JP2009128296A - 電子時計、電子時計の時刻修正方法、電子時計の制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子時計は、衛星信号を受信して時刻情報および位置情報を取得するGPS装置と、時差情報を有する地理情報を複数領域に分割した領域データおよび各領域に含まれる時差情報を記憶した記憶装置と、GPS装置で取得した位置情報が含まれる領域を領域データから抽出し、その領域に含まれる時差情報を取得する時差情報取得手段22と、取得した時差情報を時差候補として表示する時差情報表示手段23と、入力装置の操作に基づいて表示手段に表示された時差候補から時差情報を選択する時差情報選択手段24と、GPS装置で取得した時刻情報および選択された前記時差情報に基づいて現在時刻を算出する時刻算出手段25と、現在時刻を表示する時刻表示手段26とを備える。
【選択図】図6
Description
なお、前記UTCオフセットは、受信した衛星信号のデータから取得するか、あるいは予めROM32に書き込んでおいた所定値を取得して利用すればよい。
このGPS機器では、世界の主要地域名(国、都市、地方名)毎の時差、経度・緯度、測地系などの各種情報を予めメモリに登録しておき、ユーザーが現在地に最も近い地域を選択することで、前記各種情報による設定を行い、受信したGPS時刻から現地時刻を算出・表示している。
このシステムでは、測位データを時差データに変換するための境界位置データを記憶した記憶装置を備えている。
すなわち、特許文献1では、選択する都市一覧は、常に固定されて表示されているため、選択する地域によってはユーザーの選択操作が煩雑になるという問題があった。
例えば、UTCに対する時差が−10のホノルルから時差順に都市名が並んでいる場合、シドニーやウェリントンなどは、前記ホノルルから最も離れた位置に表示される。このため、ユーザーは、選択用のカーソルをホノルルから大きく移動させなければならず、選択操作が煩雑であった。
一方、特許文献2では、時差情報の誤検出を行わないように、記憶手段に全世界の時差領域の境界線データを蓄積する必要がある。しかし、時差領域の境界線は、複雑に入り組んだ国境であることが多く、これらの境界線のデータを蓄積する場合、膨大なデータになってしまう。このため、腕時計のような小型の携帯機器では、サイズやコスト的な制約からメモリ容量も大きくできないため、前記境界線データを蓄積できない。このため、特許文献2の技術は、適用できる機器が限定され、腕時計等には適用できないという問題があった。
しかしながら、特許文献3では、移動体位置情報に最も近い固定位置情報を抽出するため、つまり定点を中心とした円状の領域を設定し、移動体位置情報がその領域内であればその定点の時差情報を設定しているので、時差の境界線が複雑に入り組んだ地域では、誤判定を行う可能性が高い。
また、前記円状の領域のサイズを調整するため、固定範囲情報という重み付けの係数を用いて距離を正規化しているが、時差の境界線が入り組んでおり、移動体位置情報の周囲に多くの定点が配置され、かつ位置も近い場合、誤判定が生じないように固定範囲情報を設定することが難しく、データ量も増大するという問題があった。
その上、移動体位置情報と各定点の固定位置情報との距離を算出しなければならないため、移動体位置情報の周囲に多くの定点があると、その演算処理に時間がかかり、時差情報を迅速に設定できず、利便性が低下するという問題もあった。
このため、ユーザーは、現在位置の情報によって予め絞られた時差候補から時差情報を選択すればよい。従って、全ての時差候補が表示された一覧リストから選択する場合に比べて、選択対象が予め絞られているので、該当する時差情報を簡単に選択でき、ユーザーの利便性を向上できる。
また、定点と移動体位置情報との距離で時差を判定する場合、定点を中心とする円状の領域で各時差を判定することになり、タイムゾーンが入り組んでいる地域では、各領域が重なってしまい、誤検出する可能性が高くなる。さらに、固定範囲情報で補正しても、時差の境界性が複雑に入り組んでいる部分では、誤検出しないように固定範囲情報を設定することが難しく、データ量も増大する。
これに対し、本発明では、地理領域を分割して設定した領域は、タイムゾーンの境界線に合わせる必要がないため、領域内であるか否かの判定が容易でかつデータ量も少なくできる。その上、その領域で絞られた時差候補をユーザーが選択しているので、ユーザーが求める都市(タイムゾーン)の時差を確実に設定でき、かつデータ量も少なくできる。
すなわち、領域の大きさを前記時差情報が設定数よりも多く含まれる大きさに設定してあると、時差情報表示手段に時差候補を表示した場合、時差候補の数が多くなり、一度に表示しきれなくなってスクロールしなければならず操作が増えたり、選択したい時差候補までカーソルを移動するための操作が多くなり、選択操作が煩雑になる。一方、本発明のように、領域内の時差情報の数が設定値以下になるように領域のサイズを設定すれば、時差情報表示手段に一度に表示できたり、カーソル移動操作数が少なくなり、操作性を向上できる。
なお、前記設定値の数は、例えば、時差情報表示手段の表示サイズなどに応じて適宜設定すればよい。通常は、設定値は1〜10程度の範囲で設定すればよく、より好ましくは1〜5程度の範囲で設定すればよい。設定値が小さければ選択肢が少なくなり、選択操作性が向上するが、小さすぎると領域サイズも小さくなって領域数が増え、データ量が大きくなる可能性がある。従って、前記設定値は、選択操作性およびデータ量を考慮して設定すればよい。
さらに、領域のサイズも自由に設定できるため、例えば、南米や北米など、サイズを大きく設定できる領域は、適切なサイズで設定でき、その分、領域データに登録する領域の数を少なくできてデータ量をより一層低減できる。
また、領域が矩形形状であるため、取得した位置情報がどの領域に含まれるかの処理も非常に簡単に行える。
また、前記領域は、経線および緯線で囲まれていることが好ましい。このような構成であれば、衛星信号を受信して位置情報を取得した際に、その位置情報(経度および緯度の座標データ)がどの領域に含まれるのかを一層容易に判定できる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明に係る電子時計であるGPS衛星信号受信装置付き腕時計1(以下「GPS付き腕時計1」という)を示す概略図であり、図2はGPS付き腕時計1の主なハードウェア構成を示す図である。
図1に示すように、GPS付き腕時計1は、文字板2および指針3からなる時刻表示部を備える。文字板2の一部には開口が形成され、LCD表示パネル等からなるディスプレイ(デジタル表示装置)4が組み込まれている。従って、GPS付き腕時計1は、指針3およびディスプレイ4を備えるコンビネーション時計である。
ディスプレイ4はLCD表示パネル等で構成され、後述するように時差候補となる都市名を表示する他、現在時刻やメッセージ情報等も表示可能とされている。
そして、GPS付き腕時計1は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星5からの衛星信号を受信して衛星時刻情報を取得し、内部時刻情報を修正したり、測位情報つまり現在位置をディスプレイ4に表示できるように構成されている。
なお、GPS衛星5は、本発明における位置情報衛星の一例であり、地球の上空に複数存在している。現在は約30個のGPS衛星5が周回している。
次に、GPS付き腕時計1の回路構成について説明する。
GPS付き腕時計1は、図2に示すように、GPS装置(GPSモジュール)10、制御装置(CPU)20、記憶装置30、入力装置40、表示装置50を備えている。記憶装置30は、RAM31およびROM32を備える。これらの各装置は、データバス60を介してデータを通信している。
なお、表示装置50は、時刻や測位情報を表示する前記指針3やディスプレイ4で構成されている。
また、GPS付き腕時計1は、電源となる電池を内蔵している。電池は一次電池でもよいし、充電可能な二次電池でもよい。
GPS装置10は、GPSアンテナ11を備え、GPSアンテナ11を介して受信した衛星信号を処理して時刻情報や位置情報を取得するものである。
GPSアンテナ11は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星5からの衛星信号を受信するパッチアンテナとなっている。このGPSアンテナ11は文字板2の裏面側に配置され、GPS付き腕時計1の表面ガラスおよび文字板2を通過した電波を受信するように構成されている。
このため、文字板2および表面ガラスは、GPS衛星5から送信される衛星信号である電波を通す材料で構成されている。例えば、文字板2はプラスチックで構成されている。
そして、バンドパスフィルタで抜き出された衛星信号は、LNAで増幅された後、ミキサでVCOの信号とミキシングされ、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)にダウンコンバートされる。ミキサでミキシングされたIFは、IFアンプ、IFフィルタを通り、ADC(A/D変換器)でデジタル信号に変換される。
そして、前記相関部で算出された相関値が所定の閾値以上であれば、受信した衛星信号に用いられたC/Aコードと生成したローカルコードが一致していることになり、衛星信号を捕捉(同期)することができる。このため、受信した衛星信号を、前記ローカルコードを用いて相関処理することで、航法メッセージを復調することができる。
従って、情報取得部は、受信した航法メッセージから所定のデータ部分を抽出し、時刻情報や位置情報を取得している。従って、本実施形態では、GPS装置10によって受信部や受信装置が構成されている。
記憶装置30のRAM31には、図3に示す領域データテーブル35と、図4に示す時差データテーブル36とが記憶されている。また、後述するように、受信により取得した時刻情報や位置情報が記憶される領域も設けられている。
前回選択時差データ353には、前記選択した時差情報を示す時差テーブルインデックスの番号が記録される。
時差情報取得手段22は、前記GPS装置10で取得した現在位置情報(経度・緯度)を、領域データテーブル35の領域データ351に記録された各領域座標と比較して該当する領域を検索する。そして、時差情報取得手段22は、前記現在位置情報が含まれる領域を検出できた場合には、その領域の時差テーブルインデックス352に記録された時差テーブルインデックスの番号に基づいて、時差データテーブル36の時差テーブルインデックス361を検索し、該当する時差テーブルインデックス361のUTCに対する時差362と、都市名363の情報を取得する。
時差情報選択手段24は、入力装置40であるボタン6やリューズ7の操作に基づいて、前記ディスプレイ4に表示された時差候補から都市名363を選択する。
時刻算出手段25は、GPS装置10で取得した時刻情報(GPS時刻+UTCオフセット)と、時差情報選択手段24で選択された都市名363の時差362に基づいて現地の現在時刻(地方時)を算出する。
そして、時刻算出手段25で地方時が算出された場合には、この算出された地方時で前記内部時刻を修正して表示する。それ以降は、修正された内部時刻が前記基準信号で更新される。
指針3は、ステップモータおよび輪列で駆動され、受信した時刻データで修正された内部時刻を指示する。ディスプレイ4は、時刻情報や位置情報等の各種情報を表示するほか、時差情報を選択する場合にはその時差候補を表示する。
次に、GPS付き腕時計1の受信動作について、図7のフローチャートも参照して説明する。
図7に示す受信処理は、通常、利用者の受信操作が行われた場合に実行される。すなわち、位置情報を取得つまり測位を行うためには、GPS衛星5の正確な軌道情報であるエフェメリスパラメータを4衛星分、受信する必要がある。GPS衛星5のエフェメリスパラメータを4衛星分取得するには約60秒程度かかり、消費電力も大きくなる。このため、利用者が位置情報の受信が必要となった場合、例えば、自国から外国に旅行した場合や、外国から自国に戻った場合のように、GPS付き腕時計1の時刻を修正する場合に受信操作を行えばよい。
例えば、現在地が成田空港近辺で、取得した位置情報が東経140度23分6秒、北緯35度45分51秒であった場合、領域データテーブル35では、東経はE124〜E146の範囲であり、北緯はN31〜N39の範囲であるため、前記位置情報は、インデックス2の領域に含まれることになる。従って、時差情報取得手段22は、取得した位置情報が該当するのはインデックス2の領域であることを検出する。
次に、時差情報取得手段22は、時差データテーブル36から、取得した時差候補インデックス「18,19」に該当する都市名「ソウル、東京」を取得する(S14)。
次に、時差情報選択手段24は、ディスプレイ4に表示された時差候補(都市名)の選択処理を行う(S16)。すなわち、時差情報選択手段24は、ディスプレイ4に表示された時差候補都市名の最初の都市を白黒反転表示するなどして、ユーザーに選択状態であることを示す。
そして、時差情報選択手段24は、ユーザーが一方のボタン6を押した場合には、次の都市を反転表示にしてユーザーが都市を順次選択できるように処理する。
また、時差情報選択手段24は、ユーザーが他方のボタン6を押した場合には、現在、反転表示されている都市の選択を確定する処理を行う。
以上の処理により、ユーザーによる時差候補都市名の選択処理が実行される(S16)。例えば、成田空港にいるユーザーは、「ソウル」と表示された状態から都市選択操作を行って「東京」を選択し、さらに「東京」の選択を確定する操作を行う。
例えば、時差候補として「東京」を選択した場合、UTCに対する時差情報は「+9」である。従って、時刻算出手段25は、UTCに対する時差「+9」を設定し、GPS時刻+UTCオフセットつまりUTCが例えば「1時10分」であれば、その時刻に9時間を加算し、「東京」の現時刻「10時10分」を算出する。
なお、この時差設定情報は、前述の通り、RAM31に記憶されるため、その後に、GPS衛星5から時刻情報のみを受信した場合には、時刻算出手段25は、取得した時刻情報にRAM31に記憶された時差を加算して現地時刻(地方時)を算出する。
すなわち、時刻表示手段26は、ステッピングモータを駆動して、指針3を算出された時刻を指示する位置まで早送りで移動する。また、ディスプレイ4に、例えば、選択された都市名と、算出した時刻とを表示する。
これにより、表示時刻を現在地の時刻に修正するための受信処理が終了する。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
GPS付き腕時計1は、GPS衛星5からの衛星信号を受信してGPS付き腕時計1の位置情報を取得し、その位置情報に基づいて領域データテーブル35、時差データテーブル36から、時差候補の都市名を抽出して表示している。
このため、ユーザーは、現在位置の情報によって予め絞られた時差候補都市名から選択すればよい。従って、例えばホノルルからウェリントンまで、各時差候補都市が固定順で順次表示される場合に比べて、本実施形態では、選択対象が予め絞られているので、該当する都市名を簡単に選択でき、ユーザーの利便性を向上できる。
これに対し、本実施形態では、時差候補都市を抽出した上でユーザーが選択しているので、ユーザーが求める都市(タイムゾーン)の時差に確実に設定でき、この点でもユーザーの利便性を向上できる。
さらに、領域のサイズも自由に設定できるため、例えば、南米や北米など、サイズを大きく設定できる領域は、適切なサイズで設定でき、その分、領域データテーブル35に登録する領域の数を少なくできてデータ量をより一層低減できる。
次に、本発明の第2実施形態について図9,10に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態において、前述した他の実施形態と同一または同様の構成については、同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
第2実施形態は、図10に示すように、抽出した時差候補の都市名を先頭に移動した上でディスプレイ4に表示することで、他の都市も選択可能に構成したものである。
第2実施形態では、図9に示すフローチャートに基づいて受信処理が行われる。なお、図9のフローチャートにおいて、第1実施形態のフローチャートと同じ処理には同一の符号を付し、説明を簡略する。
次に、時差情報取得手段22は、取得した位置情報に基づいて領域データテーブル35を検索し、その位置情報が含まれる領域データを検出する(S12)。
次に、時差情報取得手段22は、領域データテーブル35から、検出した領域の時差テーブルインデックス352から時差テーブルインデックスを取得する(S13)。
次に、時差情報取得手段22は、時差データテーブル36から、取得した時差テーブルインデックスに該当する都市名を取得する(S14)。
次に、時差情報表示手段23は、時差情報取得手段22で取得した時差候補を、前記都市名の一覧の先頭になるようにソートする(S22)。例えば、時差情報取得手段22が取得した時差候補都市名が「ソウル、東京」である場合、図10(B)に示すように、一覧の先頭に、「ソウル、東京」を移動し、ロンドン以下を繰り下げて新たな時差一覧72を作成する。
次に、時差情報選択手段24は、ユーザーの操作に基づいて、ディスプレイ4に表示された時差候補都市名の選択処理を行う(S16)。
次に、時刻表示手段26は、時刻算出手段25で算出された時刻、つまりGPS時刻に対して時差を反映した時刻を表示装置50に表示する(S18)。
第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
その上、時差情報表示手段23によって、取得した位置情報が含まれる領域の時差候補都市を先頭に移動し、かつ、他の都市も順次選択可能な時差一覧72を作成してディスプレイ4に表示しているので、現在位置に応じた都市(時差)を容易に選択できるとともに、他の都市も操作によって選択できる。このため、例えば、外国に旅行する前に、現地の時間に事前に合わせておくことも可能となり、ユーザーの利便性をより一層向上できる。
次に、本発明の第3実施形態について図11,12に基づいて説明する。
第3実施形態は、図12に示すように、位置情報に基づいて抽出した時差候補が複数ある場合で、かつ前回選択した記録がある場合には、前回、選択された都市名を先頭に移動する点が第2実施形態と相違する。他の構成は第2実施形態と同じであるため、説明を省略または簡略する。
第3実施形態では、図11に示すフローチャートに基づいて受信処理が行われる。なお、図11のフローチャートにおいて、第2実施形態のフローチャートと同じ処理には同一の符号を付し、説明を簡略する。
次に、時差情報取得手段22は、取得した位置情報に基づいて領域データテーブル35を検索し、その位置情報が含まれる領域データを検出する(S12)。
次に、時差情報取得手段22は、領域データテーブル35から、検出した領域の時差テーブルインデックス352から時差テーブルインデックスを取得する(S13)。
次に、時差情報取得手段22は、時差データテーブル36から、取得した時差テーブルインデックスに該当する都市名を取得する(S14)。
次に、時差情報表示手段23は、時差情報取得手段22で取得した時差候補を、前記都市名の一覧の先頭になるようにソートする(S22)。例えば、時差情報取得手段22が取得した時差候補都市名が「ソウル、東京」である場合、図12(B)に示すように、一覧の先頭に、「ソウル、東京」を移動し、ロンドン以下を繰り下げて新たな時差一覧72を作成する。
すなわち、時差情報表示手段23は、位置情報に基づいて抽出された時差候補において、前回選択時差データ353に時差テーブルインデックスが記憶されている場合には、その時差テーブルインデックスに対応する都市名を先頭に移動して時差一覧73を作成する。
一方、前回、「東京」が選択されていた場合には、図12(C)に示すように、「東京」が先頭に移動された時差一覧73をディスプレイ4に表示する(S23)。
次に、時差情報選択手段24は、ユーザーの操作に基づいて、ディスプレイ4に表示された時差候補都市名の選択処理を行う(S16)。
次に、時刻表示手段26は、時刻算出手段25で算出された時刻、つまりGPS時刻に対して時差を反映した時刻を表示装置50に表示する(S18)。
そして、時差情報選択手段24は、選択された時差情報をRAM31に記憶し、次回の処理時に前回の選択結果を判断できるようにする(S32)。
第3実施形態によれば、前記第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、時差情報表示手段23によって、前回、選択した都市名を先頭に移動しているので、現在位置に応じた都市名(時差)をより一層容易に選択できる。すなわち、1つの領域内に複数の時差候補(都市名)がある場合には、その領域が選択された場合、必ず選択操作が必要となる。この場合、通常は、同じ都市名を選択する可能性が高いため、前回に選択された都市名を先頭に表示すれば、ユーザーはその都市名の選択確定操作のみを行えばよいため、選択操作性を向上できる。
次に、本発明の第4実施形態について図13,14に基づいて説明する。
前記各実施形態は、指針3とディスプレイ4等のデジタル表示装置とを備えたコンビネーション時計1であったが、第4実施形態は、図13に示すように、指針3のみを備えたアナログ時計1Aに本発明を適用したものである。
但し、第4実施形態においても、GPS付き腕時計1Aのハードウェア構成は、図2,6に示す前記第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
そして、GPS付き腕時計1Aでは、秒針3Aが文字板リング100の都市名位置を指示することで、時差設定を行うようになっている。
次に、制御装置20の受信制御手段21は、GPS装置10を駆動して位置情報および時刻情報を取得する(S11)。
そして、時差情報取得手段22は、取得した位置情報に基づいて領域データテーブル35を検索し、その位置情報が含まれる領域データを検出する(S12)。
次に、時差情報取得手段22は、領域データテーブル35から、検出した領域の時差テーブルインデックス352から時差テーブルインデックスを取得する(S13)。
次に、時差情報取得手段22は、時差データテーブル36から、取得した時差テーブルインデックスに該当する都市名を取得する(S14)。
さらに、時差情報表示手段23は、検出した領域の各時差候補において、前回、選択された時差候補があれば、さらにその時差候補を先頭に移動して時差候補一覧を作成する(S31)。
ここで、ユーザーが選択操作を行わなかった場合、時差情報表示手段23は、S41で秒針3Aを停止してから、予め設定された時間(例えば30秒)経過してタイムアウトになったか否かを判定する(S45)。
すると、時差情報選択手段24は、時差候補の変更に伴い、秒針3Aを新しい時差候補である「ウェリントン」を指示する位置に移動する(S43)。具体的には、「シドニー」を指示する5時の目盛位置から、「ウェリントン」を指示する6時の目盛位置まで移動し、所定時間停止する。
次に、時刻表示手段26は、時刻算出手段25で算出された時刻、つまりGPS時刻に対して時差を反映した時刻を表示装置50に表示する(S18)。
そして、時差情報選択手段24は、選択された時差情報をRAM31に記憶し、次回の処理時に前回の選択結果を判断できるようにする(S32)。
一方、サマータイム設定処理S47では、時差情報選択手段24は、秒針3Aを0時の位置に移動し、さらに0時と1時の間を一定間隔で往復運針つまりワイパー運針する。
そして、現在、サマータイムを実施している時期ではない場合には、ユーザーは秒針3Aが0時の位置に停止している際にボタン6を押し、サマータイムを実施している時期であれば、秒針3Aが1時の位置に停止している際にボタン6を押すように設定しておく。これにより、時差情報選択手段24は、秒針3Aがどちらの位置にあるときにボタン6が押されたかを把握することで、サマータイムに設定するか否かを制御できる。そして、サマータイムに設定された場合には、時刻算出手段25は、時差設定をさらに+1時間するなど、サマータイム用の処理を行う。従って、時刻表示手段26で表示される時刻もサマータイムを考慮した時刻に設定できる。
第4実施形態によれば、前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、時差設定を秒針3Aおよびボタン6等で行えるため、都市名をデジタル表示するディスプレイ4が無い一般的なアナログ時計においても、正確な時差設定を行うことができる。
また、時差設定に加えて、サマータイムの設定も秒針3Aを利用して実現できるため、この点でも利便性の高いGPS付き腕時計1Aにできる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限らない。
例えば、前記実施形態では、地理情報を分割した領域を矩形状に区画していたが、その形状は矩形に限定されず、例えば、三角形、台形、凸形状、凹形状などの他の形状でもよい。但し、領域を矩形にすれば、2点の座標のみで領域を特定でき、かつ、受信した位置情報との比較も容易に行える利点がある。
さらに、前記実施形態では、領域を経線371、緯線372で囲まれる形状としていたが、経線371、緯線372で囲まれていない形状としてもよい。例えば、経線371、緯線372に対して45度傾斜した線で囲まれる矩形形状で領域を設定してもよい。
また、本発明の電子時計は、腕時計に限定されず、懐中時計でもよく、携帯して利用される各種の電子時計に広く利用できる。
さらに、電子時計としては、時計機能に加えて他の機能も備える各種の電子機器であってもよい。例えば、GPS機能および時計機能を備える携帯電話機や、ナビゲーション機器などの各種電子機器にも広く利用できる。
Claims (9)
- 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信して時刻情報および位置情報を取得可能な受信部と、
時差情報が設定される地理情報を複数領域に分割した領域データと、各領域に含まれる時差情報とを記憶した時差領域情報記憶手段と、
前記受信部で取得した位置情報が含まれる領域を前記領域データから抽出し、その領域に含まれる時差情報を取得する時差情報取得手段と、
前記時差情報取得手段で取得した時差情報を、時差候補として表示する時差情報表示手段と、
入力装置と、
前記入力装置の操作に基づいて、前記表示手段に表示された時差候補から時差情報を選択する時差情報選択手段と、
前記受信部で取得した時刻情報および前記時差情報選択手段で選択された時差情報に基づいて現在時刻を算出する時刻算出手段と、
前記現在時刻を表示する時刻表示手段と
を備えることを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、
前記領域データの各領域は、その領域内に予め設定された設定数以下の時差情報が含まれる大きさに設定されていることを特徴とする電子時計。 - 請求項1または請求項2に記載の電子時計であって、
前記領域データの各領域は、矩形形状に区画されていることを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項3のいずれに記載の電子時計であって、
前記時差情報選択手段で選択された時差情報を記憶する時差情報選択記憶手段を備え、
前記時差情報表示手段は、前記受信部で受信した位置情報が含まれる領域に関し、前記時差情報記憶手段に前回選択された時差情報が記憶されている場合、前回選択された時差情報を第1候補として表示することを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子時計であって、
情報を表示するデジタル表示装置を備え、
前記時差情報表示手段は、前記デジタル表示装置に前記時差情報取得手段で取得した時差候補を表示し、
前記時差情報選択手段は、入力装置の操作に基づいて、前記デジタル表示装置に表示された時差候補を選択することを特徴とする電子時計。 - 請求項5に記載の電子時計であって、
前記時差情報表示手段は、前記デジタル表示装置に、前記時差情報取得手段で取得した時差候補を最初に表示し、他の時差候補も前記時差情報に続いて表示可能とされたことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子時計であって、
指針と、前記時差候補を示す目盛が表示された文字板とを備えるアナログ表示装置を備え、
前記時差情報表示手段は、前記時差情報取得手段で取得した時差候補を示す目盛を、一定時間毎に前記指針を移動して順次指示し、
前記時差情報選択手段は、入力装置を操作した際に、前記指針で指示されていた時差候補を選択することを特徴とする電子時計。 - 時差情報が設定される地理情報を複数領域に分割した領域データと、各領域に含まれる時差情報とを記憶する時差領域情報記憶工程と、
位置情報衛星から送信される衛星信号を受信して時刻情報および位置情報を取得する受信工程と、
前記受信工程で取得した位置情報が含まれる領域を前記領域データから抽出し、その領域に含まれる時差情報を取得する時差情報取得工程と、
前記時差情報取得工程で取得した時差情報を、時差候補として表示する時差情報表示工程と、
入力装置の操作に基づいて、表示された時差候補から時差情報を選択する時差情報選択工程と、
前記受信工程で取得した時刻情報および前記時差情報選択工程で選択された時差情報に基づいて現在時刻を算出する時刻算出工程と、
前記現在時刻を表示する時刻表示工程と、を備えることを特徴とする電子時計の時刻修正方法。 - 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信して時刻情報および位置情報を取得可能な受信装置と、制御装置と、時差情報が設定される地理情報を複数領域に分割した領域データと、各領域に含まれる時差情報とを記憶した記憶装置と、入力装置と、表示装置とを備える電子時計の制御プログラムであって、
前記制御装置を、
前記受信装置で取得した位置情報が含まれる領域を前記領域データから抽出し、その領域に含まれる時差情報を取得する時差情報取得手段と、
前記時差情報取得手段で取得した時差情報を、時差候補として表示する時差情報表示手段と、
前記入力装置の操作に基づいて、前記表示手段に表示された時差候補から時差情報を選択する時差情報選択手段と、
前記受信装置で取得した時刻情報および前記時差情報選択手段で選択された時差情報に基づいて現在時刻を算出する時刻算出手段と、
前記現在時刻を表示する時刻表示手段として機能させることを特徴とする電子時計の制御プログラム。
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