JPH09294750A - 骨穿孔装置 - Google Patents

骨穿孔装置

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JPH09294750A JP8135758A JP13575896A JPH09294750A JP H09294750 A JPH09294750 A JP H09294750A JP 8135758 A JP8135758 A JP 8135758A JP 13575896 A JP13575896 A JP 13575896A JP H09294750 A JPH09294750 A JP H09294750A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば、「インプラント治療」におけるイン
プラント埋め込み用の孔を所望の位置に正確に形成する
ことを可能とする骨穿孔装置を提供すること。 【解決手段】 穿孔対象物側に予め取り付けられ所定の
内径を備えたガイドリングと、ドリル工具を回転可能に
備えるとともに上記ガイドリングの内径に対して略一致
した外径を備えたガイド部材を上記ドリル工具の外周側
に一体に又は別体に備えた穿孔器具と、を具備したもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えば、歯科にお
けるいわゆる「インプラント(人工歯根)治療」に際し
て、インプラントを埋め込む為の孔を顎骨の所望の位置
に正確に穿孔することを可能にする骨穿孔装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、歯科における「インプラント治
療」とは、人工歯を「入れ歯」として取り付ける場合に
採られる方法の一つであり、顎骨の所定箇所にインプラ
ント埋め込み用孔を穿孔し、該インプラント埋め込み用
孔内に金属性のインプラントを埋め込む。そして、その
インプラントに対して、各種金具を介して、人工歯を取
り付けるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の「インプラ
ント治療」においては次のような問題があった。まず、
インプラントを埋め込む場合には、予めCT撮影を行っ
て、インプラント埋め込み用孔の位置を特定しておく。
すなわち、神経や他の歯との関係で最も都合が良い位置
を特定し、そこをインプラント埋め込み用孔とするもの
である。インプラント埋め込み用孔の位置が決定された
ら、後は、穿孔器具によってそこに穿孔を施し所望の孔
を形成することになる。しかしながら、CT撮影によっ
て最も都合が良い孔を特定しても、実際の穿孔作業時に
位置がずれてしまうことがあり、所望のインプラント埋
め込み用孔を正確に形成することができないという問題
があった。これは、例えば、サージカルステント(SURG
ICAL STENT) に形成したガイド孔と穿孔器具側の回転切
削工具としてのドリルとの間に遊びがあるためである。
そてし、インプラント埋め込み用孔の位置がずれてしま
ったような場合には、その後の工程においてこれを修正
する作業が必要となり、煩雑な作業を余儀無くされると
ともに、作業に熟練と長い時間を要してしまうという問
題があった。又、上記問題に対しては、例えば、サージ
カルステントに形成するカイド孔を小さくして、ドリル
との遊びをなくすように構成することが考えられる。し
かしながら、そもそも上記サージカルステントのガイド
孔に沿って穿孔する場合に、サージカルステントを傷付
けることがあり、そのときの削り粉等がインプラント埋
め込み用孔内に侵入して、それが原因で正常なインプラ
ント埋設構造が損なわれることがある。したがって、カ
イド孔をより小さくした場合には、この問題がより顕著
なものとなってしまうことになる。又、上記問題を解決
するものとして、各種のガイド装置が提案されている
が、何れも、作業に熟練を要すると共にその後の補正作
業を含めると長い作業時間を必要とし、作業効率が悪い
といった問題があった。
【0004】本発明はこのような点に基づいてなされた
ものでその目的とするところは、例えば、歯科における
「インプラント治療」に際して、インプラント埋め込み
用孔を所望の位置に正確に形成することを可能とする骨
穿孔装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本願発明による骨穿孔装置は、穿孔対象物側に予め設け
られ所定の内径を備えたガイド孔と、回転切削工具を回
転可能に備えるとともに上記ガイド孔の内径に対して略
一致した外径を備えたガイド部材を上記回転切削工具の
外周側に一体に又は別体に備えた穿孔器具と、を具備し
たことを特徴とするものである。その際、ガイド部材を
回転切削工具と別体に設けた場合において、上記ガイド
部材に注水をガイド部材内に導くための注水孔を形成す
ることが考えられる。又、ガイド部材を回転切削工具と
別体に設けた場合において、ガイド部材の先端を斜めに
切り落として、そこから注水できるように構成すること
が考えられる。又、本発明は様々なケースに適用できる
が、例えば、歯科における「インプラント治療」に使用
するインプラントを埋め込むための孔を穿孔・形成する
場合に効果的に適用可能である。
【0006】
【作用】すなわち、予め所定の内径を備えたガイド孔を
穿孔対象物側に設けておき、そこにガイド孔の内径に対
して略一致した外径を備えたガイド部材を挿入した状態
で回転切削工具を回転させて穿孔作業を行うものであ
り、それによって、穿孔器具側の「ぶれ」や「位置ず
れ」をなくして、所望の場所に孔を正確に穿孔・形成す
ることを可能にするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図4を参照して本
発明の一実施の形態を説明する。この実施の形態は、本
発明を、歯科における「インプラント治療」に適用した
例を示すものである。まず、歯科における「インプラン
ト治療」の概略に関して、図1を参照して説明する。図
1は、人工歯を入れ歯として取り付ける為の構造を示す
ものであって、まず、顎骨1にはインプラント埋め込み
用孔3が穿孔・形成されている。このインプラント埋め
込み用孔3に金属性のインプラント5が埋め込まれてい
る。このインプラント5は、外周面に雄螺子部7を備え
ていて、又、内周面には図示しない雌螺子部を有してい
る。又、上記雄螺子部7はタップ機能を備えているもの
であって、上記インプラント埋め込み用孔3に対して、
インプラント5を回転させながら押し込んでいくことに
より、インプラント埋め込み用孔3に対して螺合・接合
されていくものである。尚、上記雄螺子部7として、タ
ップ機能を備えていないものであってもよい。又、上記
顎骨1の外周には歯茎9が被冠されている。
【0008】上記インプラント5にはアバットメントス
クリュ11が取り付けられる。このアバットメントスク
リュ11は、下部に雄螺子部13を備えていて、この雄
螺子部13を、インプラント5の雌螺子部に螺合させて
いくことにより、インプラント5に螺合・接合されるこ
とになる。又、上記アバットメントスクリュ11の外周
にはアバットメント15が被冠されている。又、上記ア
バットメントスクリュ11の上部内周部には図示しない
雌螺子部が設けられている。そして、上記アバットメン
トスクリュ11の外周にはゴールドシリンダ17が被冠
されるとともに、上記雌螺子部にはリテイニングスクリ
ュ19が螺合・接合される。すなわち、このリテイニン
グスクリュ19は雄螺子部21を備えていて、この雄螺
子部21を上記アバットメントスクリュ11の図示しな
い雌螺子部に螺合していくことにより、アバットメント
スクリュ11に螺合・接合されるものである。
【0009】一方、人工歯23(図1中仮想線で示す)
があり、この人工歯23は図示するように、ゴールドシ
リンダ17の回収側に固定されていて、上記リテイニン
グスクリュ19をアバットメントスクリュ11の雌螺子
部に螺合することにより、アバットメントスクリュ11
に取付・固定されることになる。因に、上記のような人
工歯構造においては、過大な力が作用した場合には、ま
ず、リテイニングスクリュ21が破損し、次いで、アバ
ットメントスクリュ11が破損する。そして、最後にイ
ンプラント5が破損することになる。つまり、インプラ
ント5に対しては、過大な力が極力作用しない構造にな
っていて、その健全性を長期にわたって維持できるよう
になっている。
【0010】次に、インプラント埋め込み用孔3を形成
する穿孔作業に関して説明する。穿孔作業に先立って、
まず、図2に示すようなサージカルステント(SURGICAL
STENT) 35の作成が行われる。上記サージカルステン
トは、例えば、プラスチックスにバリウム粉を混在させ
て製作されたものであり、CT撮影時に不透過像として
あらわれるものである。すなわち、型取り作業に基づい
て製作するものであり、このサージカルステント35
は、歯茎9に被冠される基端部37と、実際に取り付け
られる人工歯23と全く同じ形状をなす歯部39とから
構成されている。そして、このようなサージカルステン
ト35を取り付けた状態でCT撮影を行う。そのCT撮
影に基づいて、顎骨1に対する穿孔箇所を特定し、その
穿孔箇所に合致するような位置に所定の径の孔41を穿
孔・形成するものである。又、ここで重要なことは、上
記サージカルステント35を固定した時点で、インプラ
ント5の埋め込み方向が決定されるとともに、使用され
るアバットメント8が決定されることである。そして、
インプラント5を埋め込む為のインプラント埋め込み用
孔3の穿孔・形成が正確に行われれば、上記決定された
埋め込み方向も正確なものとなり、且つ、使用されるア
バットメント8の変更もないことになる。尚、顎骨1に
対する穿孔箇所の特定に際しては、例えば、CT撮影に
よって神経の位置を確認して、そこを外すような位置を
穿孔箇所としたり、或いは、他の歯との関係で穿孔箇所
を特定したりするものである。
【0011】次に、上記サージカルステント35の孔4
1に所定の内径のガイド孔を備えたガイドリング43を
取付・固定する。そして、サージカルステント35から
歯部39を撤去するとともに、切断線A、Bに沿って切
断作業を施して、上記ガイドリング43及びその周囲の
部分のみを残す。そして、そのような状態のサージカル
ステント35を、図3に示すように、残存歯6を利用し
て固定する。尚、残存歯が存在しない場合には、顎骨1
の顎堤に図示しないバトブロックを利用して固定する。
【0012】次に、穿孔装置の構成を説明する。穿孔作
業は図4に示すような骨穿孔装置27を使用して行われ
る。まず、穿孔器具29があり、この穿孔器具29は先
端に回転切削工具としてのドリル工具31を備えてい
る。上記ドリル工具31の外周にはガイド部材33が、
ドリル工具31に対して非接触の状態で取り付けられて
いる。上記ガイド部材33の先端は斜めに切り落とされ
たような形状になっているとともに、円筒部には複数の
注水孔34が形成されている。尚、ガイド部材33の下
端を切り落としたことによっても注水機能を得ることが
できる。
【0013】一方、歯茎9はその一部が切開されて捲れ
た状態になっていて、その位置の顎骨1が露出した状態
になっている。又、露出した顎骨1の上方には、前述し
たように、サージカルステント35が取付・固定されて
いる。
【0014】又、ガイドリング43は、ガイド部材33
の外径に対して略一致するような内径を備えていて、ガ
イド部材33を挿入した場合に、遊びが殆ど存在しない
ような嵌め合い状態を提供するものである。そして、穿
孔作業を行う場合には、ガイド部材33をガイドリング
43内に挿入して、その位置(半径方向の位置)を固定
した状態とする。その状態で、ドリル工具31を回転さ
せて、顎骨1に対して穿孔作業を施す。その際、注水を
行ない、注水された水は、注水孔34を介して、ガイド
部材33とドリル工具31との間に導入され、それによ
って、穿孔時の除熱、切削物の排除がなされる。又、ガ
イド部材33の先端が斜めに切り落とされているので、
そこからも注水の水が導入されるとともに、切削物の排
除がなされる。尚、ガイドリング43、ガイド部材33
の材質としては、これを特に限定するものではないが、
例えば、ステンレス、チタン等の材質が好ましい。又、
各部の寸法は任意に決定すればよい。
【0015】以上本実施例によると次のような効果を奏
することができる。まず、ガイドリング43があって、
そこにガイド部材33を挿入することにより、ガイド部
材33の半径方向の位置が固定され、半径方向に対して
その位置がずれるようなことがなくなる。よって、顎骨
1に対して所定位置に所定の孔3を正確に穿孔・形成す
ることが可能となる。したがって、作業に熟練を要する
こともなく、且つ、長時間を要することなく、孔3を正
確に穿孔・形成することができるようになり、「インプ
ラント治療」そのものが容易になる。又、孔3が正確に
穿孔・形成されることにより、従来のように、その後の
作業において、これを修正するような必要もなくなり、
作業の効率化を図ることができる。又、注水時における
注水効果に関しても、注水孔34があり、且つ、ガイド
部材33の先端が斜めに切り落とされているので、充分
なものとなる。又、ガイド部材33の長さを所定長さに
決定することにより、先端部において、突出するドリル
工具31の長さが決定されるので、それによって、穿孔
深さを一義的に決定することができ、それによっても、
作業が容易なものとなる。又、従来のように、穿孔時に
サージカルステントを傷付けるようなこともないので、
それに起因した問題も発生しないものである。
【0016】尚、本発明は前記一実施の形態に限定され
るものではない。前記一実施の形態においては、歯科に
おける「インプラント治療」を例にとって説明したが、
他の部位、例えば、大腿骨等他の骨に対して穿孔作業を
施すような場合にも同様に適用可能である。ガイド部
材、ガイドリングの径、形状、大きさは任意に決定すれ
ば良い。又、前記一実施の形態においては、ガイド部材
33をドリル工具31とは別体に設けたが、例えば、ド
リル工具31の基端部を大径化してカイド部材とし一体
化させるようにしてもよい。又、前記一実施の形態にお
いては、カイドリングを設け、該ガイドリングに所定の
径のカイド孔を形成したが、例えば、サージカルステン
ト側の孔を所定の径とすることにより、それをガイド孔
として使用してもよい。
【0017】
【発明の効果】以上詳述したように本発明による穿孔装
置によると、ガイド孔とカイド部材を設けたことによ
り、所定箇所に所定の孔を正確に穿孔・形成することが
できるようになり、作業効率を向上させることができ
る。又、注水孔を設け、ガイド部材の先端を斜めに切り
落とすことにより、高い注水効果を期待できる。又、ガ
イド部材の長さを所定長さに設定することにより、突出
するドリル工具の長さを一義的に決定することができ、
それによって、穿孔深さを所定の値にすることができ
る。又、歯科における「インプラント治療」に適用した
場合には、該「インプラント治療」を容易なものとする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図で、歯科におけ
る「インプラント治療」のためのインプラント構造を示
す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す図で、歯科におけ
る「インプラント治療」のためのサージカルステントの
構成を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態を示す図で、歯科におけ
る「インプラント治療」のためのサージカルステントの
構成を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施の形態を示す図で、歯科におけ
る「インプラント治療」のためのインプラント埋め込み
用孔の穿孔・形成作業の様子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 顎骨 3 インプラント埋め込み用孔 5 インプラント 9 歯茎 27 穿孔装置 29 穿孔装置本体 31 ドリル工具 33 ガイド部材 35 サージカルステント 41 孔 43 ガイドリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穿孔対象物側に予め設けられ所定の内径
    を備えたガイド孔と、回転切削工具を回転可能に備える
    とともに上記ガイド孔の内径に対して略一致した外径を
    備えたガイド部材を上記回転切削工具の外周側に一体に
    又は別体に備えた穿孔器具と、を具備したことを特徴と
    する骨穿孔装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の骨穿孔装置において、ガ
    イド部材を回転切削工具と別体に設けた場合において、
    上記ガイド部材には注水をガイド部材内に導くための注
    水孔が形成されていることを特徴とする骨穿孔装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の骨穿孔装置において、ガ
    イド部材を回転切削工具と別体に設けた場合において、
    ガイド部材の先端は斜めに切り落とされていて、そこか
    ら注水できるように構成されていることを特徴とする骨
    穿孔装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2又は請求項3記載
    の骨穿孔装置において、歯科における「インプラント治
    療」に使用するインプラントを埋め込むための孔を穿孔
    ・形成することを特徴とする骨穿孔装置。
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