以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電子時計の実施形態であるアナログ電子時計1の正面図である。
このアナログ電子時計1は、内部に各構成を収めるケーシング2と、ケーシング2内で一方の面(露出面)が外部に露出される文字盤3と、文字盤3の露出面を覆う図示略の透明部材(風防ガラス)と、文字盤3の略中心を回転軸として文字盤3と風防ガラスの間で文字盤3の略全面に亘って回転動作し、文字盤3の外縁付近に設けられた標識や目盛を指し示す3本の時刻指針61、62、63と、文字盤3の2時30分位置に設けられた小窓4及び小窓4の内部で回転動作する24時間針64と、文字盤3の9時30分位置に定められたエリア5及びエリア5の内部で回転動作するモード指針66と、文字盤3の6時位置に設けられた小窓6及び小窓6の内部で回転する小分針67及び小時針68と、文字盤3の露出面とは反対側に当該文字盤3と平行に設けられ、回転動作に応じて文字盤3の4時30分位置に設けられた開口部7から一の標識が露出される日車65と、ケーシング2における文字盤3の露出面側に対して側面側に設けられたりゅうずC1及び押しボタンスイッチB1〜B4などを備える。
文字盤3には、時、分及び秒を示す目盛や標識(時字)が円環状に設けられていると共に、これらの目盛や標識よりも更に外縁側には、世界のタイムゾーンに各々対応した都市名の略称及び協定世界時(UTC)を示す標識(都市標識)が設けられている。
時刻指針61〜63は、それぞれ、秒針61、分針62及び時針63であり、通常、時刻を表示する場合に、それぞれ、時刻の時、分、秒を指し示す。24時間針64は、小窓4の内部で午前、午後を含めた時刻を24時間表示する。また、本実施形態のアナログ電子時計1では、秒針61及び分針62は、各種機能に係る表示や設定に用いられる。
日車65は、その周縁部に日付を表す標識が順番に等間隔で設けられて、これらの標識のうちの一つが開口部7から露出されることで日付を示す。
モード指針66は、エリア5内部の9時位置から1時位置までの間に設けられた7つの標識の何れかを指し示すことで曜日を示し、エリア5内部の6時位置から7時30分位置までの間に設けられた標識の何れかを指し示すことで、実行中の機能モードを示す。アナログ電子時計1で動作可能な機能モードとしては、特には限られないが、ここでは、ストップウォッチモード、タイマーモード及びアラームモードがある。また、3時位置から5時位置までの間の標識の何れかを指し示すことで、時刻表示モードに関して夏時間の表示設定に係る表示が行われる。また、これらの各種機能モードと平行して、通信に係る電波送受信を禁止する機内モードの設定が可能となっており、モード指針66が9時位置付近にある飛行機の標識を指し示すことで、機内モードであることが示される。更に、モード指針66の指し示す方向と9時方向(12時方向を上向きとした場合の横方向)とのなす角度(即ち、モード指針66が指し示す位置)により緯度が表示される。
小分針67及び小時針68は、それぞれ、小窓6の内部において、世界時計の機能に係る時刻表示を行う。即ち、本実施形態のアナログ電子時計1では、時刻指針61〜63と、小分針67及び小時針68とにより、2箇所における地方時を同時に表示させることが出来る。なお、小分針67及び小時針68に更に連動して回転する24時間針64を備え、午前、午後を表示可能とすることが出来る。
以下、時刻指針61〜63、24時間針64、日車65、モード指針66、小分針67及び小時針68のうち一部又は全部をまとめて示す場合には、指針61〜68などと記す。
りゅうずC1及び押しボタンスイッチB1〜B4は、それぞれ、ユーザからの入力操作を受け付ける。りゅうずC1は、ケーシング2から2段階の引き出し操作が可能であり、1段階又は2段階引き出された状態で所定の角度の回転操作が行われることにより操作信号が出力され、各種設定に用いられる。押しボタンスイッチB1〜B4は、それぞれ、押下されることで機能モードの種別変更を行い、或いは、機能モードごとに割り当てられた動作命令を受け付ける。
図2は、アナログ電子時計1の機能構成を示すブロック図である。
アナログ電子時計1は、CPU41(Central Processing Unit)(更新情報取得手段、地方時設定手段、地方時算出手段)と、ROM42(Read Only Memory)と、RAM43(Random Access Memory)(更新情報記憶手段)と、発振回路44と、分周回路45と、計時手段としての計時回路46と、操作手段としての操作部47と、衛星電波受信処理部48(現在位置取得手段、受信手段、位置算出手段)及びそのアンテナ49と、駆動回路51と、電源部52と、上述の時刻指針61〜63、24時間針64、日車65、モード指針66、小分針67及び小時針68と、輪列機構71〜75と、ステッピングモータ81〜85などを備える。
CPU41は、各種演算処理を行い、また、アナログ電子時計1の全体動作を統括制御する。CPU41は、日時の表示に係る指針動作を制御する。CPU41は、設定されているタイムゾーン及び夏時間の実施情報からなる地方時設定情報(地方時情報)に基づいて計時回路46の計数する日時を適切な地方時に換算し、通常の時刻表示モードにおいて、換算された地方時を時刻指針61〜63、24時間針64及び日車65により表示させる。
また、CPU41は、衛星電波受信処理部48を動作させて日時や位置情報を取得したりする。CPU41は、得られた日時のデータに基づいて計時回路46の計数する日時を修正する。
ROM42は、CPU41により実行される各種制御用のプログラム42aや設定データを格納する。プログラム42aには、例えば、各種機能モードの動作制御に係るプログラムが含まれている。また、設定データには、都市時差情報42b及び都市夏時間情報42cが含まれる。
都市時差情報42bには、文字盤3の外縁に設けられた都市標識(都市名の略称)に係る地理的位置のID、位置(例えば、12時方向からの秒針61によるステップ数)、及び当該都市におけるUTC時刻からの時差(以降、時差とは、UTC時刻からの時差を表す)が対応付けられてタイムゾーン設定情報として記憶されている。例えば、4時20分付近の位置に設けられた東京を示す都市標識「TYO」に対し、ID「011」、22秒位置、及び+9時間の時差が対応付けられて記憶されている。
また、都市夏時間情報42cには、上述の各都市と、当該都市における夏時間実施情報、即ち、夏時間の実施有無、実施期間(開始日及び終了日)及び夏時間の実施期間中における標準時間からのシフト時間に関する情報とが対応付けられて記憶されている。例えば、2秒位置に設けられたロンドンを示す都市標識「LON」に対し、ID「002」、位置(2秒位置)、夏時間の実施期間(3月最終日曜日のUTC1時0分から10月最終日曜日のUTC1時0分までの間)及び夏時間実施期間におけるシフト時間(+1時間)が対応付けられて記憶されている。
RAM43は、CPU41に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。また、RAM43には、日時情報及び位置情報取得の履歴、現在選択されているタイムゾーン及び夏時間実施情報を含む地方時設定情報や、指針位置を示すデータなどが記憶されている。また、RAM43には、ユーザにより設定されたタイムゾーンや夏時間実施情報の修正データである都市ユーザ修正データ43a及び地図ユーザ修正データ43bが記憶されている。
都市ユーザ修正データ43aには、上述の各都市におけるタイムゾーンや夏時間実施情報の修正情報が設定されたものについて当該修正情報が記憶される。例えば、東京にて夏時間が実施される場合に当該夏時間の実施情報が後述のようにユーザによって設定されると、東京を示すIDなどと、当該設定とが対応付けられて記憶される。この設定の記憶数は、最新の一つだけであっても良いし、設定があった都市について全て記憶させることが可能であっても良い。同一の都市(ID)に対して複数回の設定があった場合には、最新の設定のみが記憶される。また、これらの修正情報には、当該修正情報の有効期間が含まれていても良い。
地図ユーザ修正データ43bには、後述のように、取得された現在位置(緯度経度)におけるタイムゾーンや夏時間実施情報の修正情報が設定された場合に、当該現在位置又は現在位置を含む地域(所定の地域)のIDと、設定された修正情報とが対応付けられて記憶される。現在位置を示すデータが記憶される場合には、取得された現在位置の緯度経度自体が用いられても良いし、時差マップ48bに記憶される各地理ブロックの座標が用いられても良い。この場合も、設定数は、記憶容量などに応じて適宜設定され、また、同一の地域内で複数回の設定があった場合には、最新の設定のみが記憶される。この修正情報にも当該修正情報の有効期間が含まれていても良い。
都市ユーザ修正データ43a及び地図ユーザ修正データ43bが更新情報を構成する。
発振回路44は、所定の周波数信号を生成して出力する。発振回路44は、例えば、水晶発振器を備える。
分周回路45は、発振回路44から出力された周波数信号をCPU41や計時回路46により利用される周波数の信号に分周して出力する。出力される周波数は、CPU41からの制御信号により変更可能に設定されていても良い。
計時回路46は、所定の日時を示す初期値に分周回路45から入力される分周信号を計数して加算していくことにより現在の日時を計数する。この計時回路46により計数される日時は、発振回路44の精度に応じた誤差(歩度)、例えば、一日に0.5秒程度、を有する。この計時回路46の計数する日時は、CPU41からの制御信号により修正されることが可能となっている。
操作部47は、ユーザからの入力操作を受け付ける。操作部47には、上述の押しボタンスイッチB1〜B4やりゅうずC1が含まれる。押しボタンスイッチB1〜B4がそれぞれ押下されたり、りゅうずC1が引き出され、押し戻され、また、回転動作がなされたりした場合には、動作種別に応じた電気信号がCPU41に出力される。りゅうずC1は、2段階の引き出しが可能となっており、引き出し状態に応じた内容の操作の受付を行う。
衛星電波受信処理部48は、アンテナ49を用いて少なくともGPS(Global Positioning System)に係る測位衛星(GPS衛星)を含む測位衛星からの電波を受信し、これら測位衛星からのスペクトラム拡散された送信電波を復調して信号(航法メッセージデータ)を復号、解読する。解読された航法メッセージデータの内容に対して、更に、必要に応じて各種演算処理が行われ、CPU41からの要求に応じたデータが予め設定されたフォーマットでCPU41に出力される。これらの受信、解読、演算及び出力に係る動作制御は、衛星電波受信処理部48に設けられた制御部48a(マイコン)によりなされる。
衛星電波受信処理部48の各構成は、まとめて一つのモジュールとしてチップ上に形成され、CPU41と接続される。衛星電波受信処理部48の動作は、CPU41により、アナログ電子時計1の他の各部の動作とは独立にオンオフの制御がなされる。アナログ電子時計1では、衛星電波受信処理部48を動作させる必要が無い場合には、衛星電波受信処理部48への電力供給を中断することで省電力化が図られている。
また、衛星電波受信処理部48は、記憶部を備える。この記憶部には、フラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)といった不揮発性メモリが用いられ、衛星電波受信処理部48への電力供給状態に依らず記憶された内容が保持される。記憶部には、各種動作制御プログラム、測位衛星から取得される各測位衛星の予測軌道情報やうるう秒補正値などの設定データに加えて、地方時設定情報を得るための時差マップ48b、時差情報48c及び夏時間情報48dなどが記憶される。なお、これら地方時設定情報をアナログ電子時計1のRAM43に記憶させ、必要に応じて制御部48aがCPU41から情報を受け取ったり、これらの必要な処理をCPU41に行わせたりする構成であっても良い。また、動作制御プログラムは、専用のROMに格納され、起動時に読み出されて制御部48aのRAMにロードされても良い。
時差マップ48bは、世界地図を適宜な地理ブロック(地理的位置)に分割して、当該地理ブロックごとに属するタイムゾーンに係るパラメータと、夏時間に係るパラメータとを記憶するマップデータである。時差マップ48bの地図は、特には限られないが、緯度線と経度線がそれぞれ直線で表され且つ直交するように描かれたものが好ましく用いられ、各地理ブロックは、所定の緯度間隔及び経度間隔で二次元マトリクス状に配置されるのが好ましい。また、地理ブロックは、高緯度地域と低緯度地域で経度幅を異ならせることで、実際のサイズが地理ブロック間で大きく異ならないように定められても良い。
時差情報48cは、時差マップ48bで用いられたタイムゾーンに係るパラメータと、当該タイムゾーンにおける時差とを対応付けるテーブルデータである。このテーブルデータでは、パラメータは、例えば、パラメータ「0」に対応する時差が「+0時間」、パラメータ「1」に対応する時差が「+1時間」というように一意に対応させて設定されている。
また、夏時間情報48dは、時差マップ48bで用いられた夏時間に係るパラメータと、当該夏時間実施情報の内容(実施有無、実施期間、実施時のシフト時間)とを対応付けるテーブルデータである。例えば、パラメータ「0」は、夏時間の実施なしと対応付けられ、パラメータ「1」は、夏時間がUTCにおける3月の最終日曜日午前1時から10月の最終日曜日午前1時まで+1時間されることで実施されるケースと対応付けられて設定される。
このように、タイムゾーンに係るパラメータと夏時間に係るパラメータとが同一の範囲内が一つの地域(所定の地域)として定められる。或いは、夏時間実施情報の内容が同一であっても異なるタイムゾーンに対しては別個にパラメータが設定されることとして、夏時間に係るパラメータが同一の範囲内を一つの地域として定めても良い。更に、夏時間実施情報の内容やタイムゾーンより小さい行政上の単位などで地域が定められても良い。
ROM42及び衛星電波受信処理部48が地方時情報記憶手段を構成し、ROM42の都市時差情報42b、都市夏時間情報42c、及び時差マップ48b、並びに衛星電波受信処理部48の時差情報48c及び夏時間情報48dにより地方時情報が構成される。また、これらのうち、都市時差情報42b及び時差情報48cが各位置におけるタイムゾーン設定情報を有し、都市夏時間情報42c及び夏時間情報48dが各位置における夏時間実施情報を有する。
電源部52は、各部の動作に係る電力を所定電圧で供給する。電源部52は、バッテリを有し、このバッテリとしては、例えば、ソーラパネルと二次電池とを備える。或いは、バッテリとして交換可能なボタン型の乾電池が用いられても良い。また、電源部52から複数の異なる電圧が出力される場合には、例えば、スイッチング電源などを用いて所望の電圧に変換して出力可能な構成とすることが出来る。
ステッピングモータ81は、複数の歯車の配列である輪列機構71を介して秒針61を回転動作させる。ステッピングモータ81が一回駆動されると、秒針61は、1ステップ6度回転し、ステッピングモータ81の60回の動作により文字盤3上で一周する。
ステッピングモータ82は、輪列機構72を介して分針62を回転動作させる。ステッピングモータ82が一回駆動されると、分針62は、1ステップ1度回転し、ステッピングモータ82の360回の動作により文字盤3上で一周する。
ステッピングモータ83は、輪列機構73を介して時針63及び24時間針64を回転動作させる。輪列機構73は、時針63及び24時間針64を連動して回転させる構成であり、ステッピングモータ83が一回駆動されると、時針63を1ステップ1度回転移動させると共に、24時間針64を1/2度ずつ回転移動させる。従って、時針63及び24時間針64が10秒に1回ずつ回転移動されると、1時間の間に時針63が文字盤3上で30度移動すると共に24時間針64が小窓4内で15度移動する。即ち、時針63は、12時間で文字盤3上を一周し、24時間針64は、24時間で小窓4内を一周する。
ステッピングモータ84は、輪列機構74を介してモード指針66と日車65とを連動して回転動作させる。ステッピングモータ84が一回駆動されると、モード指針66が1ステップ1度回転される。日車65は、例えば、150ステップの回転移動により360/31度の回転が生じて、開口部7から露出される日付標識が1日分変化する。そして、日車65が31日分回転移動すると、再び最初の日付を示す日付標識が開口部7から露出される。
ステッピングモータ85は、輪列機構75を介して小分針67及び小時針68を回転動作させる。ステッピングモータ85が一回駆動されると、小分針67は、1ステップ1度回転移動し、小時針68は、1/12度回転する。従って、ステッピングモータ85が360回回転駆動されることで、小分針67が小窓6内を一周するとともに、小時針68が小窓6内で30度回転する。
時刻指針61〜63、24時間針64、日車65、モード指針66、小分針67及び小時針68は、特には限られないが、正転方向(時刻が進む方向)に90pps(pulse per second)で回転移動可能であり、また、逆転方向に32ppsで回転移動可能となっている。
指針61〜68及びステッピングモータ81〜85により表示手段が構成される。
駆動回路51は、CPU41からの制御信号に従ってステッピングモータ81〜85に所定電圧の駆動パルスを出力してステッピングモータ81〜85を1回所定角度(例えば、180度)回転動作させる。駆動回路51は、アナログ電子時計1の状態などに応じて駆動パルスの長さ(パルス幅)を変更させることが出来る。また、複数の指針を同時に駆動させる制御信号が入力された場合に、負荷を低減させるために僅かに駆動パルスの出力タイミングをずらしたりすることが出来る。
次に、本実施形態のアナログ電子時計1における地方時の設定動作について説明する。
このアナログ電子時計1では、手動又は自動で地方時の設定が行われる。これらの地方時の設定は、手動で行われる場合には、都市時差情報42b及び都市夏時間情報42cが参照されて、ユーザにより選択された都市に応じた地方時の設定及び算出がなされる。一方、地方時の設定が自動で行われる場合には、時差マップ48b、時差情報48c及び夏時間情報48dが参照されて、測位衛星から取得された航法メッセージにより得られた現在位置に応じた地方時の設定及び算出がなされる。また、これらに加えて、都市時差情報42b、都市夏時間情報42c及び時差マップ48bに記憶されている設定は、ユーザの修正操作により修正されて、都市ユーザ修正データ43a及び地図ユーザ修正データ43bとして記憶させて利用することが可能となっている。
また、このアナログ電子時計1では、選択されている地方時設定情報に係る夏時間実施情報に従って自動的に夏時間の表示を行わせる表示設定DST(AUTO)、設定されている地方時設定情報に係る夏時間実施情報に拘わらず夏時間の表示を行わせない表示設定(STD)、及び夏時間の実施情報に拘わらず設定されたシフト時間(例えば、1時間)ずらして表示を行わせる表示設定(DST)のうち何れかをユーザ操作により選択することが出来る。
図3は、本実施形態のアナログ電子時計1における地方時設定処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。図3(a)は、ユーザが手動で都市を選択設定することにより行われる地方時設定処理の制御手順を示す。ここでは、ユーザがりゅうずC1を2段階引き出すことで、都市設定モードに移行し、りゅうずC1を回転させて秒針61により文字盤3の周縁部に記載された都市のうちの何れか一つを指し示させることで、当該都市を選択する。
CPU41は、ユーザにより選択された都市を取得する(ステップS701)。CPU41は、当該都市に応じたユーザ修正データが都市ユーザ修正データ43aに記憶されているか否かを判別する(ステップS702)。記憶されていると判別された場合には(ステップS702で“YES”)、CPU41は、都市ユーザ修正データ43aを参照して、当該都市に対応する時差情報と夏時間実施情報とを取得する(ステップS703)。それから、CPU41の処理は、ステップS705に移行する。
選択された都市に応じたユーザ修正データが都市ユーザ修正データ43aに記憶されていないと判別された場合には(ステップS702で“NO”)、CPU41は、都市時差情報42bを参照して、当該都市に対応するタイムゾーンを取得し(ステップS713)、また、都市夏時間情報42cを参照して、当該都市に対応する夏時間の実施情報を取得する(ステップS714)。このとき、選択された都市とは異なる都市の地方時設定情報に係るユーザ修正データが都市ユーザ修正データ43aに記憶されている場合には、CPU41は、当該ユーザ修正データを消去する処理を行っても良い。また、CPU41は、有効期間が経過したユーザ修正データが記憶されている場合にも、当該ユーザ修正データを消去する処理を行う。それから、CPU41の処理は、ステップS705に移行する。
ステップS705の処理に移行すると、CPU41は、計時回路46の計数する日時に対し、取得されたタイムゾーン及び夏時間を適用した地方時の日時を算出する(ステップS705)。そして、CPU41は、地方時算出処理を終了する。
図3(b)は、衛星電波受信処理部48により測位が行われた場合に実行される地方時設定処理の制御手順を示す。ここでは、衛星電波受信処理部48において測位衛星からの電波が受信され、当該受信された航法メッセージを用いて現在位置が算出されて、CPU41に算出結果が出力されることで現在位置が取得される。
このとき併せて、衛星電波受信処理部48の制御部48aは、時差マップ48bを参照して、算出された現在位置に応じたタイムゾーンに係るパラメータ及び夏時間に係るパラメータを取得する。制御部48aは、時差情報48cを参照してタイムゾーンに係るパラメータに応じた時差(UTCからのずれ時間)を取得し、また、夏時間情報48dを参照して夏時間に係るパラメータに応じた夏時間の実施情報、即ち、夏時間の実施有無、夏時間の実施期間及び夏時間の実施期間中における標準時間からのシフト時間の情報を取得する。そして、制御部48aは、取得された現在位置と共にこれらのタイムゾーン及び夏時間実施情報をCPU41に出力する。
CPU41は、衛星電波受信処理部48から現在位置を取得する(ステップS751)。CPU41は、現在位置に対応する(即ち、現在位置が含まれる地域の)ユーザ修正データが地図ユーザ修正データ43bに記憶されているか否かを判別する(ステップS752)。
対応するユーザ修正データが地図ユーザ修正データ43bに記憶されていると判別された場合には(ステップS752で“YES”)、CPU41は、地図ユーザ修正データ43bを参照してタイムゾーンと夏時間実施情報を取得する(ステップS753)。それから、CPU41の処理は、ステップS755に移行する。
対応するユーザ修正データが地図ユーザ修正データ43bに記憶されていないと判別された場合には(ステップS752で“NO”)、CPU41は、衛星電波受信処理部48が出力したタイムゾーンと夏時間実施情報を取得する(ステップS763)。このとき、現在位置に対応しないユーザ修正データが地図ユーザ修正データ43bに記憶されている場合には、CPU41は、当該ユーザ修正データを消去する処理を行っても良い。また、有効期間が経過したユーザ修正データが記憶されている場合にも、CPU41は、当該ユーザ修正データを消去する処理を行う。それから、CPU41の処理は、ステップS755に移行する。
ステップS755の処理に移行すると、CPU41は、取得されたタイムゾーンと夏時間実施情報とを適用して現在位置における地方時設定を行う(ステップS755)。即ち、CPU41は、選択、取得された地方時設定情報に基づいて、現在のUTC日時における(地方時に基づいて夏時間の実施有無が切り替えられる場合には、タイムゾーンに基づいて暫定的に地方時を一度算出して夏時間の実施有無を判断する)時差を算出する。CPU41は、計時回路46で計数されている日時に対して当該時差を適用して地方時を算出し、必要に応じて駆動回路51に制御信号を出力して指針61〜68の一部に表示を行わせる。そして、CPU41は、地方時設定処理を終了する。
次に、ユーザによるタイムゾーン及び夏時間情報の修正データの入力設定動作について説明する。
図4は、本実施形態のアナログ電子時計1において実行される地方時設定修正処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
この地方時設定修正処理は、特定のユーザ操作、例えば、りゅうずC1が2段階引き出された状態で、更に押しボタンスイッチB3が10秒間押下されることで開始される。
地方時設定修正処理が開始されると、CPU41は、地方時設定情報の修正を行う対象位置として現在位置に係る位置情報(緯度、経度)又は都市設定が保持されているか否かを判別する(ステップS101)。位置情報又は都市設定が保持されていないと判別された場合(ステップS101で“NO”)には、CPU41は、地方時設定修正処理を終了する。
位置情報又は都市設定が保持されていると判別された場合には(ステップS101で“YES”)、CPU41は、タイムゾーン設定の修正処理を実行する(ステップS102)。また、CPU41は、夏時間実施情報に係る設定の修正処理を実行する(ステップS103)。
CPU41は、駆動回路51に制御信号を出力して、指針61〜68のうち必要な指針の一部を移動させ、修正結果を示させて当該修正で設定を完了して良いか確認を行わせる(ステップS104)。CPU41は、設定完了動作が入力されたか否かを判別し(ステップS105)、設定完了動作、ここでは、りゅうずC1が1段階以上押し戻される動作がなされたと判別された場合には(ステップS105で“YES”)、都市設定と当該修正設定とを対応付けて都市ユーザ修正データ43aに記憶させるか、または、現在位置(或いは、現在位置を含む地域)と修正設定とを対応付けて地図ユーザ修正データ43bに記憶させる(ステップS106)。このとき、同一都市又は現在位置と同一の地域の修正データが記憶されている場合には、CPU41は、新しい設定により以前の修正データを上書き更新して記憶させる。そして、CPU41は、地方時設定修正処理を終了する。
設定完了動作ではない動作がなされたと判別された場合には(ステップS105で“NO”)、CPU41は、処理をステップS102に戻し、再度設定に係る処理を行う。
図5は、地方時設定修正処理で呼び出されるタイムゾーン修正処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
タイムゾーン修正処理が呼び出されると、CPU41は、駆動回路51に制御信号を出力して現在設定されているタイムゾーンに応じた都市標識を指し示すように指針(秒針61)を回転移動させた後、時桁の修正操作の待ち受けを開始する。そして、CPU41は、時桁の修正操作、ここでは、りゅうずC1の回転操作が検出されたか否かを判別する(ステップS201)。検出されたと判別された場合には(ステップS201で“YES”)、CPU41は、りゅうずC1の回転方向に応じて時桁の値を±1時間更新し、駆動回路51に制御信号を出力して当該更新された値に応じた都市標識を指針(ここでは、秒針61)に指し示させる(ステップS202)。それから、CPU41の処理は、ステップS203に移行する。ステップS201の判別処理で、時桁の修正操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS201で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS203に移行する。
ステップS203の処理では、CPU41は、時桁の修正操作を終了する操作、例えば、押しボタンスイッチB3の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS203)。終了操作がなされていないと判別された場合には(ステップS203で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS201に戻る。
終了操作がなされたと判別された場合には(ステップS203で“YES”)、CPU41は、駆動回路51に制御信号を出力して、現在設定されているタイムゾーンにおけるUTC時刻からの時差の分桁の値を秒針61に指し示させる。それから、CPU41は、分桁の修正操作、ここでは、りゅうずC1の回転操作が検出されたか否かを判別する(ステップS204)。分桁の修正操作が検出されたと判別された場合には(ステップS204で“YES”)、CPU41は、りゅうずC1の回転方向に応じて分桁の値を更新し、駆動回路51に制御信号を出力して当該更新された値を指針(ここでは、秒針61)に示させる(ステップS205)。ここで、世界各地におけるUTC時刻からの時差は、現在のところ、15分単位での設定しかなされていないので、アナログ電子時計1では、りゅうずC1が1ステップ回転操作されるごとに15分ずつ分桁の値を更新させるように制御することが出来る。それから、CPU41の処理は、ステップS206に移行する。
分桁の修正操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS204で“NO”)、CPU41は、処理をステップS206に移行させる。
ステップS206の処理に移行すると、CPU41は、分桁の修正操作を終了する操作、例えば、押しボタンスイッチB3の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS206)。終了操作がなされたと判別された場合には(ステップS206で“YES”)、CPU41は、タイムゾーン修正処理を終了して、処理を地方時設定終了処理に戻す。終了操作がなされていないと判別された場合には(ステップS206で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS204に戻る。
図6は、地方時設定修正処理で呼び出される夏時間情報修正処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
夏時間情報修正処理が呼び出されると、CPU41は、駆動回路51に制御信号を出力してモード指針66に現在設定されている夏時間の設定モードに係る標識を指し示させる。それから、CPU41は、夏時間の設定モードの切替操作、例えば、押しボタンスイッチB4の押下操作がなされたか否かを判別する(ステップS301)。切替操作なされたと判別された場合には(ステップS301で“YES”)、CPU41は、現在設定されている夏時間の設定モードの次の設定モードに設定を変更すると共に、駆動回路51に制御信号を出力して当該設定にあわせた表示状態、ここでは、モード指針66の指し示す位置を更新させる(ステップS302)。この設定モードは、夏時間の自動実施モードDST(AUTO)、夏時間の不実施モード(STD)、夏時間の手動設定モードパターン1(P.1)、及び夏時間の手動設定モードパターン2(P.2)の順で切り替えられ、P.2で同操作がなされると、再び自動実施モードに戻される。それから、CPU41の処理は、ステップS303に移行する。切替操作がなされていないと判別された場合には(ステップS301で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS303に移行する。
ステップS303の処理に移行すると、CPU41は、現在の設定モードがDST(AUTO)かSTDの何れかであるか否かを判別する(ステップS303)。DST(AUTO)かSTDの何れかであると判別された場合には(ステップS303で“YES”)、CPU41は、モード切替の終了操作がなされたか否かを判別する(ステップS304)。モード切替の終了操作、例えば、押しボタンスイッチB3が押下されたと判別された場合には(ステップS304で“YES”)、CPU41は、夏時間情報修正処理を終了して処理を地方時設定修正処理に戻す。モード切替の終了操作がなされていないと判別された場合には(ステップS304で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS301に戻る。
ステップS303の判別処理で、現在の設定モードがDST(AUTO)又はSTDの何れでもない(P.1又はP.2である)と判別された場合には(ステップS303で“NO”)、CPU41は、夏時間の開始時刻及び終了時刻の基準時切替操作、ここでは、例えば、押しボタンスイッチB1の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS311)。基準時切替操作が検出されたと判別された場合には(ステップS311で“YES”)、基準時をUTC時刻基準と地方時基準との間で交互に切り替えて現在の設定を示させると共に、駆動回路51に制御信号を出力し、指針(秒針61)をUTCの標識位置(12時位置)と設定されているタイムゾーンに応じた標識位置との間で移動させて現在の基準時を示させる(ステップS312)。それから、CPU41の処理は、ステップS301に戻る。
基準時切替操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS311で“NO”)、CPU41は、サマータイム実施時におけるシフト時間の切替操作、ここでは、りゅうずC1の回転操作が検出されたか否かを判別する(ステップS313)。シフト時間の切替操作が検出されたと判別された場合には(ステップS313で“YES”)、CPU41は、例えば、りゅうずC1の回転方向に応じてシフト時間を30分刻みで増減させると共に、当該増減されたシフト時間を指針(分針62及び時針63)に指し示させる(ステップS314)。それから、CPU41の処理は、ステップS301に戻る。
シフト時間の切替操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS313で“NO”)、CPU41は、モード切替の終了操作(押しボタンスイッチB3の押下操作)が検出されたか否かを判別する(ステップS315)。モード切替の終了操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS315で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS301に戻る。モード切替の終了操作が検出されたと判別された場合には(ステップS315で“YES”)、CPU41は、夏時間情報手動修正処理を呼び出して実行し(ステップS316)、それから、夏時間情報修正処理を終了して処理を地方時設定修正処理に戻す。
図7、図8は、夏時間情報修正処理で呼び出される夏時間情報手動修正処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
夏時間情報修正処理が呼び出されると、CPU41は、駆動回路51に制御信号を出力して、小分針67及び小時針68に「1時」を示させることで夏時間の開始月及び開始時刻の設定状態であることを示させ、また、現在設定されている夏時間の開始月(例えば、秒針61)及び開始時刻(例えば、時針63及び分針62)に係る表示を行わせた後、夏時間の開始月の修正操作例えば、押しボタンスイッチB1の押下操作が検出されたかを判別する(ステップS601)。開始月の修正操作が検出されたと判別された場合には(ステップS601で“YES”)、CPU41は、開始月を1ヵ月進めると共に、駆動回路51に制御信号を出力して、当該進められた月に応じた標識を指し示す位置を指針(秒針61)に指し示させる(ステップS602)。それから、CPU41の処理は、ステップS601に戻る。
開始月の修正操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS601で“NO”)、CPU41は、開始時刻に係る0時設定が0時(その日の初め)であるか、24時であるか(その日の最後)であるかの切替操作、例えば、押しボタンスイッチB4の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS603)。切替操作が検出されたと判別された場合には(ステップS603で“YES”)、CPU41は、設定を0時と24時との間で交互に切り替えると共に、駆動回路51に制御信号を出力して、モード指針66を対応位置、例えば、0時位置と6時位置との間で移動させる(ステップS604)。それから、CPU41の処理は、ステップS601に戻る。
0時と24時との切替操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS603で“NO”)、CPU41は、開始時刻の修正操作、例えば、りゅうずC1の回転操作が検出されたか否かを判別する(ステップS605)。開始時刻の修正操作が検出されたと判別された場合には(ステップS605で“YES”)、CPU41は、りゅうずC1の回転方向に応じて開始時刻を±1時間変更すると共に、駆動回路51に制御信号を出力して、分針62及び時針63を変更された開始時刻に応じた指針位置に移動させる(ステップS606)。それから、CPU41の処理は、ステップS601に戻る。
開始時刻の修正操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS605で“NO”)、CPU41は、夏時間の開始月及び開始時刻の修正操作を終了する操作、例えば、押しボタンスイッチB3の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS606)。修正操作の終了操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS606で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS601に戻る。
夏時間の開始月及び開始時刻の修正操作を終了する操作が検出されたと判別された場合には(ステップS606で“YES”)、CPU41は、夏時間のモード設定が手動モードパターン1(P.1)であるか否かを判別する(ステップS607)。P.1であると判別された場合には(ステップS607で“YES”)、CPU41は、夏時間の開始日の修正状態に移行し、駆動回路51に制御信号を出力して、小分針67及び小時針68が2時位置を指し示すように移動させることで当該夏時間の開始日の修正状態であることを示させると共に、現在設定されている夏時間の開始日に係る設定を秒針61(何週目か)及びモード指針66(曜日)に行わせる。それから、CPU41は、開始週の修正操作、例えば、押しボタンスイッチB1の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS611)。開始週の修正操作が検出されたと判別された場合には(ステップS611で“YES”)、CPU41は、開始週を第1週目から第4週目及び最終週の間で順番に変更させると共に、駆動回路51に制御信号を出力して、秒針61の指し示す位置を変更させる(ステップS612)。それから、CPU41の処理は、ステップS611に戻る。
開始週の修正操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS611で“NO”)、CPU41は、開始曜日の修正操作、例えば、押しボタンスイッチB4の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS613)。開始曜日の修正操作が検出されたと判別された場合には(ステップS613で“YES”)、CPU41は、開始曜日を日曜日〜土曜日までの間で順番に変更させると共に、駆動回路51に制御信号を出力してモード指針66に変更された曜日に係る標識を指し示させる(ステップS614)。それから、CPU41の処理は、ステップS611に戻る。
開始曜日の修正操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS613で“NO”)、CPU41は、開始日の修正操作を終了する操作、例えば、押しボタンスイッチB3の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS615)。開始日の修正操作を終了する操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS615で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS611に戻る。開始日の修正操作を終了する操作が検出されたと判別された場合には(ステップS615で“YES”)、CPU41の処理は、ステップS631に移行する。
ステップS608の判別処理で、モード設定が手動モードパターン1(P.1)ではない(P.2である)と判別された場合には(ステップS608で“NO”)、CPU41は、夏時間の開始日の修正状態に移行し、駆動回路51に制御信号を出力して、小分針67及び小時針68が2時位置を指し示すように移動させることで当該夏時間の開始日の修正状態であることを示させると共に、現在設定されている夏時間の開始日に係る設定を日車65に行わせる。それから、CPU41は、開始日の修正操作、例えば、りゅうずC1の回転操作が検出されたか否かを判別する(ステップS621)。
開始日の修正操作が検出されたと判別された場合には(ステップS621で“YES”)、CPU41は、りゅうずC1の回転方向に応じて開始日を±1日変更すると共に、駆動回路51に制御信号を出力して日車65を回転させ、当該変更された開始日を表示させる(ステップS622)。それから、CPU41の処理は、ステップS621に戻る。
開始日の修正操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS621で“NO”)、CPU41は、開始日の修正操作を終了する操作、例えば、押しボタンスイッチB3の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS623)。開始日の修正操作を終了する操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS623で“NO”)、CPU41は、処理をステップS621に戻す。開始日の修正操作を終了する操作が検出されたと判別された場合には(ステップS623で“YES”)、CPU41の処理は、ステップS631に移行する。
ステップS631の処理に移行すると、CPU41は、駆動回路51に制御信号を出力して、小分針67及び小時針68に「3時」を示させることで夏時間の終了月及び終了時刻の設定状態であることを示させ、また、現在設定されている夏時間の終了月(例えば、秒針61)及び終了時刻(例えば、時針63及び分針62)に係る表示を行わせた後、夏時間の終了月の修正操作、例えば、押しボタンスイッチB1の押下操作が検出されたかを判別する(ステップS631)。終了月の修正操作が検出されたと判別された場合には(ステップS631で“YES”)、CPU41は、終了月を1ヵ月進めると共に、駆動回路51に制御信号を出力して、当該進められた月に応じた標識を指し示す位置を指針(秒針61)に指し示させる(ステップS632)。それから、CPU41の処理は、ステップS631に戻る。
終了月の修正操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS631で“NO”)、CPU41は、終了時刻に係る0時設定が0時(その日の初め)であるか、24時であるか(その日の最後)であるかの切替操作、例えば、押しボタンスイッチB4の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS633)。切替操作が検出されたと判別された場合には(ステップS633で“YES”)、CPU41は、設定を0時と24時との間で交互に切り替えると共に、駆動回路51に制御信号を出力して、モード指針66を対応位置、例えば、0時位置と6時位置の何れかに移動させる(ステップS634)。それから、CPU41の処理は、ステップS631に戻る。
0時と24時との切替操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS633で“NO”)、CPU41は、終了時刻の修正操作、例えば、りゅうずC1の回転操作が検出されたか否かを判別する(ステップS635)。終了時刻の修正操作が検出されたと判別された場合には(ステップS635で“YES”)、CPU41は、りゅうずC1の回転方向に応じて終了時刻を±1時間変更すると共に、駆動回路51に制御信号を出力して、分針62及び時針63を変更された終了時刻に応じた指針位置に移動させる(ステップS636)。それから、CPU41の処理は、ステップS631に戻る。
終了時刻の修正操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS635で“NO”)、CPU41は、夏時間の終了月及び終了時刻の修正操作を終了する操作、例えば、押しボタンスイッチB3の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS636)。修正操作の終了操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS636で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS631に戻る。
夏時間の終了月及び終了時刻の修正操作を終了する操作が検出されたと判別された場合には(ステップS636で“YES”)、CPU41は、夏時間のモード設定が手動モードパターン1(P.1)であるか否かを判別する(ステップS637)。P.1であると判別された場合には(ステップS637で“YES”)、CPU41は、夏時間の終了日の修正状態に移行し、駆動回路51に制御信号を出力して、小分針67及び小時針68が「4時」の位置を指し示すように移動させることで当該夏時間の終了日の修正状態であることを示させると共に、現在設定されている夏時間の終了日に係る設定を秒針61(何週目か)及びモード指針66(曜日)に行わせる。それから、CPU41は、終了週の修正操作、例えば、押しボタンスイッチB1の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS641)。終了週の修正操作が検出されたと判別された場合には(ステップS641で“YES”)、CPU41は、終了週を第1週目から第4週目及び最終週の間で順番に変更させると共に、駆動回路51に制御信号を出力して、秒針61の指し示す位置を変更させる(ステップS642)。それから、CPU41の処理は、ステップS641に戻る。
終了週の修正操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS641で“NO”)、CPU41は、終了曜日の修正操作、例えば、押しボタンスイッチB4の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS643)。終了曜日の修正操作が検出されたと判別された場合には(ステップS643で“YES”)、CPU41は、終了曜日を日曜日から土曜日までの間で順番に変更させると共に、駆動回路51に制御信号を出力してモード指針66に変更された曜日に係る標識を指し示させる(ステップS644)。それから、CPU41の処理は、ステップS641に戻る。
終了曜日の修正操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS643で“NO”)、CPU41は、終了日の修正操作を終了する操作、例えば、押しボタンスイッチB3の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS645)。終了日の修正操作を終了する操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS645で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS641に戻る。終了日の修正操作を終了する操作が検出されたと判別された場合には(ステップS645で“YES”)、CPU41は、夏時間情報手動修正処理を終了して処理を夏時間情報修正処理に戻す。
ステップS638の判別処理で、モード設定が手動モードパターン1(P.1)ではない(P.2である)と判別された場合には(ステップS638で“NO”)、CPU41は、夏時間の終了日の修正状態に移行し、駆動回路51に制御信号を出力して、小分針67及び小時針68が「4時」の位置を指し示すように移動させることで当該夏時間の終了日の修正状態であることを示させると共に、現在設定されている夏時間の終了日に係る設定を日車65に行わせる。それから、CPU41は、終了日の修正操作、例えば、りゅうずC1の回転操作が検出されたか否かを判別する(ステップS651)。
終了日の修正操作が検出されたと判別された場合には(ステップS651で“YES”)、CPU41は、りゅうずC1の回転方向に応じて終了日を±1日変更すると共に、駆動回路51に制御信号を出力して日車65を回転させ、当該変更された終了日を表示させる(ステップS652)。それから、CPU41の処理は、ステップS651に戻る。
終了日の修正操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS651で“NO”)、CPU41は、終了日の修正操作を終了する操作、例えば、押しボタンスイッチB3の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS653)。終了日の修正操作を終了する操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS653で“NO”)、CPU41は、処理をステップS651に戻す。終了日の修正操作を終了する操作が検出されたと判別された場合には(ステップS653で“YES”)、CPU41は、夏時間情報手動修正処理を終了させて、処理を夏時間情報修正処理に戻す。
図9〜図11は、本実施形態のアナログ電子時計1における地方時設定修正処理の実行時における表示例を示す図である。
地方時設定修正処理が開始されると、秒針61に現在のタイムゾーンにおける時桁に対応した都市に係る標識が指し示される(ステップS101)。ここでは、秒針61により都市標識「TYO」即ち東京の時差である+9時間が指し示されている(図9(a))。この状態でりゅうずC1が回転されることで、りゅうずC1の1ステップの回転動作ごとに、タイムゾーンが1時間異なる都市標識の位置に秒針61が移動される(ステップS201、S202)。即ち、ここでは、都市標識「DEL」が示すニューデリーのように時差に分単位(+5時間30分)の値が含まれる都市標識の位置がスキップされる。
押しボタンスイッチB3が押下されてタイムゾーンの時桁の修正操作が終了すると(ステップS203)、秒針61が0分の位置を指し示すことで、現在位置におけるUTC時刻からの時差に含まれる分桁の値が示される(図9(b))。この状態で、りゅうずC1が回転されることで、りゅうずC1の1ステップの回転動作ごとに、15分ずつ分桁が変更されると共に、秒針61が15秒分ずつ移動される(ステップS204、S205)。
押しボタンスイッチB3が押下されてタイムゾーンの分桁の修正操作が終了すると(ステップS206)、時刻指針61〜63が全て12時方向に揃えて配置されると共に、モード指針66が小窓4内で夏時間設定に係る標識の何れかを指し示す。ここでは、モード指針66は、DST(AUTO)を示す標識「AT」を指し示している(図9(c))。
ここで、押しボタンスイッチB4が押下操作されるごとに、モード指針66は、標識「AT」の位置から「STD」、「DST」の各位置及び、「DST」の位置よりも時計回りに所定角度進んだ位置に順番に移動する(ステップS301、S302)。上述のように、サマータイムの手動設定には、曜日での設定に係るパターン1と、日付での設定に係るパターン2とがあり、ここでは、「DST」の位置がパターン1を示し、「DST」の位置よりも正転方向に進んだ位置がパターン2を示す。
パターン1の状態では、図9(d)に示すように、分針62及び時針63により夏時間の実施期間中におけるシフト時間が表示され、秒針61により切り替えの基準時が表示される(ステップS303)。ここでは、時針63が1時方向を示し、分針62が12時(0分)方向を示すことで、シフト時間が1時間であることが示されている。また、秒針61が都市標識「TYO」を指し示すことで、東京の地方時を基準としてサマータイムの開始及び終了のタイミングが規定される設定であることが示されている。この状態で、押しボタンスイッチB1が押下されることで(ステップS311)、切り替えの基準時が「UTC」との間で交互に切り替えられて当該切り替えがなされた側に秒針61が移動され(ステップS312)、また、りゅうずC1が1ステップずつ回転操作されるごとに(ステップS313)、シフト時間が切り替えられて分針62及び時針63が移動される(ステップS314)。パターン2の場合も、モード指針66の位置を除き同一の表示及び動作がなされる。
押しボタンスイッチB3が押下されると、モード切替終了操作が終了する(ステップS304、S315)。モード1又はモード2の状態でモード切替終了操作が終了すると、サマータイムの開始月及び開始時刻の設定状態に移行する。この設定状態は、小時針68により小窓6内で1時方向が指し示されることで表される。この設定状態では、秒針61により3時位置が指し示されることで、開始月が3月であることが示され、分針62及び時針63により2時0分の位置が指し示されることで、開始時刻が2時0分であることが示され、また、モード指針66により上向き(北緯90度方向)が指し示されることで(図10(a))、開始時刻が「0時」であることが示されている。この状態で、押しボタンスイッチB1が押下されることで、開始月が順次変更されて秒針61が移動される。また、押しボタンスイッチB4が押下されることで、開始時刻が0時と24時との間で切り替えられてモード指針66の指し示す向きが北緯90度と南緯90度との間で当該切り替えられた側の位置に移動され、りゅうずC1が回転操作されることで、1ステップの回転操作ごとに開始時刻が所定時間(例えば、1時間)ずつ変更されて時針63の指し示す向きが移動される(ステップS601〜S606)。
開始月及び開始時刻の設定状態において、押しボタンスイッチB1が押下されて当該設定を終了すると(ステップS607)、開始日の設定状態に移行して、小時針68が2時方向を指し示す。パターン1では、サマータイムの開始日を曜日で設定する状態に移行し、パターン2では、サマータイムの開始日を日付で設定する状態に移行する(ステップS608)。パターン1の場合には、図10(b)に示されているように、秒針61が1〜5時方向の何れかを示すことにより、開始日が第1週目〜第4週目又は最終週であることを示す。また、モード指針66がエリア5内で標識「SU」〜「SA」の何れかを指し示すことで開始曜日を示す。ここでは、秒針61が2時位置を指し示し、モード指針66が標識「SU」を指し示すことで、第2日曜日が開始日であることが示されている。この状態で押しボタンスイッチB1が押下されることで、開始日の週が順番に変更されると共に秒針61が移動され、押しボタンスイッチB4が押下されることで開始曜日が順番に変更されると共にモード指針66が移動される(ステップS611〜S614)。
一方、パターン2の場合には、図10(c)に示されているように、時針63、分針62が12時方向を示し、また、モード指針66が北緯90度方向を指し示し(モード指針66には、曜日の指定範囲から外れる向きを指し示させても良い)、日車65が標識「22」を開口部7から露出させるように回転移動されることで、開始日が22日であることが示される。この状態でりゅうずC1の回転操作がなされることで、回転ステップ数に応じた日付分日車65が回転動作されて開始の日付が変更される(ステップS621、S622)。
開始日の設定状態において、押しボタンスイッチB3が押下されることにより開始日の修正が終了されると(ステップS615、S623で“YES”)、サマータイムの終了日の設定状態に移行する。先ず、サマータイムの終了月及び終了時刻の設定状態となり、図11(a)に示されるように、この設定状態は、小時針68により小窓6内で3時方向が指し示されることで表される。この設定状態では、秒針61により11時位置が指し示されることで、終了月が11月であることが示され、分針62及び時針63により2時0分の位置が指し示されることで、終了時刻が2時0分であることが示され、また、モード指針66により上向き(北緯90度方向)が指し示されることで、終了時刻が「0時」であることが示されている。この状態で、押しボタンスイッチB1が押下されることで、終了月が順次変更されて秒針61が移動される。また、押しボタンスイッチB4が押下されることで、終了時刻が0時と24時との間で切り替えられてモード指針66の指し示す向きが北緯90度と南緯90度との間で移動され、りゅうずC1が回転操作されることで、1ステップの回転操作ごとに終了時刻が所定時間(例えば、1時間)ずつ変更されて時針63の指し示す向きが移動される(ステップS631〜S636)。
終了月及び終了時刻の設定状態において、押しボタンスイッチB1が押下されて当該設定が終了すると(ステップS637)、終了日の設定状態に移行して、小時針68が4時方向を指し示す。パターン1では、サマータイムの終了日を曜日で設定する状態に移行し、パターン2では、サマータイムの終了日を日付で設定する状態に移行する(ステップS638)。パターン1の場合には、図11(b)に示されているように、時針63及び分針62が12時方向に揃えられ、秒針61により1〜5時方向の何れかを示すことにより、終了日がそれぞれ第1週目〜第4週目又は最終週であることを示す。また、モード指針66がエリア5内で標識「SU」〜「SA」の何れかを指し示すことで終了曜日を示す。ここでは、秒針61が1時位置を指し示し、モード指針66が標識「SU」を指し示すことで、第1日曜日が終了日であることが示されている。この状態で押しボタンスイッチB1が押下されることで、終了日の週が順番に変更されると共に秒針61が移動され、押しボタンスイッチB4が押下されることで終了曜日が順番に変更されると共にモード指針66が移動される(ステップS641〜S644)。
一方、パターン2の場合には、図11(c)に示されているように、時針63、分針62及びモード指針66が北緯90度方向を指し示し、日車65が標識「22」を開口部7から露出させるように回転移動されることで、終了日が22日であることが示される。この状態でりゅうずC1の回転操作がなされることで、回転ステップ数に応じた日付分日車65が回転動作されて終了の日付が変更される(ステップS651、S652)。
終了日の設定状態において、押しボタンスイッチB3が押下されることにより終了日の修正が終了されると(ステップS645、S653で“YES”)、タイムゾーン及びサマータイムの修正確認画面に移行し、りゅうずC1が2段階引き出された状態から1段階以上押し戻される動作がなされて修正が完了すると、当該修正された設定を反映して都市ユーザ修正データ43a又は地図ユーザ修正データ43bに記憶される。
以上のように、本実施形態のアナログ電子時計1は、予め設定された複数の地理的位置に各々対応する地方時情報を、当該地理的位置と対応付けて記憶する都市時差情報42b、都市夏時間情報42c、時差マップ48b、時差情報48c及び夏時間情報48dと、CPU41とを備える。CPU41は、現在位置を含む地域の地方時情報に係るユーザ修正データを取得する更新情報取得手段と、当該現在位置に対応するユーザ修正データが取得されている場合には当該ユーザ修正データを参照して地方時の設定を行い、ユーザ修正データが取得されていない場合には地方時情報を参照して地方時の設定を行う地方時設定手段と、として機能する。
即ち、アナログ電子時計1では、ユーザが地方時を取得したい地域における地方時設定が更新された場合に、ユーザ操作により当該更新された地方時設定情報がユーザ修正データとして取得され、当該ユーザ修正データが継続的に利用される。従って、タイムゾーン設定や夏時間の実施設定の変更に容易且つ継続的に対応して正確な地方時を取得することが出来る。
また、地方時設定情報には、タイムゾーンに係る情報と、夏時間実施情報とが含まれ、ユーザ修正データの有効な地理的範囲は、現在位置に対応する夏時間実施情報が有効な範囲に基づいて設定されるので、容易に有効範囲を定めることが出来、簡単な処理で正確な地方時設定情報を反映した地方時を取得することが出来る。
また、現在位置に係る情報を取得する衛星電波受信処理部48を備え、地方時設定手段としてのCPU41は、取得された現在位置を地方時設定情報の適用対象位置として定めるので、現在位置が取得された場合に速やかに当該現在位置に応じた地方時設定情報が取得される。
また、衛星電波受信処理部48は、測位衛星からの電波を受信する受信手段及び受信された電波に基づいて現在位置を算出する位置算出手段として動作する構成を備えるので、必要数の測位衛星からの電波が受信可能な世界の各地において容易且つ正確に現在位置を取得し、当該現在位置に応じた地方時設定情報を選択して地方時を取得することが出来る。
また、更新情報取得手段としてのCPU41は、取得された現在位置に対応する夏時間実施情報の有効範囲をユーザ修正データに対応付ける。従って、ユーザは、予め現在位置が取得されている状況で単純に当該現在位置におけるユーザ修正データの設定操作を行うことで、適切に現在位置を含む地域における地方時設定情報をRAM43に記憶させて継続利用することが出来る。
また、直近に取得されたユーザ修正データを記憶する更新情報記憶手段としてのRAM43(都市ユーザ修正データ43a及び地図ユーザ修正データ43b)を備え、地方時設定手段としてのCPU41は、取得された現在位置がユーザ修正データに対応付けられた地域内にない場合には、そのユーザ修正データを参照せずにROM42の都市時差情報42b及び都市夏時間情報42c、又は時差マップ48b、時差情報48c及び夏時間情報48dを参照して地方時を取得し、更新情報取得手段としてのCPU41は、参照されなかったユーザ修正データを消去する。従って、特に、通常の夏時間実施情報の有効範囲とユーザ修正データが対応する地方時設定情報の有効範囲とが異なる場合に、恒常的にユーザ修正データが維持されるのを防ぐことが出来る。また、このように記憶データを最小限とすることで、RAM43の容量を抑えることが出来ると共に、地方時設定処理の際に不要なユーザ修正データを参照する動作を低減することが出来る。
また、ユーザ操作を受け付ける操作部47を備え、現在位置取得手段としてのCPU41は、予め設定された世界の都市のうち、操作部47により受け付けられた入力操作に応じて選択された一つを現在位置として取得する。従って、ユーザが細かい位置情報を入力せずとも適切な現在位置を定めることが可能であり、且つ、当該現在位置に応じた最新の地方時設定情報を容易且つ適切に利用して正確な地方時を取得することが出来る。
また、選択対象の地理位置を都市名により表すことで、ユーザがより容易且つ直感的に現在位置を選択することが出来る。
また、ユーザ操作を受け付ける操作部47を備え、更新情報取得手段としてのCPU41は、操作部47により受け付けられたユーザ操作の内容に応じてユーザ修正データを取得する。従って、外部との通信における制限が大きく、地方時設定情報の全体を最新のものに更新したり、リアルタイム且つ自動的に必要な地方時設定情報を取得したりすることが困難な電子時計において、必要な地域における最新の地方時設定情報を容易に取得すると共に、当該変更された設定を継続的に利用可能とすることで、ユーザによる地方時設定に係る操作の手間を低減させまがら正確な地方時を取得することが出来る。
また、ユーザ修正データには、当該ユーザ修正データの有効期間に係る情報を含ませることが出来る。従って、時限立法による一時的な設定や、ユーザの都合による一時的な表示などを設定した後に解除する手間を省くことが出来、当該有効期間の範囲内外に跨って正確な地方時を取得することが出来る。
また、アナログ電子時計1は、日時を計数する計時回路46と、日時の表示を行うための指針61〜68及びステッピングモータ81〜85を備える。地方時算出手段としてのCPU41は、地方時設定手段として行った地方時の設定に応じて計時回路46の計数する日時を地方時に換算し、当該換算された地方時を指針61〜68により表示させる。
即ち、アナログ電子時計1では、更新された地方時設定情報に応じて容易且つ継続的に正確な地方時を算出し、表示させることが出来るので、ユーザは、アナログ電子時計1が保持する地方時設定情報の初期データが変更された後であっても世界各地で継続的に正確な地方時を知得することが出来る。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、アナログ電子時計において設定及び地方時の表示を行う場合について説明したが、デジタル表示画面を備えたデジタル電子時計やデジタル表示画面と指針表示とが併用された電子時計であっても良い。この場合には、デジタル表示画面のサイズや表示可能文字数などに応じて設定状態やモードなどを表示させたり、設定の修正の方法を表示させたりしても良い。
また、上記実施の形態では、一度設定されたユーザ修正データは、同一の地域や都市に対して異なる設定がなされるまで、又は他の地域や都市に対する地方時情報が参照されるまで有効とする場合、及び、有効期間が経過するまで有効とする場合について説明したが、ユーザ修正データに設定データの有効又は無効を定めるフラグを含んでも良い。また、一度設定されたユーザ修正データ自体が読み出されて修正可能とされても良い。
また、上記実施の形態では、同一の夏時間に係るパラメータの設定エリア内で取得された現在位置に対して、修正された同一の地方時設定情報(ユーザ修正データ)を用いることとしたが、単一又は近傍の所定数の地理ブロック内の現在位置でのみ修正がなされた同一の地方時設定情報を用いることとしても良い。
また、上記実施の形態では、タイムゾーンの修正と夏時間実施情報の修正を続けて行わせたが、何れか一方のみを修正可能であっても良い。この場合、同一の地域内に関して別個に修正されたタイムゾーンと夏時間実施情報は、まとめて一つの設定として地図ユーザ修正データ43bに記憶させることが出来る。
また、上記実施の形態では、取得されている現在位置に対する地方時設定情報を修正することとしたが、修正する位置情報と地方時設定情報とを併せて入力することで、現在位置とは異なる位置における地方時設定情報を修正可能としても良い。例えば、地方時設定修正処理においてステップS101の判別処理で現在位置が保持されていないと判別された場合には、修正の対象位置の情報を取得する処理に移行し、対象位置が取得された後にステップS102以降の処理に進んでも良い。
また、上記実施の形態では、都市設定に基づく地方時の設定と、測位衛星の電波受信に基づく地方時の設定とを両方可能としたが、何れか一方でも良い。また、手動で設定する場合でも、都市設定でなく、緯度や経度を入力操作により設定可能であっても良く、また、都市設定がなされた場合でも当該設定を緯度経度に変換するテーブルを保持し、当該緯度経度が属する地理ブロックの地方時設定情報を測位衛星の電波受信に基づく場合と同様に行っても良い。即ち、この場合には、都市選択に対する地方時設定情報の修正データと測位結果に対する地方時設定情報の修正データとは、共用されるので、両者による現在位置取得が混在する場合でも他方の設定が無効とならない。このような形態は、RAM43や衛星電波受信処理部48内の記憶部の容量や、CPU41や制御部48aの処理能力などに応じて適宜定められれば良い。
また、上記実施の形態では、都市設定に係る都市時差情報42b及び都市夏時間情報42cや、ユーザによる修正データである都市ユーザ修正データ43a及び地図ユーザ修正データ43bをアナログ電子時計1の本体側のROM42やRAM43に記憶させて利用し、測位衛星からの電波受信に基づく地方時設定情報に係る時差マップ48b、時差情報48c及び夏時間情報48dを衛星電波受信処理部48のモジュール内に配置された記憶部に記憶させる構成としたが、一括して何れかに記憶させても良い。また、地方時設定処理は、衛星電波受信処理部48の制御部48aとCPU41に分散されて行われる必要はなく、CPU41又は衛星電波受信処理部48の制御部48aにより単独で行われても良い。
また、上記実施の形態では、操作部47により受け付けられたユーザ操作に応じて都市ユーザ修正データ43a及び地図ユーザ修正データ43bが更新されたが、このような少ない地域での更新情報は、Bluetooth通信(登録商標:Bluetooth)などの近距離無線通信を介して外部機器、例えば、スマートフォンなどから取得されても良い。この場合には、スマートフォンなどの外部機器においてより容易に詳細な更新設定を行ってアナログ電子時計1に送信することが出来る。
また、上記実施の形態では、GPS衛星からの電波を受信して測位を行ったが、他の測位システムに係る衛星、例えば、GLONASSやGALILEOなどに係る測位衛星からの電波を用いて又は併用して位置情報を取得しても良い。
その他、電子時計の構成、処理の内容や手順など上記実施の形態の具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
[付記]
<請求項1>
予め設定された複数の地理的位置に各々対応する地方時情報を、当該地理的位置と対応付けて記憶する地方時情報記憶手段と、
前記複数の地理的位置から選択された地理的位置に対応する地方時情報の更新情報を、当該選択された地理的位置を含む所定の地域内での前記更新情報として取得する更新情報取得手段と、
地方時の設定を行う対象位置に対応する更新情報が取得されている場合には、当該更新情報を参照して地方時の設定を行い、前記更新情報が取得されていない場合には、前記地方時情報を参照して地方時の設定を行う地方時設定手段と、
を備えることを特徴とする電子時計。
<請求項2>
前記地方時情報には、タイムゾーン設定情報と、夏時間実施情報とが含まれ、
前記所定の地域は、前記選択された地理的位置に対応する前記夏時間実施情報が有効な範囲に基づいて設定される
ことを特徴とする請求項1記載の電子時計。
<請求項3>
現在位置に係る情報を取得する現在位置取得手段を備え、
前記地方時設定手段は、取得された前記現在位置を前記対象位置として当該対象位置の地方時設定を行う
ことを特徴とする請求項1又は2記載の電子時計。
<請求項4>
前記現在位置取得手段は、
衛星からの電波を受信する受信手段と、
受信された電波に基づいて現在位置を算出する位置算出手段と、
を備えることを特徴とする請求項3記載の電子時計。
<請求項5>
前記更新情報取得手段は、取得された現在位置を前記選択された地理的位置として、当該現在位置を含む前記所定の地域を前記更新情報に対応付けることを特徴とする請求項3又は4記載の電子時計。
<請求項6>
直近に取得された前記更新情報を記憶する更新情報記憶手段を備え、
前記地方時設定手段は、取得された現在位置が前記更新情報に対応付けられた前記所定の地域内にない場合には、当該更新情報を参照せずに前記地方時情報を参照し、
前記更新情報取得手段は、前記地方時設定手段により参照されなかった前記更新情報を消去する
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子時計。
<請求項7>
ユーザ操作を受け付ける操作手段を備え、
前記地方時設定手段は、前記予め設定された複数の地理的位置のうち、前記操作手段により受け付けられた入力操作に応じて選択された一つを前記対象位置とする
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の電子時計。
<請求項8>
前記予め設定された複数の地理的位置は、都市名により表され、前記入力操作に応じて選択されることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の電子時計。
<請求項9>
ユーザ操作を受け付ける操作手段を備え、
前記更新情報取得手段は、前記操作手段により受け付けられたユーザ操作の内容に応じて前記更新情報を取得する
ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の電子時計。
<請求項10>
前記更新情報には、当該更新情報の有効期間に係る情報が含まれることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の電子時計。
<請求項11>
日時を計数する計時手段と、
前記地方時設定手段により行われた地方時の設定に応じて前記日時を地方時に換算する地方時算出手段と、
前記算出された地方時を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の電子時計。