JP2001034057A - 現像ロ−ラ及びその製造方法並びにそれを用いた一体型画像形成装置 - Google Patents

現像ロ−ラ及びその製造方法並びにそれを用いた一体型画像形成装置

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JP2001034057A
JP2001034057A JP13871999A JP13871999A JP2001034057A JP 2001034057 A JP2001034057 A JP 2001034057A JP 13871999 A JP13871999 A JP 13871999A JP 13871999 A JP13871999 A JP 13871999A JP 2001034057 A JP2001034057 A JP 2001034057A
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developing roller
roller
outer periphery
cylindrical material
mold
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JP13871999A
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English (en)
Inventor
Takayuki Nagase
貴行 永瀬
Harusuke Nagami
晴資 永見
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 感光ドラムや現像ロ−ラなどの駆動が安
定で、軸間固定で必要な接触幅をとって接触させても、
回転むらや駆動トルクの上昇による画像むらやギヤ飛び
が発生せず、トナー搬送性に優れた現像ロ−ラ及びその
製造法及びそれを用いた一体型画像形成装置の提供。 【解決手段】 ベ−スゴムに配合剤を混練り分散させた
素材ゴムによって、外径がロ−ラ最終外径よりやや小さ
い円筒状素材を形成し、該円筒状素材の外周に無機化合
物粒子を付着させた後、ロ−ラ最終外径に略等しい内径
を有する円筒状外型と、円板状シ−ル型からなる金型
に、円筒状素材を装填し、金型全体を加熱して円筒状素
材を発泡、加硫することによって、外周近傍に無機粒子
を含有し、トナ−の平均粒子径tに対する現像ロ−ラ外
周面の表面粗さRzが1/2 t〜2tを持つJIS-A 硬度5
〜25°の発泡体である導電弾性層を設けた現像ロ−ラを
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置や静
電写真装置に使用される現像ロ−ラ及びその製造方法並
びにそれを用いた一体型画像形成ユニットに関し、特に
感光体と現像装置等の周辺装置が一体となった一体型画
像形成ユニット(オ−ルインワンカ−トリッジ、プロセ
スカートリッジ等と言われている)に使用される現像ロ
−ラ及びその製造方法並びに一体型画像形成ユニットに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真装置における画像形成プ
ロセスとしては、図5に示すように、感光体の周囲に、
帯電部、現像部、転写部及びクリーニング部等が、個々
にユニット化して配置されたものが用いられてきた。図
5において感光ドラム11は、矢印の方向にギヤ等の駆
動手段により回転されながら、帯電部で帯電ローラ4に
よって一様に帯電され、露光部14で被複写体又は電送
情報によって露光されて静電潜像が形成される。現像部
では現像ローラ9から供給されるトナーによって感光ド
ラム上にトナー像を形成し、転写部で転写ローラ10と
の間に供給される記録紙(図示せず)等に転写され、転
写像は適宜の定着部で定着される。トナー像転写後、感
光ドラム11は、表面に残留するトナーをクリーニング
ブレード12等で除去され、除電されて再び帯電部へ移
り、次の複写に供される。またトナーは、トナーボック
50に入れられ、撹拌羽根6によって撹拌され、供給ロ
ーラ8を介して現像ローラ9に供給される。現像ローラ
9上の余分のトナーは、トナー規制ブレード5で規制さ
れ均一の厚さにされる。
【0003】近年、電子写真方式を用いたプリンタ、フ
ァクシミリ、複写機においては、パーソナルコース、デ
スクトップパブリッシング等の用途への適用及びカラー
化への対応のため、現像装置のコンパクト化が切望さ
れ、非磁性一成分トナーを用い、回転軸の外周に導電弾
性層を形成した現像ロールを感光体に圧接して現像する
方式が、現像ロールの小径化や装置の簡素化によりコン
パクト化が図れるので注目を浴びている。特にフルカラ
ー化の場合、3原色+黒で4つの現像装置を要するので
コンパクト化の効果が大きい。また、上記用途への展開
においては、メンテナンスの簡素化の要望が強くなって
おり、感光体を中心として、従来周辺に配置していた各
装置を一体化し、コンパクト化と同時に、一体化したユ
ニット毎に取替えてメンテナンスを簡素化しようとする
動きが急速に高まっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】感光体の周囲の部材を
一体化する場合、安定したトナー像を形成するために
は、感光体と現像ローラの接触状態を均一かつ安定化さ
せることが肝要であるため、両者を回転軸の軸間距離を
固定して組込むことが行なわれるようになった。従来、
この種の現像装置に用いられてきた回転軸の外周にゴム
ソリッド体の導電弾性層を設けた現像ローラでは、軸間
距離を固定して感光体との必要な接触幅をとろうとする
と、それにともなって回転トルクが大幅にアップし、感
光体及び現像ローラの回転が不安定になり、ジッタと称
する画像むらが生じたり、感光体及び現像ローラの駆動
部材である樹脂製ギヤが歯飛びするといった問題が生じ
ていた。 また、感光体との必要な接触幅を取り、かつ
回転トルクの大幅なアップを抑えるためには、ゴムソリ
ッド体に多量の軟化剤(又は可塑剤)を添加して超低硬
度にすることが必要で、従来にも増して現像ローラから
軟化剤の滲み出しによる感光体汚染が問題になってい
た。
【0005】これらの問題への対応として、少量の軟化
剤を用いて、感光体汚染を少なくでき、変形しやすく、
しかも変形復元性にすぐれた発泡ゴムを導電弾性層に用
いた現像ローラも用いられてきている。しかし、発泡ゴ
ムを用いた現像ローラの場合、層厚規制ブレードで薄層
化したトナーを担持し搬送するため、外径面を粗くしよ
うとしても、型面を粗くした円筒金型を用いて発泡させ
た場合には、発泡ゴムの外周面が金型内径面にくい込ん
でしまい、脱型時にその部分が欠けたり、外径面に皮む
け部ができたりし、割金型を用いて発泡させた場合に
は、金型割面のバリが発生して、そのままでは現像ロー
ラとして使用できない状態になるという問題があり、得
られた発泡ゴムの外周面を整えるため研磨しようとして
も、硬度が低いため全長、全周にわたり均一かつ必要な
粗さにすることは困難であった。本発明は、上記現像ロ
ーラの問題点を解決するため、発泡後の脱型が容易にで
き、感光体と軸間固定で必要な接触幅をとっても回転む
らや駆動ギアの損傷を引き起こさず、しかもトナーを担
持するのに必要な表面粗さを有する現像ローラ及びその
製造方法並びにそれを用いた一体型画像形成ユニットを
提供しようとするものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明では、下記の構成
をとることによって、上記問題を解決した。第1に、本
発明の現像ロ−ラは、回転軸の外周に導電弾性層を同心
に設けた現像ロ−ラにおいて、導電弾性層がJIS-A 硬度
5〜25°の発泡体からなり、外周近傍に無機化合物粒子
を含有することを特徴とする。第2に、本発明の現像ロ
−ラは、無機化合物粒子が、酸化チタンと酸化マグネシ
ウムと炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウムの1種以上
からなり、平均粒子径が0.3 〜10.0μmのものであるこ
とを特徴とする。第3に、本発明の担持するトナ−の平
均粒子径tに対する現像ロ−ラ外周面の表面粗さRzが
1/2 t〜2tであることを特徴とする。
【0007】第4に、本発明の現像ロ−ラは、ベ−スゴ
ムに配合剤を混練り分散させた素材ゴムによって、内径
が回転軸の外径と同一又は若干大きく、かつ外径がロ−
ラ最終外径より若干小さい円筒状素材を形成し、この円
筒状素材の外周に無機化合物粒子を付着させた後、ロ−
ラ最終外径に略等しい内径を有する円筒状外型と、その
両端に嵌合するシ−ル型からなる金型に、回転軸を挿通
した円筒状素材を回転軸両端をシ−ル型に固定して装填
し、金型全体を加熱することによって、円筒状素材を発
泡と同時に加硫して導電弾性層を形成することによって
製造する。第5に、本発明の上記製造方法は、解砕した
無機化合物の粒子を保持した担持体を円筒状素材の外周
に接触させて、無機化合物粒子を円筒状素材の外周に付
着させることを特徴とする。第6に、本発明の上記製造
方法は、無機化合物を揮発性液体に分散させた液状体
を、円筒状素材の外周に塗布し乾燥させて、無機化合物
粒子を円筒状素材の外周に付着させることを特徴とす
る。
【0008】第7は、本発明の上記現像ロ−ラを使用す
ることによって、感光体の周囲に少なくとも現像部を一
体に設けた一体型画像形成ユニットにおいて、感光体と
現像ロ−ラが接触幅を0.1 〜7mmで軸間距離を固定し
て組み込まれた一体型画像形成ユニットを得ることを特
徴とするものである。本発明で、JlS A硬度5〜2
5の発泡ゴムを用いるのは、必要な接触幅で感光体と圧
接しても、変形に対し追従し、変形復元性にも優れ、し
かも回転トルクの上昇をきたさないためである。また、
発泡ゴムの外周面近傍に無機化合物の粒子を含有させた
のは、発泡ゴムに対して害を及ぼさずに必要な表面粗さ
が得られやすいからである。ここで近傍とは、含有する
無機粒子による凹凸が表面に影響するレベルであり、外
周面から内部に0〜0.5mm程度の深さを意味する。
【0009】また、無機化合物の中で特に、酸化チタ
ン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム及び炭酸カル
シウムから選ばれる1種または2以上の混合物を用いる
ことが好ましいのは、平均粒子径が0.3〜10μmの
ものが容易に得られ、ゴムベースヘ分散し易いためであ
る。上記の現像ローラの外周面粗さRzは、担持するト
ナーの平均粒子径tに対し、1/2t〜2tの間にする
のが好ましい。こうすることにより、トナーの搬送性に
優れたローラ外周面が得られる。本発明の現像ローラ
は、先ずベースゴムに配合剤を混練り分散させた素材ゴ
ムによって、内径が回転軸の外径と同一又は若干大き
く、かつ外径が現像ロ−ラの最終外径より小さい円筒状
素材を予め形成しておき、この円筒状素材の外周に無機
化合物粒子を付着させた後、回転軸を挿通し、円筒状型
と回転軸をシールして保持する円板状シール型からなる
金型に装填し、加熱して発泡と同時に加硫させて製造す
る。この方法によれば、金型よりの脱型時に凹凸を有す
る発泡ゴムの外周面を破損させることがないので好まし
い製造方法と言える。また、円筒状素材に無機化合物粒
子を均一に付着させるには、解砕した無機化合物の粒子
を保持させた担持体を円筒状素材の外周に接触させる
か、予め無機化合物粒子を揮発性液体に分散させた液状
体を、円筒状素材の外周に塗布・乾燥させるのが、付着
むらが少ないので好ましい。
【0010】本発明の一体型画像形成ユニットは、上記
した構成及び製造方法で得られた現像ローラを用いて、
感光体と現像ローラが接触輻を0.1〜7mmで、両者の
軸間距離を固定して組み込まれていることを特徴とす
る。こうすることで、現像ローラの外周にトナーが滑り
落ちることなく、薄層で担持・搬送され、感光体と確実
かつ均一に接触するので、静電潜像が忠実に可視像化さ
れる。また、回転トルクの上昇による回転むらを生じ
ず、それらに基づく画像むら(ジッタ)や駆動ギアの破
損が生じないという利点がある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を詳細
に説明するが、本発明の構成はこれらに限定されるもの
ではない。図1は、本発明の現像ロ−ラの断面図、図2
は本発明にかかる無機化合物の粒子を円筒状素材の外周
に付着させる方法の一例を示す図、図3は本発明にかか
る外周に無機化合物の粒子を付着し円筒状素材を加硫、
発泡のため金型に装填した状態を示す図、図4は本発明
にかかる現像ロ−ラを組み込んだオ−ルインワンタイプ
電子写真装置の構造を示す模式図、図5は従来の電子写
真装置の構造を示す模式図である。本発明の現像ロ−ラ
9は、図1及び図2に示すように回転軸1の外周に導電
性を有する発泡ゴム(導電弾性)層2を同心に形成する
と同時に外周表面近傍に無機化合物を含有させたもので
ある。発泡ゴム層2を構成する素材ゴムは、べースゴム
と、これと同材質の液状ゴムやジオクチルフタレート
(DOP)や菜種油などの軟化剤と、カーボンブラック
などの導電性付与剤、酸化亜鉛などの充填剤、加硫剤及
び発泡剤などを後述する表1の割合で混合し、混練りし
たものである。
【0012】本発明に用いるべースゴムとしては、感光
ドラム周辺でオゾンが発生し、オゾン雰囲気下で現像ロ
ーラが使用されることを考慮して、クロロブレンゴム、
アクリロニトリルブタジェンゴム、エチレンプロピレン
ゴム、ポリウレタンゴムなどが好ましく、軟化剤として
は、DOPや菜種油の他、上記ベースゴムと同じゴム種
の液状ゴムが好ましく用いられる。次に前記素材ゴムを
押出機にかけ、回転軸1の外径と等しいか若千大きい内
径と現像ローラ9の最終外径より小さい外径のチューブ
を作り、必要長さにカットし、円筒状ロール素材22を
形成する。次いで、予め凝集分を解砕して調製した酸化
チタン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム及び炭酸
カルシウムの中の1種以上からなり、平均粒子径が0.
3〜10μmの無機化合物の粒子をスポンジローラやブ
ラシ等の担持体に保持させ、この担持体を円筒状素材の
外周に接触させて、無機粒子3を付着させるか、エタノ
ール、メタノール等のアルコール類、メチルエチルケト
ン、フロン113などの揮発性液体に前記無機化合物粒
子を分散させた液状体を用いて、上記で得られた円筒状
ローラ素材22の外周面に刷毛塗りや浸漬により塗布す
る。乾燥後に外周面に無機粒子3を付着した円筒状ロー
ラ素材を得る。
【0013】上記工程で得られた外周面に無機粒子3を
付着した円筒状ロ−ラ素材を金型を用いて発泡、加硫成
型する。図3に示すように外周面に無機粒子3を付着し
た円筒状ロール素材22を装填した金型によって、ゴム
素材は加熱され、加硫発泡される。円筒状ロール素材2
2の内部に回転軸1を挿通し、成形用金型に装填され
る。成形用金型は、現像用ローラ9の最終外径に略等し
い内径を有する円筒状中型24と、円板状シール型2
5、26とから構成される。円筒状ロ−ラ素材の導電弾
性層は発泡するとき、外周面に付着した無機粒子は円筒
状金型24の内面に押しつけられ、ロ−ラの表面近傍に
取り込まれる。円筒状金型24の内面には、面荒し加工
等を施していないので、冷却後金型から成形体を取り出
す際、発泡ゴムの表面層が欠けたり、むしり取られるこ
とがない。このようにして、表面近傍に無機粒子を含有
し、JIS A硬度5〜25の導電弾性層を有する現像
ローラが得られる。
【0014】図4は、前記現像ローラ9を組込んだ一体
型画像形成ユニット30の断面図である。感光ドラム1
1は、矢印方向に回転駆動される。感光ドラム11に
は、13で除電後、帯電ローラ4が接触し、一様に帯電
される。帯電した感光ドラム11が14の露光域で電光
又はデータインされると、静電潜像が感光ドラム11の
外周上に形成され、現像ローラ9から供給されるトナー
によって現像される。トナー像は、感光ドラム11と転
写ローラ10との間に供給される紙などの記録材(図示
せず)に転写され、転写像が適宜の定着手段によって定
着される。感光ドラム11は、転写後、クリーニングブ
レード12で残存トナーを除去され、次の画像形成に供
給される。本発明の一体型画像形成ユニット30には、
通常、非磁性一成分トナーが用いられる。トナーは、本
ユニット30に一体に形成されたトナーボックス7に蓄
えられ、供給ローラ8を介して現像ローラ9に供給され
る。現像ローラ9に供給されたトナーは、トナー層厚規
制ブレード5によって薄層にされ、感光ドラム11に供
給される。なお、5はトナ−規制ブレ−ド、6はトナ−
撹拌羽根、7はトナ−ボックス、8はトナ−供給ロ−ラ
を示す。
【0015】本ユニット30では、感光ドラム11と、
現像ローラ9とは、その回転軸を平行に、かつ接触幅a
が 0.1〜7.0mmの間で軸間を固定して組込まれる。感光
ドラム11と現像ローラ9とを所定のニップ幅で、軸間
を固定して組込むには、枠体に設ける両者の軸支孔を精
度良くあけるか、感光ドラム11側又は現像ローラ9側
に軸間を一定にする調整コロを軸方向両端に設け、コロ
が相手側に当接する位置で軸支部に固定するようにすれ
ばよい。
【0016】
【実施例1】ニトリル量33%の中高ニトリルNBR100重量
部をベースゴムとし、HAF カーボン40 重量部、酸化亜
鉛5重量部、酸化剤(DOP)5重量部、加硫剤、発泡剤と
して、 P,P´- オキシビスベンゼルサルフォニルヒドラ
ジン(表1の発泡剤-1) 及びその他の配合剤を表1のよ
うに配合し、オーブンロールで混練りして、素材ゴムを
得た。この素材ゴムをスクリュー式押出機にて混練りす
ると同時に外径12mm、内径 7.5mmのチューブ状に押出
し、長さ約 275mmにカットして円筒ロール素材を得た。
凝集物をミルで解砕した平均粒子径5.4μm の酸化チ
タンを粉体槽に入れ、その中で回転する2本のスポンジ
ローラの間に円筒状素材を配し、スポンジローラ外周に
吸着保持した酸化チタン粒子を円筒状素材の外周に付着
させた。外径7mm、長さ 320mmで、両端を軸支するため
に精密加工し、片端を駆動ギアを嵌合するためのD形加
工をしたステンレス製の回転軸に接着剤を塗布して準備
し、外径面に酸化チタンを付着させた上記円筒状ローラ
素材の内径に挿通した。これを内径が16mmの鋼製の円
筒からなる中型に入れ、回転軸の両端をシール型の中心
孔に通し、シール型を中型の両端にテーパ嵌合して型組
を完了した。金型全体を150℃に加熱することによ
り、ローラ素材を発泡加硫させ(発泡倍率:200
%)、冷却後成形体を金型から取り出し、発泡部の両端
をカットし、発泡部の長さが270mmの本発明の現像ロ
ーラを得た。この現像ローラの外径面に押し当て測定し
たJIS A硬度(荷重1kg)は18、サーフテスタで
測定した表面粗さRz は、8.6μm であった。得られ
た現像ローラの両端軸部に樹脂製の軸間設定コロを取付
け、感光体、現像装置、クリーニング装置等を一体化し
た一体型画像形成ユニットに、ニップ幅が2.0mmにな
るように配し、軸支部を固定した。この一体型画像形成
ユニットをレーザビームプリンタに取付け、数平均粒子
径8μm のトナーを用いて、初期および30,000枚ランニ
ング後の反転現像によるハーフトーン、黒ベタ及び細線
等の画像出しを行い、目視で画像評価を行った。結果を
表1に示す。
【0017】
【実施例2】EPDMをベースゴムとし、パラフィン系
プロセスオイルを軟化剤として円筒状ローラ素材を得、
これに平均粒子径8.1似μmの酸化マグネシウムをエ
タノールに分散させた液を調製し、円筒状素材の外周に
塗布、乾燥して付着させた以外、実施例1と同様にし
て、JlS A硬度20、表面粗さRz10.6μmの本
発明の現像ローラを得た。この現像ローラを実施例1と
同様に一体型画像形成ユニットに組込み、画像評価を行
った。結果を表1に示す。
【0018】
【比較例1】円筒状ローラ素材に無機粒子を付着させな
かった以外は、実施例1と同様にして、JlS A硬度
19、表面粗さRz3.2μmの現像ローラを得、画像評
価を行った。結果を表1に示す。
【0019】
【比較例2】外径面をパフがけして表面粗さ22.3μ
mとした以外、実施例1と同様にして、JlS- A硬度
20の現像ローラを得、画像評価を行った。結果を表1
に示す。
【0020】
【比較例3】無機粒子の酸化マグネシウムを付着させな
かった以外、実施例2と同様にして、JlS A硬度1
9、表面粗さRz3.7μmの現像ローラを得、画像評価
を行った。結果を表1に示す。
【0021】
【比較例4】実施例2のEPDM系の配合において、カ
−ボンブラックを30部に代えて40部、粒径8.1μ
mの二酸化マグネシウムに代えて粒径0.2μmの二酸
化チタンのものを使用した以外は実施例2と同様に発泡
ゴムロ−ラを作製した。結果を表1に示す。
【0022】
【比較例5】比較例3において、粒径0.2μmの二酸
化チタンに代えて粒径11.3μmの二酸化マグネシウ
ムを使用した以外は、比較例3と同様に発泡ゴムロ−ラ
を作製した。結果を表1に示す。
【0023】結果の考察;以上の実施例及び比較例の結
果は、本発明の上記した構成を採用することにより、本
発明の各種の効果が顕著に奏されることを実証してい
る。すなわち、導電弾性層がJIS-A 硬度5〜25°の発泡
体からなり、表面近傍に無機化合物粒子を含有している
現像ロ−ラを使用した実施例では、モ−タ−駆動は常に
安定し画像濃度も均一で、常に良好な画像が得られ、長
期使用後も画像は安定していた。一方、表面近傍に無機
化合物粒子を含有していない現像ロ−ラを使用した比較
例では、良好な画像は得られ難く、長期使用後は画像は
不安定になる傾向が顕著であった。
【0024】
【発明の効果】本発明の現像ロ−ラは、JIS-A硬度5〜
25の発泡体で導電弾性層を形成しているので、変形追
従性に優れるから、一成分現像方式を用いたオ−ルイン
ワンカ−トリッジにおいて、軸間固定で必要な接触幅を
とっても、駆動トルクの上昇が小さく、回転むら(ジッ
タ)や駆動ギアの損傷を引き起こすことがない。また、
表面近傍に無機粒子を分散含有させて、現像ロ−ラの表
面粗度を改質し、トナ−搬送性やトナ−帯電性という現
像ロ−ラの基本機能を改良して、画像濃度を均一、かつ
安定にするので、複写画質を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像ロ−ラの断面図を示す。
【図2】実施例1における無機粒子の付着方法を示す。
【図3】無機粒子を付着した円筒状素材を加硫・発泡用
金型に装填した図を示す。
【図4】本発明にかかる現像ロ−ラを組み込んだオ−ル
インワンタイプ電子写真装置の構造を示す模式図を示
す。
【図5】従来の電子写真装置の構造を表わす模式図を示
す。
【符号の説明】
1;回転軸 2;導電弾性層(発泡ゴム体) 3;無機化合物粒子 4;帯電ロ−ラ 5;トナ−規制ブレ−ド 6;トナ−撹拌羽根 7;トナ−ボックス 8;トナ−供給ロ−ラ 9;現像ロ−ラ 10;転写ロ−ラ 11;感光体ドラム 12;クリ−ニングブレ−ド 13;除電 14;露光 22;円筒状素材 23;スポンジローラ(無機粒子担持体) 24;円筒状中型 25;円板状シ−ル型 26;円板状シ−ル型
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月19日(2000.10.
19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 現像ロ−ラ及びその製造方法並びにそ
れを用いた一体型画像形成装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置や静
電写真装置に使用される現像ロ−ラ及びその製造方法並
びにそれを用いた一体型画像形成ユニットに関し、特に
感光体と現像装置等の周辺装置が一体となった一体型画
像形成ユニット(オ−ルインワンカ−トリッジ、プロセ
スカートリッジ等と言われている)に使用される現像ロ
−ラ及びその製造方法並びに一体型画像形成ユニットに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真装置における画像形成プ
ロセスとしては、図5に示すように、感光体の周囲に、
帯電部、現像部、転写部及びクリーニング部等が、個々
にユニット化して配置されたものが用いられてきた。図
5において感光ドラム11は、矢印の方向にギヤ等の駆
動手段により回転されながら、帯電部で帯電ローラ4に
よって一様に帯電され、露光部14で被複写体又は電送
情報によって露光されて静電潜像が形成される。現像部
では現像ローラ9から供給されるトナーによって感光ド
ラム上にトナー像を形成し、転写部で転写ローラ10と
の間に供給される記録紙(図示せず)等に転写され、転
写像は適宜の定着部で定着される。トナー像転写後、感
光ドラム11は、表面に残留するトナーをクリーニング
ブレード12等で除去され、除電されて再び帯電部へ移
り、次の複写に供される。またトナーは、トナーボック
50に入れられ、撹拌羽根6によって撹拌され、供給ロ
ーラ8を介して現像ローラ9に供給される。現像ローラ
9上の余分のトナーは、トナー規制ブレード5で規制さ
れ均一の厚さにされる。
【0003】近年、電子写真方式を用いたプリンタ、フ
ァクシミリ、複写機においては、パーソナルコース、デ
スクトップパブリッシング等の用途への適用及びカラー
化への対応のため、現像装置のコンパクト化が切望さ
れ、非磁性一成分トナーを用い、回転軸の外周に導電弾
性層を形成した現像ロールを感光体に圧接して現像する
方式が、現像ロールの小径化や装置の簡素化によりコン
パクト化が図れるので注目を浴びている。特にフルカラ
ー化の場合、3原色+黒で4つの現像装置を要するので
コンパクト化の効果が大きい。また、上記用途への展開
においては、メンテナンスの簡素化の要望が強くなって
おり、感光体を中心として、従来周辺に配置していた各
装置を一体化し、コンパクト化と同時に、一体化したユ
ニット毎に取替えてメンテナンスを簡素化しようとする
動きが急速に高まっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】感光体の周囲の部材を
一体化する場合、安定したトナー像を形成するために
は、感光体と現像ローラの接触状態を均一かつ安定化さ
せることが肝要であるため、両者を回転軸の軸間距離を
固定して組込むことが行なわれるようになった。従来、
この種の現像装置に用いられてきた回転軸の外周にゴム
ソリッド体の導電弾性層を設けた現像ローラでは、軸間
距離を固定して感光体との必要な接触幅をとろうとする
と、それにともなって回転トルクが大幅にアップし、感
光体及び現像ローラの回転が不安定になり、ジッタと称
する画像むらが生じたり、感光体及び現像ローラの駆動
部材である樹脂製ギヤが歯飛びするといった問題が生じ
ていた。 また、感光体との必要な接触幅を取り、かつ
回転トルクの大幅なアップを抑えるためには、ゴムソリ
ッド体に多量の軟化剤(又は可塑剤)を添加して超低硬
度にすることが必要で、従来にも増して現像ローラから
軟化剤の滲み出しによる感光体汚染が問題になってい
た。
【0005】これらの問題への対応として、少量の軟化
剤を用いて、感光体汚染を少なくでき、変形しやすく、
しかも変形復元性にすぐれた発泡ゴムを導電弾性層に用
いた現像ローラも用いられてきている。しかし、発泡ゴ
ムを用いた現像ローラの場合、層厚規制ブレードで薄層
化したトナーを担持し搬送するため、外径面を粗くしよ
うとしても、型面を粗くした円筒金型を用いて発泡させ
た場合には、発泡ゴムの外周面が金型内径面にくい込ん
でしまい、脱型時にその部分が欠けたり、外径面に皮む
け部ができたりし、割金型を用いて発泡させた場合に
は、金型割面のバリが発生して、そのままでは現像ロー
ラとして使用できない状態になるという問題があり、得
られた発泡ゴムの外周面を整えるため研磨しようとして
も、硬度が低いため全長、全周にわたり均一かつ必要な
粗さにすることは困難であった。本発明は、上記現像ロ
ーラの問題点を解決するため、発泡後の脱型が容易にで
き、感光体と軸間固定で必要な接触幅をとっても回転む
らや駆動ギアの損傷を引き起こさず、しかもトナーを担
持するのに必要な表面粗さを有する現像ローラ及びその
製造方法並びにそれを用いた一体型画像形成ユニットを
提供しようとするものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明では、下記の構成
をとることによって、上記問題を解決した。第1に、本
発明の現像ロ−ラは、回転軸の外周に導電弾性層を同心
に設けた現像ロ−ラにおいて、導電弾性層がJIS-A 硬度
5〜25°の発泡体からなり、外周近傍に無機化合物粒子
を含有することを特徴とする。第2に、本発明の現像ロ
−ラは、無機化合物粒子が、酸化チタンと酸化マグネシ
ウムと炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウムの1種以上
からなり、平均粒子径が0.3 〜10.0μmのものであるこ
とを特徴とする。第3に、本発明の担持するトナ−の平
均粒子径tに対する現像ロ−ラ外周面の表面粗さRzが
1/2 t〜2tであることを特徴とする。
【0007】第4に、本発明の現像ロ−ラは、ベ−スゴ
ムに配合剤を混練り分散させた素材ゴムによって、内径
が回転軸の外径と同一又は若干大きく、かつ外径がロ−
ラ最終外径より若干小さい円筒状素材を形成し、この円
筒状素材の外周に無機化合物粒子を付着させた後、ロ−
ラ最終外径に略等しい内径を有する円筒状外型と、その
両端に嵌合するシ−ル型からなる金型に、回転軸を挿通
した円筒状素材を回転軸両端をシ−ル型に固定して装填
し、金型全体を加熱することによって、円筒状素材を発
泡と同時に加硫して導電弾性層を形成することによって
製造する。第5に、本発明の上記製造方法は、解砕した
無機化合物の粒子を保持した担持体を円筒状素材の外周
に接触させて、無機化合物粒子を円筒状素材の外周に付
着させることを特徴とする。第6に、本発明の上記製造
方法は、無機化合物を揮発性液体に分散させた液状体
を、円筒状素材の外周に塗布し乾燥させて、無機化合物
粒子を円筒状素材の外周に付着させることを特徴とす
る。
【0008】第7は、本発明の上記現像ロ−ラを使用す
ることによって、感光体の周囲に少なくとも現像部を一
体に設けた一体型画像形成ユニットにおいて、感光体と
現像ロ−ラが接触幅を0.1 〜7mmで軸間距離を固定し
て組み込まれた一体型画像形成ユニットを得ることを特
徴とするものである。本発明で、JlS A硬度5〜2
5の発泡ゴムを用いるのは、必要な接触幅で感光体と圧
接しても、変形に対し追従し、変形復元性にも優れ、し
かも回転トルクの上昇をきたさないためである。また、
発泡ゴムの外周面近傍に無機化合物の粒子を含有させた
のは、発泡ゴムに対して害を及ぼさずに必要な表面粗さ
が得られやすいからである。ここで近傍とは、含有する
無機粒子による凹凸が表面に影響するレベルであり、外
周面から内部に0〜0.5mm程度の深さを意味する。
【0009】また、無機化合物の中で特に、酸化チタ
ン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム及び炭酸カル
シウムから選ばれる1種または2以上の混合物を用いる
ことが好ましいのは、平均粒子径が0.3〜10μmの
ものが容易に得られ、ゴムベースヘ分散し易いためであ
る。上記の現像ローラの外周面粗さRzは、担持するト
ナーの平均粒子径tに対し、1/2t〜2tの間にする
のが好ましい。こうすることにより、トナーの搬送性に
優れたローラ外周面が得られる。本発明の現像ローラ
は、先ずベースゴムに配合剤を混練り分散させた素材ゴ
ムによって、内径が回転軸の外径と同一又は若干大き
く、かつ外径が現像ロ−ラの最終外径より小さい円筒状
素材を予め形成しておき、この円筒状素材の外周に無機
化合物粒子を付着させた後、回転軸を挿通し、円筒状型
と回転軸をシールして保持する円板状シール型からなる
金型に装填し、加熱して発泡と同時に加硫させて製造す
る。この方法によれば、金型よりの脱型時に凹凸を有す
る発泡ゴムの外周面を破損させることがないので好まし
い製造方法と言える。また、円筒状素材に無機化合物粒
子を均一に付着させるには、解砕した無機化合物の粒子
を保持させた担持体を円筒状素材の外周に接触させる
か、予め無機化合物粒子を揮発性液体に分散させた液状
体を、円筒状素材の外周に塗布・乾燥させるのが、付着
むらが少ないので好ましい。
【0010】本発明の一体型画像形成ユニットは、上記
した構成及び製造方法で得られた現像ローラを用いて、
感光体と現像ローラが接触輻を0.1〜7mmで、両者の
軸間距離を固定して組み込まれていることを特徴とす
る。こうすることで、現像ローラの外周にトナーが滑り
落ちることなく、薄層で担持・搬送され、感光体と確実
かつ均一に接触するので、静電潜像が忠実に可視像化さ
れる。また、回転トルクの上昇による回転むらを生じ
ず、それらに基づく画像むら(ジッタ)や駆動ギアの破
損が生じないという利点がある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を詳細
に説明するが、本発明の構成はこれらに限定されるもの
ではない。図1は、本発明の現像ロ−ラの断面図、図2
は本発明にかかる無機化合物の粒子を円筒状素材の外周
に付着させる方法の一例を示す図、図3は本発明にかか
る外周に無機化合物の粒子を付着し円筒状素材を加硫、
発泡のため金型に装填した状態を示す図、図4は本発明
にかかる現像ロ−ラを組み込んだオ−ルインワンタイプ
電子写真装置の構造を示す模式図、図5は従来の電子写
真装置の構造を示す模式図である。本発明の現像ロ−ラ
9は、図1及び図2に示すように回転軸1の外周に導電
性を有する発泡ゴム(導電弾性)層2を同心に形成する
と同時に外周表面近傍に無機化合物を含有させたもので
ある。発泡ゴム層2を構成する素材ゴムは、べースゴム
と、これと同材質の液状ゴムやジオクチルフタレート
(DOP)や菜種油などの軟化剤と、カーボンブラック
などの導電性付与剤、酸化亜鉛などの充填剤、加硫剤及
び発泡剤などを後述する表1の割合で混合し、混練りし
たものである。
【0012】本発明に用いるべースゴムとしては、感光
ドラム周辺でオゾンが発生し、オゾン雰囲気下で現像ロ
ーラが使用されることを考慮して、クロロブレンゴム、
アクリロニトリルブタジェンゴム、エチレンプロピレン
ゴム、ポリウレタンゴムなどが好ましく、軟化剤として
は、DOPや菜種油の他、上記ベースゴムと同じゴム種
の液状ゴムが好ましく用いられる。次に前記素材ゴムを
押出機にかけ、回転軸1の外径と等しいか若千大きい内
径と現像ローラ9の最終外径より小さい外径のチューブ
を作り、必要長さにカットし、円筒状ロール素材22を
形成する。次いで、予め凝集分を解砕して調製した酸化
チタン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム及び炭酸
カルシウムの中の1種以上からなり、平均粒子径が0.
3〜10μmの無機化合物の粒子をスポンジローラやブ
ラシ等の担持体に保持させ、この担持体を円筒状素材の
外周に接触させて、無機粒子3を付着させるか、エタノ
ール、メタノール等のアルコール類、メチルエチルケト
ン、フロン113などの揮発性液体に前記無機化合物粒
子を分散させた液状体を用いて、上記で得られた円筒状
ローラ素材22の外周面に刷毛塗りや浸漬により塗布す
る。乾燥後に外周面に無機粒子3を付着した円筒状ロー
ラ素材を得る。
【0013】上記工程で得られた外周面に無機粒子3を
付着した円筒状ロ−ラ素材を金型を用いて発泡、加硫成
型する。図3に示すように外周面に無機粒子3を付着し
た円筒状ロール素材22を装填した金型によって、ゴム
素材は加熱され、加硫発泡される。円筒状ロール素材2
2の内部に回転軸1を挿通し、成形用金型に装填され
る。成形用金型は、現像用ローラ9の最終外径に略等し
い内径を有する円筒状中型24と、円板状シール型2
5、26とから構成される。円筒状ロ−ラ素材の導電弾
性層は発泡するとき、外周面に付着した無機粒子は円筒
状金型24の内面に押しつけられ、ロ−ラの表面近傍に
取り込まれる。円筒状金型24の内面には、面荒し加工
等を施していないので、冷却後金型から成形体を取り出
す際、発泡ゴムの表面層が欠けたり、むしり取られるこ
とがない。このようにして、表面近傍に無機粒子を含有
し、JIS A硬度5〜25の導電弾性層を有する現像
ローラが得られる。
【0014】図4は、前記現像ローラ9を組込んだ一体
型画像形成ユニット30の断面図である。感光ドラム1
1は、矢印方向に回転駆動される。感光ドラム11に
は、13で除電後、帯電ローラ4が接触し、一様に帯電
される。帯電した感光ドラム11が14の露光域で電光
又はデータインされると、静電潜像が感光ドラム11の
外周上に形成され、現像ローラ9から供給されるトナー
によって現像される。トナー像は、感光ドラム11と転
写ローラ10との間に供給される紙などの記録材(図示
せず)に転写され、転写像が適宜の定着手段によって定
着される。感光ドラム11は、転写後、クリーニングブ
レード12で残存トナーを除去され、次の画像形成に供
給される。本発明の一体型画像形成ユニット30には、
通常、非磁性一成分トナーが用いられる。トナーは、本
ユニット30に一体に形成されたトナーボックス7に蓄
えられ、供給ローラ8を介して現像ローラ9に供給され
る。現像ローラ9に供給されたトナーは、トナー層厚規
制ブレード5によって薄層にされ、感光ドラム11に供
給される。なお、5はトナ−規制ブレ−ド、6はトナ−
撹拌羽根、7はトナ−ボックス、8はトナ−供給ロ−ラ
を示す。
【0015】本ユニット30では、感光ドラム11と、
現像ローラ9とは、その回転軸を平行に、かつ接触幅a
が 0.1〜7.0mmの間で軸間を固定して組込まれる。感光
ドラム11と現像ローラ9とを所定のニップ幅で、軸間
を固定して組込むには、枠体に設ける両者の軸支孔を精
度良くあけるか、感光ドラム11側又は現像ローラ9側
に軸間を一定にする調整コロを軸方向両端に設け、コロ
が相手側に当接する位置で軸支部に固定するようにすれ
ばよい。
【0016】
【実施例1】ニトリル量33%の中高ニトリルNBR100重量
部をベースゴムとし、HAF カーボン40 重量部、酸化亜
鉛5重量部、酸化剤(DOP)5重量部、加硫剤、発泡剤と
して、 P,P´- オキシビスベンゼルサルフォニルヒドラ
ジン(表1の発泡剤-1) 及びその他の配合剤を表1のよ
うに配合し、オーブンロールで混練りして、素材ゴムを
得た。この素材ゴムをスクリュー式押出機にて混練りす
ると同時に外径12mm、内径 7.5mmのチューブ状に押出
し、長さ約 275mmにカットして円筒ロール素材を得た。
凝集物をミルで解砕した平均粒子径5.4μm の酸化チ
タンを粉体槽に入れ、その中で回転する2本のスポンジ
ローラの間に円筒状素材を配し、スポンジローラ外周に
吸着保持した酸化チタン粒子を円筒状素材の外周に付着
させた。外径7mm、長さ 320mmで、両端を軸支するため
に精密加工し、片端を駆動ギアを嵌合するためのD形加
工をしたステンレス製の回転軸に接着剤を塗布して準備
し、外径面に酸化チタンを付着させた上記円筒状ローラ
素材の内径に挿通した。これを内径が16mmの鋼製の円
筒からなる中型に入れ、回転軸の両端をシール型の中心
孔に通し、シール型を中型の両端にテーパ嵌合して型組
を完了した。金型全体を150℃に加熱することによ
り、ローラ素材を発泡加硫させ(発泡倍率:200
%)、冷却後成形体を金型から取り出し、発泡部の両端
をカットし、発泡部の長さが270mmの本発明の現像ロ
ーラを得た。この現像ローラの外径面に押し当て測定し
たJIS A硬度(荷重1kg)は18、サーフテスタで
測定した表面粗さRz は、8.6μm であった。得られ
た現像ローラの両端軸部に樹脂製の軸間設定コロを取付
け、感光体、現像装置、クリーニング装置等を一体化し
た一体型画像形成ユニットに、ニップ幅が2.0mmにな
るように配し、軸支部を固定した。この一体型画像形成
ユニットをレーザビームプリンタに取付け、数平均粒子
径8μm のトナーを用いて、初期および30,000枚ランニ
ング後の反転現像によるハーフトーン、黒ベタ及び細線
等の画像出しを行い、目視で画像評価を行った。結果を
表1に示す。
【0017】
【実施例2】EPDMをベースゴムとし、パラフィン系
プロセスオイルを軟化剤として円筒状ローラ素材を得、
これに平均粒子径8.1似μmの酸化マグネシウムをエ
タノールに分散させた液を調製し、円筒状素材の外周に
塗布、乾燥して付着させた以外、実施例1と同様にし
て、JlS A硬度20、表面粗さRz10.6μmの本
発明の現像ローラを得た。この現像ローラを実施例1と
同様に一体型画像形成ユニットに組込み、画像評価を行
った。結果を表1に示す。
【0018】
【比較例1】円筒状ローラ素材に無機粒子を付着させな
かった以外は、実施例1と同様にして、JlS A硬度
19、表面粗さRz3.2μmの現像ローラを得、画像評
価を行った。結果を表1に示す。
【0019】
【比較例2】外径面をパフがけして表面粗さ22.3μ
mとした以外、実施例1と同様にして、JlS- A硬度
20の現像ローラを得、画像評価を行った。結果を表1
に示す。
【0020】
【比較例3】無機粒子の酸化マグネシウムを付着させな
かった以外、実施例2と同様にして、JlS A硬度1
9、表面粗さRz3.7μmの現像ローラを得、画像評価
を行った。結果を表1に示す。
【0021】
【比較例4】実施例2のEPDM系の配合において、カ
−ボンブラックを30部に代えて40部、粒径8.1μ
mの二酸化マグネシウムに代えて粒径0.2μmの二酸
化チタンのものを使用した以外は実施例2と同様に発泡
ゴムロ−ラを作製した。結果を表1に示す。
【0022】
【比較例5】比較例3において、粒径0.2μmの二酸
化チタンに代えて粒径11.3μmの二酸化マグネシウ
ムを使用した以外は、比較例3と同様に発泡ゴムロ−ラ
を作製した。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】結果の考察;以上の実施例及び比較例の結
果は、本発明の上記した構成を採用することにより、本
発明の各種の効果が顕著に奏されることを実証してい
る。すなわち、導電弾性層がJIS-A 硬度5〜25°の発泡
体からなり、表面近傍に無機化合物粒子を含有している
現像ロ−ラを使用した実施例では、モ−タ−駆動は常に
安定し画像濃度も均一で、常に良好な画像が得られ、長
期使用後も画像は安定していた。一方、表面近傍に無機
化合物粒子を含有していない現像ロ−ラを使用した比較
例では、良好な画像は得られ難く、長期使用後は画像は
不安定になる傾向が顕著であった。
【0025】
【発明の効果】本発明の現像ロ−ラは、JIS-A硬度5〜
25の発泡体で導電弾性層を形成しているので、変形追
従性に優れるから、一成分現像方式を用いたオ−ルイン
ワンカ−トリッジにおいて、軸間固定で必要な接触幅を
とっても、駆動トルクの上昇が小さく、回転むら(ジッ
タ)や駆動ギアの損傷を引き起こすことがない。また、
表面近傍に無機粒子を分散含有させて、現像ロ−ラの表
面粗度を改質し、トナ−搬送性やトナ−帯電性という現
像ロ−ラの基本機能を改良して、画像濃度を均一、かつ
安定にするので、複写画質を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像ロ−ラの断面図
【図2】実施例1における無機粒子の付着方法
【図3】無機粒子を付着した円筒状素材を加硫・発泡用
金型に装填した図
【図4】本発明にかかる現像ロ−ラを組み込んだオ−ル
インワンタイプ電子写真装置の構造を示す模式図
【図5】従来の電子写真装置の構造を表わす模式図
【符号の説明】 1;回転軸 2;導電弾性層(発泡ゴム体) 3;無機化合物粒子 4;帯電ロ−ラ 5;トナ−規制ブレ−ド 6;トナ−撹拌羽根 7;トナ−ボックス 8;トナ−供給ロ−ラ 9;現像ロ−ラ 10;転写ロ−ラ 11;感光体ドラム 12;クリ−ニングブレ−ド 13;除電 14;露光 22;円筒状素材 23;スポンジローラ(無機粒子担持体) 24;円筒状中型 25;円板状シ−ル型 26;円板状シ−ル型

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸の外周に導電弾性層を同心に設け
    た現像ロ−ラにおいて、導電弾性層がJIS-A 硬度5〜25
    °の発泡体からなり、外周近傍に無機化合物粒子を含有
    していることを特徴とする現像ロ−ラ。
  2. 【請求項2】 無機化合物粒子が、酸化チタンと酸化マ
    グネシウムと炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウムの1
    種以上からなり、平均粒子径が0.3 〜10.0μmのもので
    ある、請求項1に記載の現像ロ−ラ。
  3. 【請求項3】 担持するトナ−の平均粒子径tに対する
    現像ロ−ラ外周面の表面粗さRzが1/2 t〜2tであ
    る、請求項1又は2に記載の現像ロ−ラ。
  4. 【請求項4】 ベ−スゴムに配合剤を混練り分散させた
    素材ゴムによって、内径が回転軸の外径と同一又は若干
    大きく、かつ外径がロ−ラ最終外径より若干小さい円筒
    状素材を形成し、この円筒状素材の外周に無機化合物粒
    子を付着させた後、ロ−ラ最終外径に略等しい内径を有
    する円筒状外型と、その両端に嵌合するシ−ル型からな
    る金型に、回転軸を挿通した円筒状素材を回転軸両端を
    シ−ル型に固定して装填し、金型全体を加熱することに
    よって、円筒状素材を発泡と同時に加硫して導電弾性層
    を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の現像ロ−ラの製造方法。
  5. 【請求項5】 解砕した無機化合物の粒子を保持した担
    持体を円筒状素材の外周に接触させて、無機化合物粒子
    を円筒状素材の外周に付着させる請求項4に記載の現像
    ローラの製造方法。
  6. 【請求項6】 無機化合物を揮発性液体に分散させた液
    状体を、円筒状素材の外周に塗布し乾燥させて、無機化
    合物粒子を円筒状素材の外周に付着させる請求項4に記
    載の現像ロ−ラの製造方法。
  7. 【請求項7】 感光体の周囲に少なくとも現像部を一体
    に設けた一体型画像形成ユニットにおいて、感光体と現
    像ロ−ラが接触幅を0.1 〜7mmで軸間距離を固定して
    組み込まれ、現像ロ−ラが請求項1ないし3のいずれか
    に記載の現像ロ−ラであることを特徴とする一体型画像
    形成ユニット。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005024611A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Ricoh Co Ltd 現像装置、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2009168950A (ja) * 2008-01-11 2009-07-30 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴムロール及びゴムロールの製造方法

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