
「SP値が18.0(MPa)1/2以上であるゴム」は、ほとんど導電性を示さない非導電性ゴムであっても、イオン導電性ゴムであってもよい。
非導電性ゴムの場合は導電性を付与するためにイオン導電性ゴムと組み合わせるか、導電材を配合する必要がある。なかでも、電子導電材を配合することが好ましい。
電子導電材としては、ケッチェンブラック、ファーネスブラックもしくはアセチレンブラック等の導電性カーボンブラック;酸化亜鉛、チタン酸カリウム、アンチモンドープ酸化チタン、酸化スズもしくはグラファイト等の導電性金属酸化物;カーボン繊維等が挙げられる。なかでも、導電性カーボンブラックを用いることが好ましい。電子導電材の配合量は電気抵抗値などの物性を見ながら適宜選択すればよいが、例えばゴム成分100質量部に対して5〜40質量部であることが好ましく、10〜25質量部であることがより好ましい。
(3)「イオン導電性ゴム」としてはエチレンオキサイドを含有する共重合体が挙げられる。エチレンオキサイドを含有する共重合体としては、例えばポリエーテル系共重合体またはエピクロルヒドリン系共重合体などが挙げられる。
「イオン導電性ゴム」は、電気特性の均一性や設計値の繰り返し再現性を維持することが容易にできる反面、水とのなじみがよく表面自由エネルギーが高く濡れやすいため粘着性が大きい傾向がある。そのため、加硫ゴム層4を構成している加硫ゴムが「イオン導電性ゴム」を含む場合、本発明を適用すればその欠点である高粘着性を効果的に抑制できる。
(4)「イオン導電材を含むことによりイオン導電化されているゴム」におけるイオン導電材は種々選択できるが、例えば第4級アンモニウム塩、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物もしくはエステル類等のカルボン酸誘導体、芳香族系化合物の縮合体、有機金属錯体、金属塩、キレート化合物、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体等の帯電防止剤または電荷制御剤などとして使用されているものを用いることができる。
また、イオン導電材としては、フルオロ基(F−)およびスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩も好適な例として挙げられる。より具体的には、ビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩、トリス(フルオロアルキルスルホニル)メタンの塩またはフルオロアルキルスルホン酸の塩などが挙げられる。前記塩において陰イオンと対になる陽イオンとしては、アルカリ金属、2A族またはその他の金属イオンが好ましく、なかでもリチウムイオンがより好ましい。前記イオン導電材として具体的には、例えばLiCF3SO3、LiC49SO3、LiN(SO2CF32、LiC(SO2CF33、LiCH(SO2CF32が挙げられる。
イオン導電材の配合量は、その種類によって適宜選択することができるが、例えばゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましい。
加硫ゴム層4を構成する加硫ゴムは、上記ゴム以外の他のゴムを含んでいてもよい。前記「他のゴム」としては、例えばアクリロニトリルブタジエンゴム(以下「NBR」という)、アクリロニトリルゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。また、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートもしくはブタジエンモノオキシドなどの不飽和エポキシドとプロピレンオキシドとの二元共重合体等の低抵抗ポリマーも例示できる。これらは単独でまたは2種類以上組み合わせて用いることができる。
前記「他のゴム」の配合量は、本発明の目的に反しない範囲で調整され、具体的には全ゴム成分中20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
加硫ゴム層4を構成する加硫ゴムのより好ましい態様としては、
(a)エピクロルヒドリン系共重合体単独、
(b)クロロプレンゴムと、エピクロルヒドリン系共重合体または/およびポリエーテル系共重合体との組み合わせ、
(c)クロロプレンゴムと、NBRと、エピクロルヒドリン系共重合体または/およびポリエーテル系共重合体との組み合わせ、
(d)クロロプレンゴムとNBRとの組み合わせ
が挙げられる。
なかでも、(b−1)クロロプレンゴムとエピクロルヒドリン系共重合体との組み合わせ、(b−2)クロロプレンゴムとエピクロルヒドリン系共重合体とポリエーテル系共重合体との組み合わせ、(d)クロロプレンゴムとNBRとの組み合わせが特に好ましい。
加硫ゴム層4を構成する加硫ゴムとして2種類以上のゴムを組み合わせる場合、その配合比は適宜選択すればよい。
例えば、(b−1)クロロプレンゴムとエピクロルヒドリン系共重合体とを組み合わせる場合、ゴム成分の総質量を100質量部とすると、エピクロルヒドリン系共重合体の含有量を5〜95質量部、好ましくは20〜80質量部、より好ましくは20〜50質量部とし、クロロプレンゴムの含有量を5〜95質量部、好ましくは20〜80質量部、より好ましくは50〜80質量部とすることが好適である。
(b−2)クロロプレンゴムとエピクロルヒドリン系共重合体とポリエーテル系共重合体とを組み合わせる場合、ゴム成分の総質量を100質量部とすると、エピクロルヒドリン系共重合体の含有量を5〜90質量部、好ましくは10〜70質量部とし、ポリエーテル系共重合体の含有量を5〜40質量部、好ましくは5〜20質量部とし、クロロプレンゴムの含有量を5〜90質量部、好ましくは10〜80質量部とすることが好適である。このような配合比にすることにより3成分をうまく分散させることができ強度をはじめとする物性を向上させることができる。より好ましくは、質量比でエピクロルヒドリン系共重合体:クロロプレンゴム:ポリエーテル系共重合体=2〜5:4〜7:0.5〜1.5であり、更に好ましくは質量比でエピクロルヒドリン系共重合体:クロロプレンゴム:ポリエーテル系共重合体=2〜5:4〜7:1である。
(d)クロロプレンゴムとNBRとを組み合わせる場合、ゴム成分の総質量を100質量部とすると、NBRの含有量を5〜95質量部、好ましくは20〜80質量部、より好ましくは20〜50質量部とし、クロロプレンゴムの含有量を5〜95質量部、好ましくは20〜80質量部、より好ましくは50〜80質量部とすることが好適である。
エピクロルヒドリン系共重合体としては、例えば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体等が挙げられる。
エピクロルヒドリン系共重合体としてはエチレンオキサイドを含む共重合体が好ましく、エチレンオキサイド含量が30モル%以上95モル%以下、好ましくは55モル%以上95モル%以下、さらに好ましくは60モル%以上80モル%以下である共重合体が特に好適である。エチレンオキサイドは体積固有抵抗値を下げる働きがあるが、エチレンオキサイド含量が30モル%未満であるとその抵抗値の低減効果が小さい。一方、エチレンオキサイド含量が95モル%を超えると、エチレンオキサイドの結晶化が起こり分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、逆に抵抗値が上昇する傾向があると共に、加硫ゴムの硬度上昇や加硫前のゴムの粘度上昇といった問題が生じやすい。
なかでも、エピクロルヒドリン系共重合体としてはエピクロルヒドリン(EP)−エチレンオキサイド(EO)−アリルグリシジルエーテル(AGE)共重合体を用いることが特に好ましい。前記共重合体中のEO:EP:AGEの好ましい含有比率はEO:EP:AGE=30〜95モル%:4.5〜65モル%:0.5〜10モル%であり、さらに好ましい比率はEO:EP:AGE=60〜80モル%:15〜40モル%:2〜6モル%である。
また、エピクロルヒドリン系共重合体としては、エピクロルヒドリン(EP)−エチレンオキサイド(EO)共重合体を用いることもできる。前記共重合体中のEO:EPの好ましい含有比率はEO:EP=30〜80モル%:20〜70モル%であり、さらに好ましい比率はEO:EP=50〜80モル%:20〜50モル%である。
エピクロルヒドリン系共重合体を配合する場合、その配合量はゴム成分の総質量100質量部に対し、5質量部以上であることが好ましく、15質量部以上であることがより好ましく、20質量部以上であることがさらに好ましい。
ポリエーテル系共重合体としては、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体またはウレタン系ゴム等が挙げられる。
ポリエーテル系共重合体としてはエチレンオキサイドを含む共重合体が好ましく、エチレンオキサイド含量が50〜95モル%である共重合体がより好ましい。エチレンオキサイドの比率が高い方が多くのイオンを安定化でき低抵抗化が実現できるが、エチレンオキサイドの比率を上げすぎるとエチレンオキサイドの結晶化が起こり分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、逆に抵抗値が上昇する可能性があるからである。
ポリエーテル系共重合体はエチレンオキサイドに加えてアリルグリシジルエーテルをも含むことが好ましい。アリルグリシジルエーテルを共重合することにより、このアリルグリシジルエーテルユニット自体が側鎖として自由体積を得ることから、前記エチレンオキサイドの結晶化を抑制することができ、その結果として従来にない低抵抗化が実現できる。さらにアリルグリシジルエーテルの共重合により炭素−炭素間の二重結合を導入して他のゴムとの架橋を可能にでき、他のゴムと共架橋することによりブリードや感光体などの他の部材の汚染を防止することができる。
ポリエーテル系共重合体中のアリルグリシジルエーテル含量としては1〜10モル%が好ましい。1モル%未満ではブリードや他の部材の汚染の発生が起こり易くなる一方、10モル%を越えると、それ以上の結晶化の抑制効果は得られず、加硫後の架橋点の数が多くなり、却って低抵抗化が実現できず、また引張強度や疲労特性、耐屈曲性等が悪化することとなる。
本発明で用いるポリエーテル系共重合体としては、なかでもエチレンオキサイド(EO)−プロピレンオキサイド(PO)−アリルグリシジルエーテル(AGE)三元共重合体を用いることが好ましい。プロピレンオキサイドを共重合させることにより、エチレンオキサイドによる結晶化をさらに抑制することができる。前記ポリエーテル系共重合体中のEO:PO:AGEの好ましい含有比率はEO:PO:AGE=50〜95モル%:1〜49モル%:1〜10モル%である。さらに、ブリードや他の部材の汚染をより有効に防止するため、前記EO−PO−AGE三元共重合体の数平均分子量Mnは10,000以上であることが好ましい。
ポリエーテル系共重合体を配合する場合、その配合量はゴム成分の総質量100質量部に対し、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましい。
クロロプレンゴムはクロロプレンの重合体で乳化重合により製造されるが、分子量調節剤の種類によりイオウ変性タイプ、非イオウ変性タイプに分類される。
イオウ変性タイプは、イオウとクロロプレンを共重合したポリマーをチウラムジスルフィド等で可塑化し、所定のムーニー粘度に調整するものである。非イオウ変性タイプとしては、メルカプタン変性タイプまたはキサントゲン変性タイプ等が挙げられる。メルカプタン変性タイプは、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンまたはオクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を分子量調節剤として使用するものである。また、キサントゲン変性タイプはアルキルキサントゲン化合物を分子量調節剤として使用するものである。
また、クロロプレンゴムは生成クロロプレンゴムの結晶加速度により、結晶化速度が中庸のタイプ、結晶化速度が遅いタイプおよび結晶化速度が早いタイプに分けられる。
本発明においてはいずれのタイプを用いてもよいが、非イオウ変性で結晶化速度が遅いタイプが好ましい。
また、本発明において、クロロプレンゴムとしてクロロプレンゴムに類似の構造を有するゴムまたはエラストマーを用いることもできる。例えば、クロロプレンと他の共重合可能な単量体1種以上との混合物を重合させて得られた共重合体を用いてもよい。クロロプレンと共重合可能な単量体としては、例えば2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、硫黄、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン並びにアクリル酸、メタクリル酸およびこれらのエステル類などが挙げられる。
クロロプレンゴムを配合する場合、その配合量はゴム成分の総質量100質量部に対し1質量部以上100質量部未満の範囲で適宜選択できる。なかでも、帯電性付与効果等を鑑みれば、クロロプレンゴムが5質量部以上含まれていることが好ましい。さらに、ゴムの均一性の観点からクロロプレンゴムが10質量部以上含まれていることがより好ましい。クロロプレンゴムの配合量の上限値は80質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましい。
NBRとしては、アクリロニトリル含量が25%以下である低ニトリルNBR、アクリロニトリル含量が25〜31%である中ニトリルNBR、アクリロニトリル含量が31〜36%である中高ニトリルNBR、アクリロニトリル含量が36%以上である高ニトリルNBRのいずれを用いてもよい。
本発明においてはゴム比重を低減するために比重の小さい低ニトリルNBRを用いることが好ましい。クロロプレンゴムとの混合性を鑑みれば中ニトリルNBRまたは低ニトリルNBRを用いることが好ましく、より具体的にはSP値の観点からアクリロニトリル含量が15〜39%、好ましくは17〜35%、より好ましくは20〜30%のNBRを用いることが好適である。
NBRを配合する場合、その配合量はゴム成分の総質量100質量部に対し5〜65質量部であることが好ましく、10〜65質量部であることがより好ましく、20〜50質量部であることがさらに好ましい。プラス帯電性トナーを用いた場合はトナーの帯電量が低減するのでNBRの含有量は65質量部以下であることが好ましく、硬度上昇の抑制や温度依存性の低減効果を実質的に得るためにはNBRの含有量は5質量部以上であることが好ましい。
加硫ゴム層4を構成する加硫ゴムに含まれるゴム成分以外の成分について以下に述べる。
加硫ゴム層4を構成する加硫ゴムにはゴム成分を加硫するための加硫剤が含まれる。
加硫剤としては硫黄系、チオウレア系、トリアジン誘導体系、過酸化物、各種モノマー等が使用できる。これらは単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。硫黄系加硫剤としては粉末硫黄、またはテトラメチルチウラムジスルフィドもしくはN,N−ジチオビスモルホリンなどの有機含硫黄化合物等が挙げられる。チオウレア系加硫剤としてはテトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレアおよび(C2n+1NH)C=S(式中、nは1〜10の整数を表す。)で示されるチオウレア等が挙げられる。過酸化物としてはベンゾイルペルオキシドなどが挙げられる。
加硫剤の配合量はゴム成分100質量部に対して0.2質量部以上5質量部以下であることが好ましく、1質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。
前記加硫剤として硫黄およびチオウレア類を併用することが好ましい。
硫黄は、ゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下、好ましくは0.2質量部以上2質量部以下の割合で含まれているのが良い。前記範囲としているのは、0.1質量部より小さいと組成物全体の加硫速度が遅くなり生産性が悪くなりやすいためである。一方、5.0質量部より大きいと圧縮永久ひずみが大きくなったり、硫黄や促進剤がブルームしたりする可能性があるためである。
また、チオウレア類はゴム成分100gに対して合計0.0001mol以上0.0800mol以下、好ましくは0.0009mol以上0.0800mol以下、より好ましくは0.0015mol以上0.0400mol以下の割合で配合されているのが良い。前記チオウレア類を前記範囲で配合することにより、ブルームや他の部材の汚染を起こりにくくすることができると共に、ゴムの分子運動をあまり妨げないためより低い電気抵抗を実現できる。また、チオウレア類の添加量を増やし架橋密度を上げるほど電気抵抗値を下げることができる。すなわち、チオウレア類の配合量が0.0001molより少ないと圧縮永久ひずみを改善しにくい。電気抵抗値を効果的に下げるにはチオウレア類の配合量が0.0009mol以上であることが好ましい。一方、チオウレア類の配合量が0.0800molより多いとゴム組成物表面からチオウレア類がブルームし感光体などの他の部材を汚染したり、破断伸び等の機械的物性が極度に悪化しやすい。
加硫剤の種類に応じて加硫促進剤や加硫促進助剤をさらに配合してもよい。
加硫促進剤としては、消石灰、マグネシア(MgO)もしくはリサージ(PbO)等の無機促進剤や以下に記す有機促進剤を用いることができる。有機促進剤としては、ジ−オルト−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1−オルト−トリルビグアニドもしくはジカテコールボレートのジ−オルト−トリルグアニジン塩等のグアニジン系;2−メルカプト−ベンゾチアゾールもしくはジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドもしくはジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系;チオウレア系等が挙げられ、これらを単独でまたは適宜組み合わせて用いることができる。
加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して0.5質量部以上5質量部以下が好ましく、0.5質量部以上2質量部以下がより好ましい。
加硫促進助剤としては、亜鉛華等の金属酸化物;ステアリン酸、オレイン酸もしくは綿実脂肪酸等の脂肪酸;その他従来公知の加硫促進助剤が挙げられる。
加硫促進助剤の添加量は、ゴム成分100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下が好ましく、2質量部以上8質量部以下がより好ましい。
加硫ゴム層4を構成する加硫ゴムに塩素原子を有するゴムが含まれる場合、受酸剤を配合することが好ましい。受酸剤を配合することにより、ゴム加硫時に発生する塩素系ガスの残留および他の部材の汚染を防止することができる。
受酸剤としては酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、分散性に優れていることからハイドロタルサイト類またはマグサラットを用いることが好ましく、特にハイドロタルサイトを用いることがより好ましい。さらに、これらに酸化マグネシウムや酸化カリウムと併用することもでき、これにより高い受酸効果が得られ、他の部材の汚染をより確実に防止することができる。
受酸剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対し1質量部以上10質量部以下、好ましくは1質量部以上5質量部以下としている。加硫阻害および他の部材の汚染を防止する効果を有効に発揮させるため受酸剤の配合量は1質量部以上であることが好ましく、硬度の上昇を防ぐため受酸剤の配合量は10質量部以下であることが好ましい。
加硫ゴム層4を構成する加硫ゴムがイオン導電性ゴムを含む場合、トナーに高い帯電性を付与し、かつその帯電性の持続性を向上させるために、誘電正接調整剤を配合することが好ましい。
誘電正接調整剤としては、弱導電性カーボンブラックまたは脂肪酸処理された炭酸カルシウム等が挙げられる。なかでも、弱導電性カーボンブラックを用いる方が好ましい。
弱導電性カーボンブラックとは粒径が大きくストラクチャーの発達が小さく導電性への寄与が小さいカーボンブラックであり、これを配合することにより導電性を高めることなく分極作用によるコンデンサー的な働きを得ることができ、電気抵抗の均一化を損なうことなく帯電性のコントロールを実現できる。
前記弱導電性カーボンブラックとして、一次粒径が80nm以上、好ましくは100nm以上のものを用いれば、より有効に前記効果が得られる。また、一次粒径が500nm以下、好ましくは250nm以下であると表面粗さを極めて小さくできる。前記弱導電性カーボンブラックの形状は表面積が小さいことから球形状または球形に近い形状が好ましい。
弱導電性カーボンブラックとしては種々の選択が可能であるが、中でも大粒径を得やすいファーネス法またはサーマル法により製造されたカーボンブラックが好ましく、ファーネスカーボンブラックがより好ましい。カーボンの分類で言うとSRFやFT、MTが好ましい。また顔料で用いられるカーボンブラックを用いても良い。
弱導電性カーボンブラックの配合量は、誘電正接の低減効果を実質的に発揮するためにゴム成分100質量部に対して5質量部以上であることが好ましく、硬度が上昇し接触する他の部材を損傷させるおそれを避け、かつ耐摩耗性の低下を回避するために、70質量部以下であることが好ましい。また、印加電圧に対しロール抵抗の電圧変動が小さい、いわゆるイオン導電性特性を得るためにも70質量部以下の配合が好ましい。弱導電性カーボンブラックの配合量は、他の成分との混合性の観点から10〜60質量部であることがより好ましく、25〜55質量部であることが特に好ましい。
前記成分の他に、本発明の目的に反しない限り、軟化剤、劣化防止剤、充填剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、発泡剤、気泡防止剤または架橋剤等の添加剤を適宜配合してもよい。しかし、軟化剤はブリードによりトナーや感光体などの他の部材のわずかな汚染をも防ぐため配合しない方が好ましい。
前記充填剤としては、酸化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛、シリカ、カーボン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムまたは水酸化アルミニウム等の粉体を挙げることができる。充填剤を配合することにより機械的強度等を向上させることができる。
充填剤の添加量はゴム成分100質量部に対し60質量部以下とすることが好ましく、50質量部以下とすることがより好ましい。なお、前記弱導電性カーボンブラックは充填剤としての役割も果たす。
前記スコーチ防止剤としては、N−シクロヘキシルチオフタルイミド、無水フタル酸、N−ニトロソジフェニルアミン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。なかでも、N−シクロヘキシルチオフタルイミドを用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。スコーチ防止剤の添加量は、ゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上5質量部以下が好ましく、0.1質量部以上1質量部以下がより好ましい。
前記劣化防止剤としては各種老化防止剤や酸化防止剤が挙げられる。
図1に示したゴムロール10の製造方法について、以下に述べる。
加硫ゴム層4を構成するゴム組成物に含まれる成分をニーダ、ロールやバンバリーミキサ等の混合装置を用いて混練り後、ゴム押出機でチューブ状に予備成形し、この予備成形品を加硫する。
加硫時間は、加硫試験用レオメータ(例:キュラストメータ)により最適加硫時間を求めて決めるとよい。なお、他の部材への汚染と圧縮永久ひずみを低減させるため、なるべく十分な加硫量を得られる様に条件を設定することが好ましい。具体的に、加硫温度は100〜220℃であることが好ましく、120〜180℃であることがより好ましい。加硫時間は15〜120分間であることが好ましく、30〜90分間であることが好ましい。
ついで、加硫工程後に、芯金2を挿入・接着した後、所要寸法にカットし、加硫ゴム層4の表面に鏡面研磨を施す。該鏡面研磨後の表面粗さRaは、0.1〜3.0μmとしている。
ついで、研磨後にロールを水洗いしたあと、所望により、加硫ゴム層4の表面に酸化膜を形成している。酸化膜を形成する場合には、紫外線照射機を用い、ロールと紫外線ランプ間の距離を10cmとして周方向90度毎に紫外線(波長184.9nmと253.7nm)を5分間照射し、ロールを4回回転させることで、ロール全周(360度)に酸化膜を形成している。
ついで、最外層の加硫ゴム層4の表面に無機金属フィラー5を散布する。
無機金属フィラー5の散布は、図2に示した装置を用いて行っている。図2に示した装置は、無機金属フィラー5を散布するための散布機7とブレード状の均しブレード6とゴムローラを回転させる駆動部(図示せず)を有する。具体的には、まず散布機7で無機金属フィラー5を加硫ゴム層4表面に散布し、ゴムローラを回転させて、散布した無機金属フィラー5を均しブレード6で均すことにより、前述した目付量の範囲内で均一に塗布している。
なお、最外層の加硫ゴム層4の表面への無機金属フィラー5の散布は、前述した方法以外に、無機金属フィラーを水と混合し、該無機金属フィラー分散液を前記加硫ゴム層の表面に塗布する方法、あるいは該無機金属フィラー分散液を満たした槽に前記加硫ゴム層を浸漬する方法により行なうこともできる。
以上のように製造される本発明のゴムロール10は下記のような物性を示すことが好ましい。
温度23℃、相対湿度55%の環境下での印加電圧5Vにおけるロール電気抵抗が10〜10Ωであることが好ましく、10〜10Ωであることがより好ましい。
JIS K 6253に記載のデュロメーター硬さ試験タイプAの硬度が20〜70度であることが好ましく、40〜70度であることがより好ましく、50〜70度であることが更に好ましい。これは、軟らかいほどニップが大きくなり、転写、帯電、現像等の効率が大きくなる、または感光体等の他の部材への機械的ダメージを小さくできるという利点があるという理由による。一方、硬度が20度より低いと耐摩耗性が著しく劣ることになる。
電圧5V、周波数100Hzで交流電圧を印加した際の誘電正接が0.1〜1.8であることが好ましい。誘電正接をこの範囲に制御することによりトナーに高い帯電性を付与することができ、かつその帯電性を持続させることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的について説明する。
(実施例1〜13、比較例3、4)
表1に記載の配合材料(表中の数値は質量部を示す。)と、加硫剤として粉末硫黄0.75質量部およびエチレンチオウレア(川口化学工業(株)製「アクセル22−S(商品名)」)0.75質量部と、受酸剤としてハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製「DHT−4A−2(商品名)」)3質量部とをバンバリーミキサで混練り後、ゴム押出機にて外径φ22mm、内径φ9〜9.5mmのチューブ状に押し出し加工を施した。該チューブを加硫用のφ8mmシャフトに装着し、加硫缶にて160℃で1時間加硫を行った後、導電性接着剤を塗布したφ10mmのシャフトに装着して160℃のオーブン内で接着した。その後、端部をカット成形し、円筒研磨機でトラバース研磨、ついで仕上げ研磨として鏡面研磨を施し、表面粗さRaが0.1〜3.0μm(Rzでは3〜5μm)になるように仕上げた。なお表面粗さRaはJIS B 0601(1994)「Ra算術平均粗さ」に従って測定した。その結果、φ20mm(公差0.05)の加硫ゴム層を備えたゴムロールを得た。
その後、得られたゴムロール表面に図2に示した装置を用いて無機金属フィラーを塗布した。すなわち、散布機7を用いて無機金属フィラー5をロール表面に散布し、ロールを回転させながらステンレス製の均しブレード6を用いて無機金属フィラー5をならして均一にした。このときの塗布総量、塗布量は下記表に記載の通りである。
比較例1、2は、無機金属フィラーの塗布を行なわず、代わりに以下のゴムロールとした。それ以外は、前記実施例と同様の操作を行って作製した。
(比較例1)
比較例1は、加硫ゴム層4の表面を研磨し、水洗いした後、紫外線照射を行い表層部分に酸化膜を形成した。詳細には、紫外線照射機(セン特殊光源(株)製「PL21−200(商品名)」)を用い、ロールと紫外線ランプ間の距離を10cmとして周方向90度毎に紫外線(波長184.9nmと253.7nm)を5分間照射することによって行い、ロールを90度ずつ4回回転させてロール全周(360度)に酸化膜を形成させた。
(比較例2)
比較例2は、加硫ゴム層4のゴム組成物中に20質量部の酸化チタンを配合した。
Figure 2009168950
Figure 2009168950
上記表に記載の各成分として具体的に以下の商品を用いた。
(a)加硫ゴム層の構成成分
・クロロプレンゴム;昭和電工(株)製「ショープレンWRT(商品名)」
・エピクロルヒドリン系共重合体;ダイソー(株)製「エピオンON301(商品名)」
EO(エチレンオキサイド)/EP(エピクロルヒドリン)/AGE(アリルグリシジルエーテル)=73mol%/23mol%/4mol%
・NBR;日本ゼオン(株)製「ニッポール401LL(商品名)」
・導電性カーボンブラック;電気化学工業(株)製「デンカブラック(商品名)」
・酸化チタン;チタン工業(株)製「クロノスKR310(商品名)」(比重4.2、粒径0.3〜0.5μmを主成分とする。)
(b)表面塗布用無機金属フィラー
・酸化チタン;チタン工業(株)製「クロノスKR310(商品名)」(比重4.2、粒径0.3〜0.5μmを主成分とする。)
・アルミナ;昭和電工(株)製「AL−160SG−1(商品名)」(粒子径1μm以下の粒子が91%、粒子径500nm以下の粒子が64%を占める。)
前記各実施例および比較例のゴムロールについて下記の特性測定を行った。その結果を上記表に示した。
「ロール電気抵抗の測定」
図3に示すように芯金2を通したトナー搬送部1をアルミドラム13上に当接搭載し、電源14の+側に接続した内部抵抗r(100Ω)の導線の先端をアルミドラム13の一端面に接続すると共に電源14の−側に接続した導線の先端をトナー搬送部1の他端面に接続して測定した。
前記電線の内部抵抗rにかかる電圧を検出し、検出電圧Vとした。この装置において印加電圧をEとすると、ロール電気抵抗RはR=r×E/(V−r)となるが、今回−rの項は微少とみなし、R=r×E/Vとした。芯金2の両端に500gずつの荷重Fをかけ30rpmで回転させた状態で、印加電圧Eを5Vとした時の検出電圧Vを4秒間で100個測定し、上式によりRを算出した。なお、前記測定は温度23℃、相対湿度55%の恒温恒湿条件下で行った。
なお、表中にはlog10Rを記載した。
「ロール硬度の測定」
JIS K 6253に従って、デュロメーター硬さ試験タイプAの硬度を測定した。
表中では、硬度が70を超える場合は硬すぎるので「×」と、硬度が20以上70以下の場合は「○」と評価した。
「印刷濃度の測定」
ゴムロールとトナーとの付着性を調べるため、市販のレーザープリンター(プラス帯電の非磁性1成分トナーを使用した市販のプリンター、トナー推奨印刷枚数約7000枚相当)に実施例および比較例の各ゴムロールを現像ロールとして装着し、画像として出力したトナー量、すなわち印刷物上のトナー積層量、言い換えれば印刷濃度を指標として性能評価を行った。なお、印刷濃度の測定は以下に示すような透過濃度の測定により代用できる。
具体的には、1%印字にて100枚印刷し、101枚目に黒ベタ画像を印刷した。得られた黒ベタ画像印刷物上の任意の5点において反射透過濃度計(TECHKON社製「テシコン濃度計RT120/ライトテーブルLP20」)にて透過濃度を測定し、その平均値を印刷濃度(C100)とした。
表中では印刷濃度(C100)に関し下記のように評価した。すなわち、C100<1.7では薄すぎるので「×」と、1.7≦C100<1.8では薄いが使用可能な程度なので「△」と、1.8≦C100<1.9ではやや薄いが良好な濃度なので「○」と、1.9≦C100<2.0では最適な濃度なので「◎」と、1.8≦C100<1.9ではやや濃いが良好な濃度なので「○」とした。
「トナー搬送量の測定」
前記のようにして測定される印刷濃度とトナーの搬送性の関係を調べるために、下記のようなトナー帯電量測定器によりトナー搬送量の評価を行った。
前記印刷濃度の測定に続いて、白ベタ画像(白紙)を102枚目に印刷した。レーザープリンターからカートリッジをはずし、カートリッジに装着されている現像ロールに対して上方から吸引型帯電量測定機(トレック社製「Q/M METER Model 210HS−2(商品名)」)によりトナーを吸引し、トナー質量(mg)を測定した。得られた値から下記式に基づきトナー搬送量(T100)を算出した。
トナー搬送量(mg/cm2)=トナー質量(mg)/吸引された面積(cm2
なお、トナー搬送量は低いほうが好ましい。具体的には、T100≧6.0の場合を「×」と、4.9<T100≦5.9の場合を「△」と、3.9<T100≦4.9の場合を「○」と、T100≦3.9の場合を「◎」と表中では評価した。
無機金属フィラーを表面に塗布していない比較例1ではトナー搬送量が多くトナー離れが悪いことがわかった。その結果として現像効率が劣ることとなる。
無機金属フィラーを表面に塗布せず、加硫ゴム層に酸化チタンを含有する比較例2ではロール硬度が若干高くなる傾向が見られた。そのため、転写、帯電、現像等の効率がやや劣り、また感光体等の他の部材へ機械的ダメージを与えるおそれが生じてくる。
無機金属フィラーの目付量が少ない比較例3では、無機金属フィラーを加硫ゴム層の表面に均一に塗布することが難しく、その結果、印刷濃度やトナー搬送が小さくかつムラが生じた。一方、無機金属フィラーの目付量が多い比較例4では、無機金属フィラーを加硫ゴム層の表面に塗布することが難しく厚みムラも生じてしまい、その結果印刷濃度やトナー搬送に大きなムラが生じた。
これに対して、無機金属フィラーの目付量を本発明の範囲内とした実施例1〜13では適切な印刷濃度が得られる上にトナー搬送量が小さく現像効率に優れていることがわかった。さらに、硬度も上昇させていないことから、他の部材へ機械的ダメージを与えるおそれをより低減できる。なお、実施例12および実施例13は目付量が多いため無機金属フィラーを塗布するのに時間がかかった。
本発明のゴムロールの概略図である。 加硫ゴム層表面に無機金属フィラーを塗布する装置の断面からみた概略図である。 ゴムロールのロール電気抵抗の測定方法を示す図である。
符号の説明
1 トナー搬送部
2 芯金
3 シール部
4 加硫ゴム層
5 無機金属フィラー
6 均しブレード
7 散布機
10 ゴムロール

Claims (7)

  1. ゴム組成物を混練してチューブ状に押し出す工程と、
    前記チューブを加硫して加硫ゴム層を作製する工程と、
    前記加硫ゴム層の表面に、酸化チタン、アルミナ及びシリカからなる群から選択した1種以上の無機金属フィラーを散布して、前記加硫ゴム層の表面に付着する工程と、
    を備え、
    前記無機金属フィラーは平均粒径が10μm以下1nm以上とし、かつ、0.01mg/cm2〜100mg/cm2の目付量で散布して前記加硫ゴム層の鏡面状の表面に付着させていることを特徴とするゴムロールの製造方法。
  2. 前記加硫工程後に、前記加硫ゴム層の表面を研磨して、表面粗さRaが0.1μm〜3μmの鏡面状とし、該研磨後に前記無機金属フィラーを散布している請求項1に記載のゴムロールの製造方法。
  3. 前記研磨工程後に、前記加硫ゴム層の表面に紫外線照射を施して酸化膜を形成し、その後、前記無機金属フィラーを散布している請求項2に記載のゴムロールの製造方法。
  4. 前記無機金属フィラーの散布方法は、該フィラーを水と混合し、該フィラー分散液を前記加硫ゴム層の表面と塗布あるいはフィラー分散液槽に前記加硫ゴム層を浸漬し、あるいは、
    前記フィラーを前記加硫ゴム層の表面に散布した後に均しブレードで均一に均して付着させている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のゴムロールの製造方法。
  5. 最外層となる加硫ゴム層の表面に、酸化チタン、アルミナ及びシリカからなる群から選択された1種以上の無機金属フィラーが、0.01mg/cm2〜100mg/cm2の目付量で付着されていることを特徴とするゴムロール。
  6. 前記加硫ゴム層は、少なくとも塩素原子を有するゴムと、少なくとも溶解度パラメーターが18.0(MPa)1/2以上のゴムとのいずれか一方または両方を含む一方、オイルおよび軟化剤からなる可塑剤を含んでいない請求項5に記載のゴムロール。
  7. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の方法で製造され、1成分非磁性トナーを搬送するトナー搬送部に用いられる請求項5または請求項6に記載のゴムロール。
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