JP4488825B2 - 制電性樹脂成形体 - Google Patents

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本発明は、アルコール類、特にイソプロピルアルコール(以下、IPAと記す)でワイピングクロス等による表面の拭き取り洗浄を繰り返しても、表面抵抗率の上昇が少ない制電性樹脂成形体に関する。
従来より、クリーンルームのパーティション、半導体・液晶製造に用いるキャリアーボックス、製造装置の外板のごとき塵埃を嫌う用途には、静電気を逃がして塵埃の付着を防止する制電性樹脂板が使用されている。また、クリーンルームのクリーン度を一定レベル以上に確保するために、クリーンルームの施工後若しくはクリーンルームの定期的なメンテナンスの際などには汚染分子を除去する作業が不可欠であり、パーティションをアルコール類等を含ませたワイピングクロス等で拭き取る作業が行われている。
かかる制電性樹脂板として、本出願人は、透明な熱可塑性樹脂基板の表面に、曲がりくねって絡み合う極細の長炭素繊維を含んだ透明な熱可塑性樹脂の制電層を形成してなる制電性樹脂板を提案した(特許文献1)。
特開2001−62952号公報
特許文献1に記載の制電性樹脂板は、表面抵抗率のバラツキが少なく、適度な制電性を有し、透明性も良好であるなど、多くの長所を有するものであったが、IPA等のアルコール類を含んだワイピングクロスで制電性樹脂板表面の拭き取り洗浄を繰り返すと、表面抵抗率が大幅に上昇して満足な制電性能(帯電防止性能)を発揮し難くなる。この原因は、表面の制電層と基板との界面がアルコール類に侵され劣化が促進されるため、基板から制電層が少しずつ剥離し制電性が低下すると考えられる。
本発明は上記の問題に対処するためになされたもので、耐アルコール類拭き取り性に富み、アルコール類を含んだワイピングクロス等で表面の拭き取り洗浄を繰り返しても表面抵抗率の上昇が少なく、実用上十分な制電性能を維持できる制電性樹脂成形体を提供することを解決課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明の制電性樹脂成形体は、アルコール類で拭き取り洗浄される用途に用いられる、樹脂成形体の少なくとも片面に制電層を積層した制電性樹脂成形体であって、上記制電層が極細導電繊維を含み、当該極細導電繊維の含有量が制電層表面側から樹脂成形体側に向かって順次減少していることを特徴とする。
また、本発明の制電性樹脂成形体は、アルコール類で拭き取り洗浄される用途に用いられる、樹脂成形体の少なくとも片面に制電層を積層した制電性樹脂成形体であって、上記制電層が極細導電繊維を含み、当該極細導電繊維の含有量が制電層表面側から樹脂成形体側に向かって順次減少しており、イソプロピルアルコールを含ませたワイピングクロスで拭き取り洗浄を100回繰り返した後の表面抵抗率が10 Ω/□オーダーもしくはそれ以下であることを特徴とする。
本発明の制電性樹脂成形体においては、制電層における極細導電繊維の含有量が、樹脂成形体側は実質的に0質量%であることが望ましい。また、制電層は、樹脂成形体側から、極細導電繊維の含有量が異なる数種類の極細導電繊維含有塗液を、極細導電繊維の含有量の少ない塗液から順に塗布、乾燥して形成されたものであることが好ましい。そして、制電層が、接着層を介して樹脂成形体に積層されていることも好ましい。また、制電層の極細導電繊維は1本ずつ分離した状態で若しくは複数本集まって束になったものが1束ずつ分離した状態で、凝集することなく分散して互いに接触していることが好ましく、特に、極細導電繊維はカーボンナノチューブであることが望ましい。
本発明の制電性樹脂成形体のように、樹脂成形体表面に積層されている制電層が、極細導電繊維を含み当該極細導電繊維の含有量が制電層表面側から樹脂成形体側に向かう程減少していると、制電層と樹脂成形体との界面における密着性が向上して制電層が剥離することがなくなる。特に上記樹脂成形体側の含有量が実質的に0質量%であると、樹脂同士の積層となるので密着性に優れていて制電層が剥離することがない。従ってIPAに代表されるアルコール類で表面の拭き取り洗浄を繰り返し行っても、制電層の剥離に伴う表面抵抗率の上昇は僅かであり、後述の実験データから明らかなように、イソプロピルアルコールを含ませたワイピングクロスで拭き取り洗浄を100回繰り返した後の表面抵抗率が10 Ω/□オーダーもしくはそれ以下となって、当初の実用上十分な制電性が維持される。
本発明の制電性樹脂成形体において、制電層が、樹脂成形体側から、極細導電繊維の含有量が異なる数種類の極細導電繊維含有塗液を、極細導電繊維の含有量の少ない塗液から順に塗布、乾燥して形成されたものであって、制電層の極細導電繊維の含有量が、樹脂成形体側に向かって連続的に或は段階的に減少していると、制電層内部の密着性にも優れていて、制電層内部での剥離も生じない。さらに、制電層が接着層を介して樹脂成形体に積層されていると、接着層と樹脂成形体との密着・接合性が向上すると共に、当該接着層は極細導電繊維の含有量が少ない制電層側に位置するので制電層との密着性にも優れていて、制電層の剥離、脱落による表面抵抗率の上昇を抑制することができる。
また、制電層の極細導電繊維が1本ずつ分離した状態で、若しくは、複数本集まって束になったものが1束ずつ分離した状態で分散して互いに接触している制電性樹脂成形体は、極細導電繊維の含有量を少なくしても極細導電繊維相互の接触を確保して十分な制電性能を発揮できるため、透明な制電性樹脂成形体を得る場合に有利であり、特に、極細導電繊維がカーボンナノチューブである場合は、該カーボンナノチューブが細くて長いため相互接触が確保され易く、十分な制電性を維持しながら含有量をさらに少なくして透明性を向上させるうえで極めて有利である。
なお、本発明で「接触」とは、極細導電繊維が現実に接触している場合と、極細導電繊維が導通可能な微小間隔をあけて近接している場合の双方を意味する用語である。
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
図1は本発明の一実施形態に係る制電性樹脂成形体を一部拡大して示す断面図である。
この実施形態は透明な板状の制電性樹脂成形体を示したもので、透明な板状の樹脂成形体1と、その表面に積層された接着層2と、制電層3とで構成されている。
この樹脂成形体1は、透明な熱可塑性樹脂や熱や紫外線や電子線や放射線などで硬化する硬化性樹脂を板状に成形したものであって、熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等のビニル系樹脂、ニトロセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリジメチルシクロヘキサンテレフタレート、芳香族ポリエステル等のエステル系樹脂、ABS樹脂、これらの樹脂の共重合体樹脂、これらの樹脂の混合樹脂などが使用され、また、硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂などが使用される。この樹脂成形体1には可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤等が適宜配合され、成形性、熱安定性、耐候性等が高められる。この樹脂成形体1は用途に応じた厚さとすればよいが、通常の厚さは0.03〜10mm程度である。
この実施形態では、樹脂成形体1を透明な板状体に成形しているが、それ以外の異型形状に成形してもよく、また、フィラーや着色剤を配合して不透明にしてもよい。
接着層2は、接着機能を有する熱可塑性樹脂よりなるものであり、上述した樹脂成形体1と同種もくしは相溶性のある熱可塑性樹脂が好ましく、代表的な接着性樹脂としては接着性に優れるアクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が使用される。接着層2を、フィルムに成形した接着層用フィルムを使用して形成すると、例えば、熱圧着や押出ラミネートや転写等の手段によって、制電層を設けた当該接着層用フィルムを樹脂成形体1の表面に容易かつ強固にラミネートすることができる。この場合、接着層2の厚みは特に限定されないが、制電層のベースフィルムとしての強度を有する50〜250μm程度の厚みにすることが好ましい。
制電層3は、極細導電繊維31とバインダー樹脂32とからなる透明な層であって、極細導電繊維31の含有量が制電層表面側ほど多く、接着層側ほど減少するように、該繊維31が成分傾斜構造を有して含有されている。制電層1における制電層表面側(制電領域3a)の極細導電繊維31の含有量は、制電性能を発現させる必要から2〜90質量%を含有させることが好ましく、更に、表面抵抗率が10Ω/□〜1011Ω/□の実用上十分な制電性能で、且つ耐アルコール拭き取り性を有させるためには、8〜50質量%の範囲であることが望ましい。
一方、制電層3における接着層側(樹脂領域3c)の極細導電繊維31の含有量は、接着層2との密着性と表面からのIPA等のアルコール類や溶剤の影響をなくすために0〜20質量%となるべく少なく含有させることが好ましく、より好ましくは0〜10質量%であり、最も好ましいのは含有量を実質的に0質量%となして樹脂のみにすることである。そして、制電層3における、制電領域3aと樹脂領域3cとの中間(中間領域3b)は、極細導電繊維31の含有量が接着層側(樹脂領域3c)ほど減少するようになされている。
上記の実質的に0質量%とは、樹脂のみで樹脂領域3cを形成しても、中間領域3bから繊維31が移行して僅かに含有されることがあり、この意図しない含有がある場合も含めて実質的に0質量%としてのである。
これらの各領域3a、3b、3cに含有される極細導電繊維31は、制電領域3aから樹脂領域3cに向って連続的に含有量を減少させて傾斜させてもよいし、或は、一定量の含有量の制電領域3aと、これより含有量を減少さした中間領域3bと、さらに含有量が減少した、若しくは含有されていない樹脂領域3cとを積層して段階的に含有量を変えて傾斜させて変化させてもよい。
このように、制電層3に含有される極細導電繊維31の含有量を、接着層側(樹脂領域3c)ほど減少させることにより、制電層3の表面をIPA等のアルコール類で拭き取り洗浄を行った際、IPA等が制電層3の表面から浸透しても、含有量の少ない制電層3の樹脂領域3cで浸透を防止できるので、制電層3が接着層2から剥離するのを防止できるし、また接着層2に対するIPAなどによる影響も排除できる。この制電層3の厚みは、50〜2000nmとすることが好ましく、50nmより薄いと極細導電繊維31の含有量の少ない樹脂領域3cを確保できないし、2000nmより厚くしてもIPA等のアルコール類の浸透防止性能は向上しない。この厚みの範囲内で、制電層表面の極細導電繊維31の含有量が多い制電境域3aは10〜500nmとすることが、制電性能と高透明性を同時に発現させるうえで好ましい。このように薄く形成すると、分散している極細導電繊維31が厚み方向に接近して互いに接触する機会が増加するため、極細導電繊維31の含有量を更に少なくしても十分な制電性が発揮され、透明性が一層高められることになる。
この極細導電繊維31の含有量が傾斜した、所謂成分傾斜構造を有する制電層3を形成するには、極細導電繊維31を含まない樹脂塗液、極細導電繊維31の含有量が異なる1種類ないし数種類の塗液、制電性を発現する極細導電繊維31を含有する塗液を3種類調合し、これを接着層2の上に、極細導電繊維31を含まない塗液をまず塗布、乾燥し、次に含有量の異なる塗液のなかで含有量の少ない塗液から順に塗布、乾燥し、最後に制電性を発揮できる含有量の塗液を塗布、乾燥することで、段階的に含有量が異なる樹脂領域3c、中間領域3b、制電領域3aとからなる制電層3を容易に得ることができる。この際に、各塗布液が乾燥する前に次の塗液を塗布すると、塗液同士が界面で混ざり合って連続的に含有量が変化・傾斜する制電層3とすることができる。同様に、各塗液に用いる溶剤を同じものとすることで、乾燥塗膜であってもその上に塗布する塗液によって乾燥塗膜が溶解されて塗液と混合して連続的に変化する制電層3とすることもできる。
また、他の方法は、接着層となる樹脂で接着層用フィルムを作製すると共に、極細導電繊維31の含有量の異なる各塗液を塗布乾燥して各制電層用フィルムを作製し、接着層用フィルムに含有量の少ない順に制電層用フィルムを重ねて積層することにより、接着層2と、繊維含有量が段階的に変化した樹脂領域3c、中間領域3b、制電領域3aとからなる制電層3とが一体となった制電性フィルムを得ることができる。
さらに他の方法は、接着層2となる樹脂で接着層用フィルムを予め作製すると共に、このフィルムに極細導電繊維含有量の異なる塗液を極細導電繊維含有量の少ない塗液から順に塗布することで、接着層2と、含有量が段階的に或は連続的に変化した樹脂領域3c、中間領域3b、制電領域3aとからなる制電層3を有する制電性フィルムを得ることができる。
さらに他の方法は、接着層2となる樹脂で接着層用フィルムを予め作製すると共に、このフィルムに極細導電繊維31を含まない樹脂塗液を塗布し、次に極細導電繊維含有量の異なる塗液を極細導電繊維含有量の少ない塗液から順に塗布することで、含有量が段階的に或は連続的に変化した樹脂領域3c、中間領域3b、制電領域3aからなる制電層3を有する制電性フィルムを得ることができる。
これらの各製法では、数種類の塗液を作製したが、下記の方法を利用すれば、極細導電繊維31を含まない樹脂塗液と制電性を発現する塗液との2種類の塗液を用いて、極細導電繊維の成分傾斜構造を有する制電性塗膜を有する制電性フィルムを得ることができる。
その方法として、接着層2となる樹脂で接着層用フィルムを予め作製すると共に、このフィルムに極細導電繊維31を含まない樹脂塗液を塗布、乾燥固化させ、次にその塗膜表面に極細導電繊維31を含む塗液を塗布することにより、当該塗液を極細導電繊維31を含まない樹脂塗膜に浸透させて、極細導電繊維含有量が連続的に変化した制電領域3a、中間領域3b、樹脂領域3cからなる、成分傾斜構造を有した制電層3を有する制電性フィルムを得ることができる。
また、他の方法として、接着層2となる樹脂で接着層用フィルムを予め作製すると共に、このフィルムに極細導電繊維31を含まない樹脂塗液と制電性を発現する含有量の塗液との2種類の塗液を用いて、制電領域3aと樹脂領域3cの2層構成とした制電層3を形成したり、或は、制電性を発現する塗液とこれより極細導電繊維含有量の少ない塗液を用いて中間領域3bと樹脂領域3cの2層構成とした制電層3を形成したりして、制電性フィルムを得ることもできる。
この制電層3に用いられている極細導電繊維31は、その制電領域3aに制電性を発現できる量を含有させればよい。しかし、透明な制電性樹脂成形体を得るためには、制電層3も透明にする必要があるので、極細導電繊維31が1本ずつ分離した状態で、もしくは、複数本集まって束になったものが1束ずつ分離した状態で、凝集することなく分散して互いに接触していることが好ましい。すなわち図2の(A)に示すように、極細導電繊維31はバインダー樹脂32の内部に埋没して上記の分散状態で分散して互いに接触しているか、或は、図2の(B)に示すように、極細導電繊維31の一部がバインダー樹脂32に入り込み、他の部分がバインダー樹脂32の表面から突出ないし露出して、上記の分散状態で分散して互いに接触しているか、或は、一部の極細導電繊維31が図2の(A)のようにバインダー樹脂32の内部に埋没し、他の極細導電繊維31は図2の(B)のように表面から突出ないし露出している状態で分散して互いに接触している。
この極細導電繊維31の平面的な分散状態を模式的に示したものが図3である。この図3から理解できるように、極細導電繊維31は多少曲がっているが1本ずつ或は1束ずつ分離し、互いに複雑に絡み合うことなく、即ち凝集することなく、単純に交差した状態で制電層3のバインダー樹脂32の内部又は表面に分散し、それぞれの交点で接触している。このように分散していると、凝集している場合に比べて、極細導電繊維31が解れて広範囲に存在し、極細導電繊維同士の接触する機会が著しく増加するため、極細導電繊維31の含有量を少なくしても、制電層3が満足な制電性を発揮できるようになる。従って、極細導電繊維31の量が少なくなった分だけ透明性が向上し、また、制電層3を薄くすることもできるので一層透明性を向上させることができる。更に、上記のような分散状態であると、制電性樹脂成形体を曲げ加工した場合でも、極細導電繊維31の曲がった部分が伸びたり、又は接触状態が外れても他の極細導電繊維と再び接触するので、極細導電繊維31同士の接触がなくなり表面抵抗率が低下する心配もない。
このような分散は、極細導電繊維31が完全に1本ずつ或は1束ずつ分離し分散している必要はなく、一部に絡み合った小さな凝集塊があってもよいが、その大きさは平均径が0.5μm以上でないことが好ましい。
極細導電繊維31としては、カーボンナノチューブやカーボンナノホーン、カーボンナノワイヤ、カーボンナノファイバー、グラファイトフィブリルなどの極細長炭素繊維、或いは、白金、金、銀、ニッケル、シリコンなどの金属ナノチューブ、ナノワイヤなどの極細長金属繊維、或いは、酸化亜鉛などの金属酸化物ナノチューブ、ナノワイヤなどの極細長金属酸化物繊維など、直径が0.3〜100nmで長さが0.1〜20μm、好ましくは長さが0.1〜10μmである極細導電繊維が好ましく用いられる。
これらの極細導電繊維31の中では、カーボンナノチューブが最も好ましく使用される。このカーボンナノチューブには、中心軸線の周りに直径が異なる複数の円筒状に閉じたカーボン壁を同心的に備えた多層カーボンナノチューブや、中心軸線の周りに単独の円筒状に閉じたカーボン壁を備えた単層カーボンナノチューブがあるが、いずれも好ましく使用される。多層カーボンナノチューブは1本ずつ分離した状態で分散するものが殆どであるが、2〜3層カーボンナノチューブは、束になって分散する場合もある。一方、単層カーボンナノチューブは単独で存在することがなく、2本以上が束になった状態で存在し、その束が1束ずつ分離した状態で分散する。
制電層3のバインダー樹脂32としては、接着層2と同種又は相溶性のある樹脂が使用される。従って、接着層2がアクリル樹脂であれば、これと接着可能なアクリル系樹脂、或は、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(酢酸ビニルの占める割合が20質量%以下のもの)、塩化ビニル樹脂と酢酸ビニル樹脂との混合樹脂(酢酸ビニル樹脂の占める割合が20質量%以下のもの)などの塩化ビニル系樹脂等の樹脂が好ましく使用される。これらのバインダー樹脂32を使用すると、接着層2に対する制電層3の接合強度や密着性が向上して制電層3の剥離を防止することができる。上記のバインダー樹脂32のなかでも、塩化ビニル系樹脂は耐薬性に優れているので、制電層3の表面に薬品がかかったり、薬品雰囲気に晒されたり、IPA等のアルコール類で拭き取り洗浄されたりしても、塩化ビニル系樹脂で薬品やアルコール類が遮断されるので、これらが内部にまで浸透して制電層3が剥離したりすることがなく、長期に安定した制電性能を発揮できるし、耐アルコール類拭き取り性にも優れていて、好ましく使用される。
制電層3の形成は、バインダー樹脂を揮発性溶剤に溶解した溶液に、上記の極細導電繊維を均一に分散させて塗液を調製し、この塗液を樹脂成形体表面に塗布して乾燥固化させることが望ましい。また、制電性に優れた制電層を形成するには、極細導電繊維を非常に細かく均一に分散させた塗液を調製する必要があるので、例えば、高速インぺラー、サンドミル、アトライター、三本ロール、その他公知の方法・装置で十分に混合、分散させることが大切である。
制電層3中の、特に制電層3の制電領域3a中における極細導電繊維31の分散性を高めるためには、分散剤を配合することが望ましい。かかる分散剤としては、酸性ポリマーのアルキルアンモニウム塩溶液や3級アミン修飾アクリル共重合物やポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合物などの高分子系分散剤、カップリング剤などが使用される。なお、この制電層3には紫外線吸収剤、表面改質剤、安定剤等の添加剤を適宜加えて、耐候性その他の物性を向上させても良い。
上記構成の制電性樹脂成形体は、例えば次の方法で製造される。一つの方法は、樹脂成形体1の表面に、接着機能を有する樹脂からなる樹脂塗料を塗布、乾燥して接着層2を形成し、次にバインダー樹脂溶液に極細導電繊維31の含有量を変え分散させて調製した各塗料を、極細導電繊維含有量の少ない塗料から極細導電繊維含有量の多い塗料と順に接着層2の表面に塗布、乾燥して制電層3を形成することで、制電性樹脂成形体を製造する。
他の製法は、まず、接着機能を有する熱可塑性樹脂から作製された接着層用フィルムの表面に、バインダー樹脂溶液に極細導電繊維31の含有量を変え分散させて調製した各塗料を、極細導電繊維含有量の少ない塗料から極細導電繊維含有量の多い塗料と順に接着層用フィルムの表面に塗布、乾燥して制電層3を形成することにより、制電性フィルムを作製する。次いで、この制電性フィルムを熱圧着、押出ラミネート、接着などの手段で樹脂成形体1の表面にラミネートし、基材1と接着層2と制電層3とからなる制電性樹脂成形体を製造する。
もう一つの製法は、剥離フィルムの上に、バインダー樹脂溶液に極細導電繊維31の含有量を変えて分散させて調製した各塗料を、極細導電繊維含有量の多い塗料から極細導電繊維含有量の少ない塗料と順に剥離フィルムの表面に塗布、乾燥して制電層3を形成し、さらに接着機能を有する樹脂からなる樹脂塗料を塗布、乾燥して接着層2を形成してなる転写フィルムを形成し、この転写フィルムの接着層2を樹脂成形体1の表面に重ねて熱圧着、転写することにより制電性樹脂成形体を製造する方法である。
さらに他の製法は、まず、接着機能を有する熱可塑性樹脂から作製された接着層用フィルムの表面に、極細導電繊維31を含まない樹脂塗液を塗布、乾燥固化させ、次にその塗膜表面にバインダー樹脂溶液に極細導電繊維31を分散させて調製した塗料を塗布することにより、当該塗液を極細導電繊維31を含まない樹脂塗膜に浸透させて、接着層用フィルムの表面に制電層3を形成することにより、制電性フィルムを作製する。次いで、この制電性フィルムを熱圧着、押出ラミネート、接着などの手段で樹脂成形体1の表面にラミネートし、樹脂成形体1と接着層2と制電層3とからなる制電性樹脂成形体を製造する。
このようにして製造される制電性樹脂成形体は、樹脂成形体1の表面に接着層2と極細導電繊維31の含有量が傾斜した(成分傾斜構造を有する)制電層3を積層したものであり、この制電層3の樹脂領域3cと接着層2とは樹脂同士の接着となるので良好に密着接合して剥離することがない。そして、該樹脂領域3cが薬品やIPA等のアルコール類に侵され難いため、薬品やIPA等が樹脂領域3cを通して接着層2まで浸透することがなく、制電層3の樹脂成形体1からの剥離が抑制されて耐IPA拭き取り性が向上する。従って、この制電性樹脂成形体は、その表面をIPA等で繰り返し拭き取り洗浄をしても、制電層3の剥離に伴う表面抵抗率の上昇は僅かであり、当初の実用上十分な制電性を維持することができる。一方、制電層3の制電領域3aは制電性能を発現するに必要に極細導電繊維31を含有しているので、表面抵抗率を10〜1011Ω/□にすることができて、塵媒の付着を防止できる。しかも、該制電領域3aの極細導電繊維31が1本ずつ分離した状態で、又は、複数本集まって束になったものが1束ずつ分離した状態で、凝集することなく分散して互いに接触しているため、この制電性樹脂成形体は、極細導電繊維31の含有量を少なくしても極細導電繊維相互の接触を確保して充分な制電性を発現することができ、極細導電繊維31を減量できる分だけ透明性を向上させて透明な制電性樹脂成形体を得ることができる。
なお、本実施形態では制電性樹脂成形体は、樹脂成形体1と接着層2と制電層3とを積層したものであるが、さらに制電層3の上に薄い樹脂のトップコート層を形成してもよい。このトップコート層を形成しても制電層3による制電性能が発現されて、制電性を有する成形体とすることができる。
図4は本発明の他の実施形態に係る制電性樹脂成形体を一部拡大して示す断面図である。
この制電性樹脂成形体は、制電層3のバインダー樹脂32中に硬化剤4が含有されている点で、前述した制電性樹脂成形体と異なっている。この硬化剤4は、制電層3を強化して耐薬品性や耐アルコール類拭き取り性を向上させるためにバインダー樹脂32中に含有されるものであり、例えば、バインダー樹脂32と反応して架橋する硬化剤や、硬化性の樹脂などが使用される。
バインダー樹脂32が前述した塩化ビニル系樹脂である場合、これと反応する硬化剤としてはポリイソシアネート、例えば、2,4―トリレンジイソシアネートとその異性体又は異性体の混合物等のジイソシアネート類が好ましく使用される。かかるイソシアネート化合物を含有させると、該イソシアネート化合物が塩化ビニル系樹脂に起因する水酸基とウレタン結合して網目構造が形成されることによりバインダー樹脂部分が強化されるため、IPA等のアルコール類による拭き取り洗浄を繰り返してもIPA等が制電層3内を浸透することが抑制されて、表面抵抗率の上昇が抑えられるようになる。
また、バインダー樹脂32に含有させる硬化性樹脂としては、自然硬化型、光硬化型、紫外線硬化型、熱硬化型、電子線硬化型のいずれの樹脂も使用可能であり、これらの硬化性樹脂をバインダー樹脂32中に均等に含有させて強化すると、上記の硬化剤と同様に、溶剤やIPA等のアルコール類による制電層3内への浸透が抑制されて表面抵抗率の上昇が少なくなる。
上記の硬化剤4の含有量は、バインダー樹脂32に対して2〜20質量%とすることが好ましい。2質量%未満では、浸透抑制作用が不十分で表面抵抗率の上昇抑制効果が殆ど見られなくなり、一方、20質量%を越えると、硬化剤の反応基がバインダー樹脂の反応基に対して過剰となり、添加量に見合う浸透抑制の効果を期待できない。
この制電性樹脂成形体の他の構成および作用効果は、前述した図1の制電性樹脂成形体と同様であるので、図4において同一部材に同一符号を付すに止め、説明を省略する。
次に、本発明に係る制電性樹脂成形体の更に具体的な実施例を説明する。

[実施例1]
接着層用フィルムとして厚さ100μm、全光線透過率94%、ヘーズ0.6%のポリメチルメタクリレートフィルム(PMMAフィルム)を使用した。
一方、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(酢酸ビニルの占める割合は10質量%)を溶剤に溶解した樹脂塗液を調製した。
さらに、溶媒(シクロヘキサノン)中に、バインダー樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニルの占める割合が10質量%のもの)を溶解すると共に、単層カーボンナノチューブ[文献Chemical Physics Letters,323(2000),P580−585に基づいて合成したもの、直径1.3〜1.8nm]と、分散剤としての酸性ポリマーのアルキルアンモニウム塩溶液を加えて均一に混合、分散させ、単層カーボンナノチューブを0.6質量%、分散剤を0.2質量%、バインダー樹脂を2.0質量%含む塗液(以下、CNT塗液Aと記す)、及び、上記単層カーボンナノチューブを0.3質量%、上記分散剤を0.1質量%、上記バインダー樹脂を2.0質量%含む塗液(以下、CNT塗液Bと記す)、並びに、上記単層カーボンナノチューブを0.15質量%、上記分散剤を0.06質量%、上記バインダー樹脂を2.0質量%含む塗液(以下、CNT塗液Cと記す)をそれぞれ調製した。
そして、上記接着層用フィルムの表面に、上記調製した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂の樹脂塗液を厚み270nmになるように塗布して樹脂塗膜層を形成すると共に、上記調製した三種類のCNT塗液を、CNT塗液C、B、Aの順に前記樹脂塗膜層上に各制電塗膜の厚みが各々80nmとなるように塗布、乾燥して制電層を形成することにより、接着層用フィルムに樹脂塗膜層と3種類の制電塗膜からなる制電層とが形成された制電性フィルムを作製した。そして、この制電性フィルムを、厚さ5.0mmのポリカーボネート樹脂板(全光線透過率89.5%、ヘーズ0.2%)の表面に、接着層が下面となるように重ねて熱圧着することにより、表1に示す構成の透明な制電性樹脂板を製造した。
この制電性樹脂板について、表面抵抗率、全光線透過率、ヘーズを測定した結果を下記の表2に示す。また、この制電性樹脂板の表面(制電層表面)を、IPAを含ませたワイピングクロスで拭き取る作業を繰り返し、100回、200回、300回後の表面抵抗率、全光線透過率、ヘーズを測定して、その結果を下記の表2に示した。
尚、表面抵抗率は三菱化学(株)製のハイレスタで測定した値であり、全光線透過率とヘーズはASTM D1003に準拠してスガ試験機(株)製の直読ヘーズコンピューターHGM−2DPで測定した値である。
また、この制電性樹脂板の断面をSEMで観察し、接着層と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂塗膜層と各制電塗膜との界面の状態及び各厚みを確認しようとしたところ、接着層と樹脂塗膜層の界面は観察されたが、樹脂塗膜層と制電塗膜との界面は観察できずに一層として観察された。また、樹脂塗膜層と制電塗膜との厚みも当初想定した510nmではなく、290nmであった。このことより、樹脂塗膜層と制電塗膜とがその界面で溶け合って混合したか、若しくは、樹脂塗膜層に各制電塗液が順次浸透することにより一層になつたものと推測される。そして、単層カーボンナノチューブも混合若しくは浸透する際に制電塗膜から樹脂塗膜層へと移動して、成分傾斜構造を有する見かけ上、一層の制電層を形成したと推定することができる。
[実施例2]
実施例1の接着層用フィルム、及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(酢酸ビニルの占める割合は10質量%)を溶剤に溶解した樹脂塗液を使用し、また、CNT塗液は実施例1のCNT塗液Bを使用した。そして、上記接着層用フィルムの表面に、上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂塗液を厚み270nmになるように塗布すると共に、上記CNT塗液Bを前記樹脂塗膜上に厚み240nmとなるように塗布、乾燥することにより、接着層用フィルムに樹脂塗膜層とCNT塗液Bからなる制電層とが形成された制電性フィルムを作製した。そして、この制電性フィルムを、厚さ5.0mmのポリカーボネート樹脂板(全光線透過率89.5%、ヘーズ0.2%)の表面に、接着層が下面となるように重ねて熱圧着することにより、表1に示す構成の透明な制電性樹脂板を製造した。
この制電性樹脂板について、実施例1と同様に表面抵抗率、全光線透過率、ヘーズを測定すると共に、IPAを含ませたワイピングクロスで拭き取る作業を100回、200回、300回繰り返した後の表面抵抗率、全光線透過率、ヘーズを測定して、その結果を下記の表2に併記した。
また、この制電性樹脂板の断面をSEMで観察したところ、実施例1と同様、接着層と樹脂塗膜層の界面は観察されたが、樹脂塗膜層と制電層との界面は観察できずに一層として観察された。また、樹脂塗膜層と制電層との厚みも当初想定した510nmではなく、280nmであった。このことより、実施例1と同様に。成分傾斜構造を有する見かけ上、一層の制電層を形成したと推定することができる。
[比較例1]
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂からなる樹脂塗膜を省略して接着層用フィルムに直接CNT塗液Bを塗布乾燥した以外は、実施例2と同様にして、表1に示す構成の透明な制電性樹脂板を製造した。なお、制電層の厚みは240nmであった。そして、この制電性樹脂板について、実施例1と同様に表面抵抗率、全光線透過率、ヘーズを測定すると共に、IPAを含ませたワイピングクロスで拭き取る作業を100回、200回、300回繰り返した後の表面抵抗率、全光線透過率、ヘーズを測定して、その結果を下記の表2に併記した。
Figure 0004488825
Figure 0004488825
表2から、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂からなる樹脂塗膜層を形成していない比較例1の制電性樹脂板は、当初の表面抵抗率が実施例1及び実施例2の制電性樹脂板のそれと同程度の10Ω/□オーダーであるにも拘わらず、IPAを含浸させたワイピングクロスを用いた100回の拭き取り作業によって表面抵抗率が1011Ω/□オーダーに上昇している。そして、200回の拭き取り作業後は、表面抵抗率が更に1014Ω/□オーダー以上にまで上昇しており、耐IPA拭き取り性に劣っていることが分かる。
これに対し、極細導電繊維の成分傾斜構造を有する制電層を形成した実施例1,2の制電性樹脂板は、当初から300回の拭きとり作業が終わるまで、10Ω/□オーダーないし10Ω/□オーダーの表面抵抗率を維持しており、耐IPA性が良好であり、表面抵抗率の上昇抑制効果が発揮されていることが分かる。
以上のことから、極細導電繊維の成分傾斜構造を有する制電層は耐IPA拭き取り性が高く、表面抵抗率の顕著な上昇抑制効果を有することが分かる。
また、実施例1及び実施例2の制電性樹脂板及び比較例1の制電性樹脂板はいずれも、全光線透過率が81.5%以上、ヘーズが4.8%以下であり、CNTを含んだ制電層を形成しているにも拘わらず透明性が良好である。これは、CNTが充分に分散して接触導通する結果、CNTの含有量を減らすことができたからである。
しかし、実施例1、2は、IPA拭き取り作業により全光線透過率もヘーズもそれ程低下はしなかったが、比較例1は全光線透過率が8.7%、ヘーズが3.4%も低下し、IPA拭き取り作業によって光学特性も低下することが分かった。
本発明の一実施形態に係る制電性樹脂成形体を一部拡大して示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る制電性樹脂成形体を一部拡大して示す断面図である。 (A)は制電層内部における極細導電繊維の分散状態を示す模式断面図であり、(B)は制電層表面における極細導電繊維の分散状態を示す模式断面図である。 制電層における極細導電繊維3の平面的な分散状態を示す模式平面図である。
符号の説明
1 基材
2 接着層
3 制電層
3a 制電領域
3b 中間領域
3c 樹脂領域
31 極細導電繊維
32 バインダー樹脂
4 硬化剤

Claims (6)

  1. アルコール類で拭き取り洗浄される用途に用いられる、樹脂成形体の少なくとも片面に制電層を積層した制電性樹脂成形体であって、上記制電層が極細導電繊維を含み、当該極細導電繊維の含有量が制電層表面側から樹脂成形体側に向かって順次減少していることを特徴とする制電性樹脂成形体。
  2. アルコール類で拭き取り洗浄される用途に用いられる、樹脂成形体の少なくとも片面に制電層を積層した制電性樹脂成形体であって、上記制電層が極細導電繊維を含み、当該極細導電繊維の含有量が制電層表面側から樹脂成形体側に向かって順次減少しており、イソプロピルアルコールを含ませたワイピングクロスで拭き取り洗浄を100回繰り返した後の表面抵抗率が10 Ω/□オーダーもしくはそれ以下であることを特徴とする制電性樹脂成形体。
  3. 制電層における極細導電繊維の含有量が、樹脂成形体側は実質的に0質量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制電性樹脂成形体。
  4. 制電層が、樹脂成形体側から、極細導電繊維の含有量が異なる数種類の極細導電繊維含有塗液を、極細導電繊維の含有量の少ない塗液から順に塗布、乾燥して形成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制電性樹脂成形体
  5. 制電層が、接着層を介して樹脂成形体に積層されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の制電性樹脂成形体。
  6. 極細導電繊維がカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の制電性樹脂成形体。
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