JP2009126742A - 誘電体磁器組成物および電子部品 - Google Patents

誘電体磁器組成物および電子部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2009126742A
JP2009126742A JP2007303290A JP2007303290A JP2009126742A JP 2009126742 A JP2009126742 A JP 2009126742A JP 2007303290 A JP2007303290 A JP 2007303290A JP 2007303290 A JP2007303290 A JP 2007303290A JP 2009126742 A JP2009126742 A JP 2009126742A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
dielectric
ceramic composition
main component
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007303290A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4946822B2 (ja
Inventor
Yuji Umeda
裕二 梅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2007303290A priority Critical patent/JP4946822B2/ja
Publication of JP2009126742A publication Critical patent/JP2009126742A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4946822B2 publication Critical patent/JP4946822B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Abstract

【課題】鉛を含まず、広い周波数領域において誘電損失を低減し、容量温度特性および誘電率に優れる誘電体磁器組成物を提供すること。
【解決手段】主成分として、SrTiOを28〜55重量%、BaTiOを3〜30重量%、CaTiOを3〜18重量%、Biを11〜20重量%、TiOを5〜16重量%含有し、主成分100重量%に対して、副成分として、MnOおよび/またはCrO3/2を、0重量%超0.35重量%以下、FeO3/2、CoO4/3、NiO、CuO、ZnOから選ばれる1つ以上を、0重量%超0.35重量%以下、希土類酸化物から選ばれる1つ以上を、RO3/2(RはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Yから選ばれる1つ以上)、CeO、PrO11/6、TbO7/4換算で、0重量%超0.4重量%以下含有する誘電体磁器組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子部品の誘電体層などに用いられる誘電体磁器組成物に係り、さらに詳しくは、環境負荷物質である鉛(Pb)を含むことなく、広い周波数領域において誘電損失を低くすることができ、さらに比較的高誘電率でありながら温度特性が比較的良好であり、絶縁性が高い誘電体磁器組成物およびそれを用いた電子部品に関する。
近年、地球規模の環境保護運動がいっそう高まりをみせており、電子部品の分野においても鉛(Pb)等の環境負荷物質の低減が要望されている。そのため、鉛(Pb)を含まず、かつ同程度以上の特性を持つ誘電体磁器組成物の開発が望まれている。
また、電子機器などを構成する電気回路の小型化、複雑化により、電気回路に搭載される電子部品についても、より一層の小型化に加えて、誤作動を防止するため等の理由により、自己発熱が少ないことが求められている。そのため、電子部品の一例としてのセラミックコンデンサについても、良好な温度特性を維持しつつ、小型化に対応するために誘電率を高くするとともに、しかも自己発熱低減のために誘電損失が低いことが求められている。
たとえば、特許文献1において、温度特性が良好であり、かつ高周波領域において誘電損失が小さい誘電体磁器組成物が開示されている。しかしながら本組成はPbを含むものであり、地球環境保護の要求に応えられるものではない。
鉛(Pb)を含まない誘電体磁器組成物として、たとえば特許文献2には、BaCO、BiおよびTiOからなる主成分に、La、Nd、Ce、Sn、Zr、Ta、Nbのうち1種以上を添加することにより得られる誘電体磁器組成物が開示されている。しかしながら、かかる誘電体磁器組成物では1MHzにおける誘電損失が最も良好なものでも0.1(10%)程度と高く、自己発熱の抑制が十分ではないため、中高圧用として電気回路の小型化、複雑化に有効に対応できるものではなかった。
特許第3767377号公報 特開2003−238240号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、セラミックコンデンサなどの電子部品の誘電体層に用いられ、鉛(Pb)を含むことなく、広い周波数領域において誘電損失を低くすることができ、しかも容量温度特性および比誘電率に優れる誘電体磁器組成物を確実に提供することである。また、本発明は、このような誘電体磁器組成物を用いて得られる電子部品を提供することも目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために、鋭意検討を行った結果、誘電体磁器組成物の組成を特定の成分とし、これらの比率を所定範囲とすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の誘電磁器組成物は、
主成分として、SrTiOを28〜55重量%、
BaTiOを3〜30重量%、
CaTiOを3〜18重量%、
Biを11〜20重量%、
TiOを5〜16重量%含有し、
前記主成分100重量%に対して、副成分として、
MnおよびCrから選ばれる少なくとも1つの酸化物を、MnOおよびCrO3/2換算で、0重量%より多く、0.35重量%以下、
Fe、Co、Ni、CuおよびZnから選ばれる少なくとも1つの酸化物を、FeO3/2、CoO4/3、NiO、CuOおよびZnO換算で、0重量%より多く、0.35重量%以下、
Rの酸化物(ただし、Rは、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、LuおよびYから選ばれる少なくとも1つ)を、LaO3/2、CeO、PrO11/6、NdO3/2、SmO3/2、EuO3/2、GdO3/2、TbO7/4、DyO3/2、HoO3/2、ErO3/2、TmO3/2、YbO3/2、LuO3/2およびYO3/2換算で、0重量%より多く、0.4重量%以下含有することを特徴とする。
本発明によれば、上記の誘電体磁器組成物で構成してある誘電体層を有する電子部品が提供される。
本発明に係る電子部品としては、特に限定されないが、好ましくはスナバー回路で用いられる中高圧用コンデンサが例示される。
スナバー回路で用いられるコンデンサとしては、積層型であっても、単板型であってもよいが、好ましくは、単板型である。
本発明の誘電体磁器組成物は、主成分および副成分を上記各成分とし、さらに各成分の比率を上記所定の範囲としており、鉛(Pb)を含むことはない。その結果、環境への負荷を低減しつつ、広い周波数領域において誘電損失を低くすることができ、しかも、容量温度特性に優れ、比誘電率が高い誘電体磁器組成物を得ることができる。
このような本発明の誘電体磁器組成物を、セラミックコンデンサなどの電子部品の誘電体層に用いることにより、鉛(Pb)などの環境負荷物質を含むことなく、広い周波数領域において誘電損失を低く抑えることが可能となり、しかも容量温度特性および比誘電率が良好である電子部品を提供することができる。
なお、従来においては、特許文献1に記載されている、鉛(Pb)を含有する誘電体磁器組成物により特性の向上を図っていた。しかしながら、このような誘電体磁器組成物では環境負荷の問題があった。
また、特許文献2に記載されている誘電体磁器組成物は、鉛(Pb)は含まないものの、1MHzにおける誘電損失が10%程度であるため自己発熱が大きく、たとえばスナバー回路など発熱の抑制が求められている中高圧用途には用いることができないという問題があった。
これに対して、本発明は、上記所定の組成とすることにより、鉛(Pb)を含むことなく、自己発熱が抑制された誘電体磁器組成物を得ることができ、従来の問題点をも有効に解決するものである。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1(A)は本発明の一実施形態に係るセラミックコンデンサの正面図、図1(B)は本発明の一実施形態に係るセラミックコンデンサの側面断面図である。
セラミックコンデンサ2
図1(A)、図1(B)に示すように、本実施形態に係るセラミックコンデンサ2は、誘電体層10と、その対向表面に形成された一対の端子電極12,14と、この端子電極12,14に、それぞれ接続されたリード端子6,8とを有する構成となっており、これらは保護樹脂4に覆われている。セラミックコンデンサ2の形状は、目的や用途に応じて適宜決定すればよいが、誘電体層10が円板形状となっている円板型のコンデンサであることが好ましい。また、そのサイズは、目的や用途に応じて適宜決定すればよいが、通常、直径が5〜20mm程度、好ましくは5〜15mm程度である。
誘電体層10
誘電体層10は、本発明の誘電体磁器組成物を含有する。
本発明の誘電体磁器組成物は、SrTiO、BaTiO、CaTiO、BiおよびTiOを主成分として含有する。
SrTiOの含有量は、28〜55重量%、好ましくは35〜52重量%、より好ましくは40〜52重量%である。SrTiOの含有量が少なすぎると、誘電損失が悪化する傾向にあると共に、容量温度特性も悪化する傾向にある。多すぎると、容量温度特性が悪化する傾向にある。
BaTiOの含有量は、3〜30重量%、好ましくは5〜28重量%、より好ましくは10〜22重量%である。BaTiOの含有量が少なすぎると、比誘電率が悪化する傾向にある。多すぎると、比誘電率が悪化する傾向にあると共に、容量温度特性も悪化する傾向にある。
CaTiOの含有量は、3〜18重量%、好ましくは4〜18重量%、より好ましくは7〜14重量%である。CaTiOの含有量が少なすぎると、比誘電率が悪化する傾向にある。多すぎると、誘電損失が悪化する傾向にあると共に、比誘電率およびCR積が悪化する傾向にある。
Biの含有量は、11〜20重量%、好ましくは14〜20重量%、より好ましくは15〜18重量%である。Biの含有量が少なすぎると、容量温度特性が悪化する傾向にある。多すぎると、比誘電率が悪化する傾向にある。
TiOの含有量は、5〜16重量%、好ましくは6〜14重量%、より好ましくは7〜10重量%である。TiOの含有量が少なすぎると、比誘電率が悪化する傾向にあると共に、誘電損失が悪化する傾向にある。多すぎると、比誘電率が悪化する傾向にある。
本発明の誘電体磁器組成物は、副成分として、さらにMnおよびCrから選ばれる少なくとも1つの酸化物と、Fe、Co、Ni、CuおよびZnから選ばれる少なくとも1つの酸化物と、Rの酸化物(ただし、Rは、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、LuおよびYから選ばれる少なくとも1つ)と、を含有する。
MnおよびCrから選ばれる少なくとも1つの酸化物は、絶縁抵抗を向上させる効果を有している。上記の酸化物の含有量は、主成分100重量%に対して、MnOおよびCrO3/2 換算で、0重量%より多く、0.35重量%以下、好ましくは0重量%より多く、0.25重量%以下、より好ましくは0重量%より多く、0.2重量%以下である。含有量が多すぎると、誘電損失が悪化する場合がある。なお、たとえばMnの酸化物を含有させる場合には、MnOという形態で含有させても良いし、MnCO3 という形態で含有させても良い。また、たとえばCrO3/2 換算で、0.30重量%とは、Crが0.60重量%含有されていることを意味する。
Fe、Co、Ni、CuおよびZnから選ばれる少なくとも1つの酸化物は、容量温度特性を改善し、また焼結性を向上させる効果を有しており、好ましくはCu、Fe、Niの酸化物であり、特に好ましくはCuの酸化物である。上記の酸化物の含有量は、主成分100重量%に対して、FeO3/2、CoO4/3、NiO、CuOおよびZnO換算で、0重量%より多く、0.35重量%以下、好ましくは0重量%より多く、0.25重量%以下、より好ましくは0重量%より多く、0.2重量%以下である。含有量が多すぎると、誘電率が大きく低下する場合がある。
Rの酸化物は、誘電損失を低減させる効果を有する。Rの酸化物のR元素は、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、LuおよびYから選ばれる少なくとも1つであり、好ましくはCe、La、Pr、Nd、Yであり、より好ましくはCe、La、Yである。
Rの酸化物の含有量は、主成分100重量%に対して、LaO3/2、CeO、PrO11/6、NdO3/2、SmO3/2、EuO3/2、GdO3/2、TbO7/4、DyO3/2、HoO3/2、ErO3/2、TmO3/2、YbO3/2、LuO3/2およびYO3/2換算で、0重量%より多く、0.4重量%以下、好ましくは0重量%より多く、0.3重量%以下、より好ましくは0重量%より多く、0.25重量%以下である。Rの酸化物の含有量が多すぎると、比誘電率が悪化する場合がある。
誘電体層10の厚みは、特に限定されず、用途等に応じて適宜決定すれば良いが、好ましくは0.3〜2mmである。誘電体層10の厚みを、このような範囲とすることにより、中高圧用途に好適に用いることができる。
端子電極12,14
端子電極12,14は、導電材で構成される。端子電極12,14に用いられる導電材は、たとえば、Cu、Cu合金、Ag、Ag合金、In−Ga合金等を主成分として含む。また、端子電極12,14は、これらの金属または合金の単層構造でもあってもよく、複層構造であってもよい。
セラミックコンデンサの製造方法
次に、本実施形態に係るセラミックコンデンサの製造方法について説明する。
まず、焼成後に図1に示す誘電体層10を形成することとなる誘電体磁器組成物粉末を製造する。
まず、主成分の原料および副成分の原料を準備する。主成分の原料としては、Sr、Ba、Ca、Ti、Biの各酸化物および/または焼成により酸化物となる原料や、これらの複合酸化物などが挙げられ、たとえば、SrCO3 、BaCO3 、CaCO 、TiO2 、Bi2 O3 などを用いることができる。また、主成分の原料は、固相法により製造してもよいし、水熱合成法や蓚酸塩法などの液相法により製造してもよいが、製造コストの面から、固相法により製造することが好ましい。
副成分の原料としては、特に限定されず、上記した各副成分の酸化物や複合酸化物、または焼成によりこれら酸化物や複合酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択して用いることができる。
次いで、主成分および副成分の原料を、上記した所定の組成となるように配合し、ボールミルなどを用いて、湿式混合する。そして、得られた混合物を、造粒し、成形して、得られた成形物を、空気雰囲気中にて仮焼きすることにより、仮焼き粉を得ることができる。次いで、得られた仮焼き粉を粗粉砕し、さらに、湿式粉砕して、誘電体磁器組成物粉末とする。仮焼き条件としては、たとえば、仮焼き温度を、好ましくは900〜1200℃、仮焼き時間を、好ましくは0.5〜4時間とすれば良い。なお、主成分の原料と、副成分の原料と、を別々に仮焼した後、混合して誘電体磁器組成物粉末としても良いし、副成分の原料を仮焼することなく、主成分の原料と混合して、誘電体磁器組成物粉末としても良い。
上記のように、誘電体磁器組成物粉末を固相法により製造することで、所望の特性を実現しながら、製造コストの低減を図ることができる。
次いで、得られた誘電体磁器組成物粉末を、バインダなどを使用して造粒し、得られた造粒物を、所定の大きさを有する円板状に成形することにより、グリーン成形体とする。そして、得られたグリーン成形体を、焼成することにより、誘電体磁器組成物の焼結体を得る。なお、焼成の条件としては、特に限定されないが、保持温度が、好ましくは1100〜1400℃、より好ましくは1150〜1350℃であり、焼成雰囲気を空気中とすることが好ましい。
そして、得られた誘電体磁器組成物の焼結体の主表面に、端子電極を印刷し、必要に応じて焼き付けすることにより、端子電極12,14を形成する。その後、端子電極12,14に、ハンダ付等により、リード端子6,8を接合し、最後に、素子本体を保護樹脂4で覆うことにより、図1(A)、図1(B)に示すような単板型セラミックコンデンサを得る。
このようにして製造された本発明のセラミックコンデンサは、リード端子6,8を介してプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々異なる態様で実施し得ることは勿論である。
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係る電子部品として誘電体層が単層である単板型セラミックコンデンサを例示したが、本発明に係る電子部品としては、単板型セラミックコンデンサに限定されず、上記した誘電体磁器組成物を含む誘電体ペーストおよび電極ペーストを用いた通常の印刷法やシート法により作製される積層型セラミックコンデンサであっても良い。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例
まず、主成分原料として、SrCO3 、BaCO3 、CaCO、Bi2 O3 およびTiO2を、それぞれ準備した。さらに副成分原料として、MnCO、CuO、Cr、CuO、Fe、Co、NiO、ZnO、R元素の酸化物(ただし、RはLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、LuおよびY)を準備した。そして、準備したこれらの原料を、表1に示す組成(重量%)となるように、それぞれ秤量し、溶媒として水を用いたボールミルにより湿式混合した。次いで、得られた混合物を乾燥した後、5重量%の水を加えて造粒し、成形した。そして、得られた成形物を、空気中、1150℃、2時間の条件で仮焼した。仮焼後の粉体を、らいかい機で粗粉砕した後、さらに、湿式粉砕を行った。これを乾燥することにより、表1および2に示す各組成(試料番号1〜54の各組成)を有する誘電体磁器組成物粉末を得た。なお、表1に示す試料(試料番号1〜37)は、本発明の実施例であり、表2に示す試料(試料番号38〜54)は、本発明の比較例である。
Figure 2009126742
Figure 2009126742
次いで、得られた誘電体磁器組成物粉末:100重量%に対して、ポリビニルアルコール水溶液:10重量%を添加し、次いで造粒して、メッシュパスを通した後、得られた造粒粉を1.2t/cm の圧力で成形することにより、直径12mm、厚さ約1mmの円板状のグリーン成形体を得た。
次いで、得られたグリーン成形体を、空気中、1200℃、2時間の条件で焼成することにより、円板状の焼結体を得た。そして、得られた焼結体の主表面にAg電極を塗布し、さらに空気中、650℃で20分間焼付け処理を行うことによって、図1に示すような円板状のセラミックコンデンサの試料(試料番号1〜37)を得た。得られたコンデンサ試料の誘電体層10の厚みは約0.7mmであった。そして、得られた各コンデンサ試料について、以下の方法により、比誘電率、誘電損失、容量温度特性、およびCR積をそれぞれ評価した。
比誘電率ε
比誘電率εは、コンデンサ試料に対し、基準温度25℃において、デジタルLCRメータ(YHP社製4274A)にて、周波数1kHz,入力信号レベル(測定電圧)1.0Vrmsの条件下で測定された静電容量から算出した(単位なし)。比誘電率は高いほうが好ましく、本実施例では、1600以上を良好とした。
誘電損失(tanδ)
誘電損失(tanδ)は、コンデンサ試料に対し、基準温度25℃において、デジタルLCRメータ(YHP社製4274A)にて、周波数1kHzおよび100kHz,入力信号レベル(測定電圧)1.0Vrmsの条件下で測定した。誘電損失は低いほうが好ましく、本実施例では、周波数1kHzでは0.15%以下、周波数100kHzでは0.25%以下を良好とした。
容量温度特性
コンデンサ試料に対し、−25〜140℃の温度範囲で静電容量を測定し、+25℃での静電容量に対する−25℃および125℃での静電容量の変化率(単位は%)を算出した。本実施例では、容量変化率が+15%〜−30%の範囲にあるものを良好とした。なお、下記に示す表3および表4においては、−25℃での容量変化率をΔC(−25)/Cと、125℃での容量変化率をΔC(125)/Cと表記する。
CR積
コンデンサ試料に対し500Vの直流電圧をかけ、絶縁抵抗を測定した。この絶縁抵抗IR(単位はΩ)と、上記にて測定した静電容量C(単位はF)との積を求めることによりCR積を測定した。CR積は大きいほうが好ましく、本実施例では、1000Ω・F以上を良好とした。
試料番号1〜37についての評価結果を表3、試料番号38〜54についての評価結果を表4に示す。
Figure 2009126742
Figure 2009126742
表1および3より、誘電体磁器組成物の組成が、本発明の範囲内である場合には、比誘電率1600以上、誘電損失(1kHz)0.15%以下、誘電損失(100kHz)0.25%以下、CR積1000Ω・F以上、−25℃〜125℃の範囲で25℃に対する容量変化率+15%〜−30%を満足していることが分かる。
すなわち、主成分である誘電体酸化物の組成を、本発明の範囲内とすることにより、鉛(Pb)を含むことなく、容量温度特性および比誘電率を良好に保ちつつ、広い周波数領域における誘電損失(tanδ)の低減が可能となることが確認できた。
これに対し、表2および4より、誘電体磁器組成物の組成が、本発明の範囲外である場合には、比誘電率、誘電損失(1kHz、100kHz)、CR積、容量温度特性の少なくとも1つが、悪化していることが確認できる。
図1(A)は本発明の一実施形態に係るセラミックコンデンサの正面図、図1(B)は本発明の一実施形態に係るセラミックコンデンサの側面断面図である。
符号の説明
2… セラミックコンデンサ
4… 保護樹脂
6,8… リード端子
10… 誘電体層
12,14… 端子電極

Claims (4)

  1. 主成分として、SrTiOを28〜55重量%、
    BaTiOを3〜30重量%、
    CaTiOを3〜18重量%、
    Biを11〜20重量%、
    TiOを5〜16重量%含有し、
    前記主成分100重量%に対して、副成分として、
    MnおよびCrから選ばれる少なくとも1つの酸化物を、MnOおよびCrO3/2換算で、0重量%より多く、0.35重量%以下、
    Fe、Co、Ni、CuおよびZnから選ばれる少なくとも1つの酸化物を、FeO3/2、CoO4/3、NiO、CuOおよびZnO換算で、0重量%より多く、0.35重量%以下、
    Rの酸化物(ただし、Rは、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、LuおよびYから選ばれる少なくとも1つ)を、LaO3/2、CeO、PrO11/6、NdO3/2、SmO3/2、EuO3/2、GdO3/2、TbO7/4、DyO3/2、HoO3/2、ErO3/2、TmO3/2、YbO3/2、LuO3/2およびYO3/2換算で、0重量%より多く、0.4重量%以下含有することを特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 請求項1に記載の誘電体磁器組成物で構成してある誘電体層を有する電子部品。
  3. 請求項1に記載の誘電体磁器組成物で構成してある誘電体層を有し、スナバー回路で用いられるコンデンサ。
  4. リード端子を有し、前記誘電体層が単板である請求項3に記載のコンデンサ。
JP2007303290A 2007-11-22 2007-11-22 誘電体磁器組成物および電子部品 Active JP4946822B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007303290A JP4946822B2 (ja) 2007-11-22 2007-11-22 誘電体磁器組成物および電子部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007303290A JP4946822B2 (ja) 2007-11-22 2007-11-22 誘電体磁器組成物および電子部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009126742A true JP2009126742A (ja) 2009-06-11
JP4946822B2 JP4946822B2 (ja) 2012-06-06

Family

ID=40818034

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007303290A Active JP4946822B2 (ja) 2007-11-22 2007-11-22 誘電体磁器組成物および電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4946822B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011236122A (ja) * 2010-05-12 2011-11-24 General Electric Co <Ge> 電力伝達系のための誘電材料
CN104078184A (zh) * 2014-06-26 2014-10-01 南京新中磁电技术工程有限公司 一种光滑耐磨型磁性材料及其加工方法
US8968609B2 (en) 2010-05-12 2015-03-03 General Electric Company Dielectric materials for power transfer system
US8968603B2 (en) 2010-05-12 2015-03-03 General Electric Company Dielectric materials
US9954580B2 (en) 2011-07-28 2018-04-24 General Electric Company Dielectric materials for power transfer systems

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04240158A (ja) * 1991-01-21 1992-08-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘電体磁器組成物
JPH05319921A (ja) * 1991-09-27 1993-12-03 Ngk Insulators Ltd 低温焼成用誘電体磁器組成物
JPH0680467A (ja) * 1992-08-31 1994-03-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘電体磁器組成物
JPH09208303A (ja) * 1996-02-08 1997-08-12 Tokin Corp 誘電体磁器組成物及びその製造方法
JP2000264729A (ja) * 1999-01-14 2000-09-26 Tdk Corp 誘電体組成物およびこれを用いたセラミックコンデンサ
JP2001247364A (ja) * 1999-12-27 2001-09-11 Murata Mfg Co Ltd 誘電体磁器組成物
JP2003238240A (ja) * 2002-02-12 2003-08-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘電体磁器組成物および誘電体磁器、それを用いた磁器コンデンサ
JP2006213575A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Tdk Corp 耐還元性誘電体磁器組成物、電子部品および積層セラミックコンデンサ
JP2007161538A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Tdk Corp 耐還元性誘電体磁器組成物、電子部品および積層セラミックコンデンサ

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04240158A (ja) * 1991-01-21 1992-08-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘電体磁器組成物
JPH05319921A (ja) * 1991-09-27 1993-12-03 Ngk Insulators Ltd 低温焼成用誘電体磁器組成物
JPH0680467A (ja) * 1992-08-31 1994-03-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘電体磁器組成物
JPH09208303A (ja) * 1996-02-08 1997-08-12 Tokin Corp 誘電体磁器組成物及びその製造方法
JP2000264729A (ja) * 1999-01-14 2000-09-26 Tdk Corp 誘電体組成物およびこれを用いたセラミックコンデンサ
JP2001247364A (ja) * 1999-12-27 2001-09-11 Murata Mfg Co Ltd 誘電体磁器組成物
JP2003238240A (ja) * 2002-02-12 2003-08-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘電体磁器組成物および誘電体磁器、それを用いた磁器コンデンサ
JP2006213575A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Tdk Corp 耐還元性誘電体磁器組成物、電子部品および積層セラミックコンデンサ
JP2007161538A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Tdk Corp 耐還元性誘電体磁器組成物、電子部品および積層セラミックコンデンサ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011236122A (ja) * 2010-05-12 2011-11-24 General Electric Co <Ge> 電力伝達系のための誘電材料
US8968609B2 (en) 2010-05-12 2015-03-03 General Electric Company Dielectric materials for power transfer system
US8968603B2 (en) 2010-05-12 2015-03-03 General Electric Company Dielectric materials
US9174876B2 (en) 2010-05-12 2015-11-03 General Electric Company Dielectric materials for power transfer system
US9954580B2 (en) 2011-07-28 2018-04-24 General Electric Company Dielectric materials for power transfer systems
CN104078184A (zh) * 2014-06-26 2014-10-01 南京新中磁电技术工程有限公司 一种光滑耐磨型磁性材料及其加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4946822B2 (ja) 2012-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5272754B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP5278682B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
EP1767507B1 (en) Dielectric ceramic composition and laminated ceramic capacitor
JP5664228B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP6588620B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP6655706B2 (ja) 誘電体組成物、誘電体素子、電子部品および積層電子部品
JP6979011B2 (ja) 誘電体組成物、誘電体素子、電子部品および積層電子部品
JP6753221B2 (ja) 誘電体組成物および積層電子部品
JP5835012B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP2008174413A (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
KR101432442B1 (ko) 유전체 자기 조성물 및 전자 부품
JP6467648B2 (ja) 誘電体組成物、誘電体素子、電子部品および積層電子部品
JP4946822B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP5012932B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP5418323B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
KR101767672B1 (ko) 유전체 자기 조성물 및 전자 부품
JP2016160131A (ja) 誘電体組成物及び電子部品
JP6538882B2 (ja) ビスマスナトリウムストロンチウムチタン酸塩系誘電体組成物、誘電体素子、電子部品および積層電子部品
JP4710574B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
KR20170078064A (ko) 유전체 조성물 및 이를 포함하는 적층 세라믹 커패시터
JP2020043310A (ja) 誘電体組成物および電子部品
JP5668569B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP2021031346A (ja) 誘電体組成物および電子部品
JP2007153710A (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
US20230260702A1 (en) Dielectric ceramic composition and single layer capacitor

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100625

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120220

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150316

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4946822

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150