JP2012014065A - トナー搬送ローラおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ローラ本体が硬くなったり硬さ等がばらついたりせず、また必要最小限の無機フィラーを使用して前記ローラ本体の外周面にできるだけ多くの無機フィラーを露出させた状態で固着できるためトナー等の付着性が低く現像効率に優れるとともに、画像形成装置に使用した際に前記の性能を使用初期から長期間に亘って維持できるトナー搬送ローラと、その製造方法とを提供する。
【解決手段】ゴム組成物の架橋物からなるローラ本体2の外周面5に、無機フィラーを、前記外周面の単位面積あたり0.01mg/cm以上、100mg/cm以下の目付量で付着させた状態で、前記ローラ本体を回転させながら研磨布紙6を圧接させて前記外周面を研磨する処理をすることにより、前記多数の無機フィラーを、それぞれその一部を前記外周面に露出させた状態で前記架橋物中に埋め込んで固着させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばレーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置において、現像ローラ等として用いられるトナー搬送ローラに関するものである。
電子写真法を利用した前記各種の画像形成装置においては、高速化、高画質化、カラー化、小型化といった要求に対応するために種々の改良が進んでいる。
これらの改良において鍵となるのがトナーである。すなわち、前記種々の要求を満足するために必要となるのが、トナーの微細化、トナー粒径の均一化、およびトナー形状の球形化である。
トナーの微細化については、平均粒径が10μm以下、さらには5μm以下といった微細なトナーが開発されるに至っている。またトナー形状の球形化については、真球度が99%を上回るトナーが開発されている。
さらに形成画像のより一層の高画質化を求めて、従来の粉砕トナーに代えて、重合トナーが主流となりつつある。かかる重合トナーは、特にデジタル情報を画像形成する際にドットの再現性が非常によく、高画質な画像が得られるという利点がある。
画像形成装置において、帯電させたトナーを感光体の表面に搬送して、前記表面に形成された静電潜像をトナー像に現像するための現像ローラ等のトナー搬送ローラとしては、例えば基材ゴムにカーボン等の導電性付与剤を配合した半導電性ゴム組成物の架橋物からなるローラ本体を備えるとともに、前記ローラ本体の中心に金属等からなるシャフトを挿通したものが一般的に用いられる。
中でも、先に説明したトナーの微細化、均一化、および球形化や、あるいは重合トナーへの移行に対応して、トナーに高い帯電性を付与できる上、トナーを外周面に付着させることなく効率的に感光体表面に搬送させるために、前記トナー搬送ローラとしては、そのローラ抵抗が10Ω以下に調整されたものを用いるのが有効である。
トナー搬送ローラには、前記の特性を製品の使用寿命の最後まで維持させることが求められる。しかし現行品は、かかる要求に十分に対応できる耐久性を有していないのが現状である。
そこで前記要求に対応するため、例えば特許文献1においては、基材ゴムとしてのゴムの種類やカーボンの種類等を調整して製造初期のトナー搬送ローラに極めて高い帯電性を付与することにより、初期の性能(初期画像の画質の向上)と、その後の性能の維持(耐久性)との両立を目指している。
しかし発明者の検討によると、特許文献1の構成では、初期画像の画質のみの向上、あるいは耐久性のみの向上はきわめて高いレベルで実現可能であるが、両者を両立させることは困難である。
特許文献2には、基材ゴムとして電気特性が均一なイオン導電性ゴムを用いるとともに、誘電正接調整用の充填剤を配合した半導電性ゴム組成物からなり、誘電正接を0.1〜1.5としたローラ本体を備えたトナー搬送ローラが記載されている。
前記イオン導電性ゴムとしては、エピクロルヒドリンゴムに代表される、分子中に塩素原子を含むゴムや、あるいは共重合成分としてイオン導電性を示すエチレンオキサイドモノマーを含むゴムが使用される。
しかし前者の、塩素原子を含むゴムは一般に表面自由エネルギーが高いため、トナー搬送ローラの外周面における、トナーや、あるいは前記トナーの流動性や帯電性を改善するために添加されるシリカ等のトナー外添剤の付着性が高くなる傾向がある。また後者のゴムの場合も表面自由エネルギーが上昇して、前記外周面における、前記トナー等の付着性が高くなる傾向がある。
さらに特許文献2では、ローラ本体の外周面に、紫外線照射やオゾン曝露によって酸化膜を形成しているが、その場合には前記外周面近傍の酸素濃度が高くなるため表面自由エネルギーが上昇して、さらにトナー搬送ローラの外周面における、トナー等の付着性が高くなる傾向がある。
加えて、誘電正接を前記範囲内に調整した場合には、トナーの帯電性を向上してトナーの搬送量を低減できるため、ハーフトーン画像などの高画質な画像を形成することができるが、一方で外周面におけるトナーの積層量が少なくなるため、トナー搬送ローラの外周面における、トナー等の付着性がさらに高くなるおそれもある。
前記外周面へのトナー等の付着は、ごく初期の画像や連続的に形成した画像にはあまり影響を及ぼさないが、例えば下記(a)〜(d)のいずれかの条件で画像形成した場合に、その影響を無視できなくなる。
例えば、通常帯電されたトナーは静電気力(クーロン力)により逆の電荷を持つ感光体に搬送されるが、前記のようにトナー搬送ローラの外周面における、トナー等の付着性が高すぎる場合には、前記静電気力によるトナーの搬送が妨げられるため、トナーの帯電量は変わらないにも拘らず、下記(a)〜(d)のいずれかの条件で画像形成した場合に画像濃度が低下する、すなわちトナーの現像効率が低下するという問題を生じる。
(a) 画像形成を程よく実施してトナーが現像ローラに比較的なじんだ時点、例えば1%濃度の画像を2000枚程度、画像形成した時点でさらに画像形成する場合。
(b) トナーの平均粒径が8μm以下、特に6μm以下である場合。
(c) 連続的に画像形成せず、例えば一日停止して翌日に画像形成する場合。
(d) トナーの帯電量が比較的高くなる低温低湿環境下で画像形成する場合。
前記現像効率の低下は、高速化により、トナー搬送ローラの回転速度が例えば20rpm以上に設定される画像形成装置において特に生じやすい。
しかも現像効率が低下すると、現像によって消費されずにトナーボックス内を繰り返し循環するトナーが多くなり、その劣化が進んでトナーの帯電量の低下が早まるという問題も生じる。その結果、帯電量の低下によって形成画像に画像不良を生じやすくなる。
トナー搬送ローラの外周面に、酸化チタン、アルミナ、シリカ等の無機フィラーを付着させておくと、前記外周面における、トナー等の付着性を低下させて、トナーの現像効率を向上できることが知られている。
しかし、単にファンデルワールス力によって外周面に付着させただけでは無機フィラーが短期間で脱落して、前記機能が早期に失われてしまうという問題がある。特に、例えば印刷速度が約20ppm以上の高速のプリンタや、あるいは外径がおよそ15mm以下程度といった外周の曲率が大きいトナー搬送ローラを用いた小型のプリンタなど、トナー搬送ローラの外周面に高負荷がかかりやすい画像形成装置においてこの傾向が顕著である。
そこで無機フィラーを、如何にしてトナー搬送ローラの外周面に固着させるかが種々検討されている。
例えば特許文献3では、発泡剤を含む未架橋のゴム組成物をチューブ状に成形したのち、その外周面に無機フィラーを付着させた状態で、プレス加硫により、ゴム組成物を発泡させるとともに架橋させながら無機フィラーと一体化させることが提案されている。
しかしこの方法では、外周面に付着させた無機フィラーの多くが、プレス加硫時にゴムによって覆われてしまって、外周面において露出している無機フィラーの数が少なくなるため、前記無機フィラーによるトナー等の付着性を低下させる効果が十分に得られないという問題がある。
また、ローラ本体の表層部を均一な状態に仕上げるのが難しいため、特に外周面の硬さ等にばらつきを生じて形成画像に影響を生じるおそれもある。具体的には、プレス加硫をすることで、プレス内でのゴムの流動により、前記表層部において無機フィラーの分布等に方向性を生じやすい。
さらに、プレスの精度によっては架橋後の外周面を研磨する必要があるなど、プロセス面でも問題が多い。
特許文献4では、無機フィラーとしての酸化チタンを配合した未架橋のゴム組成物をチューブ状に成形し、架橋したのち研磨して、外周面の近傍の酸化チタンを、前記外周面において露出させることが提案されている。
しかしこの方法では、外周面においてできるだけ多くの無機フィラーを露出させようとすると、ゴム組成物中に多量の無機フィラーを含有させなければならないため、前記ゴム組成物を架橋させて得られるローラ本体が硬くなってしまい、形成画像に影響を生じるおそれがある。また、外周面に露出されない無機フィラーが多量に発生して材料の無駄を生じるという問題もある。
特開2006−99036号公報 特開2004−170854号公報 特開2001−34057号公報 特開2007−72445号公報
本発明の目的は、ローラ本体が硬くなったり、その硬さ等がばらついたりしない上、必要最小限の無機フィラーを使用して、なおかつ前記ローラ本体の外周面にできるだけ多くの無機フィラーを露出させた状態で固着させることができるためトナー等の付着性が低く、前記トナーの現像効率に優れているとともに、特に高負荷が加わる設定がされた画像形成装置に使用した場合でも、前記の性能を使用初期から長期間に亘って維持することができるトナー搬送ローラと、その製造方法とを提供することにある。
本発明は、少なくとも外周面がゴム組成物の架橋物からなるローラ本体を有するトナー搬送ローラであって、
前記架橋物からなるローラ本体の外周面に、酸化チタン、アルミナ、およびシリカからなる群より選ばれた少なくとも1種の無機フィラーを、外周面の単位面積あたり0.01mg/cm以上、100mg/cm以下の目付量で付着させた状態で、前記ローラ本体を回転させながら前記外周面に研磨布紙を圧接させて前記外周面を研磨する処理をすることにより、前記多数の無機フィラーが、それぞれその一部を前記外周面に露出させた状態で前記架橋物中に埋め込まれて固着されていることを特徴とするものである。
また本発明の製造方法は、
未架橋のゴム組成物をチューブ状に成形したのち架橋して、少なくとも外周面が前記ゴム組成物の架橋物からなるローラ本体を形成する工程と、
前記ローラ本体の外周面を研磨する工程と、
前記外周面に酸化チタン、アルミナ、およびシリカからなる群より選ばれた少なくとも1種の無機フィラーを、外周面の単位面積あたり0.01mg/cm以上、100mg/cm以下の目付量で付着させた状態で前記ローラ本体を回転させながら、前記外周面に研磨布紙を圧接させて前記外周面を研磨する処理をすることにより、前記多数の無機フィラーを、それぞれその一部を前記外周面に露出させた状態で前記架橋物中に埋め込んで固着させる工程と、
を含むことを特徴とするものである。
本発明においては、無機フィラーを含有させないゴム組成物を用いるとともに、外周面に無機フィラーを付着させる前に、前記ゴム組成物を架橋させてローラ本体を形成しているため、前記ローラ本体は柔軟で、しかも硬さ等にばらつきがなく均一である。
また前記のようにゴム組成物中には無機フィラーを含有させず、架橋後のローラ本体の外周面にのみ選択的に無機フィラーを付着させているため、前記無機フィラーの使用量を必要最小限に抑えることができる。
前記無機フィラーは、先に架橋させたローラ本体の外周面にあとから付着させた状態で、前記ローラ本体を回転させながら前記外周面に研磨布紙を圧接させて前記外周面を研磨する処理をすることにより、前記外周面を形成する架橋物中に埋め込まれて固着されるが、その際に、埋め込まれた無機フィラー上に覆いかぶさろうとする架橋物が前記研磨布紙の研磨機能によって除去される。
そのため、固着された無機フィラーの大部分において、その一部が外周面に露出される。
したがってトナー搬送ローラは、前記露出された無機フィラーの作用によってトナー等の付着性が低く、前記トナーの現像効率に優れたものとなる。また、特に高負荷が加わる設定がされた画像形成装置に使用した場合でも、前記の性能を使用初期から長期間に亘って維持することができる。
なお本発明において、前記外周面に付着させる無機フィラーの目付量が前記範囲内に限定されるのは、目付量を0.01mg/cm未満とするためのごく少量の無機フィラー、あるいは100mg/cmを超える範囲とするための多量の無機フィラーをローラ本体の外周面に均一に付着させることができないためである。
本発明によれば、ローラ本体が硬くなったり、その硬さ等がばらついたりしない上、必要最小限の無機フィラーを使用して、なおかつ前記ローラ本体の外周面にできるだけ多くの無機フィラーを露出させた状態で固着させることができるためトナー等の付着性が低く、前記トナーの現像効率に優れているとともに、特に高負荷が加わる設定がされた画像形成装置に使用した場合でも、前記の性能を使用初期から長期間に亘って維持することができるトナー搬送ローラと、その製造方法とを提供することができる。
本発明のトナー搬送ローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。 トナー搬送ローラの、ローラ本体の外周面に無機フィラーを固着させる処理の方法を説明する斜視図である。 トナー搬送ローラのローラ抵抗を測定する方法を説明する図である。
〈トナー搬送ローラ〉
図1は、本発明のトナー搬送ローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。
図1を参照して、この例のトナー搬送ローラ1は、その全体がゴム組成物の架橋物からなる円筒状のローラ本体2と、前記ローラ本体2の中心の通孔3に挿通されたシャフト4とを含んでいる。ローラ本体2の外周面5には、図示していないが多数の無機フィラーが、それぞれその一部を前記外周面に露出させた状態で前記架橋物中に埋め込まれて固着されている。
シャフト4は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属によって一体に形成される。ローラ本体2とシャフト4とは、例えば導電性を有する接着剤等により電気的に接合されると共に機械的に固定されて一体に回転される。
前記トナー搬送ローラ1は、例えばレーザープリンタ等の、電子写真法を利用した画像形成装置に組み込んで、帯電させたトナーを感光体の表面に搬送して前記表面に形成された静電潜像をトナー像に現像するための現像ローラ等として好適に使用することができる。
特に、非磁性1成分トナーを用いた画像形成装置の現像ローラとして好適に使用できる。またクリーニングローラ等として使用することもできる。
〈無機フィラーおよびその固着〉
ローラ本体2の外周面5に固着させる無機フィラーとしては、酸化チタン、アルミナ、およびシリカからなる群より選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
このうち酸化チタンが、電気的に中性に近いため、トナー搬送ローラの外周面の静電気的な特性を変化させることなく、トナー等の付着性のみを低減できる点で好ましい。
ただし、使用するトナーの種類等によっては、酸化チタンに代えてシリカやアルミナを使用してもよい。また前記3種の無機フィラーのうちの2種以上を併用することもできる。
無機フィラーの粒径は、トナー搬送ローラ1を使用して搬送するトナーの粒径よりも小さいことが、形成画像の画質に及ぼす影響をできるだけ小さくする上で有効であり、例えばその一次粒径が10μm以下であるのが好ましい。ただし無機フィラーの生産のしやすさやコスト、あるいはローラ本体2の外周面5に付着させる際等の取扱性、作業性等を向上することを考慮すると前記一次粒径は1nm以上であるのが好ましい。
また、前記各特性の兼ね合いを考慮すると、無機フィラーの一次粒径は、前記範囲内でも10nm以上、中でも50nm以上、特に50nm以上であるのが好ましく、5μm以下、中でも1000nm以下、特に500nm以下であるのが好ましい。
前記のうち酸化チタンとしては、特に限定されず公知のものを用いることができる。
例えば結晶型による分類では、例えばアナターゼ型、ルチル型、これらの混晶型、およびアモルファスの種々の酸化チタンがいずれも使用可能であり、特にルチル型の酸化チタンが好ましい。
また製造方法による分類では、例えば硫酸法、塩素法等によって得られる酸化チタンが使用可能である。また、チタンアルコキシド、チタンハライド、もしくはチタンアセチルアセトネート等の揮発性チタン化合物の低温酸化(熱分解、加水分解等)によって得られる酸化チタンを使用することもできる。
シリカとしては、やはり特に限定されず公知のものを用いることができる。またシリカとしては、トナーの特性に合わせた任意の表面処理(疎水処理や親水処理等)を施したものを用いてもよい。
アルミナとしては、これも特に限定されず公知のものを用いることができる。アルミナは熱伝導に優れるため、トナー搬送ローラ1の回転による他部材、例えばトナーの漏れを防止するためのシール部との摩擦によって生じる熱を、前記トナー搬送ローラ1と接触する部材や空気等を介して速やかに除去して、前記トナー搬送ローラ1が高温になるのを防ぐことができる。そのためトナーの溶着やシール部の劣化等を抑制することができる。
前記無機フィラーをローラ本体2の外周面5に固着させて図1の例のトナー搬送ローラ1を製造するためには、まず先に説明したように、その全体がゴム組成物の架橋物からなるローラ本体2を用意する。
前記ローラ本体2は、未架橋のゴム組成物をチューブ状に成形したのち架橋し、さらに必要に応じてその外周面5を研磨する等して得ることができる。
前記ローラ本体2は、無機フィラーを含有させないゴム組成物を用いるとともに、外周面に無機フィラーを付着させる前に、前記ゴム組成物を架橋させて形成される。そのため前記ローラ本体2は柔軟で、しかも硬さ等にばらつきがなく均一である。
また前記のようにゴム組成物中には無機フィラーを含有させず、架橋後のローラ本体2の外周面5にのみ次工程で選択的に無機フィラーを付着させるため、前記無機フィラーの使用量を必要最小限に抑えることができる。
前記外周面5は、表面粗さRzが2μm以上、15μm以下となるように研磨されているのが好ましい。なお表面粗さRzは、日本工業規格JIS B0601−1994に従って測定した値でもって表すこととする。
表面粗さRzが前記範囲内である外周面5は、例えば一般的な平均粒径4〜8μm程度のトナー(およそ2〜15μm程度の粒径分布を有する)を2〜4層程度積層した状態で搬送するのに適した凹凸を有するため、トナーの搬送性能に優れている。
しかし前記凹凸が小さいために個々のトナーが外周面から離れ難く、トナー等の付着性が高くなる傾向がある。
これに対し本発明によれば、前記表面粗さRzの範囲を満足する外周面5に、先に説明したように多数の無機フィラーを、それぞれその一部を外周面5に露出させた状態で埋め込んで固着させることによって前記付着性を相殺して、前記の良好な搬送性能を維持しながら、トナー等の付着性が低く、トナーの現像効率に優れたトナー搬送ローラ1を得ることが可能である。
次いで前記外周面5に、例えば下記いずれかの方法等によって多数の無機フィラーを着させる。
前記無機フィラーを水等と混合して塗工液を調製し、前記塗工液を、ローラ本体2の外周面5に塗工して乾燥させる。
ローラ本体2を前記塗工液に浸漬したのち引き上げて乾燥させる。
ローラ本体2を回転させながら、無機フィラーを前記ローラ本体2の外周面5に撒布し、次いで前記外周面5に圧接させた均し板によって付着厚みが均一になるように均しながら付着させる。
本発明において、前記外周面5に付着させる無機フィラーの目付量は0.01mg/cm以上、100mg/cm以下である必要がある。目付量を0.01mg/cm未満とするためのごく少量の無機フィラー、あるいは100mg/cmを超える範囲とするための多量の無機フィラーをローラ本体2の外周面5に均一に付着させることができないためである。
なお、前記無機フィラーによる、トナー等の付着性を低下させて、前記トナーの現像効率を高める効果をより一層向上することを考慮すると、前記目付量は、前記範囲内でも0.1mg/cm以上であるのが好ましい。また目付量を前記0.1mg/cm以上とすることにより、前記撒布および均しの工程を経て無機フィラーを外周面5に付着させる際に、前記無機フィラーをできるだけ短時間で均一に均すこともできる。
また、次工程である研磨工程において外周面5から脱落する無機フィラーの量をできるだけ少なくして材料の無駄をなくすることを考慮すると、前記目付量は、前記範囲内でも25mg/cm以下であるのが好ましい。また目付量を前記25mg/cm以下とすることにより、前記撒布および均しの工程を経て無機フィラーを外周面5に付着させる際に、前記無機フィラーをできるだけ短時間でローラ本体2の外周面5に撒布することもできる。
次に、ローラ本体2の外周面5に付着させた無機フィラーを、前記外周面5に固着させる固着処理をする。図2は、前記固着処理の方法を説明する斜視図である。図2の固着処理を実施するためには、例えばローラ本体2の外周面5の鏡面研磨仕上げ等に一般的に用いられる鏡面研磨機を採用することができる。
前記鏡面研磨機は、ローラ本体2を、シャフト4を中心として図中に実線の矢印で示す方向に一定速度で回転させる回転支持部(図示せず)と、前記回転支持部に支持されたローラ本体2の外周面5に、一定幅の長尺帯状に形成された研磨布紙(サンドペーパー等)6を圧接させて前記外周面5を研磨するための研磨部(図示せず)とを備えている。
また研磨部は、下記の4つの機能を有している。
研磨布紙6を、その長さ方向をシャフト4の軸方向と直交させて前記外周面5に一定の加圧量で圧接させた状態で保持する機能。
圧接させた前記研磨布紙6を、図中に黒矢印で示すように前記長さ方向の一方向に一定速度で送る機能。
圧接させた前記研磨布紙6を、図中に白矢印で示すように前記送り方向と直交方向に一定幅および一定頻度で左右動(オシュレーション)させる機能。
前記研磨布紙6を左右動させながら一定速度で送りつつ研磨する位置を、図中に一点鎖線の矢印で示すようにシャフト4の軸方向に徐々にシフトさせる機能。
そしてこれら4つの機能を同時に実施することにより、前記外周面5の全面を均一に研磨処理することができる。
外周面5に無機フィラーが付着されたローラ本体2に対して前記研磨処理を実施すると、前記無機フィラーが、前記外周面5を形成する架橋物中に埋め込まれて固着されるが、その際に、埋め込まれた無機フィラー上に覆いかぶさろうとする架橋物が前記研磨布紙6の研磨機能によって除去される。
そのため、固着された無機フィラーの大部分において、その一部が外周面5に露出される。
したがってトナー搬送ローラ1は、前記露出された無機フィラーの作用によってトナー等の付着性が低く、前記トナーの現像効率に優れたものとなる。また、特に高負荷が加わる設定がされた画像形成装置に使用した場合でも、前記の性能を使用初期から長期間に亘って維持することができる。
前記研磨処理の条件は特に限定されず、ローラ本体2を形成する架橋物の硬さ、無機フィラーの種類や粒径、目付量等に応じて任意に調整することができる。一例として、後述する実施例では鏡面研磨機に#1000メッシュの研磨布紙を使用して、下記の条件で研磨処理を実施しているが、各条件は任意に変更できる。
加圧量(切込量):0.200mm
研磨布紙の送り量:100mm/分
オシュレーション回数:50回/分
オシュレーション幅:2mm
往復(シフト)回数:0.5往復
加水:なし
〈ゴム組成物およびローラ本体〉
ローラ本体2は、組成等の異なる2層以上の層の積層構造であってもよいが、先に説明したように全体を同一のゴム組成物の架橋物からなる単層構造に形成するのが、設計値の再現を容易にして生産性を向上する上で好ましい。
前記ゴム組成物としては、トナー搬送ローラ1において一般的に用いられる種々の組成のゴム組成物を採用することができる。
(基材ゴム)
中でも、下記(1)〜(4)の少なくとも1つの条件を満足するゴムを基材ゴムとして含むゴム組成物を用いるのが好ましい。
(1) 分子中に塩素原子を含むゴム(塩素含有ゴム)。
(2) 溶解度パラメータ値(SP値)が18.0(MPa)1/2以上である、極性の高いゴム。
(3) イオン導電性を有するゴム。
(4) イオン導電剤を配合することでイオン導電性を付与したゴム。
なお基材ゴムとしては、前記(1)〜(4)のいずれか1つの条件のみを満足するものだけでなく、2つ以上の条件を同時に満足するものも使用可能である。
前記のうち(1)の塩素含有ゴムは、例えばプラス帯電性のトナーを極めて容易に帯電させることができるという利点がある反面、塩素原子に起因して、分子中に塩素原子を含まないゴムと比べて粘着性が強いために、トナー等の付着性が高くなる傾向がある。
また(2)の、SP値が18(MPa)1/2以上であるゴムは、その種類を選択することでプラス帯電性、マイナス帯電性のいずれのトナーに対しても極めて高い帯電性を付与できる可能性があるものの、極性が高いために粘着性が強くなって、やはりトナー等の付着性が高くなる傾向がある。
さらに(3)のイオン導電性を有するゴム、および(4)のイオン導電剤を配合してイオン導電性を付与したゴムは、トナー搬送ローラ1の電気特性を均一化したり、電気特性の設計値の繰り返し再現性を維持したりすることが容易である。しかしその反面、分子中にポリエーテル結合を含むゴムやイオン導電剤を使用し、水をイオン乖離させてイオン導電性が付与されるため表面自由エネルギーが高く、水との親和性が高い。そのため濡れやすく、トナー等の付着性が高くなる傾向がある。
しかし本発明によれば、前記(1)〜(4)の少なくとも1つを満足するゴムを基材ゴムとして含むゴム組成物の架橋物からなるローラ本体2の外周面5に、先に説明したように多数の無機フィラーを、それぞれその一部を外周面に露出させた状態で埋め込んで固着させることによって前記付着性を相殺して、それぞれのゴムの持つ良好な特性を維持しながら、トナー等の付着性が低く、トナーの現像効率に優れたトナー搬送ローラ1を得ることが可能である。
前記(1)の塩素含有ゴムとしては、例えばクロロプレンゴム、塩素化ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等の、ほぼイオン導電性を示さないゴムや、エピクロルヒドリン系ゴム等のイオン導電性を示すゴム等の1種または2種以上が挙げられる。
前記のうち、ほぼ導電性を示さない塩素含有ゴムを基材ゴムとして使用する場合は、ローラ本体2にイオン導電性を付与するためにイオン導電剤と組み合わせるのが好ましい〔(4)のゴムに相当〕。
また、それ自体がイオン導電性を示すエピクロルヒドリン系ゴム等を基材ゴムとして用いる場合はイオン導電剤を省略できる〔(3)のゴムに相当〕が、場合によってはポリエーテル系共重合ゴム等の、分子中に塩素原子を含まないイオン導電性ゴムと組み合わせてもよい。
前記(2)のSP値の範囲を満足する極性の高いゴムとしては、例えばエピクロルヒドリン系ゴム、ポリエーテル系共重合ゴム、アクリルゴム、ニトリル含量が20%以上であるニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちアクリルゴム、NBR、クロロプレンゴムはほぼ導電性を示さないので、かかるゴムを基材ゴムとして用いる場合は、ローラ本体2にイオン導電性を付与するためにイオン導電剤と組み合わせるのが好ましい〔(4)のゴムに相当〕。
また、それ自体がイオン導電性を示すエピクロルヒドリン系ゴム、ポリエーテル系共重合ゴムを基材ゴムとして用いる場合はイオン導電剤を省略できる〔(3)のゴムに相当〕。
また、SP値の異なる2種以上のゴムを併用して、基材ゴムの全体でのSP値を前記18(MPa)1/2以上の範囲内に調整してもよい。
またゴム組成物には、ローラ本体2の硬さ、柔軟性、強度、耐久性等を調整するために、前記(1)〜(4)のゴム以外の他のゴムを含有させても良い。
前記他のゴムとしては、例えばニトリル含量が任意の範囲であるNBR、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム等の1種または2種以上が挙げられる。
またアリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、もしくはブタジエンモノオキサイド等の不飽和エポキシドと、プロピレンオキサイドとの二元共重合体等の低抵抗ポリマを含有させてもよい。
基材ゴムの好適な例としては、
(A) エピクロルヒドリン系ゴム単独(2種以上のエピクロルヒドリン系ゴムの併用系を含む)
(B) クロロプレンゴムと、イオン導電剤としてのエピクロルヒドリン系ゴムおよび/またはポリエーテル系共重合ゴムとの併用系
(C) クロロプレンゴムと、NBRと、イオン導電剤としてのエピクロルヒドリン系ゴムおよび/またはポリエーテル系共重合ゴムとの併用系
(D) クロロプレンゴムとNBRとの併用系
が挙げられる。
中でも(B)のうちクロロプレンゴムとエピクロルヒドリン系ゴムとの併用系、またはクロロプレンゴムとエピクロルヒドリン系ゴムとポリエーテル系共重合ゴムとの併用系が特に好ましい。
前記のうちクロロプレンゴムとエピクロルヒドリン系ゴムとの併用系において、両者の総量中に占めるエピクロルヒドリン系ゴムの割合は5質量%以上、特に20質量%以上であるのが好ましく、95質量%以下、特に80質量%以下であるのが好ましい。
クロロプレンゴムの割合は前記の残量である。すなわち両者の総量中に占めるクロロプレンゴムの割合は5質量%以上、特に20質量%以上であるのが好ましく、95質量%以下、特に80質量%以下であるのが好ましい。
またクロロプレンゴムとエピクロルヒドリン系ゴムとポリエーテル系共重合ゴムとの併用系においては、3者の総量中に占めるエピクロルヒドリン系ゴムの割合は5質量%以上、特に10質量%以上であるのが好ましく、90質量%以下、特に70質量%以下であるのが好ましい。
また、3者の総量中に占めるポリエーテル系共重合ゴムの割合は5質量%以上であるのが好ましく、40質量%以下、特に20質量%以下であるのが好ましい。
クロロプレンゴムの割合は前記の残量である。すなわち3者の総量中に占めるクロロプレンゴムの割合は5質量%以上、特に10質量%以上であるのが好ましく、90質量%以下、特に80質量%以下であるのが好ましい。
前記クロロプレンゴム、エピクロルヒドリン系ゴム、およびポリエーテル系共重合ゴムを前記の範囲内で併用することにより、前記3者をうまく分散させることができて強度をはじめとするローラ本体2の物性を向上させることができる。なお3者のより好ましい割合は、エピクロルヒドリン系ゴムが20〜50質量%、ポリエーテル系共重合ゴムが10質量%、クロロプレンゴムが70〜40質量%である。
エピクロルヒドリン系ゴムとしては、例えばエピクロルヒドリンの単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体等の1種または2種以上が挙げられる。
中でもエピクロルヒドリン系ゴムとしては、エピクロルヒドリンとエチレンオキサイドとを少なくとも含む共重合体が好ましく、前記共重合体におけるエチレンオキサイドの含有割合は30モル%以上、中でも55モル%以上、特に60モル%以上であるのが好ましく、95モル%以下、特に80モル%以下であるのが好ましい。
エチレンオキサイドはエピクロルヒドリン系ゴムにイオン導電性を付与して体積固有抵抗値を下げる働きをするが、その含有割合が前記範囲未満では、かかる体積固有抵抗値の低減効果が不十分になるおそれがある。一方、エチレンオキサイドの含有割合が前記範囲を超える場合には、前記エチレンオキサイドの結晶化が起こって分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、却って体積固有抵抗値が上昇する傾向を生じるとともに、加硫前のゴムを混練する際の粘度を上昇させたり、架橋後のローラ本体2の硬さを上昇させたりするおそれがある。
前記エピクロルヒドリンとエチレンオキサイドとを少なくとも含む共重合体としては、特にエピクロルヒドリン(EP)とエチレンオキサイド(EO)とアリルグリシジルエーテル(AGE)との三元共重合体が好ましい。前記三元共重合体における前記3成分のモル比EO/EP/AGE=30〜95/4.5〜65/0.5〜10であるのが好ましく、EO/EP/AGE=60〜80/15〜40/2〜6であるのが特に好ましい。
またエピクロルヒドリン(EP)とエチレンオキサイド(EO)との二元共重合体も好ましく、前記二元共重合体における前記両成分のモル比EO/EP=30〜80/20〜70であるのが好ましく、EO/EP=50〜80/20〜50であるのが特に好ましい。
エピクロルヒドリン系ゴムの、基材ゴムの総量中に占める割合の好適な範囲は、基材ゴムが前記(B)の2種または3種のゴムの併用系である場合、先に説明したとおりである。その他の場合は、基材ゴムの総量の5質量%以上、中でも15質量%以上、特に20質量%以上であるのが好ましい。
上限は、言うまでもなく(A)のエピクロルヒドリン系ゴムを単独で基材ゴムとして用いた場合の100質量%である。
ポリエーテル系共重合ゴムとしては、例えばエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、ウレタン系ゴム等の1種または2種以上が挙げられる。
中でもポリエーテル系共重合ゴムとしては、エチレンオキサイドを含む共重合体が好ましく、前記共重合体におけるエチレンオキサイドの含有割合は50モル%以上であるのが好ましく、95モル%以下であるのが好ましい。
エチレンオキサイドの含有割合が多いほど多くのイオンを安定化できて、体積固有抵抗値を低下できるものの、多すぎると、前記エチレンオキサイドの結晶化が起こって分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、却って体積固有抵抗値が上昇する傾向を生じる。
前記ポリエーテル系共重合ゴムとしては、前記エチレンオキサイドとアリルグリシジルエーテルとを含む共重合体が特に好ましい。アリルグリシジルエーテルを共重合させると、前記アリルグリシジルエーテル自体が側鎖として自由体積を確保することから、前記エチレンオキサイドの結晶化を抑制でき、結果として従来にない低抵抗化を実現できる。
またアリルグリシジルエーテルを共重合させることにより、ポリエーテル系共重合ゴムに炭素−炭素間の二重結合を導入して他のゴムとの共架橋を可能にして、ブリードや感光体の汚染を防止できる。
前記共重合体におけるアリルグリシジルエーテルの含有割合は1モル%以上であるのが好ましく、10モル%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満では、アリルグリシジルエーテルを共重合させることによる前記の効果が十分に得られないおそれがある。また前記範囲を超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、架橋点が多くなりすぎて、却って体積固有抵抗値が上昇したり、ローラ本体の引張強度や疲労特性、耐屈曲性等が低下したりするおそれがある。
前記エチレンオキサイドとアリルグリシジルエーテルとを含む共重合体としては、特にエチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)とアリルグリシジルエーテル(AGE)との三元共重合体が好ましい。プロピレンオキサイドを共重合させることにより、前記結晶化をさらに抑制できる。
前記三元共重合体における前記3成分のモル比EO/PO/AGE=50〜95/1〜49/1〜10であるのが好ましい。
また前記三元共重合体は、ブリードや感光体の汚染をさらに有効に防止することを考慮すると、その数平均分子量Mnが10000以上であるのが好ましい。
ポリエーテル系共重合ゴムの、基材ゴムの総量中に占める割合の好適な範囲は、基材ゴムが前記(B)の3種のゴムの併用系である場合、先に説明したとおりである。その他の場合は、基材ゴムの総量の5質量%以上、特に10質量%以上であるのが好ましい。また前記割合は、耐水性の観点から30質量%以下、特に25質量%以下であるのが好ましい。
クロロプレンゴムは、主にクロロプレンを乳化重合させて製造されるが、その際に使用する分子量調整剤の種類によって硫黄変性タイプと非硫黄変性タイプに分類される。
このうち硫黄変性タイプのクロロプレンゴムは、硫黄とクロロプレンとを共重合させたポリマを、チウラムジスルフィド等を用いて可塑化して所定のムーニー粘度となるように調整したものである。
また非硫黄変性タイプのクロロプレンゴムは、分子量調整剤の種類によってメルカプタン変性タイプ、キサントゲン変性タイプ等にさらに分類される。
メルカプタン変性タイプのクロロプレンゴムを合成する際に使用するメルカプタン系の分子量調整剤としては、例えばn−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等が挙げられる。またキサントゲン変性タイプのクロロプレンゴムを合成する際に使用するキサントゲン系の分子量調整剤としては、例えばアルキルキサントゲン化合物が挙げられる。
またクロロプレンゴムは、結晶化速度の違いによって、結晶化速度の遅いタイプ、中庸であるタイプ、および速いタイプの3種に分類される。
本発明では、前記いずれのクロロプレンゴムを使用してもよいが、特に非硫黄変性タイプで、かつ結晶化速度が遅いタイプのクロロプレンゴムを用いるのが好ましい。
またクロロプレンゴムとしては、クロロプレンと他の1種または2種以上の単量体との共重合体を用いることもできる。
クロロプレンと共重合可能な他の単量体としては、例えば、例えば2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、硫黄、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン、アクリル酸またはそのエステル、メタクリル酸またはそのエステル等の1種または2種以上が挙げられる。
クロロプレンゴムの、基材ゴムの総量中に占める割合の好適な範囲は、基材ゴムが前記(B)の2種または3種のゴムの併用系である場合、先に説明したとおりである。
その他の場合は、基材ゴムの総量の100質量%以下の範囲で任意に設定できる。
中でも導電性付与の観点から、基材ゴムの総量の5質量%以上であるのが好ましい。またゴムの均一性の観点からは、基材ゴムの総量の10質量%以上であるのが好ましい。
さらに、併用する他のゴムの特性を十分に活かすことを考慮すると、クロロプレンゴムの、基材ゴムの総量中に占める割合は80質量%以下、特に60質量%以下であるのが好ましい。
NBRとしては、ニトリル含量が25%以下である低ニトリルNBR、25〜31%である中ニトリルNBR、31〜36%である中高ニトリルNBR、および36%以上である高ニトリルNBRのいずれを用いてもよい。
ただし基材ゴムを低比重化してローラ本体2を軽量化することを考慮すると低ニトリルNBRが好ましい。
またクロロプレンゴムとの混合性を考慮すると中ニトリルNBRまたは低ニトリルNBRが好ましい。具体的には、SP値の観点からNBRのニトリル含量は15%以上、中でも17%以上、特に20%以上であるのが好ましく、39%以下、中でも35%以下、特に30%以下であるのが好ましい。
またNBRは、トナーの種類によっては水素添加やカルボキシル化等を施して帯電性を調製することもできる。
(架橋剤、促進剤、促進助剤)
前記基材ゴムを架橋させるための架橋剤としては硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物系架橋剤、各種モノマー等が使用できる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。また有機含硫黄化合物等としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、N,N−ジチオビスモルホリン等が挙げられる。
チオウレア系架橋剤としては、例えばテトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア、(C2n+1NH)C=S〔式中、nは1〜10の整数を示す。〕で表されるチオウレア等が挙げられる。
過酸化物系架橋剤としてはべンゾイルベルオキシド等が挙げられる。
架橋剤の配合量は、基材ゴム100質量部あたり0.2質量部以上、特に1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に3質量部以下であるのが好ましい。
また架橋剤としては、硫黄とチオウレア類とを併用するのが好ましい。
前記併用系において硫黄の配合量は、基材ゴム100質量部あたり0.1質量部以上、特に0.2質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に2質量部以下であるのが好ましい。
硫黄の配合量が前記範囲未満では、ゴム組成物の全体での架橋速度が遅くなり、架橋に要する時間が長くなってトナー搬送ローラ1の生産性が低下するおそれがある。また前記範囲を超える場合には架橋後のローラ本体2の圧縮永久ひずみが大きくなったり、過剰の硫黄がローラ本体の外周面にブルームしたりするおそれがある。
またチオウレア類の配合量は、基材ゴム100gあたりのモル数で表して0.0001モル以上、中でも0.0009モル以上、特に0.0015モル以上であるのが好ましく、0.0800モル以下、特に0.0400モル以下であるのが好ましい。
チオウレア類の配合量を前記範囲内とすることにより、ブルームや感光体汚染を起こしにくくできる上、ゴムの分子運動をあまり妨げないためより低い体積固有抵抗値を実現できる。
なお、前記範囲内でチオウレア類の配合量を増やして架橋密度を高めるほど、体積固有抵抗値を低下させることができる。
すなわち、基材ゴム100gあたりのチオウレア類の配合量が0.0001モル未満では圧縮永久ひずみを改善しにくく、0.0009モル未満では体積固有抵抗値を十分に低下させることができない。―方、0.0800モルを超えるとブルームや感光体汚染を生じたり、破断伸び等の機械的物性が極度に悪化したりしやすい。
架橋剤の種類に応じて、さらに促進剤や促進助剤を配合してもよい。
促進剤としては、例えば消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機促進剤や、下記の有機促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
また有機促進剤としては、例えばジ−オルト−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1−オルト−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−オルト−トリルグアニジン塩等のグアニジン系促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系促進剤;N−シクロへキシル−2−べンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系促進剤;テトラメテルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系促進剤;チオウレア系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
促進剤の配合量は、基材ゴム100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に2質量部以下であるのが好ましい。
促進助剤としては、亜鉛華等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸、その他従来公知の促進助剤が挙げられる。
促進助剤の配合量は、基材ゴム100質量部あたり0.5質量部以上、特に2質量部以上であるのが好ましく、10質量部以下、特に8質量部以下であるのが好ましい。
(イオン導電剤)
イオン導電剤としては、例えぱフルオロ基(F−)およびスルホニル基(−SO−)を有する陰イオンを備えた塩等が挙げられる。具体的には、例えばビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩、トリス(フルオロアルキルスルホニル)メタンの塩、フルオロアルキルスルホン酸の塩等の1種または2種以上が挙げられる。
前記塩において陰イオンと対になる陽イオンとしては、例えばアルカリ金属、2A族、その他の金属のイオン等が挙げられ、中でもリチウムイオンが好ましい。
前記イオン導電剤の具体例としては、例えばLiCFSO、LiN(SOCF、LiC(SOCF)、LiCH(SOCF、LiSFCFS0等の1種または2種以上が挙げられる。
イオン導電剤の配合量は、その種類によって適宜設定できるが、例えば基材ゴム100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下であるのが好ましい。
(その他)
ゴム組成物には、前記各成分に加えて、さらに他の成分を配合してもよい。かかる他の成分としては、例えば誘電正接調整剤等が挙げられる。
前記誘電正接調整剤としては、例えば弱導電性カーボンブラックや脂肪酸処理された炭酸カルシウム等が挙げられる。特に弱導電性カーボンブラックが好ましい。
弱導電性カーボンブラックとは、粒径が大きくストラクチャーの発達が小さいため導電性への寄与が小さいカーボンブラックであって、かかる弱導電性カーボンブラックを配合することにより、ローラ本体2の導電性を高めることなしに、分極作用によるコンデンサ的な働きを得ることができ、先に説明したイオン導電性による体積固有抵抗値の均一化を損なうことなしに、帯電性のコントロールを実現できる。
前記弱導電性カーボンブラックは、前記効果をより一層良好に発揮させることを考慮すると、その一次粒径が80nm以上、特に100nm以上であるのが好ましい。ただしローラ本体2の外周面5の表面粗さをできるだけ小さくすることを考慮すると、前記一次粒子径は500nm以下、特に250nm以下であるのが好ましい。
また表面積をできるだけ小さくすることを考慮すると、前記弱導電性カーボンブラックは、球形またはそれに近い形状を有しているのが好ましい。
また前記弱導電性カーボンブラックは、ヨウ素吸着量が10mg/g以上であるのが好ましく、40mg/g以下、特に30mg/g以下であるのが好ましい。またDBP吸油量は25ml/100g以上であるのが好ましく、90ml/100g以下、特に55ml/100g以下であるのが好ましい。
前記弱導電性カーボンブラックの具体例としては、大粒径を得やすいファーネス法、サーマル法によって製造されたカーボンブラック、特にSRF、FT、MT等のファーネスブラックの1種または2種以上が挙げられる。また顔料用のカーボンブラックを用いることもできる。
弱導電性カーボンブラック等の誘電正接調整剤の配合量は、ローラ本体2の体積固有抵抗値や、トナー搬送ローラ1の帯電性等の物性を見ながら適宜設定すればよい。
ゴム組成物には、電子導電剤を配合してもよい。
前記電子導電剤としては、例えば導電性カーボンブラック、導電性金属酸化物(導電性酸化亜鉛、チタン酸カリウム、アンチモンドープ酸化チタン、酸化スズ等)、グラファイト、カーボン繊維などの1種または2種以上が挙げられる。
このうち導電性カーボンブラックとしては、先の弱導電性カーボンブラックと違い、粒径が小さくストラクチャーの発達が大きいため導電性への寄与が大きい種々のカーボンブラックが挙げられる。特にその一次粒径が80nm未満であるカーボンブラックが好ましく、その具体例としては、例えばケッチェンブラック、ファーネスブラック(粒径が80nm未満のもの)、アセチレンブラック等の1種または2種以上が挙げられる。
電子導電剤の配合量は、ローラ本体2の体積固有抵抗値等の物性を見ながら適宜設定できるが、例えば基材ゴム100質量部あたり1質量部以上であるのが好ましい。またローラ本体2が硬くなりすぎるのを防ぐために50質量部以下、特に40質量部以下であるのが好ましい。
基材ゴムの少なくとも1種が塩素原子を含有する場合、ゴム組成物には受酸剤を配合するのが好ましい。受酸剤を配合することにより、ゴムの架橋時に発生する塩素系ガスの残留と、それによる架橋阻害や感光体の汚染を防止できる。
前記受酸剤としては、酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、分散性に優れていることからハイドロタルサイト類またはマグサラットが好ましく、特にハイドロタルサイト類が好ましい。
また前記ハイドロタルサイト類等を、酸化マグネシウムや酸化カリウムと併用すると、より高い受酸効果を得ることができ、感光体の汚染をより一層確実に防止できる。
前記受醸剤の配合量は、基材ゴム100質量部あたり1質量部以上であるのが好ましく、10質量部以下、特に5質量部以下であるのが好ましい。
配合量が前記範囲未満では、誦さん剤を含有させることによる前記効果が十分に得られないおそれがある。また配合量が前記範囲を超える場合には、架橋後のローラ本体2の硬さが上昇するおそれがある。
ゴム組成物には、本発明の目的に反しない限り、さらに可塑成分(可塑剤、加工助剤等)、劣化防止剤、充填剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、気泡防止剤等の各種添加剤を適宜配合してもよい。
前記のうち可塑剤としては、例えばジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、トリクレジルホスフェ―ト等の各種可塑剤やワックス等が挙げられる。
また加工助剤としてはステアリン酸等の脂肪酸などが挙げられる。
これら可塑成分の配合量は、基材ゴム100質量部あたり5質量部以下であるのが好ましい。後述するようにローラ本体2の外周面5に酸化膜を形成する際にブリードを生じたり、画像形成装置への装着時や運転時に感光体の汚染を生じたりするのを防止するためである。前記ブリードや感光体の汚染を防止することを考慮すると、可塑成分としては極性ワックスを使用するのが特に好ましい。
劣化防止剤としては各種の老化防止剤や酸化防止剤等が挙げられる。
ローラ本体2の外周面5に酸化膜を形成する場合で、ゴム組成物に酸化防止剤を配合する場合は、前記酸化膜の形成が効率よく進むように、前記酸化防止剤の配合量を適宜設定するのが好ましい。
充填剤としては、酸化亜鉛、シリカ、カ―ボン、カーボンブラック、クレー、タルク、 炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粉体の1種または2種以上が挙げられる。
充填剤を配合することにより、ローラ本体の機械的強度等を向上できる。
充填剤の配合量は、基材ゴム100質量部あたり60質量部以下、特に50質量部以下であるのが好ましい。
なお前記弱導電性カーボンブラック、導電性カーボンブラックは、それぞれ充填剤としての役割も果たす。
スコーチ防止剤としては、例えばN−シクロへキシルチオフタルイミド、無水フタル酸、N−ニトロソジフエニルアミン、2,4−ジフエニル−4−メチル−1−ペンテン等の1種または2種以上が挙げられる。特にN−シクロへキシルチオフタルイミドが好ましい。
スコ―チ防止剤の配合量は、基材ゴム100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に1質量部以下であるのが好ましい。
(ローラ本体)
ローラ本体2を形成するには、まず基材ゴムを素練りし、次いで架橋剤等以外の成分を加えて混練した後、最後に架橋剤等を加えて混練することでゴム組成物を調製する。前記混練には、例えばニーダ、バンバリミキサ、押出機等を用いることができる。
次いで前記ゴム組成物を、押出成形機を用いて混練しながら加熱して溶融させた状態で、前記ローラ本体2の断面形状、すなわち円環状に対応するダイを通してチューブ状に押出成形し、冷却して固化させたのち、通孔3に加硫用の仮のシャフトを挿通して加硫缶内で加熱して加硫させる。
次いで外周面に導電性の接着剤を塗布したシャフト4に装着しなおして、前記接着剤が熱硬化性接着剤である場合は加熱により前記熱硬化性接着剤を硬化させてローラ本体2とシャフト4とを電気的に接合する共に機械的に固定する。
そして必要に応じてローラ本体2の外周面5を所定の表面粗さになるように研磨することで、前記シャフト4と一体化されたローラ本体2が形成される。
このあと、先に説明したようにローラ本体2の外周面5に無機フィラーを固着させることで、図1に示すトナー搬送ローラ1が製造される。
ローラ本体2の厚みは、前記現像ローラとして使用する場合、前記現像ローラの小型化、軽量化を図りながら適度なニップ厚を確保するために厚みが0.5mm以上、中でも1mm以上、特に3mm以上であるのが好ましく、15mm以下、中でも10mm以下、特に7mm以下であるのが好ましい。
ローラ本体2の外周面5には、必要に応じて、紫外線照射やオゾン曝露によって酸化膜を形成してもよい。酸化膜は、前記外周面5の摩擦係数を低下させて、トナーを物理的に離れやすくするために機能する。
なお先に説明したように酸化膜は、外周面近傍の酸素濃度を高くして表面自由エネルギーを上昇させ、それによって、トナー等の付着性を高くする働きもする。しかし本発明では、前記外周面5に多数の無機フィラーを固着させることによって前記付着性を相殺して、酸化膜の持つ、前記の摩擦係数を低下させてナーを物理的に離れやすくする機能のみを有効に発揮させることができる。
酸化膜の形成は、外周面5に無機フィラーを固着させる前後いずれの時点で実施してもよい。ただし外周面5にできるだけ効率よく酸化膜を形成することや、無機フィラーの変質を防止することと等を考慮すると、前記無機フィラーを固着させる前の外周面5に酸化膜を形成するのが好ましい。
単層構造のローラ本体2のショアA硬さは60以下、特に50以下であるのが好ましい。これは、ショアA硬さが前記範囲を超えるローラ本体は柔軟性が不足し、広いニップ幅を確保してトナーの現像効率を向上する効果や、トナーへのダメージを低減する効果が得られないためである。
また、前記のように軟らかいローラ本体2の場合、研磨によって外周面5の表面粗さRzが大きくなりやすいが、次いで前記外周面5に無機フィラーを固着させることによって局部的な凹凸をなだらかにできるため、Rzが大きくてもトナー搬送ローラとして十分に機能させることができると言う効果もある。
なおローラ本体2に適度な強度を付与して、例えば前記ローラ本体2の両端からトナーが漏出するのを防止するためにその外周面5に摺接されるシール部等に対する適度な耐摩耗性等を付与することを考慮すると、ローラ本体2のショアA硬さは、前記範囲内でも30以上、特に35以上であるのが好ましい。
前記ショアA硬さを、本発明では日本工業規格JIS K6253に記載の測定方法に則って温度23±1℃の条件で測定した値でもって表すこととする。
トナー搬送ローラ1は、ローラ本体2の外周面5に無機フィラーを固着させる前に、温度23±1℃、相対湿度55±1%の条件下で測定される、印加電圧5Vでのローラ抵抗が10Ω以上であるのが好ましく、10Ω以下、特に10Ω以下であるのが好ましい。
特に現像ローラとして使用する場合、前記ローラ抵抗は、前記範囲内でも10Ω以上、特に10Ω以上であるのが好ましく、10Ω以下、特に10Ω以下であるのが好ましい。
現像ローラのローラ抵抗を10Ω以上、特に10Ω以上とすることで、流れる電流を制御して画像不良の発生を抑制したり、感光体への放電を防いだりできる。また前記ローラ抵抗を10Ω以下とすることで、トナーが感光体に移行する際に現像ローラの電圧降下が起こってそれ以降、現像ローラから感光体にトナーを搬送できなくなって画像不良が生じるのを防止できる。さらにローラ抵抗を10Ω以下とすることで、より幅広い環境下で良好な画像を形成できる。
図3は、トナー搬送ローラ1のローラ抵抗を測定する方法を説明する図である。
図1、図3を参照して、本発明では前記ローラ抵抗を、下記の方法で測定した値でもって表すこととする。
すなわち一定の回転速度で回転させることができるアルミニウムドラム7を用意し、前記アルミニウムドラム7の外周面8に、その上方から、ローラ抵抗を測定するトナー搬送ローラ1の、酸化膜を形成する前のローラ本体2の外周面5を当接させる。
また前記トナー搬送ローラ1のシャフト4とアルミニウムドラム7との間に直流電源9、および抵抗10を直列に接続して計測回路11を構成する。直流電源9は、(−)側をシャフト4、(+)側を抵抗10と接続する。抵抗10の抵抗値rは100Ωとする。
次いでシャフト4の両端部にそれぞれ500gの荷重Fをかけてローラ本体2をアルミニウムドラム7に圧接させた状態で、前記アルミニウムドラム7を回転(回転数:30rpm)させながら、前記両者間に、直流電源9から直流5Vの印加電圧Eを印加した際に、抵抗10にかかる検出電圧Vを4秒間で100回計測する。
前記検出電圧Vと印加電圧E(=5V)とから、トナー搬送ローラ1のローラ抵抗Rは、基本的に式(i′):
R=r×E/(V−r) (i′)
によって求められる。ただし式(i′)中の分母中の−rの項は微小とみなすことができるため、本発明では式(i):
R=r×E/V (i)
によって求めた値でもってトナー搬送ローラ1のローラ抵抗とすることとする。測定の条件は、先に説明したように温度23±1℃、相対湿度55±1%である。
またトナー搬送ローラ1は、温度23±1℃、相対湿度55±1%の条件下で測定される、周波数100Hz、電圧5Vの交流電圧を印加した際の誘電正接が0.1以上、1.8以下であるのが好ましい。これによりトナーに高い帯電性を付与できるとともに、前記帯電性を磁束させることができる。
またローラ本体2は、トナー搬送ローラ1の用途等に応じて任意の圧縮永久ひずみを有するように調整できる。前記圧縮永久ひずみ、ショアA硬さ、ローラ抵抗、並びに誘電正接等を調整するためには、例えばゴム組成物を構成する各成分の種類と量を調整したりすればよい。
以下の実施例、比較例における導電性ローラの作製および試験を、特記した以外は温度23±1℃、相対湿度55±1%の環境下で実施した。
〈実施例1〉
(ローラ本体の形成)
基材ゴムとして、クロロプレンゴム〔昭和電工(株)製のショウプレン(登録商標)WRT〕65質量部と、エピクロルヒドリンゴム〔GECO、ダイソー(株)製のエピオン(登録商標)ON301、EO/EP/AGE=73/23/4(モル比)〕35質量部とを配合した。
前記基材ゴムの総量100質量部を、バンバリミキサを用いて素練りしながら、下記表1に示す各成分を加えてさらに混練してゴム組成物を調製した。
Figure 2012014065
表1中の各成分は下記のとおり。
硫黄系架橋剤:粉末硫黄
チオウレア系架橋剤:エチレンチオウレア〔2−メルカプトイミダゾリン、川口化学工業(株)製のアクセル(登録商標)22−S〕
促進剤DT:1,3−ジ−o−トリルグアニジン〔グアニジン系促進剤、大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)DT〕
促進助剤:酸化亜鉛2種〔三井金属鉱業(株)製〕
導電性フィラー:導電性カーボンブラック〔電気化学工業(株)製のデンカブラック(登録商標)〕
受酸剤:ハイドロタルサイト類〔協和化学工業(株)製のDHT−4A(登録商標)−2〕
表中の質量部は、前記基材ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
前記ゴム組成物を押出成形機に供給して外径φ22.0mm、内径φ9〜9.5mmのチューブ状に押出成形した後、外径φ8mmの架橋用の仮のシャフトに装着して加硫缶内で160℃×1時間架橋させた。
次いで、外周面に導電性の熱硬化性接着剤を塗布した外径φ10mmのシャフトに装着し直して、オーブン中で160℃に加熱して接着したのち両端をカットし、外周面を、円筒研磨機を用いトラバース研磨したのち仕上げとして鏡面研磨をして、外径がφ20.0mm(公差0.05)、外周面の表面粗さRzが3〜5μmになるように仕上げて、前記ゴム組成物の加硫物からなり、前記シャフトと一体化されたローラ本体を形成した。なお表面粗さRzは、日本工業規格JIS B0601−1994に従って測定した。
(無機フィラーの固着)
無機フィラーとしては、ルチル型の酸化チタン〔粒径:0.3〜0.5μm、チタン工業(株)製のKR−380〕を用いた。
研磨後のローラ本体の外周面を水洗いして乾燥させたのち、シャフトを水平に保持した状態で前記ローラ本体を回転させながら、前記酸化チタンを前記外周面に撒布し、次いで前記外周面に圧接させたステンレス鋼製の均し板によって均して付着させた。撒布量は0.002g、目付量は0.02mg/cmであった。
次いで前記ローラ本体を鏡面研磨機にセットし、500rpmで回転させながら、その外周面に#1000メッシュの研磨布紙を圧接させて前記外周面を研磨する処理をして、撒布した酸化チタンを、ローラ本体の外周面に固着させてトナー搬送ローラを製造した。
研磨処理の条件は下記のとおり。
加圧量(切込量):0.200mm
研磨布紙の送り量:100mm/分
オシュレーション回数:50回/分
オシュレーション幅:2mm
往復(シフト)回数:0.5往復
加水:なし
処理後の外周面を顕微鏡によって観察したところ、多数の酸化チタンが、それぞれその一部を外周面に露出させた状態で、前記外周面を形成する前記ゴム組成物の架橋物中に埋め込まれて固着されているのが確認された。
〈実施例2〉
酸化チタンの撒布量を0.157g、目付量を1mg/cmとしたこと以外は実施例1と同様にしてトナー搬送ローラを製造した。
〈実施例3〉
酸化チタンの撒布量を0.628g、目付量を4mg/cmとしたこと以外は実施例1と同様にしてトナー搬送ローラを製造した。
〈実施例4〉
酸化チタンの撒布量を3.925g、目付量を25mg/cmとしたこと以外は実施例1と同様にしてトナー搬送ローラを製造した。
〈実施例5〉
酸化チタンの撒布量を10.99g、目付量を70mg/cmとしたこと以外は実施例1と同様にしてトナー搬送ローラを製造した。
〈実施例6〉
酸化チタンの撒布量を15.70g、目付量を100mg/cmとしたこと以外は実施例1と同様にしてトナー搬送ローラを製造した。
〈実施例7〉
基材ゴムとして、クロロプレンゴム〔前出の、昭和電工(株)製のショウプレンWRT〕65質量部と、ニトリルゴム〔日本ゼオン(株)製のNipol 401LL、低ニトリルゴム、結合アクリロニトリル量(中心値):18.0%〕35質量部とを配合したこと、および酸化チタンの撒布量を0.628g、目付量を4mg/cmとしたこと以外は実施例1と同様にしてトナー搬送ローラを製造した。
〈実施例8〉
無機フィラーとしてアルミナ〔粒径:0.4μm、昭和電工(株)製のAL−160SG−1〕を使用し、前記アルミナの撒布量を0.628g、目付量を4mg/cmとしたこと以外は実施例1と同様にしてトナー搬送ローラを製造した。
〈実施例9〉
無機フィラーとしてシリカ〔粒径20nm、東ソー・シリカ(株)製のVN3〕を使用し、前記シリカの散布量を0.628g、目付量を4mg/cmとしたこと以外は実施例1と同様にしてトナー搬送ローラを製造した。
〈比較例1〉
ローラ本体の外周面に酸化チタンを撒布したものの、前記外周面を、鏡面研磨機を用いて研磨する処理をしなかったこと、および酸化チタンの撒布量を0.157g、目付量を1mg/cmとしたこと以外は実施例1と同様にしてトナー搬送ローラを製造した。
処理後の外周面を顕微鏡によって観察したところ、多数の酸化チタンが、前記外周面を形成する前記ゴム組成物の架橋物中には埋め込まれずに、前記外周面に付着しているだけであるのが確認された。
〈比較例2〉
酸化チタンの撒布量を0.0005g、目付量を0.005mg/cmとしたところ、外周面に均一に酸化チタンを付着させることができなかった。そのため後述する各種測定はしなかった。
〈比較例3〉
酸化チタンの散布量を17.27g、目付量を110mg/cmとしたところ、外周面に均一に酸化チタンを付着させることができなかった。そのため後述する各種測定はしなかった。
〈従来例1〉
基材ゴムとして、クロロプレンゴム〔前出の、昭和電工(株)製のショウプレンWRT〕65質量部と、エピクロルヒドリンゴム〔GECO、前出の、ダイソー(株)製のエピオンON301〕35質量部とを配合した。
前記基材ゴムの総量100質量部を、バンバリミキサを用いて素練りしながら、前記表1に示す各成分と、無機フィラーとしてのルチル型の酸化チタン〔前出の、チタン工業(株)製のKR−380〕20質量部とを加えてさらに混練してゴム組成物を調製した。
そして前記ゴム組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にしてシャフトと一体化されたローラ本体を形成し、円筒研磨機を用いトラバース研磨したのち仕上げとして鏡面研磨をして、外径がφ20.0mm(公差0.05)、外周面の表面粗さRzが3〜5μmになるように仕上げるとともに、前記外周面の近傍の酸化チタンを露出させた。
次いで、研磨後のローラ本体の外周面を水洗いしたのち、UVランプから前記外周面までの距離が10cmになるように設定して紫外線照射装機〔セン特殊光源(株)製のPL21−200〕にセットし、シャフトを中心として90°ずつ回転させながら、波長184.9nmと253.7nmの紫外線を5分間ずつ照射することで前記外周面に酸化膜を形成してトナー搬送ローラを製造した。
〈ショアA硬さの測定〉
実施例1〜9、比較例1で製造途中の、無機フィラーを撒布する前のローラ本体2、および従来例1で製造したトナー搬送ローラのローラ本体のショアA硬さを、日本工業規格JIS K6253に記載の測定方法に則って温度23±1℃の条件で測定した。
〈ローラ抵抗の測定〉
実施例1〜9、比較例1で製造途中の、ローラ本体の外周面に無機フィラーを撒布する前のトナー搬送ローラ、および従来例1で製造したトナー搬送ローラのローラ抵抗を、先に説明した測定方法によって測定した。なお表2、表3ではローラ抵抗をlogR値で示している。
〈トナー付着性評価〉
実施例1〜9、比較例1、従来例1で製造したトナー搬送ローラを市販のレーザープリンタ〔プラス帯電の非磁性1成分トナーを使用したもので、トナー推奨印刷枚数約7000枚相当〕のトナーカートリッジに現像ローラとして組み込んで画像形成した際に、トナー量の変化、すなわち形成画像におけるトナー積層量の変化を指標としてトナー付着性を評価した。トナー積層量は、以下に示す透過濃度の測定から求めた。
すなわち温度23±1℃、相対湿度55±1%の常温常湿環境下、前記レーザープリンタを用いて1%濃度の画像を99枚連続して画像形成し、次の100枚目に黒ベタ画像を形成して、前記黒ベタ画像上の任意の5点における透過濃度を、反射透過濃度計〔TECHKON社製の「テシコン濃度計RT120/ライトテーブルLP20」〕を用いて測定してその平均値取って、下記の基準でトナー付着性を評価した。
透過濃度は1.8以上:適度。トナー積層量は良好。トナー付着性は低い(○)。
透過濃度は1.6以上、1.8未満:薄い。トナー積層量は小。トナー付着性は高い(△)。
透過濃度は1.6未満:極めて薄い。トナー積層量は極めて小。トナー付着性は極めて高い(×)。
また次の101枚目に白ベタ画像を形成した後、レーザープリンタからトナーカートリッジを取り外し、現像ローラに対して上方から吸引型帯電量測定器〔トレック社製のQ/M METER Model 210HS−2〕を用いてトナーを吸引してトナー質量(mg)を測定した。そして前記トナー質量(mg)と、吸引された面積(cm)とから、単位面積あたりのトナー搬送量(mg/cm)を求め、下記の基準でトナー付着性を評価した。
トナー搬送量は0.40mg/cm未満:トナー搬送量は極めて小。トナー付着性は極めて低い(◎)。
トナー搬送量は0.40mg/cm以上、0.50mg/cm未満:トナー搬送量は小。トナー付着性は低い(○)。
トナー搬送量は0.50mg/cm以上、0.60mg/cm未満:トナー搬送量はやや大。トナー付着性はやや高い(△)。
トナー搬送量は0.60mg以上:トナー搬送量は大。トナー付着性は高い(×)。
次いで、1%濃度の画像を102枚目から2999枚目まで連続して画像形成したのち、次の3000枚目に黒ベタ画像、3001枚目に白ベタ画像を形成したのち、前記と同様にしてトナー搬送量を測定して、前記の基準でトナー付着性を評価した。
また前記100枚目と3000枚目の黒ベタ画像を観察して、下記の基準で耐久性(画像の均一性)を評価した。
○:両画像ともに均一であった。耐久性良好。
△:3000枚目の画像でムラが発生した。耐久性やや不良。
×:両画像ともにムラが発生した。耐久性不良。
以上の結果を表2、表3に示す。
Figure 2012014065
Figure 2012014065
表3の従来例1の結果より、ローラ本体中に無機フィラーを含有させた場合には、前記ローラ本体が固くなりすぎることが判った。また比較例1の結果より、前記無機フィラーをローラ本体の外周面に固着させずに単に付着させただけでは、耐久性が不十分になることが判った。さらに比較例2、3の結果より、無機フィラーの目付量を0.01mg/cm未満とするためのごく少量の無機フィラー、あるいは100mg/cmを超える範囲とするための多量の無機フィラーは、ローラ本体の外周面に均一に付着させることができないことが判った。
これに対し実施例1〜9の結果より、ローラ本体の外周面に、目付量が0.01mg/cm以上、100mg/cm以下の範囲内となるように無機フィラーを付着させたのち、前記ローラ本体を回転させながら研磨布紙を圧接させて研磨する処理をして、前記多数の無機フィラーを、それぞれその一部を前記外周面に露出させた状態で前記架橋物中に埋め込んで固着させることによって、ローラ本体の柔軟性を維持しながら、トナー等の付着性が低く現像効率に優れる上、かかる性能を使用初期から長期間に亘って維持できることが確認された。
また各実施例を比較すると、目付量が0.01mg/cm以上ではあるものの0.1mg/cm未満であった実施例1は、前記目付量が0.1mg/cm以上であった実施例2〜4に比べて均しに時間がかかった。このことから、前記目付量は0.1mg/cm以上であるのが好ましいことが判った。
また目付量が100mg/cm以下であるものの25mg/cmを超えた実施例5、6は、いずれも前記目付量が25mg/cm以下であった実施例2〜4に比べて無機フィラーの撒布に時間がかかる上、研磨時に脱落する無機フィラーの量が多く材料の無駄を生じた。このことから、前記目付量は25mg/cm以下であるのが好ましいことが判った。
1 トナー搬送ローラ
2 ローラ本体
3 通孔
4 シャフト
5 外周面
6 研磨布紙
7 アルミニウムドラム
8 外周面
9 直流電源
10 抵抗
11 計測回路

Claims (4)

  1. 少なくとも外周面がゴム組成物の架橋物からなるローラ本体を有するトナー搬送ローラであって、
    前記架橋物からなるローラ本体の外周面に、酸化チタン、アルミナ、およびシリカからなる群より選ばれた少なくとも1種の無機フィラーを、外周面の単位面積あたり0.01mg/cm以上、100mg/cm以下の目付量で付着させた状態で、前記ローラ本体を回転させながら前記外周面に研磨布紙を圧接させて前記外周面を研磨する処理をすることにより、前記多数の無機フィラーが、それぞれその一部を前記外周面に露出させた状態で前記架橋物中に埋め込まれて固着されていることを特徴とするトナー搬送ローラ。
  2. 前記無機フィラーは、平均粒径が1nm以上、10μm以下である請求項1に記載のトナー搬送ローラ。
  3. 未架橋のゴム組成物をチューブ状に成形したのち架橋して、少なくとも外周面が前記ゴム組成物の架橋物からなるローラ本体を形成する工程と、
    前記ローラ本体の外周面を研磨する工程と、
    前記外周面に酸化チタン、アルミナ、およびシリカからなる群より選ばれた少なくとも1種の無機フィラーを、外周面の単位面積あたり0.01mg/cm以上、100mg/cm以下の目付量で付着させた状態で前記ローラ本体を回転させながら、前記外周面に研磨布紙を圧接させて前記外周面を研磨する処理をすることにより、前記多数の無機フィラーを、それぞれその一部を前記外周面に露出させた状態で前記架橋物中に埋め込んで固着させる工程と、
    を含むことを特徴とするトナー搬送ローラの製造方法。
  4. 前記研磨の工程において、前記無機フィラーを固着させる前の外周面を、表面粗さRzが2μm以上、15μm以下となるように研磨する請求項3に記載のトナー搬送ローラの製造方法。
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