JP2009132034A - 導電性粒子偏在ポリマー層を有する導電撥水部材 - Google Patents

導電性粒子偏在ポリマー層を有する導電撥水部材 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性と撥水性とを両立する面を有している導電撥水部材を提供する。
【解決手段】導電撥水部材は、ポリマー層と、そのポリマーを構成する少なくとも1種のモノマー成分を吸収可能なモノマー吸収層との積層構造を有する部材であって、該ポリマー層がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布する形態で導電性粒子を含む導電性粒子偏在ポリマー層であるとともに、該ポリマー層におけるモノマー吸収層とは反対側の層表面において、表面抵抗率が1.0×1012Ω/□以下であり、かつ、水接触角が100°以上であることを特徴とする。また、モノマー吸収層とは反対側の界面近傍が、モノマー吸収層とは反対側の界面から厚み方向の全厚みに対して50%以内の領域であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性粒子偏在ポリマー層を有する導電撥水部材、及び該導電撥水部材の製造方法に関する。
近年、精密機械や電子部品の技術分野では、ますます精密さが要求されるようになっており、このような精密部品に使用される導電性シート、導電性トレーや導電性キャリアテープ(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)では、埃、チリなどの微細なゴミ、人あるいは機械由来の油脂汚れなどが問題となってきた。
このようなクリーン性が要求される用途においては、導電性を付与して使用されるそれらのトレーやシート、キャリアテープは使用に際して、その表面を洗浄して微細な付着物等の汚れを除去する作業が行われる場合がある。一般的にその洗浄は、純水を洗浄水として用いた超音波洗浄など行われるが、一般的な処理、すなわち帯電防止剤の添加(練り込み)、導電性塗料のコート、金属蒸着などにより表面導電性処理を行ったポリマー部材の撥水性は低く、むしろ親水性表面であるため、洗浄後のポリマー部材表面の水切れが悪く、乾燥に長時間を要することが問題となっている。このため、導電性と撥水性を両立する高機能なポリマー部材の要求がある。
特開2005−190933号公報 特開2006−152132号公報 特開2006−321560号公報
従って、本発明の目的は、その層表面において導電性と撥水性との両方を発揮するポリマー層を有している導電撥水部材を提供することにある。
本発明の他の目的は、部材の作製の際に、有機溶剤等の環境負荷のある揮発性成分を必要とすることはなく、また導電性粒子偏在ポリマー層において導電性粒子の分布を制御でき、さらに導電性粒子偏在ポリマー層とモノマー吸収層との密着性に優れている、導電性粒子偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有する導電撥水部材を提供することにある。
本発明者は、上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収層の少なくとも一方の面に、重合性モノマー及び導電性粒子を少なくとも含有する導電性粒子含有重合性組成物からなる導電性粒子含有重合性組成物層を設ければ、導電性粒子含有重合性組成物層内で導電性粒子が移動し、導電性粒子偏在重合性組成物層が得られ、該導電性粒子偏在重合性組成物層を重合させることにより、導電性粒子偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造が得られ、該積層構造の導電性粒子偏在ポリマー層におけるモノマー吸収層とは反対側の層表面で導電性及び撥水性の両方の特性を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ポリマー層と、そのポリマーを構成する少なくとも1種のモノマー成分を吸収可能なモノマー吸収層との積層構造を有する部材であって、該ポリマー層がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布する形態で導電性粒子を含む導電性粒子偏在ポリマー層であるとともに、該ポリマー層におけるモノマー吸収層とは反対側の層表面において、表面抵抗率が1.0×1012Ω/□以下であり、かつ、水接触角が100°以上であることを特徴とする導電撥水部材を提供する。
このような導電撥水部材では、モノマー吸収層とは反対側の界面近傍は、モノマー吸収層とは反対側の界面から厚み方向の全厚みに対して50%以内の領域であることが好ましい。
さらに、モノマー吸収層は、ポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層であることが好ましく、モノマー吸収ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分は、導電性粒子偏在ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分の少なくとも1つと共通することが好ましい
このような導電撥水部材において、導電性粒子は、針状の形状を有している針状導電性粒子であることが好ましい。該針状導電性粒子は、金属元素がドープしている金属酸化物の粒子、又は金属元素がドープしている金属酸化物で被覆されている無機物の粒子が好ましく、特に金属元素がドープしている金属酸化物の粒子として、アンチモンドープ酸化スズが好ましい。
また、導電性粒子偏在ポリマー層のポリマーは、アクリル系ポリマーであることが好ましい。
このような導電撥水部材は、テープ状又はシート状の形態を有することができる。
さらに、本発明は、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収層の少なくとも一方の面に、重合性モノマー及び導電性粒子を少なくとも含有する導電性粒子含有重合性組成物からなる導電性粒子含有重合性組成物層を設けることにより、導電性粒子含有重合性組成物層内で導電性粒子を移動させて、導電性粒子がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布している導電性粒子偏在重合性組成物層を得た後、該導電性粒子偏在重合性組成物層を重合させて、導電性粒子がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布しているとともに、モノマー吸収層とは反対側の層表面において、表面抵抗率が1.0×1012Ω/□以下であり、かつ、水接触角が100°以上である導電性粒子偏在ポリマー層を形成し、該導電性粒子偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有する部材を得ることを特徴とする導電撥水部材の製造方法を提供する。
さらにまた、本発明は、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収性シートのモノマー吸収面上に、重合性モノマー及び導電性粒子を少なくとも含有する導電性粒子含有重合性組成物からなる導電性粒子含有重合性組成物層が積層され、さらに導電性粒子含有重合性組成物層上にカバーフィルムが積層された構成を有している積層体を作製し、導電性粒子含有重合性組成物層内で導電性粒子を移動させて、導電性粒子がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布している導電性粒子偏在重合性組成物層を得た後、該導電性粒子偏在重合性組成物層を重合させ、導電性粒子がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布しているとともに、モノマー吸収層とは反対側の層表面において、表面抵抗率が1.0×1012Ω/□以下であり、かつ、水接触角が100°以上である導電性粒子偏在ポリマー層を形成し、該導電性粒子偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有する部材を得ることを特徴とする導電撥水部材の製造方法を提供する。該導電撥水部材の製造方法において、カバーフィルムは、剥離性を有することが好ましい。
前記導電撥水部材の製造方法において、モノマー吸収層は、ポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層であることが好ましく、またモノマー吸収ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分は、導電性粒子偏在ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分の少なくとも1つと共通することが好ましい。
前記導電撥水部材の製造方法では、導電性粒子含有重合性組成物層の重合の際に光照射を用いることができる。
前記導電撥水部材の製造方法において、導電性粒子は、針状の形状を有している針状導電性粒子であることが好ましい。該針状導電性粒子は、金属元素がドープしている金属酸化物の粒子、又は金属元素がドープしている金属酸化物で被覆されている無機物の粒子であることが好ましい。また、該金属元素がドープしている金属酸化物は、アンチモンドープ酸化スズであることが好ましい。
前記導電撥水部材の製造方法では、重合性モノマーとして、アクリル系モノマーを用いることが好ましい。
前記導電撥水部材の製造方法では、テープ状又はシート状の形態を有する導電撥水部材を得ることできる。
本発明の導電撥水部材によれば、前記構成を有しているので、その層表面において導電性と撥水性との両方を発揮する導電性粒子偏在ポリマー層を有している。また、部材の作製の際に、有機溶剤等の環境負荷のある揮発性成分を必要とすることはない。さらに、導電性粒子偏在ポリマー層において導電性粒子の分布を制御でき、さらにまた導電性粒子偏在ポリマー層とモノマー吸収層との密着性に優れている。
本発明の導電撥水部材は、ポリマー層と、そのポリマー層を構成する少なくとも1種のモノマー成分を吸収可能なモノマー吸収層との積層構造を有する部材であり、ポリマー層が、ポリマーに対して導電性粒子をモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布する形態で含有している導電性粒子偏在ポリマー層である導電撥水部材であって、導電性粒子偏在ポリマー層のモノマー吸収層とは反対側の層表面において、表面抵抗率が1.0×1012Ω/□以下であり、かつ、水接触角が100°以上である特性を発揮する導電撥水部材である。このような導電性粒子が偏って分布する部分の形態は、通常層状の形態である。
導電撥水部材は、導電性粒子偏在ポリマー層における、導電性粒子のモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布する部分(「導電性粒子偏在部」や「導電性粒子偏析層」と称する場合がある)で、特に導電性及び撥水性を発現する。つまり、導電撥水部材は、導電性粒子偏在ポリマー層におけるモノマー吸収層とは反対側の層表面で導電性及び撥水性の両方の特性を発現する。これは、導電性粒子偏在部で導電性粒子が集合していることによる。
なお、界面は、2つの異なる物質同士が、境界面を介して接する場合の境界面のことであり、例えば、導電撥水部材において、導電性粒子偏在ポリマー層表面が大気中で存在する場合、当然に空気と接しているので、該導電性粒子偏在ポリマー層表面は、界面である。また、部材の導電性粒子偏在ポリマー層において、モノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍を、「層表面又は層表面近傍」や「表面又は表面近傍」と称する場合がある。導電性粒子偏在ポリマー層が最外層となる場合、モノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍は、導電撥水部材の表面又は表面近傍となることによる。
導電性粒子偏在ポリマー層が最外層である導電撥水部材は、部材の表面又は表面近傍で特に導電性及び撥水性を発現するので、表面導電撥水部材として用いることができる。ゆえに、本発明の導電撥水部材は、ポリマーに導電性粒子が層表面又は層表面近傍に偏って分布している導電性粒子偏在ポリマー層と、導電性粒子偏在ポリマー層のポリマーを構成する少なくとも1種のモノマー成分を吸収可能なモノマー吸収層との積層構造を有している表面導電撥水部材であってもよい。
導電撥水部材の形状は、導電性粒子偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有する限り特に制限されず必要に応じて適宜選択されるが、通常テープ状やシート状の形状を有する。なお、導電撥水部材は、導電撥水部材の表面(導電性粒子偏在ポリマー層やモノマー吸収層の表面)が粘着性を有する場合、導電性及び撥水性を発揮する導電性撥水粘着テープ又はシートとして用いてもよい。また、導電撥水部材に公知の粘着剤(感圧接着剤)(例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤など)による粘着剤層(感圧接着剤層)を設けることにより、導電性撥水粘着テープ又はシートとしてもよい。
また、導電撥水部材の形状は、フィルム状であってもよい。すなわち、導電撥水部材は、フィルム状の形状を有する導電性フィルムであってもよい。さらに、導電撥水部材は、ロール状に巻回された形態を有していてもよく、またシートが積層された形態を有していてもよい。
導電撥水部材において、導電性粒子偏在ポリマー層やモノマー吸収層の表面は、カバーフィルムで保護されていてもよい。なお、カバーフィルムは、剥離性を有していてもよいし、あるいは剥離性を有さなくてもよい。
導電撥水部材を使用する際、通常、導電性粒子偏在ポリマー層上のカバーフィルムは剥がされて、導電性及び撥水性を発揮する導電性粒子偏在ポリマー層におけるモノマー吸収層とは反対側の層表面は露出させて用いられる。このため、導電撥水部材では、導電性粒子偏在ポリマー層におけるモノマー吸収層とは反対側の層表面が利用面として用いられる。
なお、モノマー吸収層として、モノマー吸収層を有するシートであるモノマー吸収性シートのモノマー吸収層を用いてもよい。また、導電撥水部材は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を有していてもよい。
[導電性粒子含有重合性組成物層]
導電性粒子含有重合性組成物層は、光や熱により重合可能な重合性モノマー、及び導電性粒子を少なくとも含む導電性粒子含有重合性組成物(導電性粒子配合重合性組成物)により形成される層である。また、導電性粒子含有重合性組成物層は、重合開始剤として光重合開始剤を用いた導電性粒子含有光重合性組成物(導電性粒子配合光重合性組成物)により形成される粒子配合光重合性組成物層であってもよい。なお、導電性粒子含有重合性組成物は、取り扱い性、塗工性等の点から、一部分が重合した部分重合組成物であってもよい。
導電性粒子含有重合性組成物は、光や熱により重合可能な重合性モノマー、導電性粒子を少なくとも含有する。また、必要に応じて、重合開始剤(例えば光重合開始剤や熱重合開始剤など)を含有していてもよい。
(i)導電性粒子含有重合性組成物層は、活性エネルギー線の照射や熱により重合が生じて、硬化し、ポリマー層(硬化層)を形成する。また、(ii)導電性粒子含有重合性組成物層は、モノマー吸収層と接する形態で設けられると、導電性粒子含有重合性組成物層の重合性モノマーがモノマー吸収層で吸収される。(iii)導電性粒子が導電性粒子含有重合性組成物層中で移動して、導電性粒子がモノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍(層表面又は層表面近傍)に偏って分布している導電性粒子偏在重合性組成物層になる。これらのことより、導電性粒子含有重合性組成物層から導電性粒子偏在ポリマー層が得られる。
重合性モノマーは、ラジカル重合やカチオン重合などの反応機構を問わず、光エネルギーや熱エネルギーを利用して重合可能な化合物であることが重要である。このような重合性モノマーは、例えば、アクリル系ポリマーを形成するアクリル系モノマー等のラジカル重合性モノマー;エポキシ系樹脂を形成するエポキシ系モノマー、オキセタン系樹脂を形成するオキセタン系モノマー、ビニルエーテル系樹脂を形成するビニルエーテル系モノマー等のカチオン重合性モノマー;ウレタン系樹脂を形成するポリイソシアネートとポリオールとの組み合わせ;ポリエステル系樹脂を形成するポリカルボン酸、ポリオールとの組み合わせ等が挙げられる。中でも、アクリル系モノマーが好適に用いられる。また、重合性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記アクリル系ポリマー、エポキシ樹脂、オキセタン系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂は、それぞれアクリル系感圧接着剤(粘着剤)のベースポリマー、エポキシ系感圧接着剤のベースポリマー、オキセタン系感圧接着剤のベースポリマー、ビニルエーテル系感圧接着剤のベースポリマー、ウレタン系感圧接着剤のベースポリマー、ポリエステル系感圧接着剤のベースポリマー等として機能する。このため、導電性粒子含有重合性組成物は、導電性粒子を含有する粘着剤組成物(「導電性粒子含有粘着剤組成物」と称する場合がある)であってもよい。従って、導電性粒子含有重合性組成物が硬化することにより形成される導電性粒子偏在ポリマー層は、導電性粒子含有粘着剤組成物を重合させることにより形成される導電性粒子偏在粘着剤層であってもよい。なお、本発明では重合性モノマーとしてアクリル系モノマーが好適に用いられるため、導電性粒子含有粘着剤組成物としては、導電性粒子含有アクリル系粘着剤組成物が好適に用いられる。本発明では、導電撥水部材を構成する導電性粒子偏在ポリマー層におけるポリマーは、アクリル系ポリマーであること好ましい。
このようなアクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルが好適に用いられる。このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、及び酸素原子含有複素環式基を有する(メタ)アクリル酸エステルを好適に用いることができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種のみが用いられていてもよく、2種以上が組み合わされて用いられていてもよい。
このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸C2-10アルキルエステル]などが挙げられる。
脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばシクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、酸素原子含有複素環式基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばテトラヒドロフルフリルアクリレートなどが挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル及び酸素原子含有複素環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル以外の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
このような(メタ)アクリル酸エステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルが導電性粒子含有重合性組成物を構成するモノマー主成分として用いられている場合、(メタ)アクリル酸エステル[特に(メタ)アクリル酸アルキルエステル、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、及び酸素原子含有複素環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル]の割合は、例えば、導電性粒子含有重合性組成物を構成するモノマー成分全量に対して60重量%以上(好ましくは80重量%以上)であることが重要である。
また、導電性粒子含有重合性組成物には、モノマー成分として、共重合性モノマーが用いられていてもよい。例えば、(メタ)アクリル酸エステルが導電性粒子含有重合性組成物を構成するモノマー主成分として用いられている導電性粒子含有アクリル系重合性組成物では、極性基含有モノマーや多官能性モノマーなどの各種の共重合性モノマーが用いられていてもよい。モノマー成分として共重合性モノマーを用いることにより、例えば、導電撥水部材において、弾性率、伸び率、破断強度、耐薬品性、耐水性、耐溶剤性などの物性を調整することができる。なお、共重合性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー又はその無水物(無水マレイン酸など);(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルなどの水酸基含有モノマー;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのグリシジル基含有モノマー;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリンの他、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系モノマーなどが挙げられる。極性基含有モノマーとしては、アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー又はその無水物が好適である。
極性基含有モノマーの使用量としては、得られる導電撥水部材の目的、用途によって適宜調整することができる。例えば導電撥水部材を導電性粒子偏在ポリマー層での密着性(例えば、ガラスやプラスチック容器などへの密着性)が求められる用途で用いる場合、モノマー成分全量に対して30重量%以下(例えば、1〜30重量%)であり、好ましくは3〜20重量%である。極性基含有モノマーの使用量が、モノマー成分全量に対して30重量%を超えると、例えば、導電性粒子偏在ポリマー層が硬くなりすぎ、密着性が低下するおそれがある。なお、極性基含有モノマーの使用量が少なすぎると(例えば、モノマー成分全量に対して1重量%未満であると)、例えば、導電性粒子偏在ポリマー層の凝集力が低下して、高いせん断力が得られないおそれや、表面のベタツキが強くなりすぎて導電撥水部材として取り扱いづらくなるおそれがある。
また、導電撥水部材を導電性粒子偏在ポリマー層での硬い物性が求められる用途(例えば、ハードコート用途など)で用いる場合、極性基含有モノマーの使用量としては、モノマー成分全量に対して95重量%以下(例えば、0.01〜95重量%)であり、好ましくは1〜70重量%である。極性基含有モノマーの使用量が95重量%を超えると、例えば耐水性などが十分でなくなり、導電撥水部材として使用環境(湿気、水分など)に対する品質変化が大きくなるおそれがある。また、極性基含有モノマーの使用量が少なすぎると(例えば0.01重量%以下)、硬い物性を得るためにガラス転移温度(Tg)の高い(メタ)アクリル酸エステル(例えばイソボルニルアクリレートなど)や多官能性モノマーの添加量が多くなり、得られた導電撥水部材が脆くなりすぎるおそれがある。
前記多官能性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能性モノマーの使用量としては、得られる導電撥水部材の目的、用途によって適宜調整することができるが、例えば導電撥水部材を導電性粒子偏在ポリマー層での密着性(例えば、ガラスやプラスチック容器などへの密着性や粘着性)が求められる用途で用いる場合、モノマー成分全量に対して2重量%以下(例えば、0.01〜2重量%)であり、好ましくは、0.02〜1重量%である。多官能性モノマーの使用量が、モノマー成分全量に対して2重量%を超えると、例えば、凝集力が高くなりすぎて、導電性粒子偏在ポリマー層が硬くなりすぎ、密着性が低下するおそれがある。なお、多官能性モノマーの使用量が少なすぎると(例えば、モノマー成分全量に対して0.01重量%未満であると)、例えば、導電性粒子偏在ポリマー層の凝集力が低下して表面のベタツキが強くなりすぎて導電撥水部材として取り扱いづらくなるおそれがある。
また、導電撥水部材を導電性粒子偏在ポリマー層での硬い物性が求められる用途(例えば、ハードコート用途など)で用いる場合、多官能性モノマーの使用量としては、モノマー成分全量に対して95重量%以下(例えば、0.01〜95重量%)であり、好ましくは、1〜70重量%である。多官能性モノマーの使用量がモノマー成分全量に対して95重量%を超えると、重合時の硬化収縮が大きくなり均一なフィルム状あるいはシート状の導電撥水部材を得られなくなるおそれや、得られた導電撥水部材が脆くなりすぎるおそれがある。また、多官能性モノマーの使用量が少なすぎると(例えば0.01重量%以下であると)、十分な耐溶媒性や耐熱性を有する導電撥水部材を得られなくなるおそれがある。
また、極性基含有モノマーや多官能性モノマー以外の共重合性モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレンなどのオレフィン又はジエン類;ビニルアルキルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;フッ素原子含有(メタ)アクリレート;ケイ素原子含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
重合開始剤は、必要に応じて用いてもよく、例えば熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)のいずれを用いてもよい。本発明では、導電性粒子偏在ポリマー層の形成に際して、熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)などの重合開始剤を用いた熱や活性エネルギー線による硬化反応を利用することができる。このため、導電性粒子偏在重合性組成物層を、導電性粒子が層中で偏在する構造を維持して硬化させることができ、導電性粒子がモノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍(層表面又は層表面近傍)に偏って分布している導電性粒子偏在ポリマー層を容易に形成することができる。
光重合開始剤としては、特に制限されず、例えばベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などを用いることができる。光重合開始剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
具体的には、ケタール系光重合開始剤には、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[例えば、商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)など]等が含まれる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[例えば、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)など]、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−(t−ブチル)ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、商品名「ルシリンTPO」(BASF社製)などが使用できる。α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。ベンゾイン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾインなどが含まれる。ベンジル系光重合開始剤には、例えば、ベンジルなどが含まれる。ベンゾフェノン系光重合開始剤は、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3、3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが含まれる。チオキサントン系光重合開始剤には、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが含まれる。
光重合開始剤の使用量としては、特に制限されないが、例えば、導電性粒子含有重合性組成物の全モノマー成分100重量部に対して0.01〜5重量部(好ましくは0.05〜3重量部)の範囲から選択することができる。
本発明では、導電性粒子偏在重合性組成物層を硬化させて、導電性粒子偏在ポリマー層を形成する際に、活性エネルギー線による硬化反応を利用してもよい。このような活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好適である。なお、活性エネルギー線の照射エネルギー、照射時間、照射方法などは、導電性粒子偏在重合性組成物層を硬化させて、導電性粒子偏在ポリマー層を形成することができる限り、特に制限されることはない。
なお、熱重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤[例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなど]、過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエートなど)、レドックス系重合開始剤(例えば有機過酸化物/バナジウム化合物;有機過酸化物/ジメチルアニリン;ナフテン酸金属塩/ブチルアルデヒド、アニリンあるいはアセチルブチロラクトン等の組み合わせなど)などが挙げられる。熱重合開始剤の使用量としては、特に制限されず、熱重合開始剤として利用可能な範囲であればよい。なお、レドックス系重合開始剤を熱重合開始剤として用いれば、常温で重合させることが可能である。
導電性粒子含有重合性組成物には、必要に応じて、適宜な添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、界面活性剤(例えば、イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤など)、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート系架橋剤、シリコーン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤など)、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂などからなる常温で固体、半固体あるいは液状のもの)、可塑剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、着色剤(顔料や染料など)、粘度調整剤としての種々のポリマー(例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムなど)等が挙げられる。
導電性粒子としては、集合することにより導電性及び撥水性を発現する物質である限り特に制限されないが、導電撥水部材の導電性粒子偏在ポリマー層におけるモノマー吸収層とは反対側の層表面の表面抵抗率が1.0×1012(Ω/□)以下となるものが通常用いられる。なお、導電性粒子は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
このような導電性粒子の形状としては、特に制限されず、真球状や楕円球状などの球状、不定形状、針状、棒状、平板状などのいずれの形状であってもよいが、導電性粒子偏在ポリマー層中で緻密な構造を有する導電性粒子偏在部を得て、良好な導電性及び撥水性を有する導電撥水部材を得る観点からは、針状が好ましい。すなわち、導電性粒子は、針状の形状を有している針状導電性微粒子であることが好ましい。
なお、導電性粒子は、1種の形状のみを選択して用いてもよいし、形状の異なる粒子を2種以上組み合わせて使用してもよい。例えば、平板状の形状を有する導電性粒子と針状の形状を有する導電性粒子とを組み合わせて使用してもよい。
針状導電性微粒子としては、粒子の長軸長さが0.01〜100μm(好ましくは0.1〜50μm)であるものが好ましい。粒子の長軸長さが0.01μm未満であると導電性及び撥水性の両立が困難となるおそれがあり、また100μmを超えると攪拌、塗工などの加工時に形状破壊が起きやすくなる。
また、針状導電性微粒子としては、アスペクト比(粒子の長軸長さ/粒子の短軸長さ)が5〜50(好ましくは10〜30)のものが好ましい。アスペクト比が5未満であると導電性を得ることが難しくなり、50を超えると加工時に形状破壊が起きやすくなる。
なお、針状導電性微粒子は、粒子の長軸長さやアスペクト比が異なるものを2種以上組み合わせて用いてもよい。
導電性粒子としては、導電撥水部材において導電性及び撥水性の両立できる特性を発揮するもの限り特に制限されず、無機物粒子又は有機物粒子のいずれを用いてもよいが、通常、導電性粒子偏在ポリマー層におけるモノマー吸収層とは反対側の層表面で撥水性及び導電性を容易に得ることができること、針状形状を容易に得ることできることから無機物粒子が用いられる。
このような無機物粒子としては、特に制限されず、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブなどのカーボン;マグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム、ケイ素、カルシウム、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、ニッケル、銅、ゲルマニウム、モリブテン、ロジウム、銀、インジウム、スズ、タングステン、イリジウム、白金、鉄、金などの金属;鉄酸化物、酸化インジウム、酸化第二スズ、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化バナジウムなどの金属酸化物などが挙げられる。
中でも、導電撥水部材において良好な導電性及び撥水性の両立性を得る観点からは、金属酸化物が好ましく、特に金属元素がドープしている金属酸化物が好ましい。
金属元素がドープしている金属酸化物において、ドープしている金属元素としては、特に制限されないが、例えば、アンチモン、インジウム、アルミニウム、鉄、銅、バナジウム、マンガン、亜鉛などが挙げられる。
金属元素がドープしている金属酸化物の具体例としては、例えば、アンチモンドープ酸化スズ、スズドープ酸化インジウム、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛などが挙げられる。
また、無機物粒子として、金属元素がドープしている金属酸化物により被覆されている無機物(特に、金属元素がドープしている金属酸化物により被覆されている金属酸化物)を用いてもよい。
金属元素がドープしている金属酸化物により被覆されている無機物において、ドープしている金属元素、金属酸化物、無機物は、上記と同様のものが用いられる。
金属元素がドープしている金属酸化物により被覆されている金属酸化物の具体例としては、例えばアンチモンドープ酸化スズにより被覆されている酸化チタンなどが挙げられる。
導電性粒子偏在ポリマー層における導電性粒子の使用量としては、特に制限されず、例えば導電性粒子偏在ポリマー層を形成する導電性粒子含有重合性組成物のモノマー成分100重量部に対して、0.001〜100重量部、好ましくは0.01〜70重量部、さらに好ましくは0.1〜50重量部となるような範囲から選択することができる。100重量部を超えるような使用量であると、導電撥水部材の作製が困難となる場合や作製後の導電撥水部材で強度の問題が生じることがある。なお、0.001重量部未満であると、導電性粒子偏在ポリマー層の表面又は表面近傍(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍)に平均的に分散して導電性粒子を分布させることが困難となる場合がある。
導電性粒子含有重合性組成物は、上記各成分均一に混合・分散させることにより調製することができる。この導電性粒子含有重合性組成物は、通常、基材上に塗布するなどしてシート状に成形するので、塗布作業に適した適度な粘度を持たせておくのがよい。導電性粒子含有重合性組成物の粘度は、例えば、アクリルゴム、ポリウレタン、増粘性添加剤などの各種ポリマーを配合することや、導電性粒子含有重合性組成物中の重合性モノマーを光の照射や加熱などにより一部重合させることにより調整することができる。なお、望ましい粘度は、BH粘度計を用いて、ローター:No.5ローター、回転数10rpm、測定温度:30℃の条件で設定された粘度として、5〜50Pa・s、より好ましくは10〜40Pa・sである。粘度が5Pa・s未満であると、基材上に塗布したときに液が流れてしまい、50Pa・sを超えていると、粘度が高すぎて塗布が困難となる。
なお、 導電性粒子含有重合性組成物の塗布に際しては、例えば、慣用のコーター(例えば、コンマロールコーター、ダイロールコーター、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなど)を用いることができる。
導電性粒子含有重合性組成物層は、例えば、モノマー吸収層により提供される面、モノマー吸収性シートのモノマー吸収面、カバーフィルムの離型処理された面などの適宜な支持体の所定の面上に、上記慣用のコーターで塗布することにより形成される。
[モノマー吸収性シート]
本発明の導電撥水部材は、モノマー吸収層の片面又は両面に、導電性粒子含有重合性組成物による導電性粒子含有重合性組成物層を形成し、該導電性粒子含有重合性組成物層内で導電性粒子を移動させ、導電性粒子がモノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍に存在する導電性粒子偏在重合性組成物層を得てから、該導電性粒子偏在重合性組成物層を重合させ、導電性粒子偏在ポリマー層を形成し、導電性粒子偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を得ることにより作製する。
従って、モノマー吸収性シートは、導電性粒子含有重合性組成物中の少なくとも一つのモノマー成分を吸収することできるモノマー吸収面を提供するモノマー吸収層を少なくとも有する限り、その形態等は特に制限されない。
モノマー吸収性シートとしては、例えば、モノマー吸収層のみで構成されたモノマー吸収性シート(「基材レスモノマー吸収性シート」と称する場合がある)、基材上にモノマー吸収層を設けたモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート」と称する場合がある)が挙げられる。なお、モノマー吸収性シートが基材レスモノマー吸収性シートの場合、モノマー吸収面としてはどちらの面を用いてもよく、一方、基材付きモノマー吸収性シートの場合、モノマー吸収層表面がモノマー吸収面となる。
(モノマー吸収層)
モノマー吸収層は、モノマー吸収性シートにおいてモノマー吸収面を提供する層であり、モノマー吸収面上に設けられた導電性粒子含有重合性組成物層から少なくとも重合性モノマーを吸収することができればよい。このようなモノマー吸収層を形成するものとしては、例えば紙製シート(例えば、クラフト紙やクレープ紙、和紙など);繊維系シート(例えば、布、不織布、ネットなど);多孔質フィルム;ポリマー(アクリル系ポリマー、ポリウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂);天然ゴム;合成ゴムなどが挙げられる。なお、モノマー吸収層は、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、モノマー吸収層を形成するものとしてはポリマーを好適に用いることができる。つまり、モノマー吸収層は、ポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層を好適に用いることができ、また、モノマー吸収性シートとしては、ポリマー層を有するシートを好適に用いることができる。このようなポリマーとしては、特に制限されないが、モノマー成分として導電性粒子含有重合性組成物中の重合性モノマーを少なくとも1種有するポリマーが好ましい。例えば、導電性粒子含有重合性組成物として導電性粒子含有アクリル系重合性組成物が用いられている場合、モノマー吸収層を形成するポリマーとしては、アクリル系ポリマーが好ましい。導電性粒子含有アクリル系重合性組成物の重合性モノマーであるアクリル系モノマーとモノマー吸収層を形成するアクリル系ポリマーの構成単位が共通するため、重合性モノマーであるアクリル系モノマーが移行しやすくなるためである。
また、モノマー吸収層は、導電性粒子含有重合性組成物から導電性粒子を除いた以外は同様の組成を有する重合性組成物を重合して得られるポリマー層で構成されていてもよい。
さらに、モノマー吸収層は、アクリル系粘着剤、エポキシ系粘着剤、オキセタン系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤などの粘着剤(感圧接着剤)からなる粘着剤層(感圧接着剤層)であってもよい。例えば、重合性モノマーとしてアクリル系モノマーが用いられている場合、より重合性モノマーをモノマー吸収層に吸収させる観点から、構成単位が共通するアクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。
モノマー吸収層の体積は、重合性モノマーの吸収前と後とで比較して、一定であってもよいし、変化していてもよい。例えば、モノマー吸収層が高分子物質[例えば、上記のポリマー(アクリル系ポリマー、ポリウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂)や導電性粒子含有重合性組成物から導電性粒子を除いた以外は同様の組成を有する重合性組成物を重合することにより形成されるポリマーなど]により形成される層である場合、モノマー吸収層である高分子物質の層の体積は、導電性粒子含有重合性組成物層から重合性モノマーを吸収することで、通常増加する。つまり、モノマー吸収層を形成する前記高分子物質は、重合性モノマーを吸収することにより膨潤する。従って、モノマー吸収層は、重合性モノマーを吸収することで体積が増加するモノマー膨潤層であってもよい。
モノマー吸収層が例えば前記高分子物質の層である場合、モノマー吸収層は、例えば下記の基材やカバーフィルムの離型処理された面などの適宜な支持体の所定の面上に、上記慣用のコーターで前記高分子物質を塗布することにより形成される。また、支持体上に設けられたモノマー吸収層としての前記高分子物質の層は、必要に応じて乾燥及び/又は硬化(例えば、光による硬化)されていてもよい。なお、前記高分子物質は、適宜な支持体の所定の面上に塗布される際、アクリルゴム、増粘性添加剤などの各種ポリマーを配合することや、重合性モノマーを加熱や光照射などにより一部重合させることにより塗布に適した粘度に調整されていてもよい。
重合性モノマーを吸収する前のモノマー吸収層の厚みとしては、特に制限されず、例えば、1〜2000μm(好ましくは2〜1000μm、さらに好ましくは5〜500μm)の範囲から選択することができる。また、モノマー吸収層は、単層、積層の何れの形態を有していてもよい。
(基材)
モノマー吸収性シートが基材付きモノマー吸収性シートである場合に用いられる基材としては、例えば、紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体[例えば、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など]等の適宜な薄葉体を用いることができる。基材としては、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材を好適に用いることができる。このようなプラスチックのフィルムやシートにおける素材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが挙げられる。これらの素材は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、基材として、プラスチック系基材が用いられている場合は、延伸処理等により伸び率などの変形性を制御していてもよい。また、基材としては、モノマー吸収層が活性エネルギー線による硬化により形成される場合は、活性エネルギー線の透過を阻害しないものを使用することが好ましい。
基材の表面は、モノマー吸収層との密着性を高めるため、慣用の表面処理、例えば、コロナ処理、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的方法による酸化処理等が施されていてもよく、下塗り剤や剥離剤(例えば、シリコン系剥離剤)等によるコーティング処理等が施されていてもよい。
基材の表面が剥離剤で剥離処理(離型処理)されている場合、導電撥水部材を使用する際、モノマー吸収層から容易に基材を剥がして、モノマー吸収層表面を露出させることができる。このように、導電撥水部材は、モノマー吸収層表面が露出する状態で使用されてもよい。
基材の厚みは、強度や柔軟性、使用目的などに応じて適宜に選択でき、例えば、一般的には1000μm以下(例えば、1〜1000μm)、好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは3〜300μm程度であるが、これらに限定されない。なお、基材は単層、積層の何れの形態を有していてもよい。
[カバーフィルム]
本発明では、モノマー吸収層の少なくとも一方の面に、導電性粒子含有重合性組成物を用いて導電性粒子含有重合性組成物層を設け、導電性粒子偏在重合性組成物層を得てから、該導電性粒子偏在重合性組成物層を重合させ、導電性粒子偏在ポリマー層を形成するが、導電性粒子偏在重合性組成物層を重合する際、空気中の酸素等により反応が阻害されるため、カバーフィルムで導電性粒子偏在重合性組成物層表面を覆うことが好ましい。また、導電撥水部材を利用する際には、カバーフィルムを剥がして用いてもよいし、カバーフィルムを剥がさずに用いてもよいが、通常導電性粒子偏在ポリマー層上のカバーフィルムは剥がされて、導電性及び撥水性を発揮する導電性粒子偏在ポリマー層におけるモノマー吸収層とは反対側の層表面は露出させて用いられる。
カバーフィルムとしては、酸素を透過し難い薄葉体であれば特に制限されないが、光重合反応を用いる場合は透明なものが好ましい。このようなカバーフィルムとしては、例えば慣用の剥離紙などを使用することができる。具体的には、カバーフィルムとしては、例えば離型処理剤(剥離処理剤)による離型処理層(剥離処理層)を少なくとも一方の表面に有する基材の他、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等)からなる低接着性基材や、無極性ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂など)からなる低接着性基材などを用いることができる。なお、低接着性基材では、両面が離型面と利用することができ、一方、離型処理層を有する基材では、離型処理層表面を離型面(離型処理面)として利用することができる。
カバーフィルムとしては、例えば、カバーフィルム用基材の少なくとも一方の面に離型処理層が形成されているカバーフィルム(離型処理層を有する基材)を用いてもよいし、カバーフィルム用基材をそのまま用いてもよい。
このようなカバーフィルム用基材としては、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、オレフィン系樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム(ナイロンフィルム)、レーヨンフィルムなどのプラスチック系基材フィルム(合成樹脂フィルム)や、紙類(上質紙、和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙など)の他、これらを、ラミネートや共押し出しなどにより、複層化したもの(2〜3層の複合体)等が挙げられる。カバーフィルム用基材としては、透明性の高いプラスチック系基材フィルム(特に、ポリエチレンテレフタレートフィルム)が用いられたカバーフィルム用基材を好適に用いることができる。
離型処理剤としては、特に制限されず、例えば、シリコーン系離型処理剤、フッ素系離型処理剤、長鎖アルキル系離型処理剤などを用いることができる。離型処理剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。なお、離型処理剤により離型処理が施されたカバーフィルムは、例えば、公知の形成方法により形成される。
カバーフィルムの厚みは、特に制限されないが、取り扱い易さと経済性の点から、例えば、12〜250μm(好ましくは、20〜200μm)の範囲から選択することができる。なお、カバーフィルムは単層、積層の何れの形態を有していてもよい。
[導電撥水部材]
本発明の導電撥水部材は、少なくともポリマー層と、該ポリマー層を構成するモノマー成分のうち少なくともひとつのモノマーを吸収できるモノマー吸収層との積層構造を有する部材であって、該ポリマー層が導電性粒子をモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏在する形態(偏析する形態)で含有する導電性粒子含有偏在ポリマー層(導電性粒子含有偏析ポリマー層)である部材である。
導電撥水部材は、導電性粒子がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏在する形態で分布している導電性粒子含有偏在ポリマー層、すなわち導電性粒子が層状分布している導電性粒子含有偏在ポリマー層を有しているので、導電撥水部材では、導電性粒子が前記層状領域内で集合して存在している。このことにより、導電撥水部材は、導電性粒子が集合して存在する層状の部分(導電性粒子偏在部)で撥水性及び導電性を発揮する。
特に、導電性粒子含有偏在ポリマー層が最外層である導電撥水部材は、最外層としての導電性粒子含有偏在ポリマー層はモノマー吸収層上に設けられているので、部材表面は導電性粒子含有偏在ポリマー層の導電性粒子偏在部で覆われている。このため、導電性粒子含有偏在ポリマー層が最外層である導電撥水部材は、部材表面で導電性及び撥水性を発揮する。
このような導電撥水部材は、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収層の少なくとも一方の面に、重合性モノマー及び導電性粒子を少なくとも含有する導電性粒子含有重合性組成物からなる導電性粒子含有重合性組成物層を設けることにより、導電性粒子含有重合性組成物層内で導電性粒子を移動させて、導電性粒子がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布している導電性粒子偏在重合性組成物層を得た後、該導電性粒子偏在重合性組成物層を重合させて、導電性粒子がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布しているとともに、モノマー吸収層とは反対側の層表面において、表面抵抗率が1.0×1012Ω/□以下であり、かつ、水接触角が100°以上である導電性粒子偏在ポリマー層を形成し、該導電性粒子偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有する部材を得ることにより作製することができる。
また、導電撥水部材は、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収性シートのモノマー吸収面上に、重合性モノマー及び導電性粒子を少なくとも含有する導電性粒子含有重合性組成物からなる導電性粒子含有重合性組成物層が積層され、さらに導電性粒子含有重合性組成物層上にカバーフィルムが積層された構成を有している積層体を作製し、導電性粒子含有重合性組成物層内で導電性粒子を移動させて、導電性粒子がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布している導電性粒子偏在重合性組成物層を得た後、該導電性粒子偏在重合性組成物層を重合させ、導電性粒子がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布しているとともに、モノマー吸収層とは反対側の層表面において、表面抵抗率が1.0×1012Ω/□以下であり、かつ、水接触角が100°以上である導電性粒子偏在ポリマー層を形成し、該導電性粒子偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有する部材を得ることにより作製する方法を用いても作製することができる。
従って、導電撥水部材は、例えば、(i)特定の積層体を作製し、(ii)その後、該特定の積層体を光照射することにより製造されてもよい。
前記特定の積層体は、例えば、少なくとも一方の面が離型処理されたカバーフィルムの離型処理された面上に、導電性粒子含有光重合性組成物を塗布することにより導電性粒子含有光重合性組成物層を形成させたものを、モノマー吸収層を有するモノマー吸収性シートに、導電性粒子含有光重合組成物層とモノマー吸収層が接触する形態で、貼り合わせることにより作製してもよい。
導電性粒子偏在重合性組成物層の重合は、導電性粒子偏在重合性組成物層が重合・硬化され、導電性粒子偏在ポリマー層が得られる限り、光源や熱源、照射エネルギーや熱エネルギー、照射方法や加熱方法、照射時間や加熱時間、照射や加熱の開始時期、照射や加熱の終了時期等について、特に制限されることはない。
光照射としては、例えばブラックライトランプ、ケミカルランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどによる紫外線の照射が挙げられる。また、加熱としては、例えば公知の加熱方法(例えば、電熱ヒーターを用いた加熱方法、赤外線等の電磁波を用いた加熱方法など)が挙げられる。
例えば、本発明の導電撥水部材は、重合性モノマーを用いた前記特定の積層体(剥離性を有するカバーフィルム、導電性粒子含有光重合性組成物層、モノマー吸収性シートから構成され、且つモノマー吸収性シートのモノマー吸収面上に設けられた導電性粒子含有光重合性組成物層の表面が剥離性を有するカバーフィルムにより保護された形態を有する特定の積層体)に紫外線などの活性エネルギー線を用いて光照射を行うことにより製造されてもよい。
なお、モノマー吸収層における重合性モノマーの吸収は、モノマー吸収面に導電性粒子含有重合性組成物層が形成された時点で生じる。また、導電性粒子含有重合性組成物層を形成後重合するまでの間(例えば特定の積層体を作製してから光照射するまでの間)に生じていてもよいし、導電性粒子含有光重合組成物層が重合している間(例えば光照射により導電性粒子含有光重合性組成物層が硬化している間)に生じていてもよい。
従って、導電性粒子含有重合性組成物層がモノマー吸収層と接触してから重合を終えるまでの時間は長いほど好ましい。特に光照射にて重合開始が容易にコントロールできる場合は、接触後1秒以上、好ましくは5秒以上、さらに好ましくは10秒以上(通常24時間以内)経過後に光照射することが好ましい。
導電撥水部材における導電性粒子偏在ポリマー層において、導電性粒子は、表面又は表面近傍(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍)に分布する。つまり、導電性粒子は、表面(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面)又は層表面(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面)から厚み方向の全厚みに対して50%以内の領域(好ましくは30%以内の領域、より好ましくは10%以内の領域、さらにより好ましくは5%以下の領域)に分布する。つまり、導電撥水部材におけるモノマー吸収層及び導電性粒子偏在ポリマー層からなる積層構造(全体の厚さ)に占める導電性粒子偏在部の割合(「占有率」と称する場合がある)は、50%以下(好ましくは30%以下、より好ましくは10%以下、さらにより好ましくは5%以下)である。これは、導電性粒子偏在ポリマー層を形成する導電性粒子含有重合性組成物層をモノマー吸収層と接する形態で設けると、導電性粒子含有重合性組成物層中の少なくとも1つのモノマー成分がモノマー吸収層に吸収され、導電性粒子が導電性粒子含有光重合性組成物層中を移動することによると推測される。
なお、占有率が、50%を超えると、導電撥水部材において、強度や部材の取扱性(特にテープ状又はシート状の形態を有する場合の取扱性)、コストの点で問題を生じる場合がある。
また、導電性粒子偏在ポリマー層における導電性粒子が分布する部分(導電性粒子偏在部、導電性粒子偏析部)の厚み(層表面から厚み方向の全厚みに対する、導電性粒子が分布する内部領域の層表面からの厚み方向への高さ;モノマー吸収層とは反対側の界面から厚み方向の全厚みに対する、導電性粒子が分布する内部領域のモノマー吸収層とは反対側の界面からの厚み方向への高さ)は、導電性粒子偏在ポリマー層に含ませる導電性粒子の量を調整することにより制御することができる。従って、導電性粒子の使用量を調整することにより、導電撥水部材の導電性及び撥水性を制御することができる。
導電撥水部材の厚さとしては、特に制限されないが、取扱性、コスト面、強度などの観点から、通常10〜2000μm(好ましくは20〜1000μm、より好ましくは30〜500μm)である。
また、導電撥水部材において、モノマー吸収層と導電性粒子偏在ポリマー層とを合わせた厚さ(モノマー吸収層及び導電性粒子偏在ポリマー層からなる積層構造の厚さ、「全体の厚さ」と称する場合がある)は、特に制限されないが、通常10〜2000μm(好ましくは20〜1000μm、より好ましくは30〜500μm)である。該全体の厚さが、10μm未満であると、導電撥水部材において、コーティングによる膜厚の制御や部材の取扱性(特にテープ状又はシート状の形態を有する場合の取扱性)の点で問題を生じる場合がある。一方2000μmを超えると部材の製造(特にテープ状又はシート状の形態を有する部材の製造)が困難となる場合がある。
導電撥水部材の導電性粒子偏在ポリマー層において、導電性粒子偏在ポリマー層の導電性粒子が分布する部分である導電性粒子偏在部では、導電性粒子と導電性粒子偏在ポリマー層のポリマー成分とが混在している。また、導電撥水部材の導電性粒子偏在ポリマー層において、導電性粒子が分布する部分(導電性粒子偏在部)と導電性粒子が分布しない部分(「導電性粒子非存在部」と称する場合がある)とは、導電性粒子偏在部が層状の形態を有するので区別できる(図1〜4)。
なお、導電撥水部材において、使用するモノマー吸収層と重合性モノマーとの組み合わせによっては、導電性粒子が導電性粒子非存在部に微量分散する場合がある。しかし、このような導電性粒子非存在部に微量分散している導電性粒子は、導電撥水部材の導電性や撥水性に影響を与えることはない。本発明の導電撥水部材は、導電撥水部材が導電性粒子偏在ポリマー層の導電性粒子偏在部に集合して密に存在することによって、導電性及び撥水性を発揮するためである。
また、導電撥水部材の導電性粒子偏在ポリマー層の導電性粒子非存在部の割合(「偏析率」と称する場合がある)は、好ましくは80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。偏析率が80%未満であると、導電性粒子偏在部において、導電性粒子が密に集合せず、導電撥水部材の導電性や撥水性が悪化する場合があるためである。
なお、導電撥水部材における導電性粒子偏在ポリマー層の導電性粒子偏在部の平均の厚さは、特に制限されないが、導電撥水部材において上記の占有率を有するような厚さが好ましい。具体的な厚さとしては、例えば、0.1〜200μm(好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは1〜50μm)である。
本発明の導電撥水部材の導電性は、導電性粒子の種類や含有量等、モノマー吸収層の組成、導電性粒子偏在ポリマー層のポリマー成分の組成等、導電撥水部材における導電性粒子偏在ポリマー層及びモノマー吸収層の厚さ(全体の厚さ)などを制御することにより、所望の導電性及び撥水性に制御することができる。
導電撥水部材において、導電性粒子偏在ポリマー層におけるモノマー吸収層とは反対側の層表面の表面抵抗率を、1×1012Ω/□以下(好ましくは1×1011Ω/□以下、より好ましくは1×109Ω/□以下)に制御することができる。
また、導電撥水部材において、導電性粒子偏在ポリマー層におけるモノマー吸収層とは反対側の層表面の水接触角を100°以上(好ましくは105°以上、より好ましくは110°以上)に制御することができる。
ここで、厚さ、導電性粒子の種類及び使用量、モノマー成分が共通する、導電性粒子偏在ポリマー層と導電性粒子分散ポリマー層(導電性粒子が厚み方向に分散して存在するポリマー層)とを比較すると、導電性粒子偏在ポリマー層は、導電性粒子分散ポリマー層に比べて良好な導電性及び撥水性を発揮する。さらに、厚さ、導電性粒子の種類、モノマー成分が共通する、導電性粒子偏在ポリマー層と導電性粒子分散ポリマー層とを比較すると、導電性粒子偏在ポリマー層は、導電性粒子分散ポリマー層では導電性及び撥水性が生じない少ない量の導電性粒子の含有量で導電性及び撥水性を発揮する。これは、導電性粒子がモノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍で密に層状分布する導電性粒子偏在ポリマー層を有していることによる。
このため、本発明の導電性部材は、少ない導電性粒子含有量で所望の導電性及び撥水性を得ることができ、さらに良好な機械的物性を有している。
なお、導電性粒子偏在ポリマー層の導電性粒子偏在部では導電性粒子と導電性粒子偏在ポリマー層のポリマー成分とが混在しているため、導電性粒子が分布する導電性粒子偏在ポリマー層のモノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍(表面又は表面近傍)では、導電性粒子偏在ポリマー層のポリマー成分に基づく特性、導電性粒子が元来有する特性、導電性粒子が導電性粒子偏在ポリマー層内で偏在することに基づく特性を発揮することができる。
導電性粒子偏在ポリマー層のポリマー成分に基づく特性としては、例えばポリマー成分として粘着剤成分を用いた際の粘着性(感圧接着性)などが挙げられる。導電性粒子が元来有する特性としては、導電性、隠蔽性、磁性などが挙げられる。導電性粒子が導電性粒子偏在ポリマー層内で偏在することに基づく特性とは、例えばポリマー成分として粘着剤成分を用いた際の導電性粒子の含有量を調整することによる粘着性(感圧接着性)の制御、着色などの意匠性、撥水性などが挙げられる。
従って、本発明によれば、導電撥水部材を製造する際、導電性粒子含有重合性組成物を用いても、導電性粒子含有重合性組成物に含まれる揮発性成分(例えば、溶剤や有機化合物など)の蒸発除去をせずに、導電性粒子偏在ポリマー層を有する導電撥水部材を製造することができる。
また、本発明では、モノマー吸収層としては導電性粒子含有重合性組成物で用いられている重合性モノマーのうち少なくとも一つを吸収することができる限り特に制限されないため、モノマー吸収層の弾性率は特に制限されない。つまり、導電性粒子含有重合性組成物で用いられている重合性モノマーのうち少なくとも一つを吸収することができる限り、粘着剤層、ポリマー層などの弾性率の低いものや、プラスチックシート、ハードコート層、着色塗膜層などの弾性率の高いもののいずれも用いることができる。このため、本発明によれば、シートの弾性率に制限されることなく、粘着剤層、ポリマー層などの弾性率の低いものや、プラスチックシート、ハードコート層、着色塗膜層などの弾性率の高いものの表面に、導電性及び撥水性の両方を付与して、導電撥水部材を製造することができる。
さらに、本発明では、モノマー吸収層としてポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層を用いる場合、導電性粒子含有重合性組成物で用いられている重合性モノマーのうち少なくとも一つを吸収することができる限り、そのゲル分率は特に制限されない。このため、モノマー吸収ポリマー層において、ゲル分率を98%程度まで架橋していても、あるいは、ほとんど架橋していなくても(ゲル分率:10%以下)、導電撥水部材を得ることができる。
さらにまた、本発明では、モノマー吸収層が、硬い層であれ、軟らかい層であれ、導電撥水部材を得ることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(光重合性シロップの調製例1)
モノマー成分として、シクロヘキシルアクリレート:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯、窒素吹き込みを停止して、重合率7%の一部が重合した組成物(シロップ)(「光重合性シロップ(A)」と称する場合がある)を調製した。
(導電性粒子配合光重合性組成物の調製例1)
シクロヘキシルアクリレート:40重量部、アクリル酸:10重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部からなるモノマー混合物に、導電性粒子としての針状アンチモンドープ酸化スズ(商品名「FS−10P」石原産業社製、長軸長さ:0.2〜20μm、アスペクト比:20〜30)を1重量部加え、小型ディスパー(商品名「T.K.ロボミックス」プライミックス社製)にて1000rpmで5分間攪拌することにより、導電性粒子分散モノマー混合物を得た。
次に、この導電性粒子分散モノマー混合物に光重合シロップ(A)を50重量部加えて、小型ディスパー(商品名「T.K.ロボミックス」プライミックス社製)にて1000rpmで5分間攪拌することにより、導電性粒子配合光重合性組成物(「導電性粒子配合光重合性組成物(A)」と称する場合がある)を得た。
(導電性粒子配合光重合性組成物の調製例2)
導電性粒子としての針状アンチモンドープ酸化スズ(商品名「FS−10P」石原産業社製、長軸長さ:0.2〜20μm、アスペクト比:20〜30)を5重量部加えたこと以外は、導電性粒子配合光重合性組成物の調製例1と同様にして、導電性粒子配合光重合性組成物(「導電性粒子配合光重合性組成物(B)」と称する場合がある)を得た。
(導電性粒子配合光重合性組成物の調製例3)
導電性粒子としての針状アンチモンドープ酸化スズ(商品名「FS−10P」石原産業社製、長軸長さ:0.2〜20μm、アスペクト比:20〜30)を10重量部加えたこと以外は、導電性粒子配合光重合性組成物の調製例1と同様にして、導電性粒子配合光重合性組成物(「導電性粒子配合光重合性組成物(C)」と称する場合がある)を得た。
(導電性粒子配合光重合性組成物の調製例4)
導電性粒子としての針状アンチモンドープ酸化スズ(商品名「FS−10P」石原産業社製、長軸長さ:0.2〜20μm、アスペクト比:20〜30)を20重量部加えたこと以外は、導電性粒子配合光重合性組成物の調製例1と同様にして、導電性粒子配合光重合性組成物(「導電性粒子配合光重合性組成物(D)」と称する場合がある)を得た。
(導電性粒子配合光重合性組成物の調製例5)
シクロヘキシルアクリレート:40重量部、アクリル酸:10重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部からなるモノマー混合物に、導電性粒子として、針状アンチモンドープ酸化スズ(商品名「FS−10P」石原産業社製、長軸長さ:0.2〜20μm、アスペクト比:20〜30):10重量部、及び長軸長さ:5.2μm、アスペクト比:19のアンチモンドープ酸化スズで被覆された針状酸化チタン(商品名「FT−3000」石原産業社製):10重量部を加え、小型ディスパー(商品名「T.K.ロボミックス」プライミックス社製)にて1000rpmで5分間攪拌することにより、導電性粒子分散モノマー混合物を得た。
次に、この導電性粒子分散モノマー混合物に光重合シロップ(A)を50重量部加えて、小型ディスパー(商品名「T.K.ロボミックス」プライミックス社製)にて1000rpmで5分間攪拌することにより、導電性粒子配合光重合性組成物(「導電性粒子配合光重合性組成物(E)」と称する場合がある)を得た。
(カバーフィルム)
カバーフィルムは、片面がシリコーン系離型処理された、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「MRN38」三菱化学ポリエステルフィルム社製)を用いた。
(基材フィルム)
基材フィルムは、片面がシリコーン系離型処理された、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「MRF38」三菱化学ポリエステルフィルム製)を用いた。
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例1)
光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物(「光重合性シロップ組成物(A)」と称する場合がある)を、前記基材フィルムの離型処理された面に、硬化後の厚さが100μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を両面から5分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(A)」と称する場合がある)を作製した。
(実施例1〜11)
上記カバーフィルムの離型処理された面に、表1の各実施例に対応する前記導電性粒子含有重合性組成物を、部材作製後のモノマー吸収層及び導電性粒子含有光重合硬化層の合わせた厚さが表1の各実施例に対応する厚さになるように塗布して、導電性粒子含有重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた前記基材付きモノマー吸収性シートに、モノマー吸収層と導電性粒子含有重合性組成物層とが接する形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後から1分後に、光源としてブラックライトランプを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を両面から同時に5分間照射し、導電性粒子含有重合性組成物層を硬化させて導電性粒子含有光重合硬化層(導電性粒子配合光重合硬化層、導電性粒子常温重合硬化層)を形成させることにより、それぞれの実施例の部材を作製した。
(比較例1)
上記カバーフィルムの離型処理された面に、導電性粒子含有重合性組成物(A)を、部材作製後のモノマー吸収層及び導電性粒子含有光重合硬化層の合わせた厚さが140μmとなるように塗布して、導電性粒子含有重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた前記基材付きモノマー吸収性シートに、モノマー吸収層と導電性粒子含有重合性組成物層とが接する形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後から1分後に、光源としてブラックライトランプを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を両面から同時に5分間照射し、導電性粒子含有重合性組成物層を硬化させて導電性粒子含有光重合硬化層(導電性粒子配合光重合硬化層、導電性粒子常温重合硬化層)を形成させることにより、部材を作製した。
(比較例2)
導電性粒子含有重合性組成物を部材作製後の導電性粒子含有光重合硬化層の厚さが50μmとなるように塗布したこと、及び基材付きモノマー吸収性シート(A)の代わりに前記基材フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、部材を作製した。
(比較例3)
導電性粒子含有重合性組成物を部材作製後の導電性粒子含有光重合硬化層の厚さが50μmとなるように塗布したこと、及び基材付きモノマー吸収性シート(A)の代わりに前記基材フィルムを用いたこと以外は、実施例4と同様にして、部材を作製した。
(比較例4)
導電性粒子含有重合性組成物を部材作製後の導電性粒子含有光重合硬化層の厚さが50μmとなるように塗布したこと、及び基材付きモノマー吸収性シート(A)の代わりに前記基材フィルムを用いたこと以外は、実施例7と同様にして、部材を作製した。
(評価1)
実施例及び比較例について、部材のカバーフィルムを剥がして、下記の(表面抵抗率の測定方法)及び(水接触角の測定方法)により、部材の導電性粒子含有光重合硬化層表面(利用面)の表面抵抗率及び水接触角を測定した。その測定結果を表2に示した。
(表面抵抗率の測定方法)
部材のカバーフィルムを剥がし、それぞれの部材の導電性粒子含有光重合硬化層表面(利用面)を露出させた。
次に、ハイレスター抵抗測定機(三菱化学社製)を用いて、部材の利用面における表面抵抗率を測定した。
(水接触角の測定方法)
部材のカバーフィルムを剥がし、それぞれの部材の導電性粒子含有光重合硬化層表面(利用面)を露出させた。
次に、利用面に水滴を滴下して、水滴の接触角を水接触角測定装置(商品名「FACE接触角計」(協和界面科学社製)用いて測定した。
(評価2)
走査型電子顕微鏡(SEM)で、カバーフィルムを剥がしたそれぞれの部材の部材断面及び部材表面を観察した。なお、走査型電子顕微鏡(SEM)として、株式会社日立ハイテクノロジーズ製S−3400Nを使用した。それぞれの部材の部材断面及び部材表面の走査型電子顕微鏡写真(SEM像)を、図1〜図4に示した。なお、部材を示す図において、各図におけるaの走査型電子顕微鏡写真に相当する部材断面の走査型電子顕微鏡写真の倍率は、1000倍である。また、各図におけるbの走査型電子顕微鏡写真に相当する部材表面の走査型電子顕微鏡写真の倍率は、2000倍である。
(評価3)
前記走査型電子顕微鏡(SEM)で部材の断面を観察することや、基材付きモノマー吸収性シート及び部材の厚さの1/1000ダイヤルゲージを用いた測定により、導電性粒子含有光重合硬化層の厚さ(厚さ:A)、モノマー吸収層の厚さ(厚さ:B)、導電性粒子含有光重合硬化層における導電性粒子が偏在している部分(導電性粒子偏在部、導電性粒子偏析部)の厚さ(厚さ:C)を求めた。これらの厚さについては、表2のそれぞれの厚さの欄に示した。また、下記の(偏析率の算出方法)により偏析率を求め、さらに下記の(占有率の算出方法)により占有率を求め、これらの値を表2のそれぞれの偏析率あるいは占有率の欄に示した。
モノマー吸収層の厚さ(厚さ:B)については、基材付きモノマー吸収性シートの厚さ(基材フィルム、モノマー吸収層及びカバーフィルムの厚さ)を測定し、該基材付きモノマー吸収性シートの厚さから、基材フィルムの厚さ及びカバーフィルムの厚さを除くことにより求めた。
モノマー吸収層と導電性粒子含有光重合硬化層との積層構造の厚さ(厚さ:A+B、全体の厚さ)については、部材の厚さを測定し、該部材の厚さ(基材付きモノマー吸収性シート、導電性粒子含有光重合硬化層及びカバーフィルムの厚さ)から、基材付きモノマー吸収性シートの基材の厚さ及びカバーフィルムの厚さを除くことにより求めた。
導電性粒子含有光重合硬化層の厚さ(厚さ:A)は、前記全体の厚さ(厚さ:A+B)から前記モノマー吸収層の厚さ(厚さ:B)を除くことにより求めた。
なお、導電性粒子含有光重合硬化層の厚さ(厚さ:A)は、測定値ではなく、理論値である。
導電性粒子含有光重合硬化層中の導電性粒子が分布する部分(導電性粒子偏在部、導電性粒子偏析部)の導電性粒子含有光重合硬化層表面からの厚み方向への高さ(厚さ)(厚さ:C)は、走査型電子顕微鏡による部材断面の走査型電子顕微鏡写真から求めた。
なお、導電性粒子含有光重合硬化層中の導電性粒子偏在部の厚さは、走査型電子顕微鏡による部材断面の走査型電子顕微鏡写真から測定した平均の値である。
(偏析率の算出方法)
導電性粒子含有光重合硬化層の偏析率は、下記式より算出した。
偏析率(%)=(1−C/A)×100
(占有率の算出方法)
導電性粒子偏在部がモノマー吸収層と導電性粒子含有光重合硬化層との積層構造の厚さ(厚さ:A+B、全体の厚さ)における導電性粒子含有光重合硬化層表面から深さ方向(厚さ方向)に占める割合(占有率)は、下記式より算出した。
占有率(%)=C/(A+B)×100
評価1及び評価2から、実施例の部材は、利用面(導電性粒子含有光重合硬化層表面)で導電性及び撥水性の両方を有することが確認できた。また、溶剤等の揮発性成分の蒸発除去を行わずに、部材を得ることができた。
部材断面の走査型顕微鏡写真(図1〜図4)及び表2から、導電性粒子含有光重合硬化層中の導電性粒子は、層表面やその近傍に偏って分布していることが確認できた。一方、比較例では、導電性粒子含有光重合硬化層中の導電性粒子は、偏って分布することはなく、層中に分散して分布することが確認できた。
図1は、実施例1の部材の部材断面(左図)及び部材表面(右図)における走査型電子顕微鏡写真である。 図2は、実施例4の部材の部材断面(左図)及び部材表面(右図)における走査型電子顕微鏡写真である。 図3は、実施例7の部材の部材断面(左図)及び部材表面(右図)における走査型電子顕微鏡写真である。 図4は、実施例10の部材の部材断面(左図)及び部材表面(右図)における走査型電子顕微鏡写真である
符号の説明
1a 実施例1の部材の部材断面
1b 実施例1の部材の部材表面
2a 実施例4の部材の部材断面
2b 実施例4の部材の部材表面
3a 実施例7の部材の部材断面
3b 実施例7の部材の部材表面
4a 実施例10の部材の部材断面
4b 実施例10の部材の部材表面

Claims (20)

  1. ポリマー層と、そのポリマーを構成する少なくとも1種のモノマー成分を吸収可能なモノマー吸収層との積層構造を有する部材であって、該ポリマー層がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布する形態で導電性粒子を含む導電性粒子偏在ポリマー層であるとともに、該ポリマー層におけるモノマー吸収層とは反対側の層表面において、表面抵抗率が1.0×1012Ω/□以下であり、かつ、水接触角が100°以上であることを特徴とする導電撥水部材。
  2. モノマー吸収層とは反対側の界面近傍が、モノマー吸収層とは反対側の界面から厚み方向の全厚みに対して50%以内の領域である請求項1記載の導電撥水部材。
  3. モノマー吸収層が、ポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層である請求項1又は2記載の導電撥水部材。
  4. モノマー吸収ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分が、導電性粒子偏在ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分の少なくとも1つと共通する請求項3記載の導電撥水部材。
  5. 導電性粒子が、針状の形状を有している針状導電性粒子である請求項1〜4の何れかの項に記載の導電撥水部材。
  6. 針状導電性粒子が、金属元素がドープしている金属酸化物の粒子、又は金属元素がドープしている金属酸化物で被覆されている無機物の粒子である請求項5記載の導電撥水部材。
  7. 金属元素がドープしている金属酸化物が、アンチモンドープ酸化スズである請求項6記載の導電撥水部材。
  8. 導電性粒子偏在ポリマー層のポリマーが、アクリル系ポリマーである請求項1〜7の何れかの項に記載の導電撥水部材
  9. テープ状又はシート状の形態を有する請求項1〜8の何れかの項に記載の導電撥水部材。
  10. 重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収層の少なくとも一方の面に、重合性モノマー及び導電性粒子を少なくとも含有する導電性粒子含有重合性組成物からなる導電性粒子含有重合性組成物層を設けることにより、導電性粒子含有重合性組成物層内で導電性粒子を移動させて、導電性粒子がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布している導電性粒子偏在重合性組成物層を得た後、該導電性粒子偏在重合性組成物層を重合させて、導電性粒子がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布しているとともに、モノマー吸収層とは反対側の層表面において、表面抵抗率が1.0×1012Ω/□以下であり、かつ、水接触角が100°以上である導電性粒子偏在ポリマー層を形成し、該導電性粒子偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有する部材を得ることを特徴とする導電撥水部材の製造方法。
  11. 重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収性シートのモノマー吸収面上に、重合性モノマー及び導電性粒子を少なくとも含有する導電性粒子含有重合性組成物からなる導電性粒子含有重合性組成物層が積層され、さらに導電性粒子含有重合性組成物層上にカバーフィルムが積層された構成を有している積層体を作製し、導電性粒子含有重合性組成物層内で導電性粒子を移動させて、導電性粒子がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布している導電性粒子偏在重合性組成物層を得た後、該導電性粒子偏在重合性組成物層を重合させ、導電性粒子がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布しているとともに、モノマー吸収層とは反対側の層表面において、表面抵抗率が1.0×1012Ω/□以下であり、かつ、水接触角が100°以上である導電性粒子偏在ポリマー層を形成し、該導電性粒子偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有する部材を得ることを特徴とする導電撥水部材の製造方法。
  12. カバーフィルムが、剥離性を有する請求項11記載の導電撥水部材の製造方法。
  13. モノマー吸収層が、ポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層である請求項10〜12の何れかの項に記載の導電撥水部材の製造方法。
  14. モノマー吸収ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分が、導電性粒子偏在ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分の少なくとも1つと共通する請求項13記載の導電撥水部材の製造方法。
  15. 導電性粒子含有重合性組成物層の重合の際に光照射を用いる請求項10〜14の何れかの項に記載の導電撥水部材の製造方法。
  16. 導電性粒子が、針状の形状を有している針状導電性粒子である請求項10〜15の何れかの項に記載の導電撥水部材の製造方法。
  17. 針状導電性粒子が、金属元素がドープしている金属酸化物の粒子、又は金属元素がドープしている金属酸化物で被覆されている無機物の粒子である請求項16記載の導電撥水部材の製造方法。
  18. 金属元素がドープしている金属酸化物が、アンチモンドープ酸化スズである請求項17記載の導電撥水部材の製造方法。
  19. 重合性モノマーとして、アクリル系モノマーを用いる請求項10〜18の何れかの項に記載の導電撥水部材の製造方法。
  20. テープ状又はシート状の形態を有する導電撥水部材を得る請求項10〜19の何れかの項に記載の導電撥水部材の製造方法。
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