JP2007148136A - 液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電気等に起因する異常点灯を短時間で解消できる液晶表示素子を提供する。
【解決手段】液晶表示素子1は、キャラクター表示可能なように構成された、表示部における開口部が70%以下であるパッシブマトリクス型のVAモード液晶表示素子である。基板4,5には電極層2,3が設けられており、電極層2,3上には配向膜層12,13が設けられており、液晶層6がこれらの間に挟持されている。そして、基板4,5上の電極層2,3と配向膜層12,13との間には、導電性フィラーが含有され表面抵抗が10Ω/□〜1010Ω/□の範囲である絶縁膜が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示素子に関し、特に、キャラクター表示が可能なパッシブマトリクス型のVAモード液晶表示素子に関する。
一般に、透過型の液晶表示素子は、所定の方向に配向した数μm程度の極薄い液晶層と、この液晶層を挟持する透明な一対の薄い基板と、さらに、この基板を挟持して偏光子および検光子を構成する一対の偏光板とを有する。液晶層が設けられる側の基板面には、所定の形状にパターニングされた電極が形成されている。そして、この電極を介して液晶層に電圧を印加すると、液晶の配向が変化して、液晶表示素子を透過する光の量または波長が変わる。これにより、所望の表示を行うことが可能となる。
このように、液晶表示素子は、比較的単純な構造からなっている。また、構成部材の選択によって薄型化および軽量化が容易であり、また、低電圧での駆動も可能であることから、近年では、車両用の表示素子として盛んに利用されている。
ところで、液晶表示素子は、液晶層の初期配向状態並びに電圧印加時の動作状態および配向状態などから、いくつかのモードに分類される。例えば、液晶テレビや、自動車などの車両のインストルメントパネルなどに利用される液晶表示素子には、VA(Vertical Alignment)モードが用いられる(例えば、特許文献1および2参照。)。VAモードは、正面から見たときのコントラスト比が高く、また、視野角が広いことから、運転者から見て視認性に優れたモードである。
VAモードは、一対の基板間に、初期配向状態が基板と概ね垂直(垂直配向)な負の誘電率異方性(Δε)を有する液晶層を挟持し、さらに、この基板を、通常はクロスニコルを構成するように配置した一対の偏光板で挟持することによって構成される。そして、基板面に形成された電極を介して液晶層に電圧を印加すると、液晶の配向が変化して、液晶層が電界に対して垂直、すなわち、液晶の配向方向が基板と平行になる。これにより、電圧を印加した部分と印加していない部分とで、液晶の屈折率異方性(Δn)と液晶層厚(d)との積(Δn・d)によって定まる光の透過特性、特に、色味に違いが生じる。この違いを利用することによって、所望の表示を行うことができる。
特開平11−148078号公報 特開2001−125144号公報
上述したように、VAモードでは、液晶層が負の誘電率異方性を有する。そして、液晶層が負の誘電率異方性を示すには、負の誘電率異方性の液晶を含んで構成される必要がある。すなわち、VAモードでは、適当な負の誘電率異方性の液晶を選択し、これを使用して液晶層が構成される。
負の誘電率異方性を有する液晶としては、分子構造にシアノ基を有するものが知られている。しかし、この液晶は、粘性が高いために、液晶表示素子駆動時における液晶の応答速度を著しく遅くするという問題がある。また、信頼性が低く、耐熱性にも乏しいことや、不純物の除去が困難であるために、液晶の性能および安定性の低下をもたらしやすいなどの問題もある。
これに対して、分子構造にフッ素原子を有する、所謂含フッ素液晶も負の誘電率異方性を示す液晶として知られている。この液晶は、粘性が低いので、液晶表示素子駆動時における液晶の応答速度を速くすることができる。また、信頼性が高く、耐熱性にも優れていることや、精製が容易であるなどの利点を有している。このため、VAモードでは、含フッ素型の液晶を選択し、これを用いて液晶層を構成するのが一般的となっている。
しかしながら、含フッ素液晶を用いて構成された液晶層では、液晶が高純度であるために高比抵抗となる。それ故、液晶表示素子の表面に設けられた保護用の樹脂フィルムを剥がす際や、使用者が液晶表示素子に触れた場合などに、生じた静電気を液晶層を通して逃がすことが困難となって、液晶表示素子の異常点灯を引き起こすという問題があった。
すなわち、樹脂フィルムを剥がす際などに生じた静電気は、液晶表示素子の内部で局在化した状態で長時間保持される。このため、静電気によって引き起こされる異常点灯も長時間続くことになる。特に、非点灯部で発生した異常点灯は、外部からこれを抑制する有効な手段が無いので、液晶表示素子における大きな問題となっている。
また、液晶表示素子における異常点灯の問題は、液晶表示素子の表示パターン(すなわち、電極パターン)の影響も受ける。例えば、アクティブマトリクス型の液晶TVなどで使用される、比較的高開口率のドットマトリクス構造では、表示部における電極構造が密である。よって、不意に液晶表示素子の表示部に静電気が印加された場合であっても、具備する電極を利用してこれを分散させることが比較的容易である。したがって、この構造によれば、直流電荷を局在化させないので、異常点灯を防止しやすい。また、配設されたカラーフィルタのブラックマスクによって異常点灯した非点灯部を隠すことにより、異常点灯部を視認者に見え難くすることもできる。
一方、キャラクター表示を行うことのできるパッシブマトリクス型の液晶表示素子では、静電気による異常点灯の問題が顕在化しやすい。これは、キャラクター表示では、電極構造が密なドットマトリクス構造ではなく、表示部の開口率が70%以下であり、表示部内で電極の形成されていない部分の面積が大きい構造となっているからである。
したがって、パッシブマトリクス型の液晶表示素子では、表示部に印加された静電気を電極を利用して分散させることが困難となる。このため、直流電荷が局在化し、異常点灯から回復するのに時間を要する。したがって、製造工程において、異常点灯が解消するまで製品検査ができないこととなって、生産性を低下させるという問題があった。また、製品となった後は、点灯部と、異常点灯した非点灯部とを外観上区別できないために、表示機能の低下をもたらすという問題もあった。
また、パッシブマトリクス型の液晶表示素子は、カラーフィルタを使用しない構造のものが多い。このため、非点灯部での異常点灯を隠すためには、新たにブラックマスクを設ける必要があり、製造コストを大幅に上昇させてしまうという問題もあった。
本発明は、こうした問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、静電気等に起因する異常点灯を短時間で解消できる液晶表示素子を提供することにある。
本発明の他の目的および利点は以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明は、対向するそれぞれの表面に電極層が形成された一対の基板と、この一対の基板の間に挟持される液晶層と、この一対の基板の液晶層との対向面とは反対側に配置され、この一対の基板を挟持する一対の偏光板とを備え、電極層を介して液晶層に電圧を印加することによって、表示部で画像を表示する液晶表示素子において、一対の基板の少なくとも一方の基板について、他方の基板との対向面に垂直配向性の配向膜が設けられており、一対の偏光板は、一方の偏光板の吸収軸と他方の偏光板の吸収軸との交差角が90°±5°になるように配置されており、一対の基板上に形成された電極層と配向膜との間には、表面抵抗が10Ω/□〜1010Ω/□の範囲である絶縁膜が設けられており、表示部の開口率は70%以下であることを特徴とするものである。
本発明において、絶縁膜は、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化スズおよび酸化インジウムよりなる群から選択される少なくとも1種の材料を用いて作製された導電性フィラーを含有して構成されたものとすることができる。
また、本発明において、絶縁膜は、導電性フィラーを配向膜の側の表面領域に偏在させて含有しているものとすることができる。この場合、導電性フィラーは、絶縁膜の表面から深さ方向に3分の1までの領域に全体の半分以上が存在することが好ましい。
本発明における液晶表示素子は、パッシブマトリクス型の液晶表示素子であることが好ましい。
本発明によれば、液晶表示素子を構成する基板上で、電極と配向膜との間に表面抵抗を所望の値に制御した絶縁膜を設けることによって、静電気等に起因する異常点灯を短時間で解消することが可能となる。
図1は、本実施の形態における液晶表示素子1の断面図である。尚、液晶表示素子1は、VAモード液晶表示素子であるとする。
図1に示すように、液晶表示素子1は、対向するそれぞれの表面に電極層2,3が形成された一対の透明なガラス製の基板4,5と、この一対の基板4,5の間に挟持されて複数の液晶からなる液晶層6とを備えたVA液晶パネル15と、VA液晶パネル15の基板4,5における液晶層6との対向面とは反対側に配置され、この一対の基板4,5を挟持する一対の偏光板7,8とを有する。この一対の偏光板7,8は、ほぼクロスニコルとなる配置となっている。すなわち、一方の偏光板の吸収軸と他方の偏光板の吸収軸との交差角が90°±5°になるように配置されている。尚、本実施の形態においては、基板4,5の少なくとも一方が透明であればよい。
基板4,5には、それぞれ他方の基板との対向面に、垂直配向性の配向膜12,13が設けられている。そして、配向膜12,13の表面には、ラビング処理などの配向処理が施されている。これにより、液晶層6では、液晶が初期配向状態としてほぼ垂直に配向し、一方向に僅かに傾いた状態となる。
液晶層6を構成する液晶は、負の誘電率異方性を有している。それ故、電極層2,3を介して液晶層6に電圧を印加すると、液晶は、基板4,5と平行になるように動作する。さらに、このとき、液晶は、配向膜12,13の表面に施された配向処理によって決められた方向に倒れる動作をする。その結果、液晶層6の光学異方性が変化して表示部9に画像が表示される。
また、図1において、電極層2と配向膜12の間および電極層3と配向膜13の間には、それぞれ絶縁膜10,11が設けられている。
電極層2の構造は、キャラクター表示を含む画像の表示が可能なように設計されており、表示部の開口率は70%以下である。
従来の絶縁膜の表面抵抗は1013Ω/□程度であるのに対して、本実施の形態では、絶縁膜10,11の表面抵抗を10Ω/□〜1010Ω/□の範囲内とすることを特徴としている。これにより、液晶表示素子1の表面に設けられた保護用の樹脂フィルム(図示せず)を剥がす際や、使用者が液晶表示素子1に触れた場合などに生じた静電気を、絶縁膜10,11を通じて積極的に逃がすことができるので、液晶表示素子1に起こった異常点灯を解消するまでの時間を従来に比べ短縮することが可能となる。
絶縁膜10,11の表面抵抗を1010Ω/□以下とするのは、表面抵抗がこの値より大きくなると、静電気を効果的に逃がすことが困難となるからである。一方、静電気を逃がすという観点からは表面抵抗が低い値となることが好ましい。しかし、表面抵抗が低くなると、表示画像がにじんだようになる不良(にじみ点灯不良)が発生するようになって、表示性能を低下させてしまう。したがって、本発明においては、絶縁膜10,11の表面抵抗を、10Ω/□以上1010Ω/□以下とすることが好ましく、10Ω/□以上1010Ω/□以下とすることがより好ましく、10Ω/□以上10Ω/□以下とすることがさらに好ましい。このようにすることによって、にじみ点灯不良に起因した表示品位の著しい低下を抑制しつつ、静電気による異常点灯を短時間で解消することが可能となる。
次に、本実施の形態における絶縁膜の表面抵抗を所望の値に制御する方法について説明する。
本実施の形態においては、SiO、TiO若しくはZrOなどの金属酸化物、または、SiO−TiO、SiO−ZrO若しくはSiO−TiO−ZrOなどの複合酸化物を基材とし、これに導電性フィラーを分散させることによって絶縁膜10,11を構成することができる。
導電性フィラーは、導電性を示すフィラーであれば特に限定されるものではない。例えば、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化インジウムまたは酸化亜鉛などを用いることができる。
導電性フィラーを基材に分散させて絶縁膜10,11を形成するのには、例えば、ゾルーゲル法を利用することができる。具体的には、SiO、TiO若しくはZrOなどの金属酸化物、SiO−TiO、SiO−ZrO若しくはSiO−TiO−ZrOなどの複合酸化物またはこれらの混合物を含む溶液に導電性フィラーを分散させ、これを基板4,5の上に塗布した後に加熱硬化させることによって、絶縁膜10,11を形成することができる。
例えば、金属アルコキシドを酸またはアルカリの触媒とともに溶剤に溶解した溶液に、上記の導電性フィラーを分散させて原料液を調製する。具体的には、絶縁膜の基材としてSiO−TiO複合酸化物を用いる場合には、エチルシリケートなどのアルコキシシランなどをSiO成分とし、ジイソプロポキシ−ジオクチルオキシチタニウムまたはチタンイソプロポキシドなどのチタンアルコキサイドなどをTiO成分とすることができる。そして、これらと酸触媒またはアルカリ触媒とを溶剤に溶解させて得られた溶液に、上記の導電性フィラーを分散させて原料液を調製する。
そして、この原料液を、液晶表示素子1を構成する基板4,5上の電極層2,3の上に塗布し、予備的な乾燥工程を経て溶剤などの揮発性成分を揮発させる。これにより、基板4,5上の電極層2,3の上に、導電性フィラーを分散させたゲルが形成される。その後、焼成などの膜形成工程を経て、基板4,5上の電極層2,3の上に、導電性フィラーが分散した絶縁膜10,11を形成することができる。
尚、後に説明するように、縁膜10,11の厚さが600Å程度であることを考慮すると、良好な分散性による抵抗特性の面内均一性を確保するには、絶縁膜に分散させる導電性フィラーの平均粒径が200Å以下であることが好ましい。
次に、本実施の形態における液晶表示素子1の製造方法について説明する。
まず、ガラス基板4,5の上に、所望の画像表示ができるようにパターニングされた電極層2,3を設ける。電極層2,3は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)電極とすることができる。
次いで、ガラス基板4,5の上に、電極層2,3を被覆するようにして、酸化アンチモンフィラーを分散させたSiO−TiO複合酸化物からなる絶縁膜10,11を設ける。このとき、絶縁膜10,11は、上記したように、ゾル−ゲル法を利用して製膜する。
すなわち、導電性フィラーである酸化アンチモン(Sb)フィラーをSiO−TiO複合酸化物を含む溶液に分散させ、この原料液を電極層2,3の上に塗布する。そして、予備的加熱乾燥を行って溶剤などの揮発性成分を揮発させ、電極層2,3を被覆するゾル膜を形成した後、焼成してSiO−TiO複合酸化物からなる絶縁膜10,11を形成する。ここで、絶縁膜10および絶縁膜11は、いずれも600Å程度の膜厚とする。
電極層2,3上に形成された絶縁膜10,11について、その横断面を電子顕微鏡によって観察すると、最表面側の領域に導電性フィラーが偏在していることが分かる。尚、最表面側とは、この後に配向膜12,13が製膜される側である。
図2に、模式的に示した絶縁膜11の拡大断面図を示す。また、図3は、絶縁膜11の表面から深さ方向の膜厚に対する導電性フィラーの分布を示したものである。これらの図から分かるように、導電性フィラー14は、配向膜13の側の表面領域に偏在しており、絶縁膜11の表面から深さ方向に3分の1までの領域に全体の半分以上が存在する。すなわち、絶縁膜11の膜厚の約3分の1に相当する、表面から深さ方向に200Å程度の領域に、導電性フィラー14の半分以上が偏在している。尚、絶縁膜10についても同様である。
導電性フィラーにこのような分布を持たせることによって、絶縁膜10,11の表面領域における比抵抗を低い値とすることができる。尚、本実施の形態では、絶縁膜10,11の膜厚を600Åとしているので、導電性フィラーの直径は、数十〜200Å程度とすることができる。
このような導電性フィラーが絶縁膜の最表面側に偏在する状況は、エリプソメータを用いたエリプソメトリー法による絶縁膜10,11の屈折率測定結果からも支持される。すなわち、屈折率計算時に、絶縁膜10,11を、導電性フィラーが多く含まれる表面側の層と導電性フィラーの少ない電極層2,3側の層とからなる二層構造として計算すると、測定結果とよく一致することが分かる。
次に、液晶層6において、液晶が初期配向状態として垂直に配向するように配向膜12,13を形成する。例えば、JSR株式会社製の配向膜材料(商品名:JALS−2021)をフレキソ印刷法にて成膜し、基板を180℃で焼成することによって、厚さ600Å程度の配向膜を形成することができる。次いで、配向膜12,13の表面にラビング処理を施して、電界印加時の液晶の動作方向を定める。
次に、配向膜12,13の形成工程までを終えた基板4,5によって、液晶層6を挟み込む。この際、例えば、樹脂スペーサ(図示せず)を用いることによって、基板4,5の間の距離(d)を一定に保つことができる。また、液晶層6としては、例えば、屈折率異方性(Δn)が0.09であるものを用いることができる。この場合、d=4μmとすると、液晶表示素子1のリタデーション(Δn・d)は360nmとなる。
本実施の形態においては、液晶層6を含フッ素液晶を含むものとする。すなわち、液晶層6のNn成分として含フッ素液晶を用いる。例えば、式(1)に示す2,3−ジフルオロ−4−アルキルフェニル構造を分子内に有する含フッ素液晶、または、式(2)に示す2,3−ジフルオロ−4−アルコキシフェニル構造を分子内に有する含フッ素液晶などを用いることができる。尚、式(1)および(2)において、Xは液晶構造のうちの他の構造部分を形成している原子団を表し、Rは直鎖もしくは分枝のアルキルまたはアルキル置換されたシクロアルカンを表す。このとき、液晶層6の比抵抗は、1011Ω・cm程度またはそれ以上となる。

Figure 2007148136

(1)



Figure 2007148136

(2)


次に、偏光板7,8の設置を行う。具体的には、基板4,5における液晶層6との対向面とは反対側に、一対の導電性の偏光板7,8をクロスニコル配置となるように貼り付ける。その後、偏光板7,8の上にそれぞれ保護用の樹脂フィルム(図示せず)を設ける。
また、本実施の形態においては、偏光板に導電性を付与した導電性偏光板を使用することも可能である。偏光板に導電性を付与することにより、液晶表示素子の表面部分でも静電気を分散させることができ、液晶素子内部にある絶縁膜の作用と併せ、より効率的に液晶表示素子に導入された静電気を分散させることができ、発生した異常点灯をより短時間で解消することが可能となる。
さらに、一対の偏光板のうちの一方のみに導電性を付与することも可能である。その場合、使用者が触れやすいことによって静電気が導入されやすい、フロント側(視認者側)の偏光板を導電偏光板とすることが望ましい。
尚、詳細は図示されないが、本実施の形態における液晶表示素子1は、パッシブマトリクス構造である。すなわち、画像表示を構成する各画素部分には、TFT等のスイッチング素子は設けられておらず、電極層2,3を用いたパッシブ駆動によって目的の画像が表示される。
次に、本実施の形態の液晶表示素子1について、異常点灯を解消するまでの時間を評価した結果の一例を述べる。
まず、液晶表示素子1のフロント側およびリア側に設けられた保護用の樹脂フィルムを一気に剥がした。これにより、液晶表示素子1に静電気を発生させて、強制的に異常点灯を起こした後、異常点灯が解消するまでの時間を計測した。
比較のために、従来のVAモード液晶表示素子についても同様の試験を行った。ここで、従来のVAモード液晶表示素子とは、導電性フィラーを分散させていない高表面抵抗の絶縁膜を使用した液晶表示素子である(以下、本明細書において同じ。)。この液晶表示素子では、異常点灯が解消するまでに要する時間が、本実施の形態の液晶表示素子1に比べてはるかに長かった。したがって、本実施の形態の液晶表示素子1によれば、異常点灯解消時間を著しく短縮できることが分かった。
次に、ESD試験機を用いて同様の評価を行った。具体的には、ESD試験機(Noiseken製型式ESS−200AS)を用いて、液晶表示素子1におけるフロント側の表面中央部分に、0.5秒間に渡って所定の電圧の接触放電を2回実施し、強制的に異常点灯を起こした。その後、この異常点灯が解消するまでの時間を計測したところ、放電電圧3kVでは30秒以内であった。
比較のために、従来のVAモード液晶表示素子についても同様の試験を行った。その結果、放電電圧3kVでは異常点灯が解消するまでに5分以上の時間がかかることがわかった。したがって、この試験によっても、本実施の形態の液晶表示素子1が、異常点灯解消時間を著しく短縮できることが分かった。
以上述べたように、本実施の形態における液晶表示素子では、導電性フィラーを分散させて絶縁膜の表面抵抗が低くなるようにしているので、静電気などの印加に起因する異常点灯を従来より短時間で解消することが可能となる。したがって、製造工程における製品検査までの時間を短縮して生産性を向上させることができる。また、製品の表示機能の低下を抑制することもできる。さらに、ブラックマスクを設ける場合と比較すると、製造工程の簡略化を図ることができ、製造コストの上昇を抑えることも可能である。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。
本実施の形態における液晶表示素子の断面図である。 本実施の形態における絶縁膜の断面模式図である。 本実施の形態における絶縁膜について、深さ方向の膜厚に対する導電性フィラーの分布を示した図である。
符号の説明
1 液晶表示素子
2,3 電極層
4,5 基板
6 液晶層
7,8 偏光板
9 表示部
10,11 絶縁膜
12,13 配向膜
14 導電性フィラー
15 VA液晶パネル

Claims (5)

  1. 対向するそれぞれの表面に電極層が形成された一対の基板と、前記一対の基板の間に挟持される液晶層と、前記一対の基板における前記液晶層との対向面とは反対側に配置され、前記一対の基板を挟持する一対の偏光板とを備え、前記電極層を介して前記液晶層に電圧を印加することによって、表示部で画像を表示する液晶表示素子において、
    前記一対の基板の少なくとも一方の基板について、他方の基板との対向面に垂直配向性の配向膜が設けられており、
    前記一対の偏光板は、一方の偏光板の吸収軸と他方の偏光板の吸収軸との交差角が90°±5°になるように配置されており、
    前記一対の基板上に形成された電極層と配向膜との間には表面抵抗が10Ω/□〜1010Ω/□の範囲である絶縁膜が設けられており、
    前記表示部の開口率は70%以下であることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記絶縁膜は、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化スズおよび酸化インジウムよりなる群から選択される少なくとも1種の材料を用いて作製された導電性フィラーを含有して構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記絶縁膜は、前記導電性フィラーを前記配向膜の側の表面領域に偏在させて含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示素子。
  4. 前記導電性フィラーは、前記絶縁膜の表面から深さ方向に3分の1までの領域に全体の半分以上が存在することを特徴とする請求項3に記載の液晶表示素子。
  5. 前記液晶表示素子はパッシブマトリクス型の液晶表示素子であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の液晶表示素子。
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