JP2701347B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JP2701347B2 JP63209288A JP20928888A JP2701347B2 JP 2701347 B2 JP2701347 B2 JP 2701347B2 JP 63209288 A JP63209288 A JP 63209288A JP 20928888 A JP20928888 A JP 20928888A JP 2701347 B2 JP2701347 B2 JP 2701347B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、リチウム複合酸化物を正極活物質として、
また炭素質材料を負極活物質層としてそれぞれ用い、帯
状正極と帯状負極とを帯状セパレータを介して巻回する
ことにより渦巻型の巻回体を構成するようにした非水電
解液二次電池に関するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、リチウム複合酸化物を正極活物質として、
また炭素質材料を負極活物質としてそれぞれ用い、帯状
正極と帯状負極とを帯状セパレータを介して巻回するこ
とにより渦巻型の巻回体を構成するようにした非水電解
液二次電池において、前記帯状正極に形成されている一
対の正極活物質層の膜厚和Aが80〜250μmの範囲にあ
り、前記帯状負極に形成されている一対の負極活物質層
の膜厚和Bが80〜250μmの範囲にあり、前記膜厚和A
の前記膜厚和Bに対する比A/Bが0.4〜2.2の範囲にある
ように構成することによって、 優れたサイクル寿命特性と高いエネルギー密度とを備
えた非水電解液二次電池を提供し得るようにしたもので
ある。
〔従来の技術〕
近年、ビデオカメラやヘッドホン式ステレオ等の電子
機器の高性能化、小型化には目覚ましいものがあり、こ
れらの電子機器の電源となる二次電池の高容量化の要求
も強まってきている。二次電池としては、鉛二次電池や
ニッケルカドミウム二次電池が従来から用いられてい
る。更に、最近はリチウム金属またはリチウム合金を負
極活物質として用いたエネルギー密度の大きい非水電解
液二次電池の開発が活発に行なわれている。
リチウム金属またはリチウム合金を負極活物質として
用いる非水電解液二次電池は、高エネルギー密度を有す
る二次電池となり得るものであるが、リチウムのデンド
ライト成長による性能劣化やリチウムの粉末化によるサ
イクル寿命の低下等の欠点がある。
これに対し、負極活物質として炭素質材料を用いると
共に正極活物質としてリチウムコバルト酸化物(LiCo
O2)を用いた非水電解液二次電池は、リチウムイオンの
ドーピングおよびアンドーピングを利用することにより
デンドライト成長やリチウムの粉末化を抑制し得るた
め、優れたサイクル寿命性能を備えている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、負極に炭素質材料を用いたかかる非水
電解液二次電池は、負極にリチウム金属を用いた非水電
解液二次電池やニッケルカドミウム二次電池に比較し
て、エネルギー密度が小さいという欠点を持っていた。
本発明の課題は、負極活物質として炭素質材料を用い
ても、エネルギー密度の高い非水電解液二次電池を得る
ことにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、リチウムコバルト酸化物、リチウムコバル
トニッケル酸化物などのリチウム複合酸化物を正極活物
質として用いた正極活物質層を帯状正極集電体の両面に
それぞれ形成することにより構成した帯状正極と、炭素
質材料を負極活物質として用いた負極活物質層を帯状負
極集電体の両面にそれぞれ形成することにより構成した
帯状負極とをそれぞれ具備し、前記帯状正極と前記帯状
負極とを帯状セパレータを介して積層した状態で多数回
巻回することにより前記帯状正極と前記帯状負極との間
にセパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成する
ようにした非水電解液二次電池において、前記帯状正極
において前記正極集電体の両面にそれぞれ形成されてい
る一対の正極活物質層の膜厚和Aが80〜250μmの範囲
にあり、前記帯状負極において前記負極集電体の両面に
それぞれ形成されている一対の負極活物質層の膜厚和B
が80〜250μmの範囲にあり、前記正極活物質層の膜厚
和Aの前記負極活物質層の膜厚和Bに対する比A/Bが0.4
〜2.2、さらに好ましくは0.6〜1.5の範囲にあることを
特徴とする非水電解液二次電池に係るものである。
本発明によれば、前記正極活物質層の膜厚和Aと前記
負極活物質層の膜厚和Bとの膜厚総和(A+B)が200
〜500μmの範囲にあるのが好ましく、250〜500μmの
範囲にあるのがさらに好ましい。
上記正極活物質として用いるリチウム複合酸化物は、
リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、この酸化物にニッ
ケルが少量含有しているリチウムコバルトニッケル酸化
物(一般式LixCo(1-y)NiyO2(x、y1)で表わした
場合、例えばx≒1、y≒0.2)などであってよい。
上記負極活物質として用いる炭素質材料は、熱分解炭
素類、コークス類(石油系コークス、ピッチコークス、
石油系コークスなど)、アセチレンブラックなどのカー
ボンブラック類、グラファイト、ガラス状炭素、活性
炭、炭素繊維、有機高分子焼成物(有機高分子を適当な
温度、望ましくは500℃以上で焼成したもの)などであ
ってよい。
〔実施例〕
本発明による非水電解液二次電池の一実施例を第1図
〜第4図を参照しながら説明する。
第3図は非水電解液二次電池の一半部分の縦断面図で
あって、この電池は次のようにして作製された。
最初に、帯状正極1を次のように作った。
市販の炭酸リチウム(Li2CO3)と炭酸コバルト(CoCO
3)とをリチウム原子とコバルト原子とが1:1の組成比と
なるように混合し、空気中で900℃で5時間焼成して、
リチウムコバルト酸化物LiCoO2を得、これを正極活物質
とした。次いで、この正極活物質LiCoO291重量部、導電
剤としてのロンザ社製の平均粒径が7μmのKS−15グラ
ファイト6重量部および結着剤としてのポリフッ化ビニ
リデン3重量部を混合して、正極合剤とした。この正極
合剤を溶媒N−メチル−2−ピロリドンに分散させてペ
ースト状にした。この正極合剤ペーストを、正極集電体
10としての厚さ0.02mm、幅43mmの帯状のアルミニウム箔
の両面に均一に塗布して、乾燥した。乾燥後に、ローラ
ープレス機により圧縮成形して、第1図に示す帯状正極
1を作った。このときの正極活物質層11a、11bの密度は
3.6g/cm3であった。この帯状正極1において、正極活物
質層11a、11bは正極集電体10の両側に互いにほぼ同じ膜
厚で形成した。各々の膜厚をA1、A2とし、これらの和
(即ち集電体10の両面における正極活物質層の膜厚和)
を(A1+A2=)Aとしたとき、第1図に示す帯状正極1
の膜厚和Aは130μmであった。
次に、負極1を次のようにして作った。
粉砕したピッチコークスを負極活物質として用いた。
このピッチコークス90重量部および結着剤としてのポリ
フッ化ビニリデン10重量部を混合して、負極合剤とし
た。この負極合剤を溶媒N−メチル−2−ピロリドンに
分散させてペースト状にした。この負極合剤ペースト
を、負極集電体12としての厚さ0.01mm、幅43mmの帯状の
銅箔の両面に均一に塗布して、乾燥した。乾燥後に、ロ
ーラープレス機により圧縮成形して、第2図に示す帯状
負極2を作った。このときの負極活物質層13a、13bの密
度は1.4g/cm3であった。この帯状負極2において、負極
活物質層13a、13bは負極集電体の両面に互いにほぼ同じ
膜厚で形成した。各々の膜厚をB1、B2とし、これらの和
(即ち集電体12の両面における負極活物質層の膜厚和)
を(B1+B2=)Bとしたとき、第2図に示す帯状負極2
の膜厚和Bは140μmであった。
次に、上記帯状正極1及び上記帯状負極2を用い、更
にセパレータを一対用いて、これらを互いに積層させて
から多数回巻回して、第3図及び第4図に示す渦巻型の
巻回体14をつくった。
即ち、第4図は第3図に示す電池に用いられている巻
回体14の一部分の詳細な横断面を示すものであって、第
1図に示す1つの帯状正極1、第2図に示す1つの帯状
負極2、厚さ0.025mmの微孔性ポリプロピレンフィルム
から成る一対のセパレータ3a、3bを、負極2、セパレー
タ3a、正極1、セパレータ3bの順序で積層してから、こ
の積層体を渦巻型に多数回巻回することによって、巻回
体14を作った。この場合の正極1及び負極2のそれぞれ
の全長(以下、「電極全長」という)は34cmであった。
上記のようにして作った1つの巻回体14を、第3図に
示すように、ニッケルめっきを施した内径13.3mmの鉄製
電池缶5に収納した。また正極1及び負極2の集電を行
うために、アルミニウム製の正極リード6を予め正極1
に取付け、これを正極1から導出して、電池蓋8に溶接
し、またニッケル製の負極リード7を同様に予め負極2
に取付け、これを負極2から導出して、電池缶5に溶接
した。この電池缶5の中に、六フッ化リン酸リチウムを
1モル/溶解した炭酸プロピレンと1,2−ジメトキシ
エタンとを混合して得た電解液を注入して含浸させた。
この際、巻回体14の上下面に対向するように、電池缶5
内に絶縁板4a、4bを配設した。またこの電池缶5と電池
蓋8とを絶縁封口ガスケット9を介してかしめて、電池
缶5を封口した。
以上のようにして、直径13.8mm、高さ50mmの円筒型非
水電解液二次電池を作製した。
次に、図示の実施例において、正極1における一対の
正極活物質層11a、11bの膜厚和Aの値を130μmから3
0、40、80、180、230、280μmの6通りに変えて、活物
質層の膜厚和Aが異なる合計6種類の帯状正極1を得
た。また図示の実施例において、負極2における一対の
負極活物質層13a、13bの膜厚和Bの値を140μmから4
0、90、190、240、280μmの5通りに変えて、活物質層
の膜厚和Bの値が異なる合計6種類の帯状負極2を得
た。
これら7種類の帯状正極1と6種類の帯状負極2とを
組合わせて、図示の実施例と全く同様の方法で、図示の
実施例(電池No.16のもの)を含め、次の第1表に示す3
2種類の非水電解液二次電池を作製した。
この第1表において、電池No.に*印が付されているN
o.9〜11、No.15〜18、No.21〜24およびNo.28〜30の電池
(計14個)は本発明の実施例であり、*が付されていな
いNo.1〜8、No.12〜14、No.19〜20、No.25〜27およびN
o.31〜32の電池(計18個)は本発明の参考例である。ま
た第1表に示す電極全長は、正極1および負極2のそれ
ぞれの全長を意味している。なお、活物質層の膜厚和A
またはBが280μmである正極または負極を用いた場合
には、上記巻回体14を作る巻回の工程中において、これ
らの電極の活物質層が集電体から剥離したリクラックを
生じたりして、良好な渦巻型の巻回体を得ることができ
なかったが、第1表では、このような場合を正極クラッ
クまたは負極クラックと記載してある。
第1表に示す32種の電池のうちで正極または負極クラ
ックなどを生じたNo.7、No.13、No.19、No.25およびNo.
31〜32のものを除いた26種類の電池について、次のよう
な充放電試験を実施した。即ち、充電電流密度1mA/c
m2、終止電圧4.0Vの定電流充電を行った後、14Ωの定抵
抗により2.9Vまでの放電を行ってエネルギー密度を調べ
た。この結果を、上記26個の非水電解液二次電池につい
て示したのが、次の第2表である。
この第2表における電池No.は第1表の電池No.と一対
一に対応している。なお、第2表には、正極活物質層の
膜厚和Aの負極活物質層の膜厚和Bに対する比を示す膜
厚比A/Bおよびこれらの膜厚総和(A+B)も示してい
る。
第2表における上記膜厚比A/Bとエネルギー密度(WH/
L)との関係を、第1表に示す負極活物質層の5種類の
膜厚和B(即ちBがそれぞれ40、90、140、190および24
0μm)について、5つの曲線によって示したのが、第
5図である。また、第5図における各々の曲線の最大エ
ネルギー密度とその各々の場合の活物質層の膜厚総和
(A+B)との関係を示したのが、第6図である。
第5図から、全ての曲線について、膜厚比A/Bが1と
なる近傍において、エネルギー密度が最大になることが
わかり、また負極活物質層の膜厚和Bが大きくなるに従
ってその最大エネルギー密度も大きくなることがわか
る。しかし、この最大エネルギー密度も、第6図からわ
かるように、前記膜厚総和(A+B)が大きくなると、
もはやそれ程大きくならなくなる。
以上の第1表、第2表、第5図および第6図から、本
発明における非水電解液二次電池を構成する正極および
負極活物質の膜厚和AおよびBに関して、以下に述べる
ような条件が満たされば、エネルギー密度の大きい二次
電池が得られることがわかる。即ち、正極活物質層の膜
厚和Aと負極活物質層の膜厚和Bとがそれぞれ80〜250
μm、正極活物質層の負極活物質層に対する膜厚比A/B
が0.4〜2.2、さらに好ましくは0.6〜1.5の条件が満たさ
れば、最新のニッケルカドミウム二次電池のエネルギー
密度140WH/Lよりも充分大きいエネルギー密度を有する
非水電解液二次電池を得ることができる。また正極活物
質層と負極活物質層との膜厚総和(A+B)が200〜500
μm、さらに好ましくは250〜500μmの範囲にあれば、
エネルギー密度の一層大きい非水電解液二次電池を得る
ことができる。
なお、正および負極活物質層の膜厚和AおよびBに関
して上述のような条件が満たさると、AおよびB共に25
0μmを超えることがないので、渦巻型巻回体14をつく
る工程中に、活物質が集電体から剥離したりクラックを
生じたりする不具合もなくなる。
また、正極および負極を作る際に、集電体の片面だけ
に所定の活物質層を設けることも考えられるが、この場
合には、集電体の一方のみに活物質を塗布して乾燥さ
せ、次いでローラープレス機にかけて圧縮成形すること
により帯状電極を作る際に、この帯状電極がそってしま
うから、後に続く工程に問題を残してしまう。従って、
集電体の片面のみに活物質層を設けた電極を用いるのは
実用的でない。
〔発明の効果〕
本発明は、リチウム複合酸化物を正極活物質として、
また炭素質材料を負極活物質としてそれぞれ用いると共
に、帯状正極および帯状負極の両面にそれぞれ形成され
ている一対の正極および負極活物質層の膜厚和Aおよび
Bに所定の条件を満足させるようにしたものである。従
って、本発明によれば、最新のニッケルカドミニウム二
次電池のエネルギー密度140WH/Lよりも大きいエネルギ
ー密度を有する非水電解液二次電池を提供することがで
きる。また正極および負極をセパレータと共に渦巻状に
巻回して巻回体を作る際に、活性物質の割れや集電体か
らの剥離を防止することができる。このため、此種の非
水電解液二次電池について従来から知られている優れた
サイクル寿命特性に加えて、大きなエネルギー密度を有
する非水電解液二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明による非水電解液二次電池の一
実施例を示すものであって、第1図は帯状正極の一部分
の縦断面図、第2図は帯状負極の一部分の縦断面図、第
3図は非水電解液二次電池の一半部分の概略的な縦断面
図、第4図は第3図に示す巻回体の一部分の詳細な横断
面図である。 第5図は本発明の実施例および参考例の非水電解液二次
電池について膜厚比(A/B)とエネルギー密度との関係
を示すグラフ、第6図は膜厚総和(A+B)と最大エネ
ルギー密度との関係を示すグラフである。 なお、図面に用いた符号において、 1……帯状正極 2……帯状負極 3a,3b……セパレータ 10……正極集電体 11a,11b……正極活物質層 12……負極集電体 13a,13b……負極活物質層 14……巻回体である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リチウム複合酸化物を正極活物質として用
    いた正極活物質層を帯状正極集電体の両面にそれぞれ形
    成することにより構成した帯状正極と、炭素質材料を負
    極活物質として用いた負極活物質層を帯状負極集電体の
    両面にそれぞれ形成することにより構成した帯状負極と
    をそれぞれ具備し、 前記帯状正極と前記帯状負極とを帯状セパレータを介し
    て積層した状態で多数回巻回することにより前記帯状正
    極と前記帯状負極との間にセパレータが介在している渦
    巻型の巻回体を構成するようにした非水電解液二次電池
    において、 前記帯状正極において前記正極集電体の両面にそれぞれ
    形成されている一対の正極活物質層の膜厚和Aが80〜25
    0μmの範囲にあり、 前記帯状負極において前記負極集電体の両面にそれぞれ
    形成されている一対の負極活物質層の膜厚和Bが80〜25
    0μmの範囲にあり、 前記正極活物質層の膜厚和Aの前記負極活物質層の膜厚
    和Bに対する比A/Bが0.4〜2.2の範囲にあることを特徴
    とする非水電解液二次電池。
JP63209288A 1988-08-23 1988-08-23 非水電解液二次電池 Expired - Lifetime JP2701347B2 (ja)

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