JP2009165799A - インプラント植立用穿孔器具、ハンドピース、ハンドピース用アダプタおよびサージカルガイド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インプラント用ハンドピース12は、ヘッド14の外形が、ドリルバー17の中心軸と同心で、かつ、ドリルバー17の軸方向に所定の長さH1 〜H3 の円周面部20を有している。サージカルガイド11は、ヘッド14の円周面部20に対向する円形の内周面部を有するガイド孔13を備えている。
【効果】ヘッド14をガイド孔13に適合させるようにしてドリリングができるので、ヘッド14を画一的に、かつ、確実に案内でき、所望のインプラント用植立孔を形成できる。
【選択図】図1
Description
一般に、歯科用切削器具として、圧縮した空気の力で高速回転させるタービンタイプと、電動モータで回転させるハンドピースとが存在する。タービン(エアタービン)タイプは、主として歯を削る際に使用される。一方、インプラント植立時には、顎骨に孔をあける際の発熱を避けるため、低速でかつ安定したトルクでドリルを回転させることが要求される。タービンは、回転数の調整および安定したトルクの供給が困難であるため、インプラント用には、電動モータ式のハンドピースが使用されているという現状である。
ちなみに、歯科治療用チェアに付随しているハンドピースには、外部から注水用のラインを取り付けられる構造は備わっていない。
歯科分野では、歯の欠損部位の修復治療として、人工歯根、すなわち、インプラント治療が多用されている。インプラント治療に際しては、対合歯との良好な咬合の構築、審美的な歯の位置や形態の達成、安全で安定した予後を図るために、インプラントを顎骨内の適正位置に植えることが重要である。インプラントの植立位置が悪いと、インプラントに支えられた人工歯と対合歯との良好な咬合を構築することが困難である。また、人工歯の大きさ、位置が周囲の歯の位置や形態と不調和な状態の修復を強いられる。
従来、インプラントの植立位置は、CT撮影データを元に診断決定され、決定された位置および方向を反映した植立用のガイド(一般にアクリルレジンで作成された入れ歯様の床)を用いてドリリングを行う。より詳しくは、このガイドを患者の口腔内の歯や顎堤に適合して固定し、ガイドに沿ってドリリングを行う。ガイドには、ドリルバーを挿入するガイド孔やガイド表示が形成されている。ガイド孔は、高速回転しているドリルバーが当たらないように、ドリルバーの直径に比べてかなり大きなものにされている。また、ガイド表示は、ドリリングをする位置と角度とを単に知らせる断面半円形の溝の場合が多い。
つまり、従来の歯科用穿孔器具を用いて、患者の顎骨内にインプラント植立用の孔をあけようとした場合、たとえガイドを用いても、結局のところ、歯科用ハンドピースによってほぼフリーハンドに近い状態でドリリングをすることになる。つまり、ガイドは目安にはなるが、診断した位置および向きに正確にドリルバーを案内することができず(そもそもガイドにドリルバーが接触すると、ガイドが大きく振動したり、破損したりすることになり、ドリルバーとガイドとは接触するようには構成されていない)、より正確にインプラント植立用の孔をあけるためのインプラント用穿孔器具の登場が望まれていた。
この発明は、また、インプラント植立用のサージカルガイドに適合可能な、特有の形状を有するヘッドを備えたインプラント用ハンドピースまたはハンドピースのためのアダプタを提供することを他の目的とする。
請求項3記載の発明は、前記サージカルガイドのガイド孔には、前記ネックの先端が挿入可能な開放部が形成されており、この開放部は、前記ガイド孔の中心に対して180°未満の開度を有することを特徴とする、インプラント植立用穿孔器具である。
請求項5記載の発明は、インプラント用ハンドピースであって、ドリルバーを取り付けるためのヘッドを有し、ヘッドの外形は、取り付けたドリルバーの中心軸と同心で、かつ、ドリルバーの軸方向に所定の長さ以上の長さの円周面部を有していることを特徴とする、インプラント用ハンドピースである。
請求項10記載の発明は、前記内周面部には、多数個の小球体が回転自在に埋設されており、各小球体は、その一部が前記内周面部からわずかに突出しており、ハンドピースのヘッドを内周面部に沿ってスライドさせる際に、ヘッド外面に当接して回転するように配列されていることを特徴とする、請求項8または9記載のガイド穴形成体である。
請求項12記載の発明は、前記アダプタの前記円周面部には、多数個の小球体が、小球体の一部が円周面部からわずかに出る状態で、回転自在に埋設されていることを特徴とする、請求項8記載のインプラント用ハンドピースのアダプタである。
いる。このため、インプラント用ハンドピースを、ヘッドの円周面部に沿ってドリルバーの軸方向に移動させるようにすれば、ヘッドの円周面部を基準にしてドリルバーを所望の角度および方向にスライドさせることができ、ドリルバーによって所望の角度および方向の孔を正確にあけることができる。
特に、サージカルガイドのガイド孔が、請求項3記載のように、180°未満の開度の開放部を有するガイド孔の場合、この開放部をネック先端が通り、ガイド孔内でヘッドは内周面部からずれることなく軸方向を中心に回動するとともに、軸方向にスライド移動することが可能である。
また、請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の新規な形状のインプラント用ハンドピースのガイドに適合したインプラント植立用サージカルガイドを得ることができる。
請求項7記載の発明によれば、インプラント植立用サージカルガイドは、ハンドピースのヘッドを案内するためのガイド孔が、専用のガイド孔形成体により構成されている。ガイド孔形成体により構成されたガイド孔の内面は円弧状で、その内面に沿ってハンドピースのヘッドの外面をスライドさせることができる。また、円筒状体の一部は、ハンドピースのネック部分が通れるように180°未満の範囲で軸方向に切除されているか、または切除可能な形態を有するので、使用時にはハンドピースのネック部が邪魔になることはなく、ハンドピースのヘッドは良好にガイド穴形成体の内面に沿ってスライドさせることができる。
ッ素樹脂は、好ましくはテフロン(登録商標)を用いることができる。
請求項8記載の発明によれば、請求項7記載のガイド本体の取付穴に取り付けるためのガイド穴形成体を、特有の構成をした部品として提供することができる。請求項8記載のガイド穴形成体は、ハンドピースのネック部分が通れるように180°未満の範囲で軸方向に切除された切除領域の一部が削除用帯部によってつながれている。従って、ガイド穴形成体単体の状態では、削除用帯部により円筒状体の円筒形が歪まないようにされており、ガイド穴形成体の内径の寸法精度を維持することができる。そして、ガイド穴形成体をガイド本体の取付穴に接合した後、削除用帯部を切り離すことによって、ハンドピースのネック部分が通るための切除領域を容易に作成、加工することができる。
請求項10記載の発明によれば、ガイド穴形成体の内周面部に小球体が配列されているから、ガイド穴形成体の内周面部にハンドピースのヘッドが挿入された際、ヘッドの外面は小球体と接し、小球体が回転することによって案内されるから、摩擦抵抗が少なく、ハンドピースのヘッドをスムーズにスライドさせることができる。
請求項13または14記載の発明によれば、サージカルガイドのガイド孔にヘッドが挿入されたインプラント用ハンドピースは、ヘッドがガイド孔の内周面部に沿ってドリルバーの軸方向へスライド移動するため、ドリルバーが軸方向と交差方向にずれることなく、正確にインプラント用の穿孔を形成することができる。
なお、上述のようにヘッドがガイド孔内で遊びが少ない構成である反面、ガイド孔内に挿入したヘッドを、ガイド孔内で回動させることはできないが、ヘッドをガイド孔から一旦抜き出し、ヘッドを回動させた後、再度ガイド孔へ挿入し直すことで使用でき、ドリルバーにより所望のインプラント植立孔を正しく形成することができる。
また、請求項14記載の構成では、係合突起は、中心軸を中心に、円周面部から対称に外方へ突出し、中心軸方向に延びる少なくとも2つの係合突起を有していることが望ましい。一方、係合突起と係合し得る複数の係合溝は、内周面に、等しい角度間隔で、軸方向に延びる複数個(たとえば4〜16個)の溝とされているのが好ましい。
また、サージカルガイドのガイド孔も、サージカルガイドに予め円柱状の孔を形成し、その孔の内周面に、正多角形状の内周面部を有するガイド孔形成体を取り付ける構成としてもよい。
図1は、この発明の一実施形態に係るインプラント植立用穿孔器具を用いてインプラント植立のための孔を患者の顎骨にあける様子を表わす図解図である。また、図2は、従来の歯科用ハンドピースおよびサージカルガイドを用いて、患者の顎骨にインプラント植立用の孔をあける様子を表わす図解図である。
従来用いられているサージカルガイド1は、ドリルバー5を案内するためのガイド孔2が形成されたものである。サージカルガイド1が患者の口腔内に装着されると、サージカルガイド1に形成されたガイド孔2は、インプラントを植立すべき位置をドリリングする際に、ドリルバー5を案内する位置および角度になっている。歯科医師は、歯科用ハンドピース3を把持して操作し、ハンドピース3のヘッド4に装着されたドリルバー5を回転させながら、ガイド孔2に沿って下方へ移動させ、患者の顎骨にインプラント植立用の孔をあける。その際、ガイド孔2はドリルバー5を案内するための孔であるが、回転するドリルバー5がガイド孔2の内周面等に接触すると、サージカルガイド1に衝撃が加わり、時にはガイド孔2の周囲に亀裂が生じたりする。このため、ガイド孔2はドリルバー5の直径(外径)に比べてかなり大きな直径(内径)の孔となっており、ガイド孔2にドリルバー5を挿入する際に、ドリルバー5がガイド孔2の内周面等に接触しないようにする。歯科医師は、目視により、ドリルバー5の挿入方向や位置を調整して、ガイド孔2の中心
にドリルバー5を挿入するように注意を払い、インプラント植立孔の形成を行っている。また、従来の歯科用ハンドピース3のヘッド4は、通常、下方に向かって細る形状にされており、ドリルバー5を視認し易い形状になっている。
この実施形態では、上述したように、サージカルガイド11に形成されたガイド孔13が、ドリルバー17のためのガイド孔ではなく、ヘッド14のためのガイド孔13とされている。そして、ヘッド14は、後述するように、ガイド孔13に沿って画一的に移動し得る形状とされており、これによって、従来のように目視でドリリング位置を調整したりする必要はなく、サージカルガイド11に沿ってインプラント用ハンドピース12を操作することにより、正確にインプラント用の孔をあけることができる。
図3(A1)は一例としてのヘッド14の斜視図、(B1)はそのヘッド14の底面図である。(A1)(B1)に示すように、ヘッド14は、円柱状ヘッドとすることができる。より具体的には、ヘッド14の下端面18には、その中心にドリルバー17が取り付けられるようになっている。ヘッド14の外形は、取り付けられたドリルバー17の中心軸と同心で、かつ、ドリルバー17の軸方向に所定の長さH1 の円周面部20を有している。ヘッド14は、その上端面21が直径Rの真円形状で、その下端面18も、直径Rの真円形状をしており、円周面部20は、上端面21の外周縁と下端面18の外周縁との間をつないでおり、直径はRで、その長さが上述したようにH1 である。
ヘッド4には、ネック15が接合されている。ネック15は、ヘッド14に接合された
先端部の幅(図3(B1)に示される水平方向に見たネック15先端部の寸法)Wが、W<R(Rはヘッド14の直径)とされている。
図3(A2)(B2)は、別の実施形態に係るヘッド14の斜視図および底面図である。
図3(A3)(B3)は、さらに他の実施形態に係るヘッド4の斜視図および底面図である。(A3)(B3)に示すヘッド4の特徴は、(A1)(B1)(A2)(B2)の構成とは異なり、ヘッド14の上端面にネック15が接合されていることである。これにより、ヘッド14は、下端面18の周縁部から上方へ延びる長さH3 の円周面部20を有している。
図4は、サージカルガイド11に形成されたガイド孔13にインプラント用ハンドピース12のヘッド14が案内される様子を示す図解的な断面図である。サージカルガイド11に形成されたガイド孔13は、円柱状の孔である。このガイド孔13にたとえば図3(A1)(B1)に示すヘッド14が適合されると、図4(A)に示すように、ヘッド14の円周面部20がガイド孔13の内周面に対向するように係合される。よって、ヘッド14はガイド孔13に案内されて上下にスライド移動し、その移動方向がぶれたりずれたりすることがない。従って、ヘッド14の下端面18に取り付けられたドリルバー17によって、所定の位置かつ所定の方向へ孔をあけることができる。
なお、ヘッド4の円周面部20の直径(外径)Rと、ガイド孔13の内径R1 との関係は、
R1 =R+α
(但し、αはヘッド14がガイド孔13に沿ってスライド移動し得るのに必要な微小な
余裕寸法(微小マージン)である。)
となる。
このような構成であれば、図6に示すように、患者Pの口腔内においてヘッド14をサージカルガイド11のガイド孔13に適合した際、ネック15を所望の方向に回動させることができる。よって、インプラント用ハンドピース12の操作性が良いという利点がある。
インプラント用ハンドピース12を使用し、ドリルバー17によって患者の顎骨内に孔を形成する際、ドリルバー17の回転によって顎骨との間に摩擦熱が生じる。この熱は顎骨の組織等に良い影響を与えないため、通常は、摩擦熱を除去するために冷却水が供給される。冷却水は、ヘッド14の上端面21の中央に形成された給水孔22からヘッド14内に設けられた水路を通って下端面18からドリルバー17の周囲へ供給される。冷却水としては、生理用食塩水を用いるのが好ましい。この冷却水の戻り水を排出するため、ガイド孔13には、図7に示すように通水溝31が形成されている。通水溝31を形成することにより、余分な冷却水(冷却に使用した後の戻り水)がサージカルガイド11の上部から排出される。よって、ドリリング時に、ヘッド14は冷却水の抵抗を受けることなく、スムーズにガイド孔13に沿って下方へスライド移動させることができる。
通水溝31は、円柱状のガイド孔13の内周面部に、軸方向に延びるように一定の間隔をあけて形成されており、ガイド孔13の内周面部がヘッド14を案内する妨げになったり、案内するヘッド14をがたつかせたりする虞れはない。
図8に示すヘッド14には、その円周面部20に通水溝32が形成されている。ヘッド14によってドリルバー17を回転させる際、上述したように、給水孔22から冷却水が供給されるが、その冷却水を排出するための通水溝を、図7に示すようにガイド孔13の内周面部に形成するのではなく、ヘッド14の円周面部20に形成してもよい。この場合においても、通水溝32は、一定の間隔をあけて円周面部20に、上下方向に延びるように形成されており、円周面部20がガイド孔13に適合された際に、通水溝32の存在がガイド孔13内でヘッド14ががたついたりぐらついたりする原因にはならない。
なお、取付孔44とガイド孔形成体43との接着状態をより強固に保つため、取付孔44の内面および/またはガイド孔形成体43の外面に嵌合用の凹凸が形成されていてもよい。
図10は、この発明のさらに他の実施形態に係るサージカルガイド51の要部構成を示す部分斜視図である。図10に示すサージカルガイド51が、図9で説明したサージカルガイド41と異なる点は、ガイド孔形成体43aの構成である。サージカルガイド51のガイド孔形成体43aは、円筒状体をし、その一部が軸方向に切除されて切欠部45が形成されているが、ガイド孔形成体43aは、その上端部および下端部において接続部52、53が残されている。従って、ガイド孔形成体43aは、その下端部および上端部では、円筒形状をしている。
図10に示すサージカルガイド51も、ガイド孔形成体43aは摩擦抵抗の少ない樹脂、たとえばテフロン(登録商標)で形成するのがよい。
図12を参照して、歯科用ハンドピースのネック60の先端にはヘッド61が備えられている。ヘッド61の外周面形状がこの発明に係るヘッドのように円周面部を備えていない場合に、この発明の一実施形態に係るアダプタ62が装着される。アダプタ62は、ヘッド61の周面を覆うように取り付けられ、装着状態において、その外表面に、ヘッド61に取り付けられたドリルバー63と同心の円弧状または円形をした円周面部64を備えている。このようなアダプタ62をヘッド61に装着することによって、インプラント用ハンドピースのヘッド61の外周面形状を、円周面部64を有する形状とすることができ、この発明に係るサージカルガイドを利用できる形態とすることができる。
アダプタ62は金属や樹脂で形成することができ、樹脂で形成する場合、テフロン(登録商標)で形成すれば、円周面部64の摩擦抵抗が小さくなり有利である。
図13は、他の実施形態に係るアダプタ66を説明するための斜視図である。アダプタ66も図12に示すアダプタ62と同様、インプラント用ハンドピースのヘッド60に装着され、ネック60の先端が嵌合する嵌合凹部65を備えている。アダプタ66もその外表面に円周面部64を有している。さらに、円周面部64からわずかに突出するように、
多数個の小球体67が、回転自在に埋設されている。多数個の小球体67は、円周面部64に、軸方向に延びる溝68が等間隔で複数本形成されており、これら溝68内に複数個の小球体67が嵌め込まれている。
図14は、この発明のさらに他の実施形態に係るアダプタ70を説明するための斜視図である。アダプタ70は、中心面に対して面対称形状をした第1カバー70aおよび第2カバー70bに分割可能な構成をしている。第1カバー70aは、円弧状の周面部71と、周面部71の上下に備えられた端面部72、73を備えている。第2カバー70bも、同様に、周面部71および2つの端面部72、73を備えている。第1カバー70aおよび第2カバー70bは、開口同士が対向するように組み合わされ、組み合わされたときに、インプラント用ハンドピースのヘッド74の外周面、上面および下面の各一部を覆うように、ヘッド74の外側に密着される。そして当接された周面部72、73が嵌め合わされて、第1カバー70a、第2カバー70bが割れないようにするロック部材75が嵌められることによって、アダプタ70のヘッド74への装着が完了する。
なお、アダプタ70は、たとえばテフロン(登録商標)で形成することにより、その外周面の摩擦抵抗が少なくなり、サージカルガイドのガイド穴内を良好にスライドさせることができる。
実施形態に係るインプラント用ハンドピース80は、ネック81の先端に平面視正8角形状のヘッド82を有している。ヘッド82は、その中心にドリルバー83を取り付けることができる。ヘッド82の外周面は、取り付けたドリルバー83の中心軸と同心で、かつ、ドリルバー83の軸方向に所定の長さHの正8角形周面部84を有している。なお、ヘッド82の上面中央の孔85は、ドリリング時に冷却水を供給するための給水孔である。
同様に、サージカルガイド86に形成するガイド孔87は、サージカルガイド86自身に直接形成することもできるし、図9〜図11を参照して説明したように、サージカルガイド86に取り付け孔を形成し、その取り付け孔に正8角形状の内周面を有するガイド孔形成体を取り付けることによって、図15に示すようなガイド孔87を有するサージカルガイド86とすることも可能である。
図16(1)は、請求項14に係る発明の一実施形態に係るインプラント用ハンドピース90の要部の斜視図およびそのインプラント用ハンドピース90と一緒に使用されるサージカルガイド91の要部の斜視図を示している。
インプラント用ハンドピース90は、ネック92の先端にヘッド93を有している。ヘッド93は、平面視の外形が円形をし、その円形の外形から放射状に突出するたとえば8つの係合突起94を備えている。ヘッド93は、基本形状が円柱体であり、その下面中央から下方へ突出するようにドリルバー95が装着される。ヘッド93の円柱状周面部96は、ドリルバー95の軸方向に所定長さHを有し、周面部96が後述するガイド孔により案内される被ガイド面となっている。
一方、サージカルガイド91に形成されたガイド孔97は、平面視円形の孔であり、その内周面には、孔97の軸方向に延びるたとえば8つの係合溝98が形成されている。係合溝98は、平面視において、等しい角度間隔で配置されている。より具体的には、ガイド孔97は、インプラント用ハンドピース90のヘッド93を上方から挿入でき、挿入されたヘッド93が上下方向にスライド移動するのを案内するための孔であり、ヘッド93に備えられた複数の係合突起94が係合するように、係合溝98が形成されている。
また、サージカルガイド91において、ガイド孔97を、サージカルガイド91自体に直接形成してもよいし、サージカルガイド91に取り付け孔99を形成し、その取り付け孔99にガイド孔形成体100を取り付けることによって形成してもよい。
この発明は、以上の各実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
12 インプラント用ハンドピース
13 ガイド孔
14 ヘッド
15 ネック
16 開放部
17 ドリルバー
20 円周面部
31、32 通水溝
42 ガイド本体
43、43′ ガイド孔形成体
46 内周面部
62、66 アダプタ
67 小球体
Claims (14)
- インプラント用ハンドピースであって、ドリルバーを取り付けるヘッドの外形が、取り付けたドリルバーの中心軸と同心で、かつ、ドリルバーの軸方向に所定の長さの円周面部を有しているインプラント用ハンドピースと、
患者の口腔内に装着するサージカルガイドであって、前記インプラント用ハンドピースのヘッドを前記ドリルバーの軸方向へスライド移動させるのを案内するために、前記ヘッドの円周面部に対向する円弧状の内周面部を含み、この内周面部に沿って前記ヘッドがドリルバーの軸方向へ移動するように案内するガイド孔が形成されているサージカルガイドと、
を含むことを特徴とするインプラント植立用穿孔器具。 - 前記インプラント用ハンドピースは、前記ヘッドが先端に備えられたネックを有し、
前記ネックの先端はヘッドの外周面と接合されていて、ヘッドの外周面の直径に比べ、ネック先端の幅は小さいことを特徴とする、請求項1記載のインプラント植立用穿孔器具。 - 前記サージカルガイドのガイド孔には、前記ネックの先端が挿入可能な開放部が形成されており、
この開放部は、前記ガイド孔の中心に対して180°未満の開度を有することを特徴とする、インプラント植立用穿孔器具。 - 前記ヘッドの外周面または前記ガイド孔の内周面のいずれか一方には、冷却水の戻り水が通過し得る通水溝が形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のインプラント植立用穿孔器具。
- インプラント用ハンドピースであって、
ドリルバーを取り付けるためのヘッドを有し、
ヘッドの外形は、取り付けたドリルバーの中心軸と同心で、かつ、ドリルバーの軸方向に所定の長さ以上の長さの円周面部を有していることを特徴とする、インプラント用ハンドピース。 - インプラント植立用に使用するサージカルガイドであって、
インプラント用ハンドピースのドリルバーが取り付けられたヘッドを案内するためのガイド孔を有し、
このガイド孔は、インプラント用ハンドピースのヘッドを、ドリルバーの軸方向へスライド移動させるために、円弧状の内周面部を含み、この内周面部に沿ってヘッドの外周面をスライドさせることのできる孔であることを特徴とする、インプラント植立用のサージカルガイド。 - インプラント植立用に使用するサージカルガイドであって、
患者の口腔中に装着されるガイド本体と、
前記ガイド本体に形成された取付孔と、
前記取付孔に取り付けられた円筒状体であって、その外面が前記取付穴の内面に接合されており、ハンドピースのヘッドの外面をその内面に沿ってスライドさせることができ、前記円筒状体の一部は、ハンドピースのネック部分が通るように180°未満の範囲で軸方向に切除されるか、または切除可能な形態を有するガイド穴形成体と、
を含むことを特徴とする、インプラント植立用サージカルガイド。 - 請求項7記載のガイド本体の前記取付穴に取り付けるガイド穴形成体であって、
ハンドピースのヘッドの外面に対応するように規格化された180°以上の円弧状の内周面部を備える円筒状体と、
前記円筒状体に形成され、ハンドピースのヘッドが前記内周面部に沿ってスライドする際に、ハンドピースのネック部分が通れるように180°未満の範囲で軸方向に切除された切除領域と、
前記切除領域の一部をつないでおり、後にその部分を削除することでハンドピースのネック部分が通れるようにするための削除用帯部と、
を含むことを特徴とするガイド穴形成体。 - 前記ガイド穴形成体は、樹脂もしくは金属またはそれらの組み合わせにより構成されていることを特徴とする、請求項8記載のガイド穴形成体。
- 前記内周面部には、多数個の小球体が回転自在に埋設されており、各小球体は、その一部が前記内周面部からわずかに突出しており、ハンドピースのヘッドを内周面部に沿ってスライドさせる際に、ヘッド外面に当接して回転するように配列されていることを特徴とする、請求項8または9記載のガイド穴形成体。
- インプラント用ハンドピースのヘッドに装着するアダプタであって、
前記ヘッドの周囲を覆うように取り付けられ、装着状態で、その外表面に、ヘッドに取り付けられたドリルバーと同心の円弧状をした円周面部を備えることを特徴とする、インプラント用ハンドピースのアダプタ。 - 前記アダプタの前記円周面部には、多数個の小球体が、小球体の一部が円周面部からわずかに出る状態で、回転自在に埋設されていることを特徴とする、請求項8記載のインプラント用ハンドピースのアダプタ。
- インプラント用ハンドピースであって、ドリルバーを取り付けるヘッドの外形が、取り付けたドリルバーの中心軸と同心で、かつ、ドリルバーの軸方向に所定の長さの正多角形周面部を有しているインプラント用ハンドピースと、
患者の口腔内に装着するサージカルガイドであって、前記インプラント用ハンドピースのヘッドを前記ドリルバーの軸方向へスライド移動させるのを案内するために、前記ヘッドの正多角形周面部に対向する正多角形状の内周面部を含み、この内周面部に沿って前記ヘッドがドリルバーの軸方向へ移動するように案内するガイド孔が形成されているサージカルガイドと、
を含むことを特徴とするインプラント植立用穿孔器具。 - インプラント用ハンドピースであって、ドリルバーを取り付けるヘッドの外形が、取り付けたドリルバーの中心軸と同心で、かつ、ドリルバーの軸方向に所定の長さの円周面部を有し、前記中心軸を中心に前記円周面部から外方へ突出する係合突部を備えるインプラント用ハンドピースと、
患者の口腔内に装着するサージカルガイドであって、前記インプラント用ハンドピースのヘッドを前記ドリルバーの軸方向へスライド移動させるのを案内するために、前記ヘッドの円周面部に対向する円弧状の内周面部であって、当該内周面部には、前記軸方向に延び、前記係合突起と係合し得る複数の係合溝が形成されていて、この内周面部に沿って前記ヘッドがドリルバーの軸方向へ移動するように案内するガイド孔を有しているサージカルガイドと、
を含むことを特徴とするインプラント植立用穿孔器具。
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