JP2009124964A - 加工ニンニク含有チョレート菓子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 健康効果を有する機能性菓子として、ニンニクを素材とするチョコレート菓子が作られたとの報告は未だない。また、加工ニンニクをチョコレート菓子の素材とする場合、摂取時の臭いが障害となり、臭いに敏感な人々に敬遠されてしまう。
【解決手段】 本加工ニンニク含有チョレート菓子は剥き身の加工ニンニクの場合は、剥き身全体をチョコレートで包囲し、切断した小片や、ペーストや、粉末にした加工ニンニクを用いる場合は、湯せんで溶かしたチョコレートに混練して用いる。
これにより、加工ニンニク表面は、ほぼ全体がチョコレートで覆われ、加工ニンニクに残留する臭気はチョコレート内部に閉じ込められ、臭いに敏感な人々でも抵抗感なく美味しく食することができる。
【選択図】図7

Description

加工ニンニク(通称黒ニンニク)はそれ単独で十分おいしいが、他の食材との組合せることで一層の普及が期待できる。加工ニンニクはニンニクそのものであるが、ニンニクの健康食材としての有用性や実績は、歴史的にも万人が認めるものである。従って加工ニンニクを主素材、或いは副素材として他の食材と組合せることで、健康食材としての機能を有する付加価値の高い機能性食品の創出が可能になる。しかし、加工ニンニクは商品化されてまだ7年程度しか経過していない若い商品であり、商品開発はまだ著に着いたばかりである。
商品開発のターゲット分野として、菓子分野は加工ニンニクの有する甘さと酸味、食感などを考慮すると可能性の大きな分野である。しかし菓子分野への適用に当たっては、味覚、食感だけでは不十分で、匂いも重要な要素となる。加工ニンニクの場合通常の摂取方法で臭いが問題になることはないが、菓子などの食材として使用する場合、若干残留する臭気のため、匂いに敏感な人々に敬遠されてしまう。本発明は菓子の中でもチョコレート菓子に注目し、臭気に敏感な人々に対しても臭気を全く感じさせない加工ニンニク含有チョコレートおよび加工ニンニクを用いたチョレート菓子の製造方法に係る。
チョコレートには約2千年の歴史のあることが明らかにされており、しかもその大半の時期、チョコレートは固形の食べ物でなく飲み物として人々に愛用されてきた。現代人が当然と考える固形の食べ物としてのチョコレートが普及し始めたのは、つい170年程前からに過ぎないと言われている。
またチョコレートは長い歴史の過程で薬効を有するものと人々に信じられた時期が何度かあった。極端な例では、チョコレートは万病に効く万能薬であると唱える者が現れた時期もあった。しかし、今日チョコレートの薬効を肯定する識者は皆無と言える。
一方、最近は生活習慣病予防の観点から、ダイエット指向のチョコレート開発に関心が寄せられ、梅(特許文献1)、抹茶(特許文献2)、ブドウ(特許文献3)、その他フルーツ(特許文献4)との組合わせが検討され、これら食材との組合せでチョコレート菓子に使用する砂糖量の低減化を図ると同時に、新しい食感を有するチョコレート菓子が開発されている。しかし、この場合、ダイエット指向とは言え、実態は組合わせる食材の味覚と調和させるため使用する砂糖量を低減しただけの消極的効果に過ぎない。
ニンニクは人類の長い歴史の中で血圧降下、冷え性、動脈硬化予防、抗がん作用、抗菌作用など様々な健康効果のあることが広く認められ、今日にあってもその評価はゆるぎない。しかし、これまでニンニクをチョコレート菓子の素材とする、ニンニク含有チョコレート菓子の提案、発想は皆無であった。
これは、これまでの日本人の食文化の中でブドウなどフルーツは無論、梅やお茶も菓子素材として多用する文化があり、何の違和感もなく人々に受け入れられて来たが、野菜であるニンニクについては菓子素材として利用する文化が無かったためと考えられる。しかもニンニクは摂取時は無論、摂取後に於いても強烈な臭がありこれを菓子素材に使用するなど常識では考えられないものである。ニンニクの臭いの原因は、ニンニクの主要成分であるアリインがニンニクの加工段階や、人体への摂取後体内において分解され、アリシンに変化し、このアリシンがニンニク特有の臭いを放つためと言われている。
しかし我々が発明した特許文献5に記載の加工ニンニクにあっては、摂取時の臭いは僅かに認められるものの、摂取後の口臭は全くなく、しかも、濃厚な甘みと酸味があって十分おいしい。
従って、この加工ニンニクであれば少なくとも摂取後に於ける口臭が問題になることはなく、チョコレート菓子に適用すれば、従来無かったコンセプトである「健康効果を有する機能性菓子」として、健康に関心ある人々は無論、一般の人々の需要をも満たせることは明白である。しかしこのコンセプトを実現する上での技術上の障害は、加工ニンニクに僅かに残留する特有の臭いに起因して、臭いに敏感な人々に拒否、敬遠されることであり、この臭いの問題を解決しない限り加工ニンニクを素材とするチョコレート菓子を広く普及させることは困難である。
特許第2716320号 特許第2609180号 特許第2926500号 特許第3950159号 特許第4003217号
加工ニンニクは味覚、食感何れもチョコレートと良く調和することから、従来にない健康効果を有する機能性菓子になる素質を有する。しかるに、摂取時の僅かな臭いが原因で人々に受け入れ難い状況にあるのは、新たな食文化の創造の観点からも残念である。
本願発明では、摂取時に於いて臭いが全く気にならない加工ニンニク含有チョコレート菓子、及びその製造方法の提供を行う。
課題を解決するための手段及び効果
請求項1に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子は、加工ニンニクとチョコレートから構成される。まず加工ニンニクについて温度、湿度、保持時間条件がそれぞれ次ぎの条件に設定された熟成装置内で熟成される工程を含み製造されたものを使用する。
温度:30℃〜90℃、
相対湿度:50%〜95%
保持時間:48時間以上
また、チョコレートには、カカオアバターを主成分とするホワイトチョコレート或いは、ココア固形分にカカオアバターを加えたチョコレートを使用する。
本加工ニンニク含有チョレート菓子は前記加工ニンニクとして剥き身状態の加工ニンニクを使用する場合は、少なくとも半分以上、好ましくは剥き身全体を前記チョコレートで包囲する。切断した小片や、ペーストや、粉末にした加工ニンニクを用いる場合、湯せんで溶かしたチョコレートに混練して用いる。
本構成により、加工ニンニク表面は、ほぼ全体がチョコレートで覆われ、加工ニンニクに僅かに残留していた臭気はチョコレートで覆われることで内部に閉じ込められ、臭気は外部に漏洩せず、臭いに敏感な人々でも抵抗感なく美味しく食することができる。また、剥き身の場合、一部が露出していても、後述する蒸留酒、混成酒、醸造酒などで処理することにより加工ニンニクの臭いが低減される、或いは、これら蒸留酒、混成酒、醸造酒の匂い、チョコレートに含まれる成分の匂い、チョコレート自身の匂いなどにより加工ニンニクの臭いが隠蔽されるなどの効果があるため、加工ニンニク表面はチョコレートで半分以上被われていれば、臭いに敏感な人々でも抵抗感なく美味しく食することができる場合もある。
また、これにより健康効果に富む加工ニンニクをお菓子として摂取できる。ニンニクをお菓子の主材としたのは長い食文化の中でも本発明が初めてであり、画期的な食品であると評価でき、更には、本発明は新たな食文化創造への提言ともなり、この観点からも意義深い。
請求項2に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子に使用する前記加工ニンニクは、温度、湿度、保持時間条件がそれぞれ次ぎの条件に設定された熟成装置内で熟成される工程を含み製造された加工ニンニクを使用する。
温度:65℃〜90℃、
相対湿度:60%〜85%
保持時間:48〜720時間
これにより請求項1の熟成条件が更に狭い範囲に限定され、ばらつきの小さい均質な加工ニンニクが得られ、加工ニンニク含有チョレート菓子の一層の品質安定化が図れる。
請求項3に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子に使用する前記加工ニンニクは熟成条件が複数回連続して変更され、少なくとも最初の2ステップの温度、湿度、保持時間条件がそれぞれ次ぎの条件に設定された熟成装置内で熟成された加工ニンニクを使用する。
第1ステップ
温度:70℃〜90℃、
相対湿度:60%〜80%
保持時間:48〜168時間以上
第2ステップ
温度:60℃〜80℃、
相対湿度:50%〜70%
保持時間:48〜360時間以上
これにより請求項1、2とは異なる熟成条件で熟成されるので、請求項1,2とは異なる味覚の加工ニンニクとすることができ、この加工ニンニクの使用により、加工ニンニク含有チョレート菓子にバリエーションをもたせることができる。
請求項4に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子に使用する前記加工ニンニクは生ニンニク熟成工程に着手する前工程で前処理として、前記生ニンニクに対し次の(a)、(b)何れかの処理を実行する。
(a)30分〜4時間、海洋深層水(海水も含む)に浸漬処理する。
(b)20℃〜30℃の玄米発酵液に10分〜120分漬込む。
玄米発酵液には乳酸菌、ヨーグルト菌、コウジ菌を添加することもできる。
加工ニンニク製造の前処理工程にはバリエーションがあり、(a)前処理なし、(b)海洋深層水に浸漬、(c)玄米発酵液に浸漬など、少なくとも3通りの選択肢がある。
海洋深層水に浸漬する場合、生ニンニクには海洋深層水のミネラルが吸収され、食品機能性を更に向上させた加工ニンニク含有チョレート菓子にすることができる。
また、玄米発酵液に浸漬する場合、その熟成メカニズムはまだ解明されていないが、玄米発酵液への浸漬なしの場合と味覚は相違し、栄養成分にも相違が生じるものと考えられ、品質特性面でも加工ニンニク含有チョレート菓子に様々なバリエーションを持たせることができる。
請求項5に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子に用いられる加工ニンニクの熟成装置では、加熱手段の熱源として遠赤外線を用いるものとそうでないものの2種類がある。遠赤外線を用いる熱源には、遠赤外線ヒータ、備長炭、ガスバーナや電気ヒータで熱せられたセラミックスなどがある。また、熱線を放射する熱源装置には電気ヒータが、熱風供給装置にはガスバーナ・重油バーナで作られる熱風、ボイラーにより作られる高温蒸気などがある。これらは何れも熟成室内を一定温度に制御可能であれば、単独或いは複数の組合せで用いることができる。これらの加熱手段により生ニンニクは熟成に最適な温度に制御され、特に遠赤外線を用いる場合、熱は生ニンニクの内部まで良く浸透し、均一に熟成される効果を生じる。またこのようにして熟成された加工ニンニクを使用することにより、品質の安定した加工ニンニク含有チョレート菓子の作成が容易になる。
請求項6に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子に用いられる加工ニンニクは、熟成室、流出風路室、循環風路室、流入風路室の4室から構成される熟成装置により熟成され、熟装置内ではこれら4室を循環風が順次循環する。
また循環風は熟成室に於いて、熟成室の床面に設けた通風孔で整流されて熟成室内に一様に流入し、熟成室に一定期間滞留後は熟成室の天井面に設けた通風孔の整流効果を受けて、流出風路室へ一様に流出する。
また、前記流入風路室にはボイラーからの蒸気を噴き出させる噴出口が配置され、熟成室内には請求項5に記載の加熱手段と、室内空気を撹拌均一化する扇風機が設置される。これらにより熟成室内は設定された恒温・恒湿条件に維持される。また熟成室内部の天井、床、四方の壁面の全て又は一部は杉などの天然木材で被覆され、生ニンニクを収納する容器を載置できる天然木材で作られたスノコ形状の棚が設置される。前記流出風路室の壁面には、ダンパ(室内空気置換装置)が設けられ循環風の一部は外気と置換される。外気との置換は必要に応じ連続又は断続的に実施される。
この熟成装置により熟成される生ニンニクは、熟成に伴いニンニク表面から発生する老廃ガスが循環風で絶えず換気されしかも、壁面や棚を構成する天然木材がこの老廃ガスを分解する作用があると考えられている。ニンニク表面から老廃ガスを速やかに取り除くことは、良質な加工ニンニクを得るため必須要件であり、またこのような熟成装置内で熟成された加工ニンニクを使用することで良好な品質の加工ニンニク含有チョレート菓子の作成が容易になる。
請求項7に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子に用いられる加工ニンニクは、蒸留酒、混成酒、醸造酒の何れか、中でもラム酒、ブランデー、ウイスキー、焼酎、リキュールに少なくとも1時間以上室温で浸漬することで、加工ニンニクに残留する臭いを更に希薄化させると同時に、酒の成分を加工ニンニク内部に浸透させることで味に一層の深みをもたせることができる。また、ワイン、日本酒などの醸造酒に1日以上浸漬しても一定の効果がある。
これらにより、酒に浸漬した加工ニンニクを使用する加工ニンニク含有チョレート菓子では一層の消臭効果と、酒が本来備えている芳香による隠蔽効果もあり、更には味の向上と、様々な種類の酒を用いることにより味のバリエーション拡大が図れる。
請求項8に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子は、加工ニンニクの性状により次の4形態があり得る。
(a)加工ニンニクのりん球を包囲する皮を剥いて得られる剥き身をそのままチョレートでコーティングしたもの、或いはチョコレートで包んだもの。
(b)加工ニンニクの剥き身を1〜10mm角程度にカッティングし、溶融したチョコレートに混ぜ、型に入れ冷却固化させたもの。
(c)加工ニンニクの剥き身をペースト状に潰し、溶融したチョコレートに一様に混練し、冷却固化させたもの。
(d)加工ニンニクを乾燥させ、粉砕機などで粒径10〜300μmの粉末にしたものを溶融したチョレートに一様に混練し、冷却固化させたもの。
上記の4形態のうち、(a)は加工ニンニク表面をチョコレートで完全にカバーすることができるが、(b)〜(c)は理論上加工ニンニク表面をチョコレートで完全にカバーすることは難しい。しかし、加工ニンニクとチョコレートには親和性が認められカッティングされた加工ニンニク、ペースト状の加工ニンニク、粉末の加工ニンニクの何れであっても溶融チョコレートによくなじみ、その表面はほぼチョコレートでコーティングされる。
なお、ペクチンなどの乳化剤を添加することで加工ニンニクと溶融チョコレートのなじみは一層良好になる。
加工ニンニク含有チョレート菓子がこれら(a)〜(d)の4形態の何れの場合であっても、加工ニンニク表面はチョコレートでカバーされるので、臭いに敏感な人に対しても摂取時ニンニク臭が問題になることはなく、万人に受け入れられる。
請求項9に記載の加工ニンニ含有チョレート菓子に使用するチョコレートには次の2種類がある。
(a)少なくともカカオバターを含むものであって、これ以外に砂糖、乳成分、バニラ、硬化油などが必要に応じ添加されたもの。
(b)少なくともカカオバターとカカオマスを含み、これ以外に砂糖、乳成分、バニラ、硬化油などが必要に応じ添加されたもの。
これら2種類のチョコレートを適宜使用することによりホワイトチョコレート、ビターチョコレート、スイートチョレート、ミルクチョコレート、コーティングチョコレートなどそれぞれの特徴を生かしたバリエーションに富む加工ニンニク含有チョレート菓子の作成ができる。
請求項10に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子の製造方法は、加工ニンニクとチョコレートを主素材として製作される。まず加工ニンニクについて温度、湿度、保持時間条件がそれぞれ次ぎの条件に設定された熟成装置内で熟成されたものを使用する。
温度:30℃〜90℃、
相対湿度:50%〜95%
保持時間:48時間以上
また、チョコレートには、カカオアバターを主成分とするホワイトチョコレート或いは、ココア固形分にカカオアバターを加えたチョコレートを使用する。
本加工ニンニク含有チョレート菓子は前記加工ニンニクとして剥き身の加工ニンニクを使用する場合は、少なくとも半分以上、好ましくは剥き身全体を前記チョコレートで包囲する。切断した小片や、ペーストや、粉末にした加工ニンニクを用いる場合は湯せんで溶かしたチョコレートに混練して用いる。
本製造方法に依れば、加工ニンニク表面は、剥き身、切断した小片、ペースト、粉末の何れであってもほぼ全体がチョコレートで覆われ、加工ニンニクに僅かに残留する臭気はチョコレートで覆われることで内部に閉じ込められ、臭気は外部に漏洩せず、臭いに敏感な人々でも抵抗感なく美味しく食することができる。また、剥き身の場合、一部が露出していても、蒸留酒、混成酒、醸造酒などで処理することにより加工ニンニクの臭いが低減される、或いは、これら蒸留酒、混成酒、醸造酒の匂い、チョコレートに含まれる成分の匂い、チョコレート自身の匂いなどにより加工ニンニクの臭いが隠蔽されるなどの効果があるため、加工ニンニク表面はチョコレートで半分以上被われていれば、臭いに敏感な人々でも抵抗感なく美味しく食することができる場合もある。
本願発明の加工ニンニク含有チョレート菓子の構成素材は、加工ニンニクとチョレートであり、これら各素材は別々に作られ最終工程で合体される。発明の実施形態の説明はまず各素材について説明し、次いで合体方法について説明する。説明の順序は次になる。
(1)加工ニンニクの作り方
(2)加工ニンニクの処理方法
(3)チョコレートの作り方
(4)チョコレート菓子の作り方
(1)加工ニンニクの作り方
加工ニンニクの主な製造方法には例えば図1〜図3に示す3種類の製造方法がある。図1は海洋深層水の使用に特徴があり、図2は発酵液を使用するものであり、図3はプロセスの単純化を図ったものである。
まず図1の加工ニンニク製造方法について図1と図4を用い説明する。なお、図4は第1の製造装置で図1の製造方法に用いる熟成装置の正面図と側面図である。
図1の製造プロセスではまず、生産地から調達された生ニンニクに根や不必要な茎が残留している場合はこれらを切除し、皮付きのまま一定形状に整える。次いで水洗により表面に残留する土等の汚れを落し、皮付きのまま根が下になる方向にしてバットに並べ、生ニンニクが浮き上がらない程度に準備した海洋深層水をそそぎ浸漬する。浸漬時間は水温15℃で1時間を標準とする。この時、海洋深層水中に溶解し、生ニンニク中に含まれないミネラル成分が浸透圧により生ニンニク中に浸透する。海洋深層水は毎回新鮮なものを使用し、繰り返し使用することはない。
浸漬終了後、生ニンニクは処理生ニンニクとなり、水切りして杉材からなる木枠のトレイに配列される。トレイ底面はスノコ状に隙間が形成され、杉板の表面には必要に応じ木炭塗料(商品名:ヘルスコート)が塗工されてよい。処理生ニンニクの配列されたトレイは図4に示す熟成装置1の棚27にトレイ3内に配列されて載置される。
ここで、熟成装置1について説明を行う。
熟成装置1は構造材5をフレームとして内部に、熟成室10、流入風路室12、流出風路室11、循環風路室35の4つの部屋が設けられ、装置全体が断熱されている。熟成室10には天井13と、床14が設けられ、天井面、床面、及び側面が全て杉材で覆われている。熟成室10と流出風路室11を仕切る天井13には、循環風を通す多数の天井通風孔18が設けられ、熟成室10と流入風路室12を仕切る床14にも同様に循環風を通す多数の床通風孔19が設けられる。
熟成室10内の作業用通路の両側には床面から天井まで全面に棚27が設けられる。棚はトレイ同様杉材で作られ、表面に木炭塗料が塗工される。熟成室内を恒温、恒室に維持するため温度、湿度測定用として、室内の適宜の場所に温度センサ44と湿度センサ45が設置される。また、室内空間の温度、湿度の均一化を促進させるため図示しないエア攪拌装置が追加設置される。流入風路室12は熟成室10の床14の下に設けられる空間であって、蒸気配管21が配設され、設定温度に調整された熱風と、蒸気配管21から噴出する蒸気を熟成室10の床通風孔19から一様に噴出させる。
循環風路室35には熱交換器36、空気圧送用ブロア29、外気取入れ用吸気ダンパ47、排気ダンパ46と、蒸気バルブ37などが設置される。熱交換機は熟成室10に供給する空気を熟成に必要な所定の温度に加温し、蒸気バルブ37は、図示しないボイラーで発生させ、蒸気配管21により熟成室10内に供給する高温、高圧蒸気の供給量を制御し、熟成室10内の湿度が設定湿度になるよう、その供給量が制御される。
ブロア29により圧送され循環する熱風は所定温度に加温されて循環風路室35の室内を下方に送り出される。送風方向は供給風30で示すように流入風路室12の方向に曲げられる。流入風路室12は熟成室10に対し陽圧に維持され、乱流状態の熱風は床通風孔19で整流されて熟成室10の床面全体から一様に吹き出る。熟成室10に流入した熱風は適宜の位置に設けられた扇風機タイプのエア撹拌器で撹拌される。棚及び棚に載置されるトレイは全てスノコ形状を採用しているので通風性があり、上方に向かう熱風の流路が形成され、熱風の流れに淀みが生じることはない。また、これにより熟成室10内に載置、熟成されるニンニクは、常時循環熱風に晒され、熟成に伴い発生する老廃ガスがニンニク表面から速やかに撤去される。また、エア撹拌される室内では、熟成反応で発生する老廃ガスを含む熱風が、杉材、および塗工木炭が塗工されたトレイ、棚、四方の壁面に衝突し、老廃ガス成分を杉材、および塗工木炭に吸着させる。
熟成室内を通過し天井に到達した熱風は、天井面全体に設けられた天井通風孔18から流出風31として流出風路室11に一様に吹き出す。天井通風孔18にも整流効果があり、熟成室10内での熱風の流れの一様化を促進させる。
流出風路室11に流出した熱風は、流路方向を曲げられて循環風路室35への流入により一巡し、更に循環を繰り返す。なお、流出風路室11の熱風の一部は排気ダンパ46の開閉量でその排出量が決められて、外部に排出される。また、この排出量に見合って吸気ダンパ47を経由して新鮮な吸入風が吸入される。
熟成工程では図1に示すように4ステップが連続して実行される。即ち第1ステップが温度90℃、湿度80%の熟成環境で7日間保持、続く第2ステップで温度80℃、湿度70%の熟成環境で7日間保持、更に第3ステップで温度60℃、湿度70%の熟成環境で10日間保持、そして最終第4ステップで温度60℃、湿度70%の熟成環境で5日間保持し、熟成を完了した加工ニンニクが得られる。本加工ニンニクは熟成の進展に伴い徐々に黒変し、黒色度を増すので、黒色度は熟成度を示す指標の1つに成り得る。この黒色度、味覚、臭気などから熟性度を判断すると、第2ステップ終了時点での熟成度は70%、第3ステップ終了時点での熟性度は90%と判断され、第4ステップ終了時点での熟性度は100%となる。
次に図2の加工ニンニクの製造方法について図2と図5を用い説明する。なお、図5は第2の製造装置で図2の製造方法に用いる熟成装置の機能説明図である。
図2の製造プロセスではまず前処理工程で、糖類を含む穀類を発酵させて作った発酵液(乳酸菌、ヨーグルト菌、コウジ菌などを含有)を入れたバットに生ニンニクを投入浸漬し、一昼夜温度20〜30℃に保持する。
浸漬終了後、生ニンニクは処理生ニンニクとなり水切り乾燥させ図5に示す備長炭105の上に配列させる。
ここで、熟成装置100について説明を行う。
熟成装置100は断熱されたチャンバ本体101内部の底部に備長炭105が敷詰められ、処理生ニンニク103はこの備長炭105上に載置される。備長炭105の下にはヒータ104が設けられヒータは発熱して備長炭105を加熱し、備長炭105の表面から赤外線を放射させる。チャンバ内温度は温度センサ112によりセンシングされ、コントローラ110によりPID制御によりヒータ104の発熱量が制御されて、チャンバ内温度は設定温度に保持される。またチャンバ内には湿度センサ113が設置され、チャンバ内が乾燥して、処理生ニンニクに炭化の恐れが生じた場合はヒータ104を停止させる。チャンバ本体101の上方に設置されるフタ107はチャンバ内の温度と湿度を維持する機能を有するが、熟成中の老廃ガスを放出するためのフタ付き通気102が設けられ、適宜の開閉によりチャンバ内に溜まった老廃ガスを放出させる。
チャンバ内に載置された処理生ニンニクは第1ステップで温度30〜40℃で30〜50時間熟成される。これは乳酸菌などによる発行を促進させるための工程である。第2ステップで温度50〜60℃で30〜50時間熟成される。第2工程で熟成時間に幅があるのは、生ニンニクの品種、産地により大きさ、水分量などが異なるためであるが、ロットに最適な条件は都度設定する。
第3ステップは温度60〜75℃で100時間熟成される。この段階は糖化の段階と思われ、ニンニクの褐色化が進み黒色に近い状態になる。
第4ステップは温度60〜75℃で熟成と乾燥が実施される。保持時間は第2ステップ同様生ニンニクの品種、産地、大きさなどにより予め適正時間を設定する。図2に示した保持200時間は標準の場合である。第3ステップの終了により加工ニンニクは適度な硬さと、甘味と酸味を備えた加工ニンニクに熟成される。
次に図3の加工ニンニクの製造方法について図3と図6を用い説明する。なお、図6は第3の製造装置で図3の製造方法に用いる熟成装置の機能説明図である。
生ニンニクを水洗後トレーに配列させ、トレイを図6に示す熟成装置200内の棚209に載置する。ここで、熟成装置200について説明を行う。
熟成装置200は断熱されたチャンバ本体201内部に棚209が複数段に設けられ、生ニンニク203を配列させたトレイ202が載置される。チャンバの右方には重油ボイラー方式の熱風供給装置215と、加湿器216が設置され、チャンバ内に設けられた温度センサ212と、湿度センサ213で検出される温度、湿度に基づき、コントローラ210がチャンバ内の温度と湿度を設定値に制御する。
チャンバ左方には吸気配管205と排気配管206と排気ブロア211が設置される。熱交換器207では吸気と排気の間で熱交換が行われる。なお排気ブロアの送風量は熟成段階に応じて適宜コントロールされる。
チャンバ内に載置された生ニンニクは第1ステップで温度65〜70℃、湿度80〜85%で30日間熟成される。この間に淡黄色のニンニクは褐色から黒褐色に変色し糖化熟成される。
第2ステップは乾燥工程で、温度20℃、湿度60%の条件に7日間保持され、第2ステップの終了により加工ニンニクは適度な硬さと、甘味と酸味を備えた加工ニンニクに熟成される。
以上加工ニンニクの3通りの製造方法について、図1の製法については図4の第1の製造装置、図2の製法については図5の第2の製造装置、図3の製法については図6の第3の製造装置とそれぞれ対にして説明したが、これら各製造方法と各製造装置の関係は固定されない、基本的には任意の組合せで加工ニンニクを製造できる。
(2)加工ニンニクの処理方法
加工ニンニクは摂取後の口臭は全くないが、臭いに敏感な人々には摂取時の僅かな臭いが摂取の障害になる。この摂取時の僅かな臭いを消去する方法として加工ニンニクを酒類に浸漬させる方法がある。酒は通常、醸造酒、蒸留酒、混成酒に大別され、何れの酒であっても一応それなりの効果が認められるが、中でも蒸留酒や蒸留酒をベースとした混成酒が好適と言える。具体的にはラム酒、ブランデー、ウイスキー、焼酎、リキュールに室温で2日以上浸漬したものについて良好な消臭効果と味覚の向上を確認している。しかし、浸漬時間は室温で1時間以上あれば一応の消臭と味覚向上効果が認められる。
また、ワイン、日本酒などの醸造酒に1日以上好ましくは1月以上浸漬することで、加工ニンニクにワインや日本酒が浸透し匂いと味覚が改質される。
一方、加工ニンニクはチョコレートで被覆一体化させるときの素材形状として、剥き身、小片、ペースト、粉末の4種類がある。これらは下記により調達できる。
剥き身:加工ニンニクのりん球を包囲する皮を手作業で剥いて得られる。
小片:カッティングマシン、スライシングマシンなどで剥き身を小片に切断できる。今回はナイフを用い手作業で行った。
ペースト:ミキサー等を用い、剥き身を潰しペースト状にする。
粉末:剥き身を十分乾燥させ、粉砕機を用い粒径(メジアン値)10〜300μmの粉末にする。なお、粉砕機は粉砕時発熱量の小さい粉砕機を使用する。
(3)チョコレートの作成方法
本発明ではベースとして2種類のチョコレートを使用している。1つが少なくともカカオバターを含むチョコレートであり、他が少なくともカカオバターとカカオマスを含むチョコレートである。後述する実施例では前者として市販のホワイトチョコレートを、後者として市販のスイートチョコレートを使用している。
(4)チョコレート菓子の作り方
加工ニンニク含有チョレート菓子の6つの実施例について、以下に順次説明する。
〔実施例1〕
第1の実施例であるホワイトショコラの断面を図7に示す。
ホワイトショコラ50は略球形で中心部に略9mm角形状にカットされた加工ニンニク小片52が配置され、外周をホワイトチョコレート51が包囲する。更にこの外周に粉糖53がまぶされる。ホワイトショコラ50の重量は1つが略8gで、20個を同時に作成する手順は次になる。
生クリーム50gをボールにとり電子レンジで煮立てる。これに市販のホワイトチョコレート100gをきざんでボールに入れ、チョコレートが完全に溶けるまでスプーンで十分攪拌する。続けてバター10gを加え均一に溶けるまでよく攪拌する。その後コアントロ10ccを加えつやが出るまでよく攪拌し、十分つやが出た時点で流し缶に流し込み竹くしを用い気泡を消しながら室温で冷却する。2時間程冷却した後ナイフで20等分にカットする。別に準備した略9mm角の加工ニンニク小片を先にカットしたホワイトチョコレートの1片で包み、全体が球形になるように形を整える。表面に少量の粉糖を振りかけて化粧し、そのまま冷蔵庫で2時間冷却して固めて完成させる。
本実施例では、加工ニンニク表面は完全にチョコレートで包囲されるので、加工ニンニクの臭気が外部に漏洩することなく、また加工ニンニクとチョコレートとのなじみもよく一体形状に保たれる。
〔実施例2〕
第2の実施例であるココアショコラの断面を図8に示す。
カカオショコラ60は略球形で内部に加工ニンニクのペースト62がスイートチョコレート61内に分散が配置し、外周にココアパウダー63がまぶされる。ココアショコラ60の重量は1つが略8gで、20個を同時に作成する手順は次になる。
生クリーム50gをボールにとり電子レンジで煮立てる。これに市販のスイートチョコレート100gをきざんでボールに入れ、湯せんで温めながらチョコレートが完全に溶けるまでスプーンで十分攪拌する。続けてバター10gと加工ニンニクペースト48gを加え均一に溶けるまでよく攪拌する。更にラム酒10ccを加えつやが出るまでよく攪拌し、十分つやが出た時点で流し缶に流し込み竹くしを用い気泡を消しながら室温で冷却する。2時間程冷却した後ナイフで20等分にカットし、カットした1つが球形になるように形を整える。表面に少量のココアパウダーを振りかけて化粧し、そのまま冷蔵庫で2時間冷却して固めて完成させる。
本実施例では、加工ニンニクが表面に露出する箇所はわずかで、しかもココアパウダーでカバーされるので、加工ニンニクの臭気が外部に漏洩することはなく、また加工ニンニクとチョコレートとのなじみもよく一体形状がよく保たれる。
〔実施例3〕
第3の実施例であるブランデーカップの断面を図9に示す。
ブランデーカップ70の最外層はアルミ箔カップ71で、内側に純粋なスイートチョコレート72、中心部はスイートチョコレートと加工ニンニクペースト73と、ラム酒の混合物75で構成される。ブランデーカップ1個の重量は略10gで、20個を同時に作成する手順は次になる。
底が円形平面で側面が蛇腹状に折り曲げられて形成されたアルミ箔容器に、湯せんで溶融させたスイートチョコレートを満たし、次いでこれを反転逆向きにし、一旦満たしたチョコレートを流下させる。このときアルミ箔容器内壁面にはスイートチョコレート層が形成される。
次に、市販のスイートチョコレート100gをきざんでボールに入れ、湯せんで温めながらチョコレートが完全に溶けるまでスプーンで十分攪拌する。続けてバター10gと加工ニンニクペースト30gを加え均一に溶けるまでよく攪拌する。更にラム酒10ccを加えつやが出るまでよく攪拌し、十分つやが出た時点で先に作成しておいたスイートチョコレート層の形成されたアルミ箔容器に前記攪拌物を容器一杯になるよう流し込む。その後冷蔵庫に2時間保管し、冷却固化させて完成させる。
なお、本実施例ではアルミ箔容器を使用したが、様々なチョコレート型を用いて作られる中空のチョレートキャップを用いることもできる。中空のチョレートキャップは市販のものを利用することも可能である。
完成品はブランデーの良い香りがし、加工ニンニクの匂いは完全に隠蔽される。
〔実施例4〕
第4の実施例であるクッキーサンドの断面を図10に示す。
クッキーサンド80の外形は略球形で、上下に2分された上下半球形状のクッキー生地83の間にスイートチョコレート81と加工ニンニクペースト82との混合物が挟まれる。
クッキーサンドの外形は略30mmで、スイートチョコレート81と加工ニンニクペースト82との混合物層の厚さは略3mmである。クッキーサンドの作成手順は次になる。
まず半球形状のクッキーを別途準備する。次に、市販のスイートチョコレート100gをきざんでボールに入れ、湯せんで温めながらチョコレートが完全に溶けるまでスプーンで十分攪拌する。続けてバター10gを加え均一に溶けるまでよく攪拌し、更に加工ニンニクペースト24gを加え攪拌する。十分均一になった時点で先に作成しておいたクッキー生地の円形平面部にこのチョコレート混合物略3gを一様に塗布し、もう一つの半球形状クッキーで挟み室温にて略2時間冷却させる。
加工ニンニクがクッキーサンド表面に露出する割合は僅かで、クッキーの香りが勝って加工ニンニクの匂いは隠蔽される。
〔実施例5〕
第5の実施例であるガトーショコラの断面を図11に示す。
ガトーショコラ90は略直方体で、断面は長方形になる。中心部のケーキ91には加工ニンニクペースト92が一様に分散しており、ケーキ91の外周はコーティングチョコレートでコーティングされている。サイズは略20mm×20mm×25mmでありガトーショコラの作成手順は次になる。
ボールに市販のスイートチョコレート108gとバター72gを入れ湯せんで溶かす。
別のボールに卵黄3個とグラニュー糖45gを泡立て器でとろみが出てリボン状に垂れ下がるまで泡立てる。次いでこれに加工ニンニク32gを加え泡立て器で攪拌しながら混合する。攪拌により滑らかになったら生クリーム50gを加え攪拌する。これにカカオ18gをふるいながら加え泡立て器で攪拌する(これを中間体と呼ぶ)。別のボールに卵白3個を入れ泡立て器でほぐしグラニュー糖45gを数回に分けながら加え、更にブランデー2さじを加え十分泡立てる(これをメレンゲと呼ぶ)。先に作成した中間体にメレンゲを加え泡をつぶさないように一様に攪拌する。これをオーブンシートを敷いた直方体の型に厚さが略15mmになるように流し込む。次いで180℃のオーブンで略30分焼く。焼きあがると生地が厚さ20mm程度に膨らむ。オーブンから取り出し室温まで冷却し、冷却後ナイフで20mm×20mm×25mmサイズにカットする。別途ボールに用意したコーティングチョコレートを湯せんで溶かし、先にカットしたケーキにかけてコーティングする。ガトーショコラの場合も加工ニンニクはコーティングチョコレートに包囲されるので臭気が外部に漏洩することはない。
〔実施例6〕
第6の実施例であるガーリックショコラの断面を図12に示す。
ガーリックショコラ95は3層構造をなし、中心部から外側に向かい加工ニンニクの剥き身98、砂糖シロップ97、コーティングチョコレート96が配置される。形状は、剥き身98の形状がほぼそのまま外形となるので不定形である。ガーリックショコラの作成手順は次になる。
砂糖シロップをボールに取り、大粒の加工ニンニク98をこれに浸漬し、加工ニンニク98の表面に砂糖シロップをムラなく一様に付着させる。次いで別途ボールに用意したコーティングチョコレートを湯せんで溶かし、先に用意した砂糖シロップを付着させた加工ニンニクにかけてコーティングする。
ガーリックショコラ95は全体に占める加工ニンニクの割合が、前述の実施例1〜5に比較し圧倒的に大きいが、加工ニンニクの臭気が外部に漏洩することはない。
以上6実施例のうち実施例2〜5については何れも加工ニンニクペーストを用いているが、ペーストに換え、小片や粉末を使用しても何ら不都合はない。また、実施例1〜6の何れについても、加工ニンニクに換え、蒸留酒、混成酒、醸造酒などに浸漬した加工ニンニクを使用してよい。
また、上記に例示した6の実施例は何れも手作りが基本であった。しかし何れの場合も型を用いて外形形状の均一化を図ることも、また機械を用いて大量、自動生産することも容易である。
次に、上記6実施例で作成された加工ニンニク含有チョコレート菓子について実施した被検者25人による官能評価試験結果について説明する。
官能評価試験では、25人の被検者に前述した6種類の実施例による加工ニンニク含有チョコレート菓子と、比較用として加工ニンニクとを試食してもらい、摂取時臭い、摂取後臭い、摂取時味覚、摂取後味の4項目について評価していただいた。被検者は女性18名、男性7名で年齢構成は20才〜65才である。官能試験結果を表1に示す。
なお、各評価項目の意味は次のとおりである。
摂取時臭い;試食品を食べたときニンニク臭、その他いやな臭いを感じたか。
摂取後臭い;試食品を食べた後、息が臭いと言われたか。
摂取時味覚;試食品を食べるとき、抵抗感があったか。
摂取後味 ;食後エグイなどの不快感があったか。
表1の官能試験結果から、加工ニンニク単体では摂取時の匂いが気になる人が10人中8人あったが、本発明による加工ニンニク含有チョコレート菓子では匂いが気になると回答した者はゼロであった。これより実施例での本発明による加工ニンニク含有チョコレート菓子は何れも加工ニンニクと比較して、摂取時の匂いが解消されていることは明白である。また、味覚的にもチョコレート菓子として大変好評であった。
Figure 2009124964
海洋深層水を使用した加工ニンニクの製造方法 発酵液を使用した加工ニンニクの製造方法 単純化プロセスによる加工ニンニクの製造方法 第1の製造装置 第2の製造装置 第3の製造装置 実施例1のホワイトショコラ 実施例2のココアショコラ 実施例3のブランデーカップ 実施例4のクッキーサンド 実施例5のガトーショコラ 実施例6のガーリックショコラ
符号の説明
1、100、200 熟成装置
2、103、203 ニンニク
3 トレイ
10 熟成室
11 流出風路室
12 流入風路室
35 循環風路室
44、112、212 温度センサ
45、113、213 湿度センサ
50 ホワイトショコラ
51 ホワイトチョコレート
52 加工ニンニク小片
60 ココアショコラ
61、74、81、93、96 チョコレート
62、92 加工ニンニクペースト
83 クッキー
101、201 チャンバ本体
105 備長炭
216 加湿器
215 熱風供給装置

Claims (10)

  1. 温度30℃〜90℃、相対湿度50%〜95%、保持時間48時間以上の温度・湿度・保持時間条件に制御維持された熟成装置内に、生ニンニクを保持、熟成する工程を含み製造される加工ニンニクと、
    少なくとも成分としてカカオアバターを含むチョコレートと、
    から作られ、前記加工ニンニクの表面が少なくとも半分以上、好ましくは全体が前記チョレートにより被覆されることを特徴とする加工ニンニク含有チョレート菓子。
  2. 前記加工ニンニクが、
    温度65℃〜90℃、相対湿度60〜85%、保持時間48〜720時間の温度・湿度・保持時間条件に制御維持された熟成装置内に、生ニンニクを保持熟成する工程を含み製造されること特徴とする請求項1に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子。
  3. 前記加工ニンニクが、
    前記温度・湿度・保持時間条件を複数回連続して変更し、少なくとも最初の2ステップが、
    第1ステップ:温度70℃〜90℃、相対湿度60〜80%、保持時間48〜168時間
    第2ステップ:温度60℃〜80℃、相対湿度50〜70%、保持時間48〜360時間
    の温度・湿度・保持時間条件に制御維持された熟成装置内に、生ニンニクを保持熟成して作られること特徴とする請求項1に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子。
  4. 前記生ニンニクがあらかじめ海洋深層水に浸漬処理、或いは玄米発酵素に漬込む処理を施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子。
  5. 前記熟成装置の加熱手段が、遠赤外線を放出する遠赤外線放射熱源装置或いは、熱線を放射する熱源装置、或いは熱風を供給する熱源装置の何れか1つまたは、2つ以上の組合せで構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子。
  6. 前記熟成装置が熟成室と、流出風路室と、循環風路室と、流入風路室の4室で構成され、該4室を循環風が順次循環し、前記循環風は前記熟成室の床面に設けた通風孔の整流効果で前記熟成室内へ一様に流入し、前記熟成室の天井面に設けた通風孔の整流効果で前記流出風路室へ一様に流出しており、
    前記熟成装置が、
    前記熟成室の室内空気を任意の恒温・恒湿環境に維持する恒温・恒湿化装置と、
    前記熟成室の室内空気を撹拌して均一にする室内空気均一化装置と、
    前記熟成室の室内の天井、床、四方壁面の全て又は一部を被覆する天然木材と、
    前記生ニンニクを収納する容器を載置できるスノコ形状の棚と、
    前記循環風の一部を連続又は断続的に外気と置換する室内空気置換装置と、
    から構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子。
  7. 前記加工ニンニクを蒸留酒、混成酒、醸造酒の何れかに、1時間以上浸漬することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子。
  8. 前記加工ニンニクを剥き身のまま、或いは、前記剥き身を小片に切断したもの、或いは前記加工ニンニクをペーストにしたもの、或いはまた前記加工ニンニクを乾燥させて粉末にしたものを、前記チョレートで被覆することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子。
  9. 前記チョコレートが、少なくともカカオバターを含むもの、或いは少なくともカカオバターとカカオを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の加工ニンニク含有チョレート菓子。
  10. 温度30℃〜90℃、相対湿度50%〜95%、保持時間48時間以上の温度・湿度・保持時間条件に制御維持された熟成装置内に、生ニンニクを保持、熟成して作られる加工ニンニクと、
    少なくとも成分としてカカオアバターを含むチョコレートと、
    から作られ、前記加工ニンニクの表面が少なくとも半分以上、好ましくは全体が前記チョレートにより被覆されることを特徴とする加工ニンニク含有チョレート菓子の製造方法。
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