JP2010089174A - ホーニングヘッド - Google Patents

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英之 滝村
Masakatsu Nanjo
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Abstract

【課題】内径測定用のエアを噴射させるためのノズル部材を備えたホーニングヘッドにおいて、メンテナンスの負担を軽減する。
【解決手段】ホーニングヘッド10は、ホーニング装置の主軸1に連結されるヘッド本体12と、その周囲に交互に並ぶ砥石18及びガイドパッド22と、砥石18をヘッド本体12の径方向に変位させる駆動軸26等とを備える。ヘッド本体12のうちヘッド本体12及びガイドパッド22よりも主軸1側の位置であって当該砥石18等に近接する位置には、穴径測定用のエアを噴射させるための噴射口46を備えたノズル部材40が外嵌、装着されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホーニングヘッドに関し、特に、内径計測用のエアを噴射させるためのノズル部材を備えたホーニングヘッドに関するものである。
上記のようなホーニングヘッドとして例えば特許文献1に記載されるものが知られている。この文献1に記載されるホーニングヘッドは、筒状のヘッド本体の周囲に砥石とガイドパッドとが周方向に並んだ状態で設けられており、ヘッド本体に挿入された駆動軸の移動に伴い砥石がヘッド本体に対して径方向に変位するように構成されている。砥石およびガイドパッドとは、共にヘッド本体の軸方向に延びる細長の形状とされており、ガイドパッドはボルト等によってヘッド本体の外周面に固定されている。
そして、一部のガイドパッドは、長手方向に分割されており、これらの間にエアノズル(ノズル部材)が配置されている。エアノズルはヘッド本体に対して接着又はろう付けにより固定されており、ヘッド本体の内部に形成されたエア供給通路を通じてエア供給源に連通、接続されている。エア供給通路には、エアの圧力(背圧)を電気信号に変換して出力するセンサが設けられており、加工中、前記エアノズルからエアを噴射させてその圧力を前記センサにより検出することにより加工穴の内径を測定するようになっている。
特開2007−69331号公報
上記従来のホーニングヘッドにおいて、加工穴の穴径を正確に測定するにはエアノズルの状態が重要であり、例えばエアノズルの先端が磨耗等により変形すると、測定精度に大きく影響する。この点、上記従来のホーニングヘッドでは、エアノズルがガイドパッドの長手方向における途中部分、つまり加工中、常に切粉や砥粒に曝される位置に設けられているため、エアノズルに摩耗による変形が生じ易いと考えられる。従って、加工穴の穴径を正確に測定するには、エアノズルの交換等を含めてメンテナンスを比較的短期間で行うことが必要となり、煩雑であるという課題がある。
しかも、従来のホーニングヘッドは、上記の通り、ヘッド本体に対してエアノズルが接着又はろう付けされているため交換が容易でなく、また、エアノズルの交換時には、ホーニング装置から一旦ホーニングヘッドを取り外し、一部のガイドパッドをヘッド本体から取外した上でエアノズルを交換する必要があるため、長期的に作業を中断する必要がある。従って、この点を改善することが求められる。
なお、予備のホーニングヘッドを予め準備しておき、ホーニングヘッドを付け替えることも考えられるが、これでは設備費用が嵩むこととなり必ずしも得策とは言えない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、内径測定用のエアを噴射させるためのノズル部材を備えたホーニングヘッドにおいて、そのメンテナンス負担を軽減することができるホーニングヘッドを提供することを目的とする。
ガイドパッドの途中部分にエアノズル(ノズル部材)を設けている主な理由は、砥石と位置と同じ位置で常に穴径を測定する方が砥石の切込み送り量を制御する上で信頼性が高いというものである。しかし、実際には、砥石に近接した位置であれば砥石と同じ位置で穴径を測定しなくても、工作物の材質やホーニングヘッドの駆動条件等から砥石による加工位置の穴径をある程度正確に予測することは可能であり、本発明は、このような観点に着目して成されたものである。すなわち、本発明は、ホーニング装置の主軸に連結される筒状のヘッド本体を有し、このヘッド本体の周囲に、複数の砥石と複数のガイドパッドとが所定の配列で放射状に設けられると共に、穴径測定用のエアを噴射させるためのノズル部材が設けられ、前記主軸の駆動により前記砥石をヘッド本体と共に加工穴内で回転させながら当該加工穴内でその軸方向に往復移動させるようにされたホーニングヘッドにおいて、前記ノズル部材が、前記ヘッド本体のうち前記砥石およびガイドパッドよりも前記主軸側の位置であって前記砥石の主軸側の端部を基準として前記往復移動のストローク長の範囲内に設けられているものである。
このようなホーニングヘッドの構成によれば、砥石やガイドパッドに対してエアノズルが主軸側にずれた位置に設けられているため、ガイドパッドの途中部分にエアノズルが設けられる従来のホーニングヘッドと比べると、加工中にノズル部材が切粉や砥粒(砥石から脱落した砥粒)に曝され難くなり、ノズル部材の摩耗等による変形を有効に抑えることが可能となる。
より具体的には、前記ノズル部材は、その外周面上にエアの噴射口を有するリング状をなし、前記ヘッド本体の外周面上に外嵌されているものである。
このような構成によれば、ホーニングヘッドの重量バランスを損なうことなく砥石やガイドパッドが設けられる位置よりも主軸側の位置に難なくノズル部材を設けることができる。
この場合、前記ヘッド本体は、その先端部分に前記砥石及びガイドパッドを保持するツール保持部を有し、かつこのツール保持部よりも前記主軸側の部分の外径が前記ツール保持部の外径よりも小さく設定されており、前記ノズル部材は、その一端を前記ツール保持部に突き当てた状態で前記ツール保持部よりも主軸側の部分に外嵌され、前記突き当て側とは反対側の位置において前記ヘッド本体に装着される抜け止め部材と前記ツール保持部とにより軸方向に拘束された状態で前記ヘッド本体に組付けられているのが好適である。
この構成によれば、ノズル部材をヘッド本体に対して容易に交換することが可能となる。すなわち、抜け止め部材を取り外してツール保持部とは反対側にノズル部材を引き抜くことによりヘッド本体から容易にノズル部材を取り外すことができ、また、これと逆の手順に従うことで、容易にヘッド本体にノズル部材を組付けることができる。
なお、前記ノズル部材は、前記噴射口の周辺部分がそれ以外の部分よりも硬い材料により構成されているのが好適である。
この構成によれば、噴射口の部分の磨耗等による変形を有効に防止しながらノズル部材のそれ以外の部分を安価な材料で製作することができる。
また、前記ノズル部材は、その外周面上に前記主軸側から砥石側への加工液の供給を可能とする溝部を有するものであるのが好適である。
この構成によれば、砥石やガイドパッドが設けられる部分より主軸側の位置にリング状のノズル部材を設けるようにしながらも、砥石による加工部分に対して主軸側から難なく加工液を供給することが可能となる。
本発明の請求項1,2に係るホーニングヘッドによれば、従来に比べて、加工中にノズル部材が切粉や砥粒に曝され難くなり、摩耗等によるノズル部材の変形を効果的に抑えることが可能となる。従って、その分、メンテナンス頻度を低減させることができる。また、請求項3〜5に係るホーニングヘッドによれば、従来比べて、ノズル部材の交換を簡単、かつ速やかに行うことが可能となり、その分、メンテナンス作業性を向上せることができる。
本発明の好ましい実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は本発明に係るホーニングヘッドの構成を断面図で概略的に示している。同図において符号1はホーニング装置の主軸で、この主軸1の先端(下端)にホーニングヘッド10が連結されている。そして、図外の駆動装置により前記主軸1が駆動されることにより、この主軸1と一体にホーニングヘッド10が昇降および回転(軸回りの回転)駆動されるようになっている。
同図に示すように、ホーニングヘッド10は上下方向に細長い円筒状のヘッド本体12を有している。ヘッド本体12は、その先端(下端)側から順位に、ツール保持部12A、ノズル保持部12B及び連結部12Cを有しており、これらツール保持部12A、ノズル保持部12B及び連結部12Cは、その順番で径が小さく形成されている。
ホーニングヘッド10は、前記連結部12Cが主軸1の下端部に連結されることによりホーニング装置に取付けられている。具体的には、主軸1の先端部には、図2に示すように、ホーニングヘッド10の嵌合用凹部2が形成されており、この嵌合用凹部にヘッド本体12の前記連結部12Cが嵌入され、連結部12Cに設けられたロックピン13で主軸1に係止(ロック)されている。すなわち、図3に示すように、嵌合用凹部2の側面には軸方向に延びる縦穴3aとその末端から周方向に延びる横穴3bとからなる逆L字型の係止穴3が形成されており、同図中に一点鎖線矢印で示すように、ロックピン13を係止穴3の縦穴3aに挿入しながら連結部12Cを嵌合用凹部2に差込み、主軸1とヘッド本体12(連結部12C)とを相対的に回転させてロックピンを横穴3bの奥端部に突き当てることにより、ホーニングヘッド10が主軸1の先端に嵌合した状態にロックされている。なお、係止穴3の横穴3bは縦穴3aに対して主軸1の回転駆動方向(図3中の実線矢印方向)と逆向きに設けられており、これによって加工中は、慣性により主軸1に対するホーニングヘッド10のロック状態が保持される。
図1に戻って、ヘッド本体12の前記ツール保持部12Aには、上下方向に延びかつ径方向に貫通する複数のスリット14が放射状に形成されている。各スリット14にはそれぞれ、上下方向に細長いプレート状の砥石ホルダ16が収容されている。各砥石ホルダ16は、ヘッド本体12の径方向(図1では左右方向;以下、単に径方向という)に変位可能に収容され、ヘッド本体12の中心からみ見てこれら砥石ホルダ16の外側面16aにはそれぞれ、上下方向に細長い砥石18が接着又はろう付けされている。
各砥石ホルダ16には、これらの外側から一体にリング状の弾性部材25が装着されており、これにより各砥石ホルダ16がヘッド本体12に対してその径方向内側に向かって付勢されている。
前記ヘッド本体12の中心には、その軸方向に延びかつヘッド本体12に対して軸方向に相対的に変位可能な駆動軸26が挿入されており、この駆動軸26の移動に伴い各砥石18が砥石ホルダ16と一体に径方向に変位するようになっている。すなわち、駆動軸26の途中部分には、先端(下端)に向かって先細りとなる円錐台形状のガイド面27a,28aを備えた駆動部27,28が上下二段に設けられており、他方、砥石ホルダ16にはそれぞれ、駆動部27,28の前記ガイド面27a,28aに当接するテーパ状の被ガイド面17a,17bが上下二段に形成されている。これにより、駆動軸26がヘッド本体12に対して下降すると前記弾性部材25の弾発力に抗して各砥石18が砥石ホルダ16と一体的に径方向外側に変位し、逆に駆動軸26がヘッド本体12に対して上昇すると前記弾性部材25の弾発力により各砥石18が砥石ホルダ16と一体的に径方向内側に変位するようになっている。
駆動軸26は、その上端部がヘッド本体12(連結部12C)から上方に突出して前記主軸1内に挿入されており、駆動軸26の基端(上端)に設けられるジョイント29を介して主軸1内に配置される図外のプッシュロッドに連結されている。また、駆動軸26にはコイルスプリング30が装着されており、これによってコイルスプリング30がヘッド本体12に対して上向きに付勢されている。つまり、ホーニング装置に搭載されるアクチュエータの作動により前記プッシュロッドが下向きに移動すると、コイルスプリング30の弾発力に抗して駆動軸26が下降し、逆に前記プッシュロッドが上向きに移動すると、コイルスプリング30の弾発力により駆動軸26がプッシュロッドに追従して上昇するようになっている。
前記ツール保持部12Aには、さらに各スリット14の間の位置にそれぞれガイドパッド22が固定されている。従って、ツール保持部12Aには、前記砥石18とガイドパッド22とが周方向に交互に並んで設けられている。
ガイドパッド22は、各砥石18の偏摩耗を防止するものである。各ガイドパッド22は、超硬合金等からなる上下方向に細長の形状を有しており、それぞれガイド面(図1では左側の面)がヘッド本体12の中心に対して同一円上に並ぶようにツール保持部12Aの外周面上にボルト24によって固定されている。なお、前記の各砥石18は、前記駆動軸26が上昇端位置にある状態では、砥石面が各ガイドパッド22のガイド面より径方向内側に位置する所定の退避位置に配置されるようになっている。
ヘッド本体12の前記ノズル保持部12Bには、穴径測定用のエアを噴射するためのノズル部材40が外嵌、装着されている。このノズル部材40は上下方向に扁平なリング状の部材であり、図1に示すように、一方側の端面(図1では下端面)をツール保持部12Aの端面に突き当てた状態でノズル保持部12Bの外周面上に外嵌され、前記ノズル保持部12Bに装着されるC型止め輪等の抜け止めリング52によって前記突き当て側とは反対側からカラー50を介して拘束されている。これによりノズル保持部12Bにノズル部材40が固定されている。
ノズル部材40は、図4に示すよう、外向きに湾曲する断面円弧状の面を有する複数の凸状部42と、これら凸状部42の間に形成され、内向きに湾曲する断面円弧状の面を有する溝部44とが周方向に並んだ形状を有しており、図示の例では、4つの凸状部42及び溝部44がそれぞれ交互に並んでいる。各凸状部42の外周面は、ノズル部材40(ヘッド本体12)の中心に対して同一円上に並ぶように形成されており、当該円の半径は各ガイドパッド22のガイド面が並ぶ円の半径と等しく設定されている。
4つの凸状部42のうち径方向に並ぶ一組の凸状部42には、内径測定用の前記エアを噴射するための噴射口46がそれぞれ設けられており、互いに径方向反対向きにエアを噴射するようになっている。詳しく説明すると、ノズル部材40の内周面には、その周方向に亘って周溝48が形成されており、この周溝48の内底面に開口して各噴射口46に至る貫通孔が形成されている。そして、ヘッド本体12側にエア供給通路32が形成されており、このエア供給通路32の一端が前記ノズル保持部12Bのうち前記ノズル部材40の周溝48に対向する位置に開口している。これによりエア供給通路32を通じて供給されるエアがノズル部材40の前記周溝48内に導入されつつ各噴射口46に案内され、これら噴射口46から噴射されるようになっている。
エア供給通路32はヘッド本体12の内部をその軸方向に沿って延びており、その基端(上端)部は前記連結部12Cの外周面上に開口している。他方、主軸1の前記嵌合用凹部2の内周面であってエア供給通路32の前記開口部に対向する位置にはエア導入口5が形成されている。つまり、主軸1にはエア供給用の配管6が固定されており、この配管6を通じて供給されるエアが前記エア導入口5を介してヘッド本体12のエア供給通路32に導入されることにより前記各噴射口46に案内されるようになっている。
なお、噴射口46を有する凸状部42の外周面のうち噴射口46の周辺部分はそれ以外の部分よりも高い硬度をもって構成されている。具体的には、ノズル部材40の全体がS45C等の材料から構成され、凸状部42の外周面に超硬合金のチップ42aが埋込まれ、このチップ42aに前記噴射口46が形成されている。これは被加工面や切粉等との接触による摩耗から噴射口46を保護するためである。噴射口46をもたない凸状部42についても同様に超硬合金のチップ42aが埋込まれており、これにより噴射口46に対応する部分が強化されている。
なお、図1中符号47,48は、ノズル部材40に組込まれたシール部材であり、ノズル部材40とヘッド本体12及びカラー50との間をシールすることにより前記エアの漏れを防止するようになっている。
次に、上記のようなホーニングヘッド10の作用効果について説明する。
ホーニングヘッド10を用いて工作物をホーニング加工するには、まず、各砥石18を退避位置に配置した状態で、ホーニングヘッド10を工作物の加工穴に挿入する。そして、主軸1を駆動することによりホーニングヘッド10を回転させると共に加工穴に沿って往復移動させ、この駆動中に各砥石18を径方向外側に移動さて加工穴の内周面に各砥石18を接触させる。
加工中は、各噴射口46から被加工穴の内面に対してエアを噴射させ、その際のエアの圧力(背圧)を図外のセンサにより検出することにより被加工穴の穴径を測定する。そして、その測定値に基づいて各砥石18の径方向への移動量、すなわち切込み送り量を制御することにより被加工穴を目標径まで加工する。
ここで、上記のホーニングヘッド10によれば、ノズル部材40が砥石18やガイドパッド22よりも上側(主軸1)にずれた位置に設けられているため、ガイドパッドの途中部分にエアノズルが設けられる従来のホーニングヘッドに比べると、加工中にノズル部材40(特に、噴射口46)が切粉や砥粒に曝され難い。また、加工中は、上記のように砥石18を加工穴に沿って往復移動させながらホーニング加工を行うが、その場合、砥石18が被加工穴の上端部に位置すると必然的にノズル部材40は加工穴の外側に位置するため、加工中、常にエアノズルが被加工穴内にある従来のホーニングヘッドに比べると、ノズル部材40が加工穴内にある時間が低減され、これによってもノズル部材40が切粉や砥粒に曝され難くなる。
従って、上記のホーニングヘッド10によると、従来のホーニングヘッドに比べて切粉や砥粒等との接触によるノズル部材40の変形を効果的に抑えることができ、その結果、ノズル部材40のメンテナンス頻度を低減することができる。特に、このホーニングヘッド10では、上記のように、ノズル部材40は、噴射口46の周辺部分が超硬合金のチップ42aにより構成されているので噴射口46の摩耗等による変形が生じ難く、この点でもノズル部材40のメンテナンス頻度を低減することができる。
また、上記のホーニングヘッド10では、予め交換用のノズル部材40を準備しておけば、次の手順に従ってノズル部材40の交換を簡単、かつ速やかに行うことができる。すなわち、(1)ホーニングヘッド10を捻って主軸1に対する連結部12Cのロック状態を解除し、ホーニングヘッド10を主軸1から下方に引き抜く、(2)ロックピン13及び抜け止めリング52を取り外し、図5に示すように、カラー50及びノズル部材40を連結部12C側に移動させながらヘッド本体12から取り外す、(3)上記(2)と逆の手順でノズル部材40をヘッド本体12に装着する、(4)上記(1)と逆の手順でホーニングヘッド10を主軸1に連結する。
従って、エアノズルが接着剤やろう付けによりヘッド本体に対して固定されている従来のホーニングヘッドに比べると、ノズル部材40の交換を非常に簡単に、かつ速やかに行うことができるという利点もある。なお、ロックピン13の取り外しは、当該ロックピン13に形成されている雌ねじ13a(図2参照)に図外の治具を螺合挿入し、この治具戸共にヘッド本体12からロックピン13を引き抜くことにより行う。
また、加工中には、砥石18による加工位置に対して主軸1側から加工液が供給されるが、上記ホーニングヘッド10によれば、上記の通り、ノズル部材40の外周面上に加工液供給用の溝部44が形成されているため、砥石18より主軸1側に上記のようなリング状のノズル部材40を備えていながらも、加工液の供給を難なく行うことができるという利点もある。
ところで、以上説明したホーニングヘッドは、本発明に係るホーニングヘッドの好ましい実施形態の一例であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、ヘッド本体12に設けられたエア供給通路32を通じてノズル部材40(噴射口46)に内径測定用のエアを供給する構成となっているが、勿論、配管を通じてノズル部材40に直接エアを供給するように構成してもよい。
また、上記実施形態のホーニングヘッド10では、ノズル部材40は、ヘッド本体12に対して抜き差しする構成であるが、例えばノズル部材40をその径方向沿った割線によって分割可能な構成とし、各分割片をヘッド本体12(ノズル保持部12B)に対してその外側から抱き合わせて結合させる構成としてもよい。この構成によれば、主軸1からホーニングヘッド10を取り外すことなくノズル部材40の交換を行うことが可能となり、よりメンテナンス性が向上する。
また、上記実施形態では、ノズル部材40は、外周面上に噴射口46を備えたリング状の構成であるが、ノズル部材40は、内径測定用のエアを適切に噴射することができれば、上記実施形態以外の構成であっても構わない。また、ノズル部材40は、必ずしも実施形態のように砥石18の直ぐ上方位置に設けられている必要はなく、砥石18から多少離間する位置に設けられているものであってもよい。但し、砥石18によるホーニング加工中に穴径を測定するには、ノズル部材40(特に噴射口46)は、砥石18の主軸1側の端部を基準としてホーニングヘッド10の往復移動のストローク長の範囲内に設けられている必要がある。
本発明に係るホーニングヘッドを示す断面図(主軸に装着された状態)である。 ホーニングヘッドの連結部の構造と主軸の構造を示す要部断面図である。 主軸とホーニングヘッドとの連結部分(特にロック機構)を示すホーニングヘッド等の側面図である。 ノズル部材の構造を示す断面図(図1のIV−IV断面図)である。 エアノズル(ノズル部材)の交換手順を説明するホーニングヘッドの分解断面図である。
符号の説明
1 主軸
10 ホーニングヘッド
12 ヘッド本体
12A ツール保持部
12B ノズル保持部
12C 連結部
16 砥石ホルダ
18 砥石
22 ガイドパッド
26 駆動軸
40 ノズル部材
46 エアノズル

Claims (5)

  1. ホーニング装置の主軸に連結される筒状のヘッド本体を有し、このヘッド本体の周囲に、複数の砥石と複数のガイドパッドとが所定の配列で放射状に設けられると共に、穴径測定用のエアを噴射させるためのノズル部材が設けられ、前記主軸の駆動により前記砥石をヘッド本体と共に加工穴内で回転させながら当該加工穴内でその軸方向に往復移動させるようにされたホーニングヘッドにおいて、
    前記ノズル部材は、前記ヘッド本体のうち前記砥石およびガイドパッドよりも前記主軸側の位置であって前記砥石の主軸側の端部を基準として前記往復移動のストローク長の範囲内に設けられていることを特徴とするホーニングヘッド。
  2. 請求項1に記載のホーニングヘッドにおいて、
    前記ノズル部材は、その外周面上にエアの噴射口を有するリング状をなし、前記ヘッド本体の外周面上に外嵌されていることを特徴とするホーニングヘッド。
  3. 請求項2に記載のホーニングヘッドにおいて、
    前記ヘッド本体は、その先端部分に前記砥石及びガイドパッドを保持するツール保持部を有し、かつこのツール保持部よりも前記主軸側の部分の外径が前記ツール保持部の外径よりも小さく設定されており、前記ノズル部材は、その一端を前記ツール保持部に突き当てた状態で前記ツール保持部よりも主軸側の部分に外嵌され、前記突き当て側とは反対側の位置において前記ヘッド本体に装着される抜け止め部材と前記ツール保持部とにより軸方向に拘束された状態で前記ヘッド本体に組付けられていることを特徴とするホーニングヘッド。
  4. 請求項2又は3に記載のホーニングヘッドにおいて、
    前記ノズル部材は、前記噴射口の周辺部分がそれ以外の部分よりも硬い材料により構成されていることを特徴とするホーニングヘッド。
  5. 請求項2乃至4の何れか一項に記載のホーニングヘッドにおいて、
    前記ノズル部材は、その外周面上に前記主軸側から砥石側への加工液の供給を可能とする溝部を有することを特徴とするホーニングヘッド。
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