JP6534559B2 - 歯科用ドリル - Google Patents

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Description

本発明は、歯科用ドリルに関し、詳しくは、歯科インプラント治療の際に顎骨に穴を穿設するための歯科用ドリルに関する。
従来から、天然歯を喪失した場合に、その喪失した箇所の顎骨に人工的な歯根(インプラント体)を埋め込んで、この人工歯根を土台として、この上に義歯を取り付ける歯科インプラント治療が知られている。
現在実施されている歯科インプラント治療は、外科的に顎骨(歯槽骨)上の歯肉を切除した後、予め検査して得られたサイズのインプラント体を顎骨に埋入し、その後3ヶ月〜6ヶ月の期間を待って、インプラント体と顎骨が結合(オッセオインテグレーション)するのを待つ必要がある。そして、顎骨と結合したインプラント体に、アバットメント体と呼ばれる台座と取り付け、このアバットメント体に、予め所定のサイズに成形された義歯を取り付けるといった手順で施術されている。
歯科インプラント治療は、これらの手順に従って施術されるため、治療期間として6ヶ月〜1年間を要するのが一般的である。
また、患者によっては、特に上顎骨への施術について、インプラント体を埋入するために必要な骨量(特に骨の厚さ)が不足している場合がある。かかる場合には、先ず、顎骨に対して、骨再生誘導法(GBR法)、リッジエクスパンジョン、ソケットリフト、サイナスリフト等の補助手術を施し、必要な骨量を形成した上で、上記歯科インプラント治療を行うことになり、更に数ヶ月の治療期間を要する。
上記したような従来から知られている歯科インプラント治療では、長期の治療期間を要するため、患者にとって、時間的及び経済的負担が大きく、誰にでも利用できる治療法とは言い難く、治療を受けられたとしても、長期間にわたって不自由を強いられ、精神的及び身体的負担が大きいという問題があった。
以上のような従来の歯科インプラント治療の問題点に鑑み、本出願人は、先の出願(特願2014−109085)にて、次のような技術を提案している。
この先提案技術は、図11及び図12に示されるように、軸部121を有する少なくとも2つのインプラント体102が対を成し、各インプラント体102の軸部121)に、
顎骨106に穿設された掛穴161に引掛けられる掛部122が設けられ、この掛部122は、前記軸部121に対して屈折されており、各インプラント体102が顎骨106に引掛けられる際に、前記掛部122の先端部122cが、互いに内側に向かって相対向するように配置される構成であり、かつ、インプラント体102同士を固定するための固定手段が設けられている構成の歯科インプラントシステム101である。
この本出願人による先の出願に係る発明によれば、インプラント体102を顎骨106に引掛け、各インプラント体102をアバットメント体103や固定部材104を用いて一体に結合するだけで、一体に結合されたインプラント体102が顎骨106に固定されるので、従来のインプラント治療のように、インプラント体と顎骨とが結合する期間が不要であり、治療期間及び治療回数を短縮することができる。また、顎骨の骨量や厚さが少ない患者にも施術でき、補助手術による治療期間の延長を避けることもできる。即ち、先の出願に係る歯科インプラントシステムは、インプラント体が顎骨に融合される従来のインプラント治療とは根本的に異なるため、顎骨の骨量等を問わず、多くの患者の治療期間
及び治療回数を短縮することができると共に、顎骨への影響を最小限に止めることで、患者の精神的及び身体的負担を軽減した上で、2つのインプラント体で顎骨を挟持する態様によって強固に固定することができる。
上記のように、先の出願に係る歯科インプラントシステム101では、施術する箇所の顎骨106に穿設される少なくとも2つの掛穴161は、互いに内側に向かって相対向する方向(所定の角度)に、所定の間隔をもって穿設されなければならない。
しかし、従来から使用されている歯科用ドリルを用いて、1本の歯が生える僅かなスペースに、2つ以上の穴(掛穴)を所定の角度及び間隔で穿設することは極めて困難であり、施術の確実性を確保することができないという問題があった。
ところで、歯科治療に使用され、正確な位置に穴を穿設するための技術として、次のような技術が提案されている。
特許文献1(特開平11−318940)に記載の技術は、
『歯列弓の所定箇所に即した深さ及び幅を有する形状の溝(1a)の略中央部の外側の前面(歯列弓の外側)又は後面(歯列弓の内側)に隣接して軸を装着した時に回転自在に動作させるための第一連結節(A)を構成する部材である軸又は軸受のどちらか一方が配備されている装着部(1)と、一端に該第一連結節(A)を構成する残りの部材である軸受又は軸が配備されていて他端に該第一連結節(A)の軸芯と平行な回転軸芯を有し軸を装着した時に回転自在に動作させるための第二連結節(B)を構成する部材である軸又は軸受のどちらか一方が配備されている第一アーム(2)及び一端に該第二連結節(B)を構成する残りの部材である軸受又は軸が配備されていて他端にハンドピースを着脱自在に取り付けるためのハンドピース装着部(5)が配備されている第二アーム(3)とから成るアーム部とで構成されていて、該ハンドピース装着部(5)にハンドピース(6)を装着した時に該ハンドピース(
6)に装着された切削具(6a)の回転中心線と前記第一連結節(A)の軸芯とが成す角度(θ)が所望の角度になるように構成にされている歯科用平行切削用補助具(尚、符号は特許
文献1におけるものである)』に関する技術である。
特許文献2(特開2011−183157)に記載の技術は、
『お互いに対向に配置される第一端及び第二端を有し、前記第一端の上で枢動するリファレンスシャフトを有するアームボディーを備えるメインアームユニットと、接続軸を介して前記メインアームユニットの前記第二端で枢動し、すべて順序に枢動する第一の接続ヘッド、一対の接続棒、第二の接続ヘッドを有し、前記第二の接続ヘッドの外端部分の上に配置されるドリルガイド部を有し、前記ドリルガイド部がドリルガイドホールを有する延長アームユニットと、を備える複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置』に関する技術である。
しかし、これらの技術は、口腔内のある箇所を基準として、所定の距離・間隔の位置に、所定の角度を有するの穴を穿設することができるが、この基準箇所と穴を穿設する箇所との間隔は、例えば左側の奥歯から右側の奥歯程の間隔しか想定されておらず、本出願人による先の出願に係る技術のように、1本の歯が生える僅かなスペースに2つ以上の穴を所定の角度及び間隔で穿設することはできないという問題があった。
このように、既に提案されている歯科用ドリルや歯科用位置決め補助装置では、本出願人による先の出願に係る技術に適用することができない。
特開平11−318940 特開2011−183157
そこで、本発明の課題は、顎骨における1本の歯が生える程度の僅かなスペースに、2つ以上の穴を所定の角度及び間隔で穿設することができ、歯科医師の技術の優劣によらず、正確かつ迅速に施術することができる歯科用ドリルを提供することにある。
上記本発明の課題は、下記の手段により達成される。
1.顎骨に穴を穿設するための歯科用ドリルであって、
2つ以上のインプラント体が対をなし、該2つ以上のインプラント体で顎骨を挟持する態様によって固定する歯科インプラントシステムの施術に用いられる歯科用ドリルであって、
第一部材と第二部材とからなり、この第一部材と第二部材とが所定の角度で摺動可能に交差する構成であり、
前記第一部材の一端には、顎骨に穴を穿設するためのドリル体が設けられ、
前記第二部材の一端には、顎骨に穿設された穴に差し込むための固定針が設けられ、
前記ドリル体は、前記第一部材の軸方向とは垂直方向に設置され、このドリル体の先端は、前記固定針が設けられた方向に向けられ、
前記固定針は、前記第二部材の軸方向とは垂直方向に設置され、この固定針の先端は、前記ドリル体が設けられた方向に向けられた構成であり、
前記ドリル体は、天然歯が生える方向に対して斜めに穿設される第一の穴と、この第一の穴と所定の角度で向き合う第二の穴を穿設する構成であり、
前記固定針は、前記第一の穴に差し込まれ、前記第二部材を顎骨に固定し、この顎骨に固定された第二部材を基準として第一部材を摺動させ、前記ドリル体で前記第二の穴を穿設する構成であり、
穿設方向が天然歯が生える方向を基準として所定の角度で向き合う複数の穴を穿設する構成であり、
前記複数の穴は、1本の歯が生えるスペースに穿設される構成であることを特徴とする歯科用ドリル。
2.第一の穴は、歯列の内側から外側に向かって又は外側から内側に向かって斜めに穿設され、第二の穴は、第一の穴とは反対に、歯列の外側から内側に向かって又は内側から外側に向かって斜めに穿設される構成であることを特徴とする前記1に記載の歯科用ドリル。
3.第一部材には、歯車(ピニオン)と該歯車に連結された操作部が設けられ、
第二部材の軸方向の側面には、直線状の歯切り(ラック)が設けられ、
前記操作部を回転させることで前記歯車を回転させると、該歯車と前記直線状の歯切りとが噛み合って、第一部材と第二部材とが直線的に摺動する構成であることを特徴とする前記1又は2に記載の歯科用ドリル。
4.第二部材に設けられた直線状の歯切り(ラック)には、固定針が設けられた側の端部に、ストッパーが設けられていることを特徴とする前記3に記載の歯科用ドリル。
5.ドリル体と固定針は、先端部と他の部分との間に段部が設けられ、先端部が他の部分よりも小径であることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の歯科用ドリル。
6.第一部材には、1つのドリル体が設けられ、
第二部材には、1つの固定針が設けられていることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の歯科用ドリル。
7.第一部材には、所定の間隔で2つのドリル体が並列して設けられ、
第二部材には、前記2つのドリル体と同間隔で2つの固定針が並列して設けられていることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の歯科用ドリル。
8.第一部材のドリル体は、エアタービン構造であって、
第一部材には、ドリル体とエア供給源を接続するエア流路が設けられ、このエア流路における空気の流れを制限するエア調整弁が設けられていることを特徴とする前記1〜7のいずれかに記載の歯科用ドリル。
前記1に示す発明によれば、先ず、第一部材に設けられたドリル体で、顎骨に、天然歯が生える方向に対して斜めに第一の穴を穿設し、
この穿設された第一の穴に、第二部材に設けられた固定針を差し込むことで、第二部材を顎骨に固定し、
次に、この顎骨に固定された第二部材を基準として、第一部材を摺動させ、前記ドリル体で顎骨に第二の穴を穿設することで、
穿設方向が所定の角度で向き合い、所定の間隔を有する複数の穴を穿設することができる。
また、前記1に示す発明によれば、第一部材と第二部材が交差する角度によって、第一の穴と第二の穴の穿設される角度が規制され、第一部材と第二部材の長さによって、第一の穴と第二の穴の穿設される位置の間隔が規制されるので、歯科医師の技術の優劣によらず、正確且つ迅速に、穿設方向が所定の角度で向き合い、所定の間隔を有する複数の穴を穿設することができる。
前記2に示す発明によれば、前記1に記載の歯科用ドリルの使用手段として、第一の穴は、歯列の内側から外側に向かって又は外側から内側に向かって斜めに穿設し、第二の穴は、第一の穴とは反対に、歯列の外側から内側に向かって又は内側から外側に向かって斜めに穿設する構成とすることで、前後の歯に挟まれた箇所であっても施術が可能であり、顎骨を内側と外側から挟持する態様で先の出願に係る歯科インプラントを取り付け可能である。
前記3に示す発明によれば、歯車(ピニオン)と直線状の歯切り(ラック)の組み合わせにより、第一部材と第二部材とが摺動可能である。即ち、操作部を回転させることで、この回転力が直線に変換され、第一部材と第二部材とが直線的な摺動をすることができる。これにより、この摺動による動作を細かく制御することができ、ドリル体による顎骨への穿設作業が、正確且つ迅速に可能となる。
前記4に示す発明によれば、第二部材に設けられた直線状の歯切り(ラック)の端部に、ストッパーが設けられており、これにより、第二部材を基準とした第一部材の移動が制限され、ドリル体が顎骨を深く切削しすぎない様に制御することができる。
前記5に示す発明によれば、ドリル体と固定針の先端部と他の部分との間に段部が設けられ、先端部が他の部分よりも小径となる太・細の二段構成とすることで、ドリル体で穿設した顎骨の穴への固定針の挿入深度を一定にすることができる。詳述すると、ドリル体によって穿設される穴は、太・細2段の径に穿設されるので、この穴に固定針を挿入すると、穴の段差部分と固定針の段部の当接によって、固定針の穴への進入が止まるので、固定針の穴への挿入深度を一定にすることができる。
前記6に示す発明によれば、ドリル体と固定針がそれぞれ1つずつ設けられた構成であり、少なくとも穿設方向が所定の角度で向き合う2つの穴を穿設することができる。
前記7に示す発明によれば、ドリル体と固定針がそれぞれ2つずつ設けられた構成であり、穿設方向が所定の角度で向き合う4つの穴を一連の作業で穿設することができる。
また、所定の間隔で2つのドリル体が並列しているため、2つの穴の間隔を正確に保つことができる。
更にまた、2つの穴それぞれに固定針を差し込むことができ、顎骨と第二部材とが2点で固定されるので、両者の固定をより強固なものにすることができる。
前記8に示す発明によれば、ドリル体をエアタービン構造とした場合、第一部材に設けられたエア流路を、エア調整弁で開閉制御することができる。この構成により、エア調整弁でエア流路を大きく開放すれば、これを通過する空気の量が多くなり、ドリル体の回転は高速となり、反対に、エア流路を小さく開放すれば、通過する空気の量は少なくなり、ドリル体の回転を低速にすることができる。ドリル体の回転が高速であれば、硬い顎骨を素早く切削することができ、一方で、ドリル体の回転が低速であれば、切削により顎骨が破損しないように、少しずつ慎重に切削することができる。
歯科用ドリルの実施例を表す斜視図 図1に示す歯科用ドリルの分解斜視図 図1に示す歯科用ドリルの内部構成を表す概略平面図 図1に示す歯科用ドリルの内部構成の一部を表す概略側面図 図1に示す歯科用ドリルにおいて、ドリル体の回転羽の一部を拡大して示す概略断面図 ドリル体の他の実施例を表す斜視図 第二の穴を穿設する前の状態を表す本発明の概略説明図 第二の穴を穿設した後の状態を表す本発明の概略説明図 歯科用ドリルの他の実施例を表す斜視図 歯科用ドリルの他の実施例を表す分解斜視図 本出願人による先の出願に係る歯科インプラントシステムの実施例を表す概略斜視図 図11に示す歯科インプラントシステムを説明するための分解構成図
本発明に係る歯科用ドリル1は、歯科インプラント治療に使用され、穿設方向が所定の角度で向き合い、所定の間隔を有する複数の穴を、顎骨に穿設するために用いられる歯科用ドリルである。
以下、添付の図面に従って本発明を詳細に説明する。
図1に、本発明に係る歯科用ドリル(以下、単に「歯科用ドリル」ともいう。)1の一実施例を表す斜視図を示す。図2には、図1に示す歯科用ドリル1の分解斜視図を示す。図3には、図1に示す歯科用ドリル1の内部構成を表す概略平面図を示す。図4には、図1に示す歯科用ドリル1の内部構成の一部を表す概略側面図を示す。尚、図3及び図4において、外観に表れない内部構成は破線で示す。また、内部構成の一部は省略され、図示されていないものがある。
歯科用ドリル1は、図1〜2に示されるように、所定の角度で交差して、摺動可能に取付けられる第一部材2と第二部材3から構成される。
先ず、第一部材2について説明する。
第一部材2は、図1〜4に示されるように、少なくとも、棒状の基部21及びドリル体
22から構成され、エア流路23、エア調整弁24、挿通孔25、歯車26、操作部27及びドリル固定部28等を設けることができる。
ドリル体22は、第一部材2の基部21の一端に設けられる。取り付け方向は、基部21の軸方向(長手方向)Xとは垂直方向であり、ドリル体22の先端部22aは、後述する第二部材3の固定針32が設けられる方向に向けられる。
ドリル体22は、歯科用のドリル、切削器具、穿孔器具として用いられる公知公用のドリル体を特別の制限なく採用することができる。
ドリル体22は、注射針の如く、先端が鋭利な極細部材であることが好ましい。例えば、ドリル体の直径は3mm以下であることが好ましく、2mm以下の直径であることがより好ましい。このように、ドリル体22を極細部材で形成することによって、歯肉5の上からドリル体22を突き刺して顎骨4まで貫通させ、ここから顎骨4を切削することが可能となる。この場合、歯肉5を切開して顎骨4を露出させるという、通常のインプラント治療において行われる工程を省略することができる。
ドリル体22は、図1、2及び4に示されるように、先端部22aと他の部分との間に段部22bが設けられ、先端部22aが他の部分よりも小径であることが好ましい。即ち、ドリル体22の径は、太・細の二段構成であることが好ましい。この構成により、ドリル体22で穿設した顎骨の穴41・42への固定針32(後述する)の挿入深度を一定にすることができる。詳述すると、ドリル体22によって穿設される穴41・42は、太・細2段の径に穿設されるので、この穴に固定針32を挿入すると、穴の段差部分と固定針32の段部32bの当接によって、固定針32の穴41・42への進入が止まり、挿入深度を一定にすることができる。
ドリル体22の構造は、エアタービン構造を採用することが好ましい。この場合、図2に示されるように、ドリル体22には、先端部22aの他端側に回転羽22cが設けられる。この回転羽22cが空気の流れAによって回転し、これに連動してドリル刃を含むドリル体22全体が回転する構成である。このエアタービン構造は、歯科用ドリルの分野における公知公用の技術を、特別の制限なく採用することができる。
図2等に示される実施例では、第一部材2の基部21に、窪み状のドリル体収容部21aが設けられ、このドリル体収容部21aにドリル体22が収容される構成である。詳しくは、ドリル体収容部21aにはドリル体22の回転羽22cが収容され、先端部22aや段部22bを含むドリル刃部分は、基部21を突き抜けて外部に露出する構成である。
図5に、ドリル体22の回転羽22cの一部を拡大して表わした概略断面図を示す。
この図5に示されるように、ドリル体22がエアタービン構造である場合には、回転羽22cにベアリング22dを設けることが好ましい。ベアリング22dは、回転羽22cの上面であって、ドリル体22の軸上に設けられることが好ましく、この位置に窪みや凹部を設けてベアリング22dを収容する構成が好ましい。このようにベアリング22dを設けることによって、ドリル体22の回転が安定し、軸ブレが生じ難くなり、後述するドリル固定部28との接触による磨耗や異音の発生を防止することができる。尚、後述するドリル固定部28には、ベアリング22dと当接する位置に、ベアリング22dを受けるための窪み等を設けてもよい。
図5に示されるように、ベアリング22dの下部にはスプリング22eを設けることが好ましい。スプリング22eは、ベアリング22dを上方に、即ちドリル固定部28の方向に押圧するためのものである。このスプリング22eを設けることにより、ベアリング22dと後述するドリル固定部28とを確実に接触させることができる。
上述のとおり、ベアリング22dは、スプリング22eによって押圧されているので、一部が回転羽22cの上面よりも突出している。そこに、ドリル固定部28を所定の位置に取り付けると、ベアリング22dはドリル固定部28に押され、スプリング22eの方向に戻される格好になり、この状態で回転羽22cとドリル固定部28はベアリング22dを介して接触することになる。
スプリング22eを設置した場合、ベアリング22dは上方に押圧されるので、ドリル固定部28が取り付けられていない状態では上方に抜け落ちるおそれがある。そのため、図5に示されるように、ベアリング22dを収容する窪み又は凹部には、張出部22fを設け、ベアリング22dが抜け落ちることを防止する構成とすることが好ましい。
図6に、ドリル体22の他の実施例を示す。
図6に示されるドリル体22には、回転羽22cの上部に、一定の厚みを有する円板部22gが設けられる。そして、この円板部22gの側面には、複数のベアリング22dが設けられる。この構成により、ドリル体22が、ドリル体収容部21aの側壁と接触しても、側面に設けられたベアリング22dによって、摩擦による磨耗や異音の発生を防止することができる。側面に設けられるベアリング22dの数量に限定はないが、3つ以上のベアリング22dを等間隔に設置することが好ましい。
尚、図6に示される実施例の場合も、上述したドリル体22の軸上にベアリング22dを設けることが好ましい。この場合、円板部22dの上面の中心にベアリング22dが設けられる構成となり、側面に設けられたベアリング22dと相俟って、ドリル体22の他の部分への接触による磨耗や異音の発生を防止することができる。
図6に示される実施例において、顎骨4を穿設することができる箇所は、ドリル刃22hとして指し示された先端部22aを含む鋭利な箇所と、螺旋状の溝が設けられた箇所である。これ以外の箇所は、ドリル刃22hと回転羽22cとを接続する部分であって、顎骨4を穿設することはできない。即ち、ドリル刃22hの長さを図6に示される程度に止め、ドリル刃22hとそれ以外の部分に段差を設けることで、顎骨4を深く切削し過ぎることを防いでいる。
図3に示されるように、基部21には、エア流路23が設けられる。このエア流路23における空気の流れAは、エアポンプ等のエア供給源Pから空気が流入し、ドリル体収容部21aを経て、排出孔23aに空気が抜ける構成である。このエア流路23を流れる空気が、ドリル体収容部21aで回転羽22cを回転させ、ドリル体22全体を回転させる構成である。
エア流路23には、エア調整弁24を設けることができる。このエア調整弁24は、エア流路23を通過する空気の量を調整するものであり、エア流路23の断面積を広くすることによって、空気の通過量を増加させ、反対に、エア流路23の断面積を狭くすることによって、空気の通過量を減少させる構造である。
上記のように、エア流路23を通過する空気の量を調整することによって、ドリル体22の回転速度を調整することができる。即ち、空気の流量が多ければ、ドリルの回転は高速となり、空気の流量が少なければ、ドリルの回転は低速となる。
エア調整弁24の構成として、例えば、図3に示されるように、エア流路23の側方から棒状のエア調整弁24を挿入し、その挿入深度によってエア流路23の開放度(断面積)を調整する構成を挙げることができる。この棒状のエア調整弁24の挿入深度が深ければ、エア流路23における空気の流れは妨げられ、空気の流量は少なくなり、挿入深度が浅ければ、エア流路23における空気の流れは滞らず、空気の流量は多くなる。
基部21には、第二部材3を交差して取り付けるための挿通孔25を設けることができる。図2に示されるように、挿通孔25は、第二部材3の基部31を挿通させるため、第一部材2の基部21に設けられた孔である。図2では、挿通孔25が2つ設けられているが、これは第二部材3の基部31が2つあるためであり、本発明において挿通孔25の数に限定はない。また、挿通孔25の形状は、第二部材3の基部31の形状に対応して形成される。
挿通孔25に隣接する箇所には、歯車26を設けることができる。この歯車26は、後述する第二部材3に設けられる直線状の歯切り33に対応するものである。また、歯車26には、これを回転させるための操作部27を設けることができる。
図2等に示される実施例では、挿通孔25に隣接する歯車設置孔21bが設けられ、ここに歯車26が収容される構成である。操作部27には、歯車26と軸を共有する軸体27aが設けられる。この軸体27aが操作部設置孔21cに挿通され、歯車26に連通しており、この操作部27を回転させると、歯車26も回転する構成である。
これらの構成によって、歯車26はピニオン、直線状の歯切り33はラックとして、ラック・アンド・ピニオンの構造を形成し、歯車の回転を直線の動作に変換することができる。即ち、このラック・アンド・ピニオン構造により、操作部27で回転させた歯車(ピニオン)26によって、歯切り(ラック)33が設けられた第二部材3が直線状に上下摺動する仕組みである。この構成を採用することによって、上下摺動を細かく制御することができ、ドリル体22による顎骨4への穿設作業が、正確且つ迅速に可能となる。
ドリル体22は、第一部材2から脱着可能な構成であり、付け替えが可能である。衛生上、異なる患者に使用する場合には、その都度、ドリル体22を取り替えることが好ましい。ドリル体22を脱着可能に取り付ける手段として、図2等に示されるように、基部21にドリル体収容部21aが設けられ、開放された上部を閉じるためのドリル固定部28を設ける構成を挙げることができる。
ドリル固定部28は、図1〜2に示される実施例では、蓋部28a、先端脚部28b、側面脚部28c及び固定ネジ28dから構成される。この実施例では、ドリル体収容部21aに収容された回転羽22cに、蓋部28aを被せるようにして収容する構成である。ドリル固定部28と回転羽22は、ドリル体22の回転を妨げないように、僅かな間隙が設けられ、接触しない構成とすることができる。また、ドリル固定部28と回転羽22は、上述したようにベアリング22dを介して接触させる構成としてもよい。この場合、ドリル固定部28の蓋部28aであって、ベアリング22dと接触する位置に、ベアリング22dを受けるための窪み等を設けることができる。
蓋部28aは、不意に脱落しないように、先端脚部28b、側面脚部28c及び固定ネジ28dによって基部21に固定される。即ち、図1〜2に示される構成では、先端脚部28bが、基部21の端部に設けられた先端凹部21dに挿入又は遊嵌され、左右に設けられた側面脚部28cが、基部21の左右側面に設けられた側面凹部21eに挿入又は遊嵌され、これに固定ネジ28dが取り付けられることで、蓋部28aが基部21から不意に脱落し、ドリル体22が外れることを防止することができる。
次に、第二部材3について説明する。
第二部材3は、図1、2及び4に示されるように、少なくとも棒状の基部31と固定針32から構成され、直線状の歯切り33やストッパー34を設けることができる。
固定針32は、ドリル体22によって顎骨4に穿設された穴41・42に差し込むため
の部材である。固定針32を、顎骨4に穿設された穴41・42に差し込むことによって、固定針32を有する第二部材3は、顎骨4に固定される。
固定針32は、図1、2又は図4に示されるように、第二部材3の軸方向(長手方向)Yとは垂直方向に向けて設置され、この固定針32の先端部32aは、ドリル体22が設けられた方向に向けられる。
固定針32は、第一部材2のドリル体22と略同一の形状である。
上記のとおり、ドリル体22は、先端部22aと他の部分との間に段部22bが設けられ、先端部22aが他の部分よりも小径であることが好ましい。よって、ドリル体22が、段部22bが設けられた二段径の構成である場合には、固定針32も、先端部32aと他の部分との間に段部32bが設けられ、先端部32aが他の部分よりも小径の構成となる。即ち、固定針32の径は、太・細の二段構成であることが好ましい。
固定針32は、第二部材3から脱着可能であることが好ましい。これにより、ドリル体22が異なるサイズのものに変更されても、略同一のサイズのものに取り替えることができる。また、衛生面を考慮しても、異なる患者に使用する場合には、その都度、固定針32を取り替えることが好ましい。この取り替えのための脱着手段について限定はなく、公知公用の構成を特別の制限なく採用することができる。
第二部材3の基部31の側面には、直線状の歯切り33を設けることができる。この直線状の歯切り33は、上述した第一部材2に設けられる歯車26に対応したもので、この歯車26を操作部27で回転させると、この回転に応じて直線状の歯切り33は動作し、その作用効果として、第一部材2と第二部材3とが直線状に摺動する。
第二部材3の基部31には、長手方向における固定針32が設けられた側の端部に、ストッパー34が設けられることが好ましい。基部31の側面に直線状の歯切り33が設けられた場合には、この歯切り33の端部に、ストッパー34が設けられることが好ましい。
ストッパー34を設けることにより、第二部材3を基準とした第一部材2の移動(摺動)が制限され、ドリル体22が、固定針32の方向に進行し過ぎることを防ぎ、それにより顎骨4を必要以上に深く切削することを防止できる。
ストッパー34とドリル体22の位置関係について詳述する。ストッパー34は、ドリル体22の先端部22aが、固定針32の軸線又は軸の延長線を越えないように制限する位置に設けられることが好ましい。これにより、ドリル体22が、固定針32の方向に進行し過ぎることを防ぎ、それにより顎骨4を必要以上に深く切削することを防止できる。
ストッパー34は、図1、2及び4に示されるように、基部31のうち、固定針32が設けられた側とは裏側の側面に設けることができる。図1及び2では、歯切り33の端部が、固定針32が設けられた方向とは反対の方向に突出し、更にその突出した方向とは垂直方向にも突出した態様であり、略T字形状に設けられている。図4では、歯切り33の端部が、単に、固定針32が設けられた方向とは反対の方向に突出した態様である。この突出した部分(ストッパー34)が、歯車26と歯切り34との噛合を制止するか、挿通孔25を挿通できないので、第一部材3がこれよりも下方には摺動できず、ドリル体22の下方への移動も制限できる構成である。
図1〜4に示される一実施例では、ドリル体22と固定針32がそれぞれ2つ設けられた態様であるが、本発明はこれに限定されず、ドリル体22と固定針32がそれぞれ少なくとも1つあればよい。
また、図1〜4に示される態様であって、第一部材2及び第二部材3が、それぞれ長手方向に沿って分割可能な構成とすることもでき、分割された第一部材2には、それぞれドリル体22が1つずつ備えられ、分割された第二部材3には、それぞれ固定針32が1つずつ備えられる構成とすることもできる。
次に、第一部材2と第二部材3の取付け構成について説明する。
第一部材2と第二部材3は、図1等に示されるように、所定の角度で摺動可能に交差して取り付けられる構成である。
図1〜4に示される一実施例では、第一部材2に設けられた挿通孔25に、第二部材3の基部31が挿通されることで、これら2つの部材が交差して取り付けられる構成である。この実施例では、交差する箇所には、第一部材2に歯車26が設けられ、第二部材3に直線状の歯切り33が設けられる構成である。この構成により、第一部材2と第二部材3とは直線状に摺動可能となる。また、歯車26には、これに接続された操作部27が設けられ、この操作部27を手動によって回転させると、歯車26が回転し、この回転力が上述したラック・アンド・ピニオン構造によって直線状の動きに変換され、第一部材2と第二部材3は交差した角度を維持したまま摺動可能となる。
第一部材2と第二部材3が交差する角度、即ち、第一部材の軸方向Xと第二部材の軸方向Yが形成する角度に限定はない。例えば、図1又は4に示されるように、90度の角度を形成するように交差させることができる。
第一部材の軸方向Xと第二部材の軸方向Yが形成する角度が、90度である場合には、顎骨4に穿設される2つの穴41・42の穿設方向の角度θは、90度となる。また、第一部材の軸方向Xと第二部材の軸方向Yが形成する角度が、120度である場合には、顎骨4に穿設される2つの穴41・42の穿設方向の角度θは、60度となる。
これは、四角形の内角の和が360度であることから換算可能である。第一部材の軸方向Xとドリル体22の向きと、第二部材の軸方向Yと固定針32の向きは直交しており、それぞれ90度を形成している。このことから、例えば、第一部材の軸方向Xと第二部材の軸方向Yが形成する角度が、90度である場合には、90+90+90+θ(顎骨4に穿設される2つの穴41・42の穿設方向の角度。以下同じ。)=360から、θ=90度と算出することができる。また例えば、第一部材の軸方向Xと第二部材の軸方向Yが形成する角度が、120度である場合には、120+90+90+θ=360から、θ=60度と算出することができる。
顎骨4に穿設される2つの穴41・42の間隔は、第一部材2に基部21と、第二部材の基部31の長さ、詳しくは、第一部材2と第二部材3との交差点から、ドリル体22又は固定針32までの距離を変更することによって調整することができる。
このように、歯科用ドリル1は、第一部材2と第二部材3の交差・摺動構成によって、極めて近距離に、2つ以上の穴を、穿設方向が天然歯が生える方向を基準として所定の角度、所定の間隔をもって穿設することができる。
第一部材2と第二部材3とは、脱着可能な構成であることが好ましい。脱着は、第一部材2の挿通孔25から、第二部材3の基部31を抜き差しすることで可能となる。
続いて、歯科用ドリル1の使用方法について説明する。
歯科用ドリル1は、穿設方向が天然歯が生える方向を基準として所定の角度で向き合う複数の穴を、顎骨4に穿設するためのドリルである。ここでは、第一の穴41と第二の穴42を顎骨4に穿設する手順について説明する。
先ず、第一部材2を使用し、この第一部材2に設けられたドリル体22で、顎骨4に第一の穴41を穿設する。
この際、顎骨4を覆う歯肉5を予め切開し、穴を穿設する箇所の顎骨4を露出させてもよい。あるいは、顎骨4が歯肉に覆われた状態のまま、歯肉5の上からドリル体22を突き刺し、顎骨4に穴に穿設することもできる。ドリル体22は、注射針のような極めて細い径であり、歯肉5を突き刺して顎骨4に至るまで貫通させ、ここから顎骨4を切削して第一の穴41を穿設することが可能である。
尚、第一の穴41を穿設する際に、第二部材3は、第一部材2に取り付けられていない状態(取り外された状態)であってもよい。
第一の穴41は、天然歯が生える方向に対して斜めに穿設する。穿設する角度は、例えば、天然歯の生える方向を基準に45度である。
第一の穴41は、歯列の内側又は外側から、外側又は内側に向かって穿設することが好ましい。これにより、前後の歯に挟まれた箇所であっても施術が可能であり、顎骨4を内側と外側から挟持する態様で先の出願に係る歯科インプラントを取り付け可能である。
次に、穿設した第一の穴41に、第二部材3の固定針32を差し込む。第二部材3が、第一部材2に取り付けられていなかった場合は、取り付けてから、第一の穴41に固定針32を差し込む。これにより、第二部材3は、顎骨4に固定される。
次に、第二の穴42を穿設する。
図7は、第一の穴41に固定針32が差し込まれ、第二部材3が顎骨4に固定された状態を表わすものである。この状態から、この第二部材3を基準として、第一部材2を下方(図中における下方を示す。以下同じ。)に摺動させることにより、ドリル体22は矢印Dの方向に移動し、顎骨4に近付いていく。第一部材2を下方に摺動させ、ドリル体22を矢印Dの方向に移動させるには、操作部27を回転させればよい。
第一部材2を更に下方に摺動させれば、ドリル体22は顎骨4に到達し、第二の穴42を穿設することができる。図8は、上述のようにドリル体22を図7に示す矢印Dの方向に移動させ、顎骨4に第二の穴42を穿設した状態を表すものである。
この際、ストッパー34が、第一部材2に接触することによって、第一部材2の下方への摺動が制止される。これにより、第二の穴42が必要以上に深く切削されることがない。
以上の手段によって、穿設方向が、天然歯が生える方向を基準にして所定の角度で向き合う第一の穴41と第二の穴42を穿設することができる。
この後、第二の穴42に固定針32を差し込み、3つ目の穴を穿設することもでき、この要領で、3つ以上の穴を顎骨4に穿設することができる。
なお、図1〜2に示された実施例では、第一部材2にドリル体22が2つ並列して設けられた構成であるため、第一の穴41と、第二の穴42がそれぞれ2つずつ穿設されることになる。
図9及び図10に、図1及び図2等とは一部構成が異なる他の実施例を示す。
図9には、歯科用ドリル1の他の実施例を表す斜視図を示し、図10には、図9に示す歯科用ドリル1の分解斜視図を示す。
図9及び図10に示される歯科用ドリル1は、第一部材2の基部21が、図1等に示さ
れる実施例よりも長尺に設けられた構成である。かかる構成にすることによって、歯科医師等の使用者は、この長尺に設けられた基部21をしっかり握って作業することができるので、先端に設けられたドリル体22の動きを細かく制御でき、また、所定位置での停止も行い易く、迅速かつ正確な作業を行うことができる。
図9及び図10に示される歯科用ドリル1は、エア流路23の排出孔23aが設けられた位置が、図1等に示される実施例とは異なる。即ち、図1等に示される実施例では、特に図2において示されるとおり、排出孔23aが、ドリル固定部28の蓋部28aと接する方向に開放された構成であり、排出孔23aは、ドリル体収容部21aの高さ位置において上方に位置する。一方で、図9及び図10に示される他の実施例では、排出孔23aが、ドリル固定部28の蓋部28aの方向に開放されておらず、基部21の側面から孔が穿設された構成である。この構成では、排出孔23aは、ドリル体収容部21aの高さ位置において中央よりも下方に位置する。
排出孔23aが、ドリル体収容部21aの高さ位置において上方に位置する構成では、ドリル体収容部21a内における空気の流れが上方に集中し、ドリル体22の回転羽22cが上方の空気の流れで回転することによって、ドリル体22が軸ブレをおこすおそれがある。一方で、図9及び図10に示されるように、排出孔23aが、ドリル体収容部21aの高さ位置において中央よりも下方に位置する構成であれば、ドリル体収容部21aにおける空気の流れは上方に偏ることがなく、ドリル体22の軸ブレを防止することができる。
図9及び図10に示される歯科用ドリル1では、操作部27の円周に亘って凹凸条によって形成された滑り止めが施されている。これにより、使用者が操作部27を操作する際に、手指を滑らせて誤った操作をすることを抑止することができる。
歯科インプラント治療の際に、顎骨にインプラント体を埋入するための穴を穿設するために用いて好適である。
1 歯科用ドリル
2 第一部材
21 基部
21a ドリル体収容部
21b 歯車設置孔
21c 操作部設置孔
21d 先端凹部
21e 側面凹部
22 ドリル体
22a 先端部
22b 段部
22c 回転羽
22d ベアリング
22e スプリング
22f 張出部
22g 円板部
22h ドリル刃
23 エア流路
23a 排出孔
24 エア調整弁
25 挿通孔
26 歯車(ピニオン)
27 操作部
27a 軸体
28 ドリル固定部
28a 蓋部
28b 先端脚部
28c 側面脚部
28d 固定ネジ
3 第二部材
31 基部
32 固定針
32a 先端部
32b 段部
33 直線状の歯切り(ラック)
34 ストッパー
4 顎骨
41 第一の穴
42 第二の穴
5 歯肉
A 空気の流れ
X 第一部材の軸方向
Y 第二部材の軸方向
D ドリル体の移動方向
P エア供給源

Claims (8)

  1. 顎骨に穴を穿設するための歯科用ドリルであって、
    2つ以上のインプラント体が対をなし、該2つ以上のインプラント体で顎骨を挟持する態様によって固定する歯科インプラントシステムの施術に用いられる歯科用ドリルであって、
    第一部材と第二部材とからなり、この第一部材と第二部材とが所定の角度で摺動可能に交差する構成であり、
    前記第一部材の一端には、顎骨に穴を穿設するためのドリル体が設けられ、
    前記第二部材の一端には、顎骨に穿設された穴に差し込むための固定針が設けられ、
    前記ドリル体は、前記第一部材の軸方向とは垂直方向に設置され、このドリル体の先端は、前記固定針が設けられた方向に向けられ、
    前記固定針は、前記第二部材の軸方向とは垂直方向に設置され、この固定針の先端は、前記ドリル体が設けられた方向に向けられた構成であり、
    前記ドリル体は、天然歯が生える方向に対して斜めに穿設される第一の穴と、この第一の穴と所定の角度で向き合う第二の穴を穿設する構成であり、
    前記固定針は、前記第一の穴に差し込まれ、前記第二部材を顎骨に固定し、この顎骨に固定された第二部材を基準として第一部材を摺動させ、前記ドリル体で前記第二の穴を穿設する構成であり、
    穿設方向が天然歯が生える方向を基準として所定の角度で向き合う複数の穴を穿設する構成であり、
    前記複数の穴は、1本の歯が生えるスペースに穿設される構成であることを特徴とする歯科用ドリル。

  2. 第一の穴は、歯列の内側から外側に向かって又は外側から内側に向かって斜めに穿設され、第二の穴は、第一の穴とは反対に、歯列の外側から内側に向かって又は内側から外側に向かって斜めに穿設される構成であることを特徴とする請求項1に記載の歯科用ドリル。
  3. 第一部材には、歯車と該歯車に連結された操作部が設けられ、
    第二部材の軸方向の側面には、直線状の歯切りが設けられ、
    前記操作部を回転させることで前記歯車を回転させると、該歯車と前記直線状の歯切りとが噛み合って、第一部材と第二部材とが直線的に摺動する構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯科用ドリル。
  4. 第二部材に設けられた直線状の歯切りには、固定針が設けられた側の端部に、ストッパーが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の歯科用ドリル。
  5. ドリル体と固定針は、先端部と他の部分との間に段部が設けられ、先端部が他の部分よりも小径であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の歯科用ドリル。
  6. 第一部材には、1つのドリル体が設けられ、
    第二部材には、1つの固定針が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の歯科用ドリル。
  7. 第一部材には、所定の間隔で2つのドリル体が並列して設けられ、
    第二部材には、前記2つのドリル体と同間隔で2つの固定針が並列して設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の歯科用ドリル。
  8. 第一部材のドリル体は、エアタービン構造であって、
    第一部材には、ドリル体とエア供給源を接続するエア流路が設けられ、このエア流路における空気の流れを制限するエア調整弁が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の歯科用ドリル。
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