JP6607583B2 - 歯科用切削器具を用いるための案内器具 - Google Patents
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Description
このような切削は、ディスキングやストリッピングと称されており、砥粒が円盤面に固着された研磨ディスクを、ハンドピースに取り付けたものや、特許文献1,2に記載された従来の歯科用切削器具などが用いられる。
また、特許文献2に記載のストリップスヘッドは、歯牙または歯牙に注入したコンポジットレジンを研磨するものであるが、握持ケースの先端に取り付けられるヘッドの保持ケースに、両端部の間に帯状のストリップスを張架するホルダを取り付け、このホルダを往復動させるものである。
本発明の案内器具によれば、切り欠き部により示された位置の歯間を、本発明の歯科用切削器具により切削することで、間違いなく切削する歯間を特定することができる。
本発明の実施の形態1に係る歯科用切削器具を図面に基づいて説明する。
図1に示す歯科用切削器具10は、歯間の間隔を拡げるために、歯間の削合を行うものである。歯科用切削器具10は、砥粒(図示せず)がワイヤ21に固着されたワイヤソー部20と、ワイヤソー部20を引張した状態で保持する保持部30と、保持部30から突出した突起部40とを備えている。
保持部30は、ワイヤソー部20の一端部を保持する第1部分31と、ワイヤソー部20の他端部を保持する第2部分32と、第1部分31と第2部分32とを繋ぐ第3部分33とから、略U字状に形成されている。保持部30は、金属製またはモールド製とすることができる。
図2に示すハンドピース100は、内蔵した電動モータの回転運動を往復運動に変換するギヤ機構を備えることで、歯科用切削器具10の突起部40を装着させたハンドピース100の先端部を進退させて、ワイヤソー部20が引張された方向にワイヤソー部20を往復移動させる機能を有している。
このギヤ機構は、例えば、電動モータに設けられたねじ歯車と、ねじ歯車に噛み合うはす歯歯車とによるウォームギヤにより回転軸方向を90度変更したり、電動モータに設けられた冠歯車と、冠歯車に噛み合う平歯車とにより回転軸方向を90度変更したりした後に、クランクおよびコネクティングロッドのより往復運動をさせる。
案内器具は、図1に示す歯科用切削器具10により歯間を切削するときに用いられるものである。本実施の形態1では、図3に示すように、案内器具は、矯正を希望する患者の歯列弓Aに被せられるマウスピース200が、器具本体として形成されている。マウスピース200は、歯列弓Aを構成するそれぞれの歯牙に対応した形状の歯牙部201が形成されている。このマウスピース200には、案内器具として機能させるために、歯科用切削器具10を案内する切り欠き部202が設けられている。
図3に示す例では、矯正対象の歯牙を第一小臼歯4としたときに、第一小臼歯4と、第一小臼歯4の移動に支障になる第二小臼歯5との歯間S1を切削して拡げるために、歯間の位置を示す切り欠き部202が、第一小臼歯4と第二小臼歯5との歯間S1の位置に対応して形成されている。
切り欠き部202によって分かれる隣接した歯牙部201同士(第一小臼歯4,第二小臼歯5)は、咬合面とは反対側となる歯肉部に位置する連結部203により繋がっている。
歯科医師が、歯科用切削器具10の突起部40を把持して、矯正対象の歯牙と、矯正対象の歯牙の移動に支障となる歯牙と歯間、または支障となる歯牙と隣接する歯牙の歯間に、ワイヤソー部20を位置させる。
また、支障となる歯牙と隣接する歯牙の歯間は、第二小臼歯5と第一大臼歯6との歯間S3か、または犬歯3と糸切歯2との歯間S4となる。
これらの歯間S1〜S4の選択は、矯正対象の歯牙の移動方向、支障となる歯牙の位置等により決定される。
そして、歯科医師は、突起部40を把持して、ワイヤソー部20の引張方向に沿って歯科用切削器具10を往復移動させながら、図5に示すように、歯冠部45tから歯頸部45bまで切削を進める。
また、歯科用切削器具10を把持する手が、ワイヤソー部20を中心とした円弧を描くように震えても、ワイヤソー部20は帯状では無いため、一定の幅で、一様に切削することができる。
従って、最初のステップにおけるアライナーから最終段階のステップにおけるアライナーまでの間に、矯正対象の歯牙を、段階的に矯正方向に押し付ける複数のアライナーが準備される。
しかし、患者自身による切削は、どの歯間を切削すればよいか判らない場合がある。また、勢いが余って切削し過ぎてしまい、歯科用切削器具10のワイヤソー部20が歯肉部まで至るおそれがある。
また、歯科用切削器具10のワイヤソー部20が歯冠部45tから歯頸部45bに切削が進んでも、最後には、ワイヤソー部20が、ストッパの役目をする連結部203に当接して止まる。従って、患者自身で切削をしても、歯肉部を保護する連結部203がマウスピース200に形成されているため、患者は、ワイヤソー部20により歯肉部を傷付けることなく、安全に切削を進めることができる。よって、患者は安心して歯科用切削器具10による歯間S1の切削を行うことができる。
そうなると、複数の種類の歯科用切削器具10が準備されるため、患者はどの歯科用切削器具10を使用すればよいか分かり難い。
また、歯科用切削器具10では、保持部30に、砥粒と粒度の異なる他の歯科用切削器具10と区別するために、砥粒の粒度に応じた識別標識が付与されている。例えば、粒度が、#400であれば赤色、#500であれば青色とすることができる。
例えば、色分けによる識別標識として、図6に示すように、第1部分31と第2部分32の先部に、砥粒の粒度を示す着色C1を施し、第1部分31と第2部分32の基部と第3部分33とに、ワイヤ21の太さを示す着色C2を施す。そうすることで、保持部30は、複数の識別標識を担持することができる。
更に、本実施の形態1では、保持部30が略コ字状に形成されているが、円弧状としてもよい。
また、案内器具を歯牙弓の全部の歯牙に被せるマウスピース200としたが、歯間の位置が切り欠き部によって特定できればよいので、部分的に歯牙に被せるものであってもよい。
本発明の実施の形態1に係る歯科用切削器具の第1変形例について、図面に基づいて説明する。図7に示すように、歯科用切削器具11は、ワイヤソー部20xのワイヤ22が一方から他方に向かって太さが徐々に太く形成されたものである。図7に示す例では、ワイヤ22は、保持部30の第1部分31側が太く、第2部分32に向かうに従って徐々に細く形成されている。
本発明の実施の形態1に係る歯科用切削器具の第2変形例を図面に基づいて説明する。
図8に示すように、歯科用切削器具12は、ワイヤソー部20yが複数のワイヤ21,21a,21bから形成されている。ワイヤ21は、ワイヤソー部20yの中で最も細いワイヤである。ワイヤ21aは、ワイヤ21の次に太いワイヤである。ワイヤ21bは、ワイヤソー部20yの中で最も太いワイヤである。このように、ワイヤソー部20yの複数のワイヤ21,21a,21bが、切削対象である歯間に接する順に太く形成されていることで、歯間の隙間が狭く、いきなり太いワイヤが歯間に挿入し難い場合でも、細いワイヤ21を先に歯間に挿入して往復移動させながら歯間を切削して、徐々に太さが太くなるワイヤ21a、ワイヤ21bで切削すれば、容易に歯間の幅を拡げることができる。
本発明の実施の形態2に係る歯科用切削器具について、図面に基づいて説明する。
図9に示すように、本実施の形態2に係る歯科用切削器具13は、砥粒がワイヤ21に固着されたワイヤソー部20の両端部に、取手部50が形成されている。取手部50は、リング状に形成されている。
しかし、本発明の歯科用切削器具は、矯正のためだけでなく、例えば、本発明の歯科用切削器具は、歯冠補綴物を作製する際にも好適である。
しかし、糸鋸では、歯間に挿入して歯頸部へ切削を進める内に、糸鋸の刃先を中心とした円弧のように器具を把持する手が震えると、歯間の隙間がV字状の溝となってしまうおそれがある。そのため、歯科技工士は、ゆっくりと精度よく切削する必要がある。
20,20x,20y ワイヤソー部
21,21a,21b,22 ワイヤ
30 保持部
31 第1部分
32 第2部分
33 第3部分
40 突起部
50 取手部
100 ハンドピース
200 マウスピース
201 歯牙部
202 切り欠き部
203 連結部
A 歯列弓
2 糸切歯
3 犬歯
4 第一小臼歯
5 第二小臼歯
6 第一大臼歯
45t 歯冠部
45b 歯頸部
C1,C2 着色
S1,S2,S3,S4 歯間
Claims (3)
- 砥粒がワイヤに固着されたワイヤソー部を有する歯科用切削器具を歯間に案内するために、器具本体に前記歯間の位置を示す切り欠き部が形成され、
前記切り欠き部によって分かれる隣接した歯牙部は、歯肉部に位置する連結部により繋がった歯科用切削器具を用いるための案内器具。 - 前記器具本体は、歯列弓に被せるマウスピースである請求項1記載の歯科用切削器具を用いるための案内器具。
- 前記マウスピースは、歯列から外れた歯牙を、目的とする位置に移動させるアライナーである請求項2記載の歯科用切削器具を用いるための案内器具。
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