JP2009168771A - エアマイクロメータ用較正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】計測ヘッド(計測ヘッド先端部)の軸芯とマスタ穴の軸芯を確実に一致させることができる構成のエアマイクロメータ用較正装置を提供する。
【解決手段】エアマイクロメータ用較正装置91を、小径のマスタ穴95と、大径のマスタ穴96と、計測ヘッド先端部43が小径のマスタ穴95に挿入されたときには計測ヘッド先端部43の軸芯と小径のマスタ穴の軸芯とを一致させ、計測ヘッド先端部43が大径のマスタ穴96に挿入されたときには計測ヘッド先端部43の軸芯と大径のマスタ穴96の軸芯とを一致させる位置決め手段とを有してなる構成とし、且つ、前記位置決め手段は、圧油供給路98と、クランピングスリーブ93と、このクランピングスリーブ93の周囲を囲む油圧室97とを有してなり、クランピングスリーブ93が、圧油供給路98から油圧室97へ供給される圧油の圧力によって計測ヘッド本体部42(ケース46)をクランプする構成とする。
【選択図】図8

Description

本発明はエアマイクロメータ用較正装置に関する。
例えば、工作機械の主軸に長尺の穴開け工具を装着し、この穴開け工具でエンジンのシリンダブロックやバルブボディなどのワークに対してクランク穴やスプール穴などの同軸度の要求が厳しい穴を開ける場合には、穴開け工具の振れを抑制するためにブッシュが用いられる。この場合、主軸の軸芯(即ち穴開け工具の軸芯)とブッシュ穴の軸芯とを一致させて穴開け工具をブッシュ穴に挿入する(図1(a)参照:詳細後述)。
ところが、工作機械の熱変位などによって、主軸の軸芯とブッシュ穴の軸芯にずれ(偏芯)が生じることがあり、かかる偏芯状態のまま穴開け加工を継続するとブッシュ穴の内周面が偏摩耗してしまう。その結果、ブッシュが機能しなくなり、加工穴の同軸度が悪化してしまう。
従って、定期的に主軸とブッシュ穴の偏芯量を計測し、この偏芯量に応じて主軸の位置を制御する(即ち主軸とブッシュ穴の相対位置を補正する)ことより、主軸(穴開け工具)の軸芯とブッシュ穴の軸芯とを一致させてブッシュ穴の偏摩耗を防止する必要がある。
このため、従来はタッチセンサを用いて主軸とブッシュ穴の偏芯量を測定していた。図21(a)はタッチセンサの側面図、図21(b)は図21(a)のW方向矢視図である。これらの図に示すように、タッチセンサ1は計測ヘッド2の先端にスタイラス3を突設してなるものである。穴開け工具に代えて、この計測ヘッド2を工作機械の主軸4に装着した後、主軸4を動作させてスタイラス3の先端のスタイラス球3aをブッシュ穴(図示省略)の内周面に接触させることにより、主軸4とブッシュ穴の偏芯量を計測する。
しかし、従来のタッチセンサは、接触式のセンサであることなどから、次のような問題点を有している。
(1) ブッシュ穴の内周面に付着した切削屑などの異物の噛み込みによって、計測誤差を生じ易い。
(2) スタイラス3が折れ易く、このスタイラス3の折損を防止するために主軸を低速度で動作させる必要があるため、計測に時間がかかる。
(3) スタイラス3の故障等により計測ヘッド2を交換する度にダイヤルゲージによる較正が必要であるため、計測に時間がかかる。
これに対し、短時間で且つ高精度に計測可能な非接触式のセンサとして、エアマイクロメータが知られている。図22(a)は従来のエアマイクロメータの概要を示す図、図22(b)は前記エアマイクロメータ用較正装置の概要を示す図である。
図22(a)に示すように、従来のエアマイクロメータの計測ヘッド11は、計測ヘッド本体部14と、この計測ヘッド本体部14の先端に形成された計測ヘッド先端部12とを有している。計測ヘッド先端部12には計測ヘッド先端部12の径方向に沿って互いに逆方向に第1計測用エアノズル16Aと第2計測用エアノズル16Bとが形成されており、計測ヘッド本体部14には第1計測用エアノズル16Aと第2計測用エアノズル16Bとに連通する計測用エア供給路15が形成されている。
計測時には、図示の如く計測ヘッド11(計測ヘッド先端部12)を被計測体13の穴13aに挿入した後、計測エア供給源17から計測用エアを、A/D変換機18を介して計測ヘッド本体部14の計測エア供給路15へ供給する。そして、この計測用エアが計測用エア供給路15を流通した後、分流して第1計測用エアノズル16Aと第2計測用エアノズル16Bとからそれぞれ噴出される。このときにA/D変換機18では計測用エアの圧力(計測用エアの流量に相当)を検出し、この検出信号をデジタル信号に変換して制御装置(図示省略)へ出力する。制御装置では、A/D変換機18から出力された圧力検出信号から計測用エアの流量を求め、この計測用エア流量のデータと、予め記憶されている計測用エア流量と穴径の関係を表すデータとに基づいて被計測体穴13aの直径D1を求める。
そして、この計測流量と穴径の関係を表すデータは図22(b)に示すようなエアマイクロメータ用較正装置(マスタゲージ)19を用いて予め求めておく。即ち、図示の如く計測ヘッド11(計測ヘッド先端部12)を、所定の直径D2を有するエアマイクロメータ用較正装置19のマスタ穴19aに挿入した後、エア供給源17から計測用エアを、A/D変換機18を介して計測ヘッド本体部14のエア供給路15へ供給する。そして、この計測用エアが計測用エア供給路15を流通した後、分流して第1計測用エアノズル16Aと第2計測用エアノズル16Bとからそれぞれ噴出される。A/D変換機18では、このときの計測用エアの圧力(計測用エアの流量に相当)を検出し、デジタル信号に変換して制御装置(図示省略)へ出力する。制御装置では、A/D変換機18から出力された圧力検出信号から計測用エアの流量を求める。かかる計測を直径D2の大きさが異なる大小2種類のマスタ穴19aに対して行い、制御装置では、このときに計測された計測用エア流量のデータと、予め入力されている直径D2のデータとを、前述の計測用エア流量と穴径の関係を表すデータとして記憶する。
特開2006−284376号公報 特開昭58−114835号公報 特開平6−186009号公報 特開平7−134018号公報
しかしながら、上記従来のエアマイクロメータの計測ヘッド11では穴径D1を計測することしかできず、図22(a)に示すような計測ヘッド12の外周面12aと被計測体穴13aの内周面13bとの間のギャップΔG1,ΔG2を計測することはできない。従って、この計測ヘッド11をそのままブッシュ穴の計測に適用したとしても、ブッシュ穴の内径を計測することしかできず、計測ヘッド先端部12の外周面12aとブッシュ穴の内周面との間のギャップを計測することができないため、主軸とブッシュ穴の偏芯量を求めることができない。
このため、現在、計測ヘッド先端部の外周面とブッシュ穴の内周面との間のギャップを計測することが可能な計測ヘッドを開発している(詳細後述)。ところが、このギャップ計測が可能な計測ヘッドを較正するには、計測ヘッド(計測ヘッド先端部)の軸芯とマスタ穴の軸芯を確実に一致させる必要がある。これに対して上記従来の較正装置は単に計測ヘッド先端部をマスタ穴に挿入するだけであるため、計測ヘッド(計測ヘッド先端部)の軸芯とマスタ穴の軸芯を確実に一致させることができない。
従って本発明は上記の事情に鑑み、計測ヘッド(計測ヘッド先端部)の軸芯とマスタ穴の軸芯を確実に一致させることができる構成のエアマイクロメータ用較正装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する第1発明のエアマイクロメータ用較正装置は、計測用エア供給路が形成された計測ヘッド本体部と、この計測ヘッド本体部の先端に設けられ且つ前記計測用エア供給路から供給された計測用エアを外周面の噴き出し口から噴き出すための計測用エアノズルが形成された計測ヘッド先端部とを有してなるエアマイクロメータの計測ヘッドを較正するためのエアマイクロメータ用較正装置であって、
小径のマスタ穴と、
大径のマスタ穴と、
前記計測ヘッド先端部が前記小径のマスタ穴に挿入されたときには前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記小径のマスタ穴の軸芯とを一致させ、前記計測ヘッド先端部が前記大径のマスタ穴に挿入されたときには前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記大径のマスタ穴の軸芯とを一致させる位置決め手段とを有してなることを特徴とする。
また、第2発明のエアマイクロメータ用較正装置は、計測時に工作機械の主軸に装着され、前記工作機械のワークテーブルに取り付けられたブッシュのブッシュ穴に挿入されて、前記ブッシュ穴と前記主軸の偏芯量を計測するための計測ヘッドであって、計測ヘッド本体部と、この計測ヘッド本体部の先端に設けられて計測時に前記ブッシュ穴に挿入される計測ヘッド先端部とを有し、前記計測ヘッド先端部には計測時に前記計測ヘッド先端部の外周面の噴き出し口から同外周面と前記ブッシュ穴の内周面との間のギャップに計測用エアを噴き出すための1つの又は複数の計測用エアノズルが形成される一方、前記計測ヘッド本体部には各計測用エアノズルに対応した個別の計測用エア供給路が形成されており、各計測用エアノズルに対してそれぞれ個別の計測用エア供給路から計測用エアが供給される構成としたエアマイクロメータの計測ヘッドを較正するためのエアマイクロメータ用較正装置であって、
小径のマスタ穴と、
大径のマスタ穴と、
前記計測ヘッド先端部が前記小径のマスタ穴に挿入されたときには前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記小径のマスタ穴の軸芯とを一致させ、前記計測ヘッド先端部が前記大径のマスタ穴に挿入されたときには前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記大径のマスタ穴の軸芯とを一致させる位置決め手段とを有してなることを特徴とする。
また、第3発明のエアマイクロメータ用較正装置は、第1又は第2発明のエアマイクロメータ用較正装置において、
前記位置決め手段は、圧油供給路と、クランピングスリーブと、このクランピングスリーブの周囲を囲む油圧室とを有してなり、前記クランピングスリーブが、前記圧油供給路から前記油圧室へ供給される圧油の圧力によって前記計測ヘッド本体部をクランプすることより、前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記小径のマスタ穴の軸芯を一致させ、前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記大径のマスタ穴の軸芯とを一致させる構成であることを特徴とする。
また、第4発明のエアマイクロメータ用較正装置は、第3発明のエアマイクロメータ用較正装置において、
前記クランピングスリーブと前記小径のマスタ穴と前記大径のマスタ穴が直列に配設され、前記クランピングスリーブの軸芯と前記小径のマスタ穴の軸芯と前記大径のマスタ穴の軸芯が一致した構成であることを特徴とする。
第1発明のエアマイクロメータ用較正装置によれば、計測用エア供給路が形成された計測ヘッド本体部と、この計測ヘッド本体部の先端に設けられ且つ前記計測用エア供給路から供給された計測用エアを外周面の噴き出し口から噴き出すための計測用エアノズルが形成された計測ヘッド先端部とを有してなるエアマイクロメータの計測ヘッドを較正するためのエアマイクロメータ用較正装置であって、小径のマスタ穴と、大径のマスタ穴と、前記計測ヘッド先端部が前記小径のマスタ穴に挿入されたときには前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記小径のマスタ穴の軸芯とを一致させ、前記計測ヘッド先端部が前記大径のマスタ穴に挿入されたときには前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記大径のマスタ穴の軸芯とを一致させる位置決め手段とを有してなることを特徴としているため、計測ヘッド先端部の外周面とブッシュ穴の内周面との間のギャップ計測が可能な較正装置を実現することができる。但し、本発明のエアマイクロメータ用較正装置は、必ずしもギャップ計測が可能な計測ヘッドの較正に限定するものでなく、穴の内径を計測する従来の計測ヘッドを較正する場合にも適用することができる。この場合、マスタ穴の軸芯と計測ヘッド(計測ヘッド先端部)の軸芯とを一致させることにより、計測ヘッド(計測ヘッド先端部)とマスタ穴が大きく偏芯して較正精度が低下するのを防止することができる。
第2発明のエアマイクロメータ用較正装置によれば、計測時に工作機械の主軸に装着され、前記工作機械のワークテーブルに取り付けられたブッシュのブッシュ穴に挿入されて、前記ブッシュ穴と前記主軸の偏芯量を計測するための計測ヘッドであって、計測ヘッド本体部と、この計測ヘッド本体部の先端に設けられて計測時に前記ブッシュ穴に挿入される計測ヘッド先端部とを有し、前記計測ヘッド先端部には計測時に前記計測ヘッド先端部の外周面の噴き出し口から同外周面と前記ブッシュ穴の内周面との間のギャップに計測用エアを噴き出すための1つの又は複数の計測用エアノズルが形成される一方、前記計測ヘッド本体部には各計測用エアノズルに対応した個別の計測用エア供給路が形成されており、各計測用エアノズルに対してそれぞれ個別の計測用エア供給路から計測用エアが供給される構成としたエアマイクロメータの計測ヘッドを較正するためのエアマイクロメータ用較正装置であって、小径のマスタ穴と、大径のマスタ穴と、前記計測ヘッド先端部が前記小径のマスタ穴に挿入されたときには前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記小径のマスタ穴の軸芯とを一致させ、前記計測ヘッド先端部が前記大径のマスタ穴に挿入されたときには前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記大径のマスタ穴の軸芯とを一致させる位置決め手段とを有してなることを特徴としているため、計測ヘッド先端部の外周面とブッシュ穴の内周面との間のギャップ計測が可能な計測ヘッドに適用して有効な較正装置を実現することができる。
第3発明のエアマイクロメータ用較正装置によれば、第1又は第2発明のエアマイクロメータ用較正装置において、前記位置決め手段は、圧油供給路と、クランピングスリーブと、このクランピングスリーブの周囲を囲む油圧室とを有してなり、前記クランピングスリーブが、前記圧油供給路から前記油圧室へ供給される圧油の圧力によって前記計測ヘッド本体部をクランプすることより、前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記小径のマスタ穴の軸芯を一致させ、前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記大径のマスタ穴の軸芯とを一致させる構成であることを特徴としているため、クランピングスリーブなどからなる簡易な構成の位置決め手段によって、確実且容易に計測ヘッド先端部の軸芯と小径のマスタ穴の軸芯を一致させ、計測ヘッド先端部の軸芯と大径のマスタ穴の軸芯とを一致させることができる。
第4発明のエアマイクロメータ用較正装置によれば、第3発明のエアマイクロメータ用較正装置において、前記クランピングスリーブと前記小径のマスタ穴と前記大径のマスタ穴が直列に配設され、前記クランピングスリーブの軸芯と前記小径のマスタ穴の軸芯と前記大径のマスタ穴の軸芯が一致した構成であることを特徴としているため、1つのクランピングスリーブによって、計測ヘッド先端部の軸芯と小径のマスタ穴の軸芯を一致させることと、計測ヘッド先端部の軸芯と大径のマスタ穴の軸芯とを一致させることとが可能となり、且つ、小径のマスタ穴による較正と大径のマスタ穴による較正とを、連続的に効率よく行うことができる。
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は本発明の実施の形態例に係るエアマイクロメータ用較正装置(マスタゲージ)によって較正される第1の計測ヘッドが適用される工作機械の一例を示す図、図1(b)は前記計測ヘッドを前記工作機械の主軸に装着した状態を示す要部拡大図である。そして、図2は前記計測ヘッドを一部破断して示す側面図、図3(a)は前記計測ヘッドの一部を示す断面図、図3(b)は図2のA方向矢視図、図3(c)は図2のB−B線矢視断面図、図3(d)は図2のC−C線矢視断面図、図4は前記エアマイクロメータのシステム構成図、図5(a)は図4のD方向矢視図、図5(b)は前記計測ヘッドを図5(a)の状態から90度回転させた状態を示す図、図6は計測用エア流量とギャップの関係を表すデータの説明図である。
そして、図7(a)は本発明の実施の形態例に係るエアマイクロメータ用較正装置の断面図、図7(b)は図7(a)のE方向矢視図、図7(c)は図7(a)のF−F線矢視断面図、図8(a)は前記エアマイクロメータ用較正装置を用いて前記計測ヘッドを較正する様子を示す図、図8(b)は図8(a)のG方向矢視図である。
図1(a)に例示する工作機械21はベッド22、ベッド22上に設けられたワークテーブル23、コラム24、主軸ヘッド25、主軸26及びブッシュ取付具27などを有してなるものである。
コラム24はベッド22の上面に設けられたレール28に沿って図1(a)の紙面と直交する方向(X軸方向)へ移動可能となっており、ワークテーブル23はベッド22の上面に設けられたレール29に沿って図1(a)の左右方向(Z軸方向)へ移動可能となっている。主軸26の支持部である主軸ヘッド25は、コラム24の前面に設けられたレール30に沿って上下方向(Y軸方向)に移動可能となっている。図示例の工作機械は横形のものであり、主軸26は軸方向を水平にした状態で主軸ヘッド25内に設けられて、主軸ヘッド25に回転可能に支持されている。コラム24とワークテーブル23と主軸ヘッド26は、図示しない送りねじ機構などの各軸の駆動機構に駆動されて、X軸方向とZ軸方向とY軸方向のそれぞれに直線的に移動するようになっている。主軸26は図示しない主軸モータによって回転駆動される。
ブッシュ取付具27は水平部27aと垂直部27bとを有しており、ワークテーブル23上に固定されている。ブッシュ取付具27の水平部27a上にはエンジンのシリンダブロックやバルブボディなどのワークWが載置されて油圧などの固定手段で固定され、ブッシュ取付具27の垂直部にはブッシュ31が取り付けられている。ブッシュ31は中心部に横断面が円形のブッシュ穴31aを有する円筒状の部材である。一方、主軸26には長尺の穴開け工具32が装着されている。この穴開け工具32をブッシュ穴31aに挿通してその振れをブッシュ31で抑制しつつ、主軸26によって回転駆動することにより、同軸度の要求が厳しいクランク穴やスプール穴などの穴33の穴開け加工を行う。
そして、工作機械21の熱変位などで主軸26(穴開け工具32)の軸芯とブッシュ穴31aの軸芯がずれて(主軸26とブッシュ穴31aが偏芯して)、ブッシュ穴31aの内周面31bが偏摩耗してしまうのを防止するために定期的に主軸26とブッシュ穴31aの偏芯量を計測する。
その際には図1(b)に示すようにエアマイクロメータの計測ヘッド41を、穴開け工具32に代えて主軸26に装着した後、ブッシュ穴31aに挿入することによってギャップ計測を(主軸26とブッシュ穴31aの偏芯量の計測)をする(詳細後述)。なお、この場合のギャップ計測は、実際に穴開け加工に使用しているブッシュ31に限らず、図1(a)に一点鎖線で示すようにギャップ計測専用のブッシュ31を、ブッシュ取付具27やその近傍などに設けて、当該ギャップ計測専用のブッシュ31に対して行うようにしてもよい。
図2及び図3(a)〜図3(d)に示すように、エアマイクロメータの計測ヘッド41は円柱状(横断面が円形)の計測ヘッド本体部42と、この計測ヘッド本体部42の先端に設けられた円柱状(横断面が円形)の計測ヘッド先端部43とを有している。計測ヘッド本体部42の先端は計測ヘッド先端部43と一体の接続部45(先端側部材)となっており、この接続部45のインロー嵌合部48が、計測ヘッド本体部42のケース46に嵌合されている。また、ケース46の外周面には複数の長穴(凹部)58が形成されており、これらの長穴58から挿入されたねじ47によって、接続部45がケース46にねじ止めされている。
計測ヘッド先端部43の先端側周縁はテーパ面49となっており、計測ヘッド先端部43の基端側周縁もテーパ面50となっている。テーパ面49は計測ヘッド先端部43の先端側に向かって計測ヘッド先端部43の径方向内側へと傾斜しており、テーパ面50は計測ヘッド先端部43の基端側に向かって計測ヘッド先端部43の径方向内側へと傾斜している。
そして、この計測ヘッド先端部43には、2つの計測用エアノズル51A,51Bと、4つのエアブロー用ノズル52A,52B,52C,52Dが形成されている。
第1計測用エアノズル51Aと第2計測用エアノズル51Bは計測ヘッド先端部43の径方向に沿って形成され且つ互いに計測ヘッド先端部43の周方向に180度の角度を有しており、計測時に計測ヘッド先端部43の外周面43aの噴き出し口51A−1,51B−1から、同外周面43aとブッシュ穴31aの内周面31bとの間のギャップに噴き出すためのものである。エアブロー用ノズル52A,52B,52C,52Dは計測ヘッド先端部43の周方向にそれぞれ90度の角度を有しており、先端側のテーパ面49の噴き出し口52A−1,52B−1,52C−1,52D−1から前方へブッシュ穴31aの内周面31bに向かってエアブロー用エアを噴き出すためのものである。また、接続部45には、第1計測用エアノズル51Aに接続された第1計測用エア供給路53Aと、第2計測用エアノズル51Bに接続された第2計測用エア供給路53Bと、エアブロー用ノズル52A,52B,52C,52Dに接続されたエアブロー用エア供給路56とが形成されている。
一方、計測ヘッド本体部42は前述の接続部45の他、先端側部材としてのケース46と、基端側部材54とを有している。ケース46は円筒状の部材であり、その板厚部分に第1計測用エア供給路55Aと第2計測用エア供給路55Bが形成されている。第1計測用エア供給路55Aは前述の第1計測用エア供給路53Aに接続され、第2計測用エア供給路55Bは前述の第2計測用エア供給路53Bに接続されている。
基端側部材54は、軸部60の先端側と基端側に軸部60よりも大径の先端部61と基端部59とを備えた構成となっている。先端部62はケース46内に配設され、ケース46の内周面46aに接して軸方向に摺動可能となっており、軸部60はケース46の基端側端板62の穴62aに挿通されて、軸方向に移動可能となっている。そして、先端部62と接続部45(インロー部48)との間には、弾性部材としてのコイルばね74が介設されている。コイルばね74は、常時、計測ヘッド先端部43(接続部45)を前方に押している。従って、計測ヘッド先端部43をブッシュ穴31aに挿入する際に計測ヘッド先端部43がブッシュ31に接触したとしても、コイルばね74が縮んで図3(a)に一点鎖線で示すように計測ヘッド先端部43がケース46とともに基端側に移動することより、この接触時の衝撃が緩和される。
基端側部材54には第1計測用エア供給路63Aと第2計測用エア供給路63Bが形成されている。軸部60の外周面には可撓性の第1ホース64Aと第2ホース64Bが巻き付けられており、第1ホース64Aはケース46側の第1計測用エア供給路55Aと基端側部材54側の第1計測用エア供給路63Aとをつなぎ、第2ホース64Bはケース46側の第2計測用エア供給路55Bと基端側部材54側の第2計測用エア供給路63Aとをつないでいる。従って、第1計測用エアノズル51Aには第1計測用エア供給路63A、第1ホース64A、第1計測用エア供給路55A及び第1計測用エア供給路53Aを介して計測用エアが供給され、第2計測用エアノズル51Bには第2計測用エア供給路63B、第2ホース64B、第2計測用エア供給路55B及び第2計測用エア供給路53Bを介して計測用エアが供給される。
また、基端側部材54(先端部61、軸部60及び基端部59)には、エアブロー用エア供給路65が形成されている。従って、エアブロー用ノズル52A,52B,52C,52Dにはエアブロー用エア供給路65、ケース46内における先端部61と接続部45(インロー嵌合部48)との間の空間部66及びエアブロー用エア供給路56を介してエアブロー用エアが供給される。
また、基端側部材54の外周面にはロータリジョイント67が装着されており、基端側部材54の基端には計測ヘッド41を、穴開け工具32と同様に主軸26に対して着脱可能な構造の着脱部68が設けられている。
ロータリジョイント67の第1計測用エア供給路68Aは第1カプラ69Aを介して、主軸ヘッド25に形成されている第1計測用エア供給路70Aに接続されており、ロータリジョイント67の第2計測用エア供給路68Bは第2カプラ69Bを介して、主軸ヘッド25に形成されている第2計測用エア供給路70Bに接続されている。従って、基端側部材54の第1計測用エア供給路63Aへは主軸ヘッド25の第1計測用エア供給路70Aから、ロータリジョイント67の第1計測用エア供給路68Aを介して計測用エアが供給され、基端側部材54の第2計測用エア供給路63Bへは主軸ヘッド25の第2計測用エア供給路70Bから、ロータリジョイント67の第2計測用エア供給路68Bを介して計測用エアが供給される。
また、主軸26にはロータリジョイント71が装着されており、このロータリジョイント71のエアブロー用エア供給路72は主軸ヘッド25に形成されたエアブロー用エア供給路73に接続されている。従って、基端側部材54のエアブロー用エア供給路65へは、主軸ヘッド25のエアブロー用エア供給路73から、ロータリジョイント71のエアブロー用エア供給路72及び主軸26に形成されたエアブロー用エア供給路75を介してエアブロー用エアが供給される。
次に、図4、図5(a)、図5(b)及び図6に基づき、エアマイクロメータのシステム構成及びギャップ計測操作の手順について説明する。なお、以下の操作はNC装置(数値制御装置)78で前記各軸の駆動機構の動作や主軸モータの回転などを制御することよって実施される。
ギャップ計測時には、まず、穴開け工具32に代えて計測ヘッド41を主軸26に装着し、この計測ヘッド41をブッシュ穴31aの入口まで移動した後、エアブロー用エア供給源79から、計測ヘッド先端部43のエアブロー用ノズル52A,52B,52C,52D(主軸ヘッド25のエアブロー用エア供給路73)へエアブロー用エアを供給する。その結果、このエアブロー用エアが、エアブロー用ノズル52A,52B,52C,52Dからブッシュ穴31aの内周面31bに向かって噴き出される。このため、内周面31bに切削屑などの異物が付着している場合には、当該異物が、エアブロー用エアで吹き飛ばされて、内周面31bから除去される。
その後、図4に示すように計測ヘッド先端部43をブッシュ穴31aに挿入し、NC装置78からシーケンサ80へ計測指令が出力されて、シーケンサ80から制御装置81へ計測方向選択指令及び計測開始指令がエアマイクロメータの制御装置81へ出力されると、この制御装置81によるA/D変換機77A,77Bやエア供給源76A,76Bの制御が開始されて、Y軸方向のギャップ計測とX軸方向のギャップ計測が実施される。これらのギャップ計測はY軸方向とX軸方向の何れから始めてもよいが、例えば、はじめに図5(a)に示すようにY軸方向のギャップ計測を行い、次に図5(b)に示すようにNC装置78による主軸26の制御によって計測ヘッド41(計測用エア3)を90度回転させて、X軸方向のギャップ計測を行う。
まず、Y軸方向のギャップ計測について詳述すると、第1計測用エア供給源76Aと第2計測用エア供給源76Bのそれぞれからレギュレータなどの圧力調整手段で一定圧力に調整された計測用エアを、第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bを介して、計測ヘッド先端部43の第1計測用エアノズル51A(主軸ヘッド25の第1計測用エア供給路70A)と第2計測用エアノズル51B(主軸ヘッド25の第2計測用エア供給路70B)へ供給する。その結果、これらの計測用エアが、第1計測用エアノズル51Aと第2計測用エアノズル51Bから、計測ヘッド先端部43の外周面43aとブッシュ穴31aの内周面31bとの間のギャップΔY1,ΔY2に噴き出される。そして、このときに第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bではそれぞれの計測用エアの圧力(計測用エアの流量に相当)を検出し、これらの検出信号をデジタル信号に変換して制御装置81へ出力する。
制御装置81では、第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bから出力された圧力検出信号から計測用エアの流量を求め、この計測用エア流量のデータと、予め記憶されている図6に例示するような計測用エア流量とギャップの関係を表すデータとに基づいて、ギャップΔY1とギャップΔY2を求める。更に制御装置81では、これらのギャップΔY1,ΔY2の計測値に基づき、下記の(1)式によってY軸方向における主軸26(穴開け工具32)とブッシュ穴31aの偏芯量ΔYを算出し、この偏芯量ΔYをシーケンサ80へ出力する。
ΔY=(ΔY1−ΔY2)÷2 ・・・(1)
次に、X軸方向のギャップ計測について詳述すると、Y軸方向のギャップ計測と同様に第1計測用エア供給源76Aと 第2計測用エア供給源76Bのそれぞれからレギュレータなどの圧力調整手段で一定圧力に調整された計測用エアを、第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bを介して、計測ヘッド先端部43の第1計測用エアノズル51A(主軸ヘッド25の第1計測用エア供給路70A)と第2計測用エアノズル51B(主軸ヘッド25の第2計測用エア供給路70B)へ供給する。その結果、これらの計測用エアが、第1計測用エアノズル51Aと第2計測用エアノズル51Bから、計測ヘッド先端部43の外周面43aとブッシュ穴31aの内周面31bとの間のギャップΔX1,ΔX2に噴き出される。そして、このときに第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bではそれぞれの計測用エアの圧力(計測用エアの流量に相当)を検出し、これらの検出信号をデジタル信号に変換して制御装置81へ出力する。
制御装置81では、第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bから出力された圧力検出信号から計測用エアの流量を求め、この計測用エア流量のデータと、予め記憶されている図6に例示するような計測用エア流量とギャップの関係を表すデータとに基づいて、ギャップΔX1とギャップΔX2を求める。更に制御装置81では、これらのギャップΔX1,ΔX2の計測値に基づき、下記の(2)式によってX軸方向における主軸26(穴開け工具32)とブッシュ穴31aの偏芯量ΔXを算出し、この偏芯量ΔXをシーケンサ80へ出力する。
ΔX=(ΔX1−ΔX2)÷2 ・・・(1)
シーケンサ80では制御装置81から入力した偏芯量ΔX,ΔYを、NC装置78のマクロ変数に格納する。そして、NC装置78では、この偏芯量ΔX,ΔYに応じてX,Y座標をシフトすることにより主軸26の位置を制御する(即ち主軸26とブッシュ穴31aの相対位置を補正する)ことより、主軸26(穴開け工具32)の軸芯とブッシュ穴31aの軸芯とを一致させて、ブッシュ穴31aの偏摩耗を防止する。
そして、図6に例示するような計測用エア流量とギャップの関係を表すデータは、図7(a)〜図7(c)に示すような本実施の形態例のエアマイクロメータ用較正装置91を用いて、計測ヘッド41の較正を行うことによって求める。
図7(a)〜図7(c)に示すように、エアマイクロメータ用較正装置91は格納穴92に格納されている。エアマイクロメータ用較正装置91の格納場所(格納穴92を設ける場所)は任意であり、例えばブッシュ取付具27やその近傍、或いは工具格納部やその近傍などでもよい。
エアマイクロメータ用較正装置91は計測ヘッド進入穴94の途中に設けられたクランピングスリーブ93と、小径のマスタ穴(小範)95と、大径のマスタ穴(大範)96とを有している。小径のマスタ穴95は直径D1を有し、大径のマスタ穴96はD1よりも大きな直径D2を有している。クランピングスリーブ93と小径のマスタ穴95と大径のマスタ穴96は直列に配設されており、且つ、クランピングスリーブ93の軸芯と小径のマスタ穴95の軸芯と大径のマスタ穴96の軸芯は一致している。クランピングスリーブ93は、金属材料などによって薄く円筒状に形成されたものである。
また、エアマイクロメータ用較正装置91には、クランピングスリーブ93の周囲を囲む円筒状の油圧室97と、この油圧室97に接続された圧油供給路98とが形成されている。これらの圧油供給路98と油圧室97とクランピングスリーブ93は位置決め手段を構成している。圧油供給路98には可撓性のホース99が接続されている。エアマイクロメータ用較正装置91はフローティング状態となっている。即ち、エアマイクロメータ用較正装置91の周辺にはマスタ穴95,96の径方向(矢印T方向)への動きを阻止するものが設けられておらず、エアマイクロメータ用較正装置91は格納穴92内において自由に前記径方向(矢印T方向)へ移動可能である。
次に、図4、図8(a)及び図8(b)に基づき、較正操作の手順について説明する。なお、以下の操作はNC装置(数値制御装置)78で前記各軸の駆動機構などを制御することよって実施される。
較正時には、まず、計測ヘッド41をエアマイクロメータ用較正装置91(計測ヘッド進入穴94)の入口まで移動した後、エアブロー用エア供給源79から、計測ヘッド先端部43のエアブロー用ノズル52A,52B,52C,52D(主軸ヘッド25のエアブロー用エア供給路73)へエアブロー用エアを供給する。その結果、このエアブロー用エアが、クランピングスリーブ93の内周面93a、小径のマスタ穴95の内周面95a及び大径のマスタ穴96の内周面96aに向かって噴き出される。このため、これらの内周面93a,95a,96aに切削屑などの異物が付着している場合には、当該異物が、エアブロー用エアで吹き飛ばされて、内周面93a,95a,96aから除去される。なお、エアマイクロメータ用較正装置91の格納状態などによって、内周面93a,95a,96aに異物が付着するおそれがない場合には、エアブローを行わなくてもよい。
較正開始時には、まず、図8(a)に示すように計測ヘッド先端部43を、小径のマスタ穴95に挿入する。このとき計測ヘッド本体部42(ケース46)はクランピングスリーブ93内に位置している。そして、図示しない圧油供給源から、ホース99及び圧油供給路98を介して油圧室97へ供給すると、この油圧室97の油圧がクランピングスリーブ93全体に矢印Uの如く作用して、クランピングスリーブ93の径が僅かに縮小することにより、クランピングスリーブ93が計測ヘッド本体部42(ケース46)をクランプする。その結果、計測ヘッド先端部43の軸芯と小径のマスタ穴95の軸芯が一致する。即ち、図8(b)に示すように計測ヘッド先端部43の外周面43aと小径のマスタ穴95の内周面95aとの間のギャップΔG1が、計測ヘッド先端部43の周方向全体で一定(所定値)となる。
この状態でギャップ計測時と同様に第1計測用エア供給源76Aと第2計測用エア供給源76Bのそれぞれからレギュレータなどの圧力調整手段で一定圧力に調整された計測用エアを、第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bを介して、計測ヘッド先端部43の第1計測用エアノズル51A(主軸ヘッド25の第1計測用エア供給路70A)と第2計測用エアノズル51B(主軸ヘッド25の第2計測用エア供給路70B)へ供給する。その結果、これらの計測用エアが、第1計測用エアノズル51Aと第2計測用エアノズル51Bから、計測ヘッド先端部43の外周面43aと小径のマスタ穴95の内周面95aとの間のギャップΔG1に噴き出される。このときに第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bではそれぞれの計測用エアの圧力(計測用エアの流量に相当)を検出し、これらの検出信号をデジタル信号に変換して制御装置81へ出力する。
そして、制御装置81では第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bから出力された圧力検出信号から計測用エアの流量Q1を求め、この計測用エア流量Q1のデータと、予め入力されているギャップΔG1のデータとを、図6に示すような計測用エア流量Q1とギャップΔG1の関係を表す点P1のデータとして記憶する。
次に、油圧室97から圧油供給路98及びホース99を介して圧油を排出し、一旦、クランピングスリーブ93による計測ヘッド本体部42(ケース46)のクランプを解除した後、計測ヘッド先端部43を、大径のマスタ穴96に挿入する。このときにも計測ヘッド本体部42(ケース46)はクランピングスリーブ93内に位置している。そして、前述と同様に前記圧油供給源から、ホース99及び圧油供給路98を介して油圧室97へ供給することにより、この油圧室97の油圧によってクランピングスリーブ93が計測ヘッド本体部42(ケース46)をクランプする。その結果、計測ヘッド先端部43の軸芯と大径のマスタ穴96の軸芯が一致する。即ち、図8(b)に示すように計測ヘッド先端部43の外周面43aと大径のマスタ穴96の内周面96aとの間のギャップΔG2が、計測ヘッド先端部43の周方向全体で一定(所定値)となる。
この状態で小径のマスタ穴95の場合と同様に第1計測用エア供給源76Aと第2計測用エア供給源76Bのそれぞれからレギュレータなどの圧力調整手段で一定圧力に調整された計測用エアを、第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bを介して、計測ヘッド先端部43の第1計測用エアノズル51A(主軸ヘッド25の第1計測用エア供給路70A)と第2計測用エアノズル51B(主軸ヘッド25の第2計測用エア供給路70B)へ供給する。その結果、これらの計測用エアが、第1計測用エアノズル51Aと第2計測用エアノズル51Bから、計測ヘッド先端部43の外周面43aと大径のマスタ穴96の内周面96aとの間のギャップΔG2に噴き出される。このときに第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bではそれぞれの計測用エアの圧力(計測用エアの流量に相当)を検出し、これらの検出信号をデジタル信号に変換して制御装置81へ出力する。
そして、制御装置81では第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bから出力された圧力検出信号から計測用エアの流量Q2を求め、この計測用エア流量Q2のデータと、予め入力されているギャップΔG2のデータとを、図6に示すような計測用エア流量Q2とギャップΔG2の関係を表す点P2のデータとして記憶する。また、この点P2と前述の点P1の間のデータは直線補間によって求める。
かくして、図6に実線で示すような計測用エア流量とギャップの関係を表すデータが得られる。なお、図6に一点鎖線で示すようなギャップが非常に小さい範囲や、計測ヘッドの流路面積に比べてギャップが大きい範囲では、ギャップの変化に対して計測用エア流量の変化が比例しなくなる。従って、エアマイクロメータの計測範囲は、図6に実線で示すようなギャップの変化に対して計測用エア流量の変化が比例する範囲とする必要がある。
図9は本発明の実施の形態例に係るエアマイクロメータ用較正装置によって較正される第2の計測ヘッドの側面図、図10(a)は前記計測ヘッドの一部を示す断面図、図10(b)は図9のH方向矢視図、図10(c)は図9のI−I線矢視断面図、図10(d)は図9のJ−J線矢視断面図、図10(e)は図9のK−K線矢視断面図、図10(f)は図9のL−L線矢視断面図、図11は前記エアマイクロメータのシステム構成図、図12は図11のM方向矢視図、図13はエアマイクロメータ用較正装置を用いて前記計測ヘッドを較正する様子を示す図(図8(b)と同様の図)である。
なお、本第2の計測ヘッドを適用する工作機械例及び主軸への装着状態については、図1(a)及び図1(b)と同様であり、ここでの図示及び詳細な説明は省略する。また、本第2の計測ヘッドの較正にも上記のエアマイクロメータ用較正装置91を適用する(図7、図8参照)。従って、ここでのエアマイクロメータ用較正装置についての詳細な説明は省略する。
上記第1の計測ヘッド41では計測ヘッド先端部43に2つの計測用エアノズル51A,51Bが形成されているのに対して(図2、図3参照)、図10(b)及び図10(c)に示すように本第2の計測ヘッド41は、計測ヘッド先端部43に4つの計測用エアノズル51A,51B,51C,51Dが形成されていることを特徴としており、その他の構成については上記の計測ヘッド41と概ね同様である。従って、本第2の計測ヘッド41について、上記の計測ヘッド41と同様の部分には同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図9及び図10(a)〜図10(d)に示すように、本第2の計測ヘッド41の計測ヘッド先端部43には、4つの計測用エアノズル51A,51B,51C,51Dが形成されている。これらの計測用エアノズル51A〜51Dは計測ヘッド先端部43の周方向にそれぞれが90度の角度を有しており、計測時に計測ヘッド先端部43の外周面43aの噴き出し口51A−1,51B−1,51C−1,51D−1から、同外周面43aとブッシュ穴31aの内周面31bとの間のギャップに噴き出すためのものである。また、計測ヘッド本体部42の接続部45には、第1計測用エアノズル51Aに接続された第1計測用エア供給路53Aと、第2計測用エアノズル51Bに接続された第2計測用エア供給路53Bと、第3計測用エアノズル51Cに接続された第3計測用エア供給路53Cと、第4計測用エアノズル51Dに接続された第4計測用エア供給路53Dとが形成されている。
計測ヘッド本体部42のケース46の板厚部分には、第1計測用エア供給路55Aと第2計測用エア供給路55Bと第3計測用エア供給路55Cと第4計測用エア供給路55Dが形成されている。第1計測用エア供給路55Aは前述の第1計測用エア供給路53Aに接続され、第2計測用エア供給路55Bは前述の第2計測用エア供給路53Bに接続され、第3計測用エア供給路55Cは前述の第3計測用エア供給路53Cに接続され、第4計測用エア供給路55Dは前述の第4計測用エア供給路53Dに接続されている。
基端側部材54には、第1計測用エア供給路63Aと第2計測用エア供給路63Bと第1計測用エア供給路63Aと第2計測用エア供給路63Bと第3計測用エア供給路63Cと第4計測用エア供給路63Dが形成されている。
軸部60の外周面には可撓性の第1ホース64Aと第2ホース64Bと第3ホース64Cと第4ホース64Dが巻き付けられており、第1ホース64Aはケース46側の第1計測用エア供給路55Aと基端側部材54側の第1計測用エア供給路63Aとをつなぎ、第2ホース64Bはケース46側の第2計測用エア供給路55Bと基端側部材54側の第2計測用エア供給路63Aとをつなぎ、第3ホース64Cはケース46側の第3計測用エア供給路55Cと基端側部材54側の第3計測用エア供給路63Cとをつなぎ、第4ホース64Dはケース46側の第4計測用エア供給路55Dと基端側部材54側の第4計測用エア供給路63Dとをつないでいる。
従って、第1計測用エアノズル51Aには第1計測用エア供給路63A、第1ホース64A、第1計測用エア供給路55A及び第1計測用エア供給路53Aを介して計測用エアが供給され、第2計測用エアノズル51Bには第2計測用エア供給路63B、第2ホース64B、第2計測用エア供給路55B及び第2計測用エア供給路53Bを介して計測用エアが供給され、第3計測用エアノズル51Cには第3計測用エア供給路63C、第3ホース64C、第3計測用エア供給路55C及び第3計測用エア供給路53Cを介して計測用エアが供給され、第4計測用エアノズル51Dには第4計測用エア供給路63D、第4ホース64D、第4計測用エア供給路55D及び第4計測用エア供給路53Dを介して計測用エアが供給される。
なお、本計測ヘッド41では基端側部材54にロータリジョイントが装着されておらず、基端側部材54の第1計測用エア供給路63Aが第1カプラ69Aを介して主軸ヘッド25の第1計測用エア供給路70Aに接続され、第2計測用エア供給路63Bが第2カプラ69Bを介して主軸ヘッド25の第2計測用エア供給路70Bに接続され、更に第3計測用エア供給路63Cが第3カプラ(図示省略)を介して主軸ヘッド25の第3計測用エア供給路(図示省略)に接続され、第4計測用エア供給路63Dが第4カプラ(図示省略)を介して主軸ヘッド25の第4計測用エア供給路(図示省略)に接続されている。従って、基端側部材54の第1計測用エア供給路63Aへは主軸ヘッド25の第1計測用エア供給路70Aから計測用エアが供給され、基端側部材54の第2計測用エア供給路63Bへは主軸ヘッド25の第2計測用エア供給路70Bから計測用エアが供給され、基端側部材54の第3計測用エア供給路63Cへは主軸ヘッド25の第3計測用エア供給路から計測用エアが供給され、基端側部材54の第4計測用エア供給路63Dへは主軸ヘッド25の第4計測用エア供給路から計測用エアが供給される。
次に、図11、図12及び図6に基づき、エアマイクロメータのシステム構成及びギャップ計測操作の手順について説明する。なお、以下の操作はNC装置78で前記各軸の駆動機構の動作や主軸モータの回転などを制御することよって実施される。
ギャップ計測時には、まず、エアブローを行う。このエアブローついては上記の場合と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。その後、図11に示すように計測ヘッド先端部43をブッシュ穴31aに挿入した後、NC装置78からシーケンサ80へ計測指令が出力されて、シーケンサ80から制御装置81へ計測方向選択指令及び計測開始指令がエアマイクロメータの制御装置81へ出力されると、この制御装置81によるA/D変換機77A,77Bやエア供給源76A,76Bの制御が開始されて、Y軸方向のギャップ計測とX軸方向のギャップ計測が実施される。これらのギャップ計測はY軸方向とX軸方向の何れから始めてもよく、同時に行ってもよい。本第2の計測ヘッド41では計測ヘッド先端部43に4つの計測用エアノズル51A〜51Dが形成されているため、上記の第1の計測ヘッド41のように計測ヘッド41を90度回転させる必要はない。
Y軸方向のギャップ計測について詳述すると、第1計測用エア供給源76Aと 第2計測用エア供給源76Bのそれぞれからレギュレータなどの圧力調整手段で一定圧力に調整された計測用エアを、第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bを介して、計測ヘッド先端部43の第1計測用エアノズル51A(主軸ヘッド25の第1計測用エア供給路70A)と第2計測用エアノズル51B(主軸ヘッド25の第2計測用エア供給路70B)へ供給する。その結果、これらの計測用エアが、第1計測用エアノズル51Aと第2計測用エアノズル51Bから、計測ヘッド先端部43の外周面43aとブッシュ穴31aの内周面31bとの間のギャップΔY1,ΔY2に噴き出される。そして、このときに第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bではそれぞれの計測用エアの圧力(計測用エアの流量に相当)を検出し、これらの検出信号をデジタル信号に変換して制御装置81へ出力する。
制御装置81では、第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bから出力された圧力検出信号から計測用エアの流量を求め、この計測用エア流量のデータと、予め記憶されている図6に例示するような計測用エア流量とギャップの関係を表すデータとに基づいて、ギャップΔY1とギャップΔY2を求める。更に制御装置81では、これらのギャップΔY1,ΔY2の計測値に基づき、上記(1)式によってY軸方向における主軸26(穴開け工具32)とブッシュ穴31aの偏芯量ΔYを算出し、この偏芯量ΔYをシーケンサ80へ出力する。
次に、X軸方向のギャップ計測について詳述すると、第3計測用エア供給源76Cと 第4計測用エア供給源76Dのそれぞれからレギュレータなどの圧力調整手段で一定圧力に調整された計測用エアを、第3A/D変換機77Cと第4A/D変換機77Dを介して、計測ヘッド先端部43の第3計測用エアノズル51C(主軸ヘッド25の第3計測用エア供給路)と第4計測用エアノズル51D(主軸ヘッド25の第4計測用エア供給路)へ供給する。その結果、これらの計測用エアが、第3計測用エアノズル51Cと第4計測用エアノズル51Dから、計測ヘッド先端部43の外周面43aとブッシュ穴31aの内周面31bとの間のギャップΔX1,ΔX2に噴き出される。そして、このときに第3A/D変換機77Cと第4A/D変換機77Dではそれぞれの計測用エアの圧力(計測用エアの流量に相当)を検出し、これらの検出信号をデジタル信号に変換して制御装置81へ出力する。
制御装置81では、第3A/D変換機77Cと第4A/D変換機77Dから出力された圧力検出信号から計測用エアの流量を求め、この計測用エア流量のデータと、予め記憶されている図6に例示するような計測用エア流量とギャップの関係を表すデータとに基づいて、ギャップΔX1とギャップΔX2を求める。更に制御装置81では、これらのギャップΔX1,ΔX2の計測値に基づき、上記(2)式によってX軸方向における主軸26(穴開け工具32)とブッシュ穴31aの偏芯量ΔXを算出し、この偏芯量ΔXをシーケンサ80へ出力する。
シーケンサ80では制御装置81から入力した偏芯量ΔX,ΔYを、NC装置78のマクロ変数に格納する。そして、NC装置78では、この偏芯量ΔX,ΔYに応じてX,Y座標をシフトすることにより主軸26の位置を制御する(即ち主軸26とブッシュ穴31aの相対位置を補正する)ことより、主軸26(穴開け工具32)の軸芯とブッシュ穴31aの軸芯とを一致させてブッシュ穴31aの偏摩耗を防止する。
そして、本第2の計測ヘッド41においても、上記のエアマイクロメータ用較正装置91を用いて較正を行うことによって、図6に例示するような計測用エア流量とギャップの関係を表すデータを求める。
較正操作の手順についても上記第1の計測ヘッド41の場合と同様である。図8(a)、図11及び図13に基づいて説明すると、前述のとおりにエアマイクロメータ用較正装置91に対してエアブロー行った後(又は行わずに)、まず、計測ヘッド先端部43を小径のマスタ穴95に挿入する。このとき計測ヘッド本体部42(ケース46)はクランピングスリーブ93内に位置している。そして、図示しない圧油供給源から、ホース99及び圧油供給路98を介して油圧室97へ供給すると、この油圧室97の油圧がクランピングスリーブ93全体に作用して、クランピングスリーブ93の径が僅かに縮小することにより、クランピングスリーブ93が計測ヘッド本体部42(ケース46)をクランプする。その結果、計測ヘッド先端部43の軸芯と小径のマスタ穴95の軸芯が一致する。即ち、図13に示すように計測ヘッド先端部43の外周面43aと小径のマスタ穴95の内周面95aとの間のギャップΔG1が、計測ヘッド先端部43の周方向全体で一定(所定値)となる。
この状態でギャップ計測時と同様に第1計測用エア供給源76Aと第2計測用エア供給源76Bと第3計測用エア供給源76Cと第4計測用エア供給源76Dのそれぞれからレギュレータなどの圧力調整手段で一定圧力に調整された計測用エアを、第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bと第3A/D変換機77Cと第4A/D変換機77Dを介して、計測ヘッド先端部43の第1計測用エアノズル51A(主軸ヘッド25の第1計測用エア供給路70A)と第2計測用エアノズル51B(主軸ヘッド25の第2計測用エア供給路70B)と第3計測用エアノズル51C(主軸ヘッド25の第3計測用エア供給路)と第4計測用エアノズル51D(主軸ヘッド25の第3計測用エア供給路)へ供給する。その結果、これらの計測用エアが、第1計測用エアノズル51Aと第2計測用エアノズル51Bと第3計測用エアノズル51Cと第4計測用エアノズル51Dから、計測ヘッド先端部43の外周面43aと小径のマスタ穴95の内周面95aとの間のギャップΔG1に噴き出される。このときに第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bと第3A/D変換機77Cと第4A/D変換機77Dではそれぞれの計測用エアの圧力(計測用エアの流量に相当)を検出し、これらの検出信号をデジタル信号に変換して制御装置81へ出力する。
制御装置81では第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bと第3A/D変換機77Cと第4A/D変換機77Dから出力された圧力検出信号から計測用エアの流量Q1を求め、この計測用エア流量Q1のデータと、予め入力されているギャップΔG1のデータとを、図6に示すような計測用エア流量Q1とギャップΔG1の関係を表す点P1のデータとして記憶する。
次に、油圧室97から圧油供給路98及びホース99を介して圧油を排出し、一旦、クランピングスリーブ93による計測ヘッド本体部42(ケース46)のクランプを解除した後、計測ヘッド先端部43を、大径のマスタ穴96に挿入する。このときにも計測ヘッド本体部42(ケース46)はクランピングスリーブ93内に位置している。そして、前述と同様に前記圧油供給源から、ホース99及び圧油供給路98を介して油圧室97へ供給することにより、この油圧室97の油圧によってクランピングスリーブ93が計測ヘッド本体部42(ケース46)をクランプする。その結果、計測ヘッド先端部43の軸芯と大径のマスタ穴96の軸芯が一致する。即ち、図13に示すように計測ヘッド先端部43の外周面43aと大径のマスタ穴96の内周面96aとの間のギャップΔG2が、計測ヘッド先端部43の周方向全体で一定(所定値)となる。
この状態で小径のマスタ穴95の場合と同様に第1計測用エア供給源76Aと第2計測用エア供給源76Bと第3計測用エア供給源76Cと第4計測用エア供給源76Dのそれぞれからレギュレータなどの圧力調整手段で一定圧力に調整された計測用エアを、第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bと第3A/D変換機77Cと第4A/D変換機77Dを介して、計測ヘッド先端部43の第1計測用エアノズル51A(主軸ヘッド25の第1計測用エア供給路70A)と第2計測用エアノズル51B(主軸ヘッド25の第2計測用エア供給路70B)と第3計測用エアノズル51C(主軸ヘッド25の第3計測用エア供給路)と第4計測用エアノズル51D(主軸ヘッド25の第4計測用エア供給路)へ供給する。その結果、これらの計測用エアが、第1計測用エアノズル51Aと第2計測用エアノズル51Bと第3計測用エアノズル51Cと第4計測用エアノズル51Dから、計測ヘッド先端部43の外周面43aと大径のマスタ穴96の内周面96aとの間のギャップΔG2に噴き出される。このときに第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bと第3A/D変換機77Cと第4A/D変換機77Dではそれぞれの計測用エアの圧力(計測用エアの流量に相当)を検出し、これらの検出信号をデジタル信号に変換して制御装置81へ出力する。
制御装置81では第1A/D変換機77Aと第2A/D変換機77Bと第3A/D変換機77Cと第4A/D変換機77Dから出力された圧力検出信号から計測用エアの流量Q2を求め、この計測用エア流量Q2のデータと、予め入力されているギャップΔG2のデータとを、図6に示すような計測用エア流量Q2とギャップΔG2の関係を表す点P2のデータとして記憶する。また、この点P2と前述の点P1の間のデータは直線補間によって求める。かくして、図6に示すような計測用エア流量とギャップの関係を表すデータが得られる。
図14(a)は本発明の実施の形態例に係るエアマイクロメータ用較正装置によって較正される第3の計測ヘッドの要部側面図、図14(b)は図14(a)のN方向矢視図、図14(c)は図14(a)のO−O線矢視断面図、図14(d)は図14(a)のP−P線矢視断面図、図14(e)は図14(a)のQ−Q線矢視断面図、図15は前記計測ヘッドによってギャップ計測をする様子を示す図(図5と同様の図)、図16はエアマイクロメータ用較正装置を用いて前記計測ヘッドを較正する様子を示す図(図8(b)と同様の図)である。また、図17には偏芯量の算出方法を示しており、図17(a)は計測ヘッド先端部とブッシュ穴が偏芯していないときの状態を示す図、図17(b)は計測ヘッド先端部がブッシュ穴に対してX軸方向にのみ偏芯した状態を示す図、図17(c)は図17(b)の状態の要部拡大図である。
なお、本第3の計測ヘッドを適用する工作機械例及び主軸への装着状態については、図1(a)及び図1(b)と同様であり、ここでの図示及び詳細な説明は省略する。また、本第3の計測ヘッドの較正にも上記のエアマイクロメータ用較正装置91を適用する(図7、図8参照)。従って、ここでのエアマイクロメータ用較正装置についての詳細な説明は省略する。また、本第3の計測ヘッドについては、上記第1の計測ヘッドと同様の部分には同一の符号を付して、重複する詳細な説明は省略し、計測ヘッド本体部の基端側部分の図示を省略している。
上記第1の計測ヘッド41では計測ヘッド先端部43に形成された第1計測用エアノズル51Aと第2計測用エアノズル51Bが、互いに計測ヘッド先端部43の周方向に180度の角度を有しているのに対して(図2、図3参照)、図14(a)〜図14(d)に示すように本第3の計測ヘッド41は、計測ヘッド先端部43に形成された第1計測用エアノズル51Aと第2計測用エアノズル51Bが、互いに計測ヘッド先端部43の周方向に90度の角度を有していることを特徴としており、接続部45の計測用エア供給路53A,53Bやケース46の計測用エア供給路55A,55Bなどの各部の計測用エア供給路やホースも、この第1及び第2計測用エアノズル51A,51Bに合わせ配置になっている。
その他は、上記第1の計測ヘッド41と同様の構成である。但し、図示は省略しているが、本第3の計測ヘッド41では、上記第2の計測ヘッド41(図9参照)と同様にロータリジョイントが装着されておらず、上記第1の計測ヘッド41と比較して計測用エアの供給経路にロータリジョイント67(第1及び第2計測用エア供給路68A,68B)が介在していない点が異なる。
また、図示及び詳細な説明は省略するが、エアマイクロメータのシステム構成及びギャップ計測操作の手順についても、上記第1の計測ヘッド41の場合と同様である(図4参照)。但し、図15に示すように第1計測用エアノズル51Aと第2計測用エアノズル51Bとが90度の角度を成すように配置したことより、計測ヘッド41を回転させることなく、第1計測用エアノズル51AではY軸方向のギャップΔY1を計測し、第2計測用エアノズル51BではX軸方向のギャップΔX1を計測することができるようになっており、この点が上記第1の計測ヘッドと異なる。
この場合、制御装置81(図4参照)では、これらのギャップΔX1,ΔY1の計測値を、制御装置81に予め記憶されている偏芯していないときの計測ヘッド先端部43の外周面43aとブッシュ穴31aの内周面31bとの間のギャップ値から差し引くことによって、偏芯量ΔX,ΔYを算出する。具体的には以下に説明する第1の偏芯量算出方法と第2の偏芯量算出方法の何れかによって、偏芯量ΔX,ΔYを算出する。
(第1の偏芯量算出方法)
第1の偏芯量算出方法は、次の(3),(4)の連立方程式を解くことによって偏芯量ΔX,ΔYを求める方法である。
ΔX=ΔX0−ΔX1−R(1−cos(sin-1(ΔY/R)) ・・・(3)
ΔY=ΔY0−ΔY1−R(1−cos(sin-1(ΔX/R)) ・・・(4)
上記(3),(4)式において、ΔX0,ΔY0は制御装置81に初期値として予め入力されるX軸方向とY軸方向のギャップ値、即ち偏芯していないときの計測ヘッド先端部43の外周面43aとブッシュ穴31aの内周面31bとの間のギャップ値である。Rは制御装置81に予め入力されるブッシュ穴31aの半径である。なお、計測ヘッド先端部43の半径rも制御装置81に予め入力して、このrとRの差(R−r)から、初期値ΔX0,ΔY0を算出するようにしてもよい。ギャップΔX1,ΔY1は、上記実施の形態例1と同様に制御装置81において、A/D変換機77A,77B(図4参照)から入力する計測用エアの圧力検出信号(デジタル信号)から、計測用エアの流量を求め、この計測用エア流量のデータと、予め記憶されている計測用エア流量とギャップの関係を表すデータとに基づいて求める。
図17に基づいて詳述すると、図17(a)の如く計測ヘッド先端部43とブッシュ穴31aが偏芯していない状態から、図17(b)の如く計測ヘッド先端部43がブッシュ穴31aに対してY軸方向にのみΔYだけ偏芯して、第1計測用エアノズル51Aで計測されるY軸方向のギャップ値が、初期値のΔY0からΔY1になった場合、Y軸方向の偏芯量ΔYは、次の(5)によって求めることができる。
ΔY=ΔY0−ΔY1 ・・・(5)
しかし、X軸方向については、実際には偏芯していないが、図17(b)に示すようにΔYの影響により、第2計測用エアノズル51Bで計測されるX軸方向のギャップ値が、ΔX´だけ変化して、初期値からΔX1となる。そこで、このΔYの影響によるX軸方向のギャップの変化量ΔX´を考慮した場合、X軸方向の偏芯量ΔXは、次の(6)式から求めることができる。図17(b)の場合には(6)式から、偏芯量ΔXは0となる。
ΔX=ΔX0−ΔX1−ΔX´ ・・・(6)
そして、図17(c)に示すとおり、変化量ΔX´は次の(7)式によって求めることができる。従って、この(7)式を(6)式に代入すれば(3)式が得られる。 ΔX´=R−Rcosθ
=R(1−cos(sin-1(ΔY/R)) ・・・(7)
詳細な説明は省略するが、Y軸方向についても、X軸方向の場合と同様であり、計測ヘッド先端部43がブッシュ穴31aに対してX軸方向にのみΔXだけ偏芯したときの、このΔXの影響によるY軸方向のギャップの変化量ΔY´を考慮した場合、Y軸方向の偏芯量ΔYは、次の(8)式から求めることができる。
ΔY=ΔY0−ΔY1−ΔY´ ・・・(8)
そして、変化量ΔY´は次の(9)式よって求めることができるため、この(9)式を(8)式に代入すれば(4)式が得られる。
ΔY´=R−Rcosθ
=R(1−cos(sin-1(ΔX/R)) ・・・(9)
(第2の偏芯量算出方法)
第2の偏芯量算出方法は、上記の変化量ΔX´,ΔY´を無視して、次の(10),(11)式によって偏芯量ΔX,ΔYを求める方法である。
ΔX=ΔX0−ΔX1 ・・・(10)
ΔY=ΔY0−ΔY1 ・・・(11)
偏芯量ΔX,ΔYはブッシュ穴31aの半径Rに比べて非常に小さいため(ΔX,ΔYR)、一方の偏芯量が他方のギャップ測定値に与える影響は少なく、変化量ΔX´,ΔY´は無視できる。即ち、ΔY≪Rのとき、ΔY/R≒0より、ΔX´≒0であり、ΔX≪Rのとき、ΔX/R≒0より、ΔY´≒0である。例えば、ΔY=0.010mm,R=10mmのときには、cos(sin(0.010/10))=0.9999995、ΔX´=10(1-0.9999995)=0.000005m=0.005μmであり、ΔX´/ΔY=0.000005/0.010=0.0005=0.05%である。また、ΔY=0.010mm,R=5mmのときには、ΔX´=0.00001mm=0.01μmであり、ΔX´/ΔY=0.001=0.1%である。そして、これらの変化量ΔX´の値0.005μm,0.01μmはエアマイクロメータのくり返し測定精度1.5μmよりも十分小さい。変化量ΔY´についても同様である。従って、変化量ΔX´,ΔY´は無視することができる。
本第3の計測ヘッド41の較正については上記第1の計測ヘッド41の場合と同様である。即ち、上記のエアマイクロメータ用較正装置91を用いて図16に示すようなギャップΔG1,ΔG2と計測用エア流量との関係を表すデータ(図6参照)を求める。
図18(a)は本発明の実施の形態例に係るエアマイクロメータ用較正装置によって較正される第4の計測ヘッドの要部側面図、図18(b)は図18(a)のR方向矢視図、図18(c)は図18(a)のS−S線矢視断面図、図18(d)は図18(a)のV−V線矢視断面図、図19(a)は前記計測ヘッドによってギャップ計測をする様子を示す図(図5と同様の図)、図19(b)は前記計測ヘッドを図19(a)の状態から90度回転させた状態を示す図(図5と同様の図)、図20はエアマイクロメータ用較正装置を用いて前記計測ヘッドを較正する様子を示す図(図8(b)と同様の図)である。
なお、本第4の計測ヘッドを適用する工作機械例及び主軸への装着状態については、図1(a)及び図1(b)と同様であり、ここでの図示及び詳細な説明は省略する。また、本第4の計測ヘッドの較正にも上記のエアマイクロメータ用較正装置91を適用する(図7、図8参照)。従って、ここでのエアマイクロメータ用較正装置についての詳細な説明は省略する。また、本第4の計測ヘッドについては、上記第1の計測ヘッドと同様の部分には同一の符号を付して、重複する詳細な説明は省略し、計測ヘッド本体部の基端側部分の図示を省略している。
上記第1の計測ヘッド41では計測ヘッド先端部43に2つの計測用エアノズル51A,51Bが形成されているのに対して(図2、図3参照)、図18(a)〜図18(d)に示すように本第4の計測ヘッド41は、計測ヘッド先端部43に1つの計測用エアノズル51Aのみが形成されていることを特徴としており、これに合わせて接続部45の計測用エア供給路53Aやケース46の計測用エア供給路55Aなどの各部の計測用エア供給路やホースも1つである。その他は、上記第1の計測ヘッド41と同様の構成である。
また、図示及び詳細な説明は省略するが、エアマイクロメータのシステム構成及びギャップ計測操作の手順についても、上記第1の計測ヘッド41の場合と同様である(図4参照)。但し、計測ヘッド先端部43に1つの計測用エアノズル51Aのみが形成されていることに合わせて、計測用エア供給源やA/D変換機も1つだけ設けられており、この点が上記実施の形態例1とは異なる。
また、ギャップ計測を行う際には、図19(a)に示す状態でY軸方向のギャップΔY1を計測し、続いて図19(a)に示すようにNC装置78(図4参照)による主軸26(図1、図2参照)の制御によって計測ヘッド41(計測ヘッド先端部43)を90度回転させることより、X軸方向のギャップΔX1を計測する。
この場合にも、上記第3の計測ヘッド41の場合と同様に制御装置81(図4参照)では、これらのギャップΔX1,ΔY1の計測値を、制御装置81に予め記憶されている偏芯していないときの計測ヘッド先端部43の外周面43aとブッシュ穴31aの内周面31bとの間のギャップ値から差し引くことによって、偏芯量ΔX,ΔYを算出する。具体的には、上記第3の計測ヘッド41の場合と同様に上記の第1の偏芯量算出方法又は第2の偏芯量算出方法の何れかによって、偏芯量ΔX,ΔYを算出する。
そして、本第4の計測ヘッド41においても、上記第1の計測ヘッド41の場合と同様に較正する。即ち、上記のエアマイクロメータ用較正装置91を用いて、図20に示すようなギャップΔG1,ΔG2と計測用エア流量との関係を表すデータ(図6参照)を求める。
以上のように、本実施の形態例のエアマイクロメータ用較正装置91によれば、計測時に工作機械21の主軸26に装着され、工作機械21のワークテーブル23に取り付けられたブッシュ31のブッシュ穴31aに挿入されて、ブッシュ穴31aと主軸26の偏芯量を計測するための第1、第2、第3又は第4の計測ヘッド41であって、計測ヘッド本体部42と、この計測ヘッド本体部42の先端に設けられて計測時にブッシュ穴31aに挿入される計測ヘッド先端部43とを有し、計測ヘッド先端部43には計測時に計測ヘッド先端部43の外周面43aの噴き出し口(例えば第1の計測ヘッド41では噴き出し口51A−1,51B−1)から同外周面43aとブッシュ穴31aの内周面31bとの間のギャップに計測用エアを噴き出すための1つの又は複数の計測用エアノズル(例えば第1の計測ヘッド41では計測用エアノズル51A,51B)が形成される一方、計測ヘッド本体部42には各計測用エアノズルに対応した個別の計測用エア供給路(例えば第1の計測ヘッド41では計測用エアノズル51A,51B)が形成されており、各計測用エアノズル(例えば第1の計測ヘッド41では計測用エアノズル51A,51B)に対してそれぞれ個別の計測用エア供給路(例えば第1の計測ヘッド41では第1計測用エア供給路53A,55A,63A及びホース64Aからなる供給路と、第1計測用エア供給路53B,55B,63B及びホース64Bからなる供給路)から計測用エアが供給される構成とした計測ヘッド41を較正するための較正装置であって、小径のマスタ穴95と、大径のマスタ穴96と、計測ヘッド先端部43が小径のマスタ穴95に挿入されたときには計測ヘッド先端部43の軸芯と小径のマスタ穴の軸芯とを一致させ、計測ヘッド先端部43が大径のマスタ穴96に挿入されたときには計測ヘッド先端部43の軸芯と大径のマスタ穴96の軸芯とを一致させる位置決め手段とを有してなることを特徴としているため、計測ヘッド先端部43の外周面43aとブッシュ穴31aの内周面31bとの間のギャップ計測が可能な計測ヘッド41に適用して有効な較正装置を実現することができる。
なお、本実施の形態例のエアマイクロメータ用較正装置91は、特に上記のようなギャップ計測が可能な計測ヘッド41の較正に適用して有用なものであるが、必ずしもこれに限定するものではなく、穴の内径を計測する従来の計測ヘッドの較正にも用いることができる。この場合には、マスタ穴の軸芯と計測ヘッド(計測ヘッド先端部)の軸芯とを一致させることにより、計測ヘッド(計測ヘッド先端部)とマスタ穴が大きく偏芯して較正精度が低下するのを防止することができる。
また、本実施の形態例のエアマイクロメータ用較正装置91によれば、前記位置決め手段は、圧油供給路98と、クランピングスリーブ93と、このクランピングスリーブ93の周囲を囲む油圧室97とを有してなり、クランピングスリーブ93が、圧油供給路98から油圧室97へ供給される圧油の圧力によって計測ヘッド本体部42(ケース46)をクランプすることより、計測ヘッド先端部43の軸芯と小径のマスタ穴95の軸芯を一致させ、計測ヘッド先端部43の軸芯と大径のマスタ穴96の軸芯とを一致させる構成であることを特徴としているため、クランピングスリーブ93などからなる簡易な構成の位置決め手段によって、確実且容易に計測ヘッド先端部43の軸芯と小径のマスタ穴31aの軸芯を一致させ、計測ヘッド先端部43の軸芯と大径のマスタ穴96の軸芯とを一致させることができる。
また、本実施の形態例のエアマイクロメータ用較正装置91によれば、クランピングスリーブ93と小径のマスタ穴95と大径のマスタ穴96が直列に配設され、クランピングスリーブ93の軸芯と小径のマスタ穴95の軸芯と大径のマスタ穴96の軸芯が一致した構成であることを特徴としているため、1つのクランピングスリーブ93によって、計測ヘッド先端部43の軸芯と小径のマスタ穴96の軸芯を一致させることと、計測ヘッド先端部43の軸芯と大径のマスタ穴96の軸芯とを一致させることとが可能となり、且つ、小径のマスタ穴95による較正と大径のマスタ穴96による較正とを、連続的に効率よく行うことができる。
なお、本発明のエアマイクロメータ用較正装置は、必ずしも上記のようにクランピングスリーブと小径のマスタ穴と大径のマスタ穴を列に配設した構成(図7参照)に限定するものではなく、例えば小径のマスタ穴と大径のマスタ穴を並設して、小径のマスタ穴と大径のマスタ穴のそれぞれに対して、クランピングスリーブなどの位置決め手段を設けてもよい。
本発明はエアマイクロメータ用較正装置に関するものであり、特に計測ヘッド先端部の外周面とブッシュ穴の内周面との間のギャップ計測が可能な計測ヘッドの較正に適用して有用なものである。
(a)は本発明の実施の形態例に係るエアマイクロメータ用較正装置(マスタゲージ)によって較正される第1の計測ヘッドが適用される工作機械の一例を示す図、(b)は前記計測ヘッドを前記工作機械の主軸に装着した状態を示す要部拡大図である。 前記計測ヘッドを一部破断して示す側面図である。 (a)は前記計測ヘッドの一部を示す断面図、(b)は図2のA方向矢視図、(c)は図2のB−B線矢視断面図、(d)は図2のC−C線矢視断面図である。 前記エアマイクロメータのシステム構成図である。 (a)は図4のD方向矢視図、(b)は前記計測ヘッドを(a)の状態から90度回転させた状態を示す図である。 計測用エア流量とギャップの関係を表すデータの説明図である。 (a)は本発明の実施の形態例に係るエアマイクロメータ用較正装置(マスタゲージ)の断面図、(b)は(a)のE方向矢視図、(c)は(a)のF−F線矢視断面図である。 (a)は前記エアマイクロメータ用較正装置を用いて前記計測ヘッドを較正する様子を示す図、(b)は(a)のG方向矢視図である。 本発明の実施の形態例に係るエアマイクロメータ用較正装置によって較正される第2の計測ヘッドの側面図である。 (a)は前記計測ヘッドの一部を示す断面図、(b)は図9のH方向矢視図、(c)は図9のI−I線矢視断面図、(d)は図9のJ−J線矢視断面図、(e)は図9のK−K線矢視断面図、(f)は図9のL−L線矢視断面図である。 前記エアマイクロメータのシステム構成図である。 図11のM方向矢視図である。 エアマイクロメータ用較正装置を用いて前記計測ヘッドを較正する様子を示す図(図8(b)と同様の図)である。 (a)は本発明の実施の形態例に係るエアマイクロメータ用較正装置によって較正される第3の計測ヘッドの要部側面図、(b)は(a)のN方向矢視図、(c)は(a)のO−O線矢視断面図、(d)は(a)のP−P線矢視断面図、(e)は(a)のQ−Q線矢視断面図である。 前記計測ヘッドによってギャップ計測をする様子を示す図(図5と同様の図)である。 エアマイクロメータ用較正装置を用いて前記計測ヘッドを較正する様子を示す図(図8(b)と同様の図)である。 偏芯量算出方法を説明図であって、(a)は計測ヘッド先端部とブッシュ穴が偏芯していないときの状態を示す図、(b)は計測ヘッド先端部がブッシュ穴に対してX軸方向にのみ偏芯した状態を示す図、(c)は(b)の状態の要部拡大図である。 (a)は本発明の実施の形態例に係るエアマイクロメータ用較正装置によって較正される第4の計測ヘッドの要部側面図、(b)は(a)のR方向矢視図、(c)は(a)のS−S線矢視断面図、(d)は(a)のV−V線矢視断面図である。 (a)は前記計測ヘッドによってギャップ計測をする様子を示す図(図5と同様の図)、(b)は前記計測ヘッドを(a)の状態から90度回転させた状態を示す図(図5と同様の図)である。 エアマイクロメータ用較正装置を用いて前記計測ヘッドを較正する様子を示す図(図8(b)と同様の図)である。 (a)はタッチセンサの側面図、(b)は(a)のW方向矢視図である。 (a)は従来のエアマイクロメータの概要を示す図、(b)は前記エアマイクロメータ用較正装置の概要を示す図である。
符号の説明
21 工作機械
22 ベッド
23 ワークテーブル
24 コラム
25 主軸ヘッド
26 主軸
27 ブッシュ取付具
27a 水平部
27b 垂直部
28,29,30 レール
31 ブッシュ
31a ブッシュ穴
31b 内周面
32 穴開け工具
41 計測ヘッド
42 計測ヘッド本体部
43 計測ヘッド先端部
43a 外周面
45 接続部
46 ケース
46a 内周面
47 ねじ
48 インロー嵌合部
49,50 テーパ面
51A 第1計測用エアノズル(計測用エアノズル)
51B 第2計測用エアノズル
51C 第3計測用エアノズル
51D 第4計測用エアノズル
51A−1,51B−1,51C−1,51D−1 噴き出し口
52A,52B,52C,52D エアブロー用ノズル
52A−1,52B−1,52C−1,52D−1 噴き出し口
53A 第1計測用エア供給路,計測用エア供給路
53B 第2計測用エア供給路
53C 第3計測用エア供給路
53D 第4計測用エア供給路
54 基端側部材
55A 第1計測用エア供給路,計測用エア供給路
55B 第2計測用エア供給路
55C 第3計測用エア供給路
55D 第4計測用エア供給路
56 エアブロー用エア供給路
58 長穴
59 基端部
60 軸部
61 先端部
62 基端側端板
62a 穴
63A 第1計測用エア供給路
63B 第2計測用エア供給路
63C 第3計測用エア供給路
63D 第4計測用エア供給路
64A,64B,64C,64D ホース
65 エアブロー用エア供給路
66 空間部
67 ロータリジョイント
68A 第1計測用エア供給路
68B 第2計測用エア供給路
69A 第1カプラ
69B 第2カプラ
69C 第3カプラ
69D 第4カプラ
70A 第1計測用エア供給路
70B 第2計測用エア供給路
71 ロータリジョイント
72 エアブロー用エア供給路
73 エアブロー用エア供給路
74 コイルばね
75 エアブロー用エア供給路
76A 第1計測用エア供給源
76B 第2計測用エア供給源
76C 第3計測用エア供給源
76D 第4計測用エア供給源
77A 第1A/D変換機
77B 第2A/D変換機
77C 第3A/D変換機
77D 第4A/D変換機
78 NC装置
79 エアブロー用エア供給源
80 シーケンサ
81 制御装置
91 エアマイクロメータ用較正装置
92 格納穴
93 クランピングスリーブ
93a 内周面
94 計測ヘッド進入穴
95 小径のマスタ穴
95a 内周面
96 大径のマスタ穴
96a 内周面
97 油圧室
98 圧油供給路
99 ホース

Claims (4)

  1. 計測用エア供給路が形成された計測ヘッド本体部と、この計測ヘッド本体部の先端に設けられ且つ前記計測用エア供給路から供給された計測用エアを外周面の噴き出し口から噴き出すための計測用エアノズルが形成された計測ヘッド先端部とを有してなるエアマイクロメータの計測ヘッドを較正するためのエアマイクロメータ用較正装置であって、
    小径のマスタ穴と、
    大径のマスタ穴と、
    前記計測ヘッド先端部が前記小径のマスタ穴に挿入されたときには前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記小径のマスタ穴の軸芯とを一致させ、前記計測ヘッド先端部が前記大径のマスタ穴に挿入されたときには前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記大径のマスタ穴の軸芯とを一致させる位置決め手段とを有してなることを特徴とするエアマイクロメータ用較正装置。
  2. 計測時に工作機械の主軸に装着され、前記工作機械のワークテーブルに取り付けられたブッシュのブッシュ穴に挿入されて、前記ブッシュ穴と前記主軸の偏芯量を計測するための計測ヘッドであって、計測ヘッド本体部と、この計測ヘッド本体部の先端に設けられて計測時に前記ブッシュ穴に挿入される計測ヘッド先端部とを有し、前記計測ヘッド先端部には計測時に前記計測ヘッド先端部の外周面の噴き出し口から同外周面と前記ブッシュ穴の内周面との間のギャップに計測用エアを噴き出すための1つの又は複数の計測用エアノズルが形成される一方、前記計測ヘッド本体部には各計測用エアノズルに対応した個別の計測用エア供給路が形成されており、各計測用エアノズルに対してそれぞれ個別の計測用エア供給路から計測用エアが供給される構成としたエアマイクロメータの計測ヘッドを較正するためのエアマイクロメータ用較正装置であって、
    小径のマスタ穴と、
    大径のマスタ穴と、
    前記計測ヘッド先端部が前記小径のマスタ穴に挿入されたときには前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記小径のマスタ穴の軸芯とを一致させ、前記計測ヘッド先端部が前記大径のマスタ穴に挿入されたときには前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記大径のマスタ穴の軸芯とを一致させる位置決め手段とを有してなることを特徴とするエアマイクロメータ用較正装置。
  3. 請求項1又は2に記載するエアマイクロメータ用較正装置において、
    前記位置決め手段は、圧油供給路と、クランピングスリーブと、このクランピングスリーブの周囲を囲む油圧室とを有してなり、前記クランピングスリーブが、前記圧油供給路から前記油圧室へ供給される圧油の圧力によって前記計測ヘッド本体部をクランプすることより、前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記小径のマスタ穴の軸芯を一致させ、前記計測ヘッド先端部の軸芯と前記大径のマスタ穴の軸芯とを一致させる構成であることを特徴とするエアマイクロメータ用較正装置。
  4. 請求項3に記載するエアマイクロメータ用較正装置において、
    前記クランピングスリーブと前記小径のマスタ穴と前記大径のマスタ穴が直列に配設され、前記クランピングスリーブの軸芯と前記小径のマスタ穴の軸芯と前記大径のマスタ穴の軸芯が一致した構成であることを特徴とするエアマイクロメータ用較正装置。
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