JP2009155764A - 長繊維不織布とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ポリアリーレンサルファイドを鞘成分に使用する芯鞘繊維からなる長繊維不織布において、耐熱性と耐薬品性だけでなく力学特性と寸法安定性も向上させる。
【解決手段】
鞘成分がポリアリーレンサルファイドを95質量%以上含み、芯成分が、芯成分の融点Tmc(℃)と鞘成分の融点Tms(℃)の関係がTmc<Tms<Tmc+30℃を満足し、鞘成分のガラス転移点温度Tgs(℃)と芯成分のガラス転移点温度Tgc(℃)の関係がTgc<Tgs<Tgc+30℃を満足する熱可塑性樹脂からなり、芯/鞘の重量比が40〜60/60〜40である複合長繊維を用いて接合一体化された長繊維不織布であって、複合長繊維における単繊維の強度が3.0cN/dtex以上であり、単繊維の乾熱180℃での収縮率(SHD180)が10%以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性及び耐薬品性に優れたポリアリーレンサルファイドを含む長繊維からなる不織布およびその製造方法に関するものである。特に、本発明は、ポリアリーレンサルファイドの長所を生かしながら、寸法安定性及び力学特性を改良した複合長繊維からなる不織布とその製造方法に関する。
ポリアリーレンサルファイドは、耐熱性及び耐薬品性に優れており、この特性を活用して、耐熱性繊維、耐薬品性フィルター、抄紙キャンバス、断熱材、絶縁材、補強材、防護服、ミシン糸などの様々な分野に糸、織物、不織布などの形態で使用されている。
しかし、ポリアリーレンサルファイドを通常の方法で繊維化すると、例えば特許文献1等に示されるように、力学特性の劣るものしか得られない問題があった。力学特性を改良する方法として、低速紡糸後延伸方法を改良する方法が特許文献2、特許文献3に提案されているが、いずれも充分な力学特性を付与できていない。また、線状のポリアリーレンサルファイドの組成をパラ結合とイソ結合の混在化により、超低速紡糸により伸張性を改良して延伸熱固定する方法が特許文献4で提案されているが、この方法は力学特性が改良されるものの、生産性が著しく劣る。また、低速紡糸後延伸仮撚熱固定する方法が特許文献5で提案されているが、この方法も力学特性が改良されるものの、生産性に劣る。
一方、ポリアリーレンサルファイドを直接長繊維不織布とする検討もされており、例えば特許文献6に記載されているようにポリフェニレンサルファイド重合体から直接紡糸、延伸する所謂公知のスパンボンド法を利用し1700m/分近傍で紡糸延伸し連続してニードルパンチ機により交絡させて繊維に捲縮を持たせることにより1段紡糸、延伸の課題である形態安定性を改善する方法が提案されている。しかし、この方法で得られた長繊維不織布は180℃、10秒間での乾熱収縮率が50%を超え、寸法安定性が十分に改善されていない。
ポリアリーレンサルファイド繊維を熱的に安定化する方法として、高速紡糸する方法が特許文献7で提案されているが、この方法は6000m/分の高速紡糸で収縮率は低減するものの、力学特性が劣るものであり、熱処理安定させると更に力学特性が低下する問題がある。また、高速紡糸を利用して例えば5400m/分の紡速で得た熱安定性の悪い繊維を、低速紡糸延伸熱固定した熱安定性の良い繊維と混繊し収縮させる方法が特許文献8に提案されているが、力学特性が開示されていないため、その効果は形態保持性の改良のみではないかと推測される。
ポリフェニレンサルファイドの耐熱性及び耐薬品性を利用し、鞘成分にポリフェニレンサルファイドを配して低速紡糸する芯鞘複合繊維が提案されている。例えば、特許文献8には、コストダウンを狙って、芯成分がポリエステルからなり、鞘成分がポリフェニレンサルファイド(PPS)とポリエステルとのブレンド物からなる複合繊維として低速紡糸、多段延伸弛緩熱処理した繊維が提案されている。この繊維はポリエステルが主成分であるのに耐熱性及び耐薬品性を向上させているが、力学特性の向上が開示されていない。
特許文献9には、芯成分に液晶ポリエステルを用い、鞘成分にPPSと液晶ポリエステルを用いて、低速紡糸し、定長熱処理して、高強力高弾性率で耐疲労性と耐薬品性を改良した繊維が提案されている。かかる方法は、生産性が著しく劣り、コストアップする問題がある。
特許文献10には、鞘成分にPPSを用い、芯成分にポリエステルを用いる場合の芯鞘の剥離防止のため、芯成分にポリエステルとPPSをブレンドして、低速で複合紡糸し、延伸熱処理により、耐熱性、耐薬品性、難燃性を向上させる方法が提案されている。この方法も生産性が劣る問題がある。
特許文献11には、芯成分にナイロンを用い、鞘成分にPPSを用いて低速紡糸し、延伸熱処理して、力学特性、耐熱性、耐薬品性を改良する方法が提案されている。この方法では、特許文献11にも明記されているように、芯鞘の剥離が起こる問題がある。
特許文献12には、特許文献11の芯鞘剥離を防止するため、芯成分にナイロンとPPSをブレンドした成分を用い、鞘成分のPPSとの剥離を防止する方法が提案されている。しかし、この方法でも、低速紡糸、延伸、弛緩熱処理が必須であり、生産性の面からは煩雑さとコストアップの問題がある。
特許文献13では、液晶樹脂とPPSの剥離防止方法として、液晶樹脂は主鎖型液晶樹脂を用い、PPSは重合後酸洗浄することで不純物を除去した樹脂を用いて、焼結フィルターで濾過した各成分を、例えば、芯に主鎖型液晶樹脂、鞘に該PPSを配して複合中速紡糸(2000m/分)することにより、耐剥離性が向上する方法が提案されている。しかし、本文献で開示された耐剥離性とは、1.2デニールの単繊維に200回/mの撚りを付与して解除した繊維の表面観察で剥離状態を判断する方法であり、単繊維に与えられる捩れが微小なため、比較例では170回で剥離と開示されていることから、素材限定条件で若干改良された可能性はあるが、充分な耐剥離性改善が成されたとは言い難い問題がある。また、液晶樹脂を高速で伸張すると力学特性が低下する問題がある。
特許文献9のコストダウンとフィブリル化防止対策として、特許文献14には、芯成分に液晶ポリエステルを用い、鞘成分にPPSと液晶ポリエステルのブレンド成分を用い、低速紡糸し、長時間の高温定長熱処理により、高強力、高弾性で、耐フィブリル化、耐磨耗性も改良された繊維を得る方法が提案されている。かかる方法では、生産性が非常に劣る問題がある。
特許文献15には、芯成分にPPSを用い、鞘成分にPPSにカーボンブラックを混練した成分を用いた芯鞘複合繊維を紡糸、水冷して多段延伸後弛緩熱処理して導電性を付与したモノフィラメントを得る方法が提案されている。この方法は、芯鞘ともPPSのため、剥離は生じないが、大量生産ができない問題がある。
特許文献16には、芯成分が液晶ポリエステルであり、鞘成分が屈曲性高分子の海成分中に液晶ポリエステルの島成分が分散されたものであり、海成分にPPSも適用できる複合繊維を紡糸し、長時間熱処理して、得られた繊維を用いて織物形成し、カレンダーで繊維交点を熱圧着した寸法安定性の良い基布を得る方法が提案されている。この方法は、PPSを海成分としているため、繊維を一旦熱処理で結晶化させると、熱圧着による変形付与だけでは、融着接合しない問題がある。
特許文献17では、芯成分に液晶ポリエステルを用い、鞘成分に酸洗浄したPPSを用い、低速紡糸した複合繊維を、PPS成分を酸化処理して不融化することで、耐磨耗、耐熱、耐疲労性を付与した高強力高弾性率の複合繊維を得る方法が提案されている。この方法は、素材が液晶ポリエステルに限定された場合に芯鞘界面が剥離し難いものであることの開示はなく、紡糸時の変形速度が大きい場合や他の素材との組合せでの界面剥離の生じ難さの開示もない。また、各種加工工程での煩雑さや高生産性を得る方法としては適していない。
特許文献18には、芯成分と鞘成分の融点差が40℃以上で低融点成分を鞘成分とする複合繊維を高速紡糸することで、芯成分を配向結晶化させて低収縮化する方法が提案されている。この方法は、鞘成分が低融点成分、芯成分が高融点成分として高速紡糸した場合に生じる現象であり、鞘成分が高融点成分、芯成分が低融点成分で、高融点成分が配向結晶化し難い場合は適用できない問題がある。
特開昭49−054617号公報 特開昭57−143518号公報 特開昭58−18409号公報 特開昭61−215715号公報 特開平1−239109号公報 特開昭57−16954号公報 特開昭58−31112号公報 特開昭63−243364号公報 特開平1−229815号公報 特開平2−99614号公報 特開平3−40813号公報 特開平4−343712号公報 特開平4−174722号公報 特開平5−230715号公報 特開平10−266017号公報 特開2001−64845号公報 特開2003−3333号公報 特開平7−3534号公報
上述の如く、従来技術は、耐熱性及び耐薬品性に優れるポリアリーレンサルファイドを鞘成分とした複合長繊維からなる不織布において、寸法安定性及び力学特性をともに改良する方法を提案できていないのが実情である。
本発明は、上記従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は耐熱性と耐薬品性に優れるポリアリーレンサルファイドを鞘成分に使用する芯鞘繊維からなる長繊維不織布において、力学特性と寸法安定性を向上させた、界面剥離が生じない芯鞘断面繊維からなる長繊維不織布及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研究した結果、芯成分に配向結晶化ではない結晶構造を形成させることによって本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、鞘成分がポリアリーレンサルファイドを95質量%以上含み、芯成分が、芯成分の融点Tmc(℃)と鞘成分の融点Tms(℃)の関係がTmc<Tms<Tmc+30℃を満足し、鞘成分のガラス転移点温度Tgs(℃)と芯成分のガラス転移点温度Tgc(℃)の関係がTgc<Tgs<Tgc+30℃を満足する熱可塑性樹脂からなり、芯/鞘の重量比が40〜60/60〜40である複合長繊維を用いて接合一体化された長繊維不織布であって、複合長繊維における単繊維の強度が3.0cN/dtex以上であり、単繊維の乾熱180℃での収縮率(SHD180)が10%以下であることを特徴とする長繊維不織布である。
本発明の長繊維不織布の好ましい態様では、鞘成分のポリアリーレンサルファイドがポリフェニレンサルファイド(PPS)であり、芯成分の熱可塑性樹脂がポリエチレンテレフタレート(PET)である。
また、本発明は、鞘成分にポリフェニレンサルファイドを用い、芯成分にポリフェニレンサルファイドの融点より低く、融点差が30℃未満である融点を有し、ポリフェニレンサルファイドのガラス転移点温度より低く、ガラス転移点温度差が30℃未満であるガラス転移点温度を有する熱可塑性樹脂を用いて複合紡糸により、紡糸速度4000m/分〜6000m/分で牽引流体により引き取ることにより得られた複合長繊維を、長繊維ウエッブの状態で拡開捕集させ、鞘成分の第1結晶化温度以下で仮接合を施し、次いで鞘成分の第1結晶化温度以上の温度条件で本接合を施す長繊維不織布の製造方法であって、複合長繊維の芯/鞘の重量比が40〜60/60〜40であり、複合長繊維における単繊維の強度が3.0cN/dtex以上であり、単繊維の乾熱180℃での収縮率(SHD180)が10%以下であることを特徴とする長繊維不織布の製造方法である。
本発明によれば、ポリアリーレンサルファイドの耐熱性及び耐薬品性を保持しながらポリアリーレンサルファイド単成分繊維の欠点である寸法安定性と力学特性を改良した長繊維不織布を、ポリアリーレンサルファイド単成分長繊維不織布より安価に提供することができる。さらに、本発明の長繊維不織布は、ポリアリーレンサルファイドの特徴を生かした各種用途、例えば電気絶縁材、絶縁基板、フィルター、断熱材、補強繊維などに有用である。
以下、本発明の長繊維不織布及びその製造方法を詳細に説明する。
本発明の長繊維不織布で使用する複合長繊維は、鞘成分がポリアリーレンサルファイドを95質量%以上含み、芯成分が、芯成分の融点Tmc(℃)と鞘成分の融点Tms(℃)の関係がTmc<Tms<Tmc+30℃を満足し、鞘成分のガラス転移点温度Tgs(℃)と芯成分のガラス転移点温度Tgc(℃)の関係がTgc<Tgs<Tgc+30℃を満足する熱可塑性樹脂からなる。
複合長繊維の鞘成分に使用するポリアリーレンサルファイドは、−Ar−S−(Arはアリーレン基)で表されるアリーレンサルファイドを繰返し単位とする芳香族ポリマーであり、アリーレン基としては、p−フェニレン基、m−フェニレン基、ナフタレン基などを包含する。本発明では、ポリアリーレンサルファイドは、耐熱性、加工性、経済性の観点から、p−フェニレンサルファイドの繰返し単位からなる直鎖状ポリフェニレンサルファイド(PPS)が特に好ましい。
ポリフェニレンサルファイドは、耐熱性や耐薬品性に優れる高分子量の線状ポリマーである。しかし、都市ゴミ焼却炉、産業廃棄物焼却炉等から排出される排ガス集塵フィルター材のように厳しい用途に使用するには耐熱性や耐薬品性のみならず、例えばフィルター形体に必要な強度なども併せ持つ必要がある。そのため、例えば繊維としての高い強力を得るために、重合段階でトリクロロベンゼンなどを用いて未反応の塩素基を残しておき、紡糸前のポリマーの段階で酸素雰囲気あるいは窒素雰囲気での高温処理によって未反応の塩素基により架橋反応を起こさせ重合度を増し、繊維として必要な初期強度を得る方法がある。また、比較的メルトフローレート(MFR)の高い低分子量のポリマーでも、紡糸前に、酸素雰囲気で一時的に架橋させて分子量を大きくすることによっても繊維自体は強力などの必要物性を満足させることができる。しかし、これらの方法の繊維は比較的低分子量のポリマーの一次的な架橋反応によって得られたポリマーよりなり、ESCAでイオウ原子を中心とする結合を測定すると既に−SO−や−SO−の結合が含まれる。従って、一次的に架橋や酸化により重合度を高くした方法では長期に渡る耐熱性を得ることはできない。これに対し、本発明では、例えば、ESCAでイオウ原子を中心とする結合状態を測定しても、その結合の95アトミック%以上がサルファイド結合であり、さらに好ましくは98アトミック%以上、最も好ましくは100アトミック%がサルファイド結合である。
ポリフェニレンサルファイドは、極性有機溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物を重合反応させる方法により得ることができる。アルカリ金属硫化物としては、例えば、硫化ナトリウム、硫化リチウム、硫化カリウム等、あるいはこれらの混合物などを使用することができる。これらの中でも硫化ナトリウムが最も経済的に優れることから一般的に用いられる。
また、ジハロ芳香族化合物としては、例えば、p‐ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼンなどのジハロベンゼン、1,4−ジクロロナフタレンなどのジハロナフタレン、ジハロ安息香酸、ジハロベンゾフェノン、ジハロフェニルエーテルなどを挙げることができるが、物性および経済的観点よりp−ジクロロベンゼンが最も好ましく使用される。その他、一般的には、多少の分岐構造を得るために1分子当り2個ではなく3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合物、例えばトリクロロベンゼンを少量併用することも知られている。
本発明の複合長繊維は、耐熱性及び耐薬品性を保持するため、鞘成分の95質量%以上、好ましくは98質量%以上はポリアリーレンサルファイドで構成されることが必要である。ポリアリーレンサルファイドが95質量%未満では素材の持つ耐熱性及び耐薬品性が十分に発揮できないため好ましくない。なお、鞘成分には通常使用される添加物、例えば顔料、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等を本発明の効果を妨げない範囲で配合してもよい。
本発明の複合長繊維の芯成分を構成する熱可塑性樹脂とは、加熱により溶融し成形できる高分子であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキセンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン6/6、ナイロン6/10、ナイロン6/12等のポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィン、ポリウレタン、アクリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド等の公知の樹脂を包含する。また、芯成分には常使用される添加物、例えば顔料、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等を本発明の効果を妨げない範囲で配合してもよい。
本発明の複合長繊維の芯成分を構成する熱可塑性樹脂は、芯成分の融点Tmc(℃)と鞘成分の融点Tms(℃)の関係がTmc<Tms<Tmc+30℃を満足し、鞘成分のガラス転移点温度Tgs(℃)と芯成分のガラス転移点温度Tgc(℃)の関係がTgc<Tgs<Tgc+30℃を満足することが必要である。かかる条件を満足する芯鞘成分を選択して高速紡糸することによって、ポリアリーレンサルファイドからなる鞘成分が未結晶化状態のままで、芯成分が結晶化して複合繊維が低収縮化し、芯鞘の界面剥離を生じない長繊維が得られる。
得られた複合長繊維、例えば鞘PPS/芯PET複合繊維の広角X線回折(WAXD)パターンでは、芯成分(PET)の結晶化に由来する赤道上に結晶回折干渉像が得られている。鞘成分PPSの結晶化による回折パターンは得られていない。また、PETの配向結晶化に由来の小角X線回折(SAXS)パターンでは特有の4点干渉像を得るが、本発明の複合長繊維はそのような回折パターンが得られていないので、ネッキングによる配向結晶化を生じていないと考えられる。その理由は明確ではないが、鞘成分が溶融細化段階で早く固化し、紡糸張力を鞘成分で保持細化させることで、芯成分は半溶融状態から鞘成分に圧縮伸張され冷却されつつ伸張配向し、鞘成分のガラス転移点温度まで冷却され、鞘成分は細化が完了する。芯成分は鞘成分の伸張配向により配向しつつ細化し、配向結晶化に由来するガラス転移点温度に達するまでに細化が完了する。この間に、芯成分は余熱により結晶化を生じ低収縮化するのではないかと類推される。
芯成分の融点が鞘成分の融点以上である場合は、芯鞘界面が剥離する場合があり好ましくない。その理由は、鞘成分の配向度が低くなり、芯成分の配向度が高くなるので、芯成分が配向結晶化するためと類推される。芯成分の融点が鞘成分の融点より低い場合であっても、融点差が30℃以上になると、低収縮化できないので好ましくない。その理由は、鞘成分が固化しても、芯成分が溶融している状態になるため、鞘成分の伸張に対応して芯成分の配向度が高くならないため、高配向の場合のような余熱による結晶化が進まず、結果的に低収縮化できなくなるのではないかと類推される。
芯成分のガラス転移点温度が鞘成分のガラス転移点温度以上である場合は、芯成分がネッキングを生じて配向結晶化するので、相溶性の悪い芯鞘成分では、界面剥離を生じ、寸法安定性が劣るので好ましくない。芯成分のガラス転移点温度が鞘成分のガラス転移点温度より低い場合であっても、ガラス転移点温度差が30℃以上になると、鞘成分の伸張挙動に固定されているので、配向度が高くなりにくく、低収縮化しにくいので好ましくない。
本発明の複合長繊維の芯/鞘の重量比は40〜60/60〜40、好ましくは40〜50/60〜50である。鞘成分が上記下限比未満では、複合繊維が低収縮化しにくくなり、糸切れしやすくなり好ましくない。その理由は、鞘成分の拘束力が低下し、芯成分を十分配向させられないためではないかと類推される。また、高速紡糸時の伸張応力が初期細化段階で鞘成分に掛かり、紡糸が不安定化して糸切れする場合があるためではないかと類推される。また、鞘成分が上記上限比を越えると、複合繊維の寸法安定性が悪くなる。その理由は、芯成分の梁機能が不十分になるためではないかと類推される。
本発明の不織布は長繊維からなるが、その理由は、短繊維不織布では、強度が長繊維不織布より劣り、芯鞘複合繊維の場合、切断端にPPS以外の樹脂が露出するため、耐薬品性が劣る問題があるためである。
本発明の複合長繊維における単繊維の強度は3.0cN/dtex以上であり、単繊維の乾熱180℃での収縮率(SHD180)は10%以下である。単繊維強度が3.0cN/dtex未満では、不織布に形成した場合の不織布強度が劣るので好ましくない。本発明では、単繊維強度は好ましくは3.5cN/dtex〜5.0cN/dtexである。単繊維の乾熱180℃での収縮率が10%を越えると、寸法安定性が劣り、不織布形成時に熱収縮等による変形を生じ、取り扱い性が悪くなるので好ましくない。本発明の好ましい乾熱180℃での収縮率は6%以下である。なお、本発明の製法により高速紡糸で結晶化させた場合の下限収縮率は3%であった。
本発明の複合長繊維は、捕集ネットコンベア等に捕集されてウエッブ形成し、接合一体化して不織布に供される。本発明の最も好ましい不織布は、スパンボンド不織布である。複合長繊維の接合一体化の方法は、特には制限されないが、好ましくは、複合長繊維の鞘成分の損傷が少ないエンボス加工による部分熱圧着接合が好ましい。所望に応じて、積層接合処理した不織布も本発明に包含される。
本発明の複合長繊維における単繊維の繊度は特には限定されないが、好ましくは、取り扱い性と生産性の観点から1〜8dtexであり、より好ましくは2〜6dtexである。本発明における繊維の断面形状は特には限定されず、各種断面を包含するものであるが、生産性の観点から丸断面が好ましい。本発明の不織布における複合長繊維の繊維配列は特には限定されないが、縦方向に強力が必要な場合は直列配列に近い繊維配列、縦横方向共に強力が必要な場合は直交配列、全方向に均一に強力が必要な場合はランダム配列が許容される。このような所望の配列にした不織布を本発明は包含する。本発明の不織布の目付は特には制限されないが、好ましくは、汎用での実用強度を保持できる15〜1000g/mである。本発明の不織布の厚みは特には制限されないが、汎用での実用性から、好ましくは0.05〜50mm、より好ましくは0.1〜10mmである。
本発明の不織布は、鞘成分にポリフェニレンサルファイド、芯成分に融点及びガラス転移点温度が上記の条件を満足する熱可塑性樹脂を用いて複合紡糸により、紡糸速度4000m/分〜6000m/分で牽引流体により引き取った、単繊維として測定した繊維の乾熱180℃での収縮率(SHD180)が10%以下である長繊維を、長繊維ウエッブの状態で移動するコンベアネット等に拡開捕集させ、鞘成分の結晶化温度以下で仮接合を施し、次いで鞘成分の第1結晶化温度以上の温度条件で本接合を施すことによって得られる。
複合長繊維として、鞘成分にポリフェニレンサルファイド(PPS)を用い、芯成分の熱可塑樹脂にポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた場合が例示される。例えば、融点(Tms)280℃、ガラス転移点温度(Tgs)80℃であるPPSを用い、融点(Tmc)264℃、ガラス転移点温度(Tgc)68℃であるPETを用いる。これは、本発明の要件であるTmc<Tms<Tmc+30℃及びTgc<Tgs<Tgc+30℃を満たす芯鞘成分の組合せである。
本発明の不織布を得るのに用いるPPSは、特には制限されないが、好ましくは樹脂の315℃×5kg/cmでのメルトフローレイト(MFR)が60〜250、より好ましくは80〜180の範囲で任意に選択できる。PPSの水分率は、複合紡糸時のPETの加水分解を抑制するために0.005重量%以下にすることが好ましい。
本発明の不織布を得るのに用いるPETは、特には制限されないが、好ましくは樹脂の極限粘度(IV)が0.60〜1.40、より好ましくは0.75〜1.10の範囲で任意に選択できる。PETの水分率は、PETの加水分解を抑制するために0.005重量%以下にすることが好ましい。
常法により、複合紡糸機を用い、例えば、芯/鞘の重量比を60/40とする場合は、鞘成分側にPPSを40部供給し、芯成分側にPETを60部供給して、紡糸温度295℃〜315℃にて複合紡糸ノズルで芯鞘複合構造を形成して所望繊度になる吐出量でオリフィスより紡糸して、4000m/分〜6000m/分の紡糸速度となるように牽引ジェットにて引き取る。
本発明における好ましい紡糸温度は、融点+15℃から+50℃で、合流後には溶融温度を同一温度に設定する。MFR100のPPSとIV1.0のPETでは、好ましくは、295℃〜310℃、より好ましくは300℃〜310℃である。融点+15℃未満では、溶融ポリマーの流動挙動が不安定化する場合があり、分配不良による芯鞘構造形成不良や、シャークスキンやメルトフラクチャー発生原因になるので好ましくない。融点+50℃を越えると、熱劣化が著しくなり、繊維の力学特性低下や、劣化物のオリフィスからの流出による孔曲がりや糸切れ発生原因になり好ましくない。合流複合構造形成時に異なる溶融温度では、溶融ポリマーの流動挙動が不安定化する場合があり、分配不良による芯鞘構造形成不良などを生じ好ましくない。
本発明での牽引位置は特には限定されないが、好ましい牽引位置は繊条鞘部が細化完了した後の位置である。細化が完了する前の位置では、繊条が融着する場合があるので、好ましくない。細化完了点は吐出量により変わるが、MFR100のPPSとIV1.0のPETではノズル面から800mm〜1500mmが好ましい。1500mmを越えると同伴流が成長して牽引効率が低下するので好ましくない。
本発明での紡糸速度は4000m/分から6000m/分である。4000m/分未満では芯成分の伸張配向が不十分になり、結晶化が進まず低収縮化できないので好ましくない。6000m/分を越えると、芯成分にボイドが発生して力学特性が低下したり、糸切れが発生したりする場合があるので好ましくない。
本発明では、牽引後、単繊維として測定した繊維の強度が3.0cN/dtex以上であり、繊維の乾熱180℃での収縮率(SHD180)が10%以下である長繊維繊条を、移動するコンベアネット等に開繊捕集させて芯鞘複合長繊維ウエッブを形成する。捕集コンベアはウエッブの飛散を抑制するための吸引機能を付加させることが好ましい。
次いで、開繊捕集された芯鞘複合長繊維ウエッブは、繊条鞘成分の第1結晶化温度(Tcrs)以下で仮接合する。仮接合は、後工程で本接合するまでのハンドリング性を保持する為にある程度の強度を付与するために施される。第1結晶化温度(Tcrs)以下とする理由は仮接合の時点で複合長繊維ウエッブが後工程で鞘成分が熱接合できるようにするためである。仮接合を高温で行うと、本接合時、鞘成分同士の圧着接合が難くなるので好ましくない。本発明例として、PPSを鞘成分に用いる場合、PPSの第1結晶化温度である120℃〜150℃以下、即ち仮接合温度は120℃以下から変形可能なガラス転移点温度の80℃以上が好ましく、より好ましくは115℃以下から100℃以上である。仮接合温度がPPSのガラス転移点温度の80℃未満ではPPSが塑性変形し難く仮接合が不完全になるので、仮接合長繊維ウエッブの強度付与が不足し搬送性が不安定となる場合があり好ましくない。さらに後の緊張熱処理時に長繊維ウエッブが相互に把持されていないことで収縮斑が発生し外観不備及び強度低下を引き起こすため好ましくない。また、仮接合方法としては、上下熱ロールによる接合方法が最も簡便な方法であるが、上ロールのみに熱がかかる上下ロール方法等、特に限定されるものではない。
次いで、本発明では、連続して、又は一旦巻き取り、鞘成分の第1結晶化温度以上の温度条件で本接合を施し本発明の不織布を得ることができる。本発明において本接合とは、得られた長繊維ウエッブに仮接合温度に比べて高い温度の熱圧着を施こして長繊維不織布に一定の強度を発現させることを言う。本工程は各用途により温度、接着圧力、接着面積率といった熱接着条件を変更することで対応することができる。例えば、プリーツ型フィルター材においてはプリーツを作製する為の剛性が必要であるので、ある程度の厚みを有することが好ましい。熱接着条件は、生産速度等、種々影響する要因があり、限定されないが、鞘成分にPPSを用いた場合の熱接着温度は220℃〜270℃、熱接着圧力は20〜100kg/cm、接着面積率は5〜50%の範囲から適宜設定される。なお、高温での耐熱寸法安定性を所望する場合、必要に応じて熱セット処理を行なっても良い。
かくして得られた本発明の不織布は、ポリアリーレンサルファイドの耐熱性及び耐薬品性を保持しながら、ポリアリーレンサルファイド単成分繊維の欠点である寸法安定性と力学特性を改良するとともに、ポリアリーレンサルファイド単成分長繊維不織布より安価に提供することができる。さらに、本発明の不織布は、ポリアリーレンサルファイドの特徴を生かした各種用途、例えば電気絶縁材、絶縁基板、フィルター、断熱材、補強繊維などに展開が可能となる。
本発明の不織布の優れた効果を以下の実施例及び比較例を用いて示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例及び比較例中の物性値の評価は以下の方法で行なった。
<芯鞘比>
得られた仮接着前の長繊維フリースの任意部位10箇所からサンプリングした試験片を包埋して繊維断面が観察できるように切片を作成セットし、位相差型透過顕微鏡にて繊維軸を横切る方向にほぼ直角に切断されている任意の繊維断面50本について写真撮影し、写真を拡大して各繊維の断面から芯鞘面積を求め、それら値を平均して鞘成分と芯成分の断面積比と使用樹脂の固形密度から重量換算して芯鞘比を算出した。
<単繊維の繊度>
芯鞘比を求めた断面積から各芯鞘成分に使用した樹脂の固形密度と長さ10000mでの重量を計算して単繊維繊度(dtex)を算出した。
<単繊維の強度>
JIS L 1013の8・5に準じて、単繊維フィラメントを用い、掴み長さを25cmとして、定速伸張法にて測定し、繊度当りの強度として、n=30の平均値を求めた。
<単繊維の収縮率>
JIS L 1013の8・18 B法に準拠して、単繊維フィラメントを取り出し、試料長50cmにて、乾熱180℃雰囲気中に30分間放置後の収縮率を求めた。任意の場所4箇所から各n=20のサンプルを採取し、平均値を算出した。
<単繊維の剥離性>
JIS L 1095 磨耗強さ B法に準拠して、単繊維を20本使用し、磨耗回数は1200回(10分)として、10回の試験を行い、磨耗部分の剥離状態を目視観察して、以下の評価を行った。
50%以上剥離:×、20%以上剥離:△、20%未満剥離:○
<広角X線回折干渉像(WAXD)測定>
X線発生装置として理学電機社(株)製:4036A2型を用い、以下の条件で測定した。
X線源 :CuKα線(Niフィルター使用)
出力 :35KV 15mA
スリット径 :1mm径ピンホールコリメータ使用
撮影条件 カメラ半径:40mm
露出時間 :20分
フイルム :Kodak DEF−5結晶サイズ
比較のPET回折干渉像を図1、PPSの回折干渉像を図2に示す。
<小角X線回折干渉像(SAXS)測定>
X線発生装置として理学電機社(株)製:RU−200型を用い、以下の条件で測定した。
X線源 :CuKα線(Niフィルター使用)
出力 :50KV 200mA
スリット径 :0.5mm径
撮影条件 カメラ半径:400mm
露出時間 :120分
フイルム :Kodak DEF−5
比較のPETの配向結晶化特有の回折干渉像を図3に、PETの通常の回折干渉像を図4に示す。
<紡糸速度>
上記方法で得られた単繊維の繊度T(dtex)と設定の単孔吐出量Q(g/min)から式V=(10000×Q)/Tに基づき、紡糸速度V(m/min)を求めた。
<第1結晶化温度>
JIS K7121に準じてPERKIN−ELMER社製DSC7にてポリアリーレンサルファイド試料を5mg秤量し、20℃から340℃まで20℃/分にて昇温させ、得られる示差熱分析曲線から結晶化ピーク(発熱ピーク)の頂点の温度とした。なお、ピークが複数存在する場合は、最も高温側のピーク頂点の温度とした。試料より5点採取して得られたピーク頂点の温度の平均値を算出した。
<融点>
JIS K7121に準じて上記と同様にPERKIN−ELMER社製DSC7にて各試料を5mg秤量し、20℃から340℃まで20℃/分にて昇温させ、得られる示差熱分析曲線から融解ピーク(吸熱ピーク)の頂点の温度とした。なお、ピークが複数存在する場合は、最もピークエリアの広い、即ち主成分の結晶融解ピークの頂点の温度とした。試料より5点採取して得られたピーク頂点の温度の平均値を算出した。
<ガラス転移点温度>
JIS K7121に準じて上記と同様にPERKIN−ELMER社製DSC7にて、予め窒素雰囲気下350℃に溶融した樹脂を急冷乾燥した各試料を5mg秤量し、20℃で装置が安定するまで保持後20℃/分にて昇温させ予想ガラス転移点温度より30℃以上高い温度まで昇温させ、得られる示差熱分析曲線から、低温側と高温側のベースラインからの折曲ラインの最大勾配の接線の高さ変化の半価幅を求め、半価幅の中間点温度をガラス転移点温度とした。試料より5点採取して得られたピーク頂点の温度の平均値を算出した。
<耐熱性強度保持率>
ヤマト科学社製オーブンDS64を使用し、180℃×1000時間、曝露させた後、JIS L1906(2000)に準拠して測定した引張強度S1を測定した。予め曝露前に同様の方法で測定した引張強度S0から式Sr(%)=(S1/S0)×100に基づき、強度保持率Sr(%)を求めた。
<耐薬品性強度保持率 HNO
90℃、1N硝酸水溶液中に48時間浸漬後、上記と同様に引張強度を測定し、強度保持率(%)を求めた。
<耐薬品性強度保持率 HSO
90℃、1N硫酸水溶液中に48時間浸漬後、上記と同様に引張強度を測定し、強度保持率(%)を求めた。
<不織布の乾熱収縮率>
JIS L1906(2000)に準拠して測定した。なお、恒温槽への挿入条件は180℃×60分とした。
<実施例1>
芯成分に融点265℃、ガラス転移点温度68℃、IV1.1のPETを用い、鞘成分に融点280℃、ガラス転移点温度80℃、第1結晶化温度125℃、MRF120のPPS((株)クレハ製:フォートロンKPS)を用いて、芯鞘分配比50/50にて、紡糸温度305℃で、オリフィス径0.36mmのノズル口金より、単孔吐出量2.3g/分(1.15g/分、1.15g/分)で常法により複合紡糸し、紡糸口金直下1.0mの位置に配したエジェクタに3.5kgf/cmの圧力で乾燥エアを供給し、フィラメントを牽引させ、下方1.0mの位置で10m/分の速度で移動しているコンベアネット上へ繊維束を開繊させつつ捕集し、長繊維ウエッブを得た。
得られた長繊維の単繊維繊度は4.7dtex、単繊維強度は3.3cN/dtex、単繊維収縮率は4.1%、単繊維剥離性は○、芯鞘比は50/50、換算した紡糸速度は4800m/分であった。この複合長繊維のWAXDでは、PETの結晶化を示す赤道上に干渉パターンを示し、SAXSでは、配向結晶化特有の4点干渉パターンを得られなかった。従って、この複合長繊維では、PETが配向結晶化しないで結晶化したことが確認できた。
次いで、インライン上に設置された仮接合用上下ローラーにて上ロールを梨地調カレンダロールとし、温度100℃、線圧8kg/cm、下ロールを非加熱ローラーとして長繊維ウエッブを把持して仮接合させた。その後、プリーツ型フィルター材用として圧着面積率15%の彫刻ローラーにて温度250℃、線圧50kg/cmでカレンダー加工による本接合を施し、目付量240g/mの長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の不織布強度、耐熱性強度保持率、耐薬品性強度保持率HNO、耐薬品性強度保持率HSO、及び不織布の乾熱収縮率を表1に示す。表1から明らかな通り、得られた長繊維不織布は、初期データからの劣化が少なく、また収縮率も低く、高温での寸法安定性に優れたプリーツ型フィルター材に適した耐熱性及び耐薬品性の長繊維不織布である。
<実施例2>
芯成分の単孔吐出量を1.38g/分とし、鞘成分の単孔の吐出量を0.92g/分とした以外、実施例1と同様に紡糸、牽引後、開繊捕集して長繊維ウエッブを得た。
得られた長繊維の単繊維繊度は4.7dtex、単繊維強度は3.5cN/dtex、単繊維収縮率は5.0%、単繊維剥離性は○、芯鞘比は60/40、換算した紡糸速度は4800m/分であった。この複合長繊維のWAXDでは、PETの結晶化を示す赤道上に干渉パターンを示し、SAXSでは、配向結晶化特有の4点干渉パターンを得られなかった。従って、この複合長繊維では、PETが配向結晶化しないで、結晶化したことが確認できた。
次いで、インライン上に設置された仮接合用上下ローラーにて上ロールを梨地調カレンダロールとし、温度100℃、線圧8kg/cm、下ロールを非加熱ローラーとして長繊維ウエッブを把持して仮接合させた。その後、プリーツ型フィルター材用として圧着面積率15%の彫刻ローラーにて温度250℃、線圧50kg/cmでカレンダー加工による本接合を施し、目付量240g/mの長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の不織布強度、耐熱性強度保持率、耐薬品性強度保持率HNO、耐薬品性強度保持率HSO、及び不織布の乾熱収縮率を表1に示す。表1から明らかな通り、得られた長繊維不織布は、実施例1と同様にプリーツ型フィルター材に適した耐熱性及び耐薬品性の長繊維不織布である。
<比較例1>
IVが0.60のPETを用い、エジェクタに供給する乾燥エアの圧力を2.5kgf/cmとした以外、実施例1と同様にして開繊積層した長繊維ウエッブを得た。
得られた長繊維の単繊維繊度は5.3dtex、単繊維強度は1.8cN/dtex、単繊維収縮率は45.0%、単繊維剥離性は△、芯鞘比は50/50、換算した紡糸速度は3500m/分であった。この複合長繊維のWAXDでは、本来PETの結晶化を示す赤道上にハロー以外の干渉パターンを示さなかった。従って、この長繊維不織布では、PET及びPPSが結晶化していないことが確認できた。
実施例1と同様にして連続して長繊維ウエッブを仮接合すると収縮による変形を生じた。次に、実施例1と同様にして本接合を行おうとしたが、シートの収縮が著しく、シートが硬化したため、熱エンボス加工による不織布の形成を断念した。このように、比較例1は、熱エンボス加工のみでは、正常な長繊維不織布を得られなかった。
<比較例2>
芯鞘比を90/10とした以外、実施例1と同様にして長繊維ウエッブを得た。
得られた長繊維の単繊維繊度は4.8dtex、単繊維強度は4.1cN/dtex、単繊維収縮率は4.0%、単繊維剥離性は×、断面観察では破裂糸が多数発生し、芯鞘比は91/9でバラツキが大きく、換算した紡糸速度は4792m/分であった。この複合長繊維のWAXDでは、PETの結晶化を示す赤道上に干渉パターンを示し、SAXSでは、配向結晶化特有の4点干渉パターンを示した。従って、この複合長繊維では、PETが配向結晶化したことが確認できた。
次に、実施例1と同様に仮接合し、巻き取った後、本接合エンボス処理を行い、目付量240g/mの長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の不織布強度、耐熱性強度保持率、耐薬品性強度保持率HNO、耐薬品性強度保持率HSO、及び不織布の乾熱収縮率を表1に示す。表1から明らかな通り、得られた長繊維不織布は、収縮率が低く、高温での寸法安定性はやや良好だが、耐薬品性に劣り、耐薬品性を要求されるプリーツ型フィルター材に不適な不織布である。
<比較例3>
芯鞘比を10/90にした以外、実施例1と同様にして開繊積層した長繊維ウエッブを得た。
得られた長繊維の単繊維繊度は4.9dtex、単繊維強度は2.1cN/dtex、単繊維収縮率は31.0%、単繊維剥離性は○、芯鞘比は10/90、換算した紡糸速度は4694m/分であった。この複合長繊維のWAXDでは、本来PETの結晶化を示す赤道上にハロー以外に若干の干渉パターンを示した。従って、この複合長繊維では、PETは結晶化が進みつつあるがPPSが結晶化していないことが確認できた。
実施例1と同様にして、連続して長繊維ウエッブを仮接合すると収縮による変形を生じた。次に、実施例1と同様にして、本接合を行おうとしたが、シートの収縮が著しく、シートが硬化したため、熱エンボス加工による不織布の形成を断念した。このように、比較例3は、熱エンボス加工のみでは、正常な長繊維不織布を得られなかった。
<比較例4>
エジェクタに供給する乾燥エアの圧力を6.5kgf/cmに変更した以外、実施例1と同様にして長繊維ウエッブを得た。
得られた長繊維の単繊維繊度は3.3dtex、単繊維強度は1.8cN/dtex、単繊維収縮率は3.1%、単繊維剥離性は×、断面観察では、破裂糸も発生し、芯鞘比は50/50でバラツキが大きく、換算した紡糸速度は6874m/分であった。この複合長繊維のWAXDでは、PET、およびPPSの結晶化を示す赤道上の干渉パターンが認められた。従って、この複合長繊維では、PET及びPPSが結晶化したことが確認できた。
次に、実施例1と同様に仮接合し、巻き取った後、本接合エンボス処理を行い、目付量240g/mの長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の不織布強度、耐熱性強度保持率、耐薬品性強度保持率HNO、耐薬品性強度保持率HSO、及び不織布の乾熱収縮率を表1に示す。表1から明らかな通り、得られた長繊維不織布は、収縮率が低く、高温での寸法安定性はやや良好だが、耐薬品性がやや劣り、力学特性に劣る長繊維不織布であり、プリーツ型フィルター材に不適な不織布である。
<比較例5>
芯成分に融点225℃、ガラス転移点温度48℃、IV0.63の共重合ポリエステルであって酸成分としてイソフタル酸/テレフタル酸を15モル/85モル用い、グリコール成分としてエチレングリコールを用いた共重合ポリエステルを用い、紡糸温度を295℃とした以外、実施例1と同様にして長繊維ウエッブを得た。
得られた長繊維の単繊維繊度は4.9dtex、単繊維強度は1.4cN/dtex、単繊維収縮率は48.0%、単繊維剥離性は△、芯鞘比は50/50、換算した紡糸速度は4694m/分であった。この複合長繊維のWAXDでは、本来PETの結晶化を示す赤道上にハロー以外の干渉パターンを示さなかった。従って、この複合長繊維では、PET及びPPSが結晶化していないことが確認できた。
実施例1と同様にして、連続して長繊維ウエッブを仮接合すると収縮による変形を生じた。次に、実施例1と同様にして、本接合を行おうとしたが、シートの収縮が著しく、シートが硬化したため、熱エンボス加工による不織布の形成を断念した。このように、比較例5は、熱エンボス加工のみでは、正常な長繊維不織布を得られなかった。
本発明によれば、ポリアリーレンサルファイドの耐熱性及び耐薬品性を保持しながら、ポリアリーレンサルファイド単成分繊維の欠点である寸法安定性と力学特性を改良した長繊維不織布を、ポリアリーレンサルファイド単成分長繊維不織布より安価に提供することができる。かかる長繊維不織布は、ポリアリーレンサルファイドの特徴を生かした各種用途、例えば電気絶縁材、絶縁基板、フィルター、断熱材、補強繊維などに利用でき、産業上の利用価値が大である。
ポリエチレンテレフタレートの広角X線回折干渉像である。 ポリフェニレンサルファイドの広角X線回折干渉像である。 ポリエチレンテレフタレートの配向結晶化による特有の小角X線回折干渉像である。 ポリエチレンテレフタレートの小角X線回折干渉像である。

Claims (3)

  1. 鞘成分がポリアリーレンサルファイドを95質量%以上含み、芯成分が、芯成分の融点Tmc(℃)と鞘成分の融点Tms(℃)の関係がTmc<Tms<Tmc+30℃を満足し、鞘成分のガラス転移点温度Tgs(℃)と芯成分のガラス転移点温度Tgc(℃)の関係がTgc<Tgs<Tgc+30℃を満足する熱可塑性樹脂からなり、芯/鞘の重量比が40〜60/60〜40である複合長繊維を用いて接合一体化された長繊維不織布であって、複合長繊維における単繊維の強度が3.0cN/dtex以上であり、単繊維の乾熱180℃での収縮率(SHD180)が10%以下であることを特徴とする長繊維不織布。
  2. 鞘成分のポリアリーレンサルファイドがポリフェニレンサルファイド(PPS)であり、芯成分の熱可塑性樹脂がポリエチレンテレフタレート(PET)であることを特徴とする請求項1記載の長繊維不織布。
  3. 鞘成分にポリフェニレンサルファイドを用い、芯成分にポリフェニレンサルファイドの融点より低く、融点差が30℃未満である融点を有し、ポリフェニレンサルファイドのガラス転移点温度より低く、ガラス転移点温度差が30℃未満であるガラス転移点温度を有する熱可塑性樹脂を用いて複合紡糸により、紡糸速度4000m/分〜6000m/分で牽引流体により引き取ることにより得られた複合長繊維を、長繊維ウエッブの状態で拡開捕集させ、鞘成分の第1結晶化温度以下で仮接合を施し、次いで鞘成分の第1結晶化温度以上の温度条件で本接合を施す長繊維不織布の製造方法であって、複合長繊維の芯/鞘の重量比が40〜60/60〜40であり、複合長繊維における単繊維の強度が3.0cN/dtex以上であり、単繊維の乾熱180℃での収縮率(SHD180)が10%以下であることを特徴とする長繊維不織布の製造方法。
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