JP2009164053A - 電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いエネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができる電池を提供する。
【解決手段】負極22では、負極活物質として炭素材料を含む負極活物質層22Bの片面当りの厚みが70μm以上120μm以下となっている。電解液は、溶媒としてハロゲン化環状カーボネートを含む。これにより、負極22のエネルギー密度が向上すると共に、負極22におけるリチウムイオンの拡散および受け入れ性も向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、負極活物質として炭素材料を用いた電池に関する。
近年、携帯電話、PDA(personal digital assistant;個人用携帯型情報端末機器)およびノート型コンピュータに代表される携帯型電子機器の小型化および軽量化が精力的に進められ、その一環として、それらの駆動電源である電池、特に二次電池のエネルギー密度の向上が強く望まれている。
高エネルギー密度を得ることができる二次電池としては、例えば、リチウム(Li)を電極反応物質として用いた二次電池が知られている。中でも、負極にリチウムを吸蔵および離脱することが可能な炭素材料を用いたリチウムイオン二次電池は、広く実用化されている。
ところが、負極に炭素材料を用いたリチウムイオン二次電池は、既に理論容量近くまで技術が進歩しているので、更にエネルギー密度を向上させる手段として、活物質層の厚みを厚くして電池内における活物質層の割合を高くし、集電体およびセパレータの割合を低くすることが検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−204936号公報
しかしながら、電池の容積を変えることなく活物質層の厚みを厚くすると、集電体の面積が相対的に減少するので、充電時に負極にかかる電流密度が増加し、負極におけるリチウムイオンの拡散およびリチウムイオンの電気化学的受け入れが追いつかなくなり、金属リチウムが析出しやすくなるという問題があった。このように負極において析出した金属リチウムは失活しやすく、その結果、サイクル特性が著しく低下してしまうので、活物質層の厚みを厚くすることは難しかった。
また、電解液は環状カーボネートのような誘電率の高い溶媒がリチウム電解質を溶解するためには必要であるが、一般的に環状カーボネートのような粘性の高い溶媒は充放電時に活物質表面における脱溶媒和に伴う活性化障壁が大きいため、負荷特性が低下しまう。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高いエネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができる電池を提供することにある。
本発明の電池は、正極および負極と共に電解液を備え、負極が、炭素材料を含むと共に片面当りの厚みが70μm以上120μm以下である負極活物質層を有するものである。電解液は、下式(1)で示される環状カーボネートを15質量%以上30質量%以下で含み、式(1)で示される環状カーボネート中に含まれるハロゲン化環状カーボネート(B質量%)の質量含有比率(B/A)が0.5〜1.0となる溶媒を含有するものである。
本発明の電池では、負極活物質層の厚みを厚くすることで高いエネルギー密度が得られるうえ、電解液中の溶媒がハロゲン化環状カーボネートを含むことで活物質層表面に被膜が形成され、リチウムイオンの拡散性および受け入れ性が高まると共に充放電に伴う電解液の分解が抑制される。また、式(1)で示される環状カーボネート(A質量%)中に含まれるハロゲン化環状カーボネート(B質量%)の質量含有比率(B/A)が0.5〜1.0となるようにしたので、負極活物質/電解液界面における脱溶媒和に伴う反応活性化エネルギーを下げることが可能となる。
Figure 2009164053
式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル基またはハロゲン化アルキル基を表す。
本発明の電池によれば、負極活物質層の厚みを厚くすると共に電解液にハロゲン化環状カーボネートを含み、式(1)で示される環状カーボネート(A質量%)中に含まれるハロゲン化環状カーボネート(B質量%)の質量含有比率(B/A)が0.5〜1.0となるようにしたので、エネルギー密度を向上させることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12、13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡または外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20の中心には、例えば、センターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は、安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は、電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
図2は、図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21Aの片面のみに正極活物質層21Bを設けるようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔、ニッケル箔およびステンレス箔などの金属箔により構成されている。
正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されている。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウム硫化物、リチウムを含む層間化合物およびリチウムリン酸化合物などのリチウム含有化合物が挙げられる。中でも、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、またはリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が好ましく、特に遷移金属元素としてコバルト(Co)、ニッケル、マンガン(Mn)、鉄、アルミニウム、バナジウム(V)およびチタン(Ti)のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。その化学式は、例えば、LiMIOおよびLiMIIPOで表される。式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属元素を含み、xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物[LiNi1−zCo(z<1)]、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物[LiNi(1−v−w)CoMn(v+w<1)]およびスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)などが挙げられる。リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えば、リチウム鉄リン酸化合物(LiFePO)およびリチウム鉄マンガンリン酸化合物[LiFe1−uMnPO(u<1)]が挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、また、他の金属化合物および高分子材料も挙げられる。他の金属化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムおよび二酸化マンガンなどの酸化物、並びに硫化チタンおよび硫化モリブデンなどの二硫化物が挙げられる。高分子材料としては、例えば、ポリアニリンおよびポリチオフェンが挙げられる。
正極活物質層21Bは、必要に応じて導電材および結着材を含んでいてもよい。導電材としては、例えば、黒鉛、カーボンブラックおよびケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば、金属材料および導電性高分子材料などを用いるようにしてもよい。結着材としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムおよびエチレンプロピレンジエンゴムなどの合成ゴム、並びにポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。
負極22は、例えば、負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構成を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、例えば、銅箔、ニッケル箔およびステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層22Bは、例えば、負極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されており、必要に応じて、例えば正極活物質層21Bと同様の結着材を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、黒鉛、難黒鉛化性炭素および易黒鉛化性炭素などの炭素材料が挙げられる。これらの炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好な充放電サイクル特性を得ることができるので好ましい。特に、黒鉛は電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。黒鉛は、天然黒鉛でも人造黒鉛でもよい。
黒鉛としては、X線回折におけるC軸方向の格子面間隔d002が0.335nm以上0.338nm未満であるものが好ましい。格子面間隔d002をこの範囲とすることで、より高いエネルギー密度を得ることができるからである。また、格子面間隔d002が0.335未満であると、理論上製造できないためである。なお、格子面間隔d002は、例えば、X線としてCuKα線を用い、高純度シリコンを標準物質としたX線回折法(「大谷杉郎、炭素繊維、p.733−742(1986)、近代編集」)により測定することができる。
更に、黒鉛の嵩密度は、例えば、1.2g/cm以上であり、破壊強度は、例えば、50MPa以上であることが好ましい。負極活物質層22Bをプレスして体積密度を高くしても、黒鉛の層状構造を保つことができ、リチウムの吸蔵および放出反応を円滑に保つことができるからである。
なお、黒鉛粒子の破壊強度は、例えば、数1から求めることができる。
(数1)
St(Sx)=2.8P/(π×d×d)
St(Sx)は破壊強度(Pa)を表し、Pは試験の際の力(N)を表し、dは粒子の平均粒径(mm)を表す。なお、平均粒径dは、例えばレーザ回折式粒度分布測定装置により測定することができる。
難黒鉛化性炭素としては、例えば、格子面間隔d002が0.37nm以上、真密度が1.70g/cm未満であると共に、空気中での示差熱分析(differential thermalanalysis;DTA)において、700℃以上に発熱ピークを示さないものが好ましい。
また、この二次電池では、正極活物質層21Bおよび負極活物質層22Bの厚みを厚くすることにより、電池内における正極集電体21A、負極集電体22Aおよびセパレータ23の体積を相対的に減らし、エネルギー密度を向上させることができる。その反面、あまり厚くしすぎるとリチウムイオンの受け入れ性が低下して重負荷特性およびサイクル特性などの電池特性の低下を招くおそれもある。
こうしたことから、負極活物質層22Bの厚みは、負極集電体22Aの片面について70μm以上120μm以下、両面の合計で140μm以上240μm以下とする。また、正極活物質層21Bの厚みは、例えば、正極集電体21Aの片面について70μm以上120μm以下、両面の合計で140μm以上240μm以下とすることが好ましい。
更に、負極活物質として格子面間隔d002が0.335nm以上0.338nm未満の黒鉛を用いて負極活物質層22Bを形成した場合、その負極活物質層22Bの体積密度については、例えば、1.0g/cm以上1.9g/cm以下であることが好ましい。上記の黒鉛を含む負極活物質層22Bをこのような体積密度で形成することにより、電池内に充填可能な活物質量が十分に確保され、高いエネルギー密度が確保されるうえ、リチウムイオンの受け入れ性が高まるからである。
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質材、並びにセラミック製の多孔質材により構成されており、これらの2種以上を混合または積層した多孔質膜構造とされていてもよい。
中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜は短絡防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。特に、ポリエチレンは、100℃以上160℃以下の範囲内においてシャットダウン効果を得ることができ、かつ電気化学的安定性にも優れているので、セパレータ23を構成する材料として好ましい。また、ポリプロピレンも好ましく、他にも、化学的安定性を備えた樹脂であればポリエチレン若しくはポリプロピレンと共重合させたり、またはブレンド化したりすることで用いることができる。
セパレータ23には、電解液が含浸されている。電解液は、例えば、溶媒と電解質塩とを含んでいる。
溶媒は下式(1)で示される環状カーボネートを15質量%以上30質量%以下含む。これらの範囲内においてより高い効果を得ることができるからである。
Figure 2009164053
式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル基またはハロゲン化アルキル基を表す。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素が挙げられる。また、アルキル基の炭素原子数は1〜3であることが好ましい。
式(1)で示される環状カーボネートとしては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フルオロエチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネートなどが挙げられる。これらの中でも、炭酸プロピレンまたは炭酸エチレンが環状カーボネート溶媒に含まれるのが好ましい。優れた充放電容量特性および充放電サイクル特性を得ることができるからである。また、これらの環状カーボネートは1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
また、式(1)で示される環状カーボネート中にハロゲン化環状カーボネートを含むようにする。このことにより、負極22に良好な被膜を形成することができ、上述したように負極活物質層22Bの厚みを厚くしても、負極22におけるリチウムイオンの拡散および電気化学的受け入れ性を向上させることができるからである。
式(1)で示される環状カーボネート(A質量%)中のハロゲン化環状カーボネート(B質量%)の質量含有比率(B/A)は0.5〜1.0とする。この範囲とすることにより、負極活物質/電解液界面における脱溶媒和に伴う活性化エネルギーを下げることが可能となり、優れた重負荷特性を得ることができるからである。
ハロゲン化環状カーボネートとしては、例えば、フルオロエチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ブロモエチレンカーボネートが挙げられ、中でもフルオロエチレンカーボネートが好ましい。これらのハロゲン化環状カーボネートは1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
他の溶媒としては、例えば、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキシド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、エチレンスルフィトおよびビストリフルオロメチルスルホニルイミドトリメチルヘキシルアンモニウムなどの常温溶融塩が挙げられる。
電解質塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム[Li(CSON]、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiSOCF)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム[Li(CFSON]、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルリチウム[LiC(SOCF]、塩化リチウム(LiCl)および臭化リチウム(LiBr)などのリチウム塩が挙げられる。電解質塩は、いずれか1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を含んでいることが好ましい。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、正極集電体21Aに正極活物質層21Bを形成し正極21を作製する。正極活物質と、導電材と、結着材とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層21Bを形成する。また、正極活物質層21Bは、正極合剤を正極集電体21Aに張り付けることにより形成してもよい。
また、例えば、正極21と同様にして、負極集電体22Aに負極活物質層22Bを形成し負極22を作製する。負極活物質である炭素材料と、結着材とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。また、負極活物質層22Bは、負極合剤を負極集電体22Aに張り付けることにより形成してもよい。
次いで、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。そののち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12、13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1に示した二次電池が完成する。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。また、放電を行うと、例えば、負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。その際、本実施の形態では、正極活物質層21Bおよび負極活物質層22Bの厚みが厚くなっているので、正極集電体21Aおよび負極集電体22Aの面積が相対的に減少し、充電時に負極22にかかる電流密度が増加する。
但し、本実施の形態では、電解液にハロゲン化環状カーボネートが含まれているので、負極22に良好な被膜が形成され、負極22にかかる電流密度が高くても、負極22におけるリチウムイオンの拡散および電気化学的受け入れ性が向上し、負極22における金属リチウムの析出が抑制される。
また、式(1)で示される環状カーボネート(A質量%)中に含まれるハロゲン化環状カーボネート(B質量%)の質量含有比率(B/A)が0.5〜1.0となるようにしたので、負極活物質/電解液界面における脱溶媒和に伴う活性化エネルギーを下げることが可能となり、優れた重負荷特性を得ることができる。
このように本実施の形態によれば、正極活物質層21Bおよび負極活物質層22Bにおいて適切な厚みを確保するようにしたので、エネルギー密度を向上させつつ、良好な重負荷特性およびサイクル特性を得ることができる。さらに、電解液が溶媒としてハロゲン化環状カーボネートを含むようにしたので、負極22に良好な被膜が形成され、負極活物質層22Bの厚みを厚くしても、負極22におけるリチウムイオンの拡散および受け入れ性を向上させることができるうえ、充放電に伴う電解液の分解も抑制される。よって、負極22における金属リチウムの析出を抑制することができ、サイクル特性のさらなる向上を図ることができる。
特に、式(1)で示される環状カーボネート(A質量%)中に含まれるハロゲン化環状カーボネート(B質量%)の質量含有比率(B/A)が0.5〜1.0となるようにしたので、負極活物質/電解液界面における脱溶媒和に伴う活性化エネルギーを下げることが可能となり、優れた重負荷特性を得ることができ、より効果的である。
さらに、負極活物質層22Bに含まれる炭素材料として、X線回折におけるC軸方向の格子面間隔d002が0.335nm以上0.338nm未満の黒鉛を用いるようにすれば、より高いエネルギー密度が得られる。また、格子面間隔が0.335nm以上0.338nm未満という狭い黒鉛を用いると、通常負極活物質/電解液界面における脱溶媒和に伴う活性化障壁が大きくなり、負荷特性が極端に低下するが、式(1)で示される環状カーボネート(A質量%)中に含まれるハロゲン化環状カーボネート(B質量%)の質量含有比率(B/A)が0.5〜1.0となるようにしたので、優れた重負荷特性を得ることができる。
ここでは、電解液にハロゲン化環状カーボネートを含むようにしたので、前記ような格子面間隔d002の小さな黒鉛であっても、その黒鉛結晶のエッジ部でのリチウムイオンのインターカレーションが円滑に行われ、サイクル特性などの電池特性を劣化させることはない。すなわち、格子面間隔が0.338nm以上である炭素材料とほぼ同等のリチウムイオンの受け入れ性が確保される。これは、エッジ部においてリチウムイオンが素早く移動することで、結果として層間内にリチウムとして取り込まれる速度が向上するためと考えられる。
さらにまた、負極活物質として格子面間隔d002が0.335nm以上0.338nm未満の黒鉛を用いて負極活物質層22Bを形成した場合、その負極活物質層22Bの体積密度を1.0g/cm以上1.9g/cm以下とすれば、電池内に充填可能な活物質量が十分に確保され、高いエネルギー密度が確保されるうえ、リチウムイオンの受け入れ性が向上する。この場合、特に、ハロゲン化環状カーボネートの被膜効果と低い脱溶媒和活性化障壁により、高いエネルギー密度が得られると共に優れたサイクル特性が得られる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)およびカリウム(K)などの他のアルカリ金属、マグネシウムおよびカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、並びにアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても、本発明を適用することができる。その際、電極反応物質を吸蔵および放出することが可能な正極活物質などは、その電極反応物質に応じて選択される。
また、上記実施の形態では、巻回構造を有する電池素子を備えた円筒型の二次電池について具体的に挙げて説明したが、本発明は、巻回構造を有する楕円型若しくは多角形型の電池素子を備えた二次電池、または、正極および負極を折り畳んだり、または複数積層したりした他の構造を有する電池素子を備えた二次電池についても同様に適用することができる。加えて、本発明は、例えば、コイン型、ボタン型、角形およびラミネートフィルム型などの他の外装形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。
また、上記実施の形態では、負極活物質層の厚みと共に正極活物質層の厚みを通常よりも厚くするようにしたが、正極活物質層の厚みについては、例えば片面において55μm以上70μm以下、両面の合計で110μm以上140μm以下程度に薄くしてもよい。
また、上記実施の形態では、電解質として液状の電解液を用いる場合について説明したが、電解液を高分子化合物などの保持体に保持させたゲル状の電解質を用いるようにしてもよい。
高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンおよびポリカーボネートが挙げられる。特に電気化学的安定性の点からはポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンおよびポリエチレンオキサイドが好ましい。電解液に対する高分子化合物の割合は、これらの相溶性によってもことなるが、通常、電解液の5質量%以上50質量%以下に相当する高分子化合物を添加することが好ましい。
更にまた、上記実施の形態では、本発明の電池における負極活物質層の厚み、炭素材料のX線回折により算出されるC軸方向の格子面間隔d002、電解液に含まれるハロゲン化環状カーボネートの含有率について、実施例の結果から導き出された適正範囲を説明したが、その説明は、厚さなどのパラメータが上記した範囲外となる可能性を完全に否定するものではない。すなわち、上記した適正範囲は、あくまで本発明の効果を得る上で特に好ましい範囲であり、本発明の効果が得られるのであれば、厚みなどのパラメータが上記した範囲から多少外れてもよい。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1−1〜1−6、比較例1−1〜1−4)
図1、2に示した円筒型の二次電池を作製した。まず、炭酸リチウム(LiCO)と炭酸コバルト(CoCO)とを、LiCO:CoCO=0.5:1のモル比で混合し、空気中において900℃で5時間焼成してリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO)を得た。得られたLiCoOについてX線回折を行ったところ、JCPDS(Joint Committee of Powder Diffraction Standard)ファイルに登録されたLiCoOのピークとよく一致していた。次いで、このリチウム・コバルト複合酸化物を粉砕して、レーザ回折法で得られる累積50%粒径が15μmの粉末状とし、正極活物質とした。
続いて、このリチウム・コバルト複合酸化物粉末95質量%と、炭酸リチウム粉末(LiCO)粉末5質量%とを混合し、この混合物94質量%と、導電材としてケッチェンブラック3質量%と、結着材としてポリフッ化ビニリデン3質量%とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。
次いで、この正極合剤スラリーを厚み20μmの帯状のアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し正極21を作製した。その際、正極活物質層21Bの片面における厚みは88μm、体積密度は3.55g/cmとした。そののち、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
また、負極活物質として平均粒径25μmの粒状黒鉛粉末90質量%と、結着材であるポリフッ化ビニリデン10質量%とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとした。負極活物質として用いた黒鉛の物性は、X線回折により算出されるC軸方向の格子面間隔d002が0.3363nmであった。
次いで、この負極合剤スラリーを厚み15μmの帯状銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し負極22を作製した。その際、負極活物質層22Bの片面における厚みは90μm、体積密度は1.80g/cmとした。続いて、負極集電体22Aの一端にニッケル製の負極リード26を取り付けた。
正極21および負極22をそれぞれ作製したのち、正極21と負極22とを厚み25μmの微多孔性ポリエチレン延伸フィルムよりなるセパレータ23を介して、負極22、セパレータ23、正極21、セパレータ23の順に積層し、多数回巻回することによりジェリーロール型の巻回電極体20を作製した。次いで、巻回電極体20を一対の絶縁板12、13で挟み、負極リード26を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、巻回電極体20を電池缶11の内部に収納した。続いて、電池缶11の内部に電解液を注入し、ガスケット17を介して電池蓋14を電池缶11にかしめることにより円筒型の二次電池を作製した。
その際、電解液には、環状カーボネートとして、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)および/またはクロロエチレンカーボネート(ClEC)と、鎖状カーボネートとして炭酸ジエチル(DEC)と、炭酸メチルエチル(MEC)とを混合した溶媒に、電解質塩として六フッ化リン酸リチウムを1mol/kgの割合で溶解させたものを用いた。なお、溶媒中の式(1)で示される環状カーボネートの含有量を20質量%とし、式(1)で示される環状カーボネート中におけるハロゲン化環状カーボネート(FEC、ClEC)の含有量を変化させた。
作製した実施例1−1〜1−6、比較例1−1〜1−4の二次電池について、充放電を行い、電池容量、初期充放電効率およびサイクル特性を調べた。その際、充電は、1Cの定電流で、電池電圧が4.2Vに達するまで行なったのち、4.2Vの定電圧で、充電の総時間が4時間になるまで行い、放電は、1Cの定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで行った。1Cというのは理論容量を1時間で放電しきる電流値である。電池容量は、初回放電容量(1サイクル目の放電容量)とし、サイクル特性は、初回放電容量(1サイクル目の放電容量)に対する100サイクル目の放電容量の比率、すなわち、(100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100(%)とした。結果を表1に示す。なお、電池容量は比較例1−1の値を100とした相対値で表している。
(実施例2−1、2−2、比較例2−1〜2−12)
環状カーボネートの炭酸エチレン(EC)と、炭酸プロピレン(PC)量は変えずに、ハロゲン化環状カーボネートであるフルオロエチレンカーボネート(FEC)の量を変化させたことを除き、他は比較例1−1と同様にして二次電池を作製した。作製した実施例2−1、2−2および比較例2−1〜2−12の二次電池について、比較例1−1と同様にして電池容量、初期充放電効率およびサイクル特性を調べた。その結果を表2に示す。なお、電池容量は比較例1−1の値を100とした相対値で表している。
(比較例3−1〜3−8)
負極活物質層22Bの片面における厚み60μmとし、ハロゲン化環状カーボネートであるフルオロエチレンカーボネート(FEC)の量を変化させたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製し、評価した。作製した比較例3−1〜3−8の二次電池について、比較例1−1と同様にして電池容量、初期充放電効率およびサイクル特性を調べた。その結果を表3に示す。なお、電池容量は比較例1−1の値を100とした相対値で表している。
Figure 2009164053
Figure 2009164053
Figure 2009164053
表1に示したように、負極活物質層22Bの厚みを厚くした実施例1−1〜1−6および比較例1−1〜1−4では、環状カーボネート中のハロゲン化環状カーボネート(FEC、ClEC)量が50から100質量%であるとサイクル特性を大幅に向上させることができた。環状カーボネート中のハロゲン化環状カーボネート量が50質量%以下であると、脱溶媒和に伴う活性化障壁が大きすぎて、サイクル改善効果はほとんど見られなかった。
表2に示したように、環状カーボネート中のハロゲン化環状カーボネート(FEC)量が50から100質量%であり、かつ溶媒中の環状カーボネートの含有量が15質量%以上30質量%であると、良好なサイクル特性が得られた。
環状カーボネート中のハロゲン化環状カーボネート(FEC)量が50から100質量%であっても、溶媒中の環状カーボネート量が30質量%より多いと、脱溶媒和に伴う活性化障壁が大きすぎてサイクル特性が低下した。また、環状カーボネート中のハロゲン化環状カーボネート(FEC)量が50から100質量%であっても、溶媒中の環状カーボネート量が15質量%より少ないと、Li塩の溶解性が低いために電解液中のLiイオンの移動度が低下する、またガス発生により電極が膨れてしまうことから、サイクル特性が低下した。
また、表1および表3の結果より、同じ炭素材料を用いた同じ体積密度の負極活物質層22Bであれば、負極活物質層22Bの厚みを厚くした方が、大きな電池容量が得られることがわかった。
なお、表3に示したように、負極活物質層22Bの厚みを薄くした比較例3−1〜3−8では、サイクル特性に関してはハロゲン化環状カーボネート(FEC)を添加しない比較例3−1においても比較的良好であることから、負極活物質層22Bの厚みを薄くした場合にはハロゲン化環状カーボネートの添加による大幅な改善効果はみられないことがわかった。
すなわち、負極活物質層22Bの厚みを厚くすることで高い電池容量を確保しつつ、電解液に適量な範囲の環状カーボネートを添加し、環状カーボネート中にハロゲン化環状カーボネートを含有することで、優れたサイクル特性を実現することができることがわかった。特に、環状カーボネート中のハロゲン化環状カーボネート量が界面反応に伴う活性化エネルギーを低減するという効果において、非常に重要であることが明らかになった。
(実施例4−1〜4−3、比較例4−1〜4−5)
負極活物質層22Bの片面における厚みを後出の表4に示したように70μmから120μmの範囲で変化させたことを除き、他は実施例1−3と同様にして二次電池を作製した。具体的には、実施例4−1では、負極活物質層22Bの片面における厚みを70μmとし、実施例4−2では、負極活物質層22Bの片面における厚みを100μmとし、実施例4−3では、負極活物質層22Bの片面における厚みを120μmとした。
実施例4−1〜4−3に対する比較例4−1として、負極活物質層の片面における厚みを130μmとしたことを除き、他は実施例1−3と同様にして二次電池を作製した。また、比較例4−2〜4−5では、電解液にハロゲン化環状カーボネートであるフルオロエチレンカーボネート(FEC)を添加しなかったことを除き、他は実施例4−1〜4−3と同様にして二次電池を作製した。また、比較例4−5では、電解液にフルオロエチレンカーボネートを添加しなかったことを除き、他は比較例4−1と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例4−1〜4−3および比較例4−1〜4−5の二次電池についても、実施例1−3と同様にして電池容量、初期充放電効率およびサイクル特性を調べた。結果を実施例1−3、比較例1−1、3−1および3−7の結果と共に表3に示す。なお、電池容量は比較例1−1の値を100とした相対値で表している。
Figure 2009164053
表4に示したように、負極活物質層22Bの厚みを70μm以上120μm以下とすると共にフルオロエチレンカーボネートを含むと、サイクル特性を大幅に向上させることができた。一方、負極活物質層22Bの厚みが120μmより厚いと、ハロゲン化環状カーボネート(FEC)を含ませてもサイクル特性を向上させることは出来なかった。
本発明の実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した二次電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。
符号の説明
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20…巻回電極体、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…セパレータ、24…センターピン、25…正極リード、26…負極リード。

Claims (5)

  1. 正極および負極と共に電解液を備えた電池であって、
    前記負極は、炭素材料を含むと共に、片面当りの厚みが70μm以上120μm以下である負極活物質層を有し、
    前記電解液は、下式(1)で示される環状カーボネートを15質量%以上30質量%以下で含む溶媒を含有し、
    前記式(1)で示される環状カーボネート(A質量%)中に含まれるハロゲン化環状カーボネート(B質量%)の質量含有比率(B/A)が0.5〜1.0であることを特徴とする電池。
    Figure 2009164053
    [式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル基またはハロゲン化アルキル基を表す。]
  2. 前記ハロゲン化環状カーボネートがフルオロエチレンカーボネートである請求項1記載の電池。
  3. 前記炭素材料は、X線回折におけるC軸方向の格子面間隔d002が0.335nm以上0.338nm未満である黒鉛を有することを特徴とする請求項1記載の電池。
  4. 前記式(1)で示される環状カーボネートは炭酸プロピレンを含むことを特徴とする請求項1記載の電池。
  5. 前記式(1)で示される環状カーボネートは炭酸エチレンを含むことを特徴とする請求項1記載の電池。
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