JP5770887B1 - 医療用ドリル - Google Patents
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Abstract
【課題】骨に貫通孔を形成した後、円筒状ドリル部材10が骨の周りの組織を損傷することを抑制する。【解決手段】骨に貫通孔を形成する医療用ドリル100であって、回転可能な円筒状ドリル部材10と、円筒状ドリル部材10の内周側に設けられる突出部材20を介して、駆動源からの回転駆動力を円筒状ドリル部材10へ伝達して、円筒状ドリル部材10を回転させる駆動力伝達部材30と、スプリングバネ34と、を有し、突出部材20は、円筒状ドリル部材10が骨を切削する際、スプリングバネ34を回転軸方向に圧縮しつつ、円筒状ドリル部材10と係合して回転駆動力を伝達する係合位置に移動し、円筒状ドリル部材10が骨を貫通した時、円筒状ドリル部材10の挿通方向にスプリングバネ34から弾性力を受けて貫通孔から突出し、円筒状ドリル部材10に回転駆動力を伝達しない非係合位置に移動する。【選択図】図6
Description
本発明は、医療用ドリルに関する。
手術や治療等医療を行う際に、人体の骨に穴を空ける必要がある場合、医療用ドリルが用いられる。例えば、インプラント治療においては、インプラントの人工歯根(以下、インプラント体という)を埋め込むために、歯茎(歯肉)に覆われた上顎又は下顎の骨に穴を形成する必要がある。上顎の骨に穴を形成するために医療用ドリルとしてのインプラント用ドリルが用いられている(例えば、特許文献1)。
ここで、インプラント治療において、人体の上顎の骨に穴を空ける場合においては以下のような課題がある。鼻の隣り、目の下辺りには上顎洞(サイナス)という空洞がある。インプラント体を埋め込むための穴を上顎の骨に空ける際、ドリルが骨を貫通し、骨の裏側の粘膜(シュナイダー膜、上顎洞粘膜)を破いてしまうと、患者が感染をおこし、蓄膿症や上顎洞炎という病気になってしまうおそれがある。なお、シュナイダー膜の厚さは0.5mm程度である。骨が厚く、骨の表面から上顎洞までの距離が長ければ、そのような問題は生じにくいが、多くの場合、ドリルが骨を貫通するまで数mm程度の余裕しかない。
また、患者によってはそもそも上顎の骨の厚さがインプラント体の長さより短い場合もある。例えば、インプラント体の長さ9mmに対して、上顎の骨の厚さが5mm程度の患者もいる。そこで、サイナスリフト法(ソケットリフト法)と呼ばれる、上顎洞の骨の厚みを増やす手術が行われている。サイナスリフト法においては、まず、インプラント用ドリルを用いて、粘膜を破かないように上顎の骨に貫通孔を空ける。そして、貫通孔にインプラント体を挿通し、粘膜にインプラント体を押し当てて破かないように少し押し上げる。その状態で、数カ月待つと、粘膜と骨との間に新しい骨が形成されインプラント体の周りがしっかりと骨に覆われて、インプラント体が安定する。
上記のように、サイナスリフト法を採用する場合、インプラント用ドリルを用いて、骨の裏側にある粘膜を破ることなく上顎の骨に貫通孔を形成する必要がある。インプラント用ドリルを用いて直接貫通孔を形成する場合、粘膜を破いてしまうリスクが大きいため、粘膜を破かないように貫通孔を形成する方法として次のような方法が従来より主流である。まず、CT画像等で上顎の骨の厚さの詳細な実測値を測定の上、骨を貫通しない長さのインプラント用ドリルを用いて上顎の骨を切削する。その後、ノミを用いて、切削されて厚みがなくなった骨を割ることで貫通孔を形成し、その貫通孔にインプラント体を挿通し、粘膜を押し上げる。このように、粘膜を破ることなく貫通孔を形成するには熟練された高度な技術が必要であった。
そこで、本発明は、骨に貫通孔を形成する医療用ドリルであって、ドリル部材が骨の周りの組織を損傷することを抑制する医療用ドリルを提供することを目的とする。特に、骨の裏側の粘膜を破ることを抑制する医療用ドリルを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の医療用ドリルは、
骨に貫通孔を形成する医療用ドリルであって、
円筒形状の回転可能なドリル部材と、
前記ドリル部材の内周側に設けられる突出部材と、
前記突出部材を介して、駆動源からの回転駆動力を前記ドリル部材へ伝達して、前記ドリル部材を回転させる駆動力伝達部材と、
弾性バネと、を備え、
前記駆動力伝達部材は前記挿通方向に延びる柱部を有し、前記突出部材は前記柱部に回転軸方向に移動可能に嵌合する嵌合穴部を有し、前記回転駆動力は前記駆動力伝達部材の柱部から突出部材に伝達される構成で、
前記突出部材は、
前記ドリル部材が骨を切削する際、骨の表面に突き当たり前記弾性バネを前記ドリル部材の挿通方向と反対方向に圧縮しつつ、前記ドリル部材と係合して回転駆動力を伝達する係合位置に移動し、
前記ドリル部材が骨を貫通した時、前記挿通方向に前記弾性バネから弾性力を受けて前記貫通孔から突出し、前記ドリル部材に回転駆動力を伝達しない非係合位置に移動し、
前記ドリル部材は、内周面から径方向内側に突起する被係合部を有し、前記突出部材は、径方向外側に突起する係合部であって、前記係合位置にある時、前記突出部材の回転により前記被係合部に対して回転方向で突き当たり、前記ドリル部材を連れ回す係合部を有することを特徴とする。
骨に貫通孔を形成する医療用ドリルであって、
円筒形状の回転可能なドリル部材と、
前記ドリル部材の内周側に設けられる突出部材と、
前記突出部材を介して、駆動源からの回転駆動力を前記ドリル部材へ伝達して、前記ドリル部材を回転させる駆動力伝達部材と、
弾性バネと、を備え、
前記駆動力伝達部材は前記挿通方向に延びる柱部を有し、前記突出部材は前記柱部に回転軸方向に移動可能に嵌合する嵌合穴部を有し、前記回転駆動力は前記駆動力伝達部材の柱部から突出部材に伝達される構成で、
前記突出部材は、
前記ドリル部材が骨を切削する際、骨の表面に突き当たり前記弾性バネを前記ドリル部材の挿通方向と反対方向に圧縮しつつ、前記ドリル部材と係合して回転駆動力を伝達する係合位置に移動し、
前記ドリル部材が骨を貫通した時、前記挿通方向に前記弾性バネから弾性力を受けて前記貫通孔から突出し、前記ドリル部材に回転駆動力を伝達しない非係合位置に移動し、
前記ドリル部材は、内周面から径方向内側に突起する被係合部を有し、前記突出部材は、径方向外側に突起する係合部であって、前記係合位置にある時、前記突出部材の回転により前記被係合部に対して回転方向で突き当たり、前記ドリル部材を連れ回す係合部を有することを特徴とする。
ドリル部材が骨を貫通した時、突出部材が、ドリル部材の挿通方向に弾性バネから弾性力を受けて貫通孔から突出し、ドリル部材に回転駆動力を伝達しない非係合位置に移動するため、ドリル部材の回転が止まり、切削機能が失われる。そのため、貫通孔を形成した後に必要以上にドリル部材が骨やその周辺の組織を切削することがなくなり、安全性が向上する。
また、ドリル部材は、内周面から径方向内側に突起する被係合部を有し、突出部材は、径方向外側に突起する係合部であって、係合位置にある時、突出部材の回転により被係合部に対して回転方向で突き当たり、ドリル部材を連れ回す係合部を有することで、簡易な構成で、突出部材を介して、駆動源からの回転駆動力をドリル部材に伝達することができる。
さらに、駆動力伝達部材は前記挿通方向に延びる柱部を有し、前記突出部材は前記柱部に回転軸方向に移動可能に嵌合する嵌合穴部を有し、前記回転駆動力は前記駆動力伝達部
材の柱部から突出部材に伝達される構成とすることにより、突出部材を回転させることができ、かつ突出部材が回転軸方向に突出する構成を実現できる。
さらに、駆動力伝達部材は前記挿通方向に延びる柱部を有し、前記突出部材は前記柱部に回転軸方向に移動可能に嵌合する嵌合穴部を有し、前記回転駆動力は前記駆動力伝達部
材の柱部から突出部材に伝達される構成とすることにより、突出部材を回転させることができ、かつ突出部材が回転軸方向に突出する構成を実現できる。
また、係合部と被係合部の少なくともいずれかが複数設けられるとよい。係合部、被係合部が複数設けられることで、複数箇所で係合部と被係合部とが係合することとなり、突出部材からドリル部材への回転駆動力の伝達がより確実に行われることとなる。
また、貫通孔から突出した突出部材は、骨の裏側の粘膜を挿通方向に押し上げるとよい。突出部材が骨の裏側の粘膜を挿通方向に押し上げると、貫通孔を形成した時、ドリル部材と粘膜の距離が遠くなる。そのため、粘膜がドリル部材により破かれるリスクを低減できる。
また、突出部材は、ドリル部材に挿通方向で突き当たり、挿通方向に貫通孔から突出する突出量を規制する規制部を有するとよい。突出部材の突出量が規制されることにより、突出部材が粘膜を押し上げる量を調整し、必要以上に押し上げることで粘膜が突出部材により破かれるリスクを低減できる。また、突出部材が医療用ドリルの他の構成から完全に離脱することを抑制でき、貫通孔を形成後にドリル部材を引く抜く際、突出部材が人体の中に残ってしまうことを防止できる。
また、規制部は、突出本体部の外径が先端部に近づくにつれて小さくなる傾斜面によって構成され、前記ドリル部材は、ドリル本体部の先端刃側の内径が、突出本体部の最大径よりも小さく、突出本体部の最小径よりも大きくなるように構成することができる。
以上説明したように、本発明によれば、骨に貫通孔を形成する医療用ドリルであって、ドリル部材が骨の周りの組織を損傷することを抑制する医療用ドリルを提供することができる。特に、骨の裏側の粘膜を破ることを抑制する医療用ドリルを提供することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施の形態に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(本実施例)
<インプラント治療及びインプラントの構成の概要>
まず、本発明の実施例(以下、本実施例)の医療用ドリルとしてのインプラント用ドリルを用いたインプラント治療及びインプラントの構成の概要について説明する。
<インプラント治療及びインプラントの構成の概要>
まず、本発明の実施例(以下、本実施例)の医療用ドリルとしてのインプラント用ドリルを用いたインプラント治療及びインプラントの構成の概要について説明する。
インプラントは、上部構造物と、接続アバットメント(支台)と、インプラント体(人口歯根)とを有する。上部構造物が所謂歯の代わりとなる義歯であり、インプラント体が顎の骨に埋め込まれて固定される部分である。接続アバットメントは、上部構造物とインプラント体を繋げる部分であり、義歯の向きを調整したりする役割を担っている。本実施例のインプラントとして、インプラント体が直径4.0mm、長さ9mmのものを用いる。
本実施例では、上歯の場合、すなわち、上顎の骨にインプラントを設ける場合のインプラント治療について説明する。まず、歯が喪失された部分であってインプラントを埋め込む部分の歯茎(歯肉)を切開して上顎の骨を露出させる。そして、露出した骨に本実施例のインプラント用ドリルを用いて穴を空ける。その穴に、専用の器具を用いて、インプラント体を埋め込む。インプラント体を穴に埋め込んだら、切開した歯茎を再び閉じてしっかりと縫い付ける。その状態でインプラント体が骨に固定されるのを待つ(約3カ月)。インプラント体が骨に固定されたら、接続アバットメントを介して上部構造物としての義歯をインプラント体に取り付ける。
<インプラント用ドリルの構成>
次に、図1〜図4を参照して、本実施例のインプラント用ドリルの構成について説明する。図1(a)は、本実施例に係るインプラント用ドリル100の分解斜視図であって、図1(b)は、本実施例に係るインプラント用ドリル100の駆動力伝達部材30と突出部材20とを結合した状態を示す斜視図であって、図1(c)は、本実施例に係るインプラント用ドリル100の全体構成(図1(b)の構成に円筒状ドリル部材10を結合した状態)を示す斜視図である。図2(a)は、本実施例の円筒状ドリル部材10の側面図であり、図2(b)は、本実施例の円筒状ドリル部材10の斜視図であって内部を透視した図である。図3(a)は、本実施例の突出部材20の側面図であり、図3(b)は、本実施例の突出部材20の斜視図であって内部を透視した図である。図4(a)は、本実施例の駆動力伝達部材30の側面図であり、図4(b)は本実施例の駆動力伝達部材30の斜視図であって内部を透視した図である。
次に、図1〜図4を参照して、本実施例のインプラント用ドリルの構成について説明する。図1(a)は、本実施例に係るインプラント用ドリル100の分解斜視図であって、図1(b)は、本実施例に係るインプラント用ドリル100の駆動力伝達部材30と突出部材20とを結合した状態を示す斜視図であって、図1(c)は、本実施例に係るインプラント用ドリル100の全体構成(図1(b)の構成に円筒状ドリル部材10を結合した状態)を示す斜視図である。図2(a)は、本実施例の円筒状ドリル部材10の側面図であり、図2(b)は、本実施例の円筒状ドリル部材10の斜視図であって内部を透視した図である。図3(a)は、本実施例の突出部材20の側面図であり、図3(b)は、本実施例の突出部材20の斜視図であって内部を透視した図である。図4(a)は、本実施例の駆動力伝達部材30の側面図であり、図4(b)は本実施例の駆動力伝達部材30の斜視図であって内部を透視した図である。
本実施例に係るインプラント用ドリル100は、主に、骨を切削する円筒状ドリル部材10、円筒状ドリル部材10の内周側に設けられる突出部材20、突出部材20を介して円筒状ドリル部材10へ回転駆動力を伝達する駆動力伝達部材30の3つの部材で構成される。以下、それら各部材の構成について説明する。円筒状ドリル部材10、突出部材20、駆動力伝達部材30は回転可能な部材である。以下の説明において、回転軸方向のうち円筒状ドリル部材10を骨に対して挿通する方向を挿通方向Sとする。
<<円筒状ドリルの構成>>
図2(a)、図2(b)に示すように、円筒状ドリル部材10は、円筒形状のドリル本体部11と、被係合部12とを有している。円筒状のドリル本体部11の回転軸方向の一端部には先端刃11aが形成されている。なお、図示しないが、ドリル本体部11の外周面にはらせん状に溝が切られており、その溝の縁部が骨を切削することで、貫通孔の内周面を形成する。すなわち、骨に形成される貫通孔の内径は、ドリル本体部11の外径と略同一である。なお、ドリル本体部11は金属からなる。また、図2(b)に示すように、被係合部12は、ドリル本体部11の内周面から径方向内側に突起しており、周方向に等間隔で2つ設けられている。
図2(a)、図2(b)に示すように、円筒状ドリル部材10は、円筒形状のドリル本体部11と、被係合部12とを有している。円筒状のドリル本体部11の回転軸方向の一端部には先端刃11aが形成されている。なお、図示しないが、ドリル本体部11の外周面にはらせん状に溝が切られており、その溝の縁部が骨を切削することで、貫通孔の内周面を形成する。すなわち、骨に形成される貫通孔の内径は、ドリル本体部11の外径と略同一である。なお、ドリル本体部11は金属からなる。また、図2(b)に示すように、被係合部12は、ドリル本体部11の内周面から径方向内側に突起しており、周方向に等間隔で2つ設けられている。
<<突出部材の構成>>
図3(a)、図3(b)に示すように、突出部材20は、突出本体部21と、係合部22とを有している。突出本体部21は、内部が空洞(嵌合穴部21b)となっており、一端が開口(開口部21c)しており、他端が丸みを帯びた先端部21aとなっている。なお、嵌合穴部21bにおける直径はいずれの位置でも等しく、開口部21cの直径d1と同じである。図3(b)に示すように、係合部22は、突出本体部21の外周面から径方向外側に突起しており、周方向に等間隔で2つ設けられている。ここで、突出部材20が回転する際の係合部22の軌跡の外径は、円筒状ドリル部材10のドリル本体部11の内径よりも小さく、円筒状ドリル部材10が回転する際の被係合部12の軌跡の内径よりは大きい。突出部材20は樹脂等からなるとよいが、それに限られるものでもない。
図3(a)、図3(b)に示すように、突出部材20は、突出本体部21と、係合部22とを有している。突出本体部21は、内部が空洞(嵌合穴部21b)となっており、一端が開口(開口部21c)しており、他端が丸みを帯びた先端部21aとなっている。なお、嵌合穴部21bにおける直径はいずれの位置でも等しく、開口部21cの直径d1と同じである。図3(b)に示すように、係合部22は、突出本体部21の外周面から径方向外側に突起しており、周方向に等間隔で2つ設けられている。ここで、突出部材20が回転する際の係合部22の軌跡の外径は、円筒状ドリル部材10のドリル本体部11の内径よりも小さく、円筒状ドリル部材10が回転する際の被係合部12の軌跡の内径よりは大きい。突出部材20は樹脂等からなるとよいが、それに限られるものでもない。
なお、被係合部12と係合部22は、後述するように、係合部22が回転することで被係合部12に回転方向で突き当たり、突出部材20の回転に伴い円筒状ドリル部材10を連れ回すことができる構成であれば、本実施例に示す形状、位置に限られるものではなく、また数も二つである必要はない。例えば、係合部22が一つであり、被係合部12が二つであるような構成でもよい。本実施例においては、係合部22、被係合部12をそれぞれ二つ設け、一方の係合部22が一方の被係合部12に突き当たった状態で、他方の係合部22が他方の被係合部12に突き当たるように、それらを配置した。このような構成とすることで、係合部22と被係合部12とがより確実に係合できることとなり、より確実に回転駆動力を突出部材20から円筒状ドリル部材10へ伝達することができる。また、本実施例においては、係合部、被係合部を突起した構成としたが、これらが互いに係合可能な構成であれば、これに限られるものではない。例えば、係合部が突出部材の外周面から突起する凸部であり、被係合部が円筒状ドリル部材の内周面に形成される凹部であってもよい。
<<駆動力伝達部材の構成>>
駆動力伝達部材30は、回転軸方向に延びており突出部材20の嵌合穴部21bに嵌合する柱部31と、円筒状ドリル部材10を保持するドリル保持部32と、駆動力伝達部33とを有している。柱部31は、円柱形状であり、先端部の直径がd2aであり、そこから末端部に近づくにつれて僅かに直径が大きくなっている。柱部31の先端部の直径d2aは、突出部材20の開口部21cの直径と略同一である。そのため、柱部31の先端部から所定の距離だけ末端部に近づいた位置における柱部31の直径d2bは、突出部材20の開口部21cの直径よりも大きい。突出部材20を柱部31にある程度嵌め込んだ状態において(図1(b)に示す状態)、突出部材20の内周面と柱部材31の外周面との間には周方向に摩擦力(静止摩擦力)が働き、柱部31と一体となって突出部材20も回転する。
駆動力伝達部材30は、回転軸方向に延びており突出部材20の嵌合穴部21bに嵌合する柱部31と、円筒状ドリル部材10を保持するドリル保持部32と、駆動力伝達部33とを有している。柱部31は、円柱形状であり、先端部の直径がd2aであり、そこから末端部に近づくにつれて僅かに直径が大きくなっている。柱部31の先端部の直径d2aは、突出部材20の開口部21cの直径と略同一である。そのため、柱部31の先端部から所定の距離だけ末端部に近づいた位置における柱部31の直径d2bは、突出部材20の開口部21cの直径よりも大きい。突出部材20を柱部31にある程度嵌め込んだ状態において(図1(b)に示す状態)、突出部材20の内周面と柱部材31の外周面との間には周方向に摩擦力(静止摩擦力)が働き、柱部31と一体となって突出部材20も回転する。
ドリル保持部32は、底面部32aと、底面部32aから挿通方向Sに延びて、円筒状ドリル部材10を保持する円筒部32bとを有する。また、円筒部32bは、第1円筒部32b1と、第1円筒部32b1よりも径の小さい第2円筒部32b2とで段差部を形成している。本実施例においては、第2円筒部32b2の外径とドリル本体部11の内径を略同一とし、第1円筒部32b1の外径とドリル本体部11の外径を略同一とした。保持部32(円筒部32)に対してドリル本体部11を被せると、ドリル保持部32の第2円筒部32b2の端面32cとドリル本体部11の端面11bとが当接する。
駆動力伝達部33は、ドリル保持部32の底面部32aの裏面に設けられており、不図示の駆動源と係合し、駆動力伝達部材30を回転駆動させる。すなわち、駆動力伝達部33が、回転駆動することで、柱部31、ドリル保持部32は回転駆動する。ここで、第2円筒部32b2の外径とドリル本体部11の内径は略同一であり、第2円筒部32b2の外周面とドリル本体部11の内周面は互いに摺動はするが、駆動力伝達部材30が回転しても、その回転駆動力は、円筒状ドリル部材10に直接は伝わらないように構成されている。後述するように、回転駆動力は、突出部材20を介してのみ、駆動力伝達部材30から円筒状ドリル部材10へと伝達される。なお、駆動力伝達部材30の円筒部32bは、円筒状ドリル部材10が挿通方向Sへ抜けて落下しないように、円筒状ドリル部材10を保持する構成となっているとよい。例えば、円筒部32b(第2円筒部32b2)が外周面に環状の外向きフランジを有し、円筒状ドリル部材10の内周面に環状の溝が形成されており、外向きフランジが溝に嵌ることで、円筒部32bが円筒状ドリル部材10を挿通方向Sへの移動を規制する構成となっているとよい。
また、図4(a)、図4(b)に示すように、柱部31には、回転軸方向に伸縮可能な
弾性バネとしてのスプリングバネ34が挿通される。スプリングバネ34は、ドリル保持部32の底面部32aに固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。スプリングバネ34は、ドリル保持部32の底面部32aと、突出部材20の突出本体部21の端面21bとの間で圧縮されるように配置されている(図5、図6参照)。
弾性バネとしてのスプリングバネ34が挿通される。スプリングバネ34は、ドリル保持部32の底面部32aに固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。スプリングバネ34は、ドリル保持部32の底面部32aと、突出部材20の突出本体部21の端面21bとの間で圧縮されるように配置されている(図5、図6参照)。
<本実施例のインプラント用ドリルの回転駆動力の伝達およびその解除>
次に、図5、図6を参照して、本実施例のインプラント用ドリル100の回転駆動力の伝達およびその解除について説明する。図5(a)〜図5(c)は、本実施例のインプラント用ドリル100の突出部材20が突出した状態を示す断面図である。図5(c)は、インプラント用ドリル100の全体構成を示す断面図であり、図5(a)は、突出部材20の断面図であって図5(c)のA−A断面図であり、図5(b)は、円筒状ドリル部材10の断面図であって、図5(c)のB−B断面図である。図6(a)、図6(b)は、本実施例のインプラント用ドリル100の突出部材20がスプリングバネを圧縮した位置にある状態を示す断面図である。図6(b)は、インプラント用ドリル100の全体構成を示す断面図であり、図6(a)は、図6(b)のC−C断面図である。以下、図5に示す突出部材20の位置を非係合位置とし、図6に示す突出部材20の位置を係合位置とする。
次に、図5、図6を参照して、本実施例のインプラント用ドリル100の回転駆動力の伝達およびその解除について説明する。図5(a)〜図5(c)は、本実施例のインプラント用ドリル100の突出部材20が突出した状態を示す断面図である。図5(c)は、インプラント用ドリル100の全体構成を示す断面図であり、図5(a)は、突出部材20の断面図であって図5(c)のA−A断面図であり、図5(b)は、円筒状ドリル部材10の断面図であって、図5(c)のB−B断面図である。図6(a)、図6(b)は、本実施例のインプラント用ドリル100の突出部材20がスプリングバネを圧縮した位置にある状態を示す断面図である。図6(b)は、インプラント用ドリル100の全体構成を示す断面図であり、図6(a)は、図6(b)のC−C断面図である。以下、図5に示す突出部材20の位置を非係合位置とし、図6に示す突出部材20の位置を係合位置とする。
図5に示す状態、すなわち、突出部材20が円筒状ドリル部材10の先端刃11aから挿通方向Sに突出した状態において、円筒状ドリル部材10の被係合部12と突出部材20の係合部22とは、回転軸方向で位置がずれている。そのため、駆動力伝達部材30の回転に伴い、突出部材20が回転したとしても、係合部22が被係合部12に回転方向で突き当たることはなく、円筒状ドリル部材10に回転駆動力が伝達されない。なお、図5に示す状態において、突出部材20は、駆動力伝達部材30の柱部31に対して十分に嵌め込まれていない状態であるため、駆動力伝達部材30が回転したとしても、そもそも突出部材20は回転しない。すなわち、円筒状ドリル部材10が回転することもない。円筒状ドリル部材10が回転しないため、図5に示す状態において、インプラント用ドリル100は骨を切削できる状態にない。
一方、図6に示す状態、すなわち、突出部材20が、スプリングバネ34を圧縮しつつ、円筒状ドリル部材10の先端刃11aから挿通方向Sに突出しない位置まで押し込められた状態において、円筒状ドリル部材10の被係合部12と突出部材20の係合部22とは、回転軸方向において重なる位置にある。また、突出部材20が柱部31に対して十分に嵌め込まれた状態であり、突出部材20の内周面と柱部31の外周面との間に摩擦力が働き、駆動力伝達部材30の回転に伴い突出部材20は回転する。駆動力伝達部材30の回転に伴い、突出部材20が図6(a)に示す矢印R方向に回転すると、突出部材20の係合部22が円筒状ドリル部材10の被係合部12に回転方向で突き当たる。そして、被係合部12は矢印R方向に力を受け、係合部22の回転に伴い被係合部12が回転する。すなわち、回転駆動力が、突出部材20(係合部22)を介して、駆動力伝達部材30から円筒状ドリル部材10(被係合部12)に伝わり、突出部材20の回転に伴い円筒状ドリル部材11が回転する。円筒状ドリル部材10が回転するため、図6に示す状態において、インプラント用ドリル100は骨を切削可能な状態である。
なお、本実施例においては、断面が円形の円柱状の柱部31と、それに対応する形状の嵌合穴部21bとを用いて説明したがこれに限られるものではない。例えば、柱部が、断面が多角形の角柱状であって、突出部材の嵌合穴部もそれに対応する形状であってもよい。ここで、図9に突出部材20と駆動伝達部材30とを結合した状態を示す斜視図であって、一例である柱部31、嵌合穴部21bを透視した図を示す。図9に示すように、柱部31が四角柱であり、嵌合穴部21bもそれに対応する形状、大きさであれば、それらが嵌合した状態において、突出部材20が柱部31に対して十分に嵌め込まれた状態である
か否かに関わらず、柱部31と突出部材20とは一体に回転する。
か否かに関わらず、柱部31と突出部材20とは一体に回転する。
<本実施例のインプラント用ドリルの優れた点>
次に、図7を参照して、本実施例のインプラント用ドリル100の優れた点について説明する。図7(a)〜図7(d)は、上顎の骨50に貫通孔を形成する際のインプラント用ドリル100の動作について示す図である。図7(a)は、先端刃11aを骨50に突き当てる前の状態を示す図であり、図7(b)は、先端刃11aを骨50に突き当てて、突出部材20が押し込められた状態を示す図であり、図7(c)は、先端刃11aが骨50を切削しながら骨50の内部に侵入した状態を示す図であり、図7(d)は、先端刃11aが骨50を貫通し、突出部材20が突出して粘膜51(シュナイダー膜)を押し上げた状態を示す図である。なお、図7においては、説明の便宜上、インプラント用ドリル100については側面図を示しており、骨50については断面図を示している。
次に、図7を参照して、本実施例のインプラント用ドリル100の優れた点について説明する。図7(a)〜図7(d)は、上顎の骨50に貫通孔を形成する際のインプラント用ドリル100の動作について示す図である。図7(a)は、先端刃11aを骨50に突き当てる前の状態を示す図であり、図7(b)は、先端刃11aを骨50に突き当てて、突出部材20が押し込められた状態を示す図であり、図7(c)は、先端刃11aが骨50を切削しながら骨50の内部に侵入した状態を示す図であり、図7(d)は、先端刃11aが骨50を貫通し、突出部材20が突出して粘膜51(シュナイダー膜)を押し上げた状態を示す図である。なお、図7においては、説明の便宜上、インプラント用ドリル100については側面図を示しており、骨50については断面図を示している。
図7(a)は、図5(c)に示す状態と同様の状態であり、駆動力伝達部材30から円筒状ドリル部材10に回転駆動力が伝達されない状態である。図7(a)に示す状態から、まず、突出部材20の先端部21aを骨50の表面に突き当てる。先端部21aを突き当てた状態で、さらに円筒状ドリル部材10の先端刃11aを挿通方向Sに押すと、突出部材20は、スプリングバネ34を挿通方向Sと反対方向に圧縮しながら、円筒状ドリル部材10の先端刃11aから突出しない位置まで押し込められ、係合位置へと移動する。この状態を図7(b)に示す。
図7(b)は、図6(b)に示す状態と同様の状態であり、駆動力伝達部材30から円筒状ドリル部材10に回転駆動力が伝達される状態である。駆動力伝達部材30の回転に伴い円筒状ドリル部材10が回転することで、先端刃11aが骨50を切削しながら、挿通方向Sに進む。図7(c)に示す、骨50を切削しながら骨50の内部に先端刃11aが侵入した状態においては、突出部材20の先端部21aは骨50に突き当たっており、突出部材20は先端刃11aから突出しない位置に押し込められた状態を維持する。すなわち、図7(c)に示す状態も、図7(b)に示す状態と同様に、駆動力伝達部材30から円筒状ドリル部材10に回転駆動力が伝達される状態である。
図7(c)に示す状態から、さらに円筒状ドリル部材10を挿通方向Sに進めると、円筒状ドリル部材10が骨50を貫通する。貫通した状態において、突出部材20の先端部21aが突き当たる位置に骨50が無い。そのため、突出部材20は、圧縮されていたスプリングバネ34から挿通方向Sと同じ方向に弾性力(反発力)を受け、先端刃11aから突出し、非係合位置へと移動する。なお、上述したように、突出部材20の突出本体部21の内周面と、駆動力伝達部材30の柱部31の外周面との間には摩擦力が働いているが、本実施例においては、その摩擦力よりも強い力で、突出部材20を柱部31から押し出すことが可能な弾性力を有するスプリングバネ34を用いた。
突出部材20が突出することにより、円筒状ドリル部材10の被係合部12と突出部材20の係合部22の回転軸方向における位置がずれることとなる。そのため、突出部材20を介した、駆動力伝達部材30から円筒状ドリル部材10への回転駆動力の伝達が解除されることとなる。回転駆動力の伝達が解除されても、しばらくの間、円筒状ドリル部材10は惰性により回転を続けるが、その後、静止する。このように、骨50に貫通孔を形成することに伴い、円筒状ドリル部材10の切削機能が失われるため、上顎の骨50の裏側の粘膜(シュナイダー膜)51を破いてしまうリスクを低減でき、安全性が向上する。
また、スプリングバネ34の弾性力により、先端刃11aから挿通方向Sと同じ方向に突出した突出部材20の先端部21aは、上顎の骨50の裏側の粘膜51に突き当たり、図7(d)に示すように、その粘膜51を押し上げる。このように、円筒状ドリル部材1
0の先端刃11aが粘膜51に到達してしまう前に、突出部材20により粘膜51が挿通方向Sに押し上げられるため、先端刃11aが粘膜51を破いてしまうリスクを低減できる。
0の先端刃11aが粘膜51に到達してしまう前に、突出部材20により粘膜51が挿通方向Sに押し上げられるため、先端刃11aが粘膜51を破いてしまうリスクを低減できる。
特に、上述したサイナスリフト法を採用する場合において、上顎の骨50に貫通孔を形成する必要があるところ、貫通した際に円筒状ドリル部材10の切削機能が失われ、かつ突出部材20が粘膜51を押し上げるため、粘膜51を先端刃11aが破いてしまい、上顎洞52まで先端刃11aが突き抜けてしまうことを抑制できる。
なお、本実施例においては、図7を参照して、上顎の骨50を切削する場合について説明したが、これに限られるものではなく、下顎の骨を切削する場合において本実施例のインプラント用ドリル100を用いてもよい。また、本実施例においては、インプラント用ドリル100について説明したが、これに限られるものではなく、医療用ドリルであれば他のドリルであってもよい。例えば、頭蓋骨開頭用のドリルであってもよい。本実施例の医療用ドリルを用いることで、貫通孔を形成した後に、骨の周りの組織を損傷する等の医療事故を抑制し、安全性が向上する。
(変形例)
さらに、図8を参照して、本実施例の変形例について説明する。図8(a)は、変形例に係るインプラント用ドリル200の断面図であって、突出部材120がスプリングバネ34を圧縮した状態を示す断面図である。図8(b)は、変形例に係るインプラント用ドリル200の断面図であって、突出部材120が突出した状態を示す断面図である。なお、本例は、突出部材及び円筒状ドリル部材の構成を変形した例であり、他の構成については図1〜図7を用いて説明したものと同様であるため、同一の部材については同一の符号を用いてその説明を省略する。
さらに、図8を参照して、本実施例の変形例について説明する。図8(a)は、変形例に係るインプラント用ドリル200の断面図であって、突出部材120がスプリングバネ34を圧縮した状態を示す断面図である。図8(b)は、変形例に係るインプラント用ドリル200の断面図であって、突出部材120が突出した状態を示す断面図である。なお、本例は、突出部材及び円筒状ドリル部材の構成を変形した例であり、他の構成については図1〜図7を用いて説明したものと同様であるため、同一の部材については同一の符号を用いてその説明を省略する。
本例においては、図8に示すように、突出部材120の突出本体部121の外径が先端部121aに近づくにつれて小さくなっている。そのため、突出本体部121には規制部としての傾斜面123が形成されている。そして、ドリル本体部111の先端刃111a側の内径が、突出本体部121の最大径よりも小さく、突出本体部121の最小径よりも大きくなるように構成されている。このように構成されるため、スプリングバネ34の弾性力により突出部材120が先端刃111aから突出した際、図8(b)に示すように、傾斜面123が円筒状ドリル部材110のドリル本体部111に挿通方向Sで突き当たる。すなわち、傾斜面123は、突出部材120が挿通方向に貫通孔から突出する突出量を規制する。
このように変形例の構成においては、突出部材120の突出量を規制することができ、突出部材120が骨の裏の粘膜を押し上げる量を調整することができる。そのため、突出部材120が勢いよく突出することにより粘膜を破いてしまうリスクを低減できる。また、突出部材120がインプラント用ドリル100の他の部材から完全に離脱することを抑制できる。そのため、貫通孔を形成後に円筒状ドリル部材110を引く抜く際、突出部材120が人体の中に残ってしまい患者がそれを飲み込んでしまう等のリスクを無くすことができ、治療の安全性が向上する。なお、規制部は、本例のように突出部材120の傾斜面123に限られるものではなく、挿通方向Sで円筒状ドリル部材110に突き当たり、突出部材120の突出量を規制するものであれば、他の構成であってもよい。
10、110 円筒状ドリル部材(ドリル部材)
11、111 ドリル本体部
11a、111a 先端刃
12 被係合部
20、120 突出部材
21、121 突出本体部
21a 先端部
21b 嵌合穴部
22 係合部
123 傾斜面(規制部)
30 駆動力伝達部材
31 柱部
32 ドリル保持部
32a 底面部
32b 円筒部
33 駆動力伝達部
34 スプリングバネ(弾性バネ)
50 骨
51 粘膜(シュナイダー膜)
52 上顎洞
100 インプラント用ドリル(医療用ドリル)
11、111 ドリル本体部
11a、111a 先端刃
12 被係合部
20、120 突出部材
21、121 突出本体部
21a 先端部
21b 嵌合穴部
22 係合部
123 傾斜面(規制部)
30 駆動力伝達部材
31 柱部
32 ドリル保持部
32a 底面部
32b 円筒部
33 駆動力伝達部
34 スプリングバネ(弾性バネ)
50 骨
51 粘膜(シュナイダー膜)
52 上顎洞
100 インプラント用ドリル(医療用ドリル)
Claims (5)
- 骨に貫通孔を形成する医療用ドリルであって、
円筒形状の回転可能なドリル部材と、
前記ドリル部材の内周側に設けられる突出部材と、
前記突出部材を介して、駆動源からの回転駆動力を前記ドリル部材へ伝達して、前記ドリル部材を回転させる駆動力伝達部材と、
弾性バネと、を備え、
前記駆動力伝達部材は前記挿通方向に延びる柱部を有し、前記突出部材は前記柱部に回転軸方向に移動可能に嵌合する嵌合穴部を有し、前記回転駆動力は前記駆動力伝達部材の柱部から突出部材に伝達される構成で、
前記突出部材は、
前記ドリル部材が骨を切削する際、骨の表面に突き当たり前記弾性バネを前記ドリル部材の挿通方向と反対方向に圧縮しつつ、前記ドリル部材と係合して回転駆動力を伝達する係合位置に移動し、
前記ドリル部材が骨を貫通した時、前記挿通方向に前記弾性バネから弾性力を受けて前記貫通孔から突出し、前記ドリル部材に回転駆動力を伝達しない非係合位置に移動し、
前記ドリル部材は、内周面から径方向内側に突起する被係合部を有し、前記突出部材は、径方向外側に突起する係合部であって、前記係合位置にある時、前記突出部材の回転により前記被係合部に対して回転方向で突き当たり、前記ドリル部材を連れ回す係合部を有することを特徴とする医療用ドリル。 - 前記係合部と前記被係合部の少なくともいずれかが複数設けられることを特徴とする請求項1に記載の医療用ドリル。
- 前記貫通孔から突出した前記突出部材は、骨の裏側の粘膜を前記挿通方向に押し上げることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用ドリル。
- 前記突出部材は、前記ドリル部材に前記挿通方向で突き当たり、前記挿通方向に前記貫通孔から突出する突出量を規制する規制部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の医療用ドリル。
- 前記規制部は、突出本体部の外径が先端部に近づくにつれて小さくなる傾斜面によって構成され、前記ドリル部材は、ドリル本体部の先端刃側の内径が、突出本体部の最大径よりも小さく、突出本体部の最小径よりも大きくなるように構成されている請求項4に記載の医療用ドリル。
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