JP7372888B2 - 上顎洞底拳上器具 - Google Patents

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Description

本発明は、歯周病や抜歯などにより欠損した上顎歯を再生すべく、上顎骨に人工歯根を埋入する場合であって、上顎骨のうち、人工歯根を埋入する部分の厚さが不足する場合に行う上顎洞底拳上術に使用する上顎洞底拳上器具に関する。
歯周病や抜歯などにより欠損した上顎歯を再生すべく、上顎骨に人工歯根を埋入する場合であって、上顎骨のうち、人工歯根を埋入する部分の厚さが不足する場合、上顎洞底拳上術を施す必要がある。上顎洞底拳上術は、サイナスリフト法とソケットリフト法とに大別される。
サイナスリフト法は、上顎洞頬側骨壁を削って開窓し、開窓部から器具を挿入して上顎洞粘膜を剥離して拳上し、上顎洞粘膜を拳上することで形成された空間に骨補填材を充填する方法である。一方、ソケットリフト法は、口腔内から上顎洞底部を持ち上げることで、上顎洞粘膜を剥離して拳上し、上顎洞粘膜を拳上することで形成された空間に骨補填材を充填する方法である。特に、ソケットリフト法は、サイナスリフト法に比べて、患者への負担が少ないことから多用されている。
図11~図14は、特表2009-531076号公報に記載された、ソケットリフト法で使用可能なインプラントドリルを示している。インプラントドリル100は、連結体101と、ドリル刃102と、突出部材103と、スプリング104とを備える。
連結体101は、軸方向片側面(図11の下側面、図12~図14の上側面)に円形係止枠105を有する円板部106と、軸方向他側(図11の上側、図12~図14の下側)の端部にシャンク部107を有し、円板部106の軸方向他側面の中央部から軸方向他側に向けて突出する軸部108とを備える。
ドリル刃102は、筒状に構成されている。ドリル刃102は、外周面に螺旋状のカッティング溝109を有し、かつ、内周面の軸方向中間部に、軸方向他側を向いたドリル側段部110を有する。ドリル刃102は、軸方向他側の端部を円形係止枠105に外嵌固定することにより、連結体101に結合固定されている。
突出部材103は、外周面の軸方向中間部に、軸方向片側を向いた段部111を有する段付円筒部112と、段付円筒部112の軸方向他側面の中央部から軸方向他側に向けて突出した凸部113とを備える。突出部材103は、段部111を、ドリル刃102のドリル側段部110に対向させた状態で、ドリル刃102の内側に、該ドリル刃102に対する軸方向変位を可能に内嵌されている。なお、突出部材103の段部111とドリル刃102のドリル側段部110とを当接させた状態で、突出部材103の段付円筒部112の先端部(軸方向片側の端部)は、ドリル刃102の先端部から突出する。
スプリング104は、連結体101と突出部材103との間に設置され、突出部材103に軸方向片側を向いた弾力を付与している。すなわち、スプリング104は、軸方向片側の端部を、突出部材103の凸部113に外嵌し、かつ、軸方向他側の端部を、連結体101の軸方向片側面に突き当てている。
インプラントドリル100を使用して上顎洞底拳上術を実施する場合には、まず、図12に示すように、突出部材103の段付円筒部112の先端部(軸方向片側の端部)を、上顎骨114の施術部位に突き当てる。この状態からインプラントドリル100をさらに上方に変位させる。これにより、突出部材103を、スプリング104の弾力に抗して押し下げ、ドリル刃102の先端部を、上顎骨114の施術部位に突き当てる。そして、インプラントドリル100を回転駆動し、図13に示すように、上顎骨114を穿孔する。
図14に示すように、インプラントドリル100が上顎骨114を貫通すると、その瞬間、突出部材103がスプリング104の弾力により上方に変位する。この結果、突出部材103の段付円筒部112の先端部により、上顎洞粘膜115が持ち上げられて上顎骨114から剥離される。
特表2009-531076号公報
上述のように、特表2009-531076号公報に記載のインプラントドリル100を使用する上顎洞底拳上術では、インプラントドリル100を回転させながら上顎骨114を穿孔し、インプラントドリル100が上顎骨114を貫通した瞬間に、突出部材103がスプリング104の弾力により上方に変位して、上顎洞粘膜115が持ち上げられる。したがって、突出部材103は、回転しながら上顎洞粘膜115を持ち上げることになるため、上顎洞粘膜115が捩れて損傷する可能性がある。上顎洞粘膜115を損傷させないためには、インプラントドリル100が上顎骨114を貫通する瞬間に、インプラントドリル100の送りを停止して、下方に退避させる必要があり、施術者の熟練を要する。
本発明は、上述のような事情に鑑みて、上顎洞底拳上術を実施する際に、施術者の熟練度にかかわらず、上顎洞粘膜の損傷を防止できる上顎洞底拳上器具を実現することを目的としている。
本発明の一実施形態に係る上顎洞底拳上器具は、
内周面に雌ねじ部を有し、筒状に構成された胴体と、
頂面に、患者の下顎により押圧される被押圧部を有し、かつ、前記胴体の内径以上の外径を有する頭部、および、先端部に備えられ、施術部位に突き当てられる突き当て部と、外周面に備えられ、前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部とを有し、かつ、前記胴体の軸方向寸法以上の軸方向寸法を有する軸部を有する突出部材と、を備え、
前記雄ねじ部に対する前記雌ねじ部の螺合位置を調節することにより、前記胴体の先端部からの前記軸部の先端部の突出量を調節することを可能とする。
本発明の一実施形態に係る上顎洞底拳上器具においては、前記胴体の先端部が、患者の上顎骨に接触したことを検出するセンサをさらに備えることができる。
本発明の一実施形態に係る上顎洞底拳上器具は、前記頭部に取り付けられるアタッチメントをさらに備え、前記被押圧部は、前記アタッチメントを介して前記患者の下顎により押圧されることができる。
本発明の一実施形態に係る上顎洞底拳上器具によれば、施術者の熟練度にかかわらず、上顎洞底拳上術を実施する際に、上顎洞粘膜の損傷を防止することができる。
図1(A)は、本発明の実施の形態の第1例に係る上顎洞底拳上器具を示す斜視図であり、図1(B)は、本発明の実施の形態の第1例に係る上顎洞底拳上器具を示す断面図である。 図2(A)~図2(F)は、本発明の実施の形態の第1例に係る上顎洞底拳上器具を用いて上顎洞底拳上術を施す様子を工程順に示す断面図である。 図3(A)は、本発明の実施の形態の第2例に係る上顎洞底拳上器具を示す斜視図であり、図3(B)は、本発明の実施の形態の第2例に係る上顎洞底拳上器具を示す断面図である。 図4(A)は、本発明の実施の形態の第2例に係る上顎洞底拳上器具を、胴体の先端部からの突出部材の先端部の突出量を最大とした状態で示す斜視図であり、図4(B)は、本発明の実施の形態の第2例に係る上顎洞底拳上器具を、胴体の先端部からの突出部材の先端部の突出量を最大とした状態で示す断面図である。 図5(A)は、本発明の実施の形態の第3例に係る上顎洞底拳上器具を示す斜視図であり、図5(B)は、本発明の実施の形態の第3例に係る上顎洞底拳上器具を示す断面図である。 図6(A)は、本発明の実施の形態の第3例に係る上顎洞底拳上器具から突出部材を取り出して示す斜視図であり、図6(B)は、本発明の実施の形態の第3例に係る上顎洞底拳上器具から突出部材を取り出して示す断面図である。 図7(A)は、本発明の実施の形態の第3例に係る上顎洞底拳上器具から胴体を取り出して示す斜視図であり、図7(B)は、本発明の実施の形態の第3例に係る上顎洞底拳上器具から胴体を取り出して示す断面図である。 図8は、本発明の実施の形態の第3例に係る上顎洞底拳上器具およびサージカルガイドを使用して、上顎洞底拳上術を施す様子を示す図である。 図9(A)は、本発明の実施の形態の第4例に係る上顎洞底拳上器具を示す側面図であり、図9(B)は、本発明の実施の形態の第4例に係る上顎洞底拳上器具を示す断面図である。 図10(A)~図10(D)は、アタッチメントの形状の4例を示す側面図である。 図11は、従来構造のインプラントドリルの1例を示す断面図である。 図12は、従来構造のインプラントドリルを上顎骨の施術部に突き当てている様子を示す断面図である。 図13は、従来構造のインプラントドリルにより上顎骨を穿孔している様子を示す断面図である。 図14は、従来構造のインプラントドリルが上顎骨を貫通した段階を示す断面図である。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1(A)~図2(F)を用いて説明する。本例の上顎洞底拳上器具1は、胴体2と、突出部材3とを備える。
胴体2は、内周面に雌ねじ部4を有し、筒状に構成されている。本例では、胴体2は、軸方向片側部分(図1(A)および図1(B)の上側部分、図2(C)および図2(D)の下側部分)の内周面に、雌ねじ部4を有し、かつ、軸方向他側部分(図1(A)および図1(B)の下側部分、図2(C)および図2(D)の上側部分)の内周面に、円筒面部5を有する。円筒面部5は、雌ねじ部4の谷径よりも小さい、好ましくは雌ねじ部4の内径以下の内径を有する。
なお、本例では、胴体2の外周面は、軸方向に関して外径が変化しない円筒面により構成されている。ただし、本発明の上顎洞底拳上器具では、胴体の外周面の形状は特に限定されず、例えば、軸方向から見て、胴体の外形形状(輪郭形状)を、多角形とすることができる。
突出部材3は、頭部6と、頭部6の軸方向他側面の中央部から軸方向他側に向けて突出する軸部7とを備える。
頭部6は、頂面(軸方向片側面)に、後述するように、上顎洞底拳上器具1を使用して上顎洞底拳上術を行う際に患者の下顎歯20により押圧される被押圧部8を有する。本例では、被押圧部8は、部分球状凸面により構成されているが、本発明を実施する場合、被押圧部は、患者の下顎により押圧することができる限り、任意の形状とすることができる。例えば、被押圧部を、突出部材の中心軸に直交する平坦面により構成することもできる。
頭部6は、胴体2の内径以上、好ましくは胴体2の外径よりも大きい外径を有する。
軸部7は、外周面に、胴体2の雌ねじ部4と螺合する雄ねじ部9を有する。本例では、軸部7は、軸方向片側から順に、大径円筒部10と、雄ねじ部9と、小径円筒部11と、先細部12とを有する。
大径円筒部10は、雄ねじ部9の外径(ねじ山直径)以上の外径を有する。
小径円筒部11は、雄ねじ部9の谷径以下の外径を有する。
先細部12は、外径が軸方向他側に向かう程小さくなっている。また、本例では、先細部12の先端面(軸方向他側の端面)は、部分球状凸面により構成されている。本例では、先細部12の先端部(軸方向他側の端部)を、後述するように、上顎洞底拳上器具1を使用して上顎洞底拳上術を施す際に施術部位に突き当てる突き当て部としている。なお、軸部の先端面を、外周面との接続部に備えられた面取り部を除き、突出部材の中心軸に直交する平坦面により構成することもできる。および/または、軸部のうち、雄ねじ部若しくは小径円筒面部よりも軸方向他側に位置する部分の外径を、一定とすることもできる。
また、軸部7は、胴体2の軸方向寸法Lよりも長い軸方向寸法Lを有する。
本例の上顎洞底拳上器具1は、突出部材3の雄ねじ部9に対する胴体2の雌ねじ部4の螺合位置を調節することにより、胴体2の先端部(軸方向他側の端部)からの軸部7の先端部の突出量Dを調節することができる。換言すれば、胴体2と突出部材3とを相対回転させることにより、胴体2の先端部からの軸部7の先端部の突出量Dを調節することができる。
なお、胴体2と突出部材3とのそれぞれは、例えばステンレスやチタンなどの金属材料により構成されている。
本例の上顎洞底拳上器具1を使用して上顎洞底拳上術を行い、上顎骨13に人工歯根19を埋入する方法について、図2(A)~図2(F)により説明する。
まず、図2(B)に示すように、患者の上顎骨13のうち、人工歯根19を埋入する部分である施術部位に、インプラントドリルまたはダイヤモンドバーなどの歯科用切削工具14により切削して施術部位に凹部15を形成する。換言すれば、歯科用切削工具14により上顎骨13を、所定の厚さTだけ残して切削する。すなわち、上顎骨13の施術部位の厚さT(図2(A)参照)を、X線写真などを用いて予め測定しておき、歯科用切削工具14の送り量を調節して、上顎骨13を所定の厚さT分だけ残して切削する。
なお、残すべき上顎骨13の厚さTは、後述の図2(D)に示すように、上顎洞底拳上器具1を使用して残った上顎骨13を打ち抜ける程度の厚さとする。具体的には、厚さTは、上顎骨13の骨密度や患者の咬合力に応じて適宜決定される。より具体的には、例えば厚さTは、0.2mm以上1.5mm以下とすることができ、0.5mm以上1mm以下とすることが好ましい。
次に、上顎洞底拳上器具1の突出部材3を構成する軸部7のうち、胴体2の先端部から突出した部分を、凹部15の内側に挿入する。これにより、図2(C)に示すように、軸部7を構成する先細部12の先端面を、凹部15の底面に突き当て、かつ、胴体2の先端部を、上顎骨13の下面のうちで凹部15の開口部の周辺部分に隙間を空けて対向させる。ここで、胴体2の先端部と上顎骨13の下面との間の距離dが、上顎骨13の厚さT以上になる(d≧T)ように、突出部材3の雄ねじ部9に対する胴体2の雌ねじ部4の螺合位置を調節して、胴体2の先端部からの軸部7の先端部の突出量Dを調節する。具体的には、例えば、距離dと厚さTとの差(d-T)は、0m以上2mm以下とすることができ、0mm以上1mm以下とすることが好ましい。
突出量Dを調整するには、例えば、まず、胴体2の先端部からの軸部7の先端部の突出量Dを、凹部15の深さよりも大きくする。次いで、軸部7の先端部を凹部15の内側に挿入し、先細部12の先端面を凹部15の底面に突き当てる。この状態で、軸部7の雄ねじ部9に対する胴体2の雌ねじ部4の螺合位置を調節して、胴体2の先端部を、上顎骨13の下面のうちで凹部15の開口部の周辺部分に接触させる(突き当てる)。すなわち、軸部7の先細部12の先端面を凹部15の底面に突き当て、かつ、胴体2の先端部を、上顎骨13の下面のうちで凹部15の開口部の周辺部分に接触させる。
胴体2の先端部が、上顎骨13の下面のうちで凹部15の開口部の周辺部分に接触したか否かは、目視や施術者の感覚により判断することができる。あるいは、センサにより、胴体2の先端部が、上顎骨13の下面のうちで凹部15の開口部の周辺部分に接触したか否かを検出することもできる。胴体2の先端部が、上顎骨13の下面に接触したことを検出するセンサの種類や設置位置は特に限定されない。例えば、前記センサは、胴体2の先端部に取り付けた感圧センサにより構成される。
次に、雄ねじ部9に対する雌ねじ部4の螺合位置を調節することにより、胴体2を突出部材3の軸部7に対し、距離d分だけ頭部6側に移動させる。なお、この作業は、先細部12の先端面を凹部15の底面に突き当てたまま行うこともできるし、上顎洞底拳上器具1を、患者の口腔から取り出して行うこともできる。
ただし、先細部12の先端面を、凹部15の底面に突き当てた状態での、胴体2の先端部と上顎骨13の下面との間の距離dを所望の値とすることができれば、胴体2の先端部からの軸部7の先端部の突出量Dの調節方法は特に限定されない。例えば、先細部12の先端面を凹部15の底面に突き当てた状態で、胴体2の先端部を、上顎骨13の下面のうちで凹部15の開口部の周辺部分に接触させることなく、雄ねじ部9に対する雌ねじ部4の螺合位置を調節することで、初めから突出量Dを所望の値に調節することもできる。
突出量Dを所望の値に調節したら、次いで、図2(D)に示すように、軸部7の先細部12の先端面を、凹部15の底面に突き当て、かつ、胴体2の先端部を、上顎骨13の下面のうちで凹部15の開口部の周辺部分に距離dだけ隙間を空けて対向させた状態で、頭部6の被押圧部8を、患者の下顎歯20により突き上げるように押圧する。そして、先細部12の先端部により、上顎骨13のうち、凹部15の底部を打ち抜くように骨折させる。すなわち、患者の上顎と下顎とを咬合させ、上顎洞底拳上器具1を、下顎歯20と凹部15の底面との間で強く挟持することで、先細部12の先端部により、凹部15の底部を打ち抜くように骨折させる。これにより、上顎洞粘膜17のうち、凹部15の直上に位置する部分を持ち上げる。この際、胴体2の先端部が、上顎骨13のうち、凹部15の開口部周辺部分に当接することにより、軸部7の先細部12の先端部が必要以上に上方に突き上げられることが防止される。
上顎洞底拳上器具1により上顎骨13を打ち抜いた後は、図2(E)に示すように、凹部15の内側に骨補填材18を注入し、その後、拡径器具16を挿入して、凹部15の内周面を径方向外側に向けて押圧する、および/または、切削することで、凹部15および打ち抜いた部分を拡径しつつ、凹部15の底部から骨補填材18を押し込む。そして、拡径器具16の先端部より、骨補填材18を介して、上顎洞粘膜17を持ち上げ、上顎骨13の上面と上顎洞粘膜17との間に隙間を形成し、該隙間に骨補填材18を充填する。そして、図2(F)に示すように、骨補填材18の充填後、上顎骨13に人工歯根19を埋入する。または、骨補填材18の骨形成完了後、上顎骨13に人工歯根19を埋入する。凹部15および打ち抜いた部分を拡径方法、上顎骨13の上面と上顎洞粘膜17との間に隙間に骨補填材18を充填する方法、並びに、人工歯根19を埋入する方法については、従来から知られている各種方法を採用することができる。
本例の上顎洞底拳上器具1を使用する上顎洞底拳上術では、まず、上顎骨13の施術部位を、歯科用切削工具14により切削して凹部15を形成する。その後、患者が上顎と下顎とを咬合させ、上顎洞底拳上器具1を、下顎歯20と凹部15の底面との間で強く挟持することで、先細部12の先端部により、上顎骨13のうち、凹部15の底部を打ち抜くようにしている。したがって、本例の上顎洞底拳上器具1を使用する方法によれば、特表2009-531076号公報に記載のインプラントドリル100を使用した場合のように、突出部材103が回転しながら上顎洞粘膜115を持ち上げて、上顎洞粘膜115が捩れて損傷するといった問題の発生を防止することができる。
さらに、本例の上顎洞底拳上器具1を使用する方法では、胴体2の先端部が、上顎骨13のうち、凹部15の開口部周辺部分に当接させることにより、軸部7の先細部12の先端部が必要以上に上方に突き上げられることを防止している。すなわち、上顎洞粘膜17を持ち上げる際に、該上顎洞粘膜17が必要以上に持ち上げられて損傷することを防止できる。
また、本例の上顎洞底拳上器具1を使用する上顎洞底拳上術では、患者自身の咬合力を利用して、上顎骨13を打ち抜いている。このため、本例の上顎洞底拳上器具1を使用する方法によれば、特表2009-531076号公報に記載のインプラントドリル100を使用する方法のように、施術者の熟練を要さず、上顎洞底拳上術を容易に行うことができる。
なお、本例の上顎洞底拳上器具1を使用して上顎洞底拳上術を実施する手順については、適宜変更することができる。例えば、上顎骨13を打ち抜く際に、軸部7の先細部12の先端面を凹部15の底面に突き当て、かつ、胴体2の先端部を、上顎骨13の下面のうちで凹部15の開口部の周辺部分に接触させた状態から、胴体2を少しだけ頭部6側に移動させ、患者の上顎と下顎とを咬合させ、上顎洞底拳上器具1を、上顎歯と凹部15の底面との間で強く挟持するサイクルを、先細部12の先端部により、凹部15の底部を打ち抜くことができるまで繰り返すようにすることができる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図3(A)~図4(B)を用いて説明する。本例の上顎洞底拳上器具1aの胴体2aは、実施の形態の第1例の胴体2のように、円筒面部5を備えていない。要するに、胴体2aは、内周面に、雌ねじ部4を全長にわたって有する。
また、突出部材3aは、実施の形態の第1例の突出部材3のように、小径円筒部11を備えておらず、その分、雄ねじ部9の軸方向寸法が長くなっている。要するに、突出部材3aの軸部7aは、軸方向片側(図3(A)~図4(B)の上側)から順に、大径円筒部10と、雄ねじ部9と、先細部12とを有する。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例について、図5(A)~図8を用いて説明する。本例の上顎洞底拳上器具1bは、胴体2bと、突出部材3bとを備える。
胴体2bは、軸方向中間部内周面に、雌ねじ部4を有し、かつ、内周面のうち、雌ねじ部4の軸方向他側(図5(A)~図8の下側)に隣接する部分に、円筒面部5を有する。さらに、胴体2bは、軸方向片側の端部(図5(A)~図8の上側)に、雌ねじ部4の谷径以上の内径を有する大径部21を備え、大径部21の円周方向複数箇所(図示の例では4箇所)に、軸方向片側の端面に開口するスリット22を有する。
突出部材3bは、頭部6aと、軸部7とを備える。
頭部6aは、頂面の中央部に、被押圧部8aを有する。本例では、被押圧部8aは、突出部材3aの中心軸に直交する平坦面により構成されている。また、頭部6aは、座面(軸方向他側面)の径方向内側の端部、すなわち軸部7との接続部を囲む部分に、凹溝23を全周にわたって有する。
胴体2bと突出部材3bとは、大径部21を凹溝23に挿入し、かつ、円筒面部5に小径円筒部11を挿通した状態で、雌ねじ部4と雄ねじ部9とを螺合することで組み合わされている。
本例によれば、頭部6aの軸方向寸法を確保しやすくできて、頭部6aを治具や施術者の手指により把持しやすい。なお、本例では、大径部21の円周方向複数箇所にスリット22を形成しているため、大径部21の軸方向片側の端面と凹溝23の底面との間に存在する空間内の圧力の上昇を防止することができる。
本例の上顎洞底拳上器具1bを使用して上顎洞底拳上術を行う際には、図8に示すように、サージカルガイド28を使用することもできる。すなわち、サージカルガイド28の通孔29に、上顎洞底拳上器具1bを挿通することで、上顎骨13に対する上顎洞底拳上器具1bの角度を確実に規制することができて、上顎骨13に効率よく力を伝えることができる。なお、サージカルガイド28は、実施の形態の第1例に係る上顎洞底拳上器具1または実施の形態の第2例に係る上顎洞底拳上器具1aと組み合わせて使用することもできる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第4例]
本発明の実施の形態の第4例について、図9(A)~図10(D)を用いて説明する。本例の上顎洞底拳上器具1cは、胴体2bと突出部材3bとに加え、突出部材3bの頭部6aに取り付けられるアタッチメント24を備える。
アタッチメント24は、頭部6aにかぶせるように取り付けられる。本例では、アタッチメント24は、軸方向他側面に凹部25を有するキャップ部26と、キャップ部26の軸方向片側の端部の円周方向1箇所から径方向外側に向けて突出する突出部27とを有する。アタッチメント24は、凹部25に、突出部材3bの頭部6aを径圧入により内嵌することで、突出部材3bに取り付けられる。アタッチメント24を構成する材料は、ゴムのごときエラストマや合成樹脂、金属材料など、種々の材料から選択することができる。
本例では、施術部位に対向する下顎歯が欠損している場合でも、患者の負担を軽減することができる。
すなわち、施術部位に対向する下顎歯が欠損している場合であって、本例の上顎洞底拳上器具1cを使用して上顎洞底拳上術を行う際には、例えば、患者の下顎歯肉により、アタッチメント24を介して、頭部6aの被押圧部8aを押圧することができる。これにより、患者の下顎歯肉により、突出部材3bの被押圧部8aを直接押圧する必要がなくなるため、患者の不快感を軽減できる。なお、この場合には、アタッチメント24の軸方向片側の端部を鞍状に構成する、すなわちアタッチメント24の軸方向片側面を凹曲面状に構成することで、アタッチメント24と下顎歯肉との当接面圧を低減することができる。さらに、アタッチメント24を、エラストマや合成樹脂など、歯肉への負担が小さい材料により構成することが好ましい。また、突出部27を省略することもできる。
あるいは、キャップ部26および突出部27の軸方向片側面を、下顎歯が欠損している部分の周辺の歯により押圧することで、アタッチメント24を介して、頭部6aの被押圧部8aを上方に向けて押圧することもできる。この場合、上顎洞底拳上器具1cを患者の下顎歯肉により押圧する必要がなくなって、患者の不快感を軽減できる。
なお、アタッチメント24の形状、例えばキャップ部26の軸方向長さや突出部27の突出長さなどは、対向する下顎の状態などによって、適宜選択することができる(図10(A)~図10(D)参照)。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例および第3例と同様である。
1、1a、1b、1c 上顎洞底拳上器具
2、2a、2b 胴体
3、3a、3b 突出部材
4 雌ねじ部
5 円筒面部
6、6a 頭部
7、7a 軸部
8 被押圧部
9 雄ねじ部
10 大径円筒部
11 小径円筒部
12 先細部
13 上顎骨
14 歯科用切削工具
15 凹部
16 拡径器具
17 上顎洞粘膜
18 骨補填材
19 人工歯根
20 下顎歯
21 大径部
22 スリット
23 凹溝
24 アタッチメント
25 凹部
26 キャップ部
27 突出部
28 サージカルガイド
29 通孔
100 インプラントドリル
101 連結体
102 ドリル刃
103 突出部材
104 スプリング
105 円形係止枠
106 円板部
107 シャンク部
108 軸部
109 カッティング溝
110 ドリル側段部
111 段部
112 段付円筒部
113 凸部
114 上顎骨
115 上顎洞粘膜

Claims (3)

  1. 内周面に雌ねじ部を有し、筒状に構成された胴体と、
    頂面に、患者の下顎により押圧される被押圧部を有し、かつ、前記胴体の内径以上の外径を有する頭部、および、先端部に備えられ、施術部位に突き当てられる突き当て部と、外周面に備えられ、前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部とを有し、かつ、前記胴体の軸方向寸法以上の軸方向寸法を有する軸部を有する突出部材と、を備え、
    前記雄ねじ部に対する前記雌ねじ部の螺合位置を調節することにより、前記胴体の先端部からの前記軸部の先端部の突出量を調節する、
    上顎洞底拳上器具。
  2. 前記胴体の先端部が、患者の上顎骨に接触したことを検出するセンサをさらに備える、
    請求項1に記載の上顎洞底拳上器具。
  3. 前記頭部に取り付けられるアタッチメントをさらに備え、
    前記被押圧部は、前記アタッチメントを介して前記患者の下顎により押圧される、
    請求項1または2に記載の上顎洞底拳上器具。
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