JPH08158232A - 繊維ウエブの製造方法および製造装置 - Google Patents

繊維ウエブの製造方法および製造装置

Info

Publication number
JPH08158232A
JPH08158232A JP6331267A JP33126794A JPH08158232A JP H08158232 A JPH08158232 A JP H08158232A JP 6331267 A JP6331267 A JP 6331267A JP 33126794 A JP33126794 A JP 33126794A JP H08158232 A JPH08158232 A JP H08158232A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
multifilament yarn
continuous multifilament
carrier fluid
fiber web
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6331267A
Other languages
English (en)
Inventor
Michio Yamazaki
道男 山崎
Makoto Nishimura
誠 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP6331267A priority Critical patent/JPH08158232A/ja
Publication of JPH08158232A publication Critical patent/JPH08158232A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 紡糸速度を適度に低く抑えて高い破断伸度を
達成しつつ、連続マルチフィラメント糸条の開繊、拡開
性を高める。 【構成】 溶融紡糸した連続マルチフィラメント糸条Y
を搬送流体とともに糸噴射ノズル5から噴出せしめ、噴
出された糸条Y5を衝突面11aに衝突させることによ
り開繊、拡開して繊維ウエブを製造するに際し、糸噴射
ノズル5の、マルチフィラメント糸条Yおよび搬送流体
を通過せしめる導通孔6を先細りにして搬送流体の流速
を増大せしめ、マルチフィラメント糸条Yを流速の増大
された搬送流体と共に糸噴射ノズル5から噴出せしめる
繊維ウエブの製造方法および製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパンボンド等の生産
において、連続マルチフィラメント糸条を搬送流体と共
に糸噴射ノズルから噴出せしめ、衝突面に衝突させるこ
とによって、該連続マルチフィラメント糸条を開繊、拡
開して繊維ウエブを製造する繊維ウエブの製造方法およ
び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】紡糸口金から紡出中の連続マルチフィラ
メント糸条を吸引装置によって吸引すると共に開繊及び
拡開を行い直接シート状のウエブを形成する繊維ウエブ
製造装置は、特開昭60−162852号公報に示され
るようにスパンボンド製造装置として一般に使用されて
いる。このような製造装置で生産性を向上させる場合の
重要課題は生産条件の安定化であり、その中でも特に開
繊条件の安定化は最重要なものの一つである。このた
め、連続マルチフィラメント糸条の開繊方法は従来から
種々の技術が提案されている。
【0003】一般的に良く知られている方法としては、
糸条吸引装置への圧縮性流体の供給量を増やすことによ
って開繊性を良くする方法や、特公昭59−1721
2、特公昭59−20013、特開昭60−11925
8号公報に代表されるように、糸条に静電気が帯電しや
すい衝突部材を使用する方法や、特公昭63−4201
5号公報のように衝突部材に圧電素子を使用する方法、
また特開昭61−12972号公報に代表されるポリマ
ーチップや糸条に開繊性強化剤を添加する方法や、特開
昭50−13676号公報のように帯電装置の使用によ
って糸条の帯電強化を行い、開繊性を向上させる方法等
が知られている。
【0004】しかし、圧縮性流体の供給量を増やす方法
は開繊性を向上する効果はあるものの、生産コストの上
昇を招くと共に、装置全体の気流を乱して、逆に製品品
質を悪くする場合があった。また、糸条に静電気が帯電
しやすい衝突部材を使用する方法も、開繊性の良い衝突
部材材質は開繊性の良好な期間、すなわち寿命が短く、
寿命の長い衝突部材は開繊性が十分でないといった問題
があった。
【0005】また、ポリマーチップや糸条に開繊性強化
剤を添加する方法においては、使用できるポリマーが限
定されたり、開繊強化剤を添加する場所が紡糸口金直下
付近では紡糸条件を乱すため採用しにくい等の問題があ
った。さらに、帯電装置の使用によって糸条への帯電強
化を行い開繊性を向上する方法は、高価な電源及び帯電
器を必要とし、保守においても専門の技術者を必要とす
る問題があり、設備コストの上でも割高となる欠点があ
った。
【0006】また、先に本出願人により、筒状部と、該
筒状部の下端の一部に連結された舌状部とから構成した
糸噴射ノズルを採用する方法も提案されている(実公昭
63−11198号公報)。該提案では、連続マルチフ
ィラメント糸条および搬送流体の流れを乱すことなく連
続マルチフィラメント糸条を充分に開繊、拡開すること
が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般的な繊
維ウエブの製造方法においては、連続マルチフィラメン
ト糸条は吸引装置によって高速で吸引され、糸噴射ノズ
ルより噴出させることにより、衝突部材に衝突または擦
過され、この時に発生した静電気によって単糸1本1本
が反発しあい開繊、拡開される。したがって、連続マル
チフィラメント糸条の開繊状態は、衝突部材との衝突力
及び、擦過時の摩擦力が大きいほど、また、衝突部材の
静電気発生量が多いほどよくなる。
【0008】そこで、実公昭63−11198号公報に
示すような、糸噴射ノズルを使用して、連続マルチフィ
ラメント糸条の開繊、拡開効果を大きくすることを目的
に静電気の発生量を多くし、糸条吸引装置で連続マルチ
フィラメント糸条を高速吸引し、紡糸速度を上げること
で衝突部材との衝突力を大きくする方法を試みた。この
方法では衝突部材との衝突力が増加できるため、開繊性
が向上する点では効果があったものの、高速吸引に伴っ
て紡糸速度が速くなるという問題が生じた。
【0009】すなわち、一般的に連続マルチフィラメン
ト糸条を直接紡糸して繊維ウエブを製造するときの紡糸
速度は、6000m/分以下であり、この範囲では、紡
糸速度が速くなるにしたがって糸伸度が低くなる傾向を
示す。したがって、上記方法では、紡糸速度の増加とと
もに、糸伸度が低くなる。このような物性の糸で作られ
たシートはスパンボンドの主流であるニードルパンチな
どの後加工を行うものでは、シート物性の破断伸度が極
度に低くなり、ニードルパンチなどの後加工ができず、
製品として使用できなくなる問題が生じた。つまり、糸
単体の物性としては問題なくても、製品であるシートの
物性が悪くなり後加工できなくなるおそれがある。
【0010】たとえば、ポリエステル糸では一般に紡糸
速度が約6000m/分程度で糸の強度は最高値を示す
が、この糸でスパンボンドシートを製造すると破断伸度
は図5に示すように、後加工ができる限界値の65%近
辺あるいはそれよりも低くなるおそれがある。そこで、
紡糸速度を5000m/分程度に遅くでき、しかも衝突
部材との衝突および擦過力が大きく、開繊性がよい糸噴
射ノズルの開発が待たれていた。
【0011】本発明はこのような一見矛盾した要望に応
えるべく開発されたもので、その基本的な考えは、糸条
吸引装置および糸噴射ノズルにおいては、糸搬送流体の
流量を抑えることで紡糸速度を適度に低く抑え、糸噴射
ノズルと衝突部材の間では、糸の衝突面への衝突力を増
すために、ノズル孔からの搬送流体の速度を高めること
にある。
【0012】すなわち、本発明の目的は、連続マルチフ
ィラメント糸条を開繊、拡開して繊維ウエブを製造する
に際し、紡糸速度を適度に低く抑えて高い破断伸度を達
成しつつ、マルチフィラメント糸条の良好な開繊、拡開
を実現できる、繊維ウエブの製造方法および製造装置を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的に沿う本発明の
繊維ウエブの製造方法は、溶融紡糸した連続マルチフィ
ラメント糸条を搬送流体と共に糸噴射ノズルから噴出せ
しめ、噴出された連続マルチフィラメント糸条を衝突面
に衝突させることにより該マルチフィラメント糸条を開
繊、拡開して繊維ウエブを製造するに際して、前記糸噴
射ノズルの、前記連続マルチフィラメント糸条および搬
送流体を通過せしめる導通孔を先細りにして搬送流体の
流速を増大せしめ、連続マルチフィラメント糸条を流速
の増大された搬送流体と共に糸噴射ノズルから噴出せし
めることを特徴とする方法からなる。
【0014】つまり、本発明者等は、鋭意検討の結果、
連続マルチフィラメント糸条を衝突部材と衝突させるこ
とによって開繊、拡開して繊維ウエブを製造するに際
し、糸噴射ノズルの導通孔を先細りにして搬送流体の流
速をノズル先端部およびノズルと衝突部材間でのみ増大
せしめ、連続マルチフィラメント糸条を流速の増大され
た搬送流体と共に糸噴射ノズルから噴出せしめて衝突面
に衝突させることで、紡糸速度を実質的に増大させるこ
となく、連続マルチフィラメント糸条を充分に開繊、拡
開することを見出し、本発明に至った。
【0015】この本発明に係る方法においては、上記糸
噴射ノズルから噴出された連続マルチフィラメント糸条
の飛翔経路は、糸噴射ノズルと衝突面との間で、湾曲面
に沿って曲げられることが好ましい。
【0016】また、上記導通孔の出口部における搬送流
体の流速は、150〜200m/秒に制御されることが
好ましい。
【0017】また、上記連続マルチフィラメント糸条の
好ましい例としては、たとえばポリエステルマルチフィ
ラメント糸を挙げることができる。
【0018】また、本発明に係る繊維ウエブの製造装置
は、溶融紡糸した連続マルチフィラメント糸条を搬送流
体と共に噴出せしめる導通孔を有する糸噴射ノズルと、
噴出された連続マルチフィラメント糸条が衝突し該連続
マルチフィラメント糸条を開繊、拡開させる衝突面を有
する衝突部材とを有する繊維ウエブの製造装置におい
て、前記導通孔を先細り形状に形成したことを特徴とす
るものからなる。
【0019】上記糸噴射ノズルと衝突部材との間には、
糸噴射ノズルから噴出された連続マルチフィラメント糸
の飛翔経路を曲げる湾曲面を有する部材を設けることが
好ましく、この部材は、糸噴射ノズルと一体に設けても
よく、別体に設けてもよい。また、導通孔出口部におけ
る搬送流体の好ましい流速は、150〜200m/秒で
ある。
【0020】
【作用】上記繊維ウエブの製造方法および製造装置にお
いては、糸噴射ノズルの連続マルチフィラメント糸条お
よび搬送流体が通過する導通孔が先細りにされているの
で、通過する搬送流体が導通孔先端側で徐々に絞られ、
糸噴射ノズル出口部においてのみ搬送流体の流速が増大
される。つまり、ノズル入口側において流速が適度に低
く抑えられつつ、出口側においてのみ流速が増大され
る。入口側で流速が低く抑えられることにより、紡糸速
度が抑えられ、糸伸度の低下が防止される。そして、出
口側の増大された流速の搬送流体により、マルチフィラ
メント糸条はより強く、しかも衝突面に対して最適な指
向性を維持した状態で衝突、擦過される。したがって、
衝突に伴う静電気発生量が増大し、連続マルチフィラメ
ント糸条の開繊、拡開性を紡糸速度や搬送気体の供給量
を増大させることなく、向上できる。
【0021】また、上記糸噴射ノズルから噴出された連
続マルチフィラメント糸条の飛翔経路を、衝突面との間
で湾曲面に沿って曲げるようにすれば、より最適な衝突
面に対する連続マルチフィラメント糸条の指向性を、よ
り容易に持たせることが可能となる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明繊維ウエブの製造方法および
製造装置の望ましい実施例を図面を参照して説明する。
図1および図2は本発明の一実施例に係る繊維ウエブの
製造装置を示している。図において、1は多数の吐出孔
(本実施例では口金孔数60のものを使用)を持つ溶融
紡糸口金を示しており、紡糸口金1から例えばポリエチ
レンテレフタレートからなる連続マルチフィラメント糸
条Yが溶融紡出される。紡糸口金1の周囲には加熱保温
部2が設けられており、連続マルチフィラメント糸条Y
の溶融粘度を低下させることによって、曵糸性を高める
ようになっている。なお、本実施例においては、連続マ
ルチフィラメント糸条Yとして、ポリエチレンテレフタ
レートマルチフィラメント糸が用いられているが、これ
に限定されるものではない。
【0023】3は糸条吸引手段であり、高圧の搬送流体
(本実施例では、高圧搬送流体として供給圧力5kgf
/cm2 の空気を使用)を用いてエジェクタ効果により
紡糸口金1から溶融紡出された連続マルチフィラメント
糸条Yを高速吸引する。加熱保温部2と糸条吸引手段3
の間には、図示を省略した糸条冷却手段が設置されてい
る。糸条吸引手段3の下流側にはパイプ4が接続されて
おり、糸条吸引手段3から噴出される搬送流体によっ
て、パイプ4内を連続マルチフィラメント糸条Yが随伴
牽引されるようになっている。
【0024】高圧の高速流体に随伴吸引された連続マル
チフィラメント糸条Yは、パイプ4のパイプ上端4aを
経てパイプ下端4bに接続される糸噴射ノズル5内へと
吸引される。
【0025】糸噴射ノズル5内には、連続マルチフィラ
メント糸条Yと搬送流体を通過せしめる導通孔6が形成
されている。導通孔6は、連続マルチフィラメント糸条
Yの搬送方向の上流から順に糸噴射ノズル入口部7、テ
ーパ状に先細り形状に形成された糸噴射ノズル先細り部
8、および糸噴射ノズル出口部9によって形成されてい
る。
【0026】また、糸噴射ノズル5の糸噴射ノズル出口
部9の端部には、糸噴射ノズル5と後述の衝突部材11
との間で糸噴射ノズル出口部9から噴出された連続マル
チフィラメント糸条Yの飛翔経路を湾曲せしめる舌状部
材10が設けられており、本実施例ではノズル5と一体
に形成されている。舌状部材10は、図2に示すように
湾曲10aを有している。
【0027】糸噴射ノズル出口部9から噴出される搬送
流体の流速は、150〜200m/秒になるように制御
されている。これは、連続マルチフィラメント糸条Yの
速度、つまり紡糸速度(約80m/秒)の約1.8〜
2.4倍に相当するようになっている。
【0028】なお、本実施例においては、舌状部材10
は糸噴射ノズル5に一体的に構成されているが、これに
限定されるものではなく、別体として構成することも可
能である。
【0029】糸噴射ノズル出口部9から、搬送流体とと
もに噴出された連続マルチフィラメント糸条Yは、次い
で糸噴射ノズル5の舌状部10の湾曲面10aによって
方向転換された後、連続マルチフィラメント糸条Yの進
行方向に対し斜設された衝突部材11の糸条衝突面11
aに衝突する。この衝突により、連続マルチフィラメン
ト糸条Yは静電気帯電されると共に方向転換される。そ
して、方向転換を行うときに搬送流体と静電気の作用に
よって、開繊、拡開される。パイプ4及びそれに続く糸
噴射ノズル5は駆動手段13によって左右に(衝突部材
11の延設方向に)首振り運動をしながら、衝突により
方向転換する連続マルチフィラメント糸条Yを更に幅広
く拡幅させ、空気吸引手段を持つネットコンベア12上
に均一な厚さのシート状の繊維ウエブWを形成する。
【0030】また、糸条吸引手段3の内部には多数のノ
ズルからなる整流機構(図示略)が配設されている。こ
のため、糸条吸引手段3に供給された搬送流体は糸条吸
引手段3の内部で密度が粗密斑の無い均等な分布とな
る。したがって、延伸用パイプ下端4bから噴出した搬
送流体は、ほぼ真っ直ぐな直噴流となり、旋回すること
はない。そのため、連続マルチフィラメント糸条Yに仮
撚りが与えられることはなく、その上流側においても連
続マルチフィラメント糸条Yが融着を生ずることはな
い。また、衝突部材11は、鉛を主成分とする金属によ
り構成されており、ネットコンベア12を横切るように
配置されている。延伸用のパイプ4及びそれに続く糸噴
射ノズル5の首振りによって連続マルチフィラメント糸
条Yが衝突部材11に絡まることがないようになってい
る。
【0031】本実施例において、本発明に係る繊維ウエ
ブの製造方法は、以下のように実施される。まず、紡糸
口金1から連続的にマルチフィラメント糸条Yが溶融紡
出される。連続マルチフィラメント糸条Yは、搬送流体
としての高圧空気を用いた糸条吸引3により吸引され
て、搬送流体とともにパイプ4内に送られる。このと
き、搬送流体の流速および流量は、比較的低く抑えられ
るので、外乱を生じることなく、所望の紡糸性が得られ
る。糸条吸引装置3およびパイプ4内で延伸された連続
マルチフィラメント糸条Yは、糸噴射ノズル5の入口部
7から導入され、先細り部8を介して出口部9から噴出
される。この際、連続マルチフィラメント糸条Yを搬送
する搬送流体は、糸噴射ノズル5の先細り部8を通過す
ることにより徐々に流路が絞られるので、出口部9にお
ける流速が増大し、最適な流速(たとえば150〜20
0m/秒)まで高められる。
【0032】出口部9から流速が増大された搬送流体と
ともに噴出された連続マルチフィラメント糸条Yは、舌
状部10の湾曲面10aによってその飛翔経路が曲げら
れ、衝突部材11の糸条衝突面11aに衝突あるいは擦
過される。
【0033】衝突部材11の衝突面11aへの衝突によ
って連続マルチフィラメント糸条Yは静電気帯電され
る。この静電気と搬送流体の作用により、連続マルチフ
ィラメント糸条Yが開繊、拡開される。この衝突の際、
連続マルチフィラメント糸条Yは、上記のように流速が
増大された搬送流体によってより強く衝突部材11に衝
突され、より強く擦過されるので、静電気の帯電量が増
大する。さらに、舌状部10によって連続マルチフィラ
メント糸条Yの飛翔経路には、衝突面11aに対して最
適な指向性が付与されている。これらによって、連続マ
ルチフィラメント糸条Yの開繊、拡開が向上する。な
お、本実施例では、衝突面11aは、静電気が帯電し易
い鉛を主成分とする金属で形成されているので、この面
に衝突された連続マルチフィラメント糸条Yの開繊は一
層効果的に行われる。
【0034】また上記のように静電気力により単糸が一
本一本まで開繊された連続マルチフィラメント糸条は、
空気吸引手段を持つネットコンベア12上に均一な厚さ
のシート状の繊維ウエブWとして捕集される。
【0035】次に、前記装置を用いて試験した、より具
体的な実施例について説明する。糸噴射ノズル5の入口
部7の径を従来ノズルと同じ10mmにし、出口部9の
径を8.8mmにしたものを使用し、内径10mmの従
来ノズルと比較した。結果、図3に示すように、糸噴射
ノズルより出て衝突部材11に衝突し、開繊された糸条
をコンベア12上で捕集したときの1錘あたりの捕集
幅、すなわち開繊幅で46cmを得るのに必要な搬送流
体圧力(空気圧力)は、従来ノズルで約5kgf/cm
2 なのに対し、本発明による糸噴射ノズル5では約4k
gf/cm2と低くすることができた。また、このとき
の搬送流体の速度は、従来ノズルが167m/秒に対
し、本発明によるノズルは197m/秒であった。また
図4に示すように、このときの紡糸速度は、従来ノズル
では約4870m/分であるのに対し、本発明によるノ
ズルでは約4540m/分と遅くできることが判る。し
たがって、糸噴射ノズル出口部9の搬送流体の流速を速
くすることで、紡糸速度は遅くても大幅に開繊性を向上
できることがわかる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る繊維
ウエブの製造方法および製造装置によるときは、糸噴射
ノズルの入口部よりも出口部の径を小さくすることによ
って、つまり導通孔を先細り形状にすることによって、
糸噴射ノズル出口部でのみ搬送流体の速度が速くなり、
連続マルチフィラメント糸条は衝突部材に衝突した後強
く押し当てられ擦過するため、より強く静電気が帯電し
易くなる。この結果、単糸どうしの反発力が増すことに
なる。したがって、紡糸性を低下させることなく、糸条
の開繊、拡開性を向上することができる。
【0037】また、紡糸速度は比較的遅く設定できるの
で糸伸度が向上し、充分な破断強度を有する繊維ウエブ
を得ることができる。
【0038】また、糸噴射ノズルの導通孔を先細り形状
にするだけの簡単な構造であるから、安価に実施でき、
しかもメンテナンスの簡便化も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る繊維ウエブ製造装置の
概略側面図である。
【図2】図1の装置の糸噴射ノズル周りの拡大縦断面図
である。
【図3】本発明における搬送流体圧力(空気圧力)と開
繊幅との関係図である。
【図4】本発明における搬送流体圧力(空気圧力)と紡
糸速度との関係図である。
【図5】従来の繊維ウエブ製造装置における紡糸速度と
繊維ウエブの破断伸度との関係図である。
【符号の説明】
1 溶融紡糸口金 2 加熱保温部 3 糸条吸引手段 4 パイプ 4a パイプ上端 4b パイプ下端 5 糸噴射ノズル 6 導通孔 7 糸噴射ノズル入口部 8 糸噴射ノズル先細部 9 糸噴射ノズル出口部 10 舌状部 10a 湾曲面 11 衝突部材 11a 衝突面 12 ネットコンベア 13 駆動手段 Y 連続マルチフィラメント糸条 W シート状の繊維ウエブ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融紡糸した連続マルチフィラメント糸
    条を搬送流体と共に糸噴射ノズルから噴出せしめ、噴出
    された連続マルチフィラメント糸条を衝突面に衝突させ
    ることにより該マルチフィラメント糸条を開繊、拡開し
    て繊維ウエブを製造するに際して、前記糸噴射ノズル
    の、前記連続マルチフィラメント糸条および搬送流体を
    通過せしめる導通孔を先細りにして搬送流体の流速を増
    大せしめ、連続マルチフィラメント糸条を流速の増大さ
    れた搬送流体と共に糸噴射ノズルから噴出せしめること
    を特徴とする、繊維ウエブの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記糸噴射ノズルから噴出された連続マ
    ルチフィラメント糸の飛翔経路が、該糸噴射ノズルと前
    記衝突面との間で、湾曲面に沿って曲げられる、請求項
    1の繊維ウエブの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記導通孔の出口部における搬送流体の
    流速が150〜200m/秒に制御される、請求項1ま
    たは2の繊維ウエブの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記連続マルチフィラメント糸条がポリ
    エステルマルチフィラメント糸条からなる、請求項1な
    いし3のいずれかに記載の繊維ウエブの製造方法。
  5. 【請求項5】 溶融紡糸した連続マルチフィラメント糸
    条を搬送流体と共に噴出せしめる導通孔を有する糸噴射
    ノズルと、噴出された連続マルチフィラメント糸条が衝
    突し該連続マルチフィラメント糸条を開繊、拡開させる
    衝突面を有する衝突部材とを有する繊維ウエブの製造装
    置において、前記導通孔を先細り形状に形成したことを
    特徴とする繊維ウエブの製造装置。
  6. 【請求項6】 前記糸噴射ノズルと衝突部材との間に、
    糸噴射ノズルから噴出された連続マルチフィラメント糸
    条の飛翔経路を曲げる湾曲面を有する部材が、前記糸噴
    射ノズルと一体または別体に設けられている、請求項5
    の繊維ウエブの製造装置。
  7. 【請求項7】 前記連続マルチフィラメント糸条がポリ
    エステルマルチフィラメント糸条からなる、請求項5ま
    たは6の繊維ウエブの製造装置。
JP6331267A 1994-12-07 1994-12-07 繊維ウエブの製造方法および製造装置 Pending JPH08158232A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6331267A JPH08158232A (ja) 1994-12-07 1994-12-07 繊維ウエブの製造方法および製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6331267A JPH08158232A (ja) 1994-12-07 1994-12-07 繊維ウエブの製造方法および製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08158232A true JPH08158232A (ja) 1996-06-18

Family

ID=18241784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6331267A Pending JPH08158232A (ja) 1994-12-07 1994-12-07 繊維ウエブの製造方法および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08158232A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009155764A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Toyobo Co Ltd 長繊維不織布とその製造方法
WO2022055131A1 (ko) * 2020-09-08 2022-03-17 코오롱인더스트리 주식회사 잔류 유해물을 함유하지 않고 향상된 개섬 품위를 가지는 스펀본드 부직포, 그 제조 방법 및 제조 장치

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009155764A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Toyobo Co Ltd 長繊維不織布とその製造方法
WO2022055131A1 (ko) * 2020-09-08 2022-03-17 코오롱인더스트리 주식회사 잔류 유해물을 함유하지 않고 향상된 개섬 품위를 가지는 스펀본드 부직포, 그 제조 방법 및 제조 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3007157B2 (ja) 熱可塑性フィラメントのウェブの製造装置及び製造方法
EP2126178B1 (en) Method and apparatus for enhanced fiber bundle dispersion with a divergent fiber draw unit
KR840000196B1 (ko) 부직 웨브의 제조장치
KR100590981B1 (ko) 냉각 송풍을 수반하는 방사 장치 및 방법
JP4549541B2 (ja) 不織布ウェブの製造中に繊維束を開繊し分配する装置
JP2005146502A (ja) 溶融紡糸装置用の安定化フィラメント延伸装置
US5439364A (en) Apparatus for delivering and depositing continuous filaments by means of aerodynamic forces
JPH08158232A (ja) 繊維ウエブの製造方法および製造装置
US7008205B2 (en) Installation for producing a spunbonded fabric web whereof the diffuser is distant from the drawing slot device
CN109072519B (zh) 无纺布的制造装置及无纺布的制造方法
JP3173911B2 (ja) 長繊維不織布の製造方法
JP4419685B2 (ja) 不織布の製造方法および不織布製造装置
JP3269542B2 (ja) 繊維ウエブの製造方法及び装置
JPS6218661B2 (ja)
JPS60151356A (ja) 繊維ウエブの製造装置
KR20020081131A (ko) 연속 섬유로 이루어진 웨브의 제조 장치
JPH09157937A (ja) メルトブロー紡糸口金
WO2019187887A1 (ja) 延伸装置、ならびに、繊維および繊維ウェブの製造装置および製造方法
JPH04174753A (ja) 長繊維不織布
JP2001303420A (ja) 高均一性不織布の製造方法およびその装置
JP3975765B2 (ja) 糸条の流体処理装置
JPS60162852A (ja) 繊維ウェブの製造方法
JPH05321014A (ja) 紡糸装置および紡糸方法
JP2008019514A (ja) マルチフィラメント糸条用交絡装置およびそれを用いたマルチフィラメント糸条の製造方法
JPS60151357A (ja) 繊維ウェブの製造方法