JP5310426B2 - 電子時計および電子時計の時刻修正方法 - Google Patents
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Description
このため、GPS衛星の時刻情報を利用して時刻修正を行う電子時計が提案されている。
したがって、1980年1月6日0時0分0秒から1024週経過した後に、週番号(WN)を用いると正確な日付(年月日)を求めることができない。
このような課題を回避する為に、外部から基準日などの情報を取得し、この基準日とGPS衛星から受信した週番号(WN)と週の時刻(TOW)とに基づいて正確な日付を求める時計装置が知られている(例えば、特許文献1,2,3参照)。
さらに、特許文献1では、1024週の間、一度も基準日の更新が行われなかった場合は、正しい年月日を求めることができないという問題がある。
ここで、週番号とは、位置情報衛星から送信される衛星信号の一種で、1週間ごとにカウントされて所定周期(GPSでは1024週)ごとにリセット(0に戻る)される情報である。例えば、衛星信号をL1C/A信号とした場合、その週番号のデータサイズは10ビットであり、0〜1023までカウントできる。週番号は1週間毎に更新され、1年間は約52週間であるから、週番号の周期は、1024/52=約19.7年となる。したがって、週番号は1周期が経過するとその後の周回数が不明となり現在日時を算出することはできなかった。
これに対し、本発明では、各周回数の同一の週番号に対応する日付(年月日)において、その日付(年月日)の桁の一部が相違するという新たな知見を得たため、この桁の一部を日付判定情報として設定した。これにより、日付判定手段は、同じ週番号であっても、日付判定情報として設定された桁の数字が異なる連続する複数の周回数の範囲であれば、同一週番号に対する周回数毎の日付を区別できる。従って、日付判定手段は、前記各周回数の日付において、前記一部の桁が前記日付判定情報と一致する日付を判定することで、現在の日付を求めて現在の時刻情報を算出することができる。
なお、前記週番号周回情報(週番号、周回数、日付が関連付けられた情報)は、表形式に整理された行列データを時計の記憶部に記憶したものでもよいし、日付判定手段で判定処理を行うときに計算によって求めるものでもよい。
また、日付判定手段が日付を判定するために用いる週番号(WN)および週の時刻(TOW)は、受信手段で取得したものでもよいし、計時手段で計時している時刻から求めたものでもよい。すなわち、日付判定情報が設定された後に、受信処理が行われた場合には、受信手段で取得した週番号(WN)および週の時刻(TOW)を用いればよい。一方、受信処理が行われた後に、日付判定情報が設定された場合は、受信処理で修正された後、計時手段で計時されている時刻から求めた週番号(WN)および週の時刻(TOW)を用いればよい。
さらに、日付判定情報が上記の各例であれば、数値は最大で2桁であり、手動操作でも容易に設定できる。
なお、前記日付判定情報としては、上記に限らず、「日」、「月」、「西暦の年の一の位」、「十の位」、「百の位」、「千の位」のいずれかの組み合わせ(ただし、西暦の年の千および百の位の組み合わせは除く)によるものでもよい。
特に、週番号の周期は約19.7年であり、この期間はデフォルトの周回数に基づいて日付を判定しても正しい時刻に修正することができるため、殆どの場合は正しい時刻に修正できる可能性が高く、利用に際して問題とならない。
このため、デフォルトの周回数に該当する期間であれば、ユーザーが日付判定情報を設定しなくても自動的に正しい時刻に修正できるので、利便性を向上できる。
従って、衛星信号が受信できないような場所にいる場合でも、利用者の設定した情報に基づいて時刻を修正できる。
例えば、連続する2つの周回数間のみで日付を判別できるような日付判定情報を用いた場合、最初に周回数1と2を検索範囲としていても、現時点が周回数2に該当することが分かれば、その後は、周回数2と3を検索範囲とすることができる。従って、検索範囲を徐々に移行することができ、対応年数を増やすことができる。
以下、本発明に係る第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電子時計であるGPS衛星信号受信装置付き腕時計1(以下「GPS付き腕時計1」という)を示す正面図である。また、図2は、GPS付き腕時計1の主なシステム構成等を示すブロック図である。
GPS付き腕時計1は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星からの衛星信号を受信してGPS衛星の時刻情報を取得し、GPS付き腕時計1で計時している時刻(計時時刻)を修正できるように構成されている。なお、GPS衛星は、本発明における位置情報衛星の一例であり、地球の上空に複数存在している。現在は約30個のGPS衛星が周回している。
指針3は、秒針3A、分針3B、時針3C等を備えて構成され、図示略のステップモーターおよび歯車により駆動される。
本実施形態では、Aボタン5が数秒(例えば3秒)以上押されると、GPS付き腕時計1は受信処理を行う。
また、Aボタン5が短い時間(例えば3秒未満)押されると、GPS付き腕時計1は文字板2及び指針3により直前の受信結果を表示する。例えば、受信成功の場合には、秒針3Aが10秒の位置に移動し、受信失敗の場合には、秒針3Aが20秒の位置に移動する。
GPS付き腕時計1は、文字板リング4に各時差候補となる都市名が表記されている。さらに、サマータイムを導入している都市名の表示位置には矢印が表記され、サマータイムを認識しやすくしている。
そして、GPS付き腕時計1では、秒針3Aで文字板リング4の都市名位置を指示することで、時差設定を行うようになっている。具体的には、時差修正モードでは、Aボタン5で秒針3Aが+1時間分移動し、Bボタン6で−1時間分移動する。秒針3Aを移動して所定時間経過すると、その秒針3Aで指示された都市(時差)が選定される。
例えば、UTCと東京との時差は+9時間であるため、Aボタン5を9回押すことで東京の時差を選択することができる。
日修正モードでは、Aボタン5、Bボタン6を押すと、日を表示する円板(日車8)が回転する。具体的には、Aボタン5を押すたびに+1日分だけ日車8が回転し、Bボタン6を押すたびに−1日分だけ日車8が回転する。
なお、本実施形態では、日車8で日表示を行っているが、液晶パネルなどの表示装置を組み込み、デジタル表示で日表示を行ってもよい。
次に、GPS付き腕時計1のシステム構成について説明する。
GPS付き腕時計1は、図2に示すように、GPSアンテナ10、受信部(受信手段)20、制御部30、表示部40、操作部50を備えている。
なお、表示部40は、時刻や日付を表示する前記指針3や日車8で構成されている。操作部50は、外部操作部材であるAボタン5、Bボタン6、リューズ7で構成されている。
受信部20は、GPSアンテナ10を介して受信した衛星信号を処理して時刻情報や位置情報を取得するものである。
GPSアンテナ10は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星からの衛星信号を受信するパッチアンテナ等で構成されている。このGPSアンテナ10は文字板2の裏面側に配置され、GPS付き腕時計1の表面ガラスおよび文字板2を通過した電波を受信するように構成されている。
このため、文字板2および表面ガラスは、GPS衛星から送信される衛星信号である電波を通す材料で構成されている。例えば、文字板2はプラスチックで構成されている。
図3(A)〜図3(C)は、衛星信号に重畳された航法メッセージの構成について説明するための図である。
図3(A)に示すように、航法メッセージは、全ビット数1500ビットのメインフレームを1単位とするデータとして構成される。メインフレームは、それぞれ300ビットの5つのサブフレーム1〜5に分割されている。1つのサブフレームのデータは、各GPS衛星から6秒で送信される。従って、1つのメインフレームのデータは、各GPS衛星から30秒で送信される。
制御部30は、図2に示すように、記憶部31、発振回路32、駆動回路33、計時手段34、日付判定情報設定手段35、日付判定手段36、時刻修正手段37を備え、各種制御を行う。
制御部30は、受信部20および表示部40を制御する。すなわち、制御部30は、ボタン5が押し続けられて受信操作が行われた場合や、予め受信時刻が設定されておりその時刻(定時受信)になった場合に、制御信号を受信部20に送り、受信部20の受信動作を制御する。また、制御部30内の駆動回路33を介して指針3の駆動を制御する。
なお、前記時差データは、前述の通り、時差修正モードで選択された都市に対応するものが記憶されている。
日付判定手段36は、週番号(WN)に対応する日付を下記に説明するWN周回テーブル(週番号周回情報)を参照して読み出し、周回数毎の日付に週の時刻(TOW)を加算した日付から、日付判定情報設定手段35で設定された日付判定情報に該当する日付を判定するものである。すなわち、日付判定手段36は、週番号と、周回数と、日付とが関連付けられる日付判定情報に基づいて、週番号および週の時刻で規定される周回数毎の日付を求め、日付の一部の桁と同じ桁の数字を抽出し、その数字の中で、日付判定情報の数字と一致するものがあれば、その数字が含まれる日付を該当する日付と判定する。
記憶部31には、週番号(WN)と、周回数と、これに対応する日付との関係を、週番号の一周期毎のテーブルとして設定されたWN周回テーブル(週番号周回情報)も記憶されている。
図4は、週番号と周回数の対応を表す図である。
上記で述べたように、週番号0は1980年1月6日から始まり、週番号が1023まで達すると、週番号は、再び0に戻り2周目に進む。週番号(0〜1023)と周回数(1、2…)に対応する行列に表示されている日付は週番号の先頭日であるが、週番号(WN)に加えて週の時刻(TOW)が分かれば、その週の何日目であるかが分かる。例えば、週番号0かつ周回数1に対応する日付は、1980年1月6日であり、週の時刻(TOW)の値から1980年1月6日から何日目であるかが判別できる。
従って、周回数とは、前記週番号が所定の基準日から何周期目であるかを示す情報である。
従って、図5において、周回数「B」は、図4の周回数「3」の週番号「645」つまり2031年8月17日の週から、図4の周回数「4」の週番号「644」つまり2051年3月26日の週までを一つの周回数「B」としたWN周回テーブルである。
周回数「C」以降のWN周回テーブルも図5に示すように、同様の構成とされている。
すなわち、図5の各WN周回テーブルA〜I(周回数A〜I)は、2012年1月1日を基準日とした場合の第1周期目から第9周期目までの週番号と日付との関係を示す週番号周回情報である。
そして、記憶部31には、図5に示すWN周回テーブルが週番号周回情報として記憶されている。
図6のWN周回テーブルは、図5と同様に、週番号の一部のみを表示し、その他を省略したものである。そこで、図7〜15にWN周回テーブルA〜Cまでであるが、すべての週番号645〜1023、0〜644およびそれに対応する日を表示した図を示す。
このように、2012年1月1日を基準日とした、図5に示すWN周回テーブルにおいて、WN周回テーブルAとBを検索範囲に設定し、受信日当日の「日」を日付判定情報に設定することで、2012年1月1日〜2051年4月1日までは、日付判定情報を用いて現在の日付を判定できる。その結果、GPS付き腕時計1で計時している時刻を、受信した週番号(WN)および週の時刻(TOW)から、正しい日付、時刻に合わせることができる。
さらに、現在の日付が含まれるWN周回テーブル(週回数)が判明するので、この周回数をデフォルト値に設定し、上記修正を行った後の受信時には、受信した週番号(WN)および週の時刻(TOW)と、前記デフォルトの周回数とを用いて、現在の時刻(年月日の日付および時分秒)を求めて、正しい日付、時刻に合わせることができる。
次に、第1実施形態のGPS付き腕時計1における受信処理が行われた場合の制御部30の処理について図16のフローチャートを参照して説明する。
GPS付き腕時計1の制御部30は、定時の受信時刻になった場合、あるいは、Aボタン5が一定時間押されて手動で受信操作が行われた場合には、受信処理を行う。すなわち、制御部30からの制御信号によって受信部20が起動され、受信部20はGPS衛星から送信される衛星信号の受信を開始する(S11)。
週番号(WN)と週の時刻(TOW)の受信が成功した場合(S12でYes)、制御部30は受信処理を行う以前に、「日(日付判定情報)」を手動設定したかを判定する(S13)。具体的には、制御部30は、前回の受信処理から今回の受信処理までの間に、リューズ7が1段引かれて、日付判定情報設定手段35により日修正モードが選択され、Aボタン5,Bボタン6が押されて日車8によって「日(日付判定情報)」が設定されたかを判定する。なお、Aボタン5,Bボタン6の操作による「日」の設定が行われたか否かは、例えば、記憶部31に設定操作フラグとして記憶しておけば、制御部30で容易に確認できる。
そして、該当する日付があった場合(S15でYes)には、制御部30の時刻修正手段37は、該当の日付と週の時刻(TOW)を用いて現在の時刻を算出し、その時刻で計時されている時刻を修正する(S16)。さらに、制御部30は、該当の日付が含まれるWN周回テーブルをデフォルトのテーブルに設定する(S17)。このため、次回以降の検索範囲はデフォルトのテーブルが基点となる。すなわち、該当の日付がWN周回テーブルBである場合、WN周回テーブルBがデフォルトのテーブルとなり、次回以降の検索範囲は、WN周回テーブルB、C(周回数B,C)の範囲となる。
S17の処理が行われると、制御部30は、手動設定された「日(日付判定情報)」を記憶部31から消去し、図16の受信処理を終了する。
また、S15において「No」と判定された場合も、制御部30の時刻修正手段37は、S14でデフォルトのWN周回テーブルから読み出した日付と週の時刻(TOW)を用いて計時時刻の修正を行う(S18)。
また、週番号(WN)と週の時刻(TOW)の受信に失敗した場合(S12でNo)には、制御部30は、時刻の修正は行えないので、受信処理を終了する。
制御部30は、リューズ7が1段引き出されて日修正モードに移行すると、図17の処理を実行する。
制御部30の日付判定情報設定手段35は、まず、Aボタン5,Bボタン6による「日」の手動設定を検出して設定された「日(日付判定情報)」を記憶部31に記憶する(S21)。
そこで、制御部30は、計時手段34で計時している時刻(計時時刻)から週番号(WN)と週の時刻(TOW)を求めて、WN周回テーブルから週番号(WN)に対応する各日付を読み出し、各日付に週の時刻(TOW)を加算して周回数毎の日付を求める(S24)。
すなわち、週番号(WN)と週の時刻(TOW)の受信に成功していた場合は、図16のS12で「Yes」と判断されているため、S16、S18のいずれかにより、受信した週番号(WN)と週の時刻(TOW)に基づいて計時時刻が修正されている。受信時に修正された時刻は、計時手段34によって更新されている。従って、制御部30は、S24の処理時に、計時手段34で計時している時刻(計時時刻)から現時点での週番号(WN)と週の時刻(TOW)とを計算できる。そこで、制御部30の日付判定手段36は、現時点での週番号(WN)によりWN周回テーブルから各日付を読み出し、読み出した各日付と週の時刻(TOW)とで周回数毎の日付を求める。
一方、S25で該当する日付があった場合(S25でYes)には、制御部30の時刻修正手段37は、該当した日付で計時時刻の日付桁(年月日の桁)の修正を行う(S26)。
さらに、制御部30は、該当の日付が含まれるWN周回テーブルをデフォルトのテーブルに設定する(S27)。このため、次回以降の検索範囲はデフォルトのテーブルが基点となる。
一方、S23の処理が行われた場合は、制御部30は、手動設定された「日(日付判定情報)」を記憶部31に記憶したまま、日修正モードでの処理を終了する。
例えば、電池交換などでGPS付き腕時計1を初期化した後に、時刻を合わせる為に、受信処理を行った場合である。
条件:受信場所 東京、受信日 2012年1月2日、時差の設定 +9時間、デフォルトのWN周回テーブル A
受信した週番号(WN)、週の時刻(TOW):WN=645週、TOW=79221秒=0日×86400+22時×3600+0分×60+21秒
デフォルトのWN周回テーブルとして設定されているのはAなので、図5のWN周回テーブルのAを参照して、WN=645週は2012年1月1日と判る。そして、645週から1日目は、2012年1月1日となり、受信データに基づくGPS時刻は、2012年1月1日22時00分21秒となる。UTCは、GPS時刻から累積うるう秒の15秒を減算して、2012年1月1日22時00分06秒となる。設定されている時差は+9時間なので、UTCに9時間を加算して2012年1月2日7時00分06秒となる。
この例1では、正しい日表示となるため、その後、利用者は特に「日」を手動設定する必要もなく、GPS付き腕時計1の利用を継続できる。
条件:受信場所 東京、受信日 2031/8/18、時差の設定 +9時間、デフォルトのWN周回テーブル A
受信した週番号(WN)、週の時刻(TOW):WN=645週、TOW=79221秒=0日×86400+22時×3600+0分×60+21秒
すなわち、上記のとおり、WN=645週、TOW=79221秒であるから、例1の場合と同じく、GPS時刻は、645週目から1日目の22時00分21秒となり、例1と同じく、デフォルトのWN周回テーブルとして設定されているのはAなので、図5のWN周回テーブルのAを参照して、WN=645週は2012年1月1日と判る。そして、645週から1日目は、2012年1月1日となり、受信データに基づくGPS時刻は、2012年1月1日22時00分21秒となる。UTCは2012年1月1日22時00分06秒となり、設定されている時差は+9時間なので、2012年1月2日7時00分06秒となる。
制御部30は、この時刻で計時時刻を修正し、日車8の日表示は「2」となる。
すると、制御部30は、受信に成功しているため、S22で「Yes」と判定し、S24の処理を行う。
制御部30は、計時時刻の年月日時分秒(2012年1月2日7時00分06秒)から、現在の週番号(WN)および週の時刻(TOW)が、645週の1日目(東京においては2日目)であることが分かるので、645週の日付(年月日)を、WN周回テーブルAとBから読み出し、2日目なので、1日を加算して2012年1月2日と2031年8月18日が候補となる。これらの候補日を、S21で設定された日付判定情報(18日)と比較する。この比較で、日の桁が18であるのは、WN周回テーブルBの週番号645および週の時刻で規定される日付(2031年8月18日)であることがわかるので、制御部30は、計時時刻の年の桁を2031年に、月の桁を8月に、日の桁を18日に修正する(S26)。
そして、制御部30は、デフォルトのWN周回テーブルをBとする(S27)。
すなわち、S24では、計時時刻の年月日時分秒から現在の週番号(WN)および週の時刻(TOW)を求めて判定しているので、上記の例で、翌日に手動設定した場合、計時時刻の年月日は2012年1月3日となり、645週の3日目であることが分かる。また、手動設定した日(翌日)は、2031年8月19日であるから、S21で設定された日付判定情報(日表示)も19日となる。この場合も、制御部30は、WN周回テーブルBであることがわかるので、日付を2031年8月19日に修正する(S26)。
条件:受信場所 東京、受信日 2038/11/25、時差の設定 +9時間、デフォルトのWN周回テーブル A
本例では、過去に受信したことがないので(S22でNo)、制御部30は、計時時刻の日桁のみ時刻修正する(S23)。制御部30は、発振回路32の信号を用いて計時時刻を更新する際に、受信が成功するまでは、年月がわからないので、現在、大の月か小の月が不明である。このため、計時時刻の日は、31日まで桁上げする(表示する)。
受信した週番号(WN)、週の時刻(TOW):WN=0週、TOW=367850秒=4日×86400+6時×3600+10分×60+50秒
ところで、GPS時刻は、0週目から5日目の6時10分50秒となる。UTCは、GPS時刻から累積うるう秒の15秒減算して、0週目から5日目の6時10分35秒となる。さらに、設定されている時差は+9時間なので、0週目から5日目の15時10分35秒となる。
そして、制御部30は、該当の日付(2038年11月25日)および週の時刻(TOW)を用いて、現在時刻:2038年11月25日6時10分35秒を求め、計時時刻を修正する(S16)。そして、制御部30は、デフォルトのWN周回テーブルをBとする(S17)。
本実施形態によれば、受信の前後に、利用者が手動操作で「日」のみを設定すれば、その「日(日付判定情報)」と、受信した週番号(WN)、週の時刻(TOW)を利用して、現在の日付を判定することができ、その結果、正しい時刻に修正することができる。
従って、従来技術のように、年月日のすべてを設定しなくても、通常の時計の操作と同様に日表示を設定すれば、正しい時刻に修正できるので、操作性を向上できる。
特に、「日」は日車8で常時表示されているので、デフォルトのWN周回テーブルの基準日から1周期分(約19.7年)経過した後に、電池交換などでGPS付き腕時計1がリセットされた場合でも、週番号(WN)と週の時刻(TOW)を受信してデフォルトのWN周回テーブルを用いて時刻修正を行えば、日付が誤っていることが容易に分かる。従って、利用者は、誤っていることが分かりやすい「日」を、迅速に修正する可能性が高く、正しい時刻に迅速に修正できる。
次に、本発明に係る第2実施形態について、図18,19,20に基づいて説明する。
第2実施形態は、日付の判定のために、手動設定する日付判定情報として、「日」ではなく、「月」を用いた点が、前記第1実施形態と異なるが、その他の構成は同一である。従って、第2実施形態の説明においては、第1実施形態と異なる部分を説明し、同一の部分は説明を省略する。
但し、本実施形態では、日付判定情報として「月」を用いている。この「月」によっても、現在の日付を判定できる点を、図18の図を参照して説明する。
このため、「日」の場合に比べて、検索するWN周回テーブルの範囲を調整しなくても、対応年数が多くなる。
すなわち、制御部30は、受信処理を行う場合には、S31で受信を開始し、S32で週番号(WN)と週の時刻(TOW)の受信に成功したかを判定し、成功していれば、S33で受信前に「月」を手動設定したかを判定する。手動設定していれば、制御部30は、WN周回テーブルから週番号(WN)に対応する各日付を読み出し、各日付に週の時刻(TOW)を加算して周回数毎の日付を求める(S34)。
そして、該当する日付があれば、その日付と週の時刻(TOW)を用いて現在の時刻を算出して計時時刻を修正する(S36)。さらに、制御部30は、該当の日付が含まれるWN周回テーブルをデフォルトのテーブルに設定する(S37)。S37の処理が行われると、制御部30は、手動設定された「月(日付判定情報)」を記憶部31から消去し、図19の受信処理を終了する。
一方、S33で「No」と判定された場合と、S35で「No」と判定された場合は、制御部30は、デフォルトのWN周回テーブルで時刻修正を行う(S38)。
そして、「月」は、1月〜12月まであるため、秒針3Aと、1〜12時の目盛とを利用して設定する。すなわち、月修正モードでは、秒針3Aは、Aボタン5で+1月分移動し、Bボタン6で−1月分移動する。そして、秒針3Aが1時を示す状態でリューズ7を押し込んで月修正モードを解除すると、1月が設定される。同様に、秒針3Aが2〜12時を示す状態でリューズ7を押し込んで月修正モードを解除すると、2〜12月が設定される。
そして、日付判定手段36は、S44で求めた周回数毎の日付で、その日付の「月」が手動設定された「月」に該当する日付があるか判定する(S45)。
該当する日付があれば、時刻修正手段37は、計時時刻の日付桁(年月日の桁)の修正処理(S46)、WN周回テーブルのデフォルト設定処理(S47)を行う。S47の処理が行われると、制御部30は、手動設定された「月(日付判定情報)」を記憶部31から消去し、月修正モードの処理を終了する。
また、S42で「No」と判定された場合と、S45で「No」と判定された場合、制御部30は、手動設定された「月」で、計時時刻の月桁を修正し(S43)、月修正モードの処理を終了する。
例えば、前記第1実施形態の例1と同じ条件で行った場合、WN=645週で、デフォルトとして設定されているWN周回テーブルはAであるから、受信データに基づく時刻は、2012年1月2日7時00分06秒となる。
従って、制御部30は、前記時刻に計時時刻を修正するとともに駆動回路33を用いて表示部40を計時時刻に修正する。このため、日車8による日表示は「2」となる。また、図21に示すように、月表示部9がある場合は、指針9Aで1月を指示する。
[例4 デフォルトのWN周回テーブルに属さない日に「月」を手動設定せずに受信のみを行った場合]
条件:受信場所 東京、受信日 2149/5/19、時差の設定 +9時間、デフォルトのWN周回テーブル A
受信した週番号(WN)と週の時刻(TOW):WN=645週、TOW=79221秒=0日×86400+22時×3600+0分×60+21秒
すなわち、上記のとおり、WN=645週、TOW=79221秒であるから、例1の場合と同じく、GPS時刻は、645週目から1日目の22時00分21秒となり、例1と同じく、デフォルトのWN周回テーブルとして設定されているのはAなので、図5のWN周回テーブルのAを参照して、WN=645週は2012年1月1日と判る。そして、645週から1日目は、2012年1月1日となり、受信データに基づくGPS時刻は、2012年1月1日22時00分21秒となる。UTCは2012年1月1日22時00分06秒となり、設定されている時差は+9時間なので、2012年1月2日7時00分06秒となる。
制御部30は、この時刻で計時時刻を修正し、日車8の日表示は「2」となる。
そして、制御部30は、デフォルトのWN周回テーブルをHとする(S47)。
なお、計算すると、起点の2012年1月1日から8周回(157年)で基準日が1月1日に戻ることがわかる。すなわち、157年間にはうるう年が39年含まれるので、トータル日数は、365日×118年+366日×39年(うるう年)=57344日となる。
一方、WNの1周回=1024週×8週回=8192週×7日=57344日であり、157年間の日数と一致する。従って、WN周回テーブルは、基点から8周回の期間、つまり8周回分のWN周回テーブルを検索対象として設定することができる。
本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、受信の前後に、利用者が手動操作で日付判定情報として「月」を設定すれば、その月と、受信した週番号(WN)と週の時刻(TOW)を利用して、現在の日付を判定することができ、その結果、正しい時刻に修正することができる。
従って、従来技術のように、年月日のすべてを設定しなくても、月のみを設定すれば、正しい時刻に修正できるので、操作性を向上できる。
その上、設定操作当日の「月」を設定すれば良いため、GPSに関する知識が十分に無くても、簡単な操作のみを行うことで自動的に時刻が修正されるので、利便性が高い。
次に、本発明に係る第3実施形態について、図22,23,24に基づいて説明する。
第3実施形態は、日付の判定のために、手動設定する日付判定情報として、「日」や「月」ではなく、「年(西暦)の10の位」を用いた点が、前記各実施形態と異なるが、その他の構成は同一である。従って、第3実施形態の説明においては、前記各実施形態と異なる部分を説明し、同一の部分は説明を省略する。
但し、本実施形態では、日付判定情報として「年の10の位」を用いている。この「年の10の位」によっても、WN周回テーブルを判定できる点を、図22の図を参照して説明する。
このため、「日」の場合に比べて、検索するWN周回テーブルの範囲を調整しなくても、対応年数が多くなる。
すなわち、制御部30は、受信処理を行う場合には、S51で受信を開始し、S52で週番号(WN)と週の時刻(TOW)の受信に成功したかを判定し、成功していれば、S53で受信前に「年の10の位」を手動設定したかを判定する。手動設定していれば、制御部30は、WN周回テーブルから週番号(WN)に対応する各日付を読み出し、各日付に週の時刻(TOW)を加算して周回数毎の日付を求める(S54)。
そして、該当する日付があれば、その日付と週の時刻(TOW)を用いて現在の時刻を算出して計時時刻を修正する(S56)。さらに、制御部30は、該当の日付が含まれるWN周回テーブルをデフォルトのテーブルに設定する(S57)。S57の処理が行われると、制御部30は、手動設定された「年の10の位(日付判定情報)」を記憶部31から消去し、図23の受信処理を終了する。
一方、S53で「No」と判定された場合と、S55で「No」と判定された場合は、制御部30は、デフォルトのWN周回テーブルで計時時刻の時刻修正を行う(S58)。
そして、「年の10の位」は、0〜9まであるため、秒針3Aと、0時(12時)〜9時の目盛とを利用して設定する(S61)。すなわち、「年の10の位」修正モードでは、秒針3Aは、Aボタン5で+10年分移動し、Bボタン6で−10年分移動する。そして、秒針3Aが0時を示す状態でリューズ7を押し込んで「年の10の位」修正モードを解除すると、00年代が設定される。同様に、秒針3Aが1〜9時を示す状態でリューズ7を押し込んで「年の10の位」修正モードを解除すると、10年代〜90年代が設定される。
そして、日付判定手段36は、S64で求めた周回数毎の日付で、その日付の「年の10の位」が手動設定された「年の10の位」に該当する日付があるか判定する(S65)。
該当する日付があれば、時刻修正手段37は、前記各実施形態と同じく、計時時刻の日付の修正処理(S66)、WN周回テーブルのデフォルト設定処理(S67)を行う。S67の処理が行われると、制御部30は、手動設定された「年の10の位(日付判定情報)」を記憶部31から消去し、「年の10の位」修正モードの処理を終了する。
また、S62で「No」と判定された場合と、S65で「No」と判定された場合、制御部30は、手動設定された「年の10の位」で、計時時刻の年の10の位の桁を修正し(S63)、「年の10の位」修正モードの処理を終了する。
例えば、前記第1実施形態の例1と同じ条件で行った場合、WN=645週で、デフォルトとして設定されているWN周回テーブルはAであるから、週番号(WN)と週の時刻(TOW)に基づく時刻は、2012年1月2日7時00分06秒となる。
従って、制御部30は、前記時刻に計時時刻を修正するとともに駆動回路33を用いて表示部40を計時時刻に修正する。このため、日車8による日表示は「2」となる。また、「年の10の位」の表示部がある場合は、指針で10年代を指示する。
条件:受信場所 東京、受信日 2090/7/3、時差の設定 +9時間、デフォルトのWN周回テーブル A
受信した週番号(WN)と週の時刻(TOW):WN=645週、TOW=79221秒=0日×86400+22時×3600+0分×60+21秒
すなわち、上記のとおり、WN=645週、TOW=79221秒であるから、例1の場合と同じく、GPS時刻は、645週目から1日目の22時00分21秒となり、例1と同じく、デフォルトのWN周回テーブルとして設定されているのはAなので、図5のWN周回テーブルのAを参照して、WN=645週は2012年1月1日と判る。そして、645週から1日目は、2012年1月1日となり、受信データに基づくGPS時刻は、2012年1月1日22時00分21秒となる。UTCは2012年1月1日22時00分06秒となり、設定されている時差は+9時間なので、2012年1月2日7時00分06秒となる。
制御部30は、この時刻で計時時刻を修正し、日車8の日表示は「2」となる。
そして、制御部30は、デフォルトのWN周回テーブルをEとする(S67)。
本実施形態によれば、前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、受信の前後に、利用者が手動操作で日付判定情報として「年の10の位」のみを設定すれば、その「年の10の位」と、受信した週番号(WN)と週の時刻(TOW)を利用して、現在の日付を判定することができ、その結果、正しい時刻に修正することができる。
従って、従来技術のように、年月日のすべてを設定しなくても、「年の10の位」のみを設定すれば、正しい時刻に修正できるので、操作性を向上できる。
その上、設定操作当日の「年の10の位」を設定すれば良いため、GPSに関する知識が十分に無くても、簡単な操作のみを行うことで自動的に時刻が修正されるので、利便性が高い。
次に、本発明に係る第4実施形態について、図25,26,27に基づいて説明する。
第4実施形態は、日付の判定のために、手動設定する日付判定情報として、「日」や「月」ではなく、「年(西暦)の10の位と1の位」を用いた点が、前記各実施形態と異なるが、その他の構成は同一である。従って、第4実施形態の説明においては、前記各実施形態と異なる部分を説明し、同一の部分は説明を省略する。
但し、本実施形態では、日付判定情報として「年の10の位と1の位」を用いている。この「年の10の位と1の位」によっても、WN周回テーブルを判定できる点を、図25の図を参照して説明する。
このため、「日」の場合に比べて、検索するWN周回テーブルの範囲を調整しなくても、対応年数が多くなる。
なお、本実施形態では、WN周回テーブルの範囲をA〜Iとしたが、さらに、J、K、…と延長して「年の10の位と1の位」が重複しないテーブルを構成する事も可能である。
すなわち、制御部30は、受信処理を行う場合には、S71で受信を開始し、S72で週番号(WN)と週の時刻(TOW)の受信に成功したかを判定し、成功していれば、S73で受信前に「年の10の位と1の位」を手動設定したかを判定する。手動設定していれば、制御部30は、WN周回テーブルから週番号(WN)に対応する各日付を読み出し、各日付に週の時刻(TOW)を加算して周回数毎の日付を求める(S74)。
そして、該当する日付があれば、その日付と週の時刻(TOW)を用いて現在の時刻を算出して計時時刻を修正する(S76)。さらに、制御部30は、該当の日付が含まれるWN周回テーブルをデフォルトのテーブルに設定する(S77)。S77の処理が行われると、制御部30は、手動設定された「年の10の位と1の位(日付判定情報)」を記憶部31から消去し、図26の受信処理を終了する。
一方、S73で「No」と判定された場合と、S75で「No」と判定された場合は、制御部30は、デフォルトのWN周回テーブルで時刻修正を行う(S78)。
そして、「年の10の位と1の位」は、00〜99まであるため、2桁の数字を設定する(S81)。2桁の数字を設定するには、例えば、前記第4実施形態と同様に、秒針3Aで年の10の位を設定し、日車8で年の1の位を設定してもよい。また、秒針3Aを2回操作し、最初に年の10の位の数字を確定した後に、年の1の位の数字を設定しても良い。
そして、日付判定手段36は、S84で求めた周回数毎の日付で、その日付の「年の10の位と1の位」が手動設定された「年の10の位と1の位」に該当する日付があるか判定する(S85)。
該当する日付があれば、時刻修正手段37は、前記各実施形態と同じく、計時時刻の日付の修正処理(S86)、WN周回テーブルのデフォルト設定処理(S87)を行う。S87の処理が行われると、制御部30は、手動設定された「年の10の位と1の位(日付判定情報)」を記憶部31から消去し、「年の10の位と1の位」修正モードの処理を終了する。
また、S82で「No」と判定された場合と、S85で「No」と判定された場合、制御部30は、手動設定された「年の10の位と1の位」で、計時時刻の年の10の位および1の位の桁を修正し(S83)、「年の10の位と1の位」修正モードの処理を終了する。
例えば、前記第1実施形態の例1と同じ条件で行った場合、WN=645週で、デフォルトとして設定されているWN周回テーブルはAであるから、週番号(WN)と週の時刻(TOW)に基づく時刻は、2012年1月2日7時00分06秒となる。
従って、制御部30は、前記時刻に計時時刻を修正するとともに駆動回路33を用いて表示部40を計時時刻に修正する。このため、日車8による日表示は「2」となる。また、「年の10の位と1の位」の表示部がある場合は、その表示部で設定された数字を表示する。
条件:受信場所 東京、受信日 2110/2/17、時差の設定 +9時間、デフォルトのWN周回テーブル A
受信した週番号(WN)と週の時刻(TOW):WN=645週、TOW=79221秒=0日×86400+22時×3600+0分×60+21秒
すなわち、上記のとおり、WN=645週、TOW=79221秒であるから、例1の場合と同じく、GPS時刻は、645週目から1日目の22時00分21秒となり、例1と同じく、デフォルトのWN周回テーブルとして設定されているのはAなので、図5のWN周回テーブルのAを参照して、WN=645週は2012年1月1日と判る。そして、645週から1日目は、2012年1月1日となり、受信データに基づくGPS時刻は、2012年1月1日22時00分21秒となる。UTCは2012年1月1日22時00分06秒となり、設定されている時差は+9時間なので、2012年1月2日7時00分06秒となる。
制御部30は、この時刻で計時時刻を修正し、日車8の日表示は「2」となる。
そして、制御部30は、デフォルトのWN周回テーブルをFとする(S87)。
本実施形態によれば、前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、受信の前後に、利用者が手動操作で日付判定情報として「年の10の位と1の位」のみを設定すれば、その「年の10の位と1の位」と、受信した週番号(WN)と週の時刻(TOW)を利用して、現在の日付を判定することができ、その結果、正しい時刻に修正することができる。
従って、従来技術のように、年月日のすべてを設定しなくても、「年の10の位と1の位」のみを設定すれば、正しい時刻に修正できるので、操作性を向上できる。
その上、設定操作当日の「年の10の位と1の位」を設定すれば良いため、GPSに関する知識が十分に無くても、簡単な操作のみを行うことで自動的に時刻が修正されるので、利便性が高い。
なお、本発明は前記各実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、前記第1実施形態において、「日」を手動設定した場合(S21)で、受信に成功しており(S22でYes)、かつ、該当する日付が無かった場合(S25でNo)は、受信に成功していない場合と同じく、手動設定された「日」により、計時時刻の該当する日の桁を修正していたが、図28のS28に示すように、該当する日付が無かった場合は、手動設定前の「日」に戻しても良い。
なお、このような修正前に戻す処理は、第1実施形態の場合に限らず、第2〜4実施形態においても適用できる。
例えば、計時時刻が4月15日であり、ユーザーが「31日」に手動設定した場合、S23では、計時時刻を4月31日に修正する。しかし、4月31日は非存在日であるため、計時時刻を5月1日に自動修正すればよい。このようにすれば、計時時刻が非存在日に修正されるという不具合を防止できる。
すなわち、週番号の基準日のみを設定すれば、他の日時は計算で求めることができる。例えば、週番号645週の基準日が2012年1月1日と設定されていれば、週番号646週は、7日を加算して2012年1月8日と計算できる。また、週番号645週の2周目(周回数2)は、2012年1月1日に1024週を加算して、2031年8月17日と計算することができる。
例えば、第1実施形態の「日」でWN周回テーブルを判別する場合は、連続する2つのWN周回テーブルを検索範囲に設定する必要がある。この場合、デフォルトのWN周回テーブルが「A」であれば、検索範囲をWN周回テーブルAとBに設定し、デフォルトのWN周回テーブルが「B」であれば、検索範囲をWN周回テーブルBとCに設定し、デフォルトのWN周回テーブルが「C」であれば、検索範囲をWN周回テーブルCとDに設定すればよい。すなわち、本発明の処理によって、現在の日時が該当するWN周回テーブルが判明し、そのWN周回テーブルをデフォルトに設定した場合、そのWN周回テーブルよりも過去のWN周回テーブルを検索範囲とする必要は無く、未来のWN周回テーブルを検索範囲にすればよいためである。
このように、デフォルトのWN周回テーブルを変更するたびに、検索範囲を変更していけば、第1実施形態のように、検索範囲が連続する2つのWN周回テーブルであっても、実質的な検索範囲が順次拡大することになり、対応年数を増やすことができる。
なお、第2〜4実施形態においても、同様にデフォルトのWN周回テーブルを変更するたびに、検索範囲を変更してもよい。
例えば、図5に示すWN周回テーブルにおいて、計時時刻の日付が2031/8/16(644週)から2031/8/17(645週)になった際に、デフォルトのWN周回テーブルをAからBに変更すればよい。
なお、「西暦の1の位」のみ、「西暦の100の位」のみ、「西暦の1000の位」のみでは、図5から明らかなように、隣接するWN周回テーブル間で、同じ数値となってしまう場合があるため、本発明の日付判定情報としては利用できない。従って、これらは組み合わせて用いる必要がある。
Claims (10)
- 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信し、1週間ごとにカウントされて所定周期ごとにリセットされる週番号と、前記週番号で特定される週における日時を表す週の時刻とを取得する受信手段と、
時刻を計時する計時手段と、
利用者が手動操作可能な操作部と、
前記操作部によって設定された年月日からなる日付の一部の桁を、日付判定情報として設定する日付判定情報設定手段と、
前記週番号および前記週の時刻と、前記日付判定情報とに基づいて前記日付を判定する日付判定手段と、
前記日付判定手段で判定した日付および前記週の時刻に基づき現在の年月日時分秒からなる時刻を求めて前記計時手段で計時されている時刻を修正する時刻修正手段とを備え、
前記日付判定情報設定手段は、前記週番号が所定の基準日から何周期目であるかを周回数として示す場合に、連続する複数の周回数で同一の週番号に対応する各日付において、互いに異なる数字となる一部の桁で前記日付判定情報を設定し、
前記日付判定手段は、前記週番号と、前記周回数と、日付とが関連付けられる週番号周回情報に基づいて、前記週番号および前記週の時刻で規定される周回数毎の日付を求め、これらの日付における前記一部の桁が前記日付判定情報と一致する日付を判定する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、
前記日付判定情報設定手段は、前記操作部で設定された前記日付判定情報を、前記計時手段で計時されている時刻の前記日付判定情報に対応する桁に連動して更新する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1または請求項2に記載の電子時計において、
前記日付判定情報は、日を示す数字、月を示す数字、西暦の年の十の位の数字、西暦の年の十および一の位からなる二桁の数字、西暦の年の百および十の位からなる二桁の数字のいずれかである
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子時計において、
前記日付判定情報設定手段で前記日付判定情報が設定された後、最初に前記週番号および週の時刻を受信した直後、または、
前記受信手段で前記週番号および週の時刻を受信した後、最初に前記日付判定情報設定手段で前記日付判定情報が設定された直後に、
前記日付判定手段および時刻修正手段が作動される
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子時計において、
前記日付判定手段は、前記日付判定情報と一致する日付が見つからない場合は、前記週番号周回情報において予め設定されたデフォルトの周回数と、前記週番号および前記週の時刻とで規定される日付を求めて出力し、
前記時刻修正手段は、この日付判定手段から出力された日付および前記週の時刻に基づいて現在の時刻を求め、前記計時手段で計時されている時刻を修正する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の電子時計において、
前記時刻修正手段は、前記日付判定情報設定手段で前記日付判定情報が設定されていない状態で、週番号および週の時刻を受信した場合は、前記週番号周回情報において予め設定されたデフォルトの周回数と、受信した前記週番号および週の時刻で現在の時刻を求め、前記計時手段で計時されている時刻を修正する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項5または請求項6に記載の電子時計において、
前記日付判定手段は、前記周回数毎の日付において、前記日付判定情報と一致する日付が見つかった場合には、その日付が含まれる周回数をデフォルトの周回数に設定する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の電子時計において、
前記時刻修正手段は、電子時計が初期化された後、前記週番号および週の時刻を受信していない状態で、前記日付判定情報設定手段で前記日付判定情報が設定された場合は、前記計時手段で計時されている時刻において、設定された日付判定情報に対応する桁のみを前記日付判定情報に修正する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の電子時計において、
前記日付判定手段は、前記周回数毎の日付において、前記日付判定情報と一致する日付が見つかった場合には、その日付以降のデータを検索範囲とし、その後に日付の判定を行う場合には、前記検索範囲のデータに基づいて日付を判定する
ことを特徴とする電子時計。 - 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信し、1週間ごとにカウントされ所定周期ごとにリセットされる週番号と、前記週番号で特定される時からの経過時間によって週番号で示される週における日時を表す週の時刻とを取得する受信手段と、
時刻を計時する計時手段と、
利用者が手動操作可能な操作部と、を備える電子時計の時刻修正方法であって、
前記操作部によって設定された年月日からなる日付の一部の桁を、日付判定情報として設定する日付判定情報設定工程と、
前記週番号および前記週の時刻と、前記日付判定情報とに基づいて前記日付を判定する日付判定工程と、
前記日付判定工程で判定した日付および前記週の時刻に基づき現在の年月日時分秒からなる時刻を求めて前記計時手段で計時されている時刻を修正する時刻修正工程とを備え、
前記日付判定情報設定工程は、前記週番号が所定の基準日から何周期目であるかを周回数として示す場合に、連続する複数の周回数で同一の週番号に対応する各日付において、互いに異なる数字となる一部の桁で前記日付判定情報を設定し、
前記日付判定工程は、前記週番号と、前記周回数と、日付とが関連付けられる週番号周回情報に基づいて、前記週番号および前記週の時刻で規定される周回数毎の日付を求め、これらの日付における前記一部の桁が前記日付判定情報と一致する日付を判定する
ことを特徴とする電子時計の時刻修正方法。
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