JP5443028B2 - ポリマー部材の製造方法、及びポリマー部材 - Google Patents

ポリマー部材の製造方法、及びポリマー部材 Download PDF

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Description

本発明は、非相溶性物質の偏在構造を有するポリマー部材の製造方法、及び非相溶性物質の偏在構造を有するポリマー部材に関する。
基材内部に基材と異なる物質を偏在させた複合基材は、光学的、電気的等新しい機能を付加した基材として期待される。このような基材としては、例えば、粒子を含む中間層を有する積層基材が挙げられる。粒子を含む中間層を有する積層基材は、例えばポリマー成分をバインダーとして有機溶剤に溶かした溶液中に微粒子を分散させて微粒子を分散させた溶液を得てから、この微粒子を分散させた溶液を基材にコーティングしてさらに溶剤を熱乾燥で揮発させることで、基材表面に微粒子層(微粒子を含む層)を得た後に、同じ基材を何らかの方法により微粒子層上に貼り合せることで作製することができる。この方法は、基材が溶剤などで溶けてしまう場合や、あるいは基材の耐熱性が低く熱乾燥で溶融、変形しやすい場合には困難であり、また表面が粘着剤層のように粘着性に富む場合も、基材表面へコーティングすることは困難となる。さらには、溶剤や水などの溶媒を乾燥しなければならず、環境や省エネルギーの観点からは好ましくない。また上下の基材同士の密着性が十分でないと、界面で剥離するおそれがある。
加えて、離型処理したフィルムに微粒子層を形成して、これを母材シートに転写することでも基材シート表面に微粒子層を形成できるが、基材と微粒子層との親和性、相溶性が低い場合には、基材層と微粒子層との接着性が乏しく、層間で剥がれるなどの問題が生じやすい。さらに、基材と微粒子層の双方に接着性がほとんどない場合には、両者を貼り合わせることが困難であり、どちらか一方、あるいは両方に接着剤などを塗布してから貼り合わせる必要が出てくる。
本発明者らは先に、モノマー吸収層の少なくとも一方の面に、重合性モノマー及び重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物層を設ければ、非相溶性物質含有重合性組成物層内で非相溶性物質が移動し、非相溶性物質偏在重合性組成物層が得られ、該非相溶性物質偏在重合性組成物層を重合することにより、非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造が得られること、及びこの非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造において、非相溶性物質として粒子を用いることにより、非相溶性物質偏在ポリマー層のモノマー吸収層との界面に対しての反対面表面において、粒子による凹凸を形成できることを見出した(特許文献1参照)。そしてその発明に基づき、ポリマー層と、そのポリマーを構成する少なくとも1種のモノマー成分を吸収可能なモノマー吸収層との積層構造を有するポリマー部材であって、ポリマー層が、ポリマーに対して非相溶な非相溶性物質をモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布する形態で含む非相溶性物質偏在ポリマー層であることを特徴とするポリマー部材を提案している。
しかしながら、この発明では、非相溶性物質はモノマー吸収層とは反対の界面又は界面近傍に偏って分布し、すなわちポリマー部材の一方の表面又は表面近傍に偏って分布し、ポリマー部材の内部に分布するものを得ることはできなかった。また、この発明のポリマー部材表面に新たな層を設けると、必ずポリマー部材と新たな層との間に界面が生じ、一体化させることが困難であり、新たに設けた層の剥離が生じることがあった。
特開2008−006817号公報
従って、本発明の目的は、作製の際に溶剤等の揮発性成分を必要とすることはなく、非相溶性物質の分布を制御したポリマー部材を提供することにある。特に、作製の際に溶剤等の揮発性成分を必要とすることはなく、非相溶性物質の分布を内部の一定層状領域となるように制御したポリマー部材を提供することにある。
本発明者は、上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物層の両面に、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収層を積層させてから重合に付せば、非相溶性物質の分布を内部の一定層状領域に制御でき、非相溶性物質の偏在構造を有するポリマー部材が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物層の両面に、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収層を積層した後に、重合に付して、非相溶性物質が積層直後の非相溶性物質含有重合性組成物層とモノマー吸収層との界面には存在しない偏在構造を有するポリマー部材を得ることを特徴とするポリマー部材の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、モノマー吸収層が、ポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層である前記のポリマー部材の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、モノマー吸収ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分の少なくとも1つが、非相溶性物質含有重合性組成物層を構成する重合性モノマーの少なくとも1つと同じである前記のポリマー部材の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、モノマー吸収層が、粘着剤組成物層である前記のポリマー部材の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、重合の際に活性エネルギー線照射を用いる前記のポリマー部材の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、非相溶性物質が、粒子である前記のポリマー部材の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、非相溶性物質が、ポリマーである前記のポリマー部材の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、重合性モノマーが、アクリル系モノマーである前記のポリマー部材の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、ポリマー部材がテープ状又はシート状の形態である前記のポリマー部材の製造方法を提供する。
さらにまた、本発明は、前記のポリマー部材の製造方法により得ることを特徴とするポリマー部材を提供する。
本発明のポリマー部材の製造方法によれば、前記構成を有しているので、作製の際に溶剤等の揮発性成分を必要とすることはなく、非相溶性物質の分布が内部の一定層状領域に制御され、非相溶性物質の偏在構造を有するポリマー部材を効率よく得ることができる。
実施例1のポリマーシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1のポリマーシートの粒子偏在部付近における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2のポリマーシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2のポリマーシートの粒子偏在部付近における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例3のポリマーシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例3のポリマーシートの粒子偏在部付近における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例4のポリマーシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例4のポリマーシートの粒子偏在部付近における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例5のポリマーシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例5のポリマーシートの粒子偏在部付近における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例6のポリマーシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例6のポリマーシートの粒子偏在部付近における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例7のポリマーシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例7のポリマーシートの粒子偏在部付近における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例8のポリマーシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例8のポリマーシートの粒子偏在部付近における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例9のポリマーシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例9のポリマーシートの粒子偏在部付近における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例10のポリマーシートにおける断面の光学顕微鏡写真である。 実施例10のポリマーシートの非相溶性物質偏在部付近における断面の光学顕微鏡写真である。 実施例11のポリマーシートにおける断面の光学顕微鏡写真である。 実施例11のポリマーシートの非相溶性物質偏在部付近における断面の光学顕微鏡写真である。 比較例1のシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1のシートの一部分における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例2のシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例2のシートの一部分における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例3のシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例3のシートの一部分における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例4のシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例4のシートの粒子偏在部付近における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例5のシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例5のシートの一部分における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例6のシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例6のシートの一部分における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例7のシートにおける断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例7のシートの一部分における断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例8のシートにおける断面の光学顕微鏡写真である。 比較例8のシートの一部分における断面の光学顕微鏡写真である。 比較例9のシートにおける断面の光学顕微鏡写真である。 比較例9のシートの一部分における断面の光学顕微鏡写真である。
[ポリマー部材の製造方法]
本発明のポリマー部材の製造方法は、重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物層の両面に、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収層を積層した後に、重合に付して、非相溶性物質が積層直後の非相溶性物質含有重合性組成物層とモノマー吸収層との界面には存在しない偏在構造を有するポリマー部材を得ることを特徴とする。
非相溶性物質含有重合性組成物層の両面にモノマー吸収層を積層させることにより、モノマー吸収層/非相溶性物質含有重合性組成物層/モノマー吸収層の積層体(以下、「特定の積層体」と称する場合がある)が得られる。つまり、本発明のポリマー部材の製造方法は、モノマー吸収層上に、非相溶性物質含有重合性組成物層が積層され、さらに該非相溶性物質含有重合性組成物層上に、モノマー吸収層が積層された構成を有している積層体を作製してから、重合に付して、非相溶性物質が積層直後の非相溶性物質含有重合性組成物層とモノマー吸収層との界面には存在しない偏在構造を有することを特徴としていてもよい。
該特定の積層体は、例えば、モノマー吸収層に非相溶性物質含有重合性組成物を塗布し非相溶性物質含有重合性組成物層を得てから、該非相溶性物質含有重合性組成物層上にモノマー吸収層を積層させることや、適当な支持体上に非相溶性物質含有重合性組成物を塗布して非相溶性物質含有重合性組成物層を得てから、モノマー吸収層上に該非相溶性物質含有重合性組成物層を転写し、さらにこの転写した非相溶性物質含有重合性組成物層上にモノマー吸収層を積層させることで作製することができる。なお、本願では、モノマー吸収層により提供される面をモノマー吸収面と称する場合がある。
なお、 非相溶性物質含有重合性組成物の塗布に際しては、例えば、慣用のコーター(例えば、コンマロールコーター、ダイロールコーター、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなど)を用いることができる。
本発明のポリマー部材の製造方法において、非相溶性物質が積層直後の非相溶性物質含有重合性組成物層とモノマー吸収層との界面には存在せず、非相溶性物質の分布が内部の一定層状領域に制御された偏在構造を有するポリマー部材が得られるのは、下記(i)〜(iii)による。
(i)非相溶性物質含有重合性組成物層がモノマー吸収層と接する形態で設けられると、非相溶性物質含有重合性組成物層の重合性モノマーがモノマー吸収層に吸収されること
(ii)非相溶性物質含有重合性組成物層の両面にモノマー吸収層が設けられると、非相溶性物質が非相溶性物質含有重合性組成物層中で移動して、非相溶性物質が層の厚さ方向の中央部に層状に偏って分布し、非相溶性物質が積層直後の非相溶性物質含有重合性組成物層とモノマー吸収層との界面には存在しない偏在構造が得られること
(iii)活性エネルギー線の照射や熱により重合が生じて、上記(ii)の偏在構造を維持しつつ硬化し、ポリマー部材を形成すること
重合は、重合・硬化によりポリマー部材が得られる限り、光源や熱源、照射エネルギーや熱エネルギー、照射方法や加熱方法、照射時間や加熱時間、照射や加熱の開始時期、照射や加熱の終了時期等について、特に制限されることはない。
重合の際に用いる活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好適である。なお、活性エネルギー線の照射エネルギー、照射時間、照射方法などは、ポリマー部材を形成することができる限り、特に制限されることはない。
活性エネルギー線の照射としては、例えばブラックライトランプ、ケミカルランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどによる紫外線の照射が挙げられる。
また、加熱としては、例えば公知の加熱方法(例えば、電熱ヒーターを用いた加熱方法、赤外線等の電磁波を用いた加熱方法など)が挙げられる。
(非相溶性物質含有重合性組成物層(粒子含有重合性組成物層))
非相溶性物質含有重合性組成物層は、非相溶性物質含有重合性組成物により形成される層である。非相溶性物質含有重合性組成物は、非相溶性物質含有重合性組成物層を形成する組成物であり、光や熱により重合可能な重合性モノマー、及び非相溶性物質を少なくとも含んでいる。また、非相溶性物質含有重合性組成物は、非相溶性物質として粒子を用いた粒子含有重合性組成物であってもよいし、重合開始剤として光重合開始剤を含む非相溶性物質含有光重合性組成物であってもよい。例えば、非相溶性物質含有重合性組成物は、非相溶性物質として粒子を用い、さらに重合開始剤として光重合開始剤を用いた粒子含有光重合性組成物であってもよい。
重合性モノマーは、ラジカル重合やカチオン重合などの反応機構を問わず、光エネルギーや熱エネルギーを利用して重合可能な化合物であることが重要である。このような重合性モノマーは、例えば、アクリル系ポリマーを形成するアクリル系モノマー等のラジカル重合性モノマー;エポキシ系樹脂を形成するエポキシ系モノマー、オキセタン系樹脂を形成するオキセタン系モノマー、ビニルエーテル系樹脂を形成するビニルエーテル系モノマー等のカチオン重合性モノマー;ウレタン系樹脂を形成するポリイソシアネートとポリオールとの組み合わせ;ポリエステル系樹脂を形成するポリカルボン酸、ポリオールとの組み合わせ等が挙げられる。なお、重合性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性モノマーとしては、重合速度が速く、生産性に優位である点から、アクリル系モノマーが好適に用いられる。すなわち、本発明では、アクリル系のポリマー部材であること好ましい。
このように本発明では重合性モノマーとしてアクリル系モノマーが好適に用いられるため、非相溶性物質含有重合性組成物(粒子含有重合性組成物)としては、非相溶性物質含有アクリル系重合性組成物(粒子含有アクリル系重合性組成物)が好ましい。
アクリル系モノマーとしては、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを好適に用いることができる。中でも、アルキル基の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、より好ましくはアルキル基の炭素数が2〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。なお、上記の「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を表し、他も同様である。
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルのいずれも好適に用いることができる。
直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどのアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばシクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アクリル系モノマーは単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、アクリル系のポリマー部材を得る場合、非相溶性物質含有重合性組成物において、アクリル系モノマーは、重合性モノマー全量に対して60重量%以上であることが好ましく、より好ましくは80重量%以上である。
また非相溶性物質含有重合性組成物には、重合性モノマーとして、極性基含有モノマーや多官能性モノマーなどの各種の共重合性モノマーが用いられていてもよい。例えば、非相溶性物質含有アクリル系重合性組成物に、共重合性モノマーを用いることにより、例えば、凝集力を高めたりすることができる。共重合性モノマーは単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー又はその無水物(無水マレイン酸など);(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニルアルコール、アリルアルコールなどの水酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのグリシジル基含有モノマー;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリンの他、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマーなどが挙げられる。極性基含有モノマーとしては、上記の中でも、カルボキシル基含有モノマー又はその無水物が好適であり、アクリル酸が特に好適である。
極性基含有モノマーの使用量としては、得られるポリマー部材の目的、用途によって適宜調整することができるが、例えば非相溶性物質含有アクリル系重合性組成物では、重合性モノマー全量に対して30重量%以下(例えば1〜30重量%)が好ましく、好ましくは3〜20重量%である。極性基含有モノマーの割合が30重量%を超えると、得られるポリマーの凝集力が高くなりすぎ、例えば、柔軟性の点で不具合を生じる場合がある。また、重合性モノマーの使用量が少なすぎると(重合性モノマー全量に対して1重量%未満であると)、得られるポリマーの凝集力が低下し、高い強度が得られないおそれがある。
前記多官能性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。
多官能性モノマーの使用量としては、得られるポリマー部材の目的、用途によって適宜調整することができるが、例えば非相溶性物質含有アクリル系重合性組成物では、重合性モノマー全量に対して2重量%以下(例えば、0.01〜2重量%)であることが好ましく、好ましくは、0.02〜1重量%である。多官能性モノマーの使用量が、重合性モノマー全量に対して2重量%を超えると、得られるポリマーの凝集力が高くなりすぎ、脆くなりすぎる場合がある。また、重合性モノマーの使用量が少なすぎると(重合性モノマー全量に対して0.01重量%未満であると、得られるポリマーの凝集力が低下し、形状維持できないおそれがある。
また、上記の極性基含有モノマーや多官能性モノマー以外の共重合性単量体としては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、極性基含有モノマーや多官能性モノマー以外の(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレンなどのオレフィン又はジエン類;ビニルアルキルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニルなどが挙げられる。
重合開始剤は、必要に応じて用いてもよく、例えば熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)のいずれを用いてもよい。本発明では、重合に際して、熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)などの重合開始剤を用いた熱や活性エネルギー線による硬化反応を利用することが好ましい。なお、本発明では、重合開始剤を用いると、非相溶性物質が積層直後の非相溶性物質含有重合性組成物層とモノマー吸収層との界面には存在しない偏在構造を維持して容易に硬化させることができる。
光重合開始剤としては、特に制限されず、例えばベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などを用いることができる。光重合開始剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
具体的には、ケタール系光重合開始剤には、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[例えば、商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)など]等が含まれる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[例えば、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)など]、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−(t−ブチル)ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、商品名「ルシリンTPO」(BASF社製)などが使用できる。α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。ベンゾイン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾインなどが含まれる。ベンジル系光重合開始剤には、例えば、ベンジルなどが含まれる。ベンゾフェノン系光重合開始剤は、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3、3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが含まれる。チオキサントン系光重合開始剤には、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが含まれる。
光重合開始剤の使用量としては、特に制限されないが、例えば、非相溶性物質含有重合性組成物を構成する全重合性モノマー100重量部に対して0.01〜5重量部(好ましくは0.05〜3重量部)の範囲から選択することができる。
なお、熱重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤[例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなど]、過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエートなど)、レドックス系重合開始剤(例えば有機過酸化物/バナジウム化合物;有機過酸化物/ジメチルアニリン;ナフテン酸金属塩/ブチルアルデヒド、アニリンあるいはアセチルブチロラクトン等の組み合わせなど)などが挙げられる。熱重合開始剤の使用量としては、特に制限されず、熱重合開始剤として利用可能な範囲であればよい。なお、レドックス系重合開始剤を熱重合開始剤として用いれば、常温で重合させることが可能である。
非相溶性物質としては、重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して相溶しない(溶解しない)物質である限り特に限定されず、無機物(無機物質)であっても有機物(有機物質)であってもよい。また、非相溶性物質は、固体であってもよいし、流動性を有していてもよい。
非相溶性物質としての無機物としては、例えば下記で例示する粒子(微粒子、微粒子粉末)等が挙げられる。また、非相溶性物質としての有機物としては、例えばアクリル系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、シリコーン、天然ゴム、合成ゴム[特に、スチレン−イソプレン−スチレンゴム(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム(SBS)またはスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンゴム(SEBS)などスチレン成分を含有する合成ゴム]などのポリマー類やそのオリゴマー類;ロジン系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、炭化水素系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂などタッキファイヤー類(粘着付与樹脂類);界面活性剤、酸化防止剤、有機顔料、可塑剤、溶剤(有機溶剤)などの液体などが挙げられる。さらに、水や水溶液(例えば、塩水溶液、酸水溶液など)も非相溶性物質として用いられる。
あるポリマーに対してある物質が非相溶性物質であるか否かの判断は、目視、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、X線回析などにより、本発明によらない一般的な方法(例えば、ある物質を重合性モノマーに溶解させ、重合性モノマーを重合してポリマー化して判断する方法;ポリマーをそのポリマーを溶解する溶媒に溶解し、そこへ物質を添加し、攪拌後溶媒を除去して判断する方法;ポリマーが熱可塑性ポリマーであればポリマーを加熱溶解して、そこへ物質を配合し、冷却後判断する方法など)において、そのポリマー中の物質又はその集合体がどの程度の大きさで分散しているかにより判断することができる。その判断基準は、物質又はその集合体が、球や立方体、不定形状などの球体状に近似できる場合には5nm以上の直径を有すること、また棒状や薄層状、直方体状などの柱体状に近似できる場合には最も長い辺の長さが10nm以上であることである。
より具体的なポリマー中に物質又はその集合体を分散させる方法としては、例えば、ポリマーを構成する重合性モノマー:100重量部、光重合開始剤:0.5重量部、物質又はその集合体:50重量部を添加あるいは均一分散させた後、PETフィルム上に10〜500μm程度の厚さにコーティングして、窒素などの不活性ガス中あるいはカバーフィルムで酸素の影響を排除してブラックライトによる紫外線照射で重合させる方法;予めポリマーを溶液重合や紫外線重合など任意の方法で作製しておき、該ポリマーを溶剤に溶解させた溶媒系に、ポリマー100重量部に対して50重量部に相当する量の物質又はその集合体を添加、攪拌などにより均一分散して、PET上に塗布して乾燥による溶剤除去後の厚さを10〜500μm程度とする方法などが挙げられる。
物質をポリマー中に分散した際において、そのポリマー中の物質又はその集合体が、球や立方体、不定形状などの球体状に近似でき、該球体状の物質又はその集合体が5nm以上の直径を有する場合にはそのポリマーに対する非相溶性物質であるとみなすことができ、またそのポリマー中の物質又はその集合体が、棒状や薄層状、直方体状などの柱体状に近似でき、該柱体状の物質又はその集合体の最も長い辺の長さが10nm以上であるにはそのポリマーに対する非相溶性物質であるとみなすことができる。
非相溶性物質としての無機物である粒子は、例えば、シリカ、シリコーン(シリコーンパウダー)、炭酸カルシウム、クレー、酸化チタン、タルク、層状ケイ酸塩、粘土鉱物、金属粉(例えばニッケル粉末、アルミニウム粉末、鉄粉末、マグネシウム粉末、銅粉末、
粉末など)、チタン酸バリウム、窒化ホウ素、窒化珪素、窒化アルミニウム、ガラス、ガラスビーズ、ガラスバルーン、アルミナバルーン、セラミックバルーン、チタン白、カーボンブラックなどの無機粒子;ポリエステルビーズ、ナイロンビーズ、シリコンビーズ、ウレタンビーズ、塩化ビニリデンビーズ、アクリルバルーンなどの有機粒子;架橋アクリル粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂、ナイロン樹脂などの樹脂粒子;無機−有機ハイブリット粒子などが挙げられる。なお、粒子は、中実体、中空体(バルーン)のいずれであってもよい。また、粒子は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粒子の粒径(平均粒子径)としては、特に制限されないが、例えば、0.1〜600μm(好ましくは0.2〜300μm、さらに好ましくは0.2〜100μm)の範囲から選択することができる。また、粒子は、粒径の異なる粒子を2種以上組み合わせて用いてもよい。
粒子の形状は、真球状や楕円球状などの球状、不定形状、針状、棒状、平板状などのいずれの形状であってもよい。また、粒子は、その表面に、孔や突起などを有していてもよい。また、粒子は、1種の形状のみを選択して用いてもよいし、形状の異なる粒子を2種以上組み合わせて用いてもよい。
なお、粒子の表面には、各種表面処理(例えば、シリコーン系化合物やフッ素系化合物等による低表面張力化処理など)が施されていてもよい。
非相溶性物質の使用量としては、特に制限されないが、例えば、非相溶性物質含有重合性組成物を構成する全重合性モノマー100重量部に対して、0.001〜100重量部、好ましくは0.01〜75重量部、さらに好ましくは0.1〜50重量部となるような範囲から選択することができる。100重量部を超えるような使用量であると、ポリマー部材の作製が困難となる場合や作製後のポリマー部材で強度の問題が生じることがある。なお、0.001重量部未満であると、ポリマー部材において非相溶性物質が積層直後の非相溶性物質含有重合性組成物層とモノマー吸収層との界面には存在しない偏在構造を得ることが困難となる。
なお、本発明おいて、ポリマー部材中の非相溶性物質は、厚さ方向の中央部付近に層状形態で偏って分布している。このような非相溶性物質が分布する部分(前記層状分布部分)の厚さは、非相溶性物質の使用量を調整することにより制御することができる。
非相溶性物質含有重合性組成物には、必要に応じて、適宜な添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、界面活性剤(例えば、イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤など)、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート系架橋剤、シリコーン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤など)、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂などからなる常温で固体、半固体あるいは液状のもの)、可塑剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、着色剤(顔料や染料など)などが挙げられる。
例えば、意匠性、光学特性等の観点から、光重合反応等の重合反応を阻害しない程度の顔料(着色顔料)を使用することができる。黒色が望まれる場合には、着色顔料として、カーボンブラックを用いることができる。カーボンブラックの使用量としては、着色度合いや上記光重合反応を阻害しない観点から、例えば、非相溶性物質含有重合性組成物を構成する全重合性モノマー100重量部に対して0.15重量部以下(例えば、0.001〜0.15重量部)である。
非相溶性物質含有重合性組成物は、上記各成分均一に混合・分散させることにより調製することができる。この非相溶性物質含有重合性組成物は、通常、基材上に塗布するなどしてシート状に成形するので、塗布作業に適した適度な粘度を持たせておくのがよい。非相溶性物質含有重合性組成物の粘度は、例えば、アクリルゴム、増粘性添加剤などの各種ポリマーを配合することや、非相溶性物質含有重合性組成物中の重合性モノマーを光の照射や加熱などにより一部重合させることにより調整することができる。なお、望ましい粘度は、BH粘度計を用いて、ローター:No.5ローター、回転数10rpm、測定温度:30℃の条件で設定された粘度として、5〜50Pa・s、より好ましくは10〜40Pa・sである。粘度が5Pa・s未満であると、基材上に塗布したときに液が流れてしまい、50Pa・sを超えていると、粘度が高すぎて塗布が困難となる。
非相溶性物質含有重合性組成物層の厚さとしては、特に制限されないが、非相溶性物質含有重合性組成物層及びモノマー吸収層の合計厚さの99%以下、好ましくは75%以下、より好ましくは50%以下であることが好ましい。非相溶性物質含有重合性組成物層の厚さ比率が小さい方が、非相溶性物質が偏在しやすく、非相溶性物質をより充填させることができるためである。
非相溶性物質含有重合性組成物層の具体的な厚さとしては、例えば1〜3000μmであり、好ましくは10〜1000μmであり、より好ましくは50〜500μmである。
1μm未満であると均一な塗工ができない場合がある。一方、3000μmを超えると、うねりが発生し、表面形状が均一で外観性の優れる部材が得られない場合があり、例えば、ポリマー部材をフィルム状にした場合、フィルムにうねりが発生し、平滑なフィルムが得られない場合がある。
(モノマー吸収性層)
モノマー吸収層は、重合性モノマー及び非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物層の両面に設けられる層であって、非相溶性物質含有重合性組成物層から重合性モノマーの少なくとも1つを吸収する層である。このようなモノマー吸収層は、非相溶性物質含有重合性組成物中の少なくとも一つのモノマー成分を吸収することできるモノマー吸収面を提供する。
なお、モノマー吸収層における重合性モノマーの吸収は、モノマー吸収面に非相溶性物質含有重合性組成物層が形成された時点で生じる。また、非相溶性物質含有重合性組成物層を形成後重合するまでの間に生じていてもよいし、重合している間に生じていてもよい。
モノマー吸収層としては、モノマー吸収層を少なくとも一つ有し、且つ該モノマー吸収層のモノマー吸収面が非相溶性物質含有重合性組成物層と接することができる構成を有するシート(「モノマー吸収性シート」と称する場合がある)におけるモノマー吸収層を用いることができる。モノマー吸収性シートとしては、例えば、モノマー吸収層のみで構成されたモノマー吸収性シート(「基材レスモノマー吸収性シート」と称する場合がある)、基材上にモノマー吸収層を設けたモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート」と称する場合がある)が挙げられる。なお、モノマー吸収性シートが基材レスモノマー吸収性シートの場合、モノマー吸収面としてはどちらの面を用いてもよく、一方、基材付きモノマー吸収性シートの場合、モノマー吸収層表面がモノマー吸収面となる。
このようなモノマー吸収層を形成するものとしては、例えば紙製シート(例えば、クラフト紙やクレープ紙、和紙など);繊維系シート(例えば、布、不織布、ネットなど);多孔質フィルム;ポリマー(例えばアクリル系ポリマー、ポリウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂など);天然ゴム;合成ゴムなどが挙げられる。なお、モノマー吸収層は、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上述のように、モノマー吸収層としては非相溶性物質含有重合性組成物で用いられている重合性モノマーのうち少なくとも一つを吸収することができる限り特に制限されないため、モノマー吸収層の弾性率も特に制限されない。ゆえに、モノマー吸収層としては、非相溶性物質含有重合性組成物で用いられている重合性モノマーのうち少なくとも一つを吸収することができる限り、粘着剤層、ポリマー層などの弾性率の低いものや、プラスチックシート、ハードコート層、着色塗膜層などの弾性率の高いもののいずれも用いることができる。
本発明では、モノマーとの親和性が高く、吸収速度が速い点から、モノマー吸収層を形成するものとしてはポリマーを好適に用いることができる。つまり、モノマー吸収層は、ポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層を好適に用いることができ、また、モノマー吸収性シートとしては、ポリマー層を有するシートを好適に用いることができる。このようなポリマーとしては、特に制限されないが、構成するモノマー成分として非相溶性物質含有重合性組成物を構成する重合性モノマーを少なくとも1種有するポリマーが好ましい。例えば、非相溶性物質含有重合性組成物として非相溶性物質含有アクリル系重合性組成物が用いられている場合、モノマー吸収層を形成するポリマーとしては、アクリル系ポリマーが好ましい。非相溶性物質含有アクリル系重合性組成物の重合性モノマーであるアクリル系モノマーとモノマー吸収層を形成するアクリル系ポリマーの構成単位の少なくとも1つが共通すると、重合性モノマーであるアクリル系モノマーが移行しやすくなるためである。
また、モノマー吸収層は、非相溶性物質含有重合性組成物から非相溶性物質を除いた以外は同様の組成を有する重合性組成物を重合して得られるポリマー層で構成されていてもよい。例えば、モノマー吸収層は、粒子含有光重合性組成物から粒子を除いた以外は同様の組成を有する光重合性組成物を硬化して得られる光重合硬化層で構成されていてもよい。
さらに、モノマー吸収層は、粘着剤組成物層であってもよい。モノマー吸収層が粘着剤組成物層である場合、重合に付されることにより、特定の積層体(モノマー吸収層/非相溶性物質含有重合性層/モノマー吸収層)の全ての構成が同時に重合・硬化することから、より一体化されたポリマー部材を得ることができる。なお、粘着剤組成物層は粘着剤組成物により形成される層であり、粘着剤組成物は粘着剤を形成する組成物である。また、粘着剤組成物では、粘着剤のベースポリマーを形成するモノマー成分が部分的に重合していてもよい。
このような粘着剤組成物としては、特に制限されず、例えば、公知の粘着剤(例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤など)の粘着剤組成物が挙げられる。
中でも、粘着剤組成物としては、モノマーとの親和性が高く、吸収速度が速い点から、構成するモノマー成分が、非相溶性物質含有重合性組成物を構成する重合性モノマーのうち少なくとも1種と同じである事が好ましい。
例えば、非相溶性物質含有重合性組成物として非相溶性物質含有アクリル系重合性組成物が用いられている場合、モノマー吸収層を形成する粘着剤組成物としては、アクリル系粘着剤層を形成するアクリル系粘着剤組成物が好ましい。非相溶性物質含有アクリル系重合性組成物の重合性モノマーであるアクリル系モノマーと、モノマー吸収層を形成するアクリル系粘着剤組成物を構成するモノマー成分の少なくとも1つが共通すると、重合性モノマーであるアクリル系モノマーが移行しやすくなるためである。
モノマー吸収層としての粘着剤組成物層は、例えば下記の基材やカバーフィルムの離型処理された面などの適宜な支持体の所定の面上に、下記慣用のコーターで塗布することにより形成される。
モノマー吸収層の体積は、重合性モノマーの吸収前と後とで比較して、一定であってもよいし、変化していてもよい。例えば、モノマー吸収層が高分子物質[例えば、上記のポリマー(アクリル系ポリマー、ポリウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂等)や非相溶性物質含有重合性組成物から非相溶性物質を除いた以外は同様の組成を有する重合性組成物を重合することにより形成されるポリマーなど]により形成される層である場合、モノマー吸収層である高分子物質の層の体積は、非相溶性物質含有重合性組成物層から重合性モノマーを吸収することで、通常増加する。つまり、モノマー吸収層を形成する前記高分子物質は、重合性モノマーを吸収することにより膨潤する。従って、モノマー吸収層は、重合性モノマーを吸収することで体積が増加するモノマー膨潤層であってもよい。
さらに、本発明では、モノマー吸収層としてポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層を用いる場合、そのゲル分率は特に制限されない。このため、モノマー吸収ポリマー層において、ゲル分率を98%程度まで架橋していても、あるいは、ほとんど架橋していなくても(ゲル分率:10%以下)、ポリマー部材を得ることができる。例えば、モノマー吸収層としてモノマー吸収ポリマー層を用いる場合やモノマー吸収性シートとしてポリマー層を有するシートを用いる場合には、ポリマー層のゲル分率を98%程度まで架橋していても、あるいは、ほとんど架橋していなくても(ゲル分率:10%以下)、ポリマー部材を製造することができる。このため、ポリマー層に高い架橋度(例えば、ゲル分率が90%以上)を持たせることにより、得られたポリマー部材において、モノマー吸収層としてのポリマー層に耐熱性や耐溶剤性を付与することができる。さらに、ポリマー層に低い架橋度(例えば、ゲル分率が10%以下)を持たせることにより、得られたポリマー部材において柔軟性や応力緩和性を付与することができる。
さらにまた、本発明では、モノマー吸収層が、硬い層であれ、軟らかい層であれ、ポリマー部材を得ることができる。このため、モノマー吸収層として硬い層(例えば、100%モジュラスが100N/cm2以上である層)を用いると、得られたモノマー吸収層を支持体(基材)として用いることができる場合がある。さらに、モノマー吸収層として軟らかい層(例えば、100%モジュラスが30N/cm2以下である層)を用いると、得られたモノマー吸収層を粘着層として用いることができる場合がある。
モノマー吸収層が例えば前記高分子物質の層である場合、モノマー吸収層は、例えば下記の基材やカバーフィルムの離型処理された面などの適宜な支持体の所定の面上に、上記慣用のコーターで前記高分子物質や前記高分子物質を重合により形成する重合性組成物(「モノマー吸収層形成組成物」と称する場合がある)を塗布することにより形成される。なお、支持体上に設けられたモノマー吸収層形成組成物は、通常、必要に応じて乾燥及び/又は硬化(例えば、光による硬化)される。また、モノマー吸収層形成組成物は、適宜な支持体の所定の面上に塗布される際、アクリルゴム、増粘性添加剤などの各種ポリマーを配合することや、モノマー成分を加熱や光照射(活性エネルギー線の照射)などにより一部重合させることにより塗布に適した粘度に調整されていてもよい。
重合性モノマーを吸収する前のモノマー吸収層の厚さとしては、特に制限されず、例えば、1〜3000μm(好ましくは2〜2000μm、さらに好ましくは5〜1000μm)の範囲から選択することができる。1μm未満であると多量の重合性モノマーを吸収してシートが変形するおそれや十分な重合性モノマーの吸収が行われない場合があり、一方、3000μmを超えるとシート形状として巻取りにくくなる場合が生じる等の取り扱い性の点で問題が生じる事がある。また、モノマー吸収層は、単層、積層の何れの形態を有していてもよい。
モノマー吸収性シートが基材付きモノマー吸収性シートである場合に用いられる基材(モノマー吸収性シート用基材)としては、例えば、紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体[例えば、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など]等の適宜な薄葉体を用いることができる。基材としては、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材を好適に用いることができる。このようなプラスチックのフィルムやシートにおける素材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが挙げられる。これらの素材は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、モノマー吸収性シート用基材として、プラスチック系基材が用いられている場合は、延伸処理等により伸び率などの変形性を制御していてもよい。また、モノマー吸収性シート用基材としては、モノマー吸収層が活性エネルギー線による硬化により形成される場合は、活性エネルギー線の透過を阻害しないものを使用することが好ましい。
モノマー吸収性シート用基材の表面は、モノマー吸収層との密着性を高めるため、慣用の表面処理、例えば、コロナ処理、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的方法による酸化処理等が施されていてもよく、下塗り剤や剥離剤等によるコーティング処理等が施されていてもよい。
モノマー吸収性シート用基材の厚さは、強度や柔軟性、使用目的などに応じて適宜に選択でき、例えば、一般的には1000μm以下(例えば、1〜1000μm)、好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは3〜300μm程度であるが、これらに限定されない。なお、基材は単層、積層の何れの形態を有していてもよい。
また、本発明によれば、ポリマー部材を製造する際、非相溶性物質含有重合性組成物を用いても、非相溶性物質含有重合性組成物に含まれる揮発性成分(例えば、溶剤や有機化合物など)の蒸発除去をせずに、ポリマー部材を製造することができる。このため、環境面で有利である。
[ポリマー部材]
本発明において、ポリマー部材は、重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物層の両面に、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収層を積層した後に、重合に付すことにより得られ、非相溶性物質が積層直後の非相溶性物質含有重合性組成物層とモノマー吸収層との界面には存在しない偏在構造を有する。このようなポリマー部材における非相溶性物質の偏在構造は、非相溶性物質が厚さ方向の中央部に層状に偏って分布する構造でもある。
このようなポリマー部材は、前記ポリマー部材の製造方法により作製することができる。例えば、モノマー吸収性シートのモノマー吸収層上に、非相溶性物質含有重合性組成物層が積層され、さらに該非相溶性物質含有重合性組成物層上に、モノマー吸収層と該非相溶性物質含有重合性組成物層とが接する形態で他のモノマー吸収性シートが積層された構成を有している積層体を作製してから、重合に付して、非相溶性物質が積層直後の非相溶性物質含有重合性組成物層とモノマー吸収層との界面には存在しない偏在構造を形成することで作製することができる。また、ポリマー部材は、モノマー吸収性シートのモノマー吸収層上(モノマー吸収面)に、非相溶性物質含有光重合性組成物層が設けられ、さらに該非相溶性物質含有光重合性組成物層上に、非相溶性物質含有光重合性組成物層とモノマー吸収面とが接する形態で他のモノマー吸収性シートが設けられている構成を有している積層体に対して、活性エネルギー線を照射し、重合に付して、非相溶性物質が積層直後の非相溶性物質含有重合性組成物層とモノマー吸収層との界面には存在しない偏在構造を形成することでも作製することができる。
ポリマー部材の形状は、特に制限されず、通常シート状やテープ状の形態を有する。なお、モノマー吸収層として粘着剤層(感圧性接着剤層)を用いた場合、ポリマー部材の最外層をモノマー吸収層とすることにより、ポリマー部材を粘着テープ又はシート(「テープ又はシート」を単に「テープ」あるいは「シート」と称する場合がある)として用いることができる。
また、ポリマー部材に公知の粘着剤(感圧性接着剤)(例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤など)による粘着剤層(感圧性接着剤層)を設けることでも、ポリマー部材を粘着テープ又はシートとして用いることができる。
ポリマー部材は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を有していてもよい。
ポリマー部材において、部材表面は、カバーフィルムで保護されていてもよい。カバーフィルムは、剥離性を有していてもよいし、あるいは剥離性を有していなくてもよい。ポリマー部材を使用する際、カバーフィルムは、剥がされてもよいし、あるいは剥がされることなくそのままの状態を維持し、ポリマー部材の一部を構成していてもよい。なお、本発明において、光重合法を用いる場合、空気中の酸素により反応が阻害されるため、カバーフィルムで空気中の酸素と遮断することが好ましい。
このようなカバーフィルムとしては、酸素を透過し難い薄葉体であれば特に制限されないが、光重合反応を用いる場合は透明なものが好ましく、例えば慣用の剥離紙などを使用することができる。具体的には、カバーフィルムとしては、例えば離型処理剤(剥離処理剤)による離型処理層(剥離処理層)を少なくとも一方の表面に有する基材の他、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等)からなる低接着性基材や、無極性ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂など)からなる低接着性基材などを用いることができる。なお、低接着性基材では、両面が離型面と利用することができ、一方、離型処理層を有する基材では、離型処理層表面を離型面(離型処理面)として利用することができる。
カバーフィルムとしては、例えば、カバーフィルム用基材の少なくとも一方の面に離型処理層が形成されているカバーフィルム(離型処理層を有する基材)を用いてもよいし、カバーフィルム用基材をそのまま用いてもよい。
このようなカバーフィルム用基材としては、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、オレフィン系樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム(ナイロンフィルム)、レーヨンフィルムなどのプラスチック系基材フィルム(合成樹脂フィルム)や、紙類(上質紙、和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙など)の他、これらを、ラミネートや共押し出しなどにより、複層化したもの(2〜3層の複合体)等が挙げられる。カバーフィルム用基材としては、透明性の高いプラスチック系基材フィルム(特に、ポリエチレンテレフタレートフィルム)が用いられたカバーフィルム用基材を好適に用いることができる。
離型処理剤としては、特に制限されず、例えば、シリコーン系離型処理剤、フッ素系離型処理剤、長鎖アルキル系離型処理剤などを用いることができる。離型処理剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。なお、離型処理剤により離型処理が施されたカバーフィルムは、例えば、公知の形成方法により、形成される。
カバーフィルムの厚さは、特に制限されないが、取り扱い易さと経済性の点から、例えば、12〜250μm(好ましくは、20〜200μm)の範囲から選択することができる。なお、カバーフィルムは単層、積層の何れの形態を有していてもよい。
ポリマー部材の全体の厚さは、特に制限されないが、変形のおそれや、例えばシート形状としてからの巻取りやすさ等の取り扱い性の点から、1〜3000μmが好ましく、より好ましくは10〜1000μmであり、さらにより好ましくは50〜500μmである。なお、ポリマー部材の全体の厚さは、非相溶性物質含有重合性組成物層の両面にモノマー吸収層を積層することにより得られる積層体(特定の積層体)を重合に付すことにより得られる部分の厚さの意味であり、カバーフィルムやモノマー吸収性シート用基材の厚さは含まれない。
ポリマー部材中の非相溶性物質偏在ポリマー層の厚さは、特に制限されないが、変形のおそれや、例えばシート形状としてからの巻取りやすさ等の取り扱い性の点から、1〜3000μmが好ましく、好ましくは10〜1000μm、さらに好ましくは50〜500μmである。ここで、非相溶性物質偏在ポリマー層は、特定の積層体(モノマー吸収層/非相溶性物質含有重合性組成物層/モノマー吸収層の積層体)を重合に付して得られるポリマー部材において、非相溶性物質含有重合性組成物層により得られたと想定できる仮想的なポリマー層のことであり、また、非相溶性物質偏在ポリマー層の厚さは、上記全体の厚さからモノマー吸収層の厚みを除くことにより求められる理論値である。各図において、非相溶性物質偏在ポリマー層は、A層として示されている。
ポリマー部材における非相溶性物質が分布する部分の厚さは、特に制限されないが、部材の強度や、例えばシート形状としてからの巻取りやすさ等の取り扱い性の点から、0.1〜500μmが好ましく、好ましくは0.5〜300μmであり、さらに好ましくは1〜100μmである。なお、ポリマー部材における非相溶性物質が分布する部分を「非相溶性物質偏在部」と称する場合がある。各図において、非相溶性物質偏在部は、C層として示されている。
非相溶性物質偏在部の厚さは、非相溶性物質偏在ポリマー層の厚さに対して、50%以下(好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下)である。なお、上述のように、非相溶性物質偏在ポリマー層は、仮想的な層である。これは、非相溶性物質含有重合性組成物層をモノマー吸収層と接する形態で設けると、非相溶性物質含有重合性組成物層中の少なくとも1つのモノマー成分がモノマー吸収層に吸収され、非相溶性物質が移動すること、及び非相溶性物質含有重合性組成物層の両面にモノマー吸収層が設けられていることによると推測される。
従って、非相溶性物質含有重合性組成物層がモノマー吸収層と接触してから重合を終えるまでの時間は長いほど好ましい。特に光照射(特に活性化エネルギー線の照射)にて重合開始が容易にコントロールできる場合は、接触後1秒以上、好ましくは5秒以上、さらに好ましくは10秒以上(通常24時間以内)経過後に光照射(特に活性化エネルギー線の照射)することが好ましい。
また、非相溶性物質が分布する部分(非相溶性物質偏在部)の厚さは、非相溶性物質の量を調整することにより制御することができる。
また、非相溶性物質偏在部の厚さは、ポリマー部材中で非相溶性物質偏在部とそれ以外の部分との密着性問題が生じるおそれがあることや、ポリマー部材の強度の点から、上記ポリマー部材全体の厚さ)に対して、0.1〜50%の割合であることが好ましく、好ましくは1〜20%の割合である。
このように、非相溶性物質が内部の一定層状領域で偏って分布していることから、ポリマー部材が全体として一体化している。また、ポリマー部材は強度にもすぐれる。
なお、ポリマー部材の非相溶性物質が分布する部分では、非相溶性物質とポリマー成分とが混在している。このため、当該部分では、ポリマー成分に基づく特性、非相溶性物質が元来有する特性、非相溶性物質がポリマー部材内で偏在することに基づく特性を発揮することができる。
上記ポリマー成分に基づく特性としては、例えば、柔軟性、ハードコート性、粘着性、応力緩和性、耐衝撃性などが挙げられる。非相溶性物質が元来有する特性としては、特定の機能(例えば、膨張性、収縮性、吸収性、発散性、導電性等)を有する非相溶性物質を用いた際の該特定の機能が挙げられる。非相溶性物質がポリマー部材内で偏在することに基づく特性とは、例えば、非相溶性物質が元来有する特性(例えば膨張性、収縮性、吸収性、発散性、導電性等)の性質を保持したまま、基材の特性(例えば、柔軟性、ハードコート性、粘着性、応力緩和性、耐衝撃性など)を有することが挙げられる。
本発明のポリマー部材は、非相溶性物質の種類やその量、ポリマー部材のポリマーの種類やその厚さ等を調整することにより、様々な特性を発揮するため、広範な分野で用いることができる。例えば、光学シート、電子回路、パワーエレクトロニクス材料、粘着テープ、医療分野用途などで好適に用いることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(光重合性シロップの調製例1)
モノマー成分として、シクロヘキシルアクリレート:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯、窒素吹き込みを停止して、重合率7%の一部が重合した組成物(シロップ)(「光重合性シロップ(A)」と称する場合がある)を調製した。
(光重合性シロップの調製例2)
モノマー成分として、ブチルアクリレート:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯、窒素吹き込みを停止して、重合率7%の一部が重合した組成物(シロップ)(「光重合性シロップ(B)」と称する場合がある)を調製した。
(光重合性シロップの調製例3)
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯、窒素吹き込みを停止して、重合率7%の一部が重合した組成物(シロップ)(「光重合性シロップ(C)」と称する場合がある)を調製した。
(光重合性シロップの調製例4)
モノマー成分として、テトラヒドロフルフリルアクリレート:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯、窒素吹き込みを停止して、重合率7%の一部が重合した組成物(シロップ)(「光重合性シロップ(D)」と称する場合がある)を調製した。
(光重合性シロップの調製例5)
モノマー成分として、シクロヘキシルアクリレート:100重量部に、非相溶性物質としてSEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン)(商品名「G1726」クレイトンポリマージャパン社製):20重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を溶解させ、さらに光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.2重量部、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.2重量部を溶解させ、均一な状態で透明な粘調液(シロップ)(「光重合性シロップ(E)」と称する場合がある)を調製した。
(光重合性シロップの調製例6)
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート:100重量部に、非相溶性物質としてSEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン)(商品名「G1726」クレイトンポリマージャパン社製):20重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を溶解させ、さらに光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.2重量部、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.2重量部を溶解させ、均一な状態で透明な粘調液(シロップ)(「光重合性シロップ(F)」と称する場合がある)を調製した。
(粒子配合光重合性組成物の調製例1)
光重合性シロップ(A):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(商品名「MX−500」綜研化学社製):10重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部、さらに光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(A)」と称する場合がある)を調製した。
(粒子配合光重合性組成物の調製例2)
光重合性シロップ(A):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(商品名「MX−500」綜研化学社製):5重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部、さらに光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(B)」と称する場合がある)を調製した。
(粒子配合光重合性組成物の調製例3)
光重合性シロップ(B):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(商品名「MX−500」綜研化学社製):10重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部、さらに光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(C)」と称する場合がある)を調製した。
(粒子配合光重合性組成物の調製例4)
光重合性シロップ(A):100重量部に、平均粒径500nmのチタン酸バリウム(商品名「BT−05」堺化学工業社製):10重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部、さらに光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(D)」と称する場合がある)を調製した。
(粒子配合光重合性組成物の調製例5)
光重合性シロップ(A):100重量部に、酸化第二スズ及びアンチモン導電層被覆ルチル型針状酸化チタン(商品名「FT−3000」石原産業社製、平均短軸粒径:0.27μm、平均長軸粒径:5.15μm):10重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部、さらに光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(E)」と称する場合がある)を調製した。
(粒子配合光重合性組成物の調製例6)
光重合性シロップ(A):100重量部に、ニッケル微粒子(商品名「Ni210」インコ東京ニッケル社製、平均粒径:0.5μmから1.0μm):40重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部、さらに光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(F)」と称する場合がある)を調製した。
(カバーフィルム)
カバーフィルムは、片面がシリコーン系離型処理された、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「MRN38」三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製)を用いた。
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例1)
光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物(「光重合性シロップ組成物(A)」と称する場合がある)を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが108μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(A)」と称する場合がある)を作製した。
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例2)
光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物(「光重合性シロップ組成物(A)」と称する場合がある)を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが40μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(B)」と称する場合がある)を作製した。
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例3)
光重合性シロップ(B):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物(「光重合性シロップ組成物(B)」と称する場合がある)を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが37μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(C)」と称する場合がある)を作製した。
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例4)
光重合性シロップ(C):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物(「光重合性シロップ組成物(C)」と称する場合がある)を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが38μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(D)」と称する場合がある)を作製した。
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例5)
光重合性シロップ(D):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物(「光重合性シロップ組成物(D)」と称する場合がある)を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが33μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(E)」と称する場合がある)を作製した。
(実施例1)
カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に粒子配合光重合性組成物(A)を塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、ポリマーシートを製造した。
(実施例2)
カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に粒子配合光重合性組成物(A)を塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、光硬化させて、ポリマーシートを製造した。
(実施例3)
カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に粒子配合光重合性組成物(B)を塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、光硬化させて、ポリマーシートを製造した。
(実施例4)
カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(A)の露出面に粒子配合光重合性組成物(A)を塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、光硬化させて、ポリマーシートを製造した。
(実施例5)
カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(E)の露出面に粒子配合光重合性組成物(C)を塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(C)の露出面に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、光硬化させて、ポリマーシートを製造した。
(実施例6)
カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に粒子配合光重合性組成物(B)を塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(D)の露出面に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、光硬化させて、ポリマーシートを製造した。
(実施例7)
カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に粒子配合光重合性組成物(D)を塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、光硬化させて、ポリマーシートを製造した。
(実施例8)
カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に粒子配合光重合性組成物(E)を塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、光硬化させて、ポリマーシートを製造した。
(実施例9)
カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に粒子配合光重合性組成物(F)を塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、光硬化させて、ポリマーシートを製造した。
(実施例10)
カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に光重合性シロップ(E)を塗布して非相溶性物質配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に、モノマー吸収層と非相溶性物質配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、光硬化させて、ポリマーシートを製造した。
(実施例11)
カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に光重合性シロップ(F)を塗布して非相溶性物質配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に、モノマー吸収層と非相溶性物質配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、光硬化させて、ポリマーシートを製造した。
(比較例1)
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに粒子配合光重合性組成物(A)を塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させ、さらに該粒子配合光重合性組成物層上に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層を形成させることにより、粒子配合光重合硬化層(A層)の両面に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが設けられているシートを製造した。
(比較例2)
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに粒子配合光重合性組成物(A)を塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させ、さらに該粒子配合光重合性組成物層上に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後にから、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層を形成させることにより、粒子配合光重合硬化層(A層)の両面に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが設けられているシートを製造した。
(比較例3)
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに粒子配合光重合性組成物(B)塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させ、さらに該粒子配合光重合性組成物層上に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層を形成させることにより、粒子配合光重合硬化層(A層)の両面に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが設けられているシートを製造した。
(比較例4)
カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)の露出面に粒子配合光重合性組成物(A)を塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させ、さらに該粒子配合光重合性組成物層上に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、光硬化させて、シートを製造した。
(比較例5)
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに粒子配合光重合性組成物(D)を塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させ、さらに該粒子配合光重合性組成物層上に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層を形成させることにより、粒子配合光重合硬化層(A層)の両面に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが設けられているシートを製造した。
(比較例6)
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに粒子配合光重合性組成物(E)を塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させ、さらに該粒子配合光重合性組成物層上に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層を形成させることにより、粒子配合光重合硬化層(A層)の両面に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが設けられているシートを製造した。
(比較例7)
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに粒子配合光重合性組成物(F)を塗布して粒子配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させ、さらに該粒子配合光重合性組成物層上に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層を形成させることにより、粒子配合光重合硬化層(A層)の両面に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが設けられているシートを製造した。
(比較例8)
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに光重合性シロップ(E)を塗布して非相溶性物質配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させ、さらに該非相溶性物質配合光重合性組成物層上に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、非相溶性物質配合光重合性組成物層を光硬化させて、非相溶性物質配合光重合硬化層を形成させることにより、非相溶性物質配合光重合硬化層(A層)の両面に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが設けられているシートを製造した。
(比較例9)
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに光重合性シロップ(F)を塗布して非相溶性物質配合光重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させ、さらに該非相溶性物質配合光重合性組成物層上に、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体に、積層体形成後1分後に光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、非相溶性物質配合光重合性組成物層を光硬化させて、非相溶性物質配合光重合硬化層を形成させることにより、非相溶性物質配合光重合硬化層(A層)の両面、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが設けられているシートを製造した。
(評価1)
走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名「S−4800」株式会社日立ハイテクノロジーズ製)、又は光学顕微鏡(商品名「オプチフォト2」株式会社ニコン製)で、それぞれの部材(ポリマーシート、シート)の断面を観察した。実施例1〜実施例9、比較例1〜7の断面の走査型電子顕微鏡写真(SEM像)を、それぞれ、図1〜18、図23〜36に示し、実施例10〜11、比較例8〜9の断面の光学顕微鏡写真を、それぞれ、図19〜22、図37〜40に示した。
1a、2a等のaの写真はポリマーシート全体やシート全体の断面を示し、1b、2b等のbの写真は粒子偏在部(非相溶性物質偏在部)(偏析層、コート層)付近あるいはシートの任意の一部分の断面を示す。
各図におけるaの走査型電子顕微鏡写真に相当する断面の走査型電子顕微鏡写真の倍率は、図7(4a)及び図29(15a)は200倍、それ以外は500倍である。また、各図におけるbの走査型電子顕微鏡写真に相当する断面の走査型電子顕微鏡写真の倍率は、図8(4b)及び図30(15b)は1000倍、それ以外は3000倍である。さらに、各図におけるaの光学顕微鏡写真に相当する断面の光学顕微鏡写真の倍率は、200倍である。さらにまた、bの光学顕微鏡写真に相当する断面の光学顕微鏡写真の倍率は、500倍である。
各図において、A層は、粒子や非相溶性物質が含まれる層を仮想的に示したものであり、非相溶性物質配合光重合性組成物層や粒子配合光重合性組成物層により得られたポリマー層と仮想できる層である。また、B層は、シートにおいてモノマー吸収層を仮想的に示したものである。さらに、C層は、粒子や非相溶性物質がシート中で偏在している場合において、粒子や非相溶性物質が存在している層状部分(粒子偏在部、粒子偏析部、非相溶性物質偏在部、非相溶性物質偏析部)を示す。
(評価2)
前記走査型電子顕微鏡(SEM)及び光学顕微鏡で部材の断面を観察することや、基材付きモノマー吸収性シート及び部材の厚さの1/1000ダイヤルゲージを用いた測定により、A層の厚さ(厚さ:A)、モノマー吸収層(B層)の厚さ(厚さ:B)、C層の厚さ(厚さ:C)を求めた。これらの厚さについては、表1のそれぞれの厚さの欄に示した。また、下記の(偏析率の算出方法)により偏析率を求め、さらに下記の(占有率の算出方法)により占有率を求め、これらの値を表1のそれぞれの偏析率あるいは占有率の欄に示した。
モノマー吸収層の厚さ(厚さ:B)については、基材付きモノマー吸収性シートの厚さ(基材フィルム、モノマー吸収層及びカバーフィルムの厚さ)を測定し、該基材付きモノマー吸収性シートの厚さから、基材フィルムの厚さ及びカバーフィルムの厚さを除くことにより求めた。
全体の厚さ(B層とA層との積層構造の厚さ、厚さ:A+B)については、シートの厚さを測定し、該シートの厚さから、基材付きモノマー吸収性シートの基材フィルムの厚さを除くことにより求めた。
A層の厚さ(厚さ:A)は、前記全体の厚さ(厚さ:A+B)から前記モノマー吸収層の厚さ(厚さ:B)を除くことにより求めた。
なお、A層の厚さ(厚さ:A)は、測定値ではなく、理論値である。
A層中の粒子あるいは非相溶性物質が分布する層状部分(C層)の厚さは、は、走査型電子顕微鏡による断面の走査型電子顕微鏡写真、及び光学顕微鏡による断面の光学顕微鏡写真から求めた。
なお、厚さ:Cは、走査型電子顕微鏡による断面の走査型電子顕微鏡写真、及び光学顕微鏡による断面の光学顕微鏡写真から測定した平均の値である。
(偏析率の算出方法)
A層の偏析率は、下記式より算出した。
偏析率(%)=(1−C/A)×100
(占有率の算出方法)
C層(粒子偏在部、非相溶性物質偏在部)が、全体の厚さ(A層とB層との積層構造の厚さ、厚さ:A+B)に対して高さ方向(厚さ方向)に占める割合(占有率)は、下記式より算出した。
占有率(%)=C/(A+B)×100
評価1及び2から、溶剤等の揮発性成分の蒸発除去を行わずに、部材を得ることができた。
実施例の断面の走査型顕微鏡写真及び光学顕微鏡写真から、A層中の粒子(非相溶性物質)は、A層とB層との界面及びその界面付近には存在せず、A層内部に層状に偏って分布していることが確認できた。
一方、比較例では、粒子配合光重合性組成物層(非相溶性物質配合光重合性組成物層)の両面にモノマー吸収層を積層させない場合にはA層中の粒子(非相溶性物質)は、偏って分布することはなく、層中に分散して分布することが確認できた。また、粒子配合光重合性組成物層(非相溶性物質配合光重合性組成物層)の片面にのみモノマー吸収層を積層させた場合には、A層中の粒子は、層表面やその近傍(B層側の界面とは反対側の界面やその近傍)に偏って分布していることが確認できた。
また、表1からも、実施例ではA層の厚さに対してC層の厚さが薄くなっていることから、粒子(非相溶性物質)はA層中で偏って分布していることが確認できた。一方、比較例では、A層の厚さとC層の厚さとが同一であり、層中に分散して分布することが確認できた。
偏析率は、A層中におけるC層の占める割合の指標となるものであり、偏析率が0であるということは粒子(非相溶性物質)の偏在構造がみられない事を意味する。偏析率が低いと(例えば0であると)、A層とB層との密着性に問題が生じて、シートにおいて層状剥離分解が生じるおそれや、A層の強度に問題を生じるおそれがある。A層の強度の問題はシート全体の強度に悪影響を及ぼす。一方、偏析率が高いと、A層中央部付近での粒子(非相溶性物質)の偏在構造を有していることから、A層とB層との密着性に優れる。A層とB層との密着性に優れることは、シート全体での一体化やシート全体での強度に好影響を及ぼす。
1a 実施例1のポリマーシート断面
1b 実施例1のポリマーシート断面における粒子偏在部
2a 実施例2のポリマーシート断面
2b 実施例2のポリマーシート断面における粒子偏在部
3a 実施例3のポリマーシート断面
3b 実施例3のポリマーシート断面における粒子偏在部
4a 実施例4のポリマーシート断面
4b 実施例4のポリマーシート断面における粒子偏在部
5a 実施例5のポリマーシート断面
5b 実施例5のポリマーシート断面における粒子偏在部
6a 実施例6のポリマーシート断面
6b 実施例6のポリマーシート断面における粒子偏在部
7a 実施例7のポリマーシート断面
7b 実施例7のポリマーシート断面における粒子偏在部
8a 実施例8のポリマーシート断面
8b 実施例8のポリマーシート断面における粒子偏在部
9a 実施例9のポリマーシート断面
9b 実施例9のポリマーシート断面における粒子偏在部
10a 実施例10のポリマーシート断面
10b 実施例10のポリマーシート断面における非相溶性物質偏在部
11a 実施例11のポリマーシート断面
11b 実施例11のポリマーシート断面における非相溶性物質偏在部
12a 比較例1のシート断面
12b 比較例1のシート断面における粒子配合光重合硬化層
13a 比較例2のシート断面
13b 比較例2のシート断面における粒子配合光重合硬化層
14a 比較例3のシート断面
14b 比較例3のシート断面における粒子配合光重合硬化層
15a 比較例4のシート断面
15b 比較例4のシート断面における粒子偏在部
16a 比較例5のシート断面
16b 比較例5のシート断面における粒子配合光重合硬化層
17a 比較例6のシート断面
17b 比較例6のシート断面における粒子配合光重合硬化層
18a 比較例7のシート断面
18b 比較例7のシート断面における粒子配合光重合硬化層
19a 比較例8のシート断面
19b 比較例8のシート断面における非相溶性物質配合光重合硬化層
20a 比較例9のシート断面
20b 比較例9のシート断面における非相溶性物質配合光重合硬化層

Claims (10)

  1. 重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物層の両面に、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収層を積層した後に、重合に付して、非相溶性物質が積層直後の非相溶性物質含有重合性組成物層とモノマー吸収層との界面には存在しない偏在構造を有するポリマー部材を得ることを特徴とするポリマー部材の製造方法。
  2. モノマー吸収層が、ポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層である請求項1記載のポリマー部材の製造方法。
  3. モノマー吸収ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分の少なくとも1つが、非相溶性物質含有重合性組成物層を構成する重合性モノマーの少なくとも1つと同じである請求項2記載のポリマー部材の製造方法。
  4. モノマー吸収層が、粘着剤組成物層である請求項1〜3の何れかの項に記載のポリマー部材の製造方法。
  5. 重合の際に活性エネルギー線照射を用いる請求項1〜4の何れかの項に記載のポリマー部材の製造方法。
  6. 非相溶性物質が、粒子である請求項1〜5の何れかの項に記載のポリマー部材の製造方法。
  7. 非相溶性物質が、ポリマーである請求項1〜6の何れかの項に記載のポリマー部材の製造方法。
  8. 重合性モノマーが、アクリル系モノマーである請求項1〜7の何れかの項に記載のポリマー部材の製造方法。
  9. ポリマー部材がテープ状又はシート状の形態である請求項1〜8の何れかの項に記載のポリマー部材の製造方法。
  10. 請求項1〜9の何れかの項に記載のポリマー部材の製造方法により得ることを特徴とするポリマー部材。
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