JP2003340983A - 帯電防止フィルム、その製造方法、光学素子および画像表示装置 - Google Patents

帯電防止フィルム、その製造方法、光学素子および画像表示装置

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JP2003340983A
JP2003340983A JP2002152196A JP2002152196A JP2003340983A JP 2003340983 A JP2003340983 A JP 2003340983A JP 2002152196 A JP2002152196 A JP 2002152196A JP 2002152196 A JP2002152196 A JP 2002152196A JP 2003340983 A JP2003340983 A JP 2003340983A
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JP2002152196A
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Shigeo Kobayashi
茂生 小林
Takuya Matsunaga
卓也 松永
Kaori Shiromizu
香織 白水
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた帯電防止機能を有し、かつ層間の密着
性が十分な帯電防止フィルムを提供すること。 【解決手段】 透明基材フィルム上に、透明樹脂層(A
1 )及び透明樹脂層(B)がこの順で積層されている帯
電防止フィルムにおいて、透明樹脂層(A1)中に金属
酸化物超微粒子が厚み方向に濃度分布を有して偏在して
おり、かつ透明樹脂層(B)側の金属酸化物超微粒子の
濃度が高くなっており、透明樹脂層(A1 )中にみかけ
透明導電層が形成されていることを特徴とする帯電防止
フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止フィルム
に関する。また、本発明の帯電防止フィルムを用いた偏
光板等の光学素子は、液晶ディスプレイ(LCD)、有
機EL表示装置、PDP等のFPD(フラットパネルデ
ィスプレイ)等の各種画像表示装置において好適に利用
できる。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置には、その画像形成方式か
ら液晶パネルの最表面を形成するガラス基板の両側に偏
光板を配置することが必要不可欠であり、この偏光板に
は表面の汚れ付着を防止するために表面保護フィルムを
貼付し、偏光板を液晶セルに実装する際にはまず偏光板
を液晶セルに貼り付けてから表面保護フィルムを剥離す
るのが一般的である。
【0003】しかしその際、剥離による帯電で液晶が配
向不良を起こしやすいため、セル製造上好ましくない。
そのため、偏光板上に帯電防止層を設け帯電防止機能を
付与することが検討されてきた。
【0004】帯電防止層は偏光板の表面上に設けること
が最も効果的である。しかしながら、例えば界面活性剤
のような水分の付着により帯電防止機能を発現するよう
な材料では効果が不安定であり、かつ不十分である。導
電性を持つ他の材料としては、4級アミン含有樹脂のよ
うなイオン電導型、金属酸化物分散樹脂のような電子電
導型があり、いずれも帯電防止効果は十分であるが、液
晶ディスプレイの表面材料として求められる硬度及び耐
擦傷性を有する材料は未だ開発されていない。そのた
め、帯電防止層の上にさらに硬度と耐擦傷性を備えた樹
脂層を設けることが試みられた。この場合、帯電防止層
はイオン電導型では不十分で、電子電導型の金属酸化物
を用いる必要がある。
【0005】しかし、金属酸化物を用いた電子電導型で
は、帯電防止機能を向上させるためには金属酸化物の濃
度を高くすればよいが、そうすると材料樹脂の量が相対
的に減少し、上下層と帯電防止層の密着性が低下する。
そのため、帯電防止機能と各層間の密着性の両立を図る
ことは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた帯電
防止機能を有し、かつ層間の密着性が十分な帯電防止フ
ィルムを提供することを目的とする。また、当該帯電防
止フィルムを用いた偏光板等の光学素子、さらには当該
光学素子等を搭載した画像表示装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す帯電防止
フィルムを用いることにより前記目的を達成できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、透明基材フィルム上
に、透明樹脂層(A1 )及び透明樹脂層(B)がこの順
で積層されている帯電防止フィルムにおいて、透明樹脂
層(A 1 )中に金属酸化物超微粒子が厚み方向に濃度分
布を有して偏在しており、かつ透明樹脂層(B)側の金
属酸化物超微粒子の濃度が高くなっており、透明樹脂層
(A1 )中にみかけ透明導電層が形成されていることを
特徴とする帯電防止フィルム、に関する。
【0009】上記本発明では、透明樹脂層(A1 )中の
透明樹脂層(B)側に金属酸化物超微粒子を偏在させて
おり、透明樹脂層(A1 )における透明樹脂層(B)側
は、みかけ透明導電層(みかけ上の透明導電層、帯電防
止層)を形成している。その結果、透明樹脂層(B)側
の透明樹脂層(A1 )において、みかけ透明導電層によ
り帯電防止効果を確保している。
【0010】透明樹脂層(A1 )中の金属酸化物超微粒
子の偏在の程度は、TEM等による断面観察により行う
ことができる。偏在の程度は、たとえば、図1に示すよ
うに、透明樹脂層(A1 )の厚み(L1 )に対する、み
かけ透明導電層2の厚み(L 2 )の比(L2 /L1 )が
0.8以下になる厚み(L2 )の範囲に、透明樹脂層
(A1 )中の金属酸化物超微粒子3を90体積%以上、
さらには95体積%以上を含むような場合をいう。比
(L2 /L1 )は、さらに好ましくは0.6以下であ
る。
【0011】前記帯電防止フィルムにおいて、透明樹脂
層(A1 )中の金属酸化物超微粒子の比重(d1 )が、
透明樹脂層(A1 )形成樹脂の比重(d2 )より小さい
ことが好ましい。金属酸化物超微粒子の比重(d1 )<
形成樹脂の比重(d2 )の場合には、比重差を利用して
金属酸化物超微粒子を透明樹脂層(B)側に偏在させや
すい。
【0012】前記帯電防止フィルムにおいて、透明樹脂
層(A1 )が、透明基材フィルムの成分を含有している
ことが好ましい。透明基材フィルム上に金属酸化物超微
粒子を含有する樹脂溶液を塗布する場合、樹脂溶液中の
溶剤により透明基材フィルムが溶解し、透明樹脂層(A
1 )に透明基材フィルムの成分を含有させることができ
る。これにより、透明基材フィルムと透明樹脂層(A
1 )との密着性を高くすることができる。
【0013】また本発明は、透明樹脂層(A1 )中のみ
かけ透明導電層の両側表面が凹凸形状になっており、み
かけ透明導電層の最も層の薄い部分の層幅に対して最も
層の厚い部分の層幅が2倍以上であることを特徴とする
帯電防止フィルム、に関する。
【0014】さらに本発明は、透明基材フィルム上に、
透明樹脂層(A2 )、金属酸化物超微粒子を含有する透
明樹脂層(A3 )、および透明樹脂層(B)がこの順で
積層されている帯電防止フィルムにおいて、透明樹脂層
(A3 )の両側表面が凹凸形状になっており、該樹脂層
の最も層の薄い部分の層幅に対して最も層の厚い部分の
層幅が2倍以上であることを特徴とする帯電防止フィル
ム、に関する。
【0015】このようにみかけ透明導電層又は透明樹脂
層(A3 )(帯電防止層)の両側表面を凹凸形状にし、
該層の最も層の薄い部分の層幅に対して最も層の厚い部
分の層幅を2倍以上にすることにより上下層との密着性
をさらに向上させることができる。
【0016】さらに本発明の帯電防止フィルムは、前記
みかけ透明導電層又は透明樹脂層(A3 )の面方向2μ
m間隔に凹部分と凸部分が繰り返し4つ以上両側表面に
それぞれ形成されていることが好ましい。このような凹
凸形状を形成することにより、さらに上下層との密着性
を向上させることができる。
【0017】また、前記透明基材フィルムがトリアセチ
ルセルロースフィルムであり、前記透明樹脂層のいずれ
もが紫外線又は電子線硬化型樹脂を含有してなる樹脂層
であることが好ましい。
【0018】本発明は、透明基材フィルム上に、透明樹
脂層(A1 )及び透明樹脂層(B)をこの順で積層して
なる帯電防止フィルムの製造方法において、透明基材フ
ィルム上に、金属酸化物超微粒子を含有する透明樹脂層
(A1 )形成樹脂溶液を塗布し、透明樹脂層(B)を形
成する側に金属酸化物超微粒子を偏在させた後、該形成
樹脂を硬化させ、その後に透明樹脂層(B)を積層する
ことを特徴とする帯電防止フィルムの製造方法、に関す
る。かかる製造方法により、透明樹脂層(A1)中の金
属酸化物超微粒子を透明樹脂層(B)側に偏在した帯電
防止フィルムを容易に製造できる。
【0019】また本発明は、光学素子の片面又は両面
に、前記帯電防止フィルムが設けられていることを特徴
とする光学素子、に関する。さらに本発明は、前記帯電
防止フィルムまたは光学素子を搭載した画像表示装置、
に関する。
【0020】本発明の帯電防止フィルムを用いた偏光板
等の光学素子は、帯電防止効果に優れ、かつ密着不良の
問題もない。また光学特性にも優れている。また光学素
子は、各種の用途に用いることができ、これを搭載した
液晶表示装置等の画像表示装置は表示品位がよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施形態
を図面を参照しながら説明する。図1は、透明基材フィ
ルム1の片側に透明樹脂層(A1 )、および透明樹脂層
(B)がこの順で積層されている帯電防止フィルムであ
る。透明樹脂層(A1 )中には金属酸化物超微粒子3が
透明樹脂層(B)側に偏在しており、厚み(L2 )の範
囲では、みかけ透明導電層2が形成されている。
【0022】透明基材フィルムは、透明性、機械的強
度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものが
好ましい。透明基材フィルムの材料としては、例えばポ
リエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート
等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースや
トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポ
リメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリ
スチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS
樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポ
リマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有する
ポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如き
ポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナ
イロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミ
ド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスル
ホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマ
ー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアル
コール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニル
ブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオ
キシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または
前記ポリマーのブレンド物なども前記基材フィルムを形
成するポリマーの例としてあげられる。アクリル系やウ
レタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコー
ン系等の熱硬化型ないし紫外線硬化型樹脂などをフィル
ム化したものなどもあげられる。
【0023】透明基材フィルムの厚さは、適宜に決定し
うるが、一般には強度、取扱い性等の作業性、および薄
層性等の点から10〜300μm程度であるが、20〜
300μm程度とするのが好ましく、特に30〜300
μm程度とするのが好ましい。
【0024】透明基材フィルムとしては、偏光特性や耐
久性などの点よりトリアセチルセルロースフィルムが好
適である。なお、偏光子の両側に透明基材フィルムを設
ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる透明基
材フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等から
なる透明基材フィルムを用いてもよい。
【0025】透明基材フィルム上に積層される透明樹脂
層(A1 )の形成材料としては、透明性が高く、前記透
明基材フィルムとの密着性を高めるために相溶性の良い
ものであれば特に制限なく使用することができるが、前
記透明基材フィルムと同様の材料を用いることが好まし
い。特にこれらのなかでも簡単な加工操作にて効率よく
層を形成することができる紫外線又は電子線硬化型樹脂
を用いることが好ましい。紫外線又は電子線硬化型樹脂
としては、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、
アミド系、シリコーン系、エポキシ系等の各種のものが
あげられ、紫外線又は電子線硬化型のモノマー、オリゴ
マー、ポリマー等が含まれる。なお、紫外線硬化型樹脂
には紫外線重合開始剤が配合されている。
【0026】透明樹脂層(A1 )を形成する透明樹脂
は、1種または2種以上を適宜に選択して使用できる
が、前述の通り、透明樹脂の比重(d2 )は、金属酸化
物超微粒子の比重(d1 )より大きいものが好ましい。
【0027】また、透明樹脂層(B)の形成材料として
は、通常用いられる透明性の高いものであれば特に制限
されないが、密着性を高めるために前記透明樹脂層(A
1 )の形成材料と同種の樹脂を用いることが好ましい。
また、前記紫外線又は電子線硬化型樹脂を用いることが
好ましい。
【0028】金属酸化物超微粒子としては、樹脂との相
溶性が良く、帯電防止効果を有するものであれば特に制
限されないが、例えばATO(アンチモン・錫の酸化
物)、ITO(インジウム・錫の酸化物)、亜鉛、錫、
チタンの酸化物等の超微粒子があげられる。なお、これ
らは単独、もしくは複数を組み合わせて用いることがで
きる。
【0029】金属酸化物超微粒子の粒径は、帯電防止効
果を得るのに効率が良く、光学的特性を損なわない大き
さであれば特に制限はないが、1〜100nm程度であ
ることが好ましく、10〜40nm程度であることがよ
り好ましい。
【0030】金属酸化物超微粒子の含有量は、十分な帯
電防止効果を付与させるために透明樹脂層(A1 )形成
組成物(固形分)中、40〜90重量%であることが好
ましく、特に50〜80重量%であることが好ましい。
【0031】透明樹脂層(A1 )の形成法は、金属酸化
物超微粒子が透明樹脂層(B)側に偏在した状態のもの
を形成できれば、特に制限されない。例えば、透明基材
フィルム上に金属酸化物超微粒子を含有する透明樹脂層
(A1 )形成樹脂溶液を塗布し、透明樹脂層(B)を形
成する側に金属酸化物超微粒子を偏在させたのち、該形
成樹脂を硬化してみかけ透明導電層を有する透明樹脂層
(A1 )を形成する方法を採用できる。
【0032】前記樹脂溶液の塗工は、例えば、ワイヤー
バーなどのバーコーター、マイクログラビアコーター、
ダイコーター、キャスティング、スピンコート、ファン
テンメタリング等の適宜な方式で塗工される。
【0033】前記透明樹脂を溶解する溶剤としては、ト
ルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコー
ル、エチルアルコール、塩化メチレン、シクロヘキサノ
ン等の一般的な溶剤があげられる。特に透明樹脂層(A
1 )の形成においては、金属酸化物超微粒子の比重との
関係上、金属酸化物超微粒子の種類に応じて溶剤を選択
する必要があるが、特にイソプロピルアルコール、エチ
ルアルコール、及びシクロヘキサノンの混合溶媒を用い
ることが好ましい。透明基材フィルムを溶解させて透明
樹脂層(A1 )との密着性を向上させるためには、酢酸
エチル、メチルエチルケトン、塩化メチレン、シクロヘ
キサノン等を含有させることが好ましい。
【0034】透明樹脂層(A1 )の形成において、金属
酸化物超微粒子の偏在の確認は、透明樹脂層(A1 )形
成樹脂溶液の塗布後、表面抵抗を測定することにより行
うことができる。通常、透明樹脂溶液の塗工後、3〜4
5秒間、好ましくは5〜30秒間放置することにより金
属酸化物超微粒子を偏在させることができる。
【0035】透明樹脂層(A1 )の厚さは特に制限され
ないが、0.01〜10μm程度、特に0.05〜2μ
mとするのが好ましい。
【0036】透明樹脂層(B)の形成法も特に制限され
ず、前記記載の方法を採用できる。また、透明樹脂層
(B)の厚さは、適宜に決定しうるが、0.5〜10μ
m程度であるが好ましく、特に1〜8μm程度にするの
が好ましい。
【0037】一方、図2は透明基材フィルム1の片側に
透明樹脂層(A2 )、金属酸化物超微粒子3を含有する
透明樹脂層(A3 )、および透明樹脂層(B)がこの順
で積層されている帯電防止フィルムである。
【0038】該透明基材フィルムの材料及び厚さは、前
記記載と同様である。また、透明樹脂層(A2 )、透明
樹脂層(A3 )、および透明樹脂層(B)の形成材料
も、前記記載の透明樹脂層(A1 )と同様の材料を使用
できる。
【0039】透明樹脂層(A3 )中の金属酸化物超微粒
子も前記記載のものを使用できるが、その使用量は透明
樹脂層(A3 )形成組成物(固形分)中、90重量%以
上であることが好ましく、特に92〜97重量%である
ことが好ましい。
【0040】各層の形成法も特に制限されず、前記記載
の方法を採用できる。例えば、透明樹脂層(A2 )形成
樹脂溶液を透明基材フィルム上に塗布し、該形成樹脂を
硬化して透明樹脂層(A2 )を形成し、さらに同様の方
法により透明樹脂層(A3 )、透明樹脂層(B)を順次
積層する方法を採用できる。
【0041】透明樹脂層(A2 )の厚さは特に制限され
ないが、0.025〜5μm程度、特に0.5〜1μm
とするのが好ましい。
【0042】また、透明樹脂層(A3 )の厚さも特に制
限されないが、0.01〜2μm程度、特に0.02〜
1μmとするのが好ましい。
【0043】本発明の帯電防止フィルムのみかけ透明導
電層及び透明樹脂層(A3 )は、透明樹脂層(B)及び
透明樹脂層(A2 )との密着性を向上させるため、層の
両側表面が微細凹凸形状になっていることが好ましく、
その凹凸形状の大きさは帯電防止効果と密着性を両立で
きれば特に制限されないが、該層中の任意断面における
最も層の薄い部分の層幅に対して最も層の厚い部分の層
幅が2倍以上であり、特に3倍以上であることが好まし
い。
【0044】また、本発明においては図3、4に示すよ
うにみかけ透明導電層2及び透明樹脂層(A3 )の任意
の面方向2μm間隔に凹部分と凸部分が繰り返し4つ以
上両側表面にそれぞれ形成されることが好ましく、特に
8つ以上形成されることが好ましい。このような形状に
することにより、上下層と帯電防止層との密着性をさら
に向上させることができる。
【0045】なお、透明樹脂層(A1 )、(A2 )、
(A3 )、及び(B)にケイ素化合物、例えば、ポリシ
ロキサン等を添加することにより、上下層と帯電防止層
との密着性を向上させることもできる。
【0046】前記透明樹脂層(B)のみかけ透明導電層
又は透明樹脂層(A3 )が接着されている面の反対側の
面には、反射防止処理、スティッキング防止、及び拡散
ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであ
ってもよい。また、透明樹脂層(B)にフッ素やケイ素
を含有したオリゴマーを添加することにより防汚染性を
付与することもできる。
【0047】前記反射防止処理は偏光板表面での外光の
反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反
射防止膜などの形成により達成することができる。
【0048】スティッキング防止処理は隣接層との密着
防止を目的に施される。
【0049】またアンチグレア処理は偏光板の表面で外
光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止
等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト
方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子
の配合方式などの適宜な方式にて透明樹脂層(B)の表
面に微細凹凸構造を付与することにより形成することが
できる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒
子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリ
カ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化イ
ンジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる
無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有
機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹
凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹
凸構造を形成する透明樹脂成分100重量部に対して一
般的に2〜50重量部程度であり、5〜25重量部が好
ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視
角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を
兼ねるものであってもよい。
【0050】なお、前記反射防止層、スティッキング防
止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明樹脂層(B)
そのものに設けることができるほか、別途光学層として
透明保護層とは別体のものとして設けることもできる。
【0051】前記帯電防止フィルムの透明基材フィルム
には、光学素子を接着することができる。光学素子とし
ては、偏光子があげられる。偏光子は、特に制限され
ず、各種のものを使用できる。偏光子としては、たとえ
ば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール
化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フ
ィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着さ
せて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処
理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向
フィルム等があげられる。これらのなかでもポリビニル
アルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からな
る偏光子が好適である。これら偏光子の厚さは特に制限
されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
【0052】ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素
で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニル
アルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染
色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することが
できる。必要に応じてホウ酸やヨウ化カリウムなどの水
溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色
の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して
水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水
洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚
れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほか
に、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させること
で染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸
はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら
延伸してもよし、また延伸してからヨウ素で染色しても
よい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中
でも延伸することができる。
【0053】前記偏光子は、通常、片側または両側に透
明保護フィルムが設けられ偏光板として用いられる。透
明保護フィルムは透明性、機械的強度、熱安定性、水分
遮蔽性、等方性などに優れるものが好ましい。透明保護
フィルムとしては前記例示の透明基材フィルムと同様の
材料のものが用いられる。前記透明保護フィルムは、表
裏で同じポリマー材料からなる透明保護フィルムを用い
てもよく、異なるポリマー材料等からなる透明保護フィ
ルムを用いてもよい。透明性や機械的強度、熱安定性や
水分遮断性などに優れるものが好ましく用いられる。ま
た透明保護フィルムは、位相差等の光学的異方性が少な
いほど好ましい場合が多い。前記の透明保護フィルムを
形成するポリマーとしてはトリアセチルセルロースが最
適である。前記帯電防止フィルムを、偏光子 (偏光板)
の片側または両側に設ける場合、帯電防止フィルムの透
明基材フィルムは、偏光子の透明保護フィルムを兼ねる
ことができる。透明保護フィルムの厚さは、特に制限さ
れないが10〜300μm程度が一般的である。
【0054】帯電防止フィルムに偏光板を積層した帯電
防止偏光板は、帯電防止フィルムに透明保護フィルム、
偏光子、透明保護フィルムを順次に積層したものでもよ
いし、帯電防止フィルムに偏光子、透明保護フィルムを
順次に積層したものでもよい。
【0055】その他、透明保護フィルムの偏光子を接着
させない面は、ハードコート層やスティッキング防止や
目的とした処理を施したものであってもよい。ハードコ
ート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施され
るものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの
適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れ
る硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式な
どにて形成することができる。また、スティッキング防
止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。なお、
前記ハードコート層、スティッキング防止層等は、透明
保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途
光学層として透明保護フィルムとは別体のものとして設
けることもできる。
【0056】また偏光板の層間へ、例えばハードコート
層、プライマー層、接着剤層、粘着剤層、帯電防止層、
導電層、ガスバリヤー層、水蒸気遮断層、水分遮断層等
を挿入、または偏光板表面へ積層しても良い。また。偏
光板の各層を作成する段階では、例えば、導電性粒子あ
るいは帯電防止剤、各種微粒子、可塑剤等を各層の形成
材料に添加、混合等することにより改良を必要に応じて
おこなっても良い。
【0057】光学素子としては、実用に際して、前記偏
光板に、他の光学素子(光学層)を積層した光学フィル
ムを用いることができる。その光学層については特に限
定はないが、例えば反射板や半透過板、位相差板(1/
2 や1/4 等の波長板を含む)、視角補償フィルムなど
の液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層
を1層または2層以上用いることができる。特に、偏光
板に更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反
射型偏光板または半透過型偏光板、偏光板に更に位相差
板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板、偏光板
に更に視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光
板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層され
てなる偏光板が好ましい。楕円偏光板、光学補償付き偏
光板等では偏光板側にハードコートフィルムが付与され
る。
【0058】さらに必要に応じて、耐擦傷性、耐久性、
耐候性、耐湿熱性、耐熱性、耐湿性、透湿性、帯電防止
性、導電性、層間の密着性向上、機械的強度向上等の各
種特性、機能等を付与するための処理、または機能層の
挿入、積層等を行うこともできる。
【0059】反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けた
もので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表
示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのもの
であり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶
表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反
射型偏光板の形成は、必要に応じ、前記透明保護フィル
ム等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付
設する方式などの適宜な方式にて行うことができる。
【0060】反射型偏光板の具体例としては、必要に応
じマット処理した透明保護フィルムの片面に、アルミニ
ウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射
層を形成したものなどがあげられる。
【0061】反射板は前記偏光板の透明保護フィルムに
直接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じた
適宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなどと
して用いることもできる。なお反射層は、通常、金属か
らなるので、その反射面が透明保護フィルムや偏光板等
で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低
下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層
の別途付設の回避の点などより好ましい。
【0062】なお、半透過型偏光板は、上記において反
射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透
過型の反射層とすることにより得ることができる。半透
過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表
示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、
視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示
し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバ
ックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源
を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを
形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲
気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節
約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用い
て使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用で
ある。
【0063】偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕
円偏光板または円偏光板について説明する。直線偏光を
楕円偏光または円偏光に変えたり、楕円偏光または円偏
光を直線偏光に変えたり、あるいは直線偏光の偏光方向
を変える場合に、位相差板などが用いられる。特に、直
線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える
位相差板としては、いわゆる1 /4 波長板(λ/4 板と
も言う)が用いられる。1 /2 波長板(λ/2 板とも言
う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用い
られる。
【0064】楕円偏光板はスーパーツイストネマチック
(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じ
た着色(青又は黄)を補償(防止)して、前記着色のな
い白黒表示する場合などに有効に用いられる。更に、三
次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を
斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)するこ
とができて好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー
表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場
合などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有す
る。上記した位相差板の具体例としては、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリオレ
フィン、ポリアリレート、ポリアミドの如き適宜なポリ
マーからなるフィルムを延伸処理してなる複屈折性フィ
ルムや液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配
向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。位
相差板は、例えば各種波長板や液晶層の複屈折による着
色や視角等の補償を目的としたものなどの使用目的に応
じた適宜な位相差を有するものであってよく、2種以上
の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御したも
のなどであってもよい。
【0065】また上記の楕円偏光板や反射型楕円偏光板
は、偏光板又は反射型偏光板と位相差板を適宜な組合せ
で積層したものである。かかる楕円偏光板等は、(反射
型)偏光板と位相差板の組合せとなるようにそれらを液
晶表示装置の製造過程で順次別個に積層することによっ
ても形成しうるが、前記の如く予め楕円偏光板等の光学
フィルムとしたものは、品質の安定性や積層作業性等に
優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させうる利点
がある。
【0066】視角補償フィルムは、液晶表示装置の画面
を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合で
も、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるた
めのフィルムである。このような視角補償位相差板とし
ては、例えば位相差フィルム、液晶ポリマー等の配向フ
ィルムや透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を支持し
たものなどからなる。通常の位相差板は、その面方向に
一軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムが用
いられるのに対し、視角補償フィルムとして用いられる
位相差板には、面方向に二軸に延伸された複屈折を有す
るポリマーフィルムとか、面方向に一軸に延伸され厚さ
方向にも延伸された厚さ方向の屈折率を制御した複屈折
を有するポリマーや傾斜配向フィルムのような二方向延
伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムとして
は、例えばポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着し
て加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを
延伸処理又は/及び収縮処理したものや、液晶ポリマー
を斜め配向させたものなどが挙げられる。位相差板の素
材原料ポリマーは、先の位相差板で説明したポリマーと
同様のものが用いられ、液晶セルによる位相差に基づく
視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡
大などを目的とした適宜なものを用いうる。
【0067】また良視認の広い視野角を達成する点など
より、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液
晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学的異方性層をトリ
アセチルセルロースフィルムにて支持した光学補償位相
差板が好ましく用いうる。
【0068】偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた
偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用
される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバッ
クライトや裏側からの反射などにより自然光が入射する
と所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射
し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィ
ルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光
源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると
共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射され
る。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後
ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フ
ィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態
の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の
増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給
して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図る
ことにより輝度を向上させうるものである。すなわち、
輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液
晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合に
は、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する
光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透
過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によって
も異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてし
まい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少
し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸
収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させ
ずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側
に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィ
ルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反
射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るよ
うな偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは
透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの
光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画
面を明るくすることができる。
【0069】輝度向上フィルムと上記反射層等の間に拡
散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって
反射した偏光状態の光は上記反射層等に向かうが、設置
された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏
光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板
は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、す
なわち自然光状態の光が反射層等に向かい、反射層等を
介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルム
に再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィ
ルムと上記反射層等の間に、偏光を元の自然光状態にも
どす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持
しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均
一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板
を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回
数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の
明るい表示画面を提供することができたものと考えられ
る。
【0070】前記の輝度向上フィルムとしては、例えば
誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィル
ムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過し
て他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液
晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム
基材上に支持したものの如き、左回り又は右回りのいず
れか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示
すものなどの適宜なものを用いうる。
【0071】従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を
透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光
をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることによ
り、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過さ
せることができる。一方、コレステリック液晶層の如く
円偏光を投下するタイプの輝度向上フィルムでは、その
まま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑
制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化し
て偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相
差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を
直線偏光に変換することができる。
【0072】可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板
として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡
色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他
の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板とし
て機能する位相差層とを重畳する方式などにより得るこ
とができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に
配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層から
なるものであってよい。
【0073】なお、コレステリック液晶層についても、
反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3
層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域
等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることが
でき、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得る
ことができる。
【0074】また、偏光板は、上記の偏光分離型偏光板
の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層し
たものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏
光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型
楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
【0075】前記光学素子への帯電防止フィルムの積
層、さらには偏光板への各種光学層の積層は、液晶表示
装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても行う
ことができるが、これらを予め積層したのものは、品質
の安定性や組立作業等に優れていて液晶表示装置などの
製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着層等
の適宜な接着手段を用いうる。前記の偏光板やその他の
光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とす
る位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることが
できる。
【0076】前述した偏光板や、偏光板を少なくとも1
層積層されている光学フィルム等の光学素子の少なくと
も片面には、前記帯電防止フィルムが設けられている
が、帯電防止フィルムが設けられていない面には、液晶
セル等の他部材と接着するための粘着層を設けることも
できる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されない
が、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、
ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテ
ル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマー
とするものを適宜に選択して用いることができる。特
に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度
な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性
や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
【0077】また上記に加えて、吸湿による発泡現象や
剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や
液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる
液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が低くて耐
熱性に優れる粘着層が好ましい。
【0078】粘着層は、例えば天然物や合成物の樹脂
類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビー
ズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔
料、着色剤、酸化防止剤などの粘着層に添加されること
の添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して
光拡散性を示す粘着層などであってもよい。
【0079】偏光板、光学フィルム等の光学素子への粘
着層の付設は、適宜な方式で行いうる。その例として
は、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独
物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその
組成物を溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘
着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜
な展開方式で光学素子上に直接付設する方式、あるいは
前記に準じセパレータ上に粘着層を形成してそれを光学
素子上に移着する方式などがあげられる。粘着層は、各
層で異なる組成又は種類等のものの重畳層として設ける
こともできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力など
に応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであ
り、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μm
が好ましい。
【0080】粘着層の露出面に対しては、実用に供する
までの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着さ
れてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着
層に接触することを防止できる。セパレータとしては、
上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴ
ムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属
箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に
応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モ
リブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなど
の、従来に準じた適宜なものを用いうる。
【0081】なお本発明において、上記した光学素子を
形成する偏光子や透明保護フィルムや光学層等、また粘
着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合
物やべンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系
化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系
化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式によ
り紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
【0082】本発明の帯電防止フィルムを設けた光学素
子は液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用
いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じ
て行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セル
と光学素子、及び必要に応じての照明システム等の構成
部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより
形成されるが、本発明においては本発明による光学素子
を用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。
液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型な
どの任意なタイプのものを用いうる。
【0083】液晶セルの片側又は両側に前記光学素子を
配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライト
あるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置
を形成することができる。その場合、本発明による光学
素子は液晶セルの片側又は両側に設置することができ
る。両側に光学素子を設ける場合、それらは同じもので
あってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、
液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチ
グレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レン
ズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な
部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することがで
きる。
【0084】次いで有機エレクトロルミネセンス装置
(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機
EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と
金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミ
ネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層
は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニ
ルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン
等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あ
るいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電
子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入
層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み
合わせをもった構成が知られている。
【0085】有機EL表示装置は、透明電極と金属電極
とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と
電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によっ
て生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍
光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原
理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般
のダイオードと同様であり、このことからも予想できる
ように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴
う強い非線形性を示す。
【0086】有機EL表示装置においては、有機発光層
での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透
明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(IT
O)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として
用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上
げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが
重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を
用いている。
【0087】このような構成の有機EL表示装置におい
て、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜
で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と
同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に
透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを
透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面
側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示
装置の表示面が鏡面のように見える。
【0088】電圧の印加によって発光する有機発光層の
表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面
側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス
発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表
面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光
板との間に位相差板を設けることができる。
【0089】位相差板および偏光板は、外部から入射し
て金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するた
め、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視
認させないという効果がある。特に、位相差板を1 /4
波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向の
なす角をπ/4 に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に
遮蔽することができる。
【0090】すなわち、この有機EL表示装置に入射す
る外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過す
る。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光とな
るが、とくに位相差板が1 /4 波長板でしかも偏光板と
位相差板との偏光方向のなす角がπ/4 のときには円偏
光となる。
【0091】この円偏光は、透明基板、透明電極、有機
薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透
明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光
となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と
直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、
金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
【0092】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。なお、表面抵抗率及び密着性
については下記の方法により測定した。
【0093】実施例1 (透明樹脂層(A1 )の形成)3官能アクリルモノマー
(TMPTA)50重量部、3官能シリコンアクリレー
ト(50重量部)、粒子径20〜30nmのATO超微
粒子(100重量部)、チオキサントン系紫外線重合開
始剤(10重量部)をエタノール:イソプロピルアルコ
ール:シクロヘキサノン=1:1:0.2の混合溶媒中
に加え、固形分3%の樹脂層組成物(a1 )を調製し
た。透明基材フィルムとして厚さ80μmのトリアセチ
ルセルロースフィルム(TACフィルム)上に前記樹脂
層組成物(a1 )をワイヤーバー♯10で塗布した。塗
布5秒後に100℃の熱風循環式オーブンに3分間投入
し溶剤を揮発させた。その後、紫外線コンベアにて30
0mJ/cm2 の紫外線を照射して硬化させ、厚さ0.
2μmの透明樹脂層(A1 )を形成した。 (透明樹脂層(B)の形成)3官能アクリレート(TM
PTA)50重量部、イソシアヌル環を有する6官能ウ
レタンアクリレートモノマー(50重量部)、ベンゾフ
ェノン系紫外線重合開始剤(チバガイギー製、イルガキ
ュア184)5重量部を酢酸ブチル:トルエン=2:3
の混合溶媒中に加え、固形分40%の樹脂層組成物
(b)を得た。
【0094】前記形成した透明樹脂層(A1 )上に樹脂
層組成物(b)をワイヤーバー♯12で塗布した。塗布
30秒後に80℃の熱風循環式オーブンに3分間投入し
溶剤を揮発させた。その後、紫外線コンベアにて300
mJ/cm2 の紫外線を照射して硬化させ、厚さ2.4
μmの透明樹脂層(B)を形成し、帯電防止フィルムを
得た。得られた帯電防止フィルムの断面を走査型電子顕
微鏡で観察した結果、図1に示す、比(L2 /L1 )を
0.5とした場合に、L2 の範囲内に透明樹脂層(A
1 )中のATO超微粒子の95%があることを確認し、
みかけ透明導電層が形成されていることを確認した。A
TO超微粒子の割合は、走査型電子顕微鏡で観察された
断面から、元素分析(XPS)のマッピングにより導い
た。みかけ透明導電層の任意断面における最も層の薄い
部分の層幅に対して最も層の厚い部分の層幅は約4倍で
あった。また、みかけ透明導電層の任意の面方向2μm
間隔に凹部分と凸部分が繰り返し4つ両側表面にそれぞ
れ形成されていた。
【0095】実施例2 (透明樹脂層(A2 )の形成)3官能アクリレート(T
MPTA)100重量部、イソシアヌル環を有する6官
能ウレタンアクリレートモノマー(50重量部)、ベン
ゾフェノン系紫外線重合開始剤(チバガイギー製、イル
ガキュア184)5重量部を酢酸ブチル:トルエン=
2:3の混合溶媒中に加え、固形分2%の樹脂層組成物
(a2 )を得た。透明基材フィルムとして厚さ80μm
のトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)
上に前記樹脂層組成物(a2 )をワイヤーバー♯5で塗
布した。塗布30秒後に80℃の熱風循環式オーブンに
3分間投入し溶剤を揮発させた。その後、紫外線コンベ
アにて300mJ/cm2 の紫外線を照射して硬化さ
せ、厚さ1μmの透明樹脂層(A2 )を形成した。 (透明樹脂層(A3 )の形成)3官能アクリルモノマー
(TMPTA)5重量部、3官能シリコンアクリレート
(5重量部)、粒子径20〜30nmのATO超微粒子
(100重量部)、チオキサントン系紫外線重合開始剤
(5重量部)をエタノール:イソプロピルアルコール:
シクロヘキサノン=1:1:0.2の混合溶媒中に加
え、固形分1%の樹脂層組成物(a3 )を調製した。前
記形成した透明樹脂層(A2 )上に樹脂層組成物(a
3 )をワイヤーバー♯3で塗布した。塗布5秒後に10
0℃の熱風循環式オーブンに3分間投入し溶剤を揮発さ
せた。その後、紫外線コンベアにて300mJ/cm2
の紫外線を照射して硬化させ、厚さ0.1μmの透明樹
脂層(A3 )を形成した。 (透明樹脂層(B)の形成)3官能アクリレート(TM
PTA)50重量部、イソシアヌル環を有する6官能ウ
レタンアクリレートモノマー(50重量部)、ベンゾフ
ェノン系紫外線重合開始剤(チバガイギー製、イルガキ
ュア184)5重量部を酢酸ブチル:トルエン=2:3
の混合溶媒中に加え、固形分40%の樹脂層組成物
(b)を得た。
【0096】前記形成した透明樹脂層(A3 )上に樹脂
層組成物(b)をワイヤーバー♯12で塗布した。塗布
30秒後に80℃の熱風循環式オーブンに3分間投入し
溶剤を揮発させた。その後、紫外線コンベアにて300
mJ/cm2 の紫外線を照射して硬化させ、厚さ2.4
μmの透明樹脂層(B)を形成し、帯電防止フィルムを
得た。得られた帯電防止フィルムの断面を走査型電子顕
微鏡で観察した結果、透明樹脂層(A3 )の任意断面に
おける最も層の薄い部分の層幅に対して最も層の厚い部
分の層幅は約4倍であった。また、透明樹脂層(A3
の任意の面方向2μm間隔に凹部分と凸部分が繰り返し
4つ両側表面にそれぞれ形成されていた。
【0097】比較例1 (透明樹脂層(A1 )の形成)エタノール:イソプロプ
ルアルコール=1:1の混合溶媒を用い、固形分%とし
た以外は実施例1と同様の方法で厚さ0.2μmの透明
樹脂層(A1 )を形成した。 (透明樹脂層(B)の形成)実施例1と同様の方法によ
り、厚さ2.4μmの透明樹脂層(B)を形成し、帯電
防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムの断面
を走査型電子顕微鏡で観察した結果、ATO超微粒子は
透明樹脂層(A1 )の全体に混在しており、みかけ透明
導電層は形成されていなかった。
【0098】参考例(実施例1との比較において、みか
け透明導電層は同様に形成されていたが、表面抵抗率、
及び密着性に劣る例) (透明樹脂層(A1 )の形成)樹脂層組成物(a1 )の
塗布後、熱風循環式オーブン投入までに室温下にて1分
間放置して乾燥させた以外は実施例1と同様の方法で厚
さ0.1μmの透明樹脂層(A1 )を形成した。 (透明樹脂層(B)の形成)実施例1と同様の方法によ
り、厚さ2.4μmの透明樹脂層(B)を形成し、帯電
防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムの断面
を走査型電子顕微鏡で観察した結果、図1に示す、比
(L2 /L1 )を0.3とした場合に、L2 の範囲内に
透明樹脂層(A 1 )中のATO超微粒子の90%がある
ことを確認し、みかけ透明導電層が形成されていること
を確認した。ATO超微粒子の割合は、走査型電子顕微
鏡で観察された断面から、元素分析(XPS)のマッピ
ングにより導いた。みかけ透明導電層の任意断面におけ
る最も層の薄い部分の層幅に対して最も層の厚い部分の
層幅は約1.2倍であった。なお、明らかな凹凸部分は
形成されていなかった。
【0099】<表面抵抗率>帯電防止フィルムの表面抵
抗率を表面抵抗率計(三菱化学製、ハイレスタHP)及
び本体に付属のリング電極を用いて、定電圧印加漏洩電
流測定法(JISK6911)により印加電圧1kVの
条件下で測定した。なお、表面抵抗率が1011Ω/□以
下の場合に帯電防止効果が優れている。結果を表1に示
す。
【0100】<密着性>碁盤目テープ剥離試験(JIS
K5400)により、帯電防止フィルムの透明樹脂層
(B)上に縦横1mm間隔で11本づつ線を引き碁盤目
(100個)状に傷をつける。その上にセロハンテープ
を貼り付けた後、引き剥がして碁盤目状の透明樹脂層
(B)が剥離するかどうかについて測定した。なお、試
験は100個の碁盤目のうち剥離した個数を調べた。結
果を表1に示す。
【0101】
【表1】 表1より本発明の帯電防止フィルム(実施例)は、表面
抵抗率が1011Ω/□以下であり帯電防止効果に優れ、
また密着性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電防止フィルムの断面の一例であ
る。
【図2】本発明の帯電防止フィルムの断面の他の一例で
ある。
【図3】図1の帯電防止フィルムの一部(2μm幅)の
拡大図である。
【図4】図2の帯電防止フィルムの一部(2μm幅)の
拡大図である。
【符号の説明】
1 :透明基材フィルム 2 :みかけ透明導電層 3 :金属酸化物超微粒子 A1 :透明樹脂層(A1 ) A2 :透明樹脂層(A2 ) A3 :透明樹脂層(A3 ) B :透明樹脂層(B)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白水 香織 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H091 FA31X FB02 FB13 LA07 2H092 GA64 HA03 HA28 NA14 PA12 4F100 AA17B AJ06A AK01B AK01C AK01D AK25 AL05B AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C BA44 DD01B DD01D DE01B EH46 EH462 EJ08 EJ082 EJ54 EJ542 GB41 JB14B JB14C JB14D JG01B JG03 JL11 JN01A JN01D YY00B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材フィルム上に、透明樹脂層(A
    1 )及び透明樹脂層(B)がこの順で積層されている帯
    電防止フィルムにおいて、透明樹脂層(A1)中に金属
    酸化物超微粒子が厚み方向に濃度分布を有して偏在して
    おり、かつ透明樹脂層(B)側の金属酸化物超微粒子の
    濃度が高くなっており、透明樹脂層(A1 )中にみかけ
    透明導電層が形成されていることを特徴とする帯電防止
    フィルム。
  2. 【請求項2】 透明樹脂層(A1 )が、透明基材フィル
    ムの成分を含有していることを特徴とする請求項1に記
    載の帯電防止フィルム。
  3. 【請求項3】 透明樹脂層(A1 )中のみかけ透明導電
    層の両側表面が凹凸形状になっており、みかけ透明導電
    層の最も層の薄い部分の層幅に対して最も層の厚い部分
    の層幅が2倍以上であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の帯電防止フィルム。
  4. 【請求項4】 透明基材フィルム上に、透明樹脂層(A
    2 )、金属酸化物超微粒子を含有する透明樹脂層(A
    3 )、および透明樹脂層(B)がこの順で積層されてい
    る帯電防止フィルムにおいて、透明樹脂層(A3 )の両
    側表面が凹凸形状になっており、該樹脂層の最も層の薄
    い部分の層幅に対して最も層の厚い部分の層幅が2倍以
    上であることを特徴とする帯電防止フィルム。
  5. 【請求項5】 前記みかけ透明導電層又は透明樹脂層
    (A3 )の面方向2μm間隔に凹部分と凸部分が繰り返
    し4つ以上両側表面にそれぞれ形成されていることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の帯電防止フィ
    ルム。
  6. 【請求項6】 前記透明基材フィルムがトリアセチルセ
    ルロースフィルムであり、前記透明樹脂層のいずれもが
    紫外線又は電子線硬化型樹脂を含有してなる樹脂層であ
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の帯
    電防止フィルム。
  7. 【請求項7】 透明基材フィルム上に、透明樹脂層(A
    1 )及び透明樹脂層(B)をこの順で積層してなる帯電
    防止フィルムの製造方法において、透明基材フィルム上
    に、金属酸化物超微粒子を含有する透明樹脂層(A1
    形成樹脂溶液を塗布し、透明樹脂層(B)を形成する側
    に金属酸化物超微粒子を偏在させた後、該形成樹脂を硬
    化させ、その後に透明樹脂層(B)を積層することを特
    徴とする請求項1〜3、5、及び6のいずれかに記載の
    帯電防止フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 光学素子の片面又は両面に、請求項1〜
    6のいずれかに記載の帯電防止フィルムが設けられてい
    ることを特徴とする光学素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載の帯電防
    止フィルム又は請求項8に記載の光学素子を搭載した画
    像表示装置。
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