JP4291485B2 - インプラント窩形成用ガイド - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の技術分野】
この発明は、インプラント窩形成用ガイドに関する。
【０００２】
【従来の技術】
義歯等を支持するために用いられるインプラント（人工歯根）は、顎骨内などにインプラント窩を形成して埋入される。従来、このインプラント窩を形成するには、術者がドリルを用いて適当な見当で穿孔していたが、正確な部位に確実にインプラント窩を形成することは非常に困難であった。
【０００３】
【発明の課題】
そこで、この発明の課題は、インプラント埋入手術時に、診断決定した部位に正確かつ確実にインプラント窩を形成することである。
【０００４】
【課題の解決手段】
上記の課題を解決するため、この発明のインプラント窩形成用ガイドは、シールドラジアルボールベアリングの外輪の外周に固着された対向する一対の中空ガイド部材と、前記ベアリングの内輪と一体に設けられた口金より成り、この口金にドリルを装着可能としかつ口金の内周にねじを設け、前記口金を回動することによって歯科用ハンドピースの駆動ヘッドと着脱可能になっており、前記中空ガイド部材に固定ガイド線をスライド可能に挿入して前記外輪を軸方向にガイド可能にしたのである。また、前記口金に回動用工具のピンを挿入する孔を設けておくことができる。
【０００５】
上記のようなインプラント窩形成用ガイドを用いて次のようにインプラント窩を形成する。即ち、術部に装着するステントに、インプラントの埋入点の指示目印を設け、この埋入点を中心に対向する一対のガイド線をインプラントの埋入角度に植立する。そしてこのガイド線に前記ベアリングの外輪に固着した中空ガイド部材をスライド可能に係合し、歯科用ハンドピースの駆動ヘッドに取り付けた口金と共に回動するドリルでインプラント窩を形成するのである。
【０００６】
【実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図１及び図２に示すように、この発明のインプラント窩形成用ガイド１は、シールドラジアルボールベアリング１０と、その外輪１１の外周に軸方向に固着された対向する一対の中空ガイド部材２０ａ、２０ｂと、前記ベアリング１０の内輪１２に固着された口金３０より成り、この口金３０は、従来のコントラアングルハンドピースの一部分であり、その内周にねじ３１が設けられ、コントラアングルハンドピースの駆動ヘッドと着脱可能になっている。この着脱を容易にするため、口金３０には、一対の孔３２ａ、３２ｂが設けられている。この機能については後述する。
【０００７】
前記ベアリング１０は、ガイド部材２０ａ、２０ｂを設けた外輪１１に対して内輪１２を回転自在に保持するために用いたものであり、図示の構造に限らず、例えばローラを用いたものでもよい。またシールド構造は、切削時の切屑等がベアリング１０内に侵入するのを防止するために必要である。さらに、口金３０は、ベアリング１０の内輪１２と一体に形成するのが好ましい。
【０００８】
上記ガイド１をハンドピースに取り付けるために、図３に示すような工具を用いる。図示のように、工具４０は、把手４１に平行なピン４２ａ、４２ｂを立てて固定したものであって、ピン４２ａ、４２ｂの径及び間隔を、前記ガイド１の口金３０に設けた孔３２ａ、３２ｂに挿入できるようにしてある。この工具４０を用いて、図４に示すように、コントラアングルハンドピース５０のヘッド５１にガイド１の口金３０を当てがい、工具４０のピン４２ａ、４２ｂの先端部を口金３０の孔３２ａ、３２ｂに挿入して把手４１を指でつまみながら回動させ、口金３０の内周のねじ３１をヘッド５１の駆動軸に係合すると、ガイド１がハンドピース５０に装着される。
【０００９】
次に術式について説明する。まず、レントゲン等で診断決定したインプラント埋入点及び角度を示したステント６０（図５）を術部Ｔに装着する。埋入点はステント６０に設けた孔６１によって指定され、埋入角度は、埋入点を中心に予め定められた間隔をあけて対向する位置に一対のガイド線６２ａ、６２ｂをステント６０に植立して決定する。このときガイド線６２ａ、６２ｂの中心間間隔は、前記ガイド１のガイド部材２０ａ、２０ｂの中心間間隔と等しくしておく。またガイド線６２ａ、６２ｂは例えば２液硬化型レジン６３でステント６０に固定しておく。そして予めガイド１の口金３０にドリル７０を装着しておき、ガイド１の中空ガイド部材２０ａ、２０ｂにガイド線６２ａ、６２ｂを挿入する。ガイド線６２ａ、６２ｂはスライド可能にガイド部材２０ａ、２０ｂに挿入可能な径に設定されている。これによってドリル７０の先端は丁度ステント６０の孔６１即ちインプラント埋入点に合致する。そこでエンジンを始動して図６のようにガイド線６２ａ、６２ｂに沿ってドリル７０で穿孔しインプラント窩を形成する。このとき、ガイド部材２０ａ、２０ｂは外輪１１に固定され、かつ口金３０を有する内輪１２は外輪１１に対して同一軸心上で自由に回転できるため、ドリル７０は正確なインプラント埋入点を正確な角度で顎骨内などに進入してインプラント窩を確実に形成する。
【００１０】
【発明の効果】
この発明によれば、以上のように、ラジアルベアリングの外輪には一対のガイド部材を設け、内輪にはハンドピースのヘッドに対して着脱自在に取り付けられる口金を設け、ステントに植立したガイド線と前記ガイド部材をスライド可能に係合して、ハンドピースに取り付けたドリルでステント窩を穿孔するようにしたので、正確な埋入点に正確な角度でインプラント窩を確実に形成することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明のガイドの一例を示す一部縦断正面図
【図２】同上の斜視図
【図３】ガイドをハンドピースに着脱する工具を示す正面図
【図４】同上の工具の使用法を示す斜視図
【図５】術式を示す斜視図
【図６】術式の進行状態を示す斜視図
【符号の説明】
１ ガイド
１０ ラジアルボールベアリング
１１ 外輪
１２ 内輪
２０ａ、２０ｂ 中空ガイド部材
３０ 口金
３１ ねじ
３２ａ、３２ｂ 孔
４０ 工具
４１ 把手
４２ａ、４２ｂ ピン
５０ コントラアングルハンドピース
５１ ヘッド
６０ ステント
６１ 孔
６２ａ、６２ｂ ガイド線
６３ レジン
７０ ドリル
Ｔ 術部

Claims (2)

1. シールドラジアルボールベアリングの外輪の外周に軸方向に固着された対向する一対の中空ガイド部材と、前記ベアリングの内輪と一体に設けられた口金より成り、この口金にドリルを装着可能としかつ口金の内周にねじを設け、前記口金を回動することによって歯科用ハンドピースの駆動ヘッドと着脱可能になっており、前記中空ガイド部材に固定ガイド線をスライド可能に挿入して前記外輪を軸方向にガイド可能としたインプラント窩形成用ガイド。
2. 前記口金に回動用工具のピンを挿入する孔を設けた請求項１に記載のインプラント窩形成用ガイド。

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