JP2008039567A - 計時装置、計時装置の時刻修正方法 - Google Patents

計時装置、計時装置の時刻修正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所在地域が大きく移動したときでも、迅速にGPS衛星等の位置情報衛星を捕捉し、時刻修正ができる計時装置及び計時装置の時刻修正方法を提供すること。
【解決手段】地球を周回する位置情報衛星15aを捕捉し、この捕捉した位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部20と、受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成部32と、時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示情報修正部34と、を有し、受信部が所在する地域において捕捉可能な位置情報衛星に関する捕捉可能情報が格納される捕捉可能情報格納部41と、受信部の所在する地域情報を入力するための地域情報入力部17と、を有し、受信部は、地域情報入力部で入力された地域情報と捕捉可能情報と基づいて位置情報衛星を捕捉する計時装置10。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばGPS衛星等からの信号に基づいて時刻修正を行う計時装置及び計時装置の時刻修正方法に関するものである。
自己位置を測位するためのシステムであるGPS(Global Positioning System)では、地球を周回する軌道を有するGPS衛星が用いられており、このGPS衛星には、原子時計が備えられ、極めて正確な時間を計測している。
このため、従来より、GPS衛星の原子時計のデータを用いて高精度な時計の時刻修正を行う提案がなされている(例えば、特許文献1)。
ところで、GPS衛星から原子時計のデータを取得するためには、GPS衛星を捕捉し、GPS衛星の信号と同期等させる必要がある。
また、GPS衛星は常に移動しており、その捕捉のためには、GPS衛星の軌道データからGPS衛星の位置を予測して捕捉する必要がある。
さらに、正確な時刻データを取得するには、最低4つのGPS衛星を捕捉する必要がある。
このように移動する4つのGPS衛星を捕捉するには通常時間がかかるため消費電力が大となる。これでは、超低電力が求められる時計等にとっては負担が大きく、かかる機構を時計等に搭載するのは困難となる。
そこで、従来は、GPS衛星を捕捉して時刻データを取得する間隔を1日1回又は2回程度にすることで、消費電力が大となることを抑制していた。
特許第3512068号公報(段落「0001」等)
このようなGPS衛星は、地球上を周回しているため、同じGPS衛星でも、地上から捕捉できる時間が異なることになる。そこで、かかる時刻修正機構を有する時計等は、全部のGPS衛星の概略軌道情報(例えばアルマナック情報)から、自己が所在する地域で捕捉できるGPS衛星を予測して、捕捉し、時刻情報を取得している。
しかし、このような機構を有する時計等の所持者が、時差変更を伴う海外へ移動した場合等は、飛来が予想されるGPS衛星が変わることになるが、時計等は、どの地域に移動したかが分からず、極端には地球上の全て地域を可能性に入れて、GPS衛星をサーチし、捕捉する必要があり、これでは消費電力が大きくなるという問題があった。
そこで、本発明は、所在地域が大きく移動したときでも、迅速にGPS衛星等の位置情報衛星を捕捉し、時刻修正ができる計時装置及び計時装置の時刻修正方法を提供することを目的とする。
前記課題は、本発明によれば、地球を周回する位置情報衛星を捕捉し、この捕捉した前記位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部と、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成部と、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示情報修正部と、を有する計時装置であって、前記受信部が所在する地域において捕捉可能な前記位置情報衛星に関する捕捉可能情報が格納される捕捉可能情報格納部と、前記受信部の所在する地域情報を入力するための地域情報入力部と、を有し、前記受信部は、前記地域情報入力部で入力された前記地域情報と前記捕捉可能情報と基づいて前記位置情報衛星を捕捉する構成となっている計時装置により達成される。
前記構成によれば、受信部が所在する地域において捕捉可能な前記位置情報衛星に関する捕捉可能情報が格納される捕捉可能情報格納部と、受信部の所在する地域情報を入力するための地域情報入力部と、を有し、受信部は、地域情報入力部で入力された地域情報と捕捉可能情報と基づいて位置情報衛星を捕捉する構成となっている。
このため、計時装置の所持者が、例えば、日本から飛行機等で時差が異なる外国に移動した場合、所持者が地域入力部でその国の地域情報を入力すれば、本計時装置は、当該地域情報に対応したGPS衛星等の位置情報衛星の捕捉情報を得ることができる。
したがって、迅速にGPS衛星等の位置情報衛星を捕捉することができ、従来のように位置情報衛星を捕捉するために長時間を要し、消費電力が大となる事態を未然に回避することができる。このように、計時装置の所在地域が大きく移動したときでも、消費電力が大きくなることなく、精度の高い時刻修正情報を取得することができる。
好ましくは、前記地域情報入力部が、計時装置の時刻表示部に形成され、前記所在地域名を選択可能な構成となっていることを特徴とする計時装置である。
前記構成によれば、地域情報入力部が、計時装置の時刻表示部に形成され、所在地域名を選択可能な構成となっているので、計時装置の所持者が、移動先等の所在地名を選択するだけで、計時装置は、位置情報衛星を容易に捕捉でき、時刻修正情報を得ることできる。
好ましくは、前記位置情報衛衛星に関する捕捉可能情報は、地域における時差情報と関係づけて格納され、前記地域情報入力部が、計時装置の時刻表示部の針部の操作に連動した構成となっていることを特徴とする計時装置である。
前記構成によれば、位置情報衛衛星に関する捕捉可能情報は、地域における時差情報と関係づけて格納され、地域情報入力部が、計時装置の時刻表示部の針部の操作に連動した構成となっている。このため、計時装置の所持者が、時刻表示部の時間を示す針部を、移動先の地域の時差に変更するだけで、計時装置は、移動先の地域において容易に位置情報衛星を捕捉し、時刻修正情報を得ることができる。
好ましくは、高度情報を取得とする高度情報取得部と、高度情報に基づく移動蓋然性情報を格納する移動蓋然性情報格納部と、前記高度情報取得部により取得された高度情報と、前記蓋然性情報に基づいて、移動蓋然性が高いか否かを判断する移動判断部と、を有し、前記移動判断部が移動蓋然性が高いと判断したときに、前記捕捉可能情報と前記地域情報入力部で入力された前記地域情報に基づく、前記位置情報衛星の捕捉を行う構成となっていることを特徴とする計時装置である。
前記構成によれば、計時装置は、移動判断部が移動蓋然性が高いと判断したときに、捕捉可能情報と前記地域情報入力部で入力された地域情報に基づく、位置情報衛星の捕捉を行う構成となっている。
このため、計時装置の所持者が誤って地域情報入力部を操作しても、実際に移動していない場合は、移動先等として入力された地域についての位置情報衛星の捕捉情報に基づいて、計時装置が位置情報衛星の捕捉動作を行うことがなく、誤動作を未然に防ぐことができる。
前記課題は、本発明によれば、地球を周回する位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部が、前記位置情報衛星を捕捉する衛星捕捉工程と、時刻修正情報生成部が、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成工程と、表示情報修正部が、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示情報修正工程と、を有する計時装置の時刻修正方法であって、前記衛星捕捉工程において、前記受信部は、前記受信部の所在する地域情報を入力するための地域情報入力部で入力された前記地域情報と、前記受信部が所在する地域において捕捉可能な前記位置情報衛星に関する捕捉可能情報と、に基づいて前記位置情報衛星を捕捉することを特徴とする計時装置にとなっている計時装置の時刻修正方法により達成される。
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の計時装置である例えば電子時計10の第1の実施の形態を示す概略図であり、図1に示すように、電子時計10の表面側には、時刻を表示する文字板11、長針12a及び針部である例えば、短針12bを有する時刻表示部13が形成されている。また、電子時計10の所持者が操作するためのりゅうず16が形成されている。
また、電子時計10の側面には、アンテナ14が形成され、図1に示すように、GPS衛星15a乃至15dからの衛星信号を受信する構成となっている。
なお、GPS衛星15a等は、地球を周回する位置情報衛星の一例である。
つまり、本実施の形態にかかる電子時計10は、後述するように、GPS衛星15a等からの衛星信号を受信することで、自己位置を測位すると共に、GPS衛星15a等の有する原子時計のデータを利用して、後述のように、正確な時刻情報を取得できる構成となっている。
ここで、GPS衛星15a等を利用した時刻修正方法について説明する。GPS衛星15a等は、地球の上空を所定の周回軌道に沿って移動している。このようなGPS衛星15a等は信号を発信しており、GPS受信機を有すれば、その信号を受信することができる。この信号は光速である。その際、GPS信号がGPS衛星15a等から発信され受信機に到達するまでの時間である伝搬遅延時間が分かれば、GPS衛星15a等から受信機までの距離、すなわち擬似距離が分かることになる。
このようなGPS衛星15a等を3個、捕捉して、それらからの擬似距離がわかった場合は、3連立方程式により計算すれば、受信機の位置が3次元(X、Y、Z)で明らかになり、その位置を測位することができることになる。
ところで、GPS受信機の有する時計は不正確であるため、GPS衛星15a等を4個、捕捉してGPS受信機の位置(X、Y、Z)に時刻(T)を加え、未知数を4個とし、4連立方程式により計算すれば、時刻(T)が判明することになる。この時刻(T)は、GPS衛星15a等が搭載している原子時計等のデータに基づくものであり、高精度な時刻(T)データである。
本実施の形態は、このような高精度な時刻データを取得し、図1の電子時計10の時刻を修正しようとするものである。
また、図1に示すように、電子時計10は、その時刻表示部13である文字板11に時差設定用表示部17を有している。図2(a)は、図1の時差設定用表示部17の拡大図であり、図2(b)は、図2(a)の時差設定用表示部17の動作状態を示す概略図である。
図2(a)に示すように、時差設定用針17aは、例えば、JPN(日本)、CHN(中国)及びGER(ドイツ)を指すことができるようになっている。
本実施の形態では、上述のように、GPS衛星15a等からの衛星信号を受信して、正確な時刻データを得ようとするものであるが、この場合、上述のように、GPS衛星15a等を捕捉することが絶対に必要となる。このGPS衛星15a等は、上述のように地球の上空の周回軌道上で移動しているため、その捕捉は困難である。特に、電子時計10がどこに所在しているかの情報が存在しないと、全てのGPS衛星15a等をサーチすることになり、捕捉に長時間がかかると共に、電子時計10の消費電力が大となるという問題がある。そこで、本実施の形態では、時差設定用針17aを動作させることで、その電子時計10が所在する地域を電子時計10に知らせる機能を有する。
詳細については、後述する。
図3は、電子時計10の主なハードウエア構成を示す概略図である。図3に示すように、電子時計10は、バス21を備え、バス21には、CPU(Central Processing Unit)22、RAM(Random Access Memory)23、ROM(Read Only Memory)24等が接続されている。
また、バス21には、GPS装置20も接続されている。このGPS装置20が、上述のGPS受信機に相当する。
GPS装置20は、具体的にはアンテナ14(図1参照)、図示しないフィルタ(SAW)、RF、ベースバンド等を有し、図1のGPS衛星15a等から受信した信号は、アンテナからフィルタやRFを介してベースバンドで信号として取り出される構成となっている。
このように、GPS装置20は、地球を周回する位置情報衛星(GPS衛星15a等)を捕捉し、この捕捉した位置情報衛星(GPS衛星15a等)からの衛星信号を受信する受信部の一例となっている。
また、バス21には、計時装置25が接続されている。計時装置25は、電子時計10の時計機構となっている。この計時装置25は、内部時計25aを管理すると共に、図1の時刻表示部13を管理する構成となっている。
すなわち、計時装置25は、内部時計25aの時刻データに基づき時刻表示部13の表示(長針12aや短針12b)の動作を制御する構成となっている。
また、バス21には、圧力測定装置26が接続されている。圧力測定装置26は、半導体圧力センサ等を有している。
図4は、図1等の電子時計10の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。図4に示すように、電子時計10は制御部50介して各種プログラム格納部30及び各種データ記憶部40が接続されている。この各種プログラム格納部30と各種データ記憶部40は、実際に、このようにデータが格納されていることを示すものではなく、説明の都合上、分けて記載したものである。
図5は、電子時計10の初期モードを示す概略フローチャートであり、図6は、電子時計10の時差修正モードを示す概略フローチャートである。
以下、図5及び図6のフローチャートに沿って電子時計10の動作を説明しつつ、図4の構成等についても言及する。
先ず、図5の初期モードについて説明する。初期モードにおいては、電子時計10の所持者が時差を跨ぐ(例えば、日本からドイツへ)ような移動をしないモードである。
そのST1で、電子時計10が初期状態であると判断されると、ST2へ進む。
ST2では、図3のGPS装置20が図1のGPS衛星15a等から衛星信号を受信するためにGPS衛星15a等を捕捉しようとする。
GPS衛星15a等は、上述のように、地球の上空の周回軌道上を移動しているため捕捉が困難である。
そこで、本実施の形態では、国別(地域別)捕捉可能GPS衛星データ41aを有し、国別(地域別)捕捉可能GPS衛星データ格納部41に格納されている。
具体的には、図7及び図8に示すようなデータである。図7及び図8は、国別(地域別)捕捉可能GPS衛星データ41aの内容を示す概略説明図である。すなわち、図7に示すように、電子時計10が所在する国や地域、例えば、イギリス、ドイツ、ロシア、中国、ロスアンゼルス、ニューヨーク等と、それぞれの時差データ(UTC(世界協定時)又は時刻(日本)からの時差)が格納されている。
また、それぞれの国や地域に電子時計10が所在した場合に捕捉できるGPS衛星15a等の識別番号(G01等)のデータが格納されている。
この国又は地域によって捕捉できるGPS衛星15a等の識別番号は、時間によって異なるため、実際は図8に示すようなデータとなっている。
すなわち、図8(a)は、日本において捕捉できるGPS衛星15a等の識別番号と、その捕捉できる時間である。
また、図8(b)は、ドイツにおいて捕捉できるGPS衛星15a等の識別番号と、その捕捉できる時間である。
図8に示すように、例えば、識別番号G20のGPS衛星15a等は、日本では2時かから7時の間に捕捉可能であるが、ドイツでは、7時から13時の間となる。
つまり、国又は地域によって、そして、時刻によって、捕捉可能なGPS衛星15a等が変化するため、その変化情報を図4の国別(地域別)捕捉可能GPS衛星データ41aが格納している。
また、ST2では、設定国データ格納部42に格納される設定国データ42aも用いられる。この設定国データ42aは、電子時計10が、所在する国(地域)のデータであり、例えば、日本等のデータである。
つまり、ST2ではGPS衛星捕捉プログラム31が、設定国データ42a、例えば、日本のデータに基づき、その国(日本)における捕捉可能なGPS衛星15a等に関する国別(地域別)捕捉可能GPS衛星データ41aを参照し、捕捉可能なGPS衛星15a等のアルマナックデータを取得することとなる。
すなわち、図8(a)のデータを参照し、その時間が7時であれば、識別番号G02とG20等のGPS衛星15a等が捕捉可能と判断し、それらのアルマナックデータ(概略軌道情報)を取得する。
そして、図3のGPS装置20が動作して、このアルマナックデータに基づき、G02及びG20等のGPS衛星15a等を捕捉する(図4参照)。
このように、本実施の形態では、予め電子時計10の所在地は設定国データ42aで把握でき、かつ、その所在地で捕捉可能なGPS衛星15a等についてのデータも存在するため、短時間でGPS衛星15a等を捕捉でき、消費電力が大とならない構成となっている。
このように、国別(地域別)捕捉可能GPS衛星データ41aは、受信部(GPS装置10)が所在する地域において捕捉可能な位置情報衛星(GPS衛星15a等)に関する捕捉可能情報の一例である。ST2は、衛星捕捉工程の一例である。
次にST3に進む、ST3では、図4のGPS測位/時間取得プログラム32が、GPS装置20を介して、ST2で捕捉したGPS衛星15a等(G01及びG20等)から信号を受信して、測位すると共に、図4の時刻修正データ43aを作成する。
すなわち、上述のように、4つのGPS衛星15a等からの信号を受信して、4連立方程式で計算し、電子時計10の位置を測位すると共に、正確な時刻修正データ43aを生成し、図4の時刻修正データ格納部43に格納する。
これで、GPS衛星15a等の原子時計に沿った高精度な時刻データを入手することができる。
このように、時刻修正データ43aは、時刻修正情報の一例であり、GPS測位/時間取得プログラム32は、受信部(GPS衛星15a等)が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報(時刻修正データ43a)を生成する時刻修正情報生成部の一例である。また、ST3は、時刻修正情報生成工程の一例である。
次に、ST4及びST5で示すように、時刻修正プログラム33が時刻修正データ43aに基づき、図3の内部時計25aを修正する。そして、時刻表示プログラム34が図1等の時刻表示部13の長針12aや短針12b等を修正する。
これにより、図1の時刻表示部13の表示は、極めて精度の高い時刻データとなる。
このように、時刻修正プログラム33及び時刻表示修正プログラム34は、時刻修正情報(時刻修正データ43a)に基づき表示時刻情報(時刻表示部13)を修正する表示情報修正部の一例である。また、ST4及びST5は、表示情報修正工程の一例である。
次に、ST6で、強制受信操作が行われたか否かを判断させる。つまり、図1の電子時計10の所持者は、時計表示部13の表示時刻を修正する必要を感じたときは、図1のりゅうず16を操作等することで、電子時計10に強制的にST2乃至ST5の動作を行わしめることができる。
具体的には、図4の強制受信実行プログラム35が動作して、電子時計10にST2乃至ST5の動作を行わせることとなる。
次に、ST7で、時刻修正時刻か否かの判断を行う。すなわち、これは、初期化や強制受信でもない状態で、通常の時刻修正を電子時計10が行う動作である。
例えば、日本に所在する電子時計10は、20時に時刻修正すると規定される。すると、ST7で、現在時刻が20時か否かを判断し、20時の場合は、ST2乃至ST5の動作を行い、電子時計10の時刻表示部13を修正する。
以上で初期モードが終了する。
次に、時差修正モードについて説明する。時差修正モードは、電子時計10の所持者が例えば、日本から時差を有する外国(例えば、ドイツ)へ移動した場合のモードである。
この場合は、電子時計10が地球上を大きく移動するため、移動後のドイツでは、日本とはGPS衛星15a等の捕捉可能状態が大きく相違する(上述の図8参照)。
したがって、電子時計10がドイツに移動したにもかかわらず、依然として、図4の設定国データ42aを日本として、図8の国別(地域別)捕捉可能GPS衛星データ41aを参照し、GPS衛星15a等を捕捉しようとすると、GPS衛星15a等がなかなか捕捉できず、捕捉に長時間を要し、消費電力が大となってしまう。
そこで、電子時計10が、迅速にGPS衛星15a等を捕捉できるように本モードが実行される。
先ず、図6のST11が行われ、時差修正要求があったか否かが判断される。具体的には、図2に用いて説明する。例えば、電子時計10の所持者が日本からドイツへ移動したときは、電子時計10の所持者は、図1のりゅうず16を2段引く、すると、時差設定用表示部17が変更可能な状態となる。
この状態で、図2(a)のJPN(日本)に位置する時差設定用針17aを矢印R1方向へ移動させ、GER(ドイツ)に合わせる。
そして、図2(b)に示すように、りゅうず16を元に戻すと、時刻表示部13の時刻が、矢印R3に示すように、ドイツ時刻に変更される。すなわち、短針12bは日本時間の8時の位置からドイツ時間の0時に位置に移動する。
電子時計10は、時差修正要求があったものと判断し、ST12へ進む。
このときのドイツ時間は、図7の国別(地域別)捕捉可能GPS衛星データ41aに基づいて行われる。
なお、本実施の形態では、りゅうず16を2段引くことで時差設定用針17aを移動可能としたが、これに限らず、りゅうず16を0段から1段、2段、1段、2段、3段の順に引いたときというように投入操作を決めてもよいし、りゅうず16の操作を時間内で操作有効と限定してもよいし、他の付属のボタンを押しながらりゅうず16を操作した場合に限ってもよい。
ST12では、圧力差が基準圧力差以上か否かを判断する。すなわち、電子時計10の操作者が誤ってりゅうず16を操作した場合の誤操作を回避するためである。
具体的には、電子時計10は図3に示すように圧力測定装置26を有し、同装置は半導体圧力センサを有している。この半導体圧力センサが検知した圧力は、図4の圧力値データ取得プログラム36により、図4の圧力測定値データ44aとして、圧力測定値データ格納部44に格納される。
次に、基準圧力差データ判断プログラム37が、基準圧力差データ45aを参照して圧力差が基準圧力以上か否かを判断する。
この基準圧力差データ45aは、例えば、圧力差が高度2000m差に相当する基準圧力差以上あるか否かを判断する。
つまり、圧力差が高度差2000m以上に相当する変化があった場合、より具体的には、30分乃至1時間程度で高度差2000m以上となるときは、飛行機による移動があったと判断する。
このように、ST12で、飛行機による移動があったと判断した場合に限り、時差の変更があったと判断し、ST13へ進む。
なお、本実施の形態では、飛行機による移動の有無で時差の変更があったか否かを判断しているが、これに限らず、例えば、電子時計10の所持者の設定により、かかる工程を省略することができる構成としてもよい。
この場合は、所持者の設定に基づいて、時差変更があったか否かを判断する。したがって、例えば電子時計10の所持者が陸路や海路等を移動する場合でも、時差変更があったと判断することができる。
このように、圧力値データ取得プログラム36は、高度情報を取得する高度情報取得部の一例であり、基準圧力差データ45aは、高度情報に基づく移動蓋然性情報の一例であり、基準圧力差データ判断プログラム37は、高度情報取得部(圧力値データ取得プログラム36)により取得された高度情報(圧力測定値データ44a)と、蓋然性情報(基準圧力差データ45a)に基づいて、移動蓋然性が高いか否かを判断する移動判断部の一例となっている。
ST13では、GPS衛星捕捉プログラム31が、設定国データ42a(入力された移動国データ、例えば、ドイツ)に基づいて、国別(地域別)捕捉可能衛星データ41aを参照する。このため、電子時計10は、日本からドイツへ移動しても、ドイツで当該時間に捕捉可能なGPS衛星15a等のアルマナックデータを持っているため、迅速にGPS衛星15a等を捕捉することができ、消費電力を小さくすることができる。
このように、時差設定用表示部17は、受信部(GPS装置20)の所在する地域情報の入力するための地域情報入力部の一例であって、ST13は、受信部(GPS衛星15a等)が、地域情報入力部(時差設定用表示部17)で入力された地域情報と捕捉可能情報(国別(地域別)捕捉可能GPS衛星データ41a)とに基づいて位置情報衛星(GPS衛星15a等)を捕捉する構成の一例である。
また、ST12及びST13は、移動判断部(基準圧力差データ判断プログラム37)が移動蓋然性が高いと判断したときに、捕捉可能情報(国別(地域別)捕捉可能GPS衛星データ41a)と地域情報入力部(時差設定用表示部17)で入力された地域情報に基づく、位置情報衛星(GPS衛星15a等)の捕捉を行う構成の一例である。
また、時差設定表示部17には、移動国等が地域名で表示されているので、所在地名を選択するだけで、電子時計10の所持者が移動国を間違うことなく、且つ容易に設定できる。
つまり、時差設定表示部17は、計時装置(電子時計10)の時刻表示部13に形成され、所在地域名(ドイツ、日本等)を選択可能な構成となっている。
続いて、ST14乃至ST18へ進むが、これらは、上述したST3乃至ST7と同様であるため説明を省略する。
以上のように、本実施の形態では、例え、電子時計10の所持者が大きく移動しても、移動先で捕捉可能がGPS衛星15a等の情報を迅速に取得でき、速やかに、当該GPS衛星15a等を捕捉し、測位し、時刻修正を行うことができる。
(第2の実施の形態)
図9は、第2の実施の形態にかかる電子時計100を示す概略図である。本実施の形態の電子時計100の多くの構成は、上述の第1の実施の形態と同様であるため、以下相違点を中心に説明する。
本実施の形態では、上述の図2の時差設定用表示部17は存在せず、時差設定は、図9(a)等に示すように、りゅうず160を3段引き、その後、りゅうず160を回し、短針120aを動かすことにより行う。
例えば、電子時計100の所持者が日本から中国へ移動したときは、図9(b)に示すように、短針120aを矢印R2の方向へ1時間遅らす動作を行う。すると、図7の国別(地域別)捕捉可能GPS衛星データ41aのUTCから8時間足すことになり、時差は「中国」になる。
この状態で、図9(c)に示すように、りゅうず160を戻すと、図4の設定国データ42aが例えば「中国」に変更し、中国において捕捉可能なGPS衛星15a等のデータに基づいてGPS衛星15a等の捕捉等が行われることになる。
なお、本実施の形態では、中国を例に説明したが、中国以外の国や地域においても短針120aを移動させることで電子時計100は時差変更を認識する構成となっている。
このように、第2の実施の形態の電子時計100の短針120aは、地域情報入力部の一例となっている。なお、地域情報入力部は短針120aに限らず、他の針等であってもよい。
本発明は、上述の実施の形態に限定されない。
本発明の計時装置である例えば電子時計の第1の実施の形態を示す概略図である。 (a)は、図1の時差設定用表示部の拡大図であり、(b)は、(a)の時差設定用表示部の動作状態を示す概略図である。 電子時計の主なハードウエア構成を示す概略図である。 図1等の電子時計の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。 電子時計の初期モードを示す概略フローチャートである。 電子時計の時差修正モードを示す概略フローチャートである。 国別(地域別)捕捉可能GPS衛星データの内容を示す概略説明図である。 国別(地域別)捕捉可能GPS衛星データの他の内容を示す概略説明図である。 第2の実施の形態にかかる電子時計を示す概略図である。
符号の説明
10・・・電子時計、11・・・文字盤、12a・・・長針、12b・・・短針、13・・・時刻表示部、14・・・アンテナ、15a乃至15d・・・GPS衛星、16・・・りゅうず、17・・・時差設定用表示部、20・・・GPS装置、25・・・計時装置、30・・・各種プログラム格納部、31・・・GPS衛星捕捉プログラム、32・・・GPS測位/時間取得プログラム、33・・・時刻修正プログラム、34・・・時刻表示プログラム、35・・・強制受信実行プログラム、36・・・圧力値データ取得プログラム、40・・・各種データ記憶部、41a・・・国別(地域別)捕捉可能衛星データ、42a・・設定国データ、43a・・・時刻修正データ、44a・・・圧力測定値データ、45a・・・基準圧力差データ

Claims (5)

  1. 地球を周回する位置情報衛星を捕捉し、この捕捉した前記位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部と、
    前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成部と、
    前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示情報修正部と、を有する計時装置であって、
    前記受信部が所在する地域において捕捉可能な前記位置情報衛星に関する捕捉可能情報が格納される捕捉可能情報格納部と、
    前記受信部の所在する地域情報を入力するための地域情報入力部と、を有し、
    前記受信部は、前記地域情報入力部で入力された前記地域情報と前記捕捉可能情報とに基づいて前記位置情報衛星を捕捉する構成となっている計時装置。
  2. 前記地域情報入力部が、計時装置の時刻表示部に形成され、前記所在地域名を選択可能な構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の計時装置。
  3. 前記位置情報衛星に関する捕捉可能情報は、地域における時差情報と関係づけて格納され、
    前記地域情報入力部が、計時装置の時刻表示部の針部の操作に連動した構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の計時装置。
  4. 高度情報を取得とする高度情報取得部と、
    高度情報に基づく移動蓋然性情報を格納する移動蓋然性情報格納部と、
    前記高度情報取得部により取得された高度情報と、前記蓋然性情報に基づいて、移動蓋然性が高いか否かを判断する移動判断部と、を有し、
    前記移動判断部が移動蓋然性が高いと判断したときに、前記捕捉可能情報と前記地域情報入力部で入力された前記地域情報に基づく、前記位置情報衛星の捕捉を行う構成となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の計時装置。
  5. 地球を周回する位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部が、前記位置情報衛星を捕捉する衛星捕捉工程と、
    時刻修正情報生成部が、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成工程と、
    表示情報修正部が、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示情報修正工程と、を有する計時装置の時刻修正方法であって、
    前記衛星捕捉工程において、前記受信部は、前記受信部の所在する地域情報を入力するための地域情報入力部で入力された前記地域情報と、前記受信部が所在する地域において捕捉可能な前記位置情報衛星に関する捕捉可能情報と、に基づいて前記位置情報衛星を捕捉することを特徴とする計時装置にとなっている計時装置の時刻修正方法。
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